JP3728454B2 - 工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 - Google Patents

工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法に関する。さらに詳しくは紙・パルプ工業における抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水、金属加工油剤、繊維油剤、ペイント、防汚塗料、紙用塗工液、ラテックス、糊剤、澱粉スラリー等の防腐や殺菌用として有用である工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から紙・パルプ工業における抄紙工程や各種工業における冷却水系統には、細菌や真菌によるスライムが発生し、生産品の品質低下や生産効率の低下などの障害があることが知られている。
また、多くの工業製品、例えば金属加工油剤、繊維油剤、ペイント類、各種ラテックス、糊剤、澱粉スラリー等では細菌や真菌による腐敗や汚染が発生し、製品を汚損し価値を低下させる。
【0003】
これらの工業製品のうち、澱粉はスラリー又は糊液としてさまざまな用途が知られている。たとえば、製紙工場においては、表面サイズやカラーバインダー及び内添用として多量に使用されている。
工業製品に用いられる馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉などの地下茎澱粉や小麦澱粉等は、土壌菌が付着した状態であり、耐熱性胞子をもつBacillus属の細菌が多く存在する。これらの胞子は100℃でも生存しており、落下菌等とともに微生物の栄養源である澱粉が豊富に存在する澱粉スラリー中で繁殖する。微生物の増殖により腐敗が進行すると腐敗臭やストレーナの目詰まり、粘度低下やpH低下による品質の劣化等の障害が生じている。
【0004】
これらの微生物による障害を防止するため、多くの殺菌剤が使用されてきた。古くは有機水銀化合物、塩素化フェノール化合物やホルマリンなどが使用されていたが、これらの薬剤は人体や魚介類に対する毒性が強く、環境汚染をひき起こすため使用が規制されるようになり、最近では比較的低毒性のメチレンビスチオシアネート、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンで代表される有機窒素硫黄系、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、ビストリブロモメチルスルホンで代表される有機ブロム系及び4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンで代表される有機硫黄系等の化合物が工業用殺菌剤として汎用されている。(日本防菌防黴学会より昭和61年発行の「防菌防黴剤事典」参照。)
また、メチレンビスチオシアネートと、2.2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド又は3−イソチアゾロン化合物との組合せによる相乗効果が発揮される工業用殺菌剤が提案されている(特開平2-53703号、特開昭57−114502号、及び特開平1−163106号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した種々の低毒性殺菌剤単独では、殺菌対象系中において狭い範囲の微生物にしか有効ではないため、種々の微生物が混在する対象系においては充分な殺菌効力が得られないという欠点とともに有効な微生物に対しても長期間使用すると耐性菌が出現するという問題があった。
【0006】
また、相乗効果を発揮させることを目的とした殺菌剤の組合せからなる殺菌剤についても、細菌やカビに対して殺菌力を有するが、その効果の持続性がなく、また酵母に対してはその殺菌力が充分ではないという欠点があり、特に、殺菌剤をバッチ式に添加して長期間の殺菌効力の持続を必要とする対象系、例えば澱粉スラリー等においては、その効果が不充分となり、腐敗臭の発生やストレーナの目詰まり及び製品の品質劣化等の微生物による障害を充分に防止することができなかった。
この発明は、細菌、カビ、酵母等広範な種類の微生物に対して有効な殺菌力を有し、かつその効果が持続する工業用殺菌剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者は、この観点より、種々の工業用殺菌剤の組合せ及び含有割合について研究した結果、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールとメチレンビスチオシアネートとを特定割合で配合することにより、それぞれ単独の殺菌効果に比較して、広範な種類の微生物に対する顕著な殺菌効果とその効果の持続性が発揮される事実を見出した。
【0008】
かくして、この発明によれば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールと(b)メチレンビスチオシアネートとを重量比として3:7〜30:1の配合割合で含有することを特徴とする工業用殺菌剤が提供される。
【0009】
この発明において、(a)成分である2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールは、特公昭40−8917号公報により工業用殺菌剤として公知であり、前記公報に記載の方法に従って合成できる。また、商品名「Bronopol」(商標)としてザ ブーツ社より市販されており、この市販品を用いることもできる。
【0010】
この発明において、(b)成分であるメチレンビスチオシアナートは例えばケミカル アブストラクト51巻13302欄b〜c(1959年)によって抗微生物活性を有することが知られており、ロダンソーダとメチレンブロマイドから公知の方法により合成できる。
【0011】
この発明の工業用殺菌剤において、(a)成分と(b)成分とは重量比として3:7〜30:1、さらに好ましくは1:1〜9:1の配合割合で含有することにより相乗作用による顕著な殺菌効果が発揮される。
この発明の相乗効果による殺菌効果とは、それぞれ単独使用時に比較して、殺菌濃度が減少する効果或いはその殺菌持続時間が延長される効果をいう。
【0012】
上記2成分からなる工業用殺菌剤の殺菌対象系のうち、各種工業用原材料又は工業用製品が細菌、かび、酵母等の微生物によって腐敗したり、劣化することを防止するためにさらに第3成分として(c)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを併用することにより、さらなる相乗作用として殺菌効果がもたらされる事実を見出した。
【0013】
この観点により、(a)2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールと(b)メチレンビスチオシアネートに、さらに(c)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを、重量比として(a)成分と(b)成分との合計量:(c)成分が1:9〜9:1の配合割合で含有することを特徴とする工業用殺菌剤が提供される。
【0014】
この第2発明の殺菌剤において、(a)成分と(b)成分との配合割合は上記第1発明の場合と同様であり、(c)成分は重量比として(a)成分と(b)成分との合計量に対して、1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3の配合割合で含有することにより相乗作用による顕著な殺菌効果が発揮される。
特に、第2発明の殺菌剤は、かびに対して効果を示し、対象系の腐敗がかなり進行している場合や対象系に腐敗物が多量に混入した場合においても顕著な殺菌殺かび効果が発揮されるという特徴を有する。
この第2発明の相乗効果による殺菌殺かび効果とは、それぞれ単独使用時に比較して、殺菌殺かび濃度が減少する効果或いはその殺菌殺かび持続時間が延長される効果をいう。
【0015】
この発明の各有効成分は、通常これらを直接混合した液剤の形態で種々の殺菌対象系に用いられる。
特に、殺菌対象系が製紙工程のプロセス水や工業用冷却水等の各種水系や澱粉スラリーや合成樹脂エマルション等の場合には、有効成分の溶解、分散性を考慮して、親水性有機溶媒及び/又は水、さらに必要があれば分散剤(界面活性剤等)を用いた液剤とされているのが好ましい。
【0016】
この親水性有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、炭素数8までのアルコール類又はメチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、グルタル酸ジメチル等のエステル類が挙げられる。
これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒を使用してもよい。
【0017】
分散剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤が適当であり、製剤としての安定性の点でノニオン性界面活性剤が好ましい。
このノニオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドは以下E.Oと略す)、アルキルフェノール(E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.O)付加物、高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレンオキサイド〔P.Oと略す〕(E.O)共重合体、アルキルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
【0018】
これら製剤の配合割合は、工業用殺菌剤有効成分の合計量1〜50重量部、残部を親水性有機溶媒等とするのが好ましい。また必要に応じて、分散剤が該有効成分の合計1重量部に対して少なくとも0.01重量部配合されてもよい。
なお、殺菌対象系が切削油、油性塗料などの油系の場合には、灯油、重油、スピンドル油等の炭化水素溶媒を用いた液状製剤とされているのが好ましく、上記分散剤が用いられてもよい。
【0019】
さらに、この発明の有効成分がそれぞれに直接溶解又は分散しうる殺菌対象系に対しては、直接又は固体希釈剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース類等)で希釈された粉剤として用いられてもよく、各種界面活性剤が用いられてもよい。
この発明の各工業用殺菌有効成分は、場合によっては別々の製剤として同時に又は別々に殺菌対象系に添加してもよい。
【0020】
従って、この観点よりこの発明によれば、工業殺菌対象系に(a)2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールと(b)メチレンビスチオシアネートとを重量比として3:7〜30:1の割合で、かつ合計濃度として0.5mg/L〜200mg/Lとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業用殺菌方法が提供される。
【0021】
この場合、各殺菌有効成分の併用割合は、この発明の工業用殺菌剤と同様に(a)成分と(b)成分とは重量比として3:7〜30:1、好ましくは3:7〜20:1、さらに好ましくは1:1〜9:1とするのが顕著な相乗殺菌効果が発揮される点で好ましい。
【0022】
さらに第2発明として工業用殺菌対象系に、(a)2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールと(b)メチレンビスチオシアネート、さらに(c)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを重量比として(a)成分と(b)成分が3:7〜30:1で、かつ(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計濃度として0.5mg/L〜200mg/Lとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業用殺菌方法が提供される。
【0023】
この場合、各殺菌有効成分の併用割合は、(a)成分と(b)成分との配合割合は上記第1発明の場合と同様であり、(c)成分は、重量比として(a)成分と(b)成分の合計量に対して1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3とするのが顕著な相乗殺菌効果が発揮される点で好ましい。
この発明の各殺菌有効成分単独においても、前記した親水性有機溶媒等で製剤化して添加される。
【0024】
この発明において有効成分((a)成分と(b)成分の合計量又は(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計量)の添加量は、殺菌対象系により異なるが、通常有効成分の濃度として0.5〜200mg/L、好ましくは1〜100mg/L程度で充分である。
添加量が0.5mg/L未満であると有効な殺菌効果が発揮されないため好ましくなく、200mg/Lより多く添加してもよいが経済的な理由で好ましくない。
【0025】
この発明の工業用殺菌対象系としては、
i)紙・パルプ工業における抄紙工程や各種工業における冷却水系統
ii)紙・パルプ工場で使用される紙用塗工液(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、合成樹脂エマルション(スチレン−ブタジエンゴムラテックス等)、澱粉糊料等
iii)その他:金属加工油(切削油、圧延油等)、繊維油剤、各種ペイント類(エマルション塗料、油性塗料等)、各種接着剤、糊剤、ラテックスコンパウンド、セメント分散剤等
の工業製品が挙げられる。
この発明を以下の製剤例及び試験例により例示する。
なお、製剤例1〜7及び試験例1〜3は参考例である。
【0026】
【実施例】
製剤例1
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 10重量部
メチレンビスチオシアネート 1重量部
ジエチレングリコール 50重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 39重量部
【0027】
製剤例2
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 20重量部
メチレンビスチオシアネート 1重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 79重量部
【0028】
製剤例3
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 20重量部
メチレンビスチオシアネート 10重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 60重量部
ジメチルホルムアミド 10重量部
【0029】
製剤例4
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 5重量部
メチレンビスチオシアネート 5重量部
ジメチルホルムアミド 10重量部
グルタル酸ジメチル 80重量部
【0030】
製剤例5
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 10重量部
メチレンビスチオシアネート 1重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 79重量部
水 10重量部
【0031】
製剤例6
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 30重量部
メチレンビスチオシアネート 3重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 67重量部
【0032】
製剤例7
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 30重量部
メチレンビスチオシアネート 1重量部
ジエチレングリコール 50重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 19重量部
【0033】
製剤例8
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 21重量部
メチレンビスチオシアネート 7重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 12重量部
ジエチレングリコール 30重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
ジメチルホルムアミド 10重量部
水 10重量部
【0034】
製剤例9
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 12重量部
メチレンビスチオシアネート 4重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 16重量部
ジエチレングリコール 58重量部
ジメチルホルムアミド 10重量部
【0035】
製剤例10
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 9重量部
メチレンビスチオシアネート 3重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 28重量部
ジエチレングリコール 50重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 5重量部
ジメチルホルムアミド 5重量部
【0036】
製剤例11
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 24重量部
メチレンビスチオシアネート 3重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 3重量部
ジエチレングリコール 50重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
水 10重量部
【0037】
製剤例12
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 18.7重量部
メチレンビスチオシアネート 2.3重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 9重量部
ジエチレングリコール 65重量部
ジメチルホルムアミド 5重量部
【0038】
製剤例13
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 8重量部
メチレンビスチオシアネート 1重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 9重量部
ジエチレングリコール 60重量部
ジメチルホルムアミド 12重量部
水 10重量部
【0039】
製剤例14
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 8重量部
メチレンビスチオシアネート 1重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 21重量部
ジエチレングリコール 60重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
【0040】
製剤例15
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 2.4重量部
メチレンビスチオシアネート 0.3重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 24.3重量部
ジエチレングリコール 50重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 23重量部
【0041】
試験例1〔2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールとメチレンビスチオシアネートとの併用による殺菌効果確認試験〕
紙・パルプ製造工程における工程水、各種工業用の冷却水、ペイント、紙用塗工液、ラテックス、糊剤等の工業用殺菌対象系中に多く存在するグラム陰性菌の代表株であるPsedomonas aeruginosa を用いて(a)成分である2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(BNPD)と(b)成分であるメチレンビスチオシアネート(MBTC)との併用による殺菌効果確認試験を行った。
予めブイヨン培地により前培養した菌液を滅菌水にその生菌数が106 CFU/ml以上となるように加え、これに上記殺菌剤を各種濃度になるように添加し、37℃で3時間振盪培養し、その後生存した菌数を測定し、初期菌数の99.9%以上が死滅する最小殺菌濃度(mg/L)を求めた。
試験結果を図1に示す。
なお、生菌数の単位であるCFU/mlの CFUは、colony forming unit の略でありコロニー形成単位を表す。以下の試験例においても同様。
【0042】
〔考察〕
試験結果から明らかなように、(a)成分と(b)成分を1:1の重量比で併用することにより、それぞれ単独添加時における最小殺菌濃度の1/4ずつの添加濃度で有効な殺菌効果が発揮された。
(a)成分と(b)成分との併用により相乗効果が発揮された重量比のうち特に顕著なものを下記する。
Figure 0003728454
また、図1から明らかなように、この発明の(a)成分と(b)成分とを重量比として30:70〜20:1、好ましくは1:1〜9:1の割合で併用することにより顕著な相乗効果が発揮されることがわかる。
【0043】
試験例2〔澱粉スラリーに対する殺菌効果及び殺菌持続効果確認試験〕
(試験方法)
酸化澱粉スラリーを工業用水を用いて調製したスラリー液(pH:4.6、固形分濃度:10w/w%)に、某製紙工場澱粉スラリーストレージタンクから採取した腐敗付着物を1%加えたものを供試試料〔細菌種:Bacillus sp.、Pseudomonas sp. 、Alcaligenes sp. 、生菌数:6.9×106CFU/ ml及び糸状菌種:Trichoderma sp. 、Penicillium sp. (以上かび)、Candida sp.(酵母)、2.5×103CFU/ ml〕)とした。
供試試料を10gをL型試験管に分注し、各種薬剤を有効成分として各種濃度にになるように添加した。30℃で振盪した後、経日的に各試料の生菌数を測定した。
その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003728454
【0045】
〔考察〕
表1より明らかなように(a)成分と(b)成分とを重量比として1:1〜30:1で併用することにより、細菌、かび、酵母等広範な種類の殺菌対象菌に対して顕著な殺菌相乗効果が発揮され、かつ、その殺菌持続時間が3週間にわたり延長されることがわかる。
【0046】
試験例3〔合成樹脂エマルション(スチレン−ブタジエンゴムラテックス)に対する殺菌効果及び殺菌持続効果確認試験〕
(試験方法)
腐敗したスチレン−ブタジエンゴムラテックス(pH:7.9、細菌種:Pseudomonas sp.、Alcaligenes sp. 、生菌数:4.8×106CFU/ ml及び糸状菌種:Fusarium sp.(かび)、Saccharomyces sp. (酵母)、2.4×103CFU/ ml〕)に各種薬剤を有効成分として各種濃度になるように添加し、30℃の恒温槽に放置した後、経日的に各試料の生菌数を測定した。
なお、薬剤を添加したラテックスには、7、14、21、30日目に薬剤無添加の上記ラテックス(各種細菌、かび及び酵母含有)を1重量%となるように添加し、各種菌類を繁殖させた。
試験結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0003728454
【0048】
〔考察〕
表2より明らかなように(a)成分と(b)成分とを重量比として1:1〜30:1で併用することにより、細菌、かび、酵母等広範な種類の殺菌対象菌に対して顕著な殺菌相乗効果が発揮され、かつ、途中で腐敗したラテックスを添加したにも抱わらず、その殺菌持続時間が60日間にわたり延長されることがわかる。
【0049】
試験例4
(試験方法)
某製紙工場より入手したコーティングカラーを供試試料(細菌種:Pseudomonas sp.、Alcaligenes sp.、生菌数:1.3×107 cfu/ml及び糸状菌種:Candida sp.(酵母)、1.6×103 cfu/ml)とした。
供試試料に各種薬剤を有効成分として所定濃度になるように添加し、30℃の恒温槽に放置した後、経日的に生菌数を測定した。
試験結果を表3及び表4に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0003728454
【0051】
【表4】
Figure 0003728454
【0052】
【発明の効果】
この発明の工業用殺菌剤は、細菌、かび、酵母等広範囲な種類の殺菌対象系に対して顕著な殺菌相乗効果を示し、かつその効果が長期間持続され、優れた工業用殺菌剤である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)成分(BNPD)と(b)成分(MBTC)の相乗作用を示す最小殺菌濃度図。

Claims (2)

  1. (a)2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールと(b)メチレンビスチオシアネートに、さらに(c)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを、重量比として(a)成分と(b)成分が3:7〜30:1で、かつ(a)成分と(b)成分との合計量:(c)成分が1:9〜9:1の配合割合で含有することを特徴とする工業用殺菌剤。
  2. 工業用殺菌対象系に、(a)2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールと(b)メチレンビスチオシアネート、さらに(c)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを、重量比として(a)成分と(b)成分が3:7〜30:1で、かつ(a)成分と(b)成分との合計量:(c)成分が1:9〜9:1の配合割合で、かつ(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計濃度として0.5mg/L〜200mg/Lとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業用殺菌方法。
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