JPH09257195A - ガス供給装置 - Google Patents

ガス供給装置

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JPH09257195A
JPH09257195A JP6354796A JP6354796A JPH09257195A JP H09257195 A JPH09257195 A JP H09257195A JP 6354796 A JP6354796 A JP 6354796A JP 6354796 A JP6354796 A JP 6354796A JP H09257195 A JPH09257195 A JP H09257195A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はガス充填制御の各機器の異常発生の
有無を検知することができないといった課題を解決する
ものである。 【解決手段】 ガス供給装置1は圧力発生ユニット4に
より圧縮されたガスを燃料タンク3に供給するためのデ
ィスペンサユニット5を有する。ディスペンサユニット
5には、燃料タンク3への充填量を計測する 流量計2
4と、圧力又は流量が所定値となるように制御する制御
弁25と、2次圧力を検出する2次圧力伝送器26とが
設けられている。また、制御回路29は、流量計24,
制御弁25,2次圧力伝送器26の何れかの機器で異常
が発生した場合、それまで実行していた制御則を一定圧
力上昇制御又は一定流量制御に切り換える制御則切換プ
ログラムと、制御則の切り換えにより異常が発生した機
器を特定して異常箇所を判別する異常判定プログラムと
が格納されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス供給装置に係
り、特に圧縮したガスを被充填タンクに充填するよう構
成されたガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ガスを圧縮した圧縮天然ガス(CN
G)を燃料にして走行する自動車の開発と共に圧縮天然
ガス(CNG)を自動車の燃料タンクに供給するガス供
給装置の実用化が進められている。この種のガス供給装
置では、圧縮されたガスをガス蓄圧器に貯蔵しておき、
燃料補給のためCNG車がガスステーションに到着する
と、ガス蓄圧器に貯蔵されたガスがCNG車の燃料タン
クに急速充填するように構成されている。
【0003】そして、自動車の燃料タンクへ供給された
流量は流量計により計測されているため、燃料タンクに
充填された充填量(積算流量)を知ることができ、燃料
タンクに充填された圧力は圧力伝送器により計測され
る。また、ガス供給管路の先端には、燃料タンクの接続
口に接続されるガス充填ノズルが設けられており、ガス
充填ノズルのノズル先端には着脱カプラが設けられてい
る。
【0004】また、ガス充填ノズルの着脱カプラは、ガ
ス供給前に被充填タンクとしての燃料タンクの着脱カプ
ラに接続され、ガス充填が開始されるとガス供給管路に
配設された制御弁が一定圧上昇制御又は一定流量制御の
制御則より調整される。そのため、燃料タンクには制御
弁の弁開度が制御されることにより、一定圧力上昇又は
一定流量でガスが充填される。そして、ガス充填完了
後、ガス充填ノズルは燃料タンクの着脱カプラから外さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のガス供給装置では、ガス充填が開始されるとガス供
給管路に配設された制御弁が一定圧上昇制御又は一定流
量制御の制御則により調整されるため、例えば一定圧上
昇制御中に圧力センサに異常が生じた場合、燃料タンク
に充填される圧力が検出不能となるため、制御異常とな
ってしまう。また、一定流量制御中に流量計が故障した
場合、燃料タンクに充填される流量が測定不能となるあ
め、制御異常となってしまう。
【0006】そのため、従来のガス供給装置において
は、何れか一方の制御則で異常が発生した場合、制御異
常となってそのままガス供給が中断してしまい、燃料タ
ンクへのガス供給ができなくなるばかりか、各機器を一
つずつ調べないと異常の原因が分からなかったため、ガ
ス供給を再開するまでに時間がかかっていた。
【0007】そこで、本発明は上記問題を解決したガス
供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有するものである。上
記請求項1の発明は、圧縮されたガスを被充填タンクに
供給するガス供給管路に配設され、前記被充填タンクへ
供給される圧力を制御する制御弁と、前記ガス供給管路
に配設され、前記被充填タンクに供給されたガスの流量
を計測する流量計と、前記制御弁により調整された圧力
を検出する圧力センサと、を有するガス供給装置におい
て、前記ガス供給管路に配設された前記制御弁、流量
計、圧力センサの夫々の異常の有無を判定する異常判定
手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0009】従って、請求項1によれば、ガス供給管路
に配設された制御弁、流量計、圧力センサの夫々の異常
の有無を判定する異常判定手段を有するため、異常が発
生した場合、直ちに異常箇所を判別して修理あるいは交
換作業を実行することができ、ガス供給を再開するまで
の時間を短縮することができる。
【0010】また、請求項2の発明は、前記請求項1記
載のガス供給装置において、前記異常判定手段が、前記
被充填タンクへの充填中に異常が発生した場合、制御則
を圧力制御則又は流量制御則に切り換えて異常発生箇所
を判定することを特徴とするものである。
【0011】従って、請求項2によれば、被充填タンク
への充填中に異常が発生した場合、制御則を圧力制御則
又は流量制御則に切り換えて異常発生箇所を判定するた
め、短時間で異常が発生した機器を特定することがで
き、しかも制御則を切り換えるため異常発生によりガス
充填を中断する必要がなく、別の制御則によるガス充填
制御により被充填タンクへのガス充填を継続することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の一実施
例を説明する。尚、図1に本発明になるガス供給装置の
一実施例を示す。ガス供給装置1は、例えば自動車2の
燃料タンク(被充填タンク)3に都市ガスを所定圧力に
圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を供給するガス供給ス
テーションなどに設置されている。
【0013】ガス供給装置1は、大略、都市ガスを所定
圧力に圧縮し加圧されたガスを生成する圧力発生ユニッ
ト4と、圧力発生ユニット4により圧縮されたガスを燃
料タンク3に供給するためのディスペンサユニット5と
よりなる。圧力発生ユニット4は、都市ガスの中圧管路
から分岐された分岐管路11にコンプレッサ12を接続
した構成となっている。このコンプレッサ12は、例え
ばガスを圧縮するためのシリンダが複数(3個または4
個)設けられた多段式のものであり、前段のシリンダで
圧縮されたガスを次段のシリンダでさらに高い圧力に加
圧して分岐管路11から供給されたガスを段階的に圧縮
する。
【0014】さらに、コンプレッサ12から引き出され
た高圧管路13には、コンプレッサ12から吐出された
圧力を検出する圧力スイッチ14と、コンプレッサ12
により生成されたガスの逆流を防止する逆止弁15が配
設されている。また、高圧管路13から分岐した分岐管
路16の端部には、複数本のガス蓄圧器17(171
17n )が接続されている。尚、ガス蓄圧器17は、一
般に文献等では「蓄ガス器」とも呼ばれている。
【0015】上記ガス蓄圧器17(171 〜17n )に
は、上記コンプレッサ12により圧縮された高圧ガス、
本実施例では250kgf/cm2 に圧縮されたガスが蓄圧さ
れる。上記圧力スイッチ14は、ガス蓄圧器17(17
1 〜17n )に蓄圧された圧力が規定圧力250kgf/cm
2 に達すると、その検出信号をコンプレッサ制御盤18
に出力する。コンプレッサ12は、コンプレッサ制御盤
18により制御されており、圧力スイッチ14によりガ
ス蓄圧器17(171 〜17n )の圧力が規定圧力25
0kgf/cm2 に達したことが検出されると、ロード運転か
らアンロード運転に切り換えられる。
【0016】また、高圧管路13の下流側端部には、電
磁弁よりなる第1の開閉弁19が配設されている。この
第1の開閉弁19は、コンプレッサ12により圧縮され
たガスがガス蓄圧器17へ供給される際に閉弁されてガ
スがディスペンサユニット5へ流出することを防止し、
ガス蓄圧器17内のガスが燃料タンク3に充填されると
きは開弁される。そして、ガス蓄圧器17内の圧力が所
定圧力に達すると、圧力発生ユニット4は充填作業可能
な待機状態となる。
【0017】また、圧力発生ユニット4とディスペンサ
ユニット5との間は、ガス供給管路21を介して接続さ
れている。そして、ガス供給管路21の下流側端部に接
続されてディスペンサユニット5内に延在するガス供給
管路22には、電磁弁よりなる第2の開閉弁23と、ガ
ス供給管路22を流れるガス流量を計測する流量計24
と、下流側へ給送される圧力又は流量が所定値となるよ
うに制御する制御弁25と、制御弁25の下流に供給さ
れる2次圧力を検出する2次圧力伝送器(圧力センサ)
26と、2次圧力が規定圧力(本実施例では、200kg
f/cm2 )以上になることを防止する過充填防止弁27
と、所定以上の力で引っ張られたとき分離する緊急離脱
カプラ28とが配設されている。
【0018】上記流量計24は、高圧ガスの流量を正確
に計測することができるコリオリ式の質量流量計が採用
されており、その流量計測信号を出力する。そして、制
御弁25は、後述するように一定の圧力上昇でガスを充
填する一定圧力上昇制御、あるいは一定の流量でガスを
充填する一定流量制御により弁開度が調整される。
【0019】過充填防止弁27は、ガス供給管路22の
圧力がパイロット圧として導入されており、ガス供給管
路22の圧力が200kgf/cm2 以上になると、弁開度を
絞るように動作する。上記緊急離脱カプラ28は、万が
一着脱カプラ34が燃料タンク3側の着脱カプラ42に
接続されたまま自動車2が発車した場合に連結を解除す
るとともに、緊急離脱カプラ34内部に設けられた逆止
弁(図示せず)が閉弁してガス漏れを防止する。
【0020】29は制御回路で、後述するように第1の
開閉弁19及び第2の開閉弁23の開閉動作を制御する
と共に、流量計24及び2次圧力伝送器26により検出
された流量及び圧力に基づいて制御弁25の弁開度を一
定の圧力上昇でガスを充填する一定圧力上昇制御、ある
いは一定の流量でガスを充填する一定流量制御により制
御する。
【0021】また、制御回路29には、流量計24,制
御弁25,2次圧力伝送器26の何れかの機器で異常が
発生した場合、それまで実行していた制御則を一定圧力
上昇制御又は一定流量制御に切り換え、制御則の切り換
えにより異常が発生した機器を特定して異常箇所を判定
する異常判定プログラム(異常判定手段)が格納されて
いる。
【0022】30は表示器で、燃料タンク3に充填され
たガスの充填量(流量積算値)及び充填圧力(2次圧
力)を表示する。また、緊急離脱カプラ28には、高圧
ガスに耐えうる高圧ガス供給チューブ31の一端が接続
され、高圧ガス供給チューブ31の他端にはガス充填ノ
ズルを構成する第1の三方弁32が設けられている。第
1の三方弁32の流入ポートaには、高圧ガス供給チュ
ーブ31が接続されている。さらに、第1の三方弁32
の充填ポートbには、ノズル部33が接続されており、
このノズル部33の端部には、着脱可能な着脱カプラ3
4が設けられている。
【0023】また、第1の三方弁32の排気ポートc
は、ガス供給終了後、着脱カプラ34の離脱操作を可能
にするため、着脱カプラ34内の残留ガスを外部に逃が
すための排気管路35に接続されている。このように設
けられた三方弁32は、手動操作により切り換えられる
構成であり、ガス充填前及びガス充填後は、充填ポート
bと排気ポートcとが連通されると共に流入ポートaが
遮断されている。さらに、ガス充填時は、流入ポートa
と充填ポートbとが連通するとともに排気ポートcが遮
断するように切り換え操作される。
【0024】36は第2の三方弁で、ガス供給管路22
から引き出された排気管路37が接続されたaポート
と、第1の三方弁32から引き出された排気管路35が
接続されたbポートと、低圧管路38が接続されたcポ
ートとを有する。この第2の三方弁36は、燃料タンク
3へガスを充填しているときは、bポートとcポートと
を連通するように操作されており、ガス充填終了後に第
1の三方弁32がbポートとcポートとを連通するよう
に操作されると、ノズル部33のガスが低圧管路38へ
排気されて着脱カプラ34,42内が脱圧される。その
後、第2の三方弁36は、aポートとcポートとが連通
するように切り換え操作されてガス供給管路22内のガ
スが低圧管路38へ排気されてガス供給管路22内が脱
圧される。
【0025】また、高圧ガスが充填される自動車2にお
いては、燃料タンク3に接続された管路41に上流側よ
り上記着脱カプラ34が結合される着脱カプラ42と、
ガスを充填する際手動操作により開弁される手動開閉弁
43と、燃料タンク3に充填されたガスが逆流すること
を防止する逆止弁44とが配設されている。
【0026】ここで、上記構成になるガス供給装置1に
おけるガス充填作業について説明する。上記自動車2の
燃料タンク3にガスを充填する際、作業者は、先ず、デ
ィスペンサユニット5の着脱カプラ34を自動車2の着
脱カプラ42に結合させる。そして、三方弁32の流入
ポートaと充填ポートbとが連通するように切り換えた
後、充填開始釦(図示せず)がオンに操作されると、制
御回路29は第1、第2の開閉弁19,23を開弁させ
る。そして、自動車2の手動開閉弁43までガスが供給
された状態となった後、手動開閉弁43を開弁させて燃
料タンク3にガスを供給する。
【0027】これにより、ガス蓄圧器17に蓄圧された
高圧ガスは、ガス供給管路21,22,高圧ガス供給ホ
ース31,ノズル部33,着脱カプラ34,42,管路
41を介して燃料タンク3に充填される。充填開始直後
は、ガス供給管路22に配設された制御弁25の弁開度
がやや絞られており、ガス蓄圧器17からのガスにより
各機器が受ける圧力の昇圧を緩和して各機器を高圧ガス
から保護する。そして、所定時間(例えば5秒程度)が
経過すると、制御弁25の弁開度を徐々に開いてガス充
填流量を増加させる。
【0028】燃料タンク3へのガス充填が完了すると、
作業者は、脱圧操作を行う。すなわち、手動開閉弁43
を閉弁した後、第1の三方弁32の充填ポートbと排気
ポートcとを連通させるとともに流入ポートaを遮断さ
せる。排気管路35及び低圧管路38を介して着脱カプ
ラ34内及び供給ホース33内に残留するガスは、三方
弁32の排気ポートcから排気管路35、第2の三方弁
36を介して低圧管路38へ排気される。これにより、
脱圧操作が終了して着脱カプラ34の離脱操作が可能に
なる。
【0029】また、第2の三方弁36は、aポートとc
ポートとが連通するように切り換え操作されてガス供給
管路22内のガスが低圧管路38へ排気されてガス供給
管路22内が脱圧される。そして、ディスペンサユニッ
ト5の着脱カプラ34が自動車2の着脱カプラ42から
分離されてガス充填作業が完了する。
【0030】次に、制御回路29が実行するガス充填制
御処理につき説明する。尚、図2は制御回路29が実行
するガス充填制御処理のメインフローチャートである。
前述したように作業者が、ディスペンサユニット5の着
脱カプラ34を自動車2の着脱カプラ42に結合して三
方弁32の流入ポートaと充填ポートbとが連通するよ
うに切り換え操作した後、充填開始釦(図示せず)をオ
ンに操作すると、制御回路29は図2に示す処理を実行
する。
【0031】ステップS1(以下「ステップ」を省略す
る)において、充填開始釦がオンに操作されると、表示
器20に現在の充填状態である「充填開始」を表示す
る。次にS2に進み、第1、第2の開閉弁19,23を
開弁させ、ガス蓄圧器17に蓄圧されたガスをガス供給
管路21,22を介してディスペンサユニット5に供給
する。
【0032】これで、ガス蓄圧器17の圧力が自動車2
の手動開閉弁43まで供給される。そして、作業者は、
自動車2の手動開閉弁43を開弁させ、ディスペンサユ
ニット5からのガスを燃料タンク3に供給する。続い
て、S3に進み、後述する「異常発生フラグ」がセット
されているか否かを判定する。このS3において、「異
常発生フラグ」がセットされていないときは、S4に進
み、ガス充填流量が流量計24の計測可能範囲の下限値
以下であるか否かを判定する。
【0033】S4において、ガス充填流量が流量計24
の計測下限値以上であるときは、燃料タンク3に充填さ
れた流量を計測することができるので、S5に進み、制
御弁25の弁開度を制御する制御則を「一定圧上昇制御
モード」にセットする。これにより、制御弁25は圧力
上昇率が一定となるように弁開度が制御され、時間の経
過すると共に充填圧力を上昇させながら燃料タンク3へ
のガス充填を行う。
【0034】次のS6では、2次圧力伝送器26により
検出された制御弁25より下流の2次圧力が充填終了圧
力条件(本実施例では、2次圧力の規定圧力=200kg
f/cm 2 )に達したか否かを判定する。このS6におい
て、2次圧力伝送器26の検出値が充填終了圧力(20
0kgf/cm2 )以下であるときは、上記S3に戻り、S3
〜S6の処理を繰り返して一定圧上昇制御を継続する。
【0035】しかし、S6において、2次圧力伝送器2
6の検出値が充填終了圧力(200kgf/cm2 )に達した
ときは、燃料タンク3が満タンになったものと判断して
S7に進み、第1、第2の開閉弁19,23を閉弁させ
る。その後、S8に進み、表示器30に「充填正常終
了」を表示する。
【0036】これで、燃料タンク3へのガス充填が終了
したため、作業者は自動車2の手動開閉弁43を閉弁操
作した後、三方弁32を切り換え操作して着脱カプラ3
4,42内のガスを低圧管路38へ排気して脱圧操作を
行う。この脱圧操作により着脱カプラ34,42内の圧
力が大気圧に減圧されるため、着脱カプラ34を自動車
2側の着脱カプラ42から分離させることができる。
【0037】ところが、上記S3において、「異常発生
フラグ」がセットされているときは、正常なガス充填が
行えないため、S9に移行して第1、第2の開閉弁1
9,23を閉弁させる。その後、S10に進み、表示器
30に「充填異常終了」を表示する。この場合、ガス供
給管路22に配設された流量計24,制御弁25,圧力
伝送器26等の機器の何れかで異常が発生したものと判
断して燃料タンク3へのガス充填不可となる。
【0038】また、上記S4において、ガス充填流量が
流量計24の計測下限値以下であるときは、燃料タンク
3に充填された流量を計測することができないので、上
記S9に移行して第1、第2の開閉弁19,23を閉弁
させた後、S10で表示器30に「充填異常終了」を表
示する。
【0039】図3は制御回路29が実行する異常判定割
り込み処理のフローチャートである。尚、制御回路29
は、一定時間間隔毎のタイマ割り込みでガス供給管路2
2に配設された各機器の異常の有無を判定する異常判定
処理を実行する。次に、図3のフローチャートを参照し
てガス供給装置1に配設された各機器の異常判定割り込
み処理について説明する。
【0040】一定時間間隔毎のタイマ割り込みにより、
予め設定された充填制御特性(充填時間−充填圧力変化
の関係)に基づいて制御目標を算出する(S11)。次
に、現在の帰還値を計測する(S12)。この帰還値
は、設定された制御則に応じて瞬時流量又は充填圧力と
なる。すなわち、一定圧上昇制御を行っているときは2
次圧力伝送器26により検出された圧力値を読み込み、
一定流量制御を行っているときは流量計24により検出
された瞬時流量を読み込む。
【0041】続いて、目標値と帰還値との差にゲインを
掛けて指令値を算出する(S13)。そして、前回の指
令値と現在の帰還値との偏差量が規定値以上か否かを判
定する(S14)。このS14において、前回の指令値
と現在の帰還値との偏差量が規定値以下であるときは、
偏差異常が発生していないものと判断し、上記S13で
算出した指令値に基づいて制御弁25の制御量を算出し
て制御弁25の弁開度を制御する(S15)。
【0042】次に、後述するS22でセットされる「異
常検知フラグ」の有無のチェックを行う(S16)。そ
して、S16において、「異常検知フラグ」がセットさ
れていないときは異常検知中でなく正常に充填制御が行
われているため、この割り込み処理を終了させる。
【0043】しかし、S16において、異常検知中であ
るときは、後述するS23で実行する制御則の変更によ
り偏差異常がなくなっているので、変更前の制御則で用
いていた機器の異常と判断してこの機器を異常要因にセ
ットする(S17)。例えば、制御則の変更前は一定圧
上昇制御を行っていた場合、「2次圧力伝送器動作異
常」を異常要因にセットし、制御則の変更前の一定流量
上昇制御を行っていた場合、「流量計動作異常」を異常
要因にセットする。
【0044】次に、「異常発生フラグ」をセットする
(S18)。この「異常発生フラグ」は、前述した図2
のS3で検出され、燃料タンク3へのガス充填を異常終
了するものである。これで、異常検知の処理が終了した
ため、「異常検知フラグ」をクリアする(S19)。
【0045】また、上記S14において、前回の指令値
と現在の帰還値との偏差量が規定値以上であるときは、
偏差量が大き過ぎて偏差異常が発生しているものと判断
し、S20に移行する。次のS20では、後述するS2
2でセットされる「異常検知フラグ」の有無をチェック
しており、「異常検知フラグ」がセットされているとき
は異常検知中であり、異常検知中に再度偏差異常が発生
しているので、2次圧力伝送器26及び流量計24の両
方で充填制御不良が発生したことになるが、両方同時に
センサ異常となる可能性が低いため、制御弁25が異常
であると判断して異常要因に「制御弁動作異常」をセッ
トする(S21)。
【0046】その後は上記S18,S19の処理を実行
する。すなわち、S18で「異常発生フラグ」をセット
し、S19で「異常検知フラグ」をクリアする。また、
上記S20において、異常検知中でないときは、正常制
御中に初めて偏差異常が発生したため、異常検知中であ
ることを示すため、「異常検知フラグ」をセットする
(S22)。上記S17,S20では、この「異常検知
フラグ」がセットされているか否かを判定している。
【0047】続いて、S23に移行して制御則の切り換
えを行う。すなわち、それまでの制御則が一定圧上昇制
御であるときは制御則を一定流量上昇制御に切り換え
る。また、それまでの制御則が一定流量上昇制御である
ときは制御則を一定圧上昇制御に切り換える。これによ
り、異常が発生した機器(2次圧力伝送器26又は流量
計24)を使用せずにガス充填制御を行うことができ
る。
【0048】次のS24では、制御則フラグに変更前の
制御則(一定圧上昇制御又は一定流量上昇制御)をセッ
トする。この後、この割り込み処理を終了させる。上記
S11〜S24の処理は、タイマ割り込みにより一定時
間毎に繰り返し実行されており、次のような〜の各
処理手順で異常判定処理が実行される。 ガス充填制御が正常に行われたときは、S11〜S
16の処理を繰り返すことになる。 その制御則で異常があった場合は、S11〜S1
4,S20,S22〜S24の処理を実行して「異常検
知フラグ」がセットすると共に制御則を切り換える。 前回の制御で「異常検知フラグ」がセットされた状
態で帰還値の偏差量が所定値より小さいときは、S11
〜S19の処理を実行する。 前回の制御で「異常検知フラグ」がセットされた状
態で帰還値の偏差量が所定値より大きいときは、S11
〜S14,S20,S21,S18,S19の処理を実
行する。
【0049】このように燃料タンク3へのガス充填制御
中に上記図3の異常判定割り込み処理を実行して制御目
標値に対する帰還値の偏差が規定値より大きくなると制
御異常と判断し、さらに制御則を切り換えることにより
別の機器を用いて充填制御を行い流量計24,制御弁2
5,圧力伝送器26等の機器のどこで異常要因があるの
か正確に検知することができる。
【0050】そのため、ディスペンサ5の制御機器で異
常が発生した場合でも、直ちに異常箇所を自己診断する
ことができ、異常箇所の修理あるいは交換作業を速やか
に実行することができる。しかも、異常発生により制御
則を切り換えて燃料タンク3へのガス充填制御は中断さ
れないため、従来のようにガス充填が停止して燃料タン
ク3にガスを充填することができなくなるといった不都
合が解消される。
【0051】尚、上記実施例では、都市ガスを圧縮した
圧縮天然ガス(CNG)を供給する場合を一例として挙
げたが、これに限らず、例えばブタン、プロパン等のガ
スを供給するのにも適用できるのは勿論である。また、
上記実施例では、自動車2の燃料タンク3に圧縮された
ガスを充填する場合を一例として挙げたが、これに限ら
ず、他の容器等に圧縮されたガスを供給する装置にも適
用でき、あるいは単に圧縮されたガスを他の場所に給送
するための管路途中に設置する構成の装置にも適用でき
るのは勿論である。
【0052】
【発明の効果】上述の如く、上記請求項1の発明によれ
ば、ガス供給管路に配設された制御弁、流量計、圧力セ
ンサの夫々の異常の有無を判定する異常判定手段を有す
るため、制御弁、流量計、圧力センサのいずれかで異常
が発生した場合、直ちに異常箇所を判別して修理あるい
は交換作業を実行することができ、ガス供給を再開する
までの時間を短縮することができる。
【0053】また、請求項2によれば、被充填タンクへ
の充填中に異常が発生した場合、制御則を圧力制御則又
は流量制御則に切り換えて異常発生箇所を判定するた
め、短時間で異常が発生した機器を特定することがで
き、しかも制御則を切り換えるため異常発生によりガス
充填を中断する必要がなく、別の制御則によるガス充填
制御により被充填タンクへのガス充填を継続することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるガス供給装置の一実施例の概略構
成図である。
【図2】制御回路が実行するガス充填制御処理のフロー
チャートである。
【図3】制御回路が実行する異常判定処理のフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 ガス供給装置 3 燃料タンク 4 圧力発生ユニット 5 ディスペンサユニット 12 コンプレッサ 17 ガス蓄圧器 19 第1の開閉弁 21,22 ガス供給管路 23 第2の開閉弁 24 流量計 25 制御弁 26 2次圧力伝送器 29 制御回路 30 表示器 32,36 三方弁 34,42 着脱カプラ 43 手動開閉弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮されたガスを被充填タンクに供給す
    るガス供給管路に配設され、前記被充填タンクへ供給さ
    れる圧力を制御する制御弁と、 前記ガス供給管路に配設され、前記被充填タンクに供給
    されたガスの流量を計測する流量計と、 前記制御弁により調整された圧力を検出する圧力センサ
    と、 を有するガス供給装置において、 前記ガス供給管路に配設された前記制御弁、流量計、圧
    力センサの夫々の異常の有無を判定する異常判定手段を
    備えてなることを特徴とするガス供給装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1のガス供給装置において、 前記異常判定手段は、前記被充填タンクへの充填中に異
    常が発生した場合、制御則を圧力制御則又は流量制御則
    に切り換えて異常発生箇所を判定することを特徴とする
    ガス供給装置。
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