JPWO2008105292A1 - 変速装置及びその変速装置を備えた移動ロボット - Google Patents

変速装置及びその変速装置を備えた移動ロボット Download PDF

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茂男 廣瀬
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雄一 寺西
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Abstract

入力は一定のままで出力側の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とする変速装置を提供することにある。正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構130と、変速機構により変速された正方向の高速回転を、乾式クラッチ10を介して、正回転を伝達する1ウエイクラッチ122の内輪122bに伝達する第1の伝達経路と、変速機構により変速された正方向の低速回転を正方向の低速入力回転を、正回転を伝達する1ウエイクラッチ122の外輪122aに伝達する第2の伝達経路とを備え、出力軸120の負荷状態に応じて乾式クラッチ10の滑り作用と1ウエイクラッチ122の断続作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替える。これにより、正方向の入力は一定のままで出力軸120の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。

Description

本発明は、入力の変速比を自動的に切り替えて出力とする変速装置及びその変速装置を備えた移動ロボットに関し、特に出力側の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替える変速装置及びその変速装置を備えた移動ロボットに関する。
自動車に適用される変速装置として、クラッチ機構を2つ持つ所謂ツインクラッチ変速装置が提案されている(特許文献1参照)。このツインクラッチ変速装置は、変速機構が備える第一入力軸とエンジンとを結合する第一クラッチと、変速機構が備える第二入力軸とエンジンとを結合する第二クラッチとを持ち、第一及び第二入力軸はそれぞれ変速比の異なる複数の駆動歯車を有し、何れか一つが出力軸の被動歯車と噛合して動力を伝達するようになっている。そして、加速切替操作では、例えば低速側の第一入力軸の変速歯車対が噛合し第一クラッチが結合して走行している状態から高速側の第二入力軸の変速歯車対に切り替える場合には、一時的に二つのクラッチで分担して動力を伝達することにより切替操作している。
即ち、第一クラッチが完全に結合し第二クラッチが開離した状態から、第二クラッチの結合割合を徐々に大きくすると同時に第一クラッチの結合割合を徐々に小さくして、動力の伝達経路を第一クラッチから第二クラッチに移しながら、最終的に第二クラッチで全動力を伝達するようにしている。このように、ツインクラッチ変速装置では、動力の伝達を遮ることなく円滑に切替操作を行っている。このような加速切替操作はほぼ一定の車両走行速度で行われるため、高速側の第二入力軸の回転数は、低速側の第一入力軸の回転数よりも小さい。したがって、加速切替操作時には駆動源の回転数を減少させることが必要であり、電子制御により対応している。と同時に、第二クラッチはすべりを生じており、駆動源の回転数を減少させるブレーキとしての作用を果たしている。そして、操作終了時には第二クラッチは完全に結合し、第二入力軸は駆動源に同期して回転し、アクセル操作により駆動源の回転数を再度増加させて加速することができる。
特開2003−120764号公報
近年、ロボットの開発が進んでおり、物を把持するためのグリッパや地上を移動するためのクローラ等に変速装置を搭載するようになってきている。ところが、上述した変速装置では、加減速切替操作時に駆動源の回転数を変動させる必要があり、その制御系が複雑で大型化するおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、入力は一定のままで出力側の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とする変速装置及びその変速装置を備えた移動ロボットを提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の変速装置では、正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、前記変速機構により変速された正方向の高速回転を、第1のクラッチ機構を介して、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達する第1の伝達経路と、前記変速機構により変速された正方向の低速回転を、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と1ウエイの第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることを特徴としている。これにより、出力軸の負荷が小さいときは第2のクラッチ機構を作用させず、第1のクラッチ機構を作用させて高速回転の出力とし、一方、出力軸の負荷が大きいときは第1のクラッチ機構を作用させず、第2のクラッチ機構を作用させて低速回転の出力とするように構成することができるので、正方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
また、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、前記変速機構により変速された正方向の高速回転を、第1のクラッチ機構とバックラッシュ機構を介して、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達する第1の伝達経路と、前記変速機構により変速された正方向の低速回転を、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と1ウエイの第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることを特徴としている。これにより、1ウエイの第2のクラッチ機構を用いて、正方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができ、また、逆方向の入力は高速回転のみを出力とすることができる。
また、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、前記変速機構により変速された正方向の高速回転を、第1のクラッチ機構を介して、正回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達し、又は前記変速機構により変速された逆方向の高速回転を、第1のクラッチ機構を介して、逆回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達する第1の伝達経路と、前記変速機構により変速された正方向の低速回転を、正回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達し、又は前記変速機構により変速された逆方向の低速回転を、逆回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と2ウエイの第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることを特徴としている。これにより、正方向又は逆方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
また、第1のクラッチ機構は、滑りを生じる機構であることを特徴としている。これにより、出力軸の負荷が増大すると第1のクラッチ機構に滑りが生じて動力の伝達を減衰させることができるので、第2のクラッチ機構により変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。また、第1のクラッチ機構は、出力軸の負荷状態に感応して断続する機構であることを特徴としている。これにより、出力軸の負荷が増大したときに第1のクラッチ機構を完全に切断して動力の伝達ロスを低減することができる。
上記目的達成のため、本発明の変速装置では、被搭載装置に搭載され、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、被搭載装置に固定可能な固定シャフトと、固定シャフトに回転自在に取り付けられた出力軸となる回転ドラムと、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられたモータと、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、モータからの正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、回転ドラムの負荷状態に感応して正方向又は逆方向の高速入力回転の伝達を断続する負荷トルク感応クラッチと、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、負荷トルク感応クラッチが切断状態にあるときは正方向又は逆方向の低速入力回転を回転ドラムに伝達し、負荷トルク感応クラッチが接続状態にあるときは正方向又は逆方向の高速入力回転を回転ドラムに伝達する2ウエイクラッチとを備えたことを特徴としている。これにより、正方向又は逆方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる小型軽量で簡易な機構の変速装置を構成することができる。
また、変速機構は歯車列を備え、モータから負荷トルク感応クラッチ及び2ウエイクラッチに至る間の歯車列は同一構成のものが2組対向配置されていることを特徴としている。これにより、変速機構をコンパクトに纏めることができると共に、伝達トルクを大きくすることができる。また、負荷トルク感応クラッチは、滑りを生じる機構であることを特徴としている。これにより、回転ドラムの負荷が増大すると負荷トルク感応クラッチに滑りが生じて動力の伝達を減衰させることができるので、2ウエイクラッチにより変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
上記目的達成のため、本発明のクローラを備えた移動ロボットでは、クローラの一端部に上記各変速装置が配置され、クローラの他端部にクローラプーリが配置され、変速装置の回転ドラムとクローラプーリとの間にクローラベルトが架け渡されていることを特徴としている。これにより、上記作用・効果を奏する移動ロボットを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る変速装置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る変速装置を示す斜視図である。 図2の負荷トルク感応クラッチの概念図である。 図3の負荷トルク感応クラッチの動作を説明するための斜視図である。 移動ロボットに搭載可能な変速装置の外観を示す斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第1の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第2の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第3の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第4の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第5の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第6の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第7の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第8の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第9の斜視図である。 図5の変速装置の組立工程を示す第10の斜視図である。 図5の変速装置を備えた移動ロボットを示す斜視図である。
符号の説明
1 移動ロボット、2 クローラ、3 ロボットハンド、4 クローラプーリ、5 クローラベルト、10 乾式クラッチ、20 負荷トルク感応クラッチ、100、200、300 変速装置、110、210 入力軸、111、211 摩擦クラッチ板、120 出力軸、121、221 被摩擦クラッチ板、122 1ウエイクラッチ、130、230 減速機構、131、231 第1プーリ、132 伝達軸、133、233 第2プーリ、134、234 第3プーリ、135、136、235、236 ベルト、220 クラッチ軸、222 出力カム、223 圧縮バネ、237 2ウエイクラッチ、301 固定シャフト、303 回転ドラム、310 モータ、320 減速機構、340 2ウエイクラッチ、350 負荷トルク感応クラッチ
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る変速装置を示す斜視図である。この変速装置100は、図示しないモータの回転軸に一端が連結された入力軸110と、図示しないクローラの車軸に一端が連結された出力軸120と、入力軸110と出力軸120を連結する減速機構(変速機構)130を備えている。入力軸110は、他端に摩擦クラッチ板(第1のクラッチ機構)111が固定され、中間に減速機構130を構成する第1プーリ131が嵌入されている。出力軸120は、他端に被摩擦クラッチ板(第1のクラッチ機構)121が固定され、中間に1ウエイクラッチ(第2のクラッチ機構)122が嵌入されている。減速機構130は、伝達軸132の両側に第2プーリ133及び第3プーリ134がそれぞれ嵌入されており、第2プーリ133は第1プーリ131とベルト135を介して連結され、第3プーリ134は1ウエイクラッチ122の外輪122aとベルト136を介して連結されている。尚、1ウエイクラッチ122の外輪122aは、減速機構130も構成している。また、1ウエイクラッチ122のころ122cを支持する保持器122dは、図示しない一端を静止系に固定した摩擦板を押し付けて回転方向とは逆の抵抗を与える。
このような構成の変速装置100は、正回転時の入力の変速比を出力側の負荷状態に応じて、低減速比又は高減速比に自動的に切り替えて出力とすることができる2つの伝達経路を備えている。低減速比の伝達経路(第1の伝達経路)は、モータから入力軸110に入力した回転動力を、摩擦クラッチ板111と当接している被摩擦クラッチ板121を介して出力軸120から低減速比の回転動力としてクローラへ出力する経路である。また、高減速比の伝達経路(第2の伝達経路)は、モータから入力軸110に入力した回転動力を、第1プーリ131からベルト135を介して第2プーリ133に伝達して減速し、更に第3プーリ134からベルト136を介して1ウエイクラッチ122の外輪122aに伝達して更に減速し、1ウエイクラッチ122の内輪122bを介して出力軸120から高減速比の回転動力としてクローラへ出力する経路である。
次に、2つの伝達経路の自動切替動作について説明する。この変速装置100は、外輪122a、内輪122b、ころ122c、そしてころ122cを外輪のランプ部に押し付けるための保持器122dを有する1ウエイクラッチ122と、摩擦クラッチ板111及び被摩擦クラッチ板121を有する乾式クラッチ10の機能を利用している。
ここで、1ウエイクラッチ122とは、ころ122cが外輪122aの内面に形成された三角柱状の突起の傾斜したカム面122aaと噛み合うことによって一方向のみ回転動力を伝達することができるクラッチである。また、乾式クラッチ10とは、入力軸110と出力軸120のそれぞれに接続された摩擦クラッチ板111と被摩擦クラッチ板121を接触させることで生じる摩擦力により回転動力を伝達することができるクラッチである。
出力軸120が低負荷のときは、外輪122aの回転速度よりも出力軸120の回転速度が速いため、ころ122cは外輪122aのカム面122aaと噛み合わず、外輪122aの回転動力は出力軸120に伝達されない。従って、低減速比の伝達経路で回転動力が伝達され、出力軸120を低減速比で回転することができる。一方、出力軸120に高負荷が生じると、摩擦クラッチ板111と被摩擦クラッチ板121との間で滑りが生じて低減速比の伝達経路の回転動力は低下していく。そのため、出力軸120の回転速度は遅くなっていくが、外輪122aは回転運動を続けているため、出力軸120の回転速度が外輪122aより遅くなると、ころ122cが外輪122aのカム面122aaと噛み合い、出力軸120は外輪122aと一体となって高減速比で回転される。
このように正回転時の低減速比から高減速比への切り替えは、出力軸120に掛かる負荷によって1ウエイクラッチ122の内輪122bの回転速度が低下し、内輪122bの回転速度が外輪122aの回転速度を下回ったときに起こる。しかし、同一の入力軸110から低減速比の回転動力と高減速比の回転動力を出力軸120と外輪122aにそれぞれ伝達しているため、一定以上の負荷が出力軸120に生じた場合に、低減速比の回転動力を遮断する機構がないと出力軸120の負荷によってベルト135を介して入力軸110の回転数が低下し、外輪122aの回転速度も低下する。従って、内輪122bと外輪122aの回転速度の比率は縮まらず、出力軸120に大きな負荷が掛かったとしても低減速比から高減速比への切り替えは起きない。そこで、一定以上の負荷が内輪122bに生じた場合に、低減速比の回転動力を遮断する機構として乾式クラッチ10が設けられている。この乾式クラッチ10は、図示しないスプリングを用いて摩擦クラッチ板111を被摩擦クラッチ板121に押し付けて入力軸110の回転動力を出力軸120に伝達している。従って、出力軸120に大きな負荷が掛かると摩擦クラッチ板111と被摩擦クラッチ板121との間で滑りが生じて乾式クラッチ10が切れた状態となり、入力軸110は空転して低減速比の回転動力を遮断することができる。
なおこの機構で逆回転をしようとすると低減速比の伝達経路と高減速比の伝達経路が両者とも1ウエイクラッチ122を介して出力軸120に繋がるため出力はロックしてしまう。そこで図1に示すように、バックラッシュ機構141をプーリ131と摩擦クラッチ板111の間に配置する。バックラッシュ機構141は、入力軸110に嵌入固定された円板141aと、この円板141aの端面に軸方向に突設されたピン141bと、出力軸120の周面に径方向に突設され、ピン141bと当接可能なピン141cを備えている。このような構成によれば、略1回転分のバックラッシュを取ることができる。この機構140で入力軸110が正回転から逆転すると、減速機構130を介して1ウエイクラッチ122の外輪122aはすぐ逆転しようとするが、内輪122bはしばらく回転せず、ころ122cは保持器122dの摩擦板の効果でその場に止まろうとする。そのため外輪122aはころ122cとの噛み合い位置から離れる。ころ122cが外輪122aのカム面122aaから離れた後に内輪122bも回転し始めるが、この時に保持器122dは摩擦板によって逆方向の抵抗を与えられているため、ころ122cは保持器122dによってその位置を維持しようとする。従って、ころ122cは外輪122aのカム面122aaとの噛み合い位置に進むことはなく、入力軸110はロックされない。このように動作するため、図1の変速装置100は、正回転では負荷に応じて2段変速を行い、逆回転時には高速回転を行う。
上述した実施形態では、モータから入力軸110の図示右端部に入力する場合を説明したが、モータから伝達軸132の図示右端部に入力するようにしても良い。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る変速装置を示す斜視図である。この変速装置200は、図示しないモータの回転軸に一端が連結された入力軸210と、クラッチ軸(第1のクラッチ機構)220と、図示しないクローラの車軸に一端が連結された出力カム(第1のクラッチ機構)222と、2ウエイクラッチ237と、入力軸210と2ウエイクラッチ237の内輪237bを連結する減速機構(変速機構)230を備えている。入力軸210は、他端に摩擦クラッチ板(第1のクラッチ機構)211が固定され、中間に減速機構230を構成する第1プーリ231が嵌入されている。クラッチ軸220は、一端に被摩擦クラッチ板(第1のクラッチ機構)221が固定され、他端に圧縮バネ223が被摩擦クラッチ板221を摩擦クラッチ板211に圧接しており、中間に出力カム222と一体をなし減速機構230を構成する第2プーリ233が回転自在に嵌入されている。減速機構230は、伝達軸232の両側に第3プーリ234及び2ウエイクラッチ(第2のクラッチ機構)237がそれぞれ嵌入されており、第3プーリ234は第1プーリ231とベルト235を介して連結され、2ウエイクラッチ237の外輪237aは第2プーリ233とベルト236を介して連結されている。
このような構成の変速装置200は、正回転時又は逆回転時の入力の変速比を出力側の負荷状態に応じて、低減速比又は高減速比に自動的に切り替えて出力とすることができる2つの伝達経路を備えている。低減速比の伝達経路(第1の伝達経路)は、モータから入力軸210に入力した回転動力を、摩擦クラッチ板211と当接している被摩擦クラッチ板221を介してクラッチ軸220に取り付けられて突起部220aからカム面222aを伝達して出力カム222に回転を伝達する経路である。また、高減速比の伝達経路(第2の伝達経路)は、モータから入力軸210に入力した回転動力を、第1プーリ231からベルト235を介して第3プーリ234に伝達して減速し、更に2ウエイクラッチ237の内輪237bからころ237cを介して外輪237aに回転を伝達し、更にベルト236を介して第2プーリ233に伝達し、これに固定された出力カム222に回転を伝達する経路である。
次に、2つの伝達経路の自動切替動作について説明する。この変速装置200は、外輪237a、多角形板237b及びころ237cを有する2ウエイクラッチ237と、摩擦クラッチ板211、被摩擦クラッチ板221、クラッチ軸220、出力カム222及び圧縮バネ223を有する負荷トルク感応クラッチ20の機能を利用している。
ここで、2ウエイクラッチ237は、ころ237cを保持している保持器が静止系に摩擦板で接触しているため、多角形板237bが時計回りに回転すると保持器は相対的に回転が遅れ、時計回りの方向に1ウエイクラッチとして動作する。即ち、ころ237cが多角形板237bと外輪237aとの間の反時計回り方向に位置した状態で、多角形板237bに時計回りに回転動力を与えると、多角形板237bと外輪237aとの間にころ237cが楔のように挟まり、外輪237aに時計回りの回転動力が伝達され、一方、外輪237aに時計回りに内輪の多角形板237bより早い速度で回転動力を与えると、ころ237cは楔のように挟まることなく空転し、多角形板237bには回転動力は伝達しない。また、上記と同じ原理で、多角形板237bが反時計回りの方向に回転すると、反時計回りの方向に1ウエイクラッチとして動作する。
上述した実施形態では、モータから入力軸210の図示右端部に入力する場合を説明したが、モータから伝達軸232の図示右端部に入力するようにしても良い。
図3は、負荷トルク感応クラッチ20の概念図、図4は、負荷トルク感応クラッチ20の動作を説明するための斜視図である。この負荷トルク感応クラッチ20は、図3に示すように、中空円筒状の出力カム222が中実円柱状のクラッチ軸220に挿入され、出力カム222の一側面に設けられている谷状のカム面222aがクラッチ軸220の周面に突設されている突起部220aに当接されている。そして、クラッチ軸220が圧縮バネ223により軸方向に付勢されて、被摩擦クラッチ221が摩擦クラッチ板211に押し付けられている。そして、クラッチ軸220は、回転及び軸方向の移動は自在とされているが、出力カム222は、回転は自在とされているが軸方向の移動は拘束されている。
このような構成の負荷トルク感応クラッチ20の動作について説明する。出力カム222に所定以下の負荷トルクしか掛かっていないときは、図4(A)に示すように、クラッチ軸220の突起部220aは出力カム222のカム面222a谷底に位置して、被摩擦クラッチ221は摩擦クラッチ211と当接している。従って、入力軸210に入力された回転動力は摩擦クラッチ211及び被摩擦クラッチ221を介してダイレクトに出力カム222に伝達されている。一方、出力カム222に所定以上の負荷トルクTが掛かると、図4(B)に示すように、出力カム222が負荷トルクTを軸力Fへと変換し、圧縮バネ223による被摩擦クラッチ221の摩擦クラッチ211への押し付け力を相殺し始める。そして、当該押し付け力がある値まで小さくなると被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211との間が滑り始めて回転動力の伝達が途切れる。
ここで、図3に示す各符号を用いて更に説明する。尚、各符号の内容は以下の通りである。
Fo:圧縮バネ223の押し付け力
F´:出力カム222による軸力
F:被摩擦クラッチ221の押し付け力
Tin:入力トルク
Tout:負荷トルク
r:クラッチ軸220の軸中心から出力カム222の作用点までの距離
θ:出力カム222の接触角
被摩擦クラッチ221の最大許容トルクFは押し付け力に比例することから次式(1)〜(3)が成立する。尚、Tslip:被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが滑り始めるトルク、α:比例定数である。
F=Fo−F´…(1)
F´=Tout/r・tanθ…(2)
Tslip=αF…(3)
被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが滑り始めるときのトルクTslipは、式(1)〜(3)にTout=Tslipを代入することにより次式(4)で求まる。
Tslip=αr・tanθ・Fo/(r・tanθ−α)…(4)
式(4)より被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが滑り始める限界の負荷トルクToutは、圧縮バネ223の押し付け力Foに正比例し、出力カム222の接触角θにも影響を受けることが分かる。また、2ウエイクラッチ237との組み合わせにより、負荷トルクToutが増大し被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが滑って伝達が途切れた時にも、出力カム222に負荷トルクToutが作用し続けるようになっている。そのため、負荷トルクToutの増大によって被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211の切り離しが起こる。被摩擦クラッチ221の押し付け力Fは次式(5)で表される。
F=Fo−Tout/r・tanθ…(5)
F=0の点を取ることで、切り離しが起こる負荷トルクToutを次式(6)で求める。
Tout=For・tanθ…(6)
以上のように、本実施形態の変速装置200は、負荷トルクToutによって動作状態が変化する。出力トルクと負荷トルクToutは定常状態では等しいので、出力トルクToutの範囲によって場合分けして以下にそれぞれ説明する。
0<Tout<Tslip:高速低トルクモード
出力トルクToutが被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが滑り始めるトルクTslipより小さい場合、変速装置200は高速低トルクモードで動作する。負荷感応クラッチ20が接続されているため、モータの回転動力は直接に出力カム222に伝達される。また、2ウエイクラッチ237は多角形板237bが低速で回転し、外輪237aが同方向に高速で回転するため空転状態となり、高速回転と低速回転の干渉を防いでいる。
Tslip≦Tout<Tcut:低速高トルクモード
出力トルクToutが、被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが滑り始めるトルクTslipより大きく、被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが切断するトルクTcutよりも小さい場合、変速装置200は低速高トルクモードで動作する。負荷感応クラッチ20は滑りを生じてモータの回転動力の伝達は大きく減少する。出力カム222は回転動力の伝達が減少したことにより回転速度が落ちる。出力カム222は2ウエイクラッチ237の外輪237aと接続されているため、多角形板237bの回転速度まで出力カム222の回転速度が落ちた時点で外輪237aと多角形板237bが噛み合い、低速高トルクで回転し始める。
Tcut≦Tout:低速高トルクモード
出力トルクToutが被摩擦クラッチ221と摩擦クラッチ211とが切断するトルクTcutより大きい場合、変速装置200は低速高トルクモードで動作する。負荷感応クラッチ20は押し付け力Fが0になるため、完全に切り離されて回転動力の伝達が無くなる。そのため、出力カム222は2ウエイクラッチ237の噛み合いによって低速高トルクで回転する。
以上のように、第1の実施形態の変速装置100によれば、正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構130と、正方向の高速入力回転を、乾式クラッチ10を介して、正回転を伝達する1ウエイクラッチ122の内輪(出力軸)122bに伝達する第1の伝達経路と、正方向の低速入力回転を、正回転を伝達する1ウエイクラッチ122の外輪(入力軸)122aに伝達する第2の伝達経路とを備えている。このため、出力軸120の負荷状態に応じて乾式クラッチ10の滑り作用と1ウエイクラッチ122の断続作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることができる。即ち、出力軸120の負荷が小さいときは1ウエイクラッチ122を作用させず、乾式クラッチ10を作用させて高速回転の出力とし、一方、出力軸120の負荷が大きいときは第1のクラッチ機構を作用させず、1ウエイクラッチ122を作用させて低速回転の出力とするように構成することができるので、正方向の入力は一定のままで出力軸120の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。そして、この切り替えの中間点では動作の不安定さが生じず、著しく安定にかつ自動的に変速動作させることができる。
また、第2の実施形態の変速装置200によれば、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構230と、正方向の高速入力回転を、負荷トルク感応クラッチ20を介して、正回転を伝達する状態にある2ウエイクラッチ237の外輪(出力軸)237aに伝達し、又は逆方向の高速入力回転を、第1のクラッチ機構を介して、逆回転を伝達する状態にある2ウエイクラッチ237の外輪(出力軸)237aに伝達する第1の伝達経路と、正方向の低速入力回転を、正回転を伝達する状態にある2ウエイクラッチ237の内輪(入力軸)237bに伝達し、又は逆方向の低速入力回転を、逆回転を伝達する状態にある2ウエイクラッチ237の内輪(入力軸)237bに伝達する第2の伝達経路とを備えている。このため、出力カム222の負荷状態に応じて負荷トルク感応クラッチ20の断続作用と2ウエイクラッチ237の断続作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることができ、正方向又は逆方向の入力は一定のままで出力軸222の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。そして、この切り替えの中間点では動作の不安定さが生じず、著しく安定にかつ自動的に変速動作させることができる。
尚、上述した第1の実施形態の変速装置100の1ウエイクラッチ122の代わりに2ウエイクラッチを用いても良く、更に乾式クラッチ10の代わりに負荷トルク感応クラッチを用いても良い。また、上述した第2の実施形態の変速装置200の2ウエイクラッチ237の代わりに1ウエイクラッチを用いても良く、更に負荷トルク感応クラッチ20の代わりに乾式クラッチを用いても良い。また、上述した各実施形態では、減速機構130、230としてベルト・プーリ機構を用いたが、ギア機構等であっても同様に適用することができる。また、乾式クラッチ10や負荷トルク感応クラッチ20においては摩擦板を用いたクラッチとしたが、流体を用いたクラッチとしても良い。また、1ウエイクラッチ122はころ122cを用いたローラ方式を使用したが、内輪もしくは外輪に爪を備え、外輪もしくは内輪に爪が引っ掛かる突起を備えたラチェット方式の1ウエイクラッチであっても同様に使用することができる。
ところで機械システムにおいてアクチュエータを減速して使用する場合、その減速比は要求速度や想定される負荷に応じて決定される。しかし、負荷状態が大きく変動するような機械システムでは固定された減速比では効率よく駆動することができず、対応できる負荷の範囲も狭い。この課題に対応するため、負荷状態が変化する機械システムではアクチュエータと負荷との間の減速比を変えるために変速装置が導入されるのが一般的である。変速装置を導入することによって、アクチュエータを最も効率の良い運転状態、または最も高出力の運転状態に保ったまま、高速低トルクの出力や低速高トルクの出力を生成することができる。
負荷条件が予測不可能に変化する代表的な例として、移動機械の駆動系が挙げられる。発進時に必要な低速で高トルクの出力と定常走行時に必要な高速で低トルクの出力は変速装置を使用することで、小さなアクチュエータで両立することができる。移動機械の駆動系においては変速装置の導入が非常に効果的であるため、自動車等の大型機械では必ずといっていいほど変速装置が搭載されている。しかしながら、現在盛んに研究されている移動ロボットの分野ではその移動の形態によらず駆動系に変速装置が搭載されたロボットは、重量増加、機構の複雑化、大型化などの問題が発生するために非常に少ない。本出願人は、上述した第2の実施形態の変速装置200の原理を利用した小型軽量で簡易な機構の移動ロボットに搭載可能な変速装置を開発したので以下説明する。
図5は、移動ロボットに搭載可能な変速装置の外観を示す斜視図、図6〜図15は、図5の変速装置の組立工程を示す斜視図である。この変速装置300は、例えば移動ロボットのクローラに固定される固定用フランジ(図5等参照)302が両端に取り付けられた円柱棒状の固定シャフト(図6等参照)301と、当該クローラプーリを構成する中空円筒状の回転ドラム(図5等参照)303と、当該クローラ駆動源を構成するモータ(図6等参照)310、減速機構(変速機構)(図11等参照)320、2ウエイクラッチ(第2のクラッチ機構)(図13等参照)340及び負荷トルク感応クラッチ(第1のクラッチ機構)(図15等参照)350を備えている。モータ310、減速機構320、2ウエイクラッチ340及び負荷トルク感応クラッチ350は、回転ドラム303に内蔵されて当該ドラム303と共に固定シャフト301周りを回転自在となるように、図示しない軸受を介して固定シャフト301に取り付けられている。即ち、最外殻の回転ドラム303が出力軸となっており、この回転ドラム303にクローラベルトを巻き付けることによりクローラを駆動することができる。このような構成の変速装置300の詳細について組立順に以下説明する。
図6に示すように、モータ310は、固定シャフト301の略中央に嵌め込まれている。このモータ310は、固定シャフト301に図示しないコイルが固定され、外周に図示しない永久磁石が配置された円筒状の回転ヨーク311が配置された構造となっている。この回転ヨーク311の図示右端面311aには減速機構320を構成する第1歯車321が取り付けられており、回転ヨーク311の入力回転がこの第1歯車321から回転ドラム303へ伝達されるようになっている。
図7に示すように、第1歯車321の径方向両側には、この第1歯車321と噛み合う減速機構320を構成する2つの第2歯車322(図では一方のみ示す)と、各第2歯車322と同軸で一体化された減速機構320を構成する第3歯車323がそれぞれ配置されている。モータ310のシャフト方向両側には、減速機構320を構成する矩形板状の2枚の歯車取付板324がそれぞれ嵌め込まれている。そして、各第2、第3歯車322、323は、2枚の歯車取付板324の4つの角部間に架け渡されている減速機構320を構成する4本の歯車取付シャフト325、326のうち、一方の対角の2本の歯車取付シャフト325(図では一方のみ示す)にそれぞれ嵌め込まれている。
図8に示すように、他方の対角の2本の歯車取付シャフト326には、各第3歯車323と噛み合う減速機構320を構成する第4歯車327がそれぞれ嵌め込まれている。更に、当該2本の歯車取付シャフト326には、中央に減速機構320を構成する第5歯車328がそれぞれ嵌め込まれ、図示左側の歯車取付板324から突出した端部に減速機構320を構成する第6歯車329がそれぞれ嵌め込まれている。
図9に示すように、モータ310の回転ヨーク311の外側には、各第5歯車328と噛み合う減速機構320を構成する内周歯330aを有するロータリング330が配置されている。このロータリング330は、軸方向断面が凹形状、即ち外周面中央に角溝330bが形成されている。そして、この角溝330b内には、回転ドラム303の内周面と当接して回転摺動する4つのローラ330c(図では1つのみ示す)が等間隔(90°間隔)で図示しない軸受を介して軸支されている。更に、ロータリング330は、両端面に負荷トルク感応クラッチ350を構成する略円環状の摩擦板355が取り付けられている。回転ヨーク311の入力回転は、第1〜第5歯車321〜328及び内周歯330aを介して高速低トルク回転とされ、ロータリング330から負荷トルク感応クラッチ350を介して回転ドラム303へ伝達されるようになっている。
図10に示すように、一方の対角の2本の歯車取付シャフト325(図では一方のみ示す)における図示左側の歯車取付板324から突出した端部には、各第6歯車329と噛み合う減速機構320を構成する第7歯車331(図では一方のみ示す)と、減速機構320を構成する第8歯車332(図では一方のみ示す)がそれぞれ嵌め込まれている。
図11に示すように、2ウエイクラッチ340を構成する六角形状の多角形カム341が、固定シャフト301の図示左端に嵌め込まれている。この多角形カム341の図示右端面には各第8歯車332(図では一方のみ示す)と噛み合う減速機構320を構成する第9歯車333が取り付けられている。回転ヨーク311の入力回転は、第1〜第9歯車321〜333を介して低速高トルク回転とされ、2ウエイクラッチ340から負荷トルク感応クラッチ350を介して回転ドラム303へ伝達されるようになっている。尚、第2〜第8歯車322〜332は上下二段に配置されているが、これにより伝達トルクを大きくすることができる。
図12に示すように、2ウエイクラッチ340を構成する円板状のローラ保持板342が、固定シャフト301の図示左端であって多角形カム341と固定用フランジ302の間に嵌め込まれている。このローラ保持板342の図示右端面には、多角形カム341の各カム面341aと対応するように2ウエイクラッチ340を構成する6つの2ウエイクラッチローラ343(図では4つのみ示す)が回転自在に軸支されている。
図13に示すように、ローラ保持板342の外側には、2ウエイクラッチ340を構成する略円筒状のリング344が配置されている。このリング344は、内周面344aで各2ウエイクラッチローラ343と接触・離間する。ローラ保持板342は、固定シャフト301とオイルシールを介して接触している。ここで発生する摩擦によって、多角形カム341やリング344に対して2ウエイクラッチローラ343は遅れて回転する。また、2ウエイクラッチローラ343は2つの軸受343aで軸343bに支持されているが、当該軸343bの寸法を軸受343aの内径よりもわずかに小さくすることでがたを持たせ、多角形カム341の各カム面341aの位相の誤差を吸収して噛み込み易くしている。リング344の図示右端面には、負荷トルク感応クラッチ350を構成する略円筒状の第1リング351(図14参照)を軸方向(図示右方向)に付勢する負荷トルク感応クラッチ350を構成する4つのコイルスプリング352(図では3つのみ示す)が等間隔(90°間隔)で軸方向を向いて支持されていると共に、第1リング351を係止するための4つのピン344bがコイルスプリング352と45°の間隔をおいて軸方向を向いて突設されている。
図14に示すように、第1リング351は、ロータリング330とリング344の間に配置されている。この第1リング351の図示左外周面には、8本のピン351a(図では4つのみ示す)が等間隔(45°間隔)で径方向に突設されている。また、ロータリング330の図示右端面側には、ロータリング330を定位置に位置決めするための負荷トルク感応クラッチ350を構成するストッパリング353が配置されている。このストッパリング353は、コイルスプリング352で軸方向(図示右方向)に付勢されている第1リング351がロータリング330の摩擦板355と圧接できるように回転ドラム303の内周面に固定されている。
図15に示すように、第1リング351の図示左外周面の外側から図では隠れているリング344の外周面の外側にかけて、負荷トルク感応クラッチ350を構成する略円筒状の第2リング354が配置されている。この第2リング354には、第1リング351の8本のピン351aが挿入可能な円形状の8個のピン穴354a(図では4つのみ示す)が穿設されている。第2リング354は、第1リング351がコイルスプリング352の付勢力に抗して軸方向(図示左方向)に移動してロータリング330の摩擦板355から離間できるように回転ドラム303の内周面に固定されている。最後に回転ドラム303を被せてボルトで締結固定することにより、図5に示す変速装置300が完成する。
以上のような構成において、その動作について説明する。回転ドラム303に所定以下の負荷トルクしか掛かっていないときは、モータ310からの入力回転は第1歯車321、第2歯車322、第3歯車323、第4歯車327、第5歯車328、内周歯330aを介して高速低トルク回転とされてロータリング330に伝達される。このとき、ロータリング330の摩擦板355には負荷トルク感応クラッチ350の第1リング351がコイルスプリング352に付勢されて当接しているので、ロータリング330と共に第1リング351は高速低トルク回転する。
同時に、図15に示す負荷トルク感応クラッチ350の第2リング354のピン穴354aの右端に位置している第1リング351のピン351aが当該ピン穴354aを押圧するので、第1リング351と共に第2リング354も高速低トルク回転する。よって、この第2リング354に固定されている回転ドラム303が高速低トルク回転する。このとき、2ウエイクラッチ340のリング344も高速低トルク回転するので、2ウエイクラッチローラ343はリング344の内周面344aと多角形カム341の各カム面341aとの間で楔のように挟まることなく空転する。このため、第6歯車329、第7歯車331、第8歯車332、第9歯車333を介して伝達される低速高トルク回転により多角形カム341は空転する。
一方、回転ドラム303に所定以上の負荷トルクが掛かったときは、第2リング354が負荷トルクを軸力へと変換し、コイルスプリング352による第1リング351の、ロータリング330の摩擦板355への押し付け力を相殺し始める。そして、当該押し付け力がある値まで小さくなると、図15に示す負荷トルク感応クラッチ350の第2リング354のピン穴354aの右端に位置していた第1リング351のピン351aが、ピン穴354aの内周壁に押されて左方向に移動するので、第1リング351とロータリング330の摩擦板355との間が滑り始めて高速低トルク回転の伝達が途切れる。
よって、モータ310からの入力回転は第1歯車321、第2歯車322、第3歯車323、第4歯車327、第6歯車329、第7歯車331、第8歯車332、第9歯車333を介して低速高トルク回転とされて2ウエイクラッチ340の多角形カム341に伝達される。これにより、2ウエイクラッチローラ343は多角形カム341の各カム面341aとリング344の内周面344aとの間で楔のように挟まるので、リング344も負荷トルク感応クラッチ350の第1リング351と共に低速高トルク回転する。同時に、第1リング351のピン351aが第2リング354のピン穴354aを押圧するので、第1リング351と共に第2リング354も低速高トルク回転する。よって、この第2リング354に固定されている回転ドラム303が低速高トルク回転する。
以上のように、正方向又は逆方向の入力は一定のままで回転ドラム303の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる小型軽量で簡易な機構の変速装置300を構成することができる。そして、減速機構320は歯車列を備え、モータ310から負荷トルク感応クラッチ350及び2ウエイクラッチ340に至る間の第2〜第8歯車322〜332の歯車列は同一構成のものが2組対向配置されているので、減速機構320をコンパクトに纏めることができると共に、伝達トルクを大きくすることができる。また、負荷トルク感応クラッチ350は、摩擦板355と第1リング351との間で滑りを生じる機構であるため、回転ドラム303の負荷が増大すると負荷トルク感応クラッチ350に滑りが生じて動力の伝達を減衰させることができ、2ウエイクラッチ340により変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
図16は、上記変速装置300を備えた移動ロボットを示す斜視図である。この移動ロボット1は、平行に配置された一対のクローラ2の上部にロボットハンド3が搭載された構成となっている。クローラ2は、図示前部に上記変速装置300が配置され、図示後部にクローラプーリ4が配置され、それらの間にクローラベルト5が掛け渡されている。そして、クローラ2は、変速装置300のモータ310の駆動力が減速機構320、2ウエイクラッチ340及び負荷トルク感応クラッチ350を介して回転ドラム303に伝達されることにより、クローラベルト5が図示矢印a方向に回転駆動されて前後移動及び旋回すると共に変速する。このように移動ロボット1は、変速装置300を有するクローラ2を備えているので、傾斜面、凹凸面、段差等がある比較的不整地な場所や階段等においても容易に移動することができる。
尚、上述した実施形態の変速装置300では、減速機構320に歯車列を使用したが、ベルト・プーリ機構も使用可能である。また、2ウエイクラッチ340の代わりに1ウエイクラッチを使用すると共に、負荷トルク感応クラッチ350の代わりに摩擦クラッチを使用することも可能である。また、第2〜第8歯車322〜332は上下二段、即ち2組を軸対称に配置したが、3組以上を軸対称に配置しても良く、これにより伝達トルクを更に大きくすることができる。また、移動ロボット1のクローラ2のみならず、一般的なロボットの可動部分に変速装置300を適用することができる。
【0002】
速することができる。
[0004]
[特許文献1]特開2003−120764号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0005]
近年、ロボットの開発が進んでおり、物を把持するためのグリッパや地上を移動するためのクローラ等に変速装置を搭載するようになってきている。ところが、上述した変速装置では、加減速切替操作時に駆動源の回転数を変動させる必要があり、その制御系が複雑で大型化するおそれがある。
[0006]
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、入力は一定のままで出力側の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とする変速装置及びその変速装置を備えた移動ロボットを提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007]
上記目的達成のため、本発明の変速装置では、正方向の入力回転から高速回転と低速回転を発生させる変速機構と、第1のクラッチ機構を介して、高速回転を出力軸に伝達する第1の伝達経路と、1ウエイの第2のクラッチ機構を介して、低速回転を出力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替え、出力軸の負荷トルクが増大する過程において、出力軸の負荷トルクが、所定のトルクAより小さい場合は、第1のクラッチ機構を介して、高速回転が出力軸に伝達され、出力軸の負荷トルクが増大し前記トルクAに達すると、第1のクラッチ機構が回転を減速して伝達し始め、さらに出力軸の負荷トルクが増大すると、第2のクラッチ機構を介して、低速回転が出力軸に伝達され始め、さらに出力軸の負荷トルクが増大し所定のトルクBに達すると、前記トルクAに達してから継続して回転を減速して伝達していた第1のクラッチ機構は、その伝達が切断されることを特徴としている。これにより、出力軸の負荷が小さいときは第2のクラッチ機構を作用させず、第1のクラッチ機構を作用させて高速回転の出力とし、一方、出力軸の負荷が大きいときは第1のクラッチ機構を作用させず、第2のクラッチ機構を作用させて低速回転の出力とするように構成することができるので、正方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
[0008]
また、正方向の入力回転から高速回転と低速回転を発生させる変速機構と、第1のクラッチ機構とバックラッシュ機構を介して、高速回転を出力軸に伝達する第1の伝達経路と、1
【0003】
ウエイの第2のクラッチ機構を介して、低速回転を出力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、第2のクラッチ機構は、内輪と、カム面を内面に形成した外輪と、内輪の外周面と外輪の内面の間に位置するころと、ころを支持するとともに摩擦板によって回転方向とは逆方向の抵抗を与えられている保持器から構成され、ころがカム面と噛み合うことによって回転動力を伝達し、出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替え、入力回転が正方向から逆転すると、バックラッシュ機構が回転の伝達を一時的に切断し、第2のクラッチ機構は、外輪がころとの噛み合い位置から離れ、回転の伝達を切断することを特徴としている。これにより、1ウエイの第2のクラッチ機構を用いて、正方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができ、また、逆方向の入力は高速回転のみを出力とすることができる。
[0009]
また、正方向又は逆方向の入力回転から高速回転と低速回転を発生させる変速機構と、第1のクラッチ機構を介して、高速回転を出力軸に伝達する第1の伝達経路と、2ウエイの第2のクラッチ機構を介して、低速回転を出力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替え、出力軸の負荷トルクが増大する過程において、出力軸の負荷トルクが、所定のトルクAより小さい場合は、第1のクラッチ機構を介して、高速回転が出力軸に伝達され、出力軸の負荷トルクが増大し前記トルクAに達すると、第1のクラッチ機構が回転を減速して伝達し始め、さらに出力軸の負荷トルクが増大すると、第2のクラッチ機構を介して、低速回転が出力軸に伝達され始め、さらに出力軸の負荷トルクが増大し所定のトルクBに達すると、前記トルクAに達してから継続して回転を減速して伝達していた第1のクラッチ機構は、その伝達が切断されることを特徴としている。これにより、正方向又は逆方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
[0010]
また、第1のクラッチ機構は、滑りを生じる機構であることを特徴としている。これにより、出力軸の負荷が増大すると第1のクラッチ機構に滑りが生じて動力の伝達を減衰させることができるので、第2のクラッチ機構により変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。また、第1のクラッチ機構は、出力軸の負荷状態に感応して断続する機構であることを特徴としている。これにより、出力軸の負荷が増大したときに第1のクラッチ機構を完全に切断して動力の伝達ロスを低減することができる。
【0004】
[0011]
上記目的達成のため、本発明の変速装置では、被搭載装置に搭載され、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、被搭載装置に固定可能な固定シャフトと、固定シャフトに回転自在に取り付けられた出力軸となる回転ドラムと、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられたモータと、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、モータからの正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、回転ドラムの負荷状態に感応して正方向又は逆方向の高速入力回転の伝達を断続する負荷トルク感応クラッチと、回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、負荷トルク感応クラッチが切断状態にあるときは正方向又は逆方向の低速入力回転を回転ドラムに伝達する2ウエイクラッチとを備え、回転ドラムの負荷トルクが増大する過程において、回転ドラムの負荷トルクが、所定のトルクAより小さい場合は、負荷トルク感応クラッチを介して、高速入力回転が回転ドラムに伝達され、回転ドラムの負荷トルクが増大し前記トルクAに達すると、負荷トルク感応クラッチが回転を減速して伝達し始め、さらに回転ドラムの負荷トルクが増大すると、2ウエイクラッチを介して、低速入力回転が回転ドラムに伝達され始め、さらに回転ドラムの負荷トルクが増大し所定のトルクBに達すると、前記トルクAに達してから継続して回転を減速して伝達していた負荷トルク感応クラッチは、その伝達が切断されることを特徴としている。これにより、正方向又は逆方向の入力は一定のままで出力軸の負荷状態に応じて変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる小型軽量で簡易な機構の変速装置を構成することができる。
[0012]
また、変速機構は歯車列を備え、モータから負荷トルク感応クラッチ及び2ウエイクラッチに至る間の歯車列は同一構成のものが2組対向配置されていることを特徴としている。これにより、変速機構をコンパクトに纏めることができると共に、伝達トルクを大きくすることができる。また、負荷トルク感応クラッチは、滑りを生じる機構であることを特徴としている。これにより、回転ドラムの負荷が増大すると負荷トルク感応クラッチに滑りが生じて動力の伝達を減衰させることができるので、2ウエイクラッチにより変速比を自動的に切り替えて出力とすることができる。
[0013]
上記目的達成のため、本発明のクローラを備えた移動ロボットでは、クローラの一端部に上記各変速装置が配置され、クローラの他端部にクローラプーリが配置され、変

Claims (9)

  1. 正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、
    正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、
    前記変速機構により変速された正方向の高速回転を、第1のクラッチ機構を介して、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達する第1の伝達経路と、
    前記変速機構により変速された正方向の低速回転を、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、
    出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と1ウエイの第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることを特徴とする変速装置。
  2. 正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、
    正方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、
    前記変速機構により変速された正方向の高速回転を、第1のクラッチ機構とバックラッシュ機構を介して、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達する第1の伝達経路と、
    前記変速機構により変速された正方向の低速回転を、正回転を伝達する1ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、
    出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と1ウエイの第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることを特徴とする変速装置。
  3. 正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、
    正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、
    前記変速機構により変速された正方向の高速回転を、第1のクラッチ機構を介して、正回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達し、又は前記変速機構により変速された逆方向の高速回転を、第1のクラッチ機構を介して、逆回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の出力軸に伝達する第1の伝達経路と、
    前記変速機構により変速された正方向の低速回転を、正回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達し、又は前記変速機構により変速された逆方向の低速回転を、逆回転を伝達する状態にある2ウエイの第2のクラッチ機構の入力軸に伝達する第2の伝達経路とを備え、
    出力軸の負荷状態に応じて第1のクラッチ機構と2ウエイの第2のクラッチ機構の作用により、第1の伝達経路と第2の伝達経路とを自動的に切り替えることを特徴とする変速装置。
  4. 第1のクラッチ機構は、滑りを生じる機構であることを特徴とする請求項1に記載の変速装置。
  5. 第1のクラッチ機構は、出力軸の負荷状態に感応して断続する機構であることを特徴とする請求項1に記載の変速装置。
  6. 被搭載装置に搭載され、正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速し、出力軸の負荷に応じて自動的に高速回転と低速回転を切り替えて出力できる変速装置であって、
    被搭載装置に固定可能な固定シャフトと、
    固定シャフトに回転自在に取り付けられた出力軸となる回転ドラムと、
    回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられたモータと、
    回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、モータからの正方向又は逆方向の入力回転を高速回転と低速回転に変速する変速機構と、
    回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、回転ドラムの負荷状態に感応して正方向又は逆方向の高速入力回転の伝達を断続する負荷トルク感応クラッチと、
    回転ドラムに内蔵されて固定シャフトに回転自在に取り付けられ、負荷トルク感応クラッチが切断状態にあるときは正方向又は逆方向の低速入力回転を回転ドラムに伝達し、負荷トルク感応クラッチが接続状態にあるときは正方向又は逆方向の高速入力回転を回転ドラムに伝達する2ウエイクラッチとを備えたことを特徴とする変速装置。
  7. 変速機構は歯車列を備え、モータから負荷トルク感応クラッチ及び2ウエイクラッチに至る間の歯車列は同一構成のものが2組以上軸対称に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の変速装置。
  8. 負荷トルク感応クラッチは、滑りを生じる機構であることを特徴とする請求項6に記載の変速装置。
  9. クローラを備えた移動ロボットであって、
    クローラの一端部に請求項6に記載の変速装置が配置され、クローラの他端部にクローラプーリが配置され、変速装置の回転ドラムとクローラプーリとの間にクローラベルトが架け渡されていることを特徴とする移動ロボット。
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