JP2716044B2 - 工業用殺菌、静菌剤 - Google Patents

工業用殺菌、静菌剤

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JP2716044B2
JP2716044B2 JP1099380A JP9938089A JP2716044B2 JP 2716044 B2 JP2716044 B2 JP 2716044B2 JP 1099380 A JP1099380 A JP 1099380A JP 9938089 A JP9938089 A JP 9938089A JP 2716044 B2 JP2716044 B2 JP 2716044B2
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英則 平嶋
洋亮 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、工業用殺菌、静菌剤及び殺菌、静菌方法
に関する。さらに詳しくは紙・パルプ工業における抄紙
工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水、重油スラッジ、
金属加工油剤、繊維油剤、ペイント、防汚塗料、紙用塗
工液、ラテックス、糊剤等の防腐や殺菌・静菌用として
有用である工業用殺菌、静菌剤及び殺菌、静菌方法に関
する。
(ロ)従来の技術 従来から紙・パルプ工業における抄紙工程や各種工業
における冷却水系統には、細菌や真菌によるスライムが
発生し、生産品の品質低下や生産効率の低下などの障害
があることが知られている。また、多くの工業製品、例
えば重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、ペイント
類、各種ラテックス、糊剤等では細菌や真菌による腐敗
や汚染が発生し、製品を汚損し価値を低下させる。
これらの微生物による障害を防止するため、多くの殺
菌剤が使用されてきた。古くは有機水銀化合物や塩素化
フェノール化合物などが使用されていたが、これらの薬
剤は人体や魚介類に対する毒性が強く、環境汚染をひき
起こすため使用が規制されるようになり、最近では比較
的低毒性のメチレンビスチオシアネート、1,2−ベンゾ
イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オンで代表される有機窒素硫
黄系、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジ
ブロモ−3−ニトリロプロピオアミド、1,2−ビス(ブ
ロモアセトキシ)エタン、1,4−ビス(ブロモアセトキ
シ)−2−ブテン、ビストリブロモメチルスルホンで代
表される有機ブロム系及び4,5−ジクロロ−1,2−ジチオ
ール−3−オンで代表される有機硫黄系等の化合物が工
業用殺菌剤として汎用されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 これら汎用の殺菌剤は、その抗菌スペクトルや殺菌効
果が異なり、それぞれの目的に応じて使用されている。
例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、
2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ
−3−ニトロプロピオンアミドやビストリブロモメチル
スルホン等は少量の添加で生菌数を激減させる作用(以
下「殺菌作用」という)を有するが、生菌数の増殖を長
期間にわたり抑制する作用[以下「抗菌作用(静菌作
用)」という]は小さい。また、メチレンビスチオシア
ネート、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタンや1,4−
ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン等は、静菌作用
はあるが、殺菌作用を発揮させるためには、高濃度で長
期間にわたり接触させる必要がある。
ゆえに、これらの薬剤同志を適当に組合せて使用され
る場合が多く、そのことにより相乗効果が発揮される場
合も一部にはある。しかし、その殺菌及び抗菌スペクト
ルも加味すれば、その有効な組合せは限られており、し
かも単一成分薬剤を使用しつづけると耐性菌が出現し、
その効果が減退することも知られている。
また、殺菌及び静菌を行おうとする工業用工程水また
は工業用製品の温度は、季節的にあるいは作業上の要因
により大きく変動する。
たとえば、製紙工程水は夏には約40℃のものが、冬に
は15℃以下に低下する。
通常、この様な温度低下は、薬剤の殺菌効力または静
菌効力を著しく低下させる要因となることが知られてい
る。
この発明は上記のより現場的ともいえる事情に鑑み成
されたものであり、より少量の添加により殺菌作用及び
/または抗菌作用を有し、かつまた特に温度が低下して
も、その効力を維持するより多くの薬剤を提供すること
を目的とする。
(ニ)課題を解決するための手段 この発明によれば、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−
ジアセトキシプロパンと、 (a)アルキレンビスチオシアネート、 (b)一般式(I): (式中、R1は水素原子又は低級アルキル基、R2は水素原
子又はアセチル基を示す。)で表わされる脂肪族ニトロ
アルコール誘導体、 (c)4,5−ジクロル−1,2−ジチオール−3−オン (d)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミ
ド、 (e)一般式(II): (式中、Xはハロゲン原子を、Yは低級アルキレン又は
アルケニレン基を示す。)で表わされるハロゲン化酢酸
エステル誘導体、 (f)ビス[トリブロモメチル]スルホン及び (g)一般式(III): (式中、X1は水素原子又はハロゲン原子、Y1は低級アル
キル基を示す。) で表わされる3−イソチアゾロン化合物又はこれらの金
属塩コンプレックス、 の殺菌剤からえらばれた少なくとも1種の化合物とを有
効成分として含有することを特徴とする工業用殺菌、静
菌剤が提供される。さらに工業用殺菌、静菌対象物に対
し、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロ
パンと、 (a)アルキレンビスチオシアネート、 (b)一般式(I): (式中、R1は水素原子又は低級アルキル基、R2は水素原
子又はアセチル基を示す。)で表わされる脂肪族ニトロ
アルコール誘導体、 (c)4,5−ジクロル−1,2−ジチオール−3−オン (d)2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミ
ド、 (e)一般式(II): (式中、Xはハロゲン原子を、Yは低級アルキレン又は
アルケニレン基を示す。) で表わされるハロゲン化酢酸エステル誘導体 (f)ビス[トリブロモメチル]スルホン及び (g)一般式(III): (式中、X1は水素原子又はハロゲン原子、Y1は低級アル
キル基を示す。) で表わされる3−イソチアゾロン化合物又は、これらの
金属塩コンプレックス、 の殺菌剤から選ばれた少なくとも1種の化合物とを同時
に又は別々に添加して殺菌、静菌を行うことを特徴とす
る工業用殺菌、静菌方法が提供される。
この発明において必須成分である2−ブロモ−2−ニ
トロ−1,3−ジアセトキシプロパン(以下、BNDAPとい
う)は、特公昭43−16460号及び特開昭56−120603号各
公報により単独で殺微生物活性を有することは知られて
いるが、他の薬剤と組合わせて相乗効果が発揮されるこ
と及びこの相乗効果は低温時にも維持されることは知ら
れていない。
この発明において、(a)アルキレンビスチオシアネ
ートとしては、メチレンビスチオシアネート及びエチレ
ンビスチオシアネートが挙げられるが、メチレンビスチ
オシアネート(以下、MBTCと略す)が効果の点でより好
ましい。また、成分(b)の一般式(I): (式中、R1は水素原子又は低級アルキル基、R2は水素原
子又はアセチル基を示す。)で表わされる脂肪族ニトロ
アルコール誘導体としては、2,2−ジブロモ−2−ニト
ロエタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパノー
ル−2、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトキシ
エタン及び1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトキ
シプロパンが代表化合物として挙げられる。これらの中
で2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール(以下、DBNE
と略す)が効果の点でより好ましい。
また成分(e)の一般式(II): (式中、Xはハロゲン原子をYは低級アルキレン又はア
ルケニレン基を示す。) で表わされるハロゲン化酢酸エステル誘導体としては、 1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,4−ビス
(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(クロ
ロアセトキシ)エタン、1,2−ビス(ヨードアセトキ
シ)エタン及び1,4−ビス(クロロアセトキシ)−2−
ブテンが代表的な化合物として挙げられる。これらの中
で1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン(以下、BBAE
と略す)又は1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブ
テン(以下、BBABと略す)が効果の点でより好ましい。
また成分(g)の一般式(III): (式中、X1は水素原子又はハロゲン原子、Y1は低級アル
キル基を示す。) で表わされる3−イソチアゾロン化合物又は、これらの
金属塩コンプレックスとしては、 2−メチル−5−クロル−1,2−イソチアゾリン−3
−オン、2−メチル−1,2−イソチアゾリン−3−オン
及びこれらの塩化マグネシウム又は塩化カルシウムのコ
ンプレックスが挙げられる。通常の合成法に従えば、2
−メチル−5−クロル−1,2−イソチアゾリン−3−オ
ンと2−メチル−1,2−イソチアゾリン−3−オンの約
3:1の混合物(以下、MITと略す)が得られ、この物もこ
の発明に好適に使用される。
また成分(c)の4,5−ジクロル−1,2−ジチオール−
3−オン、成分(d)の2,2−ジブロモ−3−ニトリロ
プロピオンアミド及び成分(f)のビス[トリブロモメ
チル]スルホンはそれぞれ、以下DCDT、DBNPA及びBTBMS
と略す。
この発明において、BNDAPと併用することにより相乗
効果が発揮される好ましい比率及びより好ましい比率は
第1表に記載したとおりである。
この発明の有効成分は、通常液剤の形態で製剤化して
用いるのが好ましい。しかし、これに限定されることな
く、使用対象によっては粉剤等の形態で用いてもよい。
液剤とされる場合には、通常の有機溶媒や界面活性剤
が用いられる。殺菌対象系が製紙工程のプロセス水や工
業用冷却水等の各種水系の場合には、有効成分の溶解、
分散性を考慮して、親水性有機溶媒及び分散剤を用いた
液剤とされているのが好ましい。この親水性有機溶媒と
しては、ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチ
ルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル等のグリコールエーテル類、炭素数8までのア
ルコール類もしくはメチルアセテート、エチルアセテー
ト、3−メトキシジブチルアセテート、2−エトキシメ
チルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−
エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート等
のエステル類及び水が挙げられる。
分散剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤
が適当であり、製剤としての安定性の点でノニオン性界
面活性剤が好ましい。
このノニオン性界面活性剤としては、高級アルコール
エチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドは以下
E.Oと略す)、アルキルフェノール(E.O)付加物、脂肪
酸(E,O)付加物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.
O)付加物、高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸
アミド(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレ
ンオキサイド(P.Oと略す)・(E.O)共重合体、アルキ
ルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グリセリンの
脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステ
ル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、シ
ョ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエー
テル、アルキロールアミド等が挙げられる。但し、前記
溶媒の種類によっては一液複合製剤とした場合、長期の
貯蔵時例えば、1カ月以上放置すると有効成分が分解し
て効力を示さなくなるという場合があった。
例えば、BNDAPのジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル(MDG)溶液、またはDBNPAのMDGの溶液を1か月
放置した場合、各有効成分の分解率は約5%であるが、
BNDAPとDBNPAを混合した場合(BNDAPとDBNPAとMDGとか
らなる一液製剤)は、BNDAPの分解率が39%、DBNPAが11
%となり、単一成分液よりも複合成分溶液の場合は、分
解率が高くなる傾向にあった。この観点から前記溶媒の
うち長期間貯蔵安定性の点で好ましい溶媒を第2表に記
載する。これら製剤の配合割合は、殺菌剤有効成分の合
計量1〜50重量部、分散剤が該有効成分の合計1重量部
に対して少なくとも0.01重量部であり、残部を親水性有
効溶媒とするのが好ましい。
また、殺菌対象系が重油スラッジ、切削油、油性塗料
などの油系の場合には、灯油、重油、スピンドル油等の
炭化水素溶媒を用いた液剤とされているのが好ましく、
各種界面活性剤が用いられてもよい。
さらに、この発明の有効成分がそれぞれに直接溶解又
は分散しうる殺菌対象系に対しては、直接又は固体希釈
剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイト、CMC等)
で希釈された粉剤として用いられてもよく、各種界面活
性剤が用いられてもよい。また、組合せによっては、溶
媒や界面活性剤なしに有効成分のみで製剤を行ってもよ
い。
この発明の組成物の添加量は、組合わされた有効成分
により、又、殺菌対象物により異なるが、ことに製紙工
程のプロセス水系や工業用の冷却水系に添加される場
合、微生物の発育を抑制する濃度(静菌濃度)として
は、通常有効成分の濃度として0.05〜20mg/l程度の添加
で十分である。また、殺菌的に使用する場合は、有効成
分の濃度として0.5〜50mg/lで目的を達成することがで
きる。
この発明の方法において、二つの有効成分を同時に添
加する場合には、前述したように同一製剤として用いる
のが簡便であるが、製剤の長期貯蔵安定性等の点でそれ
ぞれ分離しておくのが好ましい場合や別々に添加される
場合には、それぞれ別の製剤として用いられる。この場
合においても通常、それぞれ液剤とするのが簡便であ
る。例えば、このような製剤は、前述の有機溶媒や界面
活性剤等の分散剤を添加して調製することが出来る。
また、この発明の有効成分がそれぞれ直接溶解もしく
は分散しうる殺菌、静菌対象系に対しては直接又は、粉
剤としても用いることができる。
(ホ)実施例 この発明を以下の試験例により例示する。
試験例1〔殺菌効果確認試験〕 シュードモナス・エルギノーサ(緑膿菌)及びスタフ
ィロコッカス・オウレウスを用いて、生菌数106個/ml以
上のものを103個/ml以下にまで殺菌(殺菌率99.9%以
上)しうる薬剤の最小濃度(mg/l)を求めた。
測定方法は、予めブイヨン培地により前培養した菌液
を生理食塩水に生菌数が106個/ml以上となるように加
え、これに薬剤を添加し、37℃にて1時間振盪し、その
後生存した菌数を測定し、初期菌数の99.9%以上が死滅
する最小濃度を求めた。
シュードモナス・エルギノーサを用いた試験結果を第
1〜8図に、スタフィロコッカス・オウレウスを用いた
試験結果を第9〜12図にそれぞれ示す。
試験例2[静菌効果確認試験] (1)評価方法 2成分の相乗作用は二元希釈法により測定する。両成
分を所定の濃度になるように希釈し、培地にそれぞれ一
定量添加する。これに微生物を接種し、一定条件で培養
したのち、微生物の発育が認められない濃度を二元希釈
法による最小発育阻止濃度とする。
第13図は普通目盛座標を用いて、それぞれの成分の最
小発育阻止濃度を両軸上に等しくとったグラフである。
このグラフの曲線すなわちTDMIC曲線よりも上側の領域
は増殖阻止域を示し、下側の領域は増殖域を示す。また
対角線よりも上側に曲線があると拮抗作用、対角線より
下側の場合が相乗作用を表す。
(2)細菌類に対する相乗効果 スライムより分離したグラム陰性菌の代表株であるシ
ュードモナス属菌に対する相乗効果を試験した。培地と
してブイヨン培地を用い、一夜前培養した菌液を一定量
接種して37℃にて24時間振盪培養したのち、培地の濁り
が認められない濃度を求めた。
試験結果を第14〜21図に示す。
(3)真菌類に対する相乗効果 ウェットパルプ、でん粉糊、コーティングカラー液等
によく生成するカビの一種であるアスペルギルス・ニゲ
ルそしてグリオクラディウム・ビレンスに対する相乗効
果を判定した。
培地としてツァペック培地を用い、予め斜面培養して
おいて保存菌株から胞子を1エーゼ採取して無菌水に懸
濁させた液の一定量を接種し、27℃で7日振盪したの
ち、培地中に菌糸の発育が認められない濃度を求めた。
アスペルギルス・ニゲルを用いた試験結果を第22〜29
図にグリオクラディウム・ビレンスを用いた試験結果を
第30〜33図にそれぞれ示す。
(4)酵母に対する相乗効果 でん粉液やコーティングカラー液中によく認められる
代表的な酵母のロドトルーラ・ルブラに対する相乗効果
を試験した。
培地としてYM培地を用い、一夜前培養した菌液を一定
量接種して、30℃にて24時間振盪培養したのち、培地の
濁りが認められない濃度を求めた。
その結果を第34〜36図に示す。
試験例3[抄紙工程の白水に対する殺菌効力試験]某製
紙工場の上質紙抄造機(中性抄造)より採取した白水
(pH7.4,SO3 2-;8ppm.フラボバクテリウム属、ミクロコ
ッカス属、シュードモナス属、バチルス属菌主体)に上
記製剤物を所定の濃度になるように添加後、37℃で60分
振盪し、生菌数を測定した。
結果を第3表に示す。
(考察) 試験結果より明らかなように単一成分または、DBNPA
+DBNE、DBNPA+DCDTの薬剤では、生菌数の減少はわず
かで殺菌効力は認められない。
しかし、BNDAPと他の殺菌成分を複合した薬剤では殺
菌力に極めて大きな相乗効果が認められている。
試験例4[抄紙工程白水の温度変化に対する殺菌効力試
験] 試験例3と異なる某製紙工場の上質紙抄造機(中性抄
造)より採取した白水(pH7.0SO3 2-:0ppm,シュードモナ
ス属,バチルス属,アルカリゲネス属,クレブシエラ属
菌主体)に前記製剤物を所定の濃度になるように添加
後、35℃と15℃で60分振盪し、生菌数を測定した。
結果をそれぞれ第4表に示す。
(考察) 試験結果より、単一成分の薬剤では生菌数の減少はわ
ずかで、微生物トラブルを防止できるほどの殺菌効力は
認められない。
また、DBNE+DCDT,DCDT+BBAB,MBTC+DBNPA,DCDT+BT
BMS,MIT+BBABの場合の複合製剤では、35℃における殺
菌力はそれぞれ相乗効果が示され、ある程度の有効性は
認められるものの、温度が15℃に低下すると殺菌効力は
著しく低下し、35℃の場合には認められた相乗効果は消
失した。
ところが、BNDAPと他の殺菌成分を複合したこの薬剤
では殺菌力に非常に大きな相乗効果が認められ、さらに
温度が35℃から15℃に低下してもその効力は維持されて
おり、極めて有用な殺菌剤であることがわかる。
試験例5[各種一液製剤中の有効成分の長期貯蔵安定性
試験] 各種有機溶媒中にBNDAPとMBTC,DBNE,DCDT,DBNPA,BBA
E,BTBMS又はMITとを第5表記載の重量%で溶解し複合一
液製剤を調製した。
各製剤を50℃の恒温室に30日間放置した後、各有効成
分の濃度を液体クロマトグラフィー法(HPLC)で測定し
残留率(%)を算出した。試験結果を第5表に示す。
実施例1 (BNDAPとDBNPAとの併用) 某製紙工場の上質抄造機(生産量200トン/日)では
白水中の生菌数が1×107個/mlあり、スライムが多量に
発生し、そのためピンホールができるというトラブルが
生じていた。
そこで下記製剤をパルプスラリーに対して、47ppmを
1日3回1時間STUFF BOX部へ添加した。その結果、白
水中の生菌数は103個/mlまで低下し、スライムの発生も
著しく減少し、ピンホールの発生もなくなった。
製剤組成 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン 10重量部 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 10重量部 プロピレンカーボネート 80重量部 実施例2 (BNDAPとDCDTとの併用) 某製紙工場の上質抄造機(生産量200トン/日)では
白水中の生菌数が1×107個/mlあり、スライムが多量に
発生し、そのためピンホールができるというトラブルが
生じていた。
そこで下記製剤をパルプスラリーに対して、47ppmを
1日3回1時間STUFF BOX部へ添加した。その結果、白
水中の生菌数は103個/mlまで低下し、スライムの発生も
著しく減少し、ピンホールの発生もなくなった。
製剤組成 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン 15重量部 4,5−ジクロル−1,2−ジチオール−3−オン 3重量部 プロピレンカーボネート 70重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 12重量部 (ヘ)発明の効果 この発明の工業用殺菌、静菌剤及び工業用殺菌静菌方
法は、優れた殺菌及び/又は静菌効果を有しており、低
濃度で意図する殺菌、静菌処理を行うことができる。ま
た、多種類の殺菌、静菌剤及び方法が提供されるため、
対象分野や対象微生物の変化及び耐性菌の出現に対して
も対応できる極めて有用なものである。さらに、この発
明の殺菌剤は対象物質の温度変動(特に低下)にもその
殺菌効力は影響されず非常に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
第1〜8図、第9〜12図、第14〜21図、第22〜29図、第
30〜34図及び第35〜36図は、各々本発明試験例における
相乗効果を表わすグラフである。また、第13図は相乗効
果判定基準を説明するグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 37:34 37:12 47:02) (A01N 37/12 43:80) (72)発明者 片山 栄 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンとアルキレンビスチオシアネートを有効成
    分として含有することを特徴とする工業用殺菌、静菌
    剤。
  2. 【請求項2】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンと一般式(I): (式中、R1は水素原子又は低級アルキル基、R2は水素原
    子又はアセチル基を示す。)で表わされる脂肪族ニトロ
    アルコール誘導体を有効成分として含有することを特徴
    とする工業用殺菌、静菌剤。
  3. 【請求項3】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンと4,5−ジクロル−1,2−ジチオール−3−
    オンを有効成分として含有することを特徴とする工業用
    殺菌、静菌剤。
  4. 【請求項4】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンと2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオ
    ンアミドを有効成分として含有することを特徴とする工
    業用殺菌、静菌剤。
  5. 【請求項5】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンと一般式(II): (式中、Xはハロゲン原子、Yは低級アルキレン又はア
    ルケニレン基を示す。)で表わされるハロゲン化酢酸エ
    ステル誘導体を有効成分として含有することを特徴とす
    る工業用殺菌、静菌剤。
  6. 【請求項6】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンとビス[トリブロモメチル]スルホンを有
    効成分として含有することを特徴とする工業用殺菌、静
    菌剤。
  7. 【請求項7】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセト
    キシプロパンと一般式(III): (式中、X1は水素原子又はハロゲン原子、Y1は低級アル
    キル基を示す。)で表わされる3−イソチアゾロン化合
    物又はこれらの金属塩コンプレックスを有効成分として
    含有することを特徴とする工業用殺菌、静菌剤。
  8. 【請求項8】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブロ
    モ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンとアルキ
    レンビスチオシアネートを同時又は別々に添加して殺
    菌、静菌を行うことを特徴とする工業用殺菌、静菌方
    法。
  9. 【請求項9】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブロ
    モ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンと一般式
    (I): (式中、R1は水素原子又は低級アルキル基、R2は水素原
    子又はアセチル基を示す。)で表わされる脂肪族ニトロ
    アルコール誘導体を同時又は別々に添加して殺菌、静菌
    を行うことを特徴とする工業用殺菌、静菌方法。
  10. 【請求項10】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブ
    ロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンと4,5−
    ジクロル−1,2−ジチオール−3−オンを同時又は別々
    に添加して殺菌、静菌を行うことを特徴とする工業用殺
    菌、静菌方法。
  11. 【請求項11】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブ
    ロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンと2,2−
    ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを同時又は別
    々に添加して殺菌、静菌を行うことを特徴とする工業用
    殺菌、静菌方法。
  12. 【請求項12】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブ
    ロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンと一般
    式(II): (式中、Xはハロゲン原子、Yは低級アルキレン又はア
    ルケニレン基を示す。)で表わされるハロゲン化酢酸エ
    ステル誘導体を同時又は別々に添加して殺菌、静菌を行
    うことを特徴とする工業用殺菌、静菌方法。
  13. 【請求項13】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブ
    ロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンとビス
    [トリブロモメチル]スルホンを同時又は別々に添加し
    て殺菌、静菌を行うことを特徴とする工業用殺菌、静菌
    方法。
  14. 【請求項14】工業用殺菌、静菌対象物に対し、2−ブ
    ロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパンと一般
    式(III): (式中、X1は水素原子又はハロゲン原子、Y1は低級アル
    キル基を示す。)で表わされる3−イソチアゾロン化合
    物又はこれらの金属塩コンプレックスを同時又は別々に
    添加して殺菌、静菌を行うことを特徴とする工業用殺
    菌、静菌方法。
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