JPH0925205A - 工業用抗菌剤 - Google Patents

工業用抗菌剤

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JPH0925205A
JPH0925205A JP7198099A JP19809995A JPH0925205A JP H0925205 A JPH0925205 A JP H0925205A JP 7198099 A JP7198099 A JP 7198099A JP 19809995 A JP19809995 A JP 19809995A JP H0925205 A JPH0925205 A JP H0925205A
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industrial
antibacterial agent
liter
phthalaldehyde
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JP7198099A
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Minoru Yagi
稔 八木
Koji Kiuchi
宏治 木内
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
Masaaki Fuwa
昌明 府玻
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】節水等により高濃縮化した高菌数・高導電率・
高BODの工業対象系に使用した場合、及び、亜硫酸イ
オン等の還元性物質が存在する工業対象系に使用した場
合に、微生物障害を顕著に抑制する工業用抗菌剤を提供
する。 【解決手段】o−フタルアルデヒドと、公知の工業用殺
菌剤成分(ただし、o−フタルアルデヒド、ホルムアル
デヒド及びグルタルアルデヒドを除く。)とを含有する
工業用抗菌剤。公知の工業用殺菌剤成分が、有機窒素硫
黄系化合物、有機ハロゲン系化合物、有機窒素系化合
物、有機硫黄系化合物、フェノール系化合物から選ばれ
た1種以上の化合物であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用抗菌剤に関
する。さらに詳しくは、本発明は、紙・パルプ工業にお
ける抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水、重油ス
ラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、ペイント、紙用塗工
液、ラテックス、糊剤の防腐や殺菌用として有用である
工業用抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から紙・パルプ工業における抄紙工
程や各種工業における冷却水系統には、細菌や真菌によ
るスライムが発生し、生産品の品質低下や生産効率の低
下等の障害をもたらすことが知られている。また、多く
の工業製品、例えば、重油スラッジ、金属加工油剤、繊
維油剤、ペイント類、各種ラテックス、糊剤等では細菌
や真菌による腐敗や汚染が発生し、製品を汚損し価値を
低下させる。これらの微生物による障害を防止するた
め、多くの殺菌剤が使用されてきた。古くは有機水銀化
合物や塩素化フェノール系化合物等が使用されていた
が、これらの薬剤は人体や魚介類に対する毒性が強く、
環境汚染を引き起こすため使用が規制されるようにな
り、最近では比較的低毒性の有機窒素硫黄系化合物、有
機ハロゲン系化合物、有機硫黄系化合物が工業用殺菌剤
として汎用されている[防菌防黴剤事典(昭和61年、
日本防菌防黴学会発行)]。これらの殺菌剤の中で、ア
ルデヒド系化合物も有効な殺菌剤として開発されてきて
おり、その1つとしてo−フタルアルデヒドが挙げられ
る[特開平6−23368号公報、特開平6−2643
97号公報]。o−フタルアルデヒドは、白水の回収率
が高くスライムが発生し易い系において、持続的な殺菌
効果を示すことが知られている。o−フタルアルデヒド
等のアルデヒド系化合物や、従来より使用されている有
機系殺菌剤は、低濃縮の工業対象系や、非還元的な工業
対象系には、有効な殺菌効果を示す。しかしながら、節
水による工業対象系の高濃縮化による高菌数・高電導率
・高BODの系に使用した場合や、また亜硫酸イオン等
の還元性物質が存在する工業対象系に使用した場合に
は、アルデヒド系化合物や従来の有機系殺菌剤の殺菌効
率は著しく減退し、その結果、前述した障害を有効に防
止することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、節水等によ
り高濃縮化した高菌数・高電気伝導率・高BODの工業
対象系に使用した場合、及び、亜硫酸イオン等の還元性
物質が存在する工業対象系に使用した場合に、微生物障
害を顕著に抑制する工業用抗菌剤を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、o−フタルアル
デヒドと公知の工業用殺菌剤成分とを含有する工業用殺
菌剤が、高濃縮工業対象系及び還元性工業対象系におい
て顕著な相乗殺菌作用を発現することを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)o−フタルアルデヒドと、公知の工業
用殺菌剤成分(ただし、o−フタルアルデヒド、ホルム
アルデヒド及びグルタルアルデヒドを除く。)とを含有
する工業用抗菌剤、(2)公知の工業用殺菌剤成分が、
有機窒素硫黄系化合物、有機ハロゲン系化合物、有機窒
素系化合物、有機硫黄系化合物、フェノール系化合物か
ら選ばれた1種以上の化合物である第(1)項記載の工業
用抗菌剤、(3)有機窒素硫黄系化合物が、メチレンビ
スチオシアネート、5−クロロ−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイ
ソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリ
ン−3−オン、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−
オン又はジメチルジチオカーバメートである第(2)項記
載の工業用抗菌剤、(4)有機ハロゲン系化合物が、
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2
−ブロモ−2−ブロモメチルグルタロニトリル、2−ブ
ロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−
ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,1−ジブロモ−
1−ニトロ−2−プロパノール、1,1−ジブロモ−1
−ニトロ−2−アセトキシエタン、1,1−ジブロモ−
1−ニトロ−2−アセトキシプロパン、2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン、トリブロモ
ニトロメタン、β−ブロモ−β−ニトロスチレン、5−
ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、5−ブロモ
−2−メチル−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、1,2
−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,2−ビス(ブロモ
アセトキシ)プロパン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)
−2−ブテン、メチレンビスブロモアセテート、ベンジ
ルブロモアセテート、N−ブロモアセトアミド、2−ブ
ロモアセトアミド、ジクロログリオキシム、α−クロロ
ベンズアルドキシムアセテート、α−クロロベンズアル
ドキシム又はトリヨードアリルアルコールである第(2)
項記載の工業用抗菌剤、(5)有機窒素系化合物が、
N,4−ジヒドロキシ−α−オキソベンゼンエタンイミ
ドイルクロライド、5−クロロ−2,4,6−トリフルオ
ロイソフタロニトリル又は2,4,5,6−テトラクロロ
イソフタロニトリルである第(2)項記載の工業用抗菌
剤、(6)有機硫黄系化合物が3,3,4,4−テトラク
ロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、4,
5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン又はヘキ
サブロモジメチルスルホンである第(2)項記載の工業用
抗菌剤、及び、(7)フェノール系化合物が、ジクロロ
フェンである第(2)項記載の工業用抗菌剤、を提供する
ものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(8)o−フタルアルデヒドと公知の工業用殺菌剤成分
との配合割合が、99:1〜1:99(重量比)である
第(1)〜(7)項のいずれかに記載の工業用抗菌剤、
(9)工業用殺菌対象系中に、o−フタルアルデヒドと
公知の工業用殺菌剤成分とを同時に、又は別々に添加し
て殺菌を行うことを特徴とする殺菌方法、(10)公知
の工業用殺菌剤成分が第(2)〜(7)項のいずれかに記載
の化合物である第(9)項記載の殺菌方法、及び、(1
1)o−フタルアルデヒドと公知の工業用殺菌剤成分と
が99:1〜1:99(重量比)で、かつ0.5〜50m
g/リットルの濃度で用いられる第(10)項記載の殺菌
方法、を挙げることができる。
【0005】本発明の工業用抗菌剤は、o−フタルアル
デヒドと公知の工業用殺菌剤成分(ただし、ホルムアル
デヒド及びグルタルアルデヒドを除く。)とを含有す
る。o−フタルアルデヒドは、式[1]
【化1】 で表される化合物であり、例えば、ω,ω,ω',ω'−テ
トラブロモ−o−キシレンを適当な溶媒中でシュウ酸カ
リウムを加えて加熱することにより製造することができ
る。o−フタルアルデヒドには、融点53℃の無色結晶
と、融点56〜57℃の黄色結晶の2つの結晶形がある
が、いずれも本発明の工業用抗菌剤に使用することがで
きる。本発明においては、公知の工業用殺菌剤成分とし
て、o−フタルアルデヒド、ホルムアルデヒド及びグル
タルアルデヒドを除くすべての公知の工業用殺菌剤成分
を使用することができる。ホルムアルデヒド及びグルタ
ルアルデヒドは、工業用抗菌剤に含有せしめると、使用
中に大気中に揮散し、作業者等の健康に悪影響を及ぼす
おそれがあるので好ましくない。本発明の工業用抗菌剤
に含有せしめる公知の工業用殺菌剤成分としては、有機
窒素硫黄系化合物、有機ハロゲン系化合物、有機窒素系
化合物、有機硫黄系化合物及びフェノール系化合物が、
o−フタルアルデヒドと極めて顕著な相乗殺菌作用を発
現し、高濃縮工業対象系及び還元性工業対象系において
細菌及び真菌を殺菌し、あるいは増殖を有効に防止する
ので、好適に使用することができる。
【0006】本発明の工業用抗菌剤に使用する有機窒素
硫黄系殺菌剤成分には特に制限はないが、例えば、メチ
レンビスチオシアネート等のアルキレンビスチオシアネ
ート系化合物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチ
アゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−
3−オン、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン
等の3−イソチアゾロン系化合物、N−メチルチオカル
バミン酸アンモニウム、N−メチルチオカルバミン酸ナ
トリウム、ジメチルジチオカーバメート(ナトリウム
塩)、エチレンチウラムモノサルファイド、エチレンビ
スジチオカルバミン酸二ナトリウム、エチレンビスジチ
オカルバミン酸マンガン等のジチオカーバメート系化合
物、クロラミンT、N,N−ジメチル−N'−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−N'−フェニルスルファミド等の
スルホンアミド系化合物、2−(4−チオシアノメチル
チオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ールナトリウム等のチアゾール系化合物、ヘキサヒドロ
−1,3,5−トリス(2−エチル)−s−トリアジン、ヘ
キサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)
−s−トリアジン等のs−トリアジン系化合物、N−
(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、3,5
−ジメチル−1,3,5−2H−テトラヒドロチアジアジ
ン−2−チオン、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチル
アミド)等を挙げることができる。
【0007】本発明の工業用抗菌剤に使用する有機ハロ
ゲン系殺菌剤成分には特に制限はないが、例えば、2,
2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブ
ロモ−2−ブロモメチルグルタロニトリル等の有機ハロ
ゲン化シアノ系化合物、2−ブロモ−2−ニトロプロパ
ン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエ
タノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパ
ノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトキ
シエタン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセト
キシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジア
セトキシプロパン、トリブロモニトロメタン、β−ブロ
モ−β−ニトロスチレン、5−ブロモ−5−ニトロ−
1,3−ジオキサン、5−ブロモ−2−メチル−5−ニ
トロ−1,3−ジオキサン等の有機ハロゲン化ニトロ系
化合物、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,2
−ビス−(ブロモアセトキシ)−プロパン、1,4−ビス
(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、メチレンビスブロモ
アセテート、ベンジルブロモアセテート、N−ブロモア
セトアミド、2−ブロモアセトアミド等の有機ブロム酢
酸エステル又はアミド類、2−ブロモ−4'−ヒドロキ
シアセトフェノン、α−ブロムシンナムアルデヒド、ビ
ストリブロモメチルスルホン、ヘキサブロモジメチルス
ルホン、2−ヒドロキシエチル−2,3−ジブロモプロ
ピオネート、3−アセトキシ−1,1,2−トリヨード−
1−プロペン、トリヨードアリルアルコール、ジクロロ
グリオキシム、α−クロロベンズアルドキシムアセテー
ト、α−クロロベンズアルドキシム等のハロゲン化オキ
シム系化合物等を挙げることができる。
【0008】本発明の工業用抗菌剤に使用する有機窒素
系殺菌剤成分には特に制限はないが、例えば、N,4−
ジヒドロキシ−α−オキソベンゼンエタンイミドイルク
ロライド、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、トリ
クロロイソシアヌール酸等の塩素化イソシアヌール酸系
化合物、塩化デカリウム、臭化アルキルイソキノリウ
ム、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム化合
物、2−ベンゾイミダゾリルカルバミン酸メチル、3−
ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸等のカル
バミン酸又はそのエステル、1−[2−(2,4−ジクロ
ロフェニル)−2'−[(2,4−ジクロロフェニル)メト
キシ]エチル−3−(2−フェニルエチル)−1H−イミ
ダゾリウムクロライド、1−[2−(2,4−ジクロロフ
ェニル)−2−(2−プロペニルオキシ)エチル]−1H
−イミダゾール等のイミダゾール系化合物、2−(2−
フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリル酸ア
ミド、2−クロロアセトアミド等のアミド系化合物、N
−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール、2−
(ヒドロキシメチル)アミノエタノール等のアミノアルコ
ール系化合物、2−ピリジンチオールナトリウムオキシ
ド、N−(2−メチル−1−ナフチル)マレイミド、ポリ
[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチル
イミノ)エチレンジクロライド]、5−クロロ−2,4,
6−トリフルオロイソフタロニトリル、2,4,5,6−
テトラクロロイソフタロニトリル等のイソフタロニトリ
ル系化合物等を挙げることができる。本発明の工業用抗
菌剤に使用する有機硫黄系殺菌剤成分には特に制限はな
いが、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒド
ロチオフェン−1,1−ジオキシド、ジチオ−2,2'−
ビス−1−ベンズメチルアミド、2−ヒドロキシプロピ
ルメタンチオスルホネート、エチレンチウラムモノスル
フィド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オ
ン、ヘキサブロモジメチルスルホン等を挙げることがで
きる。本発明の工業用抗菌剤に使用するフェノール系殺
菌剤成分には特に制限はないが、例えば、2,5−ジク
ロロ−4−ブロモフェノール、2,4,6−トリクロロフ
ェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、ジクロロ
フェン、クレゾール、レゾルシン等のフェノール系化合
物を挙げることができる。
【0009】これらの公知の工業用殺菌剤成分のうち、
有機窒素硫黄系殺菌剤の中でo−フタルアルデヒドと併
用することにより殺菌効果が向上する点で好ましい化合
物としては、メチレンビスチオシアネート、5−クロロ
−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロ
ロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、1,
2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチ
ルイソチアゾリン−3−オン、ジメチルジチオカーバメ
ートを挙げることができる。さらに顕著な相乗効果が発
揮される点で特に好ましい化合物は、メチレンビスチオ
シアネート、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル
イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾ
リン−3−オンである。有機ハロゲン系化合物の中でo
−フタルアルデヒドと併用することにより殺菌効果が向
上する点で好ましい化合物としては、2,2−ジブロモ
−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ブ
ロモメチルグルタロニトリル、2−ブロモ−2−ニトロ
プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニ
トロエタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−
プロパノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−ア
セトキシエタン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−
アセトキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3
−ジアセトキシプロパン、トリブロモニトロメタン、β
−ブロモ−β−ニトロスチレン、5−ブロモ−5−ニト
ロ−1,3−ジオキサン、5−ブロモ−2−メチル−5
−ニトロ−1,3−ジオキサン、1,2−ビス(ブロモア
セトキシ)エタン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)プロ
パン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、
メチレンビスブロモアセテート、ベンジルブロモアセテ
ート、N−ブロモアセトアミド、2−ブロモアセトアミ
ド、ジクロログリオキシム、α−クロロベンズアルドキ
シムアセテート、α−クロロベンズアルドキシム、トリ
ヨードアリルアルコールを挙げることができる。さらに
顕著な相乗効果が発揮される点で特に好ましい化合物
は、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミ
ド、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオー
ル、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,4−
ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、ジクロログリオ
キシム、α−クロロベンズアルドキシムアセテート、α
−クロロベンズアルドキシムである。
【0010】有機窒素系化合物の中でo−フタルアルデ
ヒドと併用することにより殺菌効果が向上する点で好ま
しい化合物としては、N,4−ジヒドロキシ−α−オキ
ソベンゼンエタンイミドイルクロライド、5−クロロ−
2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、2,4,
5,6−テトラクロロイソフタロニトリルを挙げること
ができる。さらに顕著な相乗効果が発揮される点で特に
好ましい化合物は、5−クロロ−2,4,6−トリフルオ
ロイソフタロニトリルである。有機硫黄系化合物の中で
o−フタルアルデヒドと併用することにより殺菌効果が
向上する点で好ましい化合物としては、3,3,4,4−
テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキ
シド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オ
ン、ヘキサブロモメチルスルホンを挙げることができ
る。フェノール系化合物の中でo−フタルアルデヒドと
併用することにより殺菌効果が向上する点で好ましい化
合物としては、ジクロロフェンを挙げることができる。
本発明の工業用抗菌剤において、o−フタルアルデヒド
と公知の工業用殺菌剤成分との配合比率には特に制限は
ないが、相乗殺菌作用の発現のためには、o−フタルア
ルデヒドと公知の工業用殺菌剤成分が99:1〜1:9
9(重量比)であることが好ましく、90:10〜1
0:90(重量比)であることがより好ましく、90:
10〜50:50(重量比)であることがさらに好まし
い。本発明の工業用抗菌剤においては、o−フタルアル
デヒドと1種の工業用殺菌剤成分を含有せしめることが
でき、o−フタルアルデヒドと2種以上の工業用殺菌剤
成分を含有せしめることができる。
【0011】本発明の工業用抗菌剤の薬剤としての形態
には特に制限はなく、粉末状、顆粒状、錠剤状、溶液
状、乳濁液状、懸濁液状等、任意の形態で使用すること
ができ、また、o−フタルアルデヒドを含むすべての成
分を含有する一剤型としても、成分を2種以上に分離し
た二剤型等としても使用することができる。使用の便宜
上からは、o−フタルアルデヒドと工業用殺菌剤成分
を、液状の一液製剤化することが好ましい。一液製剤化
する場合には、溶媒に溶解して溶液状に製剤化するか、
あるいは水懸濁剤とすることが好ましい。本発明の工業
用抗菌剤の殺菌対象系が、製紙工程のプロセス水や工場
用冷却水等の水系である場合には、溶液状に製剤化する
ために使用する溶媒は、有効成分の溶解、分散性を考慮
して、水又は親水性有機溶媒とすることが好ましい。親
水性有機溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド
等のアミド類、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール
等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソ
ルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール
エステル類、炭素数8以下のアルコール類等を使用する
ことができる。また、ボールミル、アトライター等を用
いて湿式粉砕し、水懸濁剤として使用することができ
る。水懸濁剤を製造する場合、キサンタンガム、ラムザ
ンガム、グアーガム等の増粘剤や、分散剤としてノニオ
ン性、アニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤を用
いることができる。本発明の工業用抗菌剤の殺菌対象系
が、重油スラッジ、切削油、油性塗料等の油系である場
合には、重油、灯油、スピンドル油等の炭化水素溶媒を
用いて一液製剤化することが好ましく、一液製剤化する
ために分散剤としてノニオン性、アニオン性、カチオン
性又は両性界面活性剤を用いることができる。
【0012】本発明のo−フタルアルデヒドと公知の工
業用殺菌剤成分とを含有する工業用抗菌剤は、種々の工
業対象系において顕著な殺菌作用を示し、ことに抄紙工
程水、紙用塗工液、糊剤等の殺菌剤として極めて有用で
ある。中でも、節水により高濃縮化した高菌数、高電気
伝導率の工業対象系、例えば、紙・パルプ工業の板紙抄
紙系のような、用水原単位10m3/トン以下、BOD
1,000mgO/リットル以上、生菌数1×107CFU
/ml以上の工業用対象系中において、また、還元性の
系、例えば、紙・パルプ工業の抄紙系、脱墨紙(DI
P)を含有する中質紙のように、還元性物質が5mg/リ
ットル(亜硫酸イオン換算)以上存在する工業対象系中
において、顕著な殺菌効果が発揮され、最近の工業対象
系の質的変化に対応し極めて有用性が高いものである。
本発明の工業用抗菌剤の添加量は、殺菌対象物により異
なり、殺菌対象物の性状に応じて適宜選定することがで
きるが、例えば、製紙工程のプロセス水系や工業用の冷
却水系に添加する場合は、通常は用水に対して0.1〜
1,000mg/リットル添加することが好ましく、0.5
〜50mg/リットル添加することがより好ましい。本発
明の工業用抗菌剤は、微生物障害が発生する可能性のあ
る系に対して有効であり、一般にスライム障害等の原因
とされる細菌、酵母、糸状菌等を殺菌し、あるいは増殖
を効果的に抑制する。本発明の工業用抗菌剤の添加量
は、微生物障害の防除のための完全な殺菌あるいは増殖
の抑制等の目的に応じて選定することができる。本発明
の工業用抗菌剤の添加方法には特に制限はなく、例え
ば、添加を連続的に行うことができ、あるいは間欠的に
行うことができる。また、本発明の工業用抗菌剤を二剤
型等とするときは、各剤は同時に添加することができ、
あるいは別々に添加することができる。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 試験例1 高濃縮系用水について、o−フタルアルデヒドと公知の
工業用殺菌剤成分の相乗効果を調べた。試験に供した水
は、製紙工場の板紙抄造機より採取した白水である。こ
の板紙抄造機における用水原単位は8m3/トンであ
り、白水のpHは6.8、BODは1,300mgO/リット
ルであった。この白水中には、バチルス属菌、シュード
モナス属菌、フラボバクテリウム属菌、アルカリゲネス
属菌を主体に、3.2×108CFU/mlの細菌が存在し
ていた。この白水に、o−フタルアルデヒドと工業用殺
菌剤成分を、その重量比が0:100、10:90、5
0:50、90:10及び100:0となるよう、また
その合計量が20mg/リットルとなるように添加し、3
0℃にて30分間振盪したのち、生菌数を測定し、初期
菌数(3.2×108CFU/ml)に対する殺菌率(%)
を求めた。試験結果を第1表に示す。表中の数値は、殺
菌率(%)である。
【0014】
【表1】
【0015】工業用殺菌剤成分のみを添加した場合は、
殺菌率は0〜15%であり、o−フタルアルデヒドのみ
を添加した場合は、殺菌率は20%であるのに対して、
工業用殺菌剤成分の10重量%をo−フタルアルデヒド
で置き換えた場合も、o−フタルアルデヒドの10重量
%を工業用殺菌剤成分で置き換えた場合も、いずれも殺
菌率が顕著に向上している。さらに、o−フタルアルデ
ヒドと工業用殺菌率成分の重量比を50:50とした場
合、殺菌率はほとんどの組み合わせにおいて最も高くな
っている。この結果から、o−フタルアルデヒドと工業
用殺菌剤成分の間には、殺菌作用に対する顕著な相乗効
果があることが分かる。この相乗効果は、特に、α−ク
ロロベンズアルドキシムアセテート、ヘキサブロモジメ
チルスルホン及び2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロ
ピオンアミドにおいて顕著である。 実施例1 o−フタルアルデヒド15重量部、メチレンビスチオシ
アネート10重量部及びジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製し
た。この工業用抗菌剤を、製紙工場の板紙抄造機より採
取した下記の3種の白水に添加し、30℃にて30分間
振盪したのち生存する菌数を測定し、初期菌数の99%
以上が死滅する最小殺菌濃度(mg/リットル)を求め
た。 白水A:用水原単位6m3/トン、pH5.4、電気伝導率
3,500μS/cm、BOD1,500mgO/リットル、
初期菌数8.6×109CFU/ml。 白水B:用水原単位12m3/トン、pH5.3、電気伝導
率2,000μS/cm、BOD1,000mgO/リット
ル、初期菌数7.5×108CFU/ml。 白水C:用水原単位18m3/トン、pH6.4、電気伝導
率1,200μS/cm、BOD600mgO/リットル、
初期菌数1.2×107CFU/ml。 なお、これらの白水中の細菌は、いずれもバチルス属
菌、シュードモナス属菌、フラボバクテリウム属菌及び
アルカリゲネス属菌を主体とするものであった。最小殺
菌濃度は、白水Aについては50mg/リットル、白水B
については35mg/リットル、白水Cについては25mg
/リットルであった。 実施例2 o−フタルアルデヒド15重量部、5−クロロ−2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オン10重量部及びジ
エチレングリコールモノメチルエーテル75重量部を配
合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用
いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、
白水Aについては45mg/リットル、白水Bについては
35mg/リットル、白水Cについては20mg/リットル
であった。 実施例3 o−フタルアルデヒド15重量部、4,5−ジクロロ−
2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン10重量部
及びジエチレングリコールモノメチルエーテル75重量
部を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌
剤を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃
度は、白水Aについては75mg/リットル、白水Bにつ
いては50mg/リットル、白水Cについては20mg/リ
ットルであった。 実施例4 o−フタルアルデヒド15重量部、1,2−ベンゾイソ
チアゾリン−3−オン10重量部及びジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル75重量部を配合して工業用抗
菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、実施例1
と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水Aについて
は40mg/リットル、白水Bについては30mg/リット
ル、白水Cについては5mg/リットルであった。 実施例5 o−フタルアルデヒド15重量部、2,2−ジブロモ−
3−ニトリロプロピオンアミド10重量部及びジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル75重量部を配合して
工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、
実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水A
については35mg/リットル、白水Bについては20mg
/リットル、白水Cについては5mg/リットルであっ
た。 実施例6 o−フタルアルデヒド15重量部、2−ブロモ−2−ニ
トロプロパン−1,3−ジオール10重量部及びジエチ
レングリコールモノメチルエーテル75重量部を配合し
て工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用い
て、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白
水Aについては50mg/リットル、白水Bについては3
0mg/リットル、白水Cについては10mg/リットルで
あった。 実施例7 o−フタルアルデヒド15重量部、2,2−ジブロモ−
2−ニトロエタノール10重量部及びジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル75重量部を配合して工業用抗
菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、実施例1
と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水Aについて
は60mg/リットル、白水Bについては40mg/リット
ル、白水Cについては15mg/リットルであった。 実施例8 o−フタルアルデヒド15重量部、1,4−ビス(ブロモ
アセトキシ)−2−ブテン10重量部及びジエチレング
リコールモノメチルエーテル75重量部を配合して工業
用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、実施
例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水Aにつ
いては70mg/リットル、白水Bについては55mg/リ
ットル、白水Cについては5mg/リットルであった。 実施例9 o−フタルアルデヒド15重量部、ジクロログリオキシ
ム10重量部及びジエチレングリコールモノメチルエー
テル75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。こ
の工業用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行っ
た。最小殺菌濃度は、白水Aについては40mg/リット
ル、白水Bについては25mg/リットル、白水Cについ
ては5mg/リットルであった。 実施例10 o−フタルアルデヒド15重量部、α−クロロベンズア
ルドキシムアセテート10重量部及びジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル75重量部を配合して工業用抗
菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、実施例1
と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水Aについて
は40mg/リットル、白水Bについては20mg/リット
ル、白水Cについては10mg/リットルであった。 実施例11 o−フタルアルデヒド15重量部、α−クロロベンズア
ルドキシム10重量部及びジエチレングリコールモノメ
チルエーテル75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製
した。この工業用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験
を行った。最小殺菌濃度は、白水Aについては50mg/
リットル、白水Bについては35mg/リットル、白水C
については15mg/リットルであった。 実施例12 o−フタルアルデヒド15重量部、5−クロロ−2,4,
6−トリフルオロイソフタロニトリル10重量部及びジ
エチレングリコールモノメチルエーテル75重量部を配
合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用
いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、
白水Aについては80mg/リットル、白水Bについては
60mg/リットル、白水Cについては15mg/リットル
であった。 実施例13 o−フタルアルデヒド15重量部、3,3,4,4−テト
ラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド
10重量部及びジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。この
工業用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行った。
最小殺菌濃度は、白水Aについては65mg/リットル、
白水Bについては40mg/リットル、白水Cについては
20mg/リットルであった。 実施例14 o−フタルアルデヒド15重量部、4,5−ジクロロ−
1,2−ジチオール−3−オン10重量部及びジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル75重量部を配合して
工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、
実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水A
については80mg/リットル、白水Bについては40mg
/リットル、白水Cについては5mg/リットルであっ
た。 実施例15 o−フタルアルデヒド15重量部、ヘキサブロモジメチ
ルスルホン10重量部及びジエチレングリコールモノメ
チルエーテル75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製
した。この工業用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験
を行った。最小殺菌濃度は、白水Aについては40mg/
リットル、白水Bについては25mg/リットル、白水C
については5mg/リットルであった。 実施例16 o−フタルアルデヒド15重量部、ジクロロフェン10
重量部及びジエチレングリコールモノメチルエーテル7
5重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業
用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小
殺菌濃度は、白水Aについては80mg/リットル、白水
Bについては55mg/リットル、白水Cについては35
mg/リットルであった。 比較例1 o−フタルアルデヒド25重量部及びジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル75重量部を配合して工業用抗
菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、実施例1
と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水Aについて
は90mg/リットル、白水Bについては70mg/リット
ル、白水Cについては10mg/リットルであった。 比較例2 メチレンビスチオシアネート25重量部及びジエチレン
グリコールモノメチルエーテル75重量部を配合して工
業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、実
施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水Aに
ついては120mg/リットル、白水Bについては90mg
/リットル、白水Cについては30mg/リットルであっ
た。 比較例3 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン25重量部及びジエチレングリコールモノメチルエー
テル75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。こ
の工業用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行っ
た。最小殺菌濃度は、白水Aについては100mg/リッ
トル、白水Bについては80mg/リットル、白水Cにつ
いては35mg/リットルであった。 比較例4 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン25重量部及
びジエチレングリコールモノメチルエーテル75重量部
を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤
を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度
は、白水Aについては180mg/リットル、白水Bにつ
いては150mg/リットル、白水Cについては40mg/
リットルであった。 比較例5 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド25
重量部及びジエチレングリコールモノメチルエーテル7
5重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業
用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小
殺菌濃度は、白水Aについては200mg/リットル、白
水Bについては100mg/リットル、白水Cについては
20mg/リットルであった。 比較例6 2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール2
5重量部及びジエチレングリコールモノメチルエーテル
75重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工
業用抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最
小殺菌濃度は、白水Aについては200mg/リットル、
白水Bについては100mg/リットル、白水Cについて
は30mg/リットルであった。 比較例7 2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール25重量部及
びジエチレングリコールモノメチルエーテル75重量部
を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤
を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度
は、白水Aについては200mg/リットル、白水Bにつ
いては120mg/リットル、白水Cについては20mg/
リットルであった。 比較例8 α−クロロベンズアルドキシムアセテート25重量部及
びジエチレングリコールモノメチルエーテル75重量部
を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤
を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度
は、白水Aについては130mg/リットル、白水Bにつ
いては90mg/リットル、白水Cについては20mg/リ
ットルであった。 比較例9 4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン25重
量部及びジエチレングリコールモノメチルエーテル75
重量部を配合して工業用抗菌剤を調製した。この工業用
抗菌剤を用いて、実施例1と同じ試験を行った。最小殺
菌濃度は、白水Aについては150mg/リットル、白水
Bについては85mg/リットル、白水Cについては30
mg/リットルであった。 比較例10 ヘキサブロモジメチルスルホン25重量部及びジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル75重量部を配合して
工業用抗菌剤を調製した。この工業用抗菌剤を用いて、
実施例1と同じ試験を行った。最小殺菌濃度は、白水A
については180mg/リットル、白水Bについては12
0mg/リットル、白水Cについては30mg/リットルで
あった。実施例1〜16及び比較例1〜10の結果を、
まとめて第2表に示す。
【0016】
【表2】
【0017】第2表の結果から、実施例1〜16の本発
明の工業用抗菌剤は、比較例1〜10の従来の工業用抗
菌剤に比べて最小殺菌濃度が低く、殺菌効果に優れ、特
に高濃縮系の工業対象系である白水A及び白水Bにおい
て、従来の工業用殺菌剤に比較して顕著な殺菌効果が発
現されている。 試験例2 還元剤の存在系について、o−フタルアルデヒドと公知
の工業用殺菌剤成分の相乗効果を調べた。試験に供した
水は、製紙工場の中質紙抄造機(中性抄造)より採取し
た白水であり、白水のpHは7.1で、亜硫酸イオン68m
g/リットルを含有していた。この白水中には、バチル
ス属菌、シュードモナス属菌、フラボバクテリウム属
菌、アルカリゲネス属菌を主体に、4.7×107CFU
/mlの細菌が存在していた。この白水に、o−フタルア
ルデヒドと工業用殺菌剤成分を、その重量比が0:10
0、10:90、50:50、90:10及び100:
0となるよう、またその合計量が5mg/リットルとなる
ように添加し、30℃にて30分間振盪したのち、生菌
数を測定し、初期菌数(4.7×107CFU/ml)に対
する殺菌率(%)を求めた。試験結果を第3表に示す。
表中の数値は、殺菌率(%)である。
【0018】
【表3】
【0019】工業用殺菌剤成分のみを添加した場合は、
殺菌率は0〜20%であり、o−フタルアルデヒドのみ
を添加した場合は、殺菌率は30%であるのに対して、
工業用殺菌剤成分の10重量%をo−フタルアルデヒド
で置き換えた場合も、o−フタルアルデヒドの10重量
%を工業用殺菌剤成分で置き換えた場合も、いずれも殺
菌率が顕著に向上している。さらに、o−フタルアルデ
ヒドと工業用殺菌率成分の重量比を50:50とした場
合、殺菌率はほとんどの組み合わせにおいて最も高くな
っている。この結果から、o−フタルアルデヒドと工業
用殺菌剤成分の間には、還元剤存在系の工業対象系にお
いても、殺菌作用に対する顕著な相乗効果があることが
分かる。この相乗効果は、特に、2,2−ジブロモ−2
−ニトロエタノール、α−クロロベンズアルドキシムア
セテート及びα−クロロベンズアルドキシムにおいて顕
著である。また、この試験条件では多くの場合o−フタ
ルアルデヒドと工業用殺菌剤成分を50:50としたと
きに殺菌率が最も高くなっているが、2,2−ジブロモ
−3−ニトリロプロピオンアミドは50:50の場合よ
りもo−フタルアルデヒド:2,2−ジブロモ−3−ニ
トリロプロピオンアミドが90:10のときに殺菌率が
最高値99%を示している。 実施例17 化学工場の循環式冷却水系に、o−フタルアルデヒド5
重量部、α−クロロベンズアルドキシムアセテート5重
量部及びN,N−ジメチルホルムアミド90重量部を混
合した溶液を、保有水量に対し、100mg/リットル
(純分換算)となるように7日に1回の割合で注入した
ところ、冷却塔下部水槽内に30日間浸漬したスライム
ボード(10cm×10cm)のスライム付着量は、従来の
40gから3gに減少した。 実施例18 石油精製工場の循環式冷却水系に、o−フタルアルデヒ
ド5重量部、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソ
チアゾリン−3−オン5重量部及びN,N−ジメチルホ
ルムアミド90重量部を混合した溶液を、保有水量に対
し、100mg/リットル(純分換算)となるように7日
に1回の割合で注入したところ、冷却塔下部水槽内に3
0日間浸漬したスライムボード(10cm×10cm)のス
ライム付着量は、従来の55gから5gに減少した。
【0020】
【発明の効果】本発明の工業用抗菌剤は、o−フタルア
ルデヒドと工業用殺菌剤成分の相乗効果により、高濃縮
化による高菌数・高電気伝導率・高BODの工業対象系
に使用した場合、及び、亜硫酸イオン等の還元性物質が
存在する工業対象系に使用した場合に、極めて優れた殺
菌効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (A01N 35/04 33:20) (A01N 35/04 35:02) (A01N 35/04 35:08) (A01N 35/04 37:02) (A01N 35/04 37:18) (A01N 35/04 37:28) (A01N 35/04 37:34) (A01N 35/04 37:52) (A01N 35/04 43:10) (A01N 35/04 43:32) (A01N 35/04 43:80) (A01N 35/04 47:02) (A01N 35/04 47:08) (A01N 35/04 47:14) (A01N 35/04 47:48) (72)発明者 府玻 昌明 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】o−フタルアルデヒドと、公知の工業用殺
    菌剤成分(ただし、o−フタルアルデヒド、ホルムアル
    デヒド及びグルタルアルデヒドを除く。)とを含有する
    工業用抗菌剤。
  2. 【請求項2】公知の工業用殺菌剤成分が、有機窒素硫黄
    系化合物、有機ハロゲン系化合物、有機窒素系化合物、
    有機硫黄系化合物、フェノール系化合物から選ばれた1
    種以上の化合物である請求項1記載の工業用抗菌剤。
  3. 【請求項3】有機窒素硫黄系化合物が、メチレンビスチ
    オシアネート、5−クロロ−2−メチル−4−イソチア
    ゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−
    3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチ
    アゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−
    3−オン、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン
    又はジメチルジチオカーバメートである請求項2記載の
    工業用抗菌剤。
  4. 【請求項4】有機ハロゲン系化合物が、2,2−ジブロ
    モ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−
    ブロモメチルグルタロニトリル、2−ブロモ−2−ニト
    ロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−
    ニトロエタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2
    −プロパノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−
    アセトキシエタン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2
    −アセトキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,
    3−ジアセトキシプロパン、トリブロモニトロメタン、
    β−ブロモ−β−ニトロスチレン、5−ブロモ−5−ニ
    トロ−1,3−ジオキサン、5−ブロモ−2−メチル−
    5−ニトロ−1,3−ジオキサン、1,2−ビス(ブロモ
    アセトキシ)エタン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)プ
    ロパン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテ
    ン、メチレンビスブロモアセテート、ベンジルブロモア
    セテート、N−ブロモアセトアミド、2−ブロモアセト
    アミド、ジクロログリオキシム、α−クロロベンズアル
    ドキシムアセテート、α−クロロベンズアルドキシム又
    はトリヨードアリルアルコールである請求項2記載の工
    業用抗菌剤。
  5. 【請求項5】有機窒素系化合物が、N,4−ジヒドロキ
    シ−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロライド、
    5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリ
    ル又は2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル
    である請求項2記載の工業用抗菌剤。
  6. 【請求項6】有機硫黄系化合物が3,3,4,4−テトラ
    クロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、
    4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン又はヘ
    キサブロモジメチルスルホンである請求項2記載の工業
    用抗菌剤。
  7. 【請求項7】フェノール系化合物が、ジクロロフェンで
    ある請求項2記載の工業用抗菌剤。
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