JPH093005A - シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート化合物、その合成原料アルコール化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート化合物、その合成原料アルコール化合物及びそれらの製造方法

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JPH093005A
JPH093005A JP7174061A JP17406195A JPH093005A JP H093005 A JPH093005 A JP H093005A JP 7174061 A JP7174061 A JP 7174061A JP 17406195 A JP17406195 A JP 17406195A JP H093005 A JPH093005 A JP H093005A
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Takaaki Fujiwa
高明 藤輪
Terumasa Daito
照政 大東
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着剤、塗料、プラスチック等の改質剤、反
応性希釈剤、UVコーティング剤等に有用なシクロヘキ
セニルメチル(メタ)アクリレート化合物その合成原料
アルコール化合物及びそれらの製造方法を提供する。 【構成】 一般式(I)で表されるシクロヘキセニルメ
チル(メタ)アクリレート化合物、および下記一般式
(II)で表されるアルコール化合物、更には一般式
(II)で表されるアルコール化合物と(メタ)アクリ
ル酸とを脱水エステル化する前記一般式(I)で表され
るシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート化合物
の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シクロヘキセニル基を
分子内に有する(メタ)アクリレートに関し、より詳細
には、接着剤、塗料、プラスチック等の改質剤、反応性
希釈剤、UVコーティング剤等に有用なシクロヘキセニ
ルメチル(メタ)アクリレート化合物(以下、単に(メ
タ)アクリレート化合物とも称す)、その合成原料アル
コール化合物及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子中にシクロヘキセニル基を有した
(メタ)アクリレートとしては、特開昭64−0961
77号公報あるいは特開平4−189810号公報で開
示された(メタ)アクリレートがよく知られている。こ
れらはエポキシ化合物の前駆体として重要であり、また
それ自身ゴム、プラスチックの改質剤、接着剤、塗料、
原料、反応性希釈剤として使用される。これらの化合物
は、シクロヘキセンメタノールあるいは、ラクトン変性
のシクロヘキセンメタノール等と(メタ)アクリル酸と
のエステル化反応により得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、下記式(I
V)、(V)で示されるようなシクロヘキセニルメチル
(メタ)アクリレート等は、その脂環内の二重結合に基
づく特異な反応性から、風乾性を利用した硬化反応等に
利用することができる。しかし構造中にエステル結合を
も有するため、相溶性、耐水性に劣り、あるいはエステ
ル結合の独特の臭気等の改善すべき問題点をも有する。
一方、最近になり省エネルギー、省資源の観点から、ま
た用途の多様化により、従来よりも高機能、高品質のモ
ノマーまたは樹脂が要求されてきている。コーティング
に関しては、水性塗料、ハイソリッド塗料、UV硬化塗
料等に対応できるモノマー、樹脂が求められている。そ
の他種々の成形材料用モノマー、あるいは希釈剤用モノ
マーとしても低臭気、低毒性の(メタ)アクリル系モノ
マーが求められている。
【0004】
【化6】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み鋭意検討した結果、構造中にエステル結合およ
びアルキレンオキシドユニットを有する(メタ)アクリ
レート化合物により上記問題点を解決し得ることを見い
出し、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、下記式(I)で表され
る(メタ)アクリレート化合物を提供するものである。
また、下記式(I−1)で表される(メタ)アクリレー
ト化合物を提供するものである。また、下記式(II)
で表されるアルコール化合物と(メタ)アクリル酸とを
触媒の存在下80〜140℃で脱水エステル化すること
を特徴とする前記式(I)で表される(メタ)アクリレ
ート化合物の製造方法を提供するものである。さらに下
記式(II)で表されるアルコール化合物を提供するも
のである。加えて式(III)で表されるエポキシ化合
物と3−シクロヘキセンメタノールとを反応させること
を特徴とする前記式(II)で表されるアルコール化合
物の製造方法を提供するものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】
【化9】
【0010】
【化10】
【0011】本発明で使用し得るエポキシ化合物(II
I)としては、後記のようにエチレンオキシド、プロピ
レンオキシドをはじめとする汎用のエポキシ類やまたグ
リシジル基を有したエポキシ化合物等を例示することが
できる。また長鎖アルキル基を有したα−オレフィンエ
ポキシド等も用いることができる。これらのエポキシド
を用いて最終的に得られるポリエーテルで変性されたシ
クロヘキセニルメチル(メタ)アクリレートは低粘度で
あり、臭気が低減され、反応性希釈剤としても使用しや
すいからである。
【0012】本発明では、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド等のエポキシ化合物を用い、最終的に得られ
る変性されたシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレ
ート化合物は、シクロヘキセン環の側鎖にエーテル結合
を有する。モノマー1分子中のエーテル結合の割合を任
意に変化させればモノマーまたは樹脂のTg、密着性を
変化させることが可能であり、多様な用途に適する樹脂
を得ることが可能となる。
【0013】また一般式(I)で表される(メタ)アク
リレート化合物の他の特徴として、シクロヘキセニル基
の反応性がある。シクロヘキセニル基はパーオキシドに
より架橋反応を起こすことができる。また酸素によりパ
ーオキシドを生じることにより自ら架橋反応を起こすこ
とも可能となる。
【0014】一般式(I)で表される(メタ)アクリレ
ート化合物の製造原料である一般式(II)で表される
アルコール化合物の合成法としては、一般式(III)
で表されるエポキシ化合物と3−シクロヘキセンメタノ
ール{別名テトラヒドロベンジルアルコール(THB
A)}を反応させて得ることができる。前記エポキシ化
合物(III)のR2およびR3は好ましくはHまたはメ
チル基であり、例えばエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド等を用いることが好ましい。次いで前記アルコー
ル化合物(II)とアクリル酸あるいはメタクリル酸と
を触媒の存在下、脱水エステル化することにより容易
に、目的とする一般式(I)で表される(メタ)アクリ
レート化合物を得ることができる。
【0015】エポキシ化合物(III)の3−シクロヘ
キセンメタノールへの付加反応は、BF3、パラトルエ
ンスルホン酸、塩酸、硫酸、テトラブトキシチタン、四
塩化スズ等のルイス酸を用いることができる。更にブチ
ルリチウム、NaH、NaOHの様な塩基性触媒も有効
である。反応後は常法により一般式(II)で表される
アルコール化合物を得ることができる。
【0016】一方、一般式(II)で表されるアルコー
ル化合物とアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル
化反応は、通常の脱水エステル化の方法で進行する。エ
ステル化溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン
の様な芳香族化合物、ヘキサン、ヘプタンの様な脂肪族
化合物を用いることができる。触媒としては、硫酸、パ
ラトルエンスルホン酸をはじめとするルイス酸類が有効
である。反応は脱水量あるいはガスクロマトグラフィー
等により追跡することができる。反応終了後、反応粗液
は、NaOH、KOHをはじめとする、アルカリ水溶液
あるいは、精製水で触媒を除去することが望ましい。
【0017】溶媒等の脱低沸には、ロータリーエバポレ
ーター、薄膜蒸発器等を用いて行うことができる。反応
および脱低沸を安定に行うには、重合禁止剤を共存させ
ることが望ましい。通常よく用いられる、ハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール
系、またフェノチアジン等のイオウ系、またはN−メチ
ルニトロソアニリン等のニトロソ化合物、またはリン系
化合物を単独でまたは併用して用いることができる。
【0018】重合禁止剤の濃度はその反応条件によるが
一般に数ppm〜数千ppmの範囲である。更には、エ
アーまたは、窒素及び酸素混合気を反応液中に流通する
と安定して本化合物(I)を製造することができる。し
かし、エアーまたは窒素および酸素混合気の流通量は気
相中の有機物が爆発混合気を形成しない範囲とする必要
がある。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)400mlの攪拌器、温度計および滴下ロ
ートを備えた反応器に3−シクロヘキセンメタノール
(別名テトラヒドロベンジルアルコール)112gおよ
びBF3エーテラート(エーテル溶液10%)1.5g
を仕込んで10℃に保った。次いで滴下ロートにエチレ
ンオキサイドを90.0g仕込み、5℃に冷却した。次
いで、約3時間かけてエチレンオキサイドを滴下し、反
応温度は10℃に保持した。滴下終了約1時間後の反応
粗液中の3−シクロヘキセンメンタノールの濃度は0.
1%以下であった。反応粗液に100mlの精製水を仕
込み攪拌し、分液後、水層を除いた。
【0020】(実施例2)500mlの攪拌器、温度計
および脱水管を備えた反応器に、実施例1で得たエチレ
ンオキサイドで変性した3−シクロヘキセンメタノール
100g、およびヘプタン100gおよび、メタクリル
酸43.5gを仕込み、次いでハイドロキノンモノメチ
ルエーテル1.0gを仕込んで約5時間ヘプタンと共沸
脱水を行った。約5時間後、ガスクロマトグラフィーに
て反応液中のメタクリル酸濃度を分析したところ0.2
wt%であった。次いで、10%NaOH溶液100m
lを仕込み約20分攪拌し、分液後水層を除去した。次
いで、有機層にハイドロキノンモノメチルエーテルを
0.1g再度仕込み、均一に溶解し、ガス導入管を備え
たガラス製スミス式薄膜蒸発器で脱低沸処理した。操作
は空気100リットル/h、加熱温度100℃、圧力1
50mmHgの条件下で行った。得られた化合物につい
てNMR、IR、GPCによる分析を行った。 (1H−NMR):δppmの測定結果は以下の通りで
あった。チャートを図1に示す。
【0021】(1)6.18:1H(メタクリル基) (2)5.6:2H(シクロヘキセニル基の二重結合の
プロトン) (3)5.5:1H(メタクリル基) (4)4.3:2H(メチレン基) (5)3.3〜3.8:8H(メチレン基) (6)1.92:3H(メタクリル基メチル) (7)1.2〜2.2:7H(シクロヘキセニル基のプ
ロトン)
【0022】(IR):3600cm-1付近のOHに由
来する吸収が消失し、エステル化の終了を示した。IR
−チャートを図2に示す。 (GPC):チャートを図3に示す。チャートから分か
るように、エチレンオキシドが1モル、2モル、3モル
・・・と付加したものが分布しており、エチレンオキシ
ドが2モル付加したものが主成分であった。 これらの分析結果より、得られた(メタ)アクリレート
化合物の構造を下記式VI)に示す。
【0023】
【化11】
【0024】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリレート化合物は
スチレン、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、酢
酸ビニル、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ブタジエ
ン、イソプレン等のビニル化合物と容易に共重合するこ
とができ、コーティング剤、接着剤、写真用材料、顔料
分散剤、光硬化性樹脂、成形材料および希釈剤等種々の
材料のもつ欠点を補うことができる。本発明の(メタ)
アクリレート化合物は、接着剤、インキ、塗料、ゴム改
質材、プラスチック改質材、あるいは反応性希釈剤、U
V、EBコーティング材などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 式(VI)で示す化合物の1H−NMRチャ
ート。
【図2】 式(VI)で示す化合物のIRチャート。
【図3】 式(VI)で示す化合物のGPCチャート。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるシクロヘキセニ
    ルメチル(メタ)アクリレート化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(I−1)で表されるシクロヘキ
    セニルメチル(メタ)アクリレート化合物。 【化2】
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表されるアルコール化
    合物と(メタ)アクリル酸とを触媒の存在下80〜14
    0℃で脱水エステル化することを特徴とする請求項1記
    載の一般式(I)で表されるシクロヘキセニルメチル
    (メタ)アクリレート化合物の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)で表されるアルコー
    ル化合物。 【化4】
  5. 【請求項5】 一般式(III)で表されるエポキシ化
    合物と3−シクロヘキセンメタノールとを反応させるこ
    とを特徴とする請求項4記載の一般式(II)で表され
    るアルコール化合物の製造方法。 【化5】
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WO2009107754A1 (ja) * 2008-02-28 2009-09-03 昭和電工株式会社 エポキシ化合物の製造方法
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