JPH06275146A - 複合超電導線材 - Google Patents

複合超電導線材

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JPH06275146A
JPH06275146A JP5058393A JP5839393A JPH06275146A JP H06275146 A JPH06275146 A JP H06275146A JP 5058393 A JP5058393 A JP 5058393A JP 5839393 A JP5839393 A JP 5839393A JP H06275146 A JPH06275146 A JP H06275146A
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wire
superconducting
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outer diameter
superconductor
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JP5058393A
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Kazuhide Tanaka
和英 田中
Michiya Okada
道哉 岡田
Tsuneyuki Kanai
恒行 金井
Naomi Inoue
直美 井上
Yuichi Kamo
友一 加茂
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【構成】臨界温度,臨界磁界及び臨界電流密度の異なる
酸化物系超電導材と金属系超電導材を合わせて2種以上
複合化することにより構成される。酸化物系超電導材に
は主にY−123,Bi−2212,Tl−1223,
Tl−2223系が用いられる。金属系超電導材には主
にNbTi,Nb3Sn,V3Ga,Nb3Al 、シエブ
レル化合物系が用いられる。 【効果】一本の線材で液体窒素温度及び液体ヘリウム温
度のいずれの場合においても使用可能であり、特に液体
ヘリウム温度の場合高磁界中で従来までのような急激な
特性の低下のない超電導線材を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物系超電導材と金
属系超電導材を2種以上含む断面構造を有し、液体窒素
温度及び液体ヘリウム温度で使用するための好適な複合
超電導材に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導臨界温度が液体窒素温度を越える
酸化物系高温超電導体の発見以来、それを用いた弱電及
び強電応用の期待が高まっている。これら酸化物系超電
導体には、代表的にY系超電導体,Bi系超電導体,T
i系超電導体があり、これらの超電導体をAg等の貴金
属シースに充填し伸線,圧延を行う線引き−圧延法等を
用いて加工を行うことにより、液体窒素温度において臨
界電流密度が104 〜106A/cm2以上の値が得られる
ようになった。また、従来の金属系超電導体と比較して
超電導臨界磁界も高く、特にBi系超電導体では20テ
スラを越える磁場を印加しても104A/cm2以上の臨界
電流密度値が得られるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、液体窒素温度あ
るいは液体ヘリウム温度作動で試みられている超電導マ
グネットは、酸化物系超電導線材あるいは金属系超電導
線材が別々に組み込まれている。液体窒素作動超電導マ
グネットには酸化物系超電導線材が使用可能であるが、
これを液体ヘリウム温度中での低磁界側で使用しようと
しても線材自身の超電導電流が低いために金属系超電導
線材と同等の磁界を発生させることが困難である。ま
た、液体ヘリウム温度作動超電導マグネットでは金属系
超電導線材が使用される。しかし、液体ヘリウム温度で
は十数テスラまでの磁界の発生には適するが、それ以上
の高磁界中では線材自身の超電導電流が低下するため使
用出来ない。また、Tcが低いため液体窒素温度では使
用出来ない。
【0004】本発明の目的は、酸化物系超電導線材及び
金属系超電導線材特有の性質を充分に考慮し、液体窒素
温度及び液体ヘリウム温度のどちらでも使用可能な複合
超電導線材を得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、酸化物系超
電導線材と金属系超電導線材を2種以上含む断面構造を
有する複合線材を得ることにより達成される。すなわ
ち、本発明によれば77K以上のTcを有するRe−A
e−Cu−O系(Re:Y,Sc,La等の周期律表II
Ia族元素のうちの1種以上、Ae:Ba,Sr,Ca等
の周期律表IIa 族元素のうちの1種以上を表す)、又は
Bi−Sr−Ca−Cu−O系に必要に応じてPb,B
aのうちの1種以上を含む系、又はTl−Sr−Ca−
Cu−O系に必要に応じてBi,Pb,Baのうちの1
種以上を含む系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系に必要
に応じてBi,Pb,Srのうちの1種以上を含む系を
主構成元素とする酸化物系超電導材及び4.2K 以上の
Tcを有するNbTi系等の合金系,Nb3Sn系,N
3Al系、又はV3Ga 系等の金属間化合物系、又は
シェブレル化合物系を主構成元素とする金属系超電導材
を用することを意味する。
【0006】本発明における酸化物系超電導材の原料化
合物としては、Re−Ae−Cu−O系の場合には、
(例:イットリウム化合物,バリウム化合物)、銅化合
物が用いられる。また、Bi−Sr−Ca−Cu−O系
の場合には、ビスマス化合物,ストロンチウム化合物,
カルシウム化合物,銅化合物を用い、必要に応じて鉛化
合物,バリウム化合物が用いられる。
【0007】Tl−Sr−Ca−Cu−O系及びTl−
Ba−Ca−Cu−O系の場合には、タリウム化合物,
ストロンチウム化合物,バリウム化合物,カルシウム化
合物,銅化合物を用いる。必要に応じてビスマス化合
物,鉛化合物が用いられる。各原料化合物は、酸化物,
水酸化物,炭酸塩,硝酸塩等である。
【0008】本発明における酸化物系超電導粉末の製造
方法は、それぞれの化合物を粉砕,混合し、その混合物
を焼成する方法が挙げられる。この方法には、原料化合
物のすべてを一度に混合する方法や原料化合物の一部を
予め混合した後、残りの原料粉末を混合する方法があ
る。
【0009】本発明における酸化物系超電導体の合成に
際しての熱処理温度は、700〜1200℃の範囲内に
用いられる。また、必要に応じて部分溶融温度以上に加
熱した後、これを冷却する課程で超電導相の結晶粒内に
非超電導相を分散させピン止め力を高める操作も行う。
【0010】本発明における酸化物系超電導体は、主に
Ag,Au,Cu,Pd,Ptのうちの一つ、あるいは
それらを主成分とする合金パイプに充填し、線引き−圧
延法により最終的に丸棒状の線材、又は偏平断面のテー
プ状線材となる。そして、適切な熱処理を施すことによ
り超電導線材を得る。また、この方法以外にも溶射法、
あるいはドクターブレード法、あるいはスクリーン印刷
法等で作製した厚膜を用いても同等の値が得られる。
【0011】本発明における金属系超電導材は、NbT
i系合金、あるいはNb3Sn 系,Nb3Al系,Nb3
Ge系,Nb3Ga系、又はV3Ga系等の金属間化合物
系、あるいは、シェブレル化合物系が挙げられる。合金
系,化合物系とも2種類の金属元素からなる2元系物質
であるが、これに少量の第三元素(Ta,Hf,V,Z
r,W,Ti系)を添加することも必要に応じて行う。
【0012】本発明における金属系超電導材の製造方法
及び熱処理温度は、合金系の場合にはそれぞれの原料を
混合した後インゴット溶製を行い、電子ビーム溶解をか
ける方法を主に用いる。その後、熱間押し出しや静水押
し出し、あるいは冷間加工を行う。ここで得られた線材
を300〜500℃の熱処理を施すことにより所望の超
電導線材を得る。化合物系の場合には、表面拡散法,複
合加工法,インサイチュー法,粉末法等を用いる。それ
ぞれの熱処理温度は、表面拡散法の場合には600〜1
000℃、複合加工法の場合には400〜850℃、イ
ンサイチュー法の場合には400〜800℃、粉末法の
場合には500〜2000℃の範囲内が主に用いられ
る。
【0013】
【作用】本発明の酸化物系超電導材と金属系超電導材を
2種以上含む断面構造を有する複合超電導線材を用いる
ことにより、超電導マグネット等に応用する場合、液体
窒素温度で使用する場合には酸化物系超電導材を用いれ
ばよく、さらに、液体ヘリウム温度で使用する場合には
両方の線材を用いればよい。また、高磁界中では酸化物
系,低磁界中では金属系を用いるという使い分けも可能
となる。これにより、低磁界中で大電流を得ることがで
き高磁界中での電流密度の低下を緩和することができ
る。
【0014】
【実施例】表1〜表3に本発明により作製し、評価を行
った複合超電導線材の組み合わせを示す。まず、酸化物
系超電導線材及び金属系超電導線材のそれぞれを単独で
作製し、特性評価を行った。ここで各々の線材の代表的
な作製方法を以下に述べる。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】表1中の1材(酸化物系)欄、図1,図2
の1材と対応している。また、2〜3材(合金系あるい
は化合物系)欄は、図1,図2の2〜3材と対応してい
る。Y−123はY1Ba2Cu3Oz組成であり、これ
はRe−Ae−Cu−O 系のなかの代表的な材料であ
る。Bi−2212はBi2Sr2Ca1Cu2Z 組成、
またBi−2223は(Bil−x,Pbx)2Sr2
2Cu3Oz 組成を示す。通常、x=0〜0.5の範囲
内が主に用いられるが、ここではx=0.1とした。こ
のBi−2223は、化学量論組成から少しずらした組
成を用いることもある。また、Tl−1223は(Tll-
x,PBx)1(Srl-y,Bay)2Ca2Cu3Oz 組成を示す。通常x=
0〜0.5,y=0〜0.5の範囲内が主に用いられる
が、ここではx=0.5,y=0.2とした。さらに、Tl
−2223はTl2(Bal-x,Srx)2Ca2Cu3Oz組成を示す。通常x
=0〜0.5の範囲内が主に用いられるが、ここではx
=0.2とした。
【0019】次に、上記した表中のそれぞれの酸化物系
超電導物質の合成方法を示す。まずY−123は、Y2
3 ,BaCO3 、及びCuOを出発原料とし、Y,B
a,Cuの原子モル数がそれぞれ1:2:3となるよう
に秤量した。この後、遠心ボールミルでこれらの粉末の
混合が行った。この時の溶射には、エタノール又は純水
を使用した。得られた粉末を脱水,乾燥させた後、表4
のように熱処理を施すことによりY−123超電導体を
得た。
【0020】
【表4】
【0021】以下同様に、Bi−2212は、Bi
23,SrCO3,CaCO3 及びCuOを出発原料とし、
Bi,Sr,Ca,Cuの原子モル数がそれぞれ2:
2:1:2となるように秤量した。これにエタノール又
は純水を加え遠心ボールミルで混合した後、脱水,乾燥
処理後、表4のような熱処理を施すことによりBi−2212
超電導体を得た。Bi−2223は、Bi23,Pb
O,SrCO3,CaCO3、及びCuOを出発原料と
し、Bi,Pb,Sr,Ca,Cuの原子モル数がそれ
ぞれ1.8:0.2:2:2:3となるように秤量した。
これによりエタノール又は純水を加え遠心ボールミルで
混合した後、脱水,乾燥処理後、表4のような熱処理を
施すことによりBi−2223超電導体を得た。
【0022】また、Tl−1223は、Tl23,Pb
O,SrCO3,BaCO3,CaCO3及びCuOを出発原
料とし、Tl,Pb,Sr,Ba,Ca,Cuの原子モ
ル数がそれぞれ0.5:0.5:1.6:0.4:2:3と
なるように秤量した。これにエタノール又は純水を加え
遠心ボールミルで混合した後、脱水,乾燥処理後、表4
のような熱処理を施すことによりTl−1223超電導
体を得た。さらに、Tl−2223は、Tl,Ba,S
r,Ca,Cuの原子モル数がそれぞれ2:1.6:0.
4:2.3 となるように秤量した。これにエタノール又
は純水を加え遠心ボールミルで混合した後、脱水,乾燥
処理後、表4のような熱処理を施すことによりTl−2
223超電導体を得た。
【0023】このようにして得られた焼結体をらいかい
機で粉砕,混合した後、外径6mm,内径4.5mm,長さ
400mmの純銀(Ag)パイプに充填した。線引工程は
ドローベンチで行い、6mmから0.8mm まで伸線した。
その後熱処理を行うことにより種々の超電導線材を得
た。加工途中に350℃で20〜30分の焼鈍を数回行
った。
【0024】NbTiは、インゴット工程を経た後、静
水圧押し出し及び線引きを行うことにより得られた線材
を熱処理したものである。NbTi合金系は加工性を考
慮すると主にNb−50〜70at%Tiの範囲内が用い
られるが今回はNb−70at%Ti合金線材を用い
た。作製方法は、Nb粉及びTi粉を出発原料とし、そ
れらを混合及びプレスした後、アーク放電及び電子ビー
ムにより溶解させた。これを鍛造して棒状に成形した後
安定化のためのCuと複合化して線材化を行った。その
後、表4のような熱処理を施すことによりNbTi線材
を得た。
【0025】Nb3Sn及びV3Gaは複合加工法(ブロ
ンズ法)により、得られた線材を熱処理したものであ
る。Nb3SnのSn濃度としては、主に6〜8at%
が用いられるが、ここでは7at%とした。また、V3
Ga のGa濃度としては、主に18〜20at%が用
いられるが、ここでは18at%とした。この方法は、
Cu基合金を使うことから加工硬化が大きく40〜50
%の加工率ごとに焼鈍を行う必要がある。その後、表4
のような熱処理を施すことによりNb3Sn 線材あるい
はV3Ga 線材を得た。
【0026】Nb3Al及びシェブレン化合物は、粉末
法を用いた。Nb3Al系,Nb粉末及びAl粉末を出
発原料としそれらを混合し、Cuパイプ又はCu−Ni
パイプに封入後、強加工を行い表4のような熱処理を施
すことでNb3Al 線材を得た。シェブレル化合物系
は、PbS,Mo及びMoS2 粉末を出発原料とし混合
後、Agパイプに封入し、加工と表4のような熱処理を
施すことでシェブレル型の結晶構造を示すPbMo68
化合物線材を得た。
【0027】表3に本研究で得られた各々の単独での線
材の特性を示す。
【0028】図1,図2は、本発明に係わる複合超電導
線材の断面構造を表す図であり、図1,図2での1材は
Agシース内に充填された酸化物超電導体を示す。ま
た、2〜3材はCuあるいはCuを主成分とした合金あ
るいはAgシース内に充填された金属系超電導体を示す
(線材No.1〜23)。
【0029】線材No.1〜5の作製方法を記す。これら
の複合線材は、1材にY−123酸化物超電導線材を用
い、2材に金属系超電導線材を用いたものである。
【0030】まず、外径4mmのAgパイプにY−123
超電導体を充填し(1材)、これを外径7mmのCuパイ
プで覆った。その中にインゴット工程を経たフィラメン
ト系10〜50μmのNbTi多芯線を封入した(2
材)。これをさらに外径8mmのAgパイプで覆い、この
複合線材を外径1mmまで伸線した。これを純酸素中で9
00℃で5時間の熱処理を施すことにより線材No.1を
得た。この線材の特性は、Y−123線材のみを使用し
た液体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overall=
1.5*103A/cm2,Ic=11.8A と低い値であっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=2*104A/cm2,Ic
=157Aであった。Jcが低い原因は、NbTi線材
の最適な熱処理温度は300℃〜500℃であるのに対
し、今回は900℃という高い温度を用いたことで、C
uがNbTi合金内に拡散したことにより、NbTi線材の
特性が低下したためと考えられる。また、NbTi線材
の臨界磁場を越える10T以上でもJc overall=10A
/cm2と低い値であった。
【0031】線材No.2の作製方法は、まず、外径4mm
のAgパイプにY−123超電導体を充填し(1材)、
これを外径7mmのCu−Sn合金パイプで覆い、Nb棒
を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径8mmのA
gパイプで覆い、外径1.0mmまで伸線し、純酸素中で
900℃で5時間の熱処理を施すことにより線材No.2
を得た。この線材の特性は、Y−123線材のみを使用
した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overall
=4.5*103A/cm2,Ic=35.3A であった。一
方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の特性
は、零磁場で、Jc overall=6*104A/cm2,Ic=
471A であった。また、10TでのJc overall=3*
104A/cm2であった。線材No.2の場合もNb3Sn
線材の最適な温度である600℃〜850℃よりも温度
が高かったためにJcは低いものであった。
【0032】線材No.3の作製方法も、同様に、外径4
mmのAgパイプにY−123超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCu−Ga合金パイプで覆い、
V棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径8mm
のAgパイプで覆い、外径1.0mmまで伸線し、純酸化
中で900℃で5時間の熱処理を施すことにより線材N
o.3を得た。この線材の特性は、Y−123線材のみを
使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc ove
rall=4.5*103A/cm2,Ic=35.3A であっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=3*104A/cm2,I
c=235.5Aであった。また、10TでのJc overal
l=1*104A/cm2であった。
【0033】線材No.4の作製方法も、同様に外径4mm
のAgパイプにY−123超電導体を充填し(1材)、こ
れを外径7mmのCuパイプで覆い、その中にNb粉末及
びAl粉末を封入した(2材)。これをさらに外径8mmの
Agパイプで覆い、外径1mmまで伸線を行った。次に、
純酸素中で900℃で5時間の熱処理を施すことにより
線材No.4を得た。この線材の特性は、Y−123線材
のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、
Jc overall=4.5*103A/cm2,Ic =35.3A
であった。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温
度中の特性は、零磁場で、Jc overall=3*104A/cm
2,Ic=235.5Aであった。また、10TでのJc o
verall=1*104A/cm2,20TでのJc overall=5
*103A/cm2であった。
【0034】線材No.5の作製方法も、同様に外径4mm
のAgパイプにY−123超電導体を充填し(1材)、
これを外径7mmのAgパイプで覆い、その中にPbS,
Mo,MoS2 粉末の混合体を充填した(2材)。これを
さらに外径8mmのAgパイプで覆い、外径1mmまで伸線
を行った。次に、純酸素中で900℃で5時間の熱処理
を施すことにより線材No.5を得た。この線材の特性
は、Y−123線材のみを使用した液体窒素温度中での
特性は、零磁場で、Jc overall=8*103A/cm2,I
c=62.8Aであった。一方、両方の線材を使用した
液体ヘリウム温度中の特性は、零磁場で、Jc overall=
3*104A/cm2,Ic=235.5Aであった。また、
10TでのJc overall=1.5*104A/cm2,20Tで
のJc overall=5.2*103A/cm2であった。線材No.
5は、線材No.1〜4と比較して高いJcが得られた。
この原因は、線材No.1〜4では酸素量の制御が不可欠
なY−123超電導体を用いているにもかかわらず、酸
素を通しにくいCuパイプで覆ってしまったことで超電
導体内の酸素量が不足したためであると思われる。
【0035】線材No.6〜9の作製方法を記す。これら
の複数線材は、A材にBi−2212超電導線材を用い、B
材に金属系超電導線材を用いたものである。
【0036】線材No.6の作製方法は、まず、外径4mm
のAgパイプにBi−2212超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCu−Sn合金パイプで覆い、
Nb棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径8
mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大気
中で835℃で50時間の熱処理を施すことにより線材
No.6を得た。この線材の特性は、Bi−2212線材
のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、
Jc overall=1*104A/cm2,Ic=78.5Aであっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=3*105A/cm2,I
c=2355A であった。また、10TでのJc overal
l=1*105A/cm2,20TではJc overall=1.5*1
4A/cm2 であった。
【0037】線材No.7の作製方法も、同様に、外径4
mmのAgパイプにBi−2212超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCu−Ca合金パイプで覆い、
V棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径8mmの
Agパイプで覆い、外径1.0mmまで伸線、大気中で83
5℃で50時間の熱処理を施すことにより線材No.7を
得た。この線材の特性は、Bi−2212線材のみを使
用した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overa
ll=1*104A/cm2,Ic=78.5Aであった。一
方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の特性
は、零磁場で、Jc overall=15*105A/cm2,Ic
=1177.5Aであった。また、10TでのJc overal
l=9*104A/cm2,20TでのJc overall=1.5*1
4A/cm2であった。
【0038】線材No.8の作製方法も、同様に外径4mm
のAgパイプにBi−2212超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCuパイプで覆い、その中にN
b粉末及びAl粉末を封入した(2材)。これをさらに
外径8mmのAgパイプで覆い、外径1mmまで伸線を行っ
た。次に、大気中で835℃で50時間の熱処理を施す
ことにより線材No.8を得た。この線材の特性は、Bi
−2212線材のみを使用した液体窒素温度中での特性
は、零磁場で、Jc overall=1*104A/cm2,Ic=
78.5A であった。一方、両方の線材を使用した液体
ヘリウム温度中の特性は、零磁場で、Jc overall=1*
105A/cm2,Ic=785Aであった。また、10T
でのJc overall=7*104A/cm2 ,20TでのJc ove
rall=4.5*104A/cm2であった。
【0039】線材9の作製方法も、同様に外径4mmのA
gのパイプにBi−2212超電導体を充填(1材)、こ
れを外径7mmのAgパイプで覆い、その中にPbS,M
o,MoS2 粉末の混合体を充填した(2材)。これをさ
らに外径8mmのAgパイプで覆い、外径1mmまで伸線を
行った。次に、純酸素中で835℃で50時間の熱処理
を施すことにより線材No.9を得た。この線材の特性
は、Bi=2212線材のみを使用した液体窒素温度中
での特性は、零磁場で、Jc overall=1*104A/c
m2,Ic=78.5Aであった。一方、両方の線材を使
用した液体ヘリウム温度中の特性は、零磁場で、Jc ove
rall=1*105A/cm2 ,Ic=785Aであった。ま
た、10TでのJc overall=7*104A/cm2 ,20T
でのJc overall=4.5*104A/cm2 であった。
【0040】線材No.10〜13の作製方法を記す。こ
れらの複合線材は、A材にBi−2223超電導線材を
用い、B材に金属系超電導線材を用いたものである。
【0041】線材No.10の作製方法は、まず、外径4
mmのAgパイプにBi−2223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCu−Sn合金パイプで覆い、
Nb棒を中に組も込んだ(2材)。これらさらに外径8
mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大気
中で835℃で50時間の熱処理を施すことにより線材
No.10を得た。この線材の特性は、Bi−2223線
材のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場
で、Jc overall=2*104A/cm2,Ic=157Aであっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=3*105A/cm2,I
c=2355A であった。また、10TでのJc overal
l=1*105A/cm2 ,20TではJc overall=1.5*
104A/cm2であった。
【0042】線材No.11の作製方法も、同様に、外径
4mmのAgパイプにBi−2223超電導体を充填し
(1材)、これを外径7mmのCu−Ca合金パイプで覆
い、V棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径
8mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大
気中で835℃で50時間の熱処理を施すことにより線
材No.11を得た。この線材の特性は、Bi−2223
線材のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場
で、Jc overall=2*104A/cm2,Ic=157Aであっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=1.5*105A/cm2
Ic=1177.5Aであった。また、10TでのJc ov
erall=9*104A/cm2,20TでのJc overall=1.
5*104A/cm2であった。
【0043】線材No.12の作製方法も、同様に外径4
mmのAgパイプにBi−2223超電導体を充填し(1
材)これを外径7mmのCuパイプで覆い、その中にNb
粉末及びAl粉末を封入した(2材)。これをさらに外径
8mmのAgパイプで覆い、外径1mmまで伸線を行った。
次に、大気中で835℃で50時間の熱処理を施すこと
により線材No.12を得た。この線材の特性は、Bi−
2223線材のみを使用した液体窒素温度中での特性
は、零磁場で、Jc overall=2*104A/cm2 ,Ic=
157Aであった。一方、両方の線材を使用した液体ヘ
リウム温度中の特性は、零磁場で、Jc overall=1*1
5A/cm2,Ic=785A であった。また、10T
でのJc overall=7*104A/cm2,20TでのJc over
all=4.5*104A/cm2であった。
【0044】線材No.13の作製方法も、同様に外径4
mmのAgパイプにBi−2223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのAgパイプで覆い、その中にP
bS,Mo,MoS2 粉末の混合体を充填した(2
材)。これをさらに外径8mmのAgパイプで覆い、外径
1mmまで伸線を行った。次に、大気中で835℃で50
時間の熱処理を施すことにより線材No.13を得た。こ
の線材の特性は、Bi−2223線材のみを使用した液
体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overall=2*1
4A/cm2 ,Ic=157Aであった。一方、両方の
線材を使用した液体ヘリウム温度中の特性は、零磁場
で、Jc overall=2*105A/cm2 ,Ic=785Aで
あった。また、10TでのJc overall=7*104A/cm
2 ,20TでのJc overall=4.5*104A/cm2であ
った。
【0045】線材No.14〜17の作製方法を記す。こ
れらの複合線材は、A材にTl−1223超電導線材を
用い、B材に金属系超電導線材を用いたものである。
【0046】線材No.14の作製方法は、まず、外径4
mmのAgパイプにTl−1223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCu−Sn合金パイプで覆い、
Nb棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径8
mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大気
中で850℃で10時間の熱処理を施すことにより線材
No.14を得た。この線材の特性は、Tl−1223線
材のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場
で、Jc overall=1*104A/cm2,Ic=78.5Aであ
った。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中
の特性は、零磁場で、Jc overall=2.8*105A/c
m2,Ic=2198Aであった。また、10TでのJc o
verall=8*104A/cm2 ,20TではJc overall=2
00A/cm2であった。
【0047】線材No.15の作製方法も、同様に、外径
4mmのAgパイプにTl−1223超電導体を充填し
(1材)、これを外径7mmのCu−Ca合金パイプで覆
い、V棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径
8mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大
気中で850℃で10時間の熱処理を施すことにより線
材No.15を得た。この線材の特性は、Tl−1223
線材のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場
で、Jc overall=1*104A/cm2,Ic=78.5Aであ
った。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中
の特性は、零磁場で、Jc overall=1.3*105A/c
m2,Ic=1020.5Aであった。また、10TでのJ
c overall=6*104A/cm2 ,20TでのJc overall
=200A/cm2 であった。
【0048】線材No.16の作製方法も、同様に外径4
mmのAgパイプにTl−1223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCuパイプで覆い、その中にN
b粉末及びAl粉末を封入した(2材)。これをさらに外
径8mmのAgパイプで覆い、外径1mmまで伸線を行っ
た。次に、大気中で850℃で10時間の熱処理を施す
ことにより線材No.16を得た。この線材の特性は、T
l−1223線材のみを使用した液体窒素温度中での特
性は、零磁場で、Jc overall=1*104A/cm2,Ic
=78.5A であった。一方、両方の線材を使用した液
体ヘリウム温度中の特性は、零磁場で、Jc overall=9
*104A/cm2,Ic=706.5Aであった。また、1
0TでのJc overall=4.5*104A/cm2,20Tでの
Jc overall=3*104A/cm2であった。
【0049】線材No.17の作製方法も、同様に外径4
mmのAgパイプにTl−1223超電導体を充填した
(1材)これを外径7mmのAgパイプで覆い、その中に
PbS,Mo,MoS2 粉末の混合体を充填した(2
材)。これをさらに外径8mmのAgパイプで覆い、外径
1mmまで伸線を行った。次に、大気中で850℃で10
時間の熱処理を施すことにより線材No.17を得た。こ
の線材の特性は、Tl−1223線材のみを使用した液
体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overall=1*
104A/cm2,Ic=78.5Aであった。一方、両方
の線材を使用した液体ヘリウム温度中の特性は、零磁場
で、Jc overall=1*105A/cm2 ,Ic=78.5A
であった。また、10TでのJc overall=4.5*104
A/cm2,20TでのJc overall=3*104A/cm2であ
った。
【0050】線材No.18〜21の作製方法を記す。こ
れらの複合線材は、A材にTl−2223超電導線材を
用い、B材に金属系超電導線材を用いたものである。
【0051】線材No.18の作製方法は、まず、外径4
mmのAgパイプにTl−2223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCu−Sn合金パイプで覆い、
Nb棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径8
mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大気
中で850℃で7時間の熱処理を施すことにより線材N
o.18を得た。この線材の特性は、Tl−2223線材
のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、
Jc overall=1*104A/cm2,Ic=78.5Aであっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=2.8*105A/cm2
Ic=2198Aであった。また、10TでのJc overa
ll=5*104A/cm2,20TではJc overall=0A/c
m2であった。
【0052】線材No.19の作製方法も、同様に、外径
4mmのAgパイプにTi−2223超電導体を充填し
(1材)、これを外径7mmのCu−Ga合金パイプで覆
い、V棒を中に組み込んだ(2材)。これをさらに外径
8mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線し、大
気中で850℃で7時間の熱処理を施すことにより線材
No.19を得た。この線材特性は、Tl−2223線材
のみを使用した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、
Jc overall=1*104A/cm2,Ic=78.5Aであっ
た。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の
特性は、零磁場で、Jc overall=1.3*105A/cm2
Ic=1020.5A であった。また、10TでのJc o
verall=3*104A/cm2,20TでのJc overall=0
A/cm2であった。
【0053】線材No.20の作製方法も、同様に外径4
mmのAgパイプにTl−2223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのCuパイプで覆い、その中にN
b粉末及びAl粉末を封入した(2材)。これをさらに外
径8mmのAgパイプで覆い、外径1mmまで伸線を行っ
た。次に、大気中で850℃で7時間の熱処理を施すこ
とにより線材No.20を得た。この線材の特性は、Tl
−2223線材のみを使用した液体窒素温度中での特性
は、零磁場で、Jc overall=1*104A/cm2,Ic=
78.5A であった。一方、両方の線材を使用した液体
ヘリウム温度中の特性は、零磁場で、Jc overall=9*
104A/cm2,Ic=706.5Aであった。また、1
0TでのJc overall=4*104A/cm2,20TでのJc
overall =3*104A/cm2であった。
【0054】線材No.21の作製方法も、同様に外径4
mmのAgパイプにTl−2223超電導体を充填し(1
材)、これを外径7mmのAgパイプで覆い、その中にP
bS,Mo,MoS2 粉末の混合体を充填した(2
材)。これをさらに外径8mmのAgパイプで覆い、外径
1mmまで伸線を行った。次に、大気中で850℃で7時
間の熱処理を施すことにより線材No.21を得た。この
線材の特性は、Tl−2223線材のみを使用した液体
窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overall=1*1
4A/cm2,Ic=78.5Aであった。一方、両方の
線材を使用した液体ヘリウム温度中の特性は、零磁場
で、Jc overall=9*104A/cm2,Ic =706.5
Aであった。また、10TでのJc overall=4*104
/cm2,20TでのJc overall=3*104 A/cm2であ
った。
【0055】以上の実施例の1材と2材の配置を組み替
えても同様の効果が期待できる。
【0056】表2の線材No.22の作製方法を示す。こ
の複合線材は、図1に示す1材にBi−2212超電導
体を用い、2材にNb3Sn超電導体、3材にNb3Al
超電導体を用いたものである。
【0057】まず、外径4mmのAgパイプにBi−22
12超電導体を充填し(1材)、これを外径7mmのCu−
Sn合金パイプで覆い、Nb棒を中に組み込んだ(2
材)。これをさらに外径10mmCuパイプで覆い、その
中にNb粉末及びAl粉末を封入した(3材)。これを外
径11mmのAgパイプで覆い、外径1.0mm まで伸線
し、大気中で835℃で50時間の熱処理を施すことに
より線材No.22を得た。この線材の特性は、Bi−2
212線材のみを使用した液体窒素温度中での特性は、
零磁場で、Jc overall=1*104A/cm2,Ic=78.
5Aであった。一方、両方の線材を使用した液体ヘリウ
ム温度中の特性は、零磁場で、Jc overall=3*105
/cm2,Ic=2355Aであった。また、10TでのJ
c overall =1*105A/cm2,20TではJc overall
=5*104A/cm2であった。
【0058】図2に今回作製した線材No.22の液体ヘ
リウム温度におけるIc−B特性を示す。現状得られて
いるBi−2212線材,NbTi線材,Nb3Sn 線
材と比較して低磁界中での特性は同程度の値が得られ、
高磁界中での特性は急激な低下が見られない線材を得る
ことができた。
【0059】表3の線材No.23の作製方法を示す。こ
の複合線材は、図2に示す1材にBi−2212超電導
体を用い、2材にNb3Sn超電導体、3材にNb3Al
超電導体を用いたものである。
【0060】まず、外径11mmのAgパイプの3か所に
穴を開け、その中に予め伸線加工を行ったBi−221
2線材,Nb3Sn 線材及びNb3Al 線材を封入し
た。これを外径1.0mm まで伸線し、大気中で835℃
で50時間の熱処理を施すことにより線材No.23を得
た。この線材の特性は、Bi−2212線材のみを使用
した液体窒素温度中での特性は、零磁場で、Jc overall
=1*104A/cm2 ,Ic=78.5A であった。一
方、両方の線材を使用した液体ヘリウム温度中の特性
は、零磁場で、Jc overall=3*105A/cm2 ,Ic=
2355Aであった。また、10TでのJc overall=1
*105A/cm2 ,20TではJc overall=5*104A/
cm2であった。
【0061】以上の実施例では、酸化物超電導体のシー
ス材としてAgを用いたが、Agの他にAu,Cu,P
d,Ptのうちの一つ、あるいはそれらを主成分とした
合金等を用いても同様の効果が期待できる。また、金属
系超電導体の安定化材としてCuあるいはAgを用いた
が、これらの他にアルミニウム、あるいはそれらを主成
分とした合金等を用いても同様の結果が期待できる。さ
らに1材と2材を入れ替えても同様の効果が期待でき
る。
【0062】線材No.22及び線材No.23のように液
体ヘリウム温度では、低磁界中でJcが高いNb3Sn
線材と、高磁界中でJcの低下が少ない酸化物系線材お
よびNb3Al 線材の3本を複合化することで、図1の
ような2本の複合線材よりも、特に高界磁中での特性が
向上し、20テスラ以上の磁界中でも使用可能なレベル
に達した。また、線材No.22及び線材No.23では1
材にBi−2212を用いたがY−123,Bi−22
23,Tl−1223、又はTl−2223超電導体を
用いても同様の効果が期待でき、特にBi−2223を
用いると液体窒素中での特性が線材No.22よりも高い
値が期待できる。また、表6に示す組成の酸化物系超電
導体を用いてもよい。さらに、2材あるいは3材として
NbTi,Nb3Sn,Nb3Ga,Nb3Ge,V3Ga,V
3Si,Nb3Al0.5Ge0.5,Nb3Al0.7Ge0.3
又はこれらを主成分とした系で少量の第3元素(Ta,
Hf,V,Zr,W,Ti等)を添加した超電導体、又
はシェブレル化合物超電導体を用いても同様の効果が期
待できる。1材,2材,3材は必要に応じて配置を組み
替えてもよい。
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば複合超電導線材を用いて
超電導マグネット等での応用を考えた場合、液体窒素温
度領域では酸化物系超電導線材を使用し、液体ヘリウム
温度領域では酸化物系超電導線材及び金属系超電導線材
の両方を使用する。これにより、広い温度領域での使用
が可能になり特に10K以下では、低磁界側で大電流が
得られる金属系超電導線材と、高磁界側でも急激な劣化
がない酸化物系超電導線材を組み合わせることにより、
どのような磁界に対しても適用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合超電導線材であり、1本が酸
化物系超電導線材、残りの1本が金属系超電導線材とし
たときの横断面図。
【図2】本発明による複合超電導線材であり、1本が酸
化物系超電導線材、残りの2本が金属系超電導線材とし
たときの横断面図。
【図3】実施例で作製した線材No.22及び線材No.2
3のIc−B特性(4.2K)を示すグラフ。
【符号の説明】
1…酸化物超電導体、2…金属系超電導体、3…金属系
超電導体、4,5,6…金属シース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 直美 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加茂 友一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の超電導素線材を複合化することに
    より構成された断面構造を有し、前記超電導素線機が、
    その超電導臨界温度が異なる複数個から構成されること
    を特徴とする複合超電導線材。
  2. 【請求項2】複数本の超電導素線材を複合化することに
    より構成された断面構造を有し、前記超電導素線材が、
    その超電導臨界電流密度が異なる複数個から構成される
    ことを特徴とする絶合超電導線材。
  3. 【請求項3】複数本の超電導素線材を複合化することに
    より構成された断面構造を有し、前記超電導素線材が、
    その超電導臨界磁界が異なる複数個から構成されること
    を特徴とする複合超電導線材。
  4. 【請求項4】超電導臨界温度及び超電導臨界磁界が異な
    る素複合超電導線材において、前記超電導素線材の少な
    くとも一つが、その超電導臨界温度が77K以上である
    ことを特徴とする複合超電導線材。
  5. 【請求項5】超電導臨界温度及び超電導臨界磁界が異な
    る素複合超電導線材において、前記超電導素線材の少な
    くとも一つが、その超電導臨界磁界が20テスラ以上で
    あることを特徴とする複合超電導線材。
  6. 【請求項6】超電導臨界温度及び超電導臨界磁界が異な
    る複合超電導線材において、素線の少なくとも一つが、
    酸化物系超電導体であり、それ以外の少なくとも一つが
    NbTi系、又はNb3Sn系、又はNb3Al系、又はV3
    Ga 系、又はシェブレル化合物系超電導体で構成され
    ていることを特徴とする複合超電導線材。
  7. 【請求項7】超電導臨界温度及び超電導臨界磁界が異な
    る三種以上の複合超電導線材において、該素材の少なく
    とも一つが酸化物系超電導体であり、それ以外の少なく
    とも一つがNbTi系超電導体であり、さらにそれ以外
    の少なくとも1つがNb3Sn 系、又はNb3Al系、又は
    3Ga系、又はシェブレル化合物系超電導体で構成さ
    れていることを特徴とする複合超電導線材。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6または7に
    おいて、前記複合超電導線材の安定化材に、銅又は銅を
    主成分とする合金、あるいはアルミニウム又はアルミニ
    ウムを主成分とする合金、あるいは銀又は銀を主成分と
    する合金を用いる複合超電導線材。
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