JPH09226638A - クローラ式運搬車 - Google Patents

クローラ式運搬車

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JPH09226638A
JPH09226638A JP3521896A JP3521896A JPH09226638A JP H09226638 A JPH09226638 A JP H09226638A JP 3521896 A JP3521896 A JP 3521896A JP 3521896 A JP3521896 A JP 3521896A JP H09226638 A JPH09226638 A JP H09226638A
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motor
crawler belt
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Masahiro Yamamoto
将博 山本
Takeshi Togashi
武 富樫
Chiaki Yashiro
千秋 八代
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Honda Motor Co Ltd
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DENYOSHA KK
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 車体フレーム2の車幅方向略中央に前後
に1つの駆動輪3及び1つの遊転輪4を取付け、これら
駆動輪3と遊転輪4とに1条のクローラベルト5を掛け
渡し、駆動輪3をモータ20で回動するクローラ式運搬
車1において、モータ20をクローラベルト5のループ
内に配置した。 【効果】 ループ外に配置した場合に比べて、モータの
配置スペースが削減でき、小型になるので、クローラ式
運搬車を、極めて狭い所でも容易に通すことができる。
荷台の下にモータを配置したので、荷台のスペースが大
きくとれ、多くの荷物を積むことができる。従って、多
くの荷物を積んで、しかも、極めて狭い所を容易に走行
させることのできるクローラ式運搬車を提供できる。重
量物であるモータの取付け高さが低くなるので、クロー
ラ式運搬車の重心は低くなり、安定性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクローラ式運搬車の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】不整地等での運搬作業の労働軽減の一策
として、各種のクローラ式運搬車が用いられている。そ
して、近年は、狭い所を走行させるのに適した運搬車と
して、1条のクローラベルトを備えたクローラ式運搬車
が出回ってきた。例えば、実開昭56−138764
号公報「単列装軌式運搬車」、実開昭62−1677
81号公報「走行車のハンドル支持構造」がある。
【0003】上記の技術は、その公報の第1図によれ
ば、機枠1の車幅方向略中央に1条のクローラー履帯2
を装備し、このクローラー履帯2をエンジンからなる原
動機3で駆動するものである。機枠1の後部に架台4を
備え、機枠1の上部に荷台5を備える。架台4は、上部
に且つ荷台5の後方に原動機3を備え、側部に接地スタ
ンド10を揺動可能に備える。
【0004】上記の技術は、その公報の第1図によれ
ば、機体の車幅方向略中央に1条の回転体2(クローラ
ベルトに相当)を装備し、この回転体2をエンジン3で
駆動するものである。機体の上部に荷台1を備え、機体
の上部に且つ荷台1の後方にエンジン3を備え、機体の
後部に斜め上方へ延びるハンドル7を備える。ハンドル
7を、軸方向にスライド操作又は上下揺動操作すること
で、接地スタンドの役割を兼ねさせる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】1条のクローラベルト
を備えたクローラ式運搬車は、多くの荷物を積んで、し
かも、極めて狭い所を通って目的地まで運べることが求
められる。例えば、山間部で工事をする際には、各種部
品を多数積んで、「けもの道」(山林中に付けられたそ
れぞれの動物に特有の通路)と称する細い山道を、容易
に通れる運搬車であることが要求される。そのために
は、車幅が狭く小型の運搬車であるにもかかわらず、荷
台のスペースはできるだけ大きいことが好ましい。
【0006】上記の技術は、原動機3を荷台5の後方
に配置したので、荷台5のスペースが小さい。荷台5の
スペースを大きくすると、クローラ式運搬車は必然的に
大きくなる。しかも、原動機3が上部にあるので、クロ
ーラ式運搬車の重心が高く安定性が悪く、作業者の負担
は大きい。また、原動機3をエンジンで構成したので排
気ガスが発生し、作業環境が劣る。上記の技術も同様
である。
【0007】更に、上記の技術は、クローラ式運搬車
を停止した際に使用するための、専用の接地スタンド1
0を備える。専用部品を備えるので、クローラ式運搬車
の部品数が多くなる。上記の技術は、ハンドル7が接
地スタンドの役割を兼ねる。荷物を積んだ状態でハンド
ル7をスライド操作又は上下揺動操作するのでは、操作
途中で車体が不安定になりやすく、切換え操作が容易で
ない。
【0008】そこで本発明の目的は、次の(1)〜
(5)にある。 (1)1条クローラベルトを備えたクローラ式運搬車を
小型にすること。 (2)多くの荷物を積んで、しかも、極めて狭い所を容
易に通れるクローラ式運搬車を提供すること。 (3)重心が低く、不整地でも安定して走行できるクロ
ーラ式運搬車を提供すること。 (4)排気ガスを発生せず、作業環境の優れたクローラ
式運搬車を提供すること。 (5)接地スタンドの機能を他の部材で兼用し、しか
も、他の部材を接地スタンドの機能へ切換える際に、車
体を安定した状態に維持でき、切換え操作も容易なクロ
ーラ式運搬車を提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の発明は、車体フレームの車幅方向略中
央に前後に1つの駆動輪及び1つの遊転輪を取付け、こ
れら駆動輪と遊転輪とに1条のクローラベルトを掛け渡
し、駆動輪をモータで回動するクローラ式運搬車におい
て、前記モータを、前記クローラベルトのループ内に配
置したことを特徴とする。モータを1条クローラベルト
のループ内に配置したので、ループ外に配置した場合に
比べて、モータの配置スペースが削減でき、クローラ式
運搬車は小型になる。このため、クローラ式運搬車を、
極めて狭い所でも容易に通すことができる。また、荷台
の下にモータを配置したので、荷台のスペースが大きく
とれ、多くの荷物を積むことができる。従って、多くの
荷物を積んで、しかも、極めて狭い所を容易に走行させ
ることのできるクローラ式運搬車を提供できる。更に、
重量物であるモータの取付け高さが低くなるので、クロ
ーラ式運搬車の重心は低くなり、安定性が高まる。更に
また、モータを動力源としたので、エンジンのように排
気ガスを発生せず、また低騒音にできるので、作業者の
労働環境性が高まり、特に、狭いトンネル内での労働環
境性が高まる。
【0010】請求項2記載の発明は、前記モータをクロ
ーラベルトの幅内に配置したことを特徴とする。車幅を
狭くできるので、けもの道のような山道、畦の上、狭い
土木用道やトンネルなどの細い所を容易に通ることがで
きる。
【0011】請求項3記載の発明は、前記モータの出力
軸を駆動輪中央のボス部に直接的に嵌合したことを特徴
とする。モータから駆動輪への動力伝達構造が簡単であ
り、しかも、小型にできる。このため、クローラ式運搬
車が小型になる。
【0012】請求項4記載の発明は、前記駆動輪に収納
凹部を備え、この収納凹部に前記モータの少なくとも一
部を収納したことを特徴とする。クローラベルトの幅方
向中心にモータの重心を近づけることができるので、ク
ローラ式運搬車の重量バランスが高まり、直進走行性が
良く、操縦が容易である。また、車幅を一層狭くできる
ので、狭い所をより一層容易に通ることができる。
【0013】請求項5記載の発明は、前記車体フレーム
を正面視門形状のフレーム本体とし、このフレーム本体
の下方から前記クローラベルトを組付け可能としたこと
を特徴とする。車体フレームの下方である1方向からク
ローラベルトや駆動輪、遊転輪を組付けできるので、組
付け性が良い。
【0014】請求項6記載の発明は、前記車体フレーム
を正面視門形状のフレーム本体とし、このフレーム本体
の側部に前記モータを取付けたことを特徴とする。モー
タを取付けるための特別の取付け台等が不用であり、ク
ローラ式運搬車を小型にできる。
【0015】請求項7記載の発明は、前記車体フレーム
の下部にクロスメンバを掛け渡し、このクロスメンバに
バッテリを載置したことを特徴とする。車体フレームの
下部をクロスメンバで結合することにより、車体フレー
ムは断面視口字形になるので、剛性が高まる。また、補
強部材であるクロスメンバがバッテリの受け台を兼ねる
ので、専用のバッテリ受け台を備える必要がなく、しか
も、車体フレーム内のスペースを有効活用してバッテリ
を配置できるので、クローラ式運搬車を小型にできる。
更に、重量物であるバッテリの取付け高さが低くなるの
で、クローラ式運搬車の重心は低くなり、安定性が高
い。
【0016】請求項8記載の発明は、車体フレームの車
幅方向略中央に前後に1つの駆動輪及び1つの遊転輪を
取付け、これら駆動輪と遊転輪とに1条のクローラベル
トを掛け渡したクローラ式運搬車において、前記車体フ
レームの上部に荷台を取付け、この荷台に柵を取付け、
この柵の一部を上下揺動可能に構成し、この揺動柵で接
地スタンドを兼ねたことを特徴とする。柵の一部を揺動
するだけで接地スタンドを兼ねることができるので、揺
動柵から接地スタンドに切換える際に、車体を安定した
状態に維持でき、切換え操作も容易である。また、専用
の接地スタンドが不用であり、接地スタンドを収納する
スペースも不用である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向
に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。図
1は本発明に係るクローラ式運搬車の側面図であり、ク
ローラ式運搬車1は、車体フレーム2と、この車体フレ
ーム2の前後に取付けた1つの駆動輪3及び1つの遊転
輪4と、これら駆動輪3と遊転輪4とに掛け渡した1条
のクローラベルト5と、このクローラベルト5の張力を
調整するベルトテンショナ6と、車体フレーム2の上部
に取付けた荷台7と、この荷台7に取付けた柵8と、車
体フレーム2の後部に取付けたハンドル9とからなる。
【0018】クローラ式運搬車1は、1条クローラベル
ト5のループ内に、駆動輪3を回動するモータ20と、
このモータ20に電力を供給するバッテリ42とを備え
たことを特徴とする。モータ20やバッテリ42をルー
プ外に配置した場合に比べて、モータ20やバッテリ4
2の配置スペースを削減でき、クローラ式運搬車1が小
型になる。また、重量物であるモータ20やバッテリ4
2の取付け高さが低くなるので、クローラ式運搬車1の
重心は低くなり、安定性が高い。図5にて詳述するが、
バッテリ42はクロスメンバ41に載置する。
【0019】図2は本発明に係るクローラ式運搬車の平
面図であり、荷台7を省略したクローラ式運搬車1の姿
を示す。駆動輪3、遊転輪4及び想像線にて示されるク
ローラベルト5は、車体フレーム2の車幅方向略中央に
配置される。左右1対のベルトテンショナ6,6は、遊
転輪4を貫通した回転軸4aの左右端を走行方向に移動
させることにより、クローラベルト5の張力を調整する
ものである。
【0020】図3は本発明に係るクローラ式運搬車の分
解斜視図であり、荷台7を省略したクローラ式運搬車1
の姿を示す。車体フレーム2は、前後に長い枠体11
と、枠体11の左側部から垂下した左前側壁12及び左
後側壁13と、左前側壁12の下部と左後側壁13の下
部とに掛け渡した左ビーム14と、枠体11の右側部か
ら垂下した右前側壁15及び右後側壁16と、右前側壁
15の下部と右後側壁16の下部とに掛け渡した右ビー
ム17とからなる、正面視(この図の左側から視て)門
形状のフレーム本体である。41はクロスメンバであ
り、図5にて詳述する。
【0021】図4は図1の4−4線断面図であり、駆動
輪3とモータ20の結合構成を示す。車体フレーム2の
側部にモータ20を取付けたことを特徴とする。詳しく
は、車体フレーム2の左後側壁13にモータ用ベース1
8を固定した。モータ20は、モータ用ベース18に背
面をボルト止めした薄型筒状のケース21と、ケース2
1内に取付けた環状のステータ22と、ステータ22内
に配置しケース21に回転可能に支持したロータ23
と、ロータ23の回転を減速する減速機構24と、減速
機構24からの動力を出力する出力軸25と、出力軸2
5(ロータ23)の回転数を無段変速制御する制御回路
部26とからなる。出力軸25は、ケース21の前部
(この図の右端部)から水平に延出する。なお、前記モ
ータ20は防水構造であり、クローラ式運搬車1を水溜
まり、雪道、泥道等で走行しても差し支えない。
【0022】駆動輪3は、環状のスプロケット31と、
このスプロケット31の内周部に固定し左側端部のみ開
放した筒状の収納凹部32と、この収納凹部32の右側
端部に固定したボス部33とからなる。ボス部33にモ
ータ20の出力軸25を直接的に嵌合するので、モータ
20から駆動輪3への動力伝達構造は簡単な構成にな
る。また、ボス部33を軸受35で車体フレーム2の右
後側壁16に支持することで、出力軸25を、ケース2
1内の軸受27と外部の軸受35の両方で支持すること
になる。このため、出力軸25は曲げ剛性が高まり、駆
動輪3の負荷を十分に受けることができる。なお、36
はキー、37はブッシュである。
【0023】一方、モータ20の少なくとも一部を収納
凹部32に収納することで、駆動輪3とモータ20と
は、車幅方向にオーバーラップすることになる。また、
これによって、クローラベルト5の幅内にモータ20を
配置することができる。これらの結果、クローラベルト
5の幅方向中心にモータ20の重心が近づく。
【0024】可撓性材料製クローラベルト5は、ループ
状のベルト本体5aと、このベルト本体5aの幅方向中
央に開いた係合孔5bと、ベルト本体5aの内周面に起
設した左右1対のガイド凸部5c,5cと、ベルト本体
5aの外周面に所定のパターンで起設したトレッド5d
…(…は複数を示す。以下同じ。)とからなる。これら
の係合孔5b、ガイド凸部5c,5c及びトレッド5d
…は、ベルト本体5aの長手方向(この図の表裏方向)
に所定ピッチで配列し、しかも、係合孔5bはスプロケ
ット31の歯に係合するものである。
【0025】図5(a),(b)は本発明に係るクロス
メンバの構成図であり、(a)は側面図、(b)は
(a)のb−b線断面図である。(b)に示すように、
門形状の車体フレーム2の下部(左ビーム14の下部と
右ビーム17の下部)に、ブラケット19…を介して板
状のクロスメンバ41を掛け渡し、ボルト固定すること
で、車体フレーム2は断面視口字形になるので、剛性が
高まる。
【0026】また、補強部材であるクロスメンバ41
は、バッテリ42,42の受け台を兼ねる。詳しくは、
クロスメンバ41の上面に左右2つのバッテリ42を載
置し、これらのバッテリ42,42の上部に押え部材4
3,43を渡し、この押え部材43,43の両端とクロ
スメンバ41との間をステーボルト44…で結合したも
のである。
【0027】ところで本発明は、クロスメンバ41の下
部に、所定長さのスライダ46を備え、このスライダ4
6によってクローラベルト5の振れを防止することを特
徴とする。詳しくは、鋼管製スライダ46は、クローラ
ベルト5の内周面に接することで、クローラベルト5の
浮き上がりを抑制する役割を果たし、また、左右のガイ
ド凸部5c,5c間に介在して案内することで、クロー
ラベルト5の横振れを抑制する役割を果たす。
【0028】スライダ46がクローラベルト5の長手方
向に「線」で接するので、クローラベルト5の有効な接
地長さは大きい。このため、クローラベルト5の接地力
(グリップ)は高まり、また、路面の小さな凹凸に対し
てクローラベルト5の振れは少なくてすむ。また、スラ
イダ46が左右のガイド凸部5c,5cを案内して、ク
ローラベルト5の横振れを抑制するので、駆動輪3や遊
転輪4からのベルト外れを防止できる。なお、47はス
テーであり、クロスメンバ41とスライダ46とを結合
する部材である。
【0029】図6(a)〜(c)は本発明に係る荷台、
柵の構成図兼作用図であり、(a)は荷台7及び柵8の
構成を示し、(b)は揺動柵を起こした姿を示し、
(c)は揺動柵を倒した姿を示す。(a)に示すよう
に、本発明は、柵8のうち、荷台7の後部両側部を囲う
部分を揺動柵52,52としたことを特徴とする。詳し
くは、荷台7の縁にブラケット51…を備え、これらの
ブラケット51…に揺動柵52,52を上下揺動可能に
取付けることで、この揺動柵52,52を起こした姿と
倒した姿とにセットピン53,53でセット可能とした
ものである。揺動柵52,52の高さは、荷台7の高さ
より若干大きい。なお、54はチェーンである。
【0030】(b)に示すように、揺動柵52を起こし
た姿でセットピン53を上部孔51aにセットすると、
揺動柵52は起立状態を維持し、柵の役割を果たす。
(c)に示すように、揺動柵52を倒した姿でセットピ
ン53を下部孔51bにセットすると、揺動柵52は傾
倒状態を維持し、接地スタンドの役割を果たす。
【0031】次に上記構成のクローラ式運搬車1の組立
手順を図3に基づき説明する。 (1)駆動輪3をモータ20の出力軸25に結合し、こ
れにループ状のクローラベルト5を通し、この組立体を
車体フレーム2の下方から挿入する。 (2)車体フレーム2の左後側壁13に、モータ20の
背面をボルト止めする。 (3)車体フレーム2の右後側壁16に、駆動輪3のボ
ス部33を軸受35及びブッシュ37を介して取付け
る。 (4)遊転輪4に回転軸4aを回転自在に取付け、これ
にクローラベルト5のループを通す。
【0032】(5)回転軸4aの両端にベルトテンショ
ナ6,6をセットし、この状態で、車体フレーム2の下
方から挿入する。 (6)車体フレーム2の左前側壁12及び右前側壁15
に、ベルトテンショナ6,6をボルト止めする。 (7)ベルトテンショナ6,6を操作してクローラベル
ト5の張力を調整する。 (8)左右ビーム14,17間に、クロスメンバ41を
掛け渡してボルト止めする。 (9)クロスメンバ41にバッテリ42,42(図5参
照)を取付ける。 (10)車体フレーム2の上部に、図1にて示す荷台7
及び柵8、ハンドル9を取付けて、組立作業を完了す
る。
【0033】このように、車体フレーム2の下方から
(1方向から)駆動輪3、遊転輪4及びクローラベルト
5を組付けできるので、組付け性が良い。なお、上記組
立手順は、上記構成の理解を容易にするために説明する
ものであり、この組立手順に限定するものではない。
【0034】次に、上記構成のクローラ式運搬車1の作
用を図1に基づき説明する。クローラ式運搬車1は、モ
ータ20の回転数を無段変速制御することにより、例え
ば超低速から中速の範囲で無段変速走行が可能である。
モータ20の回転方向を正逆切換え操作することで、ク
ローラ式運搬車1を前進、後進できる。作業者はハンド
ル9を操縦して、クローラ式運搬車1を自由に操縦でき
る。また、図示せぬブレーキを操作することで、モータ
20は電力供給が停止され且つ回生制動される。このた
め、クローラ式運搬車1は停止する。クローラ式運搬車
1が停止した状態で左右の揺動柵52,52(この図で
は一方のみ示す。)を倒して接地させると、クローラ式
運搬車1は自立する。
【0035】クローラ式運搬車1は、上記構成とするこ
とにより、極めて小型であるにもかかわらず荷台7のス
ペースが大きい。寸法を例示するならば、車体フレーム
2の長さと幅は1000×300mm、荷台7の長さと
幅と高さは1200×400×500mmである。そし
て、1条のクローラベルト5を備えたクローラ式運搬車
1は、方向転換が容易である。このため、多くの荷物を
積んで、不整地であろうと、「けもの道」などの極めて
狭く曲がりくねった所であろうと、容易に通ることがで
きる。
【0036】なお、上記実施の形態において、車体フレ
ーム2の側部にモータ20を取付けたことを特徴とし、
モータ用ベース18の有無を問わない。例えば、図4に
示す寸法Lを小さくすれば、車体フレーム2の幅寸法を
小さくできるので、左後側壁13に直接にモータ20を
ボルト固定できる。
【0037】また、駆動輪3はスプロケット31を備え
た構成に限定するものではない。例えば、駆動輪3及び
遊転輪4をタイヤ付き車輪としたり、駆動輪3及び遊転
輪4を共にスプロケット構造の車輪としてもよい。更
に、揺動柵52,52は、荷台7の後部両側部に取付け
た構成に限定するものではなく、例えば前部両側部に取
付けてもよい。更にまた、スライダ46を転輪に代える
こともできる。転輪にすれば、クローラベルト5との摩
擦抵抗が小さい。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1記載の発明は、モータを1条クローラベ
ルトのループ内に配置したので、ループ外に配置した場
合に比べて、モータの配置スペースが削減でき、クロー
ラ式運搬車は小型になる。このため、クローラ式運搬車
を、極めて狭い所でも容易に通すことができる。また、
荷台の下にモータを配置したので、荷台のスペースが大
きくとれ、多くの荷物を積むことができる。従って、多
くの荷物を積んで、しかも、極めて狭い所を容易に走行
させることのできるクローラ式運搬車を提供できる。そ
して、クローラ式運搬車が小型なので、普通のバンタイ
プ車両の荷台に積載して作業現場等へ搬送することがで
き、搬送作業が簡単である。このため、従来のクローラ
式運搬車のように、作業現場へ搬送するために別途に搬
送用車両を準備したり、搬送用作業員を確保する必要が
ない。従って、作業の効率化を図れる。更に、重量物で
あるモータの取付け高さが低くなるので、クローラ式運
搬車の重心は低くなり、安定性が高まる。更にまた、モ
ータを動力源としたので、エンジンのように排気ガスを
発生せず、また低騒音にできるので、作業者の労働環境
性が高まり、特に、狭いトンネル内での労働環境性が高
まる。
【0039】請求項2記載の発明は、モータをクローラ
ベルトの幅内に配置したことにより、車幅を狭くできる
ので、けもの道のような山道、畦の上、狭い土木用道や
トンネルなどの細い所を容易に通ることができる。
【0040】請求項3記載の発明は、モータの出力軸を
駆動輪中央のボス部に直接的に嵌合したので、モータか
ら駆動輪への動力伝達構造が簡単であり、しかも、小型
にできる。このため、クローラ式運搬車が小型になる。
【0041】請求項4記載の発明は、駆動輪に収納凹部
を備え、この収納凹部にモータの少なくとも一部を収納
したことにより、クローラベルトの幅方向中心にモータ
の重心を近づけることができるので、クローラ式運搬車
の重量バランスが高まり、直進走行性が良く、操縦が容
易である。また、車幅を一層狭くできるので、狭い所を
より一層容易に通ることができる。
【0042】請求項5記載の発明は、車体フレームを正
面視門形状のフレーム本体とし、このフレーム本体の下
方からクローラベルトを組付け可能としたことにより、
車体フレームの下方である1方向からクローラベルトや
駆動輪、遊転輪を組付けできるので、組付け性が良い。
【0043】請求項6記載の発明は、車体フレームを正
面視門形状のフレーム本体とし、このフレーム本体の側
部にモータを取付けたので、モータを取付けるための特
別の取付け台等が不用であり、クローラ式運搬車を小型
にできる。
【0044】請求項7記載の発明は、車体フレームの下
部をクロスメンバで結合することにより、車体フレーム
が断面視口字形になるので、剛性が高まる。また、補強
部材であるクロスメンバがバッテリの受け台を兼ねるの
で、専用のバッテリ受け台を備える必要がなく、しか
も、車体フレーム内のスペースを有効活用してバッテリ
を配置できるので、クローラ式運搬車を小型にできる。
更に、重量物であるバッテリの取付け高さが低くなるの
で、クローラ式運搬車の重心は低くなり、安定性が高
い。
【0045】請求項8記載の発明は、車体フレームの上
部に荷台を取付け、この荷台に柵を取付け、この柵の一
部を上下揺動可能に構成し、この揺動柵で接地スタンド
を兼ねたことにより、柵の一部を揺動するだけで接地ス
タンドを兼ねることができるので、揺動柵から接地スタ
ンドに切換える際に、車体を安定した状態に維持でき、
切換え操作も容易である。また、専用の接地スタンドが
不用であり、接地スタンドを収納するスペースも不用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクローラ式運搬車の側面図
【図2】本発明に係るクローラ式運搬車の平面図
【図3】本発明に係るクローラ式運搬車の分解斜視図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】本発明に係るクロスメンバの構成図
【図6】本発明に係る荷台、柵の構成図兼作用図
【符号の説明】
1…クローラ式運搬車、2…車体フレーム、3…駆動
輪、4…遊転輪、5…クローラベルト、6…ベルトテン
ショナ、7…荷台、8…柵、9…ハンドル、20…モー
タ、25…出力軸、32…収納凹部、33…ボス部、4
1…クロスメンバ、42…バッテリ、46…スライダ、
51…ブラケット、52…揺動柵。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八代 千秋 秋田県秋田市川元開和町9番1号 株式会 社電洋社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレームの車幅方向略中央に前後に
    1つの駆動輪及び1つの遊転輪を取付け、これら駆動輪
    と遊転輪とに1条のクローラベルトを掛け渡し、駆動輪
    をモータで回動するクローラ式運搬車において、前記モ
    ータを、前記クローラベルトのループ内に配置したこと
    を特徴とするクローラ式運搬車。
  2. 【請求項2】 前記モータをクローラベルトの幅内に配
    置したことを特徴とする請求項1記載のクローラ式運搬
    車。
  3. 【請求項3】 前記モータの出力軸を駆動輪中央のボス
    部に直接的に嵌合したことを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載のクローラ式運搬車。
  4. 【請求項4】 前記駆動輪に収納凹部を備え、この収納
    凹部に前記モータの少なくとも一部を収納したことを特
    徴とした請求項3記載のクローラ式運搬車。
  5. 【請求項5】 前記車体フレームを正面視門形状のフレ
    ーム本体とし、このフレーム本体の下方から前記クロー
    ラベルトを組付け可能としたことを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3又は請求項4記載のクローラ式
    運搬車。
  6. 【請求項6】 前記車体フレームを正面視門形状のフレ
    ーム本体とし、このフレーム本体の側部に前記モータを
    取付けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3又は請求項4記載のクローラ式運搬車。
  7. 【請求項7】 前記車体フレームの下部にクロスメンバ
    を掛け渡し、このクロスメンバにバッテリを載置したこ
    とを特徴とする請求項5又は請求項6記載のクローラ式
    運搬車。
  8. 【請求項8】 車体フレームの車幅方向略中央に前後に
    1つの駆動輪及び1つの遊転輪を取付け、これら駆動輪
    と遊転輪とに1条のクローラベルトを掛け渡したクロー
    ラ式運搬車において、前記車体フレームの上部に荷台を
    取付け、この荷台に柵を取付け、この柵の一部を上下揺
    動可能に構成し、この揺動柵で接地スタンドを兼ねたこ
    とを特徴とするクローラ式運搬車。
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