JP3571453B2 - ガス供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガス供給装置に係り、特に圧縮したガスを被充填タンクに充填するよう構成されたガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ガスを圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を燃料にして走行する自動車の開発と共に圧縮天然ガス(CNG)を自動車の燃料タンクに供給するガス供給装置の実用化が進められている。この種のガス供給装置では、圧縮されたガスをガス蓄圧器に貯蔵しておき、燃料補給のためCNG車がガスステーションに到着すると、ガス蓄圧器に貯蔵されたガスがCNG車の燃料タンクに急速充填するように構成されている。
【0003】
そして、自動車の燃料タンクへ供給された流量は流量計により計測されているため、燃料タンクに充填された充填量(積算流量)を知ることができ、燃料タンクに充填された圧力は圧力伝送器により計測される。また、ガス供給管路の先端には、燃料タンクの接続口に接続されるガス充填ノズルが設けられており、ガス充填ノズルのノズル先端には着脱カプラが設けられている。
【0004】
また、ガス充填ノズルの着脱カプラは、ガス供給前に被充填タンクとしての燃料タンクの着脱カプラに接続され、ガス充填が開始されるとガス供給管路に配設された制御弁が一定圧上昇制御又は一定流量制御の制御則より調整される。そのため、燃料タンクには制御弁の弁開度が制御されることにより、一定圧力上昇又は一定流量でガスが充填される。そして、ガス充填完了後、ガス充填ノズルは燃料タンクの着脱カプラから外される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のガス供給装置では、ガス充填が開始されるとガス供給管路に配設された制御弁が一定圧上昇制御又は一定流量制御の制御則により調整されるため、例えば一定圧上昇制御中に圧力センサに異常が生じた場合、燃料タンクに充填される圧力が検出不能となるため、制御異常となってしまう。また、一定流量制御中に流量計が故障した場合、燃料タンクに充填される流量が測定不能となるため、制御異常となってしまう。
【0006】
そのため、従来のガス供給装置においては、何れか一方の制御則で異常が発生した場合、制御異常となってそのままガス供給が中断してしまい、燃料タンクへのガス供給ができなくなるばかりか、各機器を一つずつ調べないと異常の原因が分からなかったため、ガス供給を再開するまでに時間がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明は上記問題を解決したガス供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有するものである。
上記請求項1の発明は、圧縮されたガスを被充填タンクに供給するガス供給管路に配設され、前記被充填タンクへ供給されるガス供給量及び圧力を制御する制御弁と、
前記ガス供給管路に配設され、前記被充填タンクに供給されたガスの流量を計測する流量計と、
前記制御弁により調整された圧力を検出する圧力センサと、
を有し、
前記制御弁の開度を制御することにより、前記圧力センサにより検出された圧力が所定の圧力上昇となるように当該被充填タンクへのガス充填を行う圧力制御則と、前記流量計により検出された流量が所定の流量となるように当該被充填タンクへのガス充填を行う流量制御則との何れか一方の制御則に切り換えて当該被充填タンクへのガス充填を行うガス供給装置において、
前記ガス供給管路に配設された前記流量計により検出された瞬時流量、または前記圧力センサにより検出された圧力値に基づいて異常の有無を判定する異常判定手段と、
前記被充填タンクへの充填中に前記異常判定手段が異常ありと判定した場合に、前記制御則のうち、当該異常が発生した時点における一の制御則から他の制御則に切り換える制御則切換手段と
を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
従って、請求項1によれば、被充填タンクへの充填中に異常判定手段が異常ありと判定した場合に、制御則のうち、当該異常が発生した時点における一の制御則から他の制御則に切り換えることにより、異常発生によりガス充填を中断する必要がなく、別の制御則によるガス充填制御により被充填タンクへのガス充填を継続することができる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1記載のガス供給装置であって、
前記制御則切換手段により前記制御則が切り換えられた際、当該制御則切換手段の制御則の切換えの前後における前記異常判定手段により判定された異常の有無から異常発生箇所を判定する異常発生箇所判定手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
従って、請求項2によれば、制御則の切換えの前後における異常判定手段により判定された異常の有無から異常発生箇所を判定することにより、短時間で異常が発生した機器を特定し、直ちに異常箇所の修理あるいは交換作業を行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例を説明する。尚、図1に本発明になるガス供給装置の一実施例を示す。
ガス供給装置1は、例えば自動車2の燃料タンク(被充填タンク)3に都市ガスを所定圧力に圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を供給するガス供給ステーションなどに設置されている。
【0013】
ガス供給装置1は、大略、都市ガスを所定圧力に圧縮し加圧されたガスを生成する圧力発生ユニット4と、圧力発生ユニット4により圧縮されたガスを燃料タンク3に供給するためのディスペンサユニット5とよりなる。
圧力発生ユニット4は、都市ガスの中圧管路から分岐された分岐管路11にコンプレッサ12を接続した構成となっている。このコンプレッサ12は、例えばガスを圧縮するためのシリンダが複数(3個または4個)設けられた多段式のものであり、前段のシリンダで圧縮されたガスを次段のシリンダでさらに高い圧力に加圧して分岐管路11から供給されたガスを段階的に圧縮する。
【0014】
さらに、コンプレッサ12から引き出された高圧管路13には、コンプレッサ12から吐出された圧力を検出する圧力スイッチ14と、コンプレッサ12により生成されたガスの逆流を防止する逆止弁15が配設されている。また、高圧管路13から分岐した分岐管路16の端部には、複数本のガス蓄圧器17(171 〜17n )が接続されている。尚、ガス蓄圧器17は、一般に文献等では「蓄ガス器」とも呼ばれている。
【0015】
上記ガス蓄圧器17(171 〜17n )には、上記コンプレッサ12により圧縮された高圧ガス、本実施例では250kgf/cm2 に圧縮されたガスが蓄圧される。上記圧力スイッチ14は、ガス蓄圧器17(171 〜17n )に蓄圧された圧力が規定圧力250kgf/cm2 に達すると、その検出信号をコンプレッサ制御盤18に出力する。コンプレッサ12は、コンプレッサ制御盤18により制御されており、圧力スイッチ14によりガス蓄圧器17(171 〜17n )の圧力が規定圧力250kgf/cm2 に達したことが検出されると、ロード運転からアンロード運転に切り換えられる。
【0016】
また、高圧管路13の下流側端部には、電磁弁よりなる第1の開閉弁19が配設されている。この第1の開閉弁19は、コンプレッサ12により圧縮されたガスがガス蓄圧器17へ供給される際に閉弁されてガスがディスペンサユニット5へ流出することを防止し、ガス蓄圧器17内のガスが燃料タンク3に充填されるときは開弁される。そして、ガス蓄圧器17内の圧力が所定圧力に達すると、圧力発生ユニット4は充填作業可能な待機状態となる。
【0017】
また、圧力発生ユニット4とディスペンサユニット5との間は、ガス供給管路21を介して接続されている。そして、ガス供給管路21の下流側端部に接続されてディスペンサユニット5内に延在するガス供給管路22には、電磁弁よりなる第2の開閉弁23と、ガス供給管路22を流れるガス流量を計測する流量計24と、下流側へ給送される圧力又は流量が所定値となるように制御する制御弁25と、制御弁25の下流に供給される2次圧力を検出する2次圧力伝送器(圧力センサ)26と、2次圧力が規定圧力(本実施例では、200kgf/cm2 )以上になることを防止する過充填防止弁27と、所定以上の力で引っ張られたとき分離する緊急離脱カプラ28とが配設されている。
【0018】
上記流量計24は、高圧ガスの流量を正確に計測することができるコリオリ式の質量流量計が採用されており、その流量計測信号を出力する。そして、制御弁25は、後述するように一定の圧力上昇でガスを充填する一定圧力上昇制御、あるいは一定の流量でガスを充填する一定流量制御により弁開度が調整される。
【0019】
過充填防止弁27は、ガス供給管路22の圧力がパイロット圧として導入されており、ガス供給管路22の圧力が200kgf/cm2 以上になると、弁開度を絞るように動作する。
上記緊急離脱カプラ28は、万が一着脱カプラ34が燃料タンク3側の着脱カプラ42に接続されたまま自動車2が発車した場合に連結を解除するとともに、緊急離脱カプラ34内部に設けられた逆止弁(図示せず)が閉弁してガス漏れを防止する。
【0020】
29は制御回路で、後述するように第1の開閉弁19及び第2の開閉弁23の開閉動作を制御すると共に、流量計24及び2次圧力伝送器26により検出された流量及び圧力に基づいて制御弁25の弁開度を一定の圧力上昇でガスを充填する一定圧力上昇制御、あるいは一定の流量でガスを充填する一定流量制御により制御する。
【0021】
また、制御回路29には、流量計24,制御弁25,2次圧力伝送器26の何れかの機器で異常が発生した場合、それまで実行していた制御則を一定圧力上昇制御又は一定流量制御に切り換え、制御則の切り換えにより異常が発生した機器を特定して異常箇所を判定する異常判定プログラム(異常判定手段)が格納されている。
【0022】
30は表示器で、燃料タンク3に充填されたガスの充填量(流量積算値)及び充填圧力(2次圧力)を表示する。
また、緊急離脱カプラ28には、高圧ガスに耐えうる高圧ガス供給チューブ31の一端が接続され、高圧ガス供給チューブ31の他端にはガス充填ノズルを構成する第1の三方弁32が設けられている。第1の三方弁32の流入ポートaには、高圧ガス供給チューブ31が接続されている。さらに、第1の三方弁32の充填ポートbには、ノズル部33が接続されており、このノズル部33の端部には、着脱可能な着脱カプラ34が設けられている。
【0023】
また、第1の三方弁32の排気ポートcは、ガス供給終了後、着脱カプラ34の離脱操作を可能にするため、着脱カプラ34内の残留ガスを外部に逃がすための排気管路35に接続されている。
このように設けられた三方弁32は、手動操作により切り換えられる構成であり、ガス充填前及びガス充填後は、充填ポートbと排気ポートcとが連通されると共に流入ポートaが遮断されている。さらに、ガス充填時は、流入ポートaと充填ポートbとが連通するとともに排気ポートcが遮断するように切り換え操作される。
【0024】
36は第2の三方弁で、ガス供給管路22から引き出された排気管路37が接続されたaポートと、第1の三方弁32から引き出された排気管路35が接続されたbポートと、低圧管路38が接続されたcポートとを有する。
この第2の三方弁36は、燃料タンク3へガスを充填しているときは、bポートとcポートとを連通するように操作されており、ガス充填終了後に第1の三方弁32がbポートとcポートとを連通するように操作されると、ノズル部33のガスが低圧管路38へ排気されて着脱カプラ34,42内が脱圧される。その後、第2の三方弁36は、aポートとcポートとが連通するように切り換え操作されてガス供給管路22内のガスが低圧管路38へ排気されてガス供給管路22内が脱圧される。
【0025】
また、高圧ガスが充填される自動車2においては、燃料タンク3に接続された管路41に上流側より上記着脱カプラ34が結合される着脱カプラ42と、ガスを充填する際手動操作により開弁される手動開閉弁43と、燃料タンク3に充填されたガスが逆流することを防止する逆止弁44とが配設されている。
【0026】
ここで、上記構成になるガス供給装置1におけるガス充填作業について説明する。
上記自動車2の燃料タンク3にガスを充填する際、作業者は、先ず、ディスペンサユニット5の着脱カプラ34を自動車2の着脱カプラ42に結合させる。そして、三方弁32の流入ポートaと充填ポートbとが連通するように切り換えた後、充填開始釦(図示せず)がオンに操作されると、制御回路29は第1、第2の開閉弁19,23を開弁させる。そして、自動車2の手動開閉弁43までガスが供給された状態となった後、手動開閉弁43を開弁させて燃料タンク3にガスを供給する。
【0027】
これにより、ガス蓄圧器17に蓄圧された高圧ガスは、ガス供給管路21,22,高圧ガス供給ホース31,ノズル部33,着脱カプラ34,42,管路41を介して燃料タンク3に充填される。
充填開始直後は、ガス供給管路22に配設された制御弁25の弁開度がやや絞られており、ガス蓄圧器17からのガスにより各機器が受ける圧力の昇圧を緩和して各機器を高圧ガスから保護する。そして、所定時間(例えば5秒程度)が経過すると、制御弁25の弁開度を徐々に開いてガス充填流量を増加させる。
【0028】
燃料タンク3へのガス充填が完了すると、作業者は、脱圧操作を行う。すなわち、手動開閉弁43を閉弁した後、第1の三方弁32の充填ポートbと排気ポートcとを連通させるとともに流入ポートaを遮断させる。排気管路35及び低圧管路38を介して着脱カプラ34内及び供給ホース33内に残留するガスは、三方弁32の排気ポートcから排気管路35、第2の三方弁36を介して低圧管路38へ排気される。これにより、脱圧操作が終了して着脱カプラ34の離脱操作が可能になる。
【0029】
また、第2の三方弁36は、aポートとcポートとが連通するように切り換え操作されてガス供給管路22内のガスが低圧管路38へ排気されてガス供給管路22内が脱圧される。そして、ディスペンサユニット5の着脱カプラ34が自動車2の着脱カプラ42から分離されてガス充填作業が完了する。
【0030】
次に、制御回路29が実行するガス充填制御処理につき説明する。尚、図2は制御回路29が実行するガス充填制御処理のメインフローチャートである。
前述したように作業者が、ディスペンサユニット5の着脱カプラ34を自動車2の着脱カプラ42に結合して三方弁32の流入ポートaと充填ポートbとが連通するように切り換え操作した後、充填開始釦(図示せず)をオンに操作すると、制御回路29は図2に示す処理を実行する。
【0031】
ステップS1(以下「ステップ」を省略する)において、充填開始釦がオンに操作されると、表示器20に現在の充填状態である「充填開始」を表示する。次にS2に進み、第1、第2の開閉弁19,23を開弁させ、ガス蓄圧器17に蓄圧されたガスをガス供給管路21,22を介してディスペンサユニット5に供給する。
【0032】
S4において、ガス充填流量が流量計24の計測下限値以上であるときは、燃料タンク3に充填された流量を計測することができるので、S5に進み、制御弁25の弁開度を制御する制御則を「一定圧上昇制御モード」にセットする。これにより、制御弁25は圧力上昇率が一定となるように弁開度が制御され、時間が経過すると共に充填圧力を上昇させながら燃料タンク3へのガス充填を行う。
【0033】
S4において、ガス充填流量が流量計24の計測下限値以上であるときは、燃料タンク3に充填された流量を計測することができるので、S5に進み、制御弁25の弁開度を制御する制御則を「一定圧上昇制御モード」にセットする。これにより、制御弁25は圧力上昇率が一定となるように弁開度が制御され、時間の経過すると共に充填圧力を上昇させながら燃料タンク3へのガス充填を行う。
【0034】
次のS6では、2次圧力伝送器26により検出された制御弁25より下流の2次圧力が充填終了圧力条件(本実施例では、2次圧力の規定圧力=200kgf/cm2 )に達したか否かを判定する。このS6において、2次圧力伝送器26の検出値が充填終了圧力(200kgf/cm2 )以下であるときは、上記S3に戻り、S3〜S6の処理を繰り返して一定圧上昇制御を継続する。
【0035】
しかし、S6において、2次圧力伝送器26の検出値が充填終了圧力(200kgf/cm2 )に達したときは、燃料タンク3が満タンになったものと判断してS7に進み、第1、第2の開閉弁19,23を閉弁させる。その後、S8に進み、表示器30に「充填正常終了」を表示する。
【0036】
これで、燃料タンク3へのガス充填が終了したため、作業者は自動車2の手動開閉弁43を閉弁操作した後、三方弁32を切り換え操作して着脱カプラ34,42内のガスを低圧管路38へ排気して脱圧操作を行う。この脱圧操作により着脱カプラ34,42内の圧力が大気圧に減圧されるため、着脱カプラ34を自動車2側の着脱カプラ42から分離させることができる。
【0037】
ところが、上記S3において、「異常発生フラグ」がセットされているときは、正常なガス充填が行えないため、S9に移行して第1、第2の開閉弁19,23を閉弁させる。その後、S10に進み、表示器30に「充填異常終了」を表示する。この場合、ガス供給管路22に配設された流量計24,制御弁25,圧力伝送器26等の機器の何れかで異常が発生したものと判断して燃料タンク3へのガス充填不可となる。
【0038】
また、上記S4において、ガス充填流量が流量計24の計測下限値以下であるときは、燃料タンク3に充填された流量を計測することができないので、上記S9に移行して第1、第2の開閉弁19,23を閉弁させた後、S10で表示器30に「充填異常終了」を表示する。
【0039】
図3は制御回路29が実行する異常判定割り込み処理のフローチャートである。尚、制御回路29は、一定時間間隔毎のタイマ割り込みでガス供給管路22に配設された各機器の異常の有無を判定する異常判定処理を実行する。
次に、図3のフローチャートを参照してガス供給装置1に配設された各機器の異常判定割り込み処理について説明する。
【0040】
一定時間間隔毎のタイマ割り込みにより、予め設定された充填制御特性(充填時間−充填圧力変化の関係)に基づいて制御目標を算出する(S11)。次に、現在の帰還値を計測する(S12)。この帰還値は、設定された制御則に応じて瞬時流量又は充填圧力となる。すなわち、一定圧上昇制御を行っているときは2次圧力伝送器26により検出された圧力値を読み込み、一定流量制御を行っているときは流量計24により検出された瞬時流量を読み込む。
【0041】
続いて、目標値と帰還値との差にゲインを掛けて指令値を算出する(S13)。そして、前回の指令値と現在の帰還値との偏差量が規定値以上か否かを判定する(S14)。このS14において、前回の指令値と現在の帰還値との偏差量が規定値以下であるときは、偏差異常が発生していないものと判断し、上記S13で算出した指令値に基づいて制御弁25の制御量を算出して制御弁25の弁開度を制御する(S15)。
【0042】
次に、後述するS22でセットされる「異常検知フラグ」の有無のチェックを行う(S16)。そして、S16において、「異常検知フラグ」がセットされていないときは異常検知中でなく正常に充填制御が行われているため、この割り込み処理を終了させる。
【0043】
しかし、S16において、異常検知中であるときは、後述するS23で実行する制御則の変更により偏差異常がなくなっているので、変更前の制御則で用いていた機器の異常と判断してこの機器を異常要因にセットする(S17)。例えば、制御則の変更前は一定圧上昇制御を行っていた場合、「2次圧力伝送器動作異常」を異常要因にセットし、制御則の変更前の一定流量上昇制御を行っていた場合、「流量計動作異常」を異常要因にセットする。
【0044】
次に、「異常発生フラグ」をセットする(S18)。この「異常発生フラグ」は、前述した図2のS3で検出され、燃料タンク3へのガス充填を異常終了するものである。これで、異常検知の処理が終了したため、「異常検知フラグ」をクリアする(S19)。
【0045】
また、上記S14において、前回の指令値と現在の帰還値との偏差量が規定値以上であるときは、偏差量が大き過ぎて偏差異常が発生しているものと判断し、S20に移行する。次のS20では、後述するS22でセットされる「異常検知フラグ」の有無をチェックしており、「異常検知フラグ」がセットされているときは異常検知中であり、異常検知中に再度偏差異常が発生しているので、2次圧力伝送器26及び流量計24の両方で充填制御不良が発生したことになるが、両方同時にセンサ異常となる可能性が低いため、制御弁25が異常であると判断して異常要因に「制御弁動作異常」をセットする(S21)。
【0046】
その後は上記S18,S19の処理を実行する。すなわち、S18で「異常発生フラグ」をセットし、S19で「異常検知フラグ」をクリアする。
また、上記S20において、異常検知中でないときは、正常制御中に初めて偏差異常が発生したため、異常検知中であることを示すため、「異常検知フラグ」をセットする(S22)。上記S17,S20では、この「異常検知フラグ」がセットされているか否かを判定している。
【0047】
続いて、S23に移行して制御則の切り換えを行う。すなわち、それまでの制御則が一定圧上昇制御であるときは制御則を一定流量上昇制御に切り換える。また、それまでの制御則が一定流量上昇制御であるときは制御則を一定圧上昇制御に切り換える。これにより、異常が発生した機器(2次圧力伝送器26又は流量計24)を使用せずにガス充填制御を行うことができる。
【0048】
次のS24では、制御則フラグに変更前の制御則(一定圧上昇制御又は一定流量上昇制御)をセットする。この後、この割り込み処理を終了させる。
上記S11〜S24の処理は、タイマ割り込みにより一定時間毎に繰り返し実行されており、次のような▲1▼〜▲4▼の各処理手順で異常判定処理が実行される。
▲1▼ ガス充填制御が正常に行われたときは、S11〜S16の処理を繰り返すことになる。
▲2▼ その制御則で異常があった場合は、S11〜S14,S20,S22〜S24の処理を実行して「異常検知フラグ」がセットすると共に制御則を切り換える。
▲3▼ 前回の制御で「異常検知フラグ」がセットされた状態で帰還値の偏差量が所定値より小さいときは、S11〜S19の処理を実行する。
▲4▼ 前回の制御で「異常検知フラグ」がセットされた状態で帰還値の偏差量が所定値より大きいときは、S11〜S14,S20,S21,S18,S19の処理を実行する。
【0049】
このように燃料タンク3へのガス充填制御中に上記図3の異常判定割り込み処理を実行して制御目標値に対する帰還値の偏差が規定値より大きくなると制御異常と判断し、さらに制御則を切り換えることにより別の機器を用いて充填制御を行い流量計24,制御弁25,圧力伝送器26等の機器のどこで異常要因があるのか正確に検知することができる。
【0050】
そのため、ディスペンサ5の制御機器で異常が発生した場合でも、直ちに異常箇所を自己診断することができ、異常箇所の修理あるいは交換作業を速やかに実行することができる。しかも、異常発生により制御則を切り換えて燃料タンク3へのガス充填制御は中断されないため、従来のようにガス充填が停止して燃料タンク3にガスを充填することができなくなるといった不都合が解消される。
【0051】
尚、上記実施例では、都市ガスを圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を供給する場合を一例として挙げたが、これに限らず、例えばブタン、プロパン等のガスを供給するのにも適用できるのは勿論である。
また、上記実施例では、自動車2の燃料タンク3に圧縮されたガスを充填する場合を一例として挙げたが、これに限らず、他の容器等に圧縮されたガスを供給する装置にも適用でき、あるいは単に圧縮されたガスを他の場所に給送するための管路途中に設置する構成の装置にも適用できるのは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
上述の如く、上記請求項1の発明によれば、被充填タンクへの充填中に異常判定手段が異常ありと判定した場合に、制御則のうち、当該異常が発生した時点における一の制御則から他の制御則に切り換えるため、異常発生によりガス充填を中断する必要がなく、別の制御則によるガス充填制御により被充填タンクへのガス充填を継続することができる。
【0053】
また、請求項2によれば、制御則の切換えの前後における異常判定手段により判定された異常の有無から異常発生箇所を判定するため、短時間で異常が発生した機器を特定し、直ちに異常箇所の修理あるいは交換作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるガス供給装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】制御回路が実行するガス充填制御処理のフローチャートである。
【図3】制御回路が実行する異常判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ガス供給装置
3 燃料タンク
4 圧力発生ユニット
5 ディスペンサユニット
12 コンプレッサ
17 ガス蓄圧器
19 第1の開閉弁
21,22 ガス供給管路
23 第2の開閉弁
24 流量計
25 制御弁
26 2次圧力伝送器
29 制御回路
30 表示器
32,36 三方弁
34,42 着脱カプラ
43 手動開閉弁
Claims (2)
- 圧縮されたガスを被充填タンクに供給するガス供給管路に配設され、前記被充填タンクへ供給されるガス供給量及び圧力を制御する制御弁と、
前記ガス供給管路に配設され、前記被充填タンクに供給されたガスの流量を計測する流量計と、
前記制御弁により調整された圧力を検出する圧力センサと、
を有し、
前記制御弁の開度を制御することにより、前記圧力センサにより検出された圧力が所定の圧力上昇となるように当該被充填タンクへのガス充填を行う圧力制御則と、前記流量計により検出された流量が所定の流量となるように当該被充填タンクへのガス充填を行う流量制御則との何れか一方の制御則に切り換えて当該被充填タンクへのガス充填を行うガス供給装置において、
前記ガス供給管路に配設された前記流量計により検出された瞬時流量、または前記圧力センサにより検出された圧力値に基づいて異常の有無を判定する異常判定手段と、
前記被充填タンクへの充填中に前記異常判定手段が異常ありと判定した場合に、前記制御則のうち、当該異常が発生した時点における一の制御則から他の制御則に切り換える制御則切換手段と
を設けたことを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1記載のガス供給装置であって、
前記制御則切換手段により前記制御則が切り換えられた際、当該制御則切換手段の制御則の切換えの前後における前記異常判定手段により判定された異常の有無から異常発生箇所を判定する異常発生箇所判定手段を設けたことを特徴とするガス供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06354796A JP3571453B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | ガス供給装置 |
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