JPH09202822A - 共重合ポリエステル - Google Patents

共重合ポリエステル

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JPH09202822A
JPH09202822A JP3009696A JP3009696A JPH09202822A JP H09202822 A JPH09202822 A JP H09202822A JP 3009696 A JP3009696 A JP 3009696A JP 3009696 A JP3009696 A JP 3009696A JP H09202822 A JPH09202822 A JP H09202822A
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伸二 田井
Tetsuya Hara
哲也 原
Tsugifumi Kashiwamura
次史 柏村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い溶融粘度を有し、高剪断速度では低粘度
で且つ低剪断速度では高粘度であり、溶融成形時にメル
トフラクチャーやゲル化物の発生が生なく、結晶化速度
が低くて、押出ブロー成形等の溶融成形を行った際に、
良好な成形性で、寸法精度、透明性、ガスバリヤー性、
耐熱性、外観、触感、機械的特性等に優れる成形品を得
ることのできる共重合ポリエステルを提供すること。 【解決手段】 2,6−ナフタレンジカルボン酸単位及び
エチレングリコール単位から主としてなり、共重合単位
として、多官能化合物単位を0.005〜0.5モル%有する本
発明の共重合ポリエステル、又は多官能化合物単位を0.
005〜1モル%及び単官能化合物単位を0.0005〜20モル%
有する本発明の共重合ポリエステル、或いは前記の共重
合ポリエステル中に更に2,6−ナフタレンジカルボン酸
単位及びエチレングリコール単位以外の2官能化合物単
位を0.5〜7モル%有する本発明の共重合ポリエステルに
よって、上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−2,6
−ナフタレート単位から主としてなる共重合ポリエステ
ルおよびその製造方法、並びにその共重合ポリエステル
を用いる成形品の製造方法およびそれにより得られる成
形品に関する。より詳細には、本発明は、高い溶融粘度
を有し、しかも高剪断速度では低粘度で且つ低剪断速度
では高粘度である非ニュートン性を示し、成形時にシャ
ークスキン流動等のメルトフラクチャーが生じず、結晶
化速度が抑制され、かつゲル化物が生じないという優れ
た特性を備える、エチレン−2,6−ナフタレート単位
から主としてなる共重合ポリエステルおよびその製造方
法、それからなる成形品およびその製造方法に関するも
のである。本発明の共重合ポリエステルを用いて、押出
ブロー成形やその他の溶融成形によって成形品を製造し
た場合には、透明性、外観、触感などに優れ、しかも機
械的特性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、ガスバリヤー性
などに優れる高品質の成形品を円滑に製造することがで
き、本発明の共重合ポリエステルは特に押出ブロー成形
で用いるのに適している。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル樹脂は、透明性、力学的特性、ガスバリヤー
性、フレーバーバリヤー性などの種々の性質に優れ、し
かも成形品にした際にも残留モノマーや有害添加剤の心
配が少なく、衛生性および安全性に優れていることか
ら、容器等の製造に従来汎く用いられてきた塩化ビニル
樹脂に代わるものとして、ジュース、清涼飲料、調味
料、油、化粧品、洗剤、その他の製品を充填するための
中空容器として近年広く使用されるようになっている。
【0003】プラスチックから容器などの中空成形品を
製造するための代表的な成形法としては、(1)溶融可
塑化した樹脂をダイオリフィスを通して円筒状のパリソ
ンとして押出し、そのパリソンが軟化状態にある間に金
型で挟んで内部に空気などの流体を吹き込んで成形を行
う押出ブロー成形法;および(2)溶融樹脂を金型に射
出して密封パリソン(プリフォーム)を一旦成形した
後、それをブロー金型に挿入して空気などの流体を吹き
込んで成形を行う射出ブロー成形法の2者を挙げること
ができる。
【0004】上記した成形法のうちで、前者の押出ブロ
ー成形法は、後者の射出ブロー成形法に比べて、工程が
簡単で、しかも金型の作製および成形に高度な技術を必
要としないために、設備費や金型の製作費などが安くて
すみ、多品種・少量生産に適している。しかも、押出ブ
ロー成形法による場合は、細物、深物、大物、取っ手な
どを有する複雑な形状の成形品の製造も可能であるとい
う利点がある。
【0005】かかる点から、ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレートなどの汎用のポリエス
テル樹脂を用いて押出ブロー成形を行うことが従来から
も色々試みられているが、汎用のポリエステル樹脂は一
般に溶融粘度が低く、そのために押出ブロー成形を行お
うとすると、押出後のパリソンが著しくドローダウンし
て賦形することが難しい。しかも、押出後のブロー時に
結晶化が起こり易く、透明性が損なわれたり、賦形不良
が生ずるという問題がある。そして、ポリエチレンテレ
フタレートなどの汎用のポリエステル樹脂におけるその
ような溶融粘度の低さおよび結晶化が起こり易いことに
起因する前記した不都合は、大型の中空成形品の製造に
必要な長さが通常30cm以上の長いパリソンの押出し
を行う押出ブロー成形において特に顕著である。そのた
め、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用のポリエス
テル樹脂を用いて、押出ブロー成形によって形状および
寸法が均一で、しかも透明性に優れた成形品、特に大型
の中空成形品を得ることは、事実上極めて困難である。
【0006】そこで、上記の理由から、押出ブロー成形
においては、高い溶融粘度を有していて溶融状態で押出
されたパリソンの著しいドローダウンが生じない、塩化
ビニル樹脂やポリオレフィンが従来主に用いられてき
た。しかしながら、塩化ビニル樹脂を用いて製造された
押出ブロー成形品は、可塑剤や金属系安定剤などの有害
添加物の溶出による衛生面や安全面での問題があり、し
かも使用済みの成形品を焼却すると有毒ガスを発生する
という問題があり、ヨーロッパなどを中心としてその使
用が減少する傾向にある。また、ポリエチレンなどのポ
リオレフィンを用いて押出ブロー成形を行った場合に
は、結晶に由来する白濁が成形品に生じて成形品の透明
性や外観が不良になり易いという欠点がある。
【0007】そのため、押出ブロー成形に適するポリエ
ステル樹脂に関する提案が従来から色々なされており、
そのような従来技術としては、 (1) テレフタル酸やそのエステル形成性誘導体など
のジカルボン酸成分およびエチレングリコールなどのジ
オール成分と共に、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、トリメリット酸などの汎用の多官能成
分、および安息香酸、ステアリン酸などの連鎖停止剤を
用いて押出ブロー成形用の共重合ポリエステルを製造す
る方法(特開昭54−137095号公報); (2) テレフタル酸やそのエステル形成性誘導体など
のジカルボン酸成分とエチレングリコールなどのジオー
ル成分を反応させてエステル化反応またはエステル交換
反応させて低重合体を製造した後、これにトリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸な
どの汎用の多官能化合物よりなる架橋剤を反応させて重
縮合反応を行ってプレポリマーをつくり、そのプレポリ
マーを固相重合させて押出ブロー成形用の共重合ポリエ
ステルを製造する方法(特開昭54−163962号公
報、特開昭55−92730号公報); (3) テレフタル酸、イソフタル酸、ペンタエリスリ
トール等の分岐剤およびm−アニス酸等の末端封止剤を
用いて押出ブロー成形用の共重合ポリエステルを製造す
る方法(特開昭61−181823号公報);などが知
られている。
【0008】多官能化合物からなる架橋剤と安息香酸や
ステアリン酸などの連鎖停止剤を併用している上記した
(1)の従来法により得られる共重合ポリエステルは、
エチレンテレフタレート単独重合体などに比べて溶融粘
度および溶融強度が増しているが、エチレンテレフタレ
ート単独重合体に比べて結晶化速度が大きく、そのため
にパリソンの押出時に球晶が生成し、得られる押出ブロ
ー成形品などでは白化が著しくなって、透明性に欠けた
ものとなる。また、30cm以上の長いパリソンの押し
出しを行って大型の中空成形品を押出ブロー成形で製造
する際に、パリソンの下部が結晶化により固化してしま
い、ボトルなどの容器底部のピンチオフ部分が接着不良
となる。その上、成形品に微小な表面荒れが生じて、成
形品の外観および触感が著しく不良なものとなり易い。
さらに、共重合ポリエステルの生産性の点では、固相重
合時に結晶化度が急激に上昇するために、重合速度を増
大するのに必要な重合体中でのエチレングリコールの拡
散が妨げられて、目的とする共重合ポリエステルを円滑
に生産することが困難である。また、この(1)の従来
法により得られる共重合ポリエステルは、結晶化度が異
常に高いために、押出ブロー成形における押出工程で未
溶融ブツが多発し、良好な成形品の製造が困難である。
そして、上記したような種々の欠点は、大型の中空成形
品を製造する場合におけるような、樹脂押出速度の速い
状態で特に顕著に現れる。
【0009】更に、上記の(2)の従来法により得られ
る共重合ポリエステルは、上記(1)の従来法により得
られる共重合ポリエステルと同様に、エチレンテレフタ
レート単独重合体に比べて結晶化速度が大きく、そのた
めパリソンの押出時に球晶が生成して、得られる押出ブ
ロー成形品の白化が著しくなり透明性に欠けたものとな
る。また、30cm以上の長いパリソンの押出を伴う大
型の中空成形品の製造においては、パリソンの下部が結
晶化により固化してしまって、ボトルなどの中空成形品
の底部のピンチオフ部分が接着不良となる。さらに、単
官能化合物からなる末端封止剤を使用していないことに
よって共重合ポリエステルの架橋度を適正に制御でき
ず、過架橋状態になるために、架橋構造に由来するゲル
状物が発生して成形品にブツなどの斑点が現れて成形品
の外観が損なわれるという欠点がある。さらにこの
(2)の従来法による場合も、上記の(1)の従来法の
場合と同様に、成形品に微小な表面荒れが生じて、成形
品の外観および触感が著しく不良なものとなり易い。そ
して、この(2)の従来技術として挙げた上記の特開昭
54−163962号公報および特開昭55−9273
0号公報には、少量のイソフタル酸やネオペンチルグリ
コールなどを共重合させ得ることが記載されており、そ
の場合には共重合ポリエステルの結晶化速度が抑制され
て中空成形品を製造する際のパリソンの底部の早期の固
化や中空成形品の白化はある程度低減されるものの、過
架橋構造に由来するゲル状物の発生、成形品の表面荒れ
などは依然として解消されないままである。
【0010】また、上記(3)の従来法では、ペンタエ
リスリトール等の分岐剤およびm−アニス酸等の末端封
止剤を共重合し、さらに固相重合を行うことにより、溶
融粘度および溶融粘度の剪断速度に対する感度が高く、
架橋構造に由来するゲル物の少ない共重合ポリエステル
が得られるとしており、さらに2官能成分としてイソフ
タル酸を共重合していることにより共重合ポリエステル
の結晶化速度が抑制されて中空成形品を製造する際のパ
リソン底部の固化や中空成形品の白化がある程度低減さ
れる傾向がある。しかしながら、この(3)の従来法の
共重合ポリエステルを用いて30cm以上の長いパリソ
ンの押出を伴う大型の中空成形品を製造する際には、先
に押し出されたパリソン底部に結晶化を生じて中空成形
品の底部が白化してしまうという欠点がある。そして、
この(3)の従来法による場合も、上記の(1)および
(2)の従来法の場合と同様に、成形品に微小な表面荒
れを生じて、その外観や触感が著しく不良なものとなり
易い。特に30cm以上の長いパリソンの押出を伴う大
型の中空成形品の製造を行う際のような、単位時間当た
りの押出量が20kg以上となる場合には、成形品の微
小な表面荒れが顕著となり、それと併せて結晶の融解困
難に伴う未融解ブツの発生が成形品に生じ易い。
【0011】更に、上記した(1)〜(3)の従来法に
より得られる共重合ポリエステルはいずれも基本となる
構造単位がエチレンテレフタレート単位であり、かかる
エチレンテレフタレート系共重合ポリエステルからなる
容器などの成形品はいずれも酸素等に対するガスバリヤ
ー性が充分ではない。そのため、保存が長期に及んだ
り、内容物によって更に高いガスバリヤー性が要求され
る場合には、内容物に酸化変質などを生じて商品価値が
低下するという欠点を有する。その上、エチレンテレフ
タレート系共重合ポリエステルのガラス転移温度が低い
ことに起因し、耐熱性が不充分であり、成形品を高温に
晒すと変形などを生じ易く、熱水などの高温の内容物を
充填できなかったり、充填後の加温や加熱滅菌処理が行
いにくいという欠点を有している。また、本発明者ら
は、上記した(1)〜(3)の従来技術とは別に、固相
重合によって高重合度化させたポリエチレンテレフタレ
ートを製造することを試みたが、固相重合速度が極めて
遅く、押出ブロー成形などに適する充分に高い重合度お
よび溶融粘度を有するポリエチレンテレフタレートを短
時間に効率よく得ることができず、生産性の点で実用的
でないことが判明した。
【0012】エチレンテレフタレート系共重合ポリエス
テルにおける上記したような成形品の白化、低ガスバリ
ヤー性、耐熱性の不足などの欠点を回避することを目的
として、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト樹脂を用
いて押出ブロー成形を行うことが試みられているが、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレ−ト単独重合体は溶融温
度が270℃と高く且つ結晶化度が高いので、溶融押出
時の成形温度を高くしないと結晶核を融解しきれず、未
溶融ブツや白化が生じる。また、未溶融ブツや白化を生
じないような高い温度で溶融押出を行うと、該単独重合
体の溶融粘度が低くなり過ぎて、押出後のパリソンが著
しくドローダウンして賦形することが困難となる。
【0013】そこで、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
−ト単独重合体を用いる場合の上記した欠点を解消して
ガスバリヤー性および透明性を向上させることを目的と
して、エチレン−2,6−ナフタレート単位90〜40
モル%とエチレンイソフタレート単位10〜60モル%
とを含有する共重合ポリエステル樹脂を用いたダイレク
トブロー中空成形品が提案されている(特開平5−82
83号公報および特開平6−170921号公報)[以
下これを「(4)の従来技術」ということがある]。そ
して、この(4)の従来技術による場合は、エチレン−
2,6−ナフタレート単位とエチレンイソフタレート単
位との共重合によって、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レ−ト単独重合体に比べて融点が低下するため、溶融押
出温度を低く設定でき、押出ブロー成形時の溶融粘度を
上昇させることができる。
【0014】しかしながら、上記(4)の従来技術によ
る場合でも、30cm以上の長いパリソンの押出しを行
って大型の中空成形品を押出ブロー成形で製造する際に
は、その溶融粘度は押出ブロー成形を行うには充分に高
くなく、そのため押出後のパリソンに著しいドローダウ
ンが生じて、賦形が困難になり、押出ブロー成形を円滑
に行うことができない。また、押出ブロー成形時の溶融
粘度を高く保つために低温で成形を行うと、ボトルなど
の押出ブロー成形品に微小な表面荒れが生じて、成形品
の外観や触感が損なわれ易い。その上、上記(4)の従
来技術で用いている共重合ポリエステルは、融点および
結晶化度が低いために固相重合を行えない場合が多く、
固相重合が行える場合であってもその固相重合速度が極
めて遅くて重合度が充分に高くならないために、溶融粘
度の上昇が達成しにくい。さらに、上記(4)の従来技
術で用いている共重合ポリエステルの場合は、高温で乾
燥するとチップやペレット間の膠着を生ずるため、低温
で乾燥せざるをえず、そのために真空乾燥設備等のよう
な大がかりな乾燥装置による長時間の乾燥が必要であ
り、生産性が低い。また、該共重合ポリエステルが非晶
質ポリマーである場合には、押出機のホッパー下部でチ
ップやペレット間の膠着が生じ易く、押し出しができな
くなるという不都合を生ずる。その上、上記(4)の従
来技術による押出ブロー成形品は厚みむらが大きく、高
品質の成形品が得られにくい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記した種々の問題点を解決して、 (i)溶融粘度が充分に高くて、押出ブロー成形などに
用いた場合に押出したパリソンのドローダウンが生じ
ず、中空成形品に円滑に賦形することができ; (ii)結晶化速度が遅く、パリソンの押出時に球晶の生
成がなく、得られる押出ブロー成形品などの成形品にお
ける白化がなくて透明性に優れており; (iii)30cm以上の長いパリソンの押出を行う大型
の中空成形品の製造に際して、パリソンの下部の結晶化
による固化が生じず、ボトルなどの成形品の底部のピン
チオフ部分の接着不良が生じず; (iv)微小な表面荒れがなく、外観および触感に優れる
各種の成形品を得ることができ; (v)過架橋構造に由来する難融解結晶およびゲル状物
の発生がなく、成形品にブツなどの斑点が生じず、透明
性に優れ、外観的に良好な成形品を得ることができ; (vi)得られる成形品がガスバリヤー性および耐衝撃性
に優れており;しかも (vii)固相重合速度が大きく生産性に優れている;と
いう諸特性を備えており、溶融成形性、特に押出ブロー
成形性に優れていて、目的とする形状および寸法を有
し、外観、触感、透明性、ガスバリヤー性および耐熱性
などに優れる高品質の成形品を高い精度で円滑に製造す
ることのできるポリエステルを提供することである。そ
して、本発明の目的は、上記の優れた諸特性を備えるポ
リエステルを短時間で生産性よく製造することのできる
方法を提供することである。更に、本発明の目的は、上
記した優れた特性を備えるポリエステルを用いて、溶融
成形、特に押出ブロー成形を行って成形品を製造する方
法、並びにそれによる成形品を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸単位およびエチレングリコール単位から主と
してなるポリエステルにおいて、該ポリエステル中に、
更に3官能以上の多官能化合物単位を0.005〜0.
5モル%の割合で含有させると、それにより得られる共
重合ポリエステルが、結晶核の完全融解が可能な高い温
度において、高剪断速度では低粘度で且つ低剪断速度で
は高粘度である非ニュートン性を示し、そのためその共
重合ポリエステルを用いて各種の溶融成形を円滑に行え
ること、特に押出ブロー成形に用いるのに適する良好な
成形性を有していて、溶融粘度が充分に高くて、押出し
たパリソンのドローダウンが生じず、中空成形品に円滑
に賦形することができることを見出した。しかも、本発
明者らの開発した前記の共重合ポリエステルは、結晶化
速度が遅く、押出ブロー成形などを行う際に、パリソン
の押出時に球晶の生成がなく、得られる押出ブロー成形
品は透明性に優れていること、さらにパリソンの下部の
結晶化による固化が生じず、ボトルなどの成形品の底部
のピンチオフ部分の接着不良が生じないことも判明し
た。また、本発明者らは、その共重合ポリエステルは、
溶融成形時に適当な溶融剪断応力を示し、そのためその
溶融成形により得られる成形品は、表面荒れのない良好
な外観および触感を有し、更には架橋の程度が良好に調
節されていて過架橋に伴うゲル状物の発生がなくて透明
性に優れていることを見出した。そして、本発明者は、
その共重合ポリエステルから得られる成形品が、酸素な
どに対するガスバリヤー性に優れており、保存が長期に
及んだり、内容物に一層高いガスバリヤー性が要求され
る場合においても、内容物の酸化変質などがなく商品価
値が低下しないこと、該共重合ポリエステルはガラス転
移温度が高く耐熱性に優れていて、それからなる成形品
への熱水などの高温物の充填が可能であり、且つ充填済
みの成形品を加温したり、高温で熱処理することが可能
であることを見出した。また、本発明者らは、その共重
合ポリエステルは固相重合速度が大きくて、良好な生産
性で経済的に製造できることを見出した。
【0017】さらに、本発明者らは、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸単位およびエチレングリコール単位から
主としてなるポリエステルにおいて、そのポリエステル
中に、3官能以上の多官能化合物単位と共に単官能化合
物単位を0.0005〜20モル%の割合で含有させる
と、多官能化合物単位の共重合割合を0.005〜1モ
ル%に拡げても、上記した共重合ポリエステルと同様の
種々の特性に優れる共重合ポリエステルが得られるこ
と、しかも多くの場合に、該共重合ポリエステルより得
られる成形品ではブツの発生が一層効果的に抑制され得
ることを見出した。
【0018】そして、本発明者らが、上記した知見に基
づいて更に研究を行ったところ、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸単位およびエチレングリコール単位から主と
してなるポリエステルに多官能化合物単位を0.005
〜0.5モル%の割合で共重合させた上記した共重合ポ
リエステル、並びに2,6−ナフタレンジカルボン酸単
位およびエチレングリコール単位から主としてなるポリ
エステルに多官能化合物単位を0.005〜1モル%お
よび単官能化合物単位を0.0005〜20モル%の割
合で共重合させた上記した共重合ポリエステルにおい
て、更に2,6−ナフタレンジカルボン酸単位およびエ
チレングリコール単位以外のジカルボン酸単位、ジオー
ル単位およびヒドロキシカルボン酸単位から選ばれる少
なくとも1種の2官能化合物単位を0.5〜7モル%の
割合で含有させると、それにより得られる共重合ポリエ
ステルは、やはり上記した種々の優れた特性を備えてい
ること、特に結晶化速度が上記した共重合ポリエステル
よりも一層遅くて、押出ブロー成形などにより適してい
て、特に30cm以上の長いパリソンの押出を伴う大型
の中空成形品を押出ブロー成形で製造する際に、パリソ
ンの押出時に球晶の生成が更に少なくて、得られる押出
ブロー成形は白化がなく透明性にさらに優れているこ
と、パリソンの下部の結晶化による固化が全く生じず、
ボトルなどの成形品の底部のピンチオフ部分の接着不良
が生じないこと、また得られる成形品は耐衝撃性に優れ
たものであることを見出した。
【0019】また、本発明者らは、本発明者らが開発し
た上記した共重合ポリエステルのいずれもが、固相重合
速度が大きくて、ポリエステルプレポリマーの製造工程
とそれに続く固相重合工程とからなる製造方法によっ
て、良好な生産性で経済的に製造できることを見出し、
それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0020】すなわち、本発明は、(1)2,6−ナフ
タレンジカルボン酸単位およびエチレングリコール単位
から主としてなり且つ他の共重合単位を有する共重合ポ
リエステルであって; (2)前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位と
して、カルボキシル基、ヒドロキシル基および/または
それらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合
物の少なくとも1種から誘導される多官能化合物単位
(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル
数に基づいて0.005〜0.5モル%の割合で有して
いる;ことを特徴とする共重合ポリエステルである[以
下この共重合ポリエステルを「共重合ポリエステル
(A)」ということがある]。
【0021】そして、本発明は、(1)2,6−ナフタ
レンジカルボン酸単位およびエチレングリコール単位か
ら主としてなり且つ他の共重合単位を有する共重合ポリ
エステルであって; (2)前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位と
して、(i)カルボキシル基、ヒドロキシル基および/
またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官
能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化合物
単位(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて0.005〜1モル%の割合で有し;
且つ(ii)モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれ
らのエステル形成性誘導体からなる単官能化合物の少な
くとも1種から誘導される単官能化合物単位(b)を、
共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づい
て0.0005〜20モル%の割合で有している;こと
を特徴とする共重合ポリエステルである[以下この共重
合ポリエステルを「共重合ポリエステル(B)」という
ことがある]。
【0022】さらに、本発明は、(1)2,6−ナフタ
レンジカルボン酸単位およびエチレングリコール単位か
ら主としてなり且つ他の共重合単位を有する共重合ポリ
エステルであって; (2)前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位と
して、(i)カルボキシル基、ヒドロキシル基および/
またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官
能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化合物
単位(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて0.005〜0.5モル%の割合で有
し;且つ(ii)2,6−ナフタレンジカルボン酸単位お
よびエチレングリコール単位以外のジカルボン酸単位、
ジオール単位およびヒドロキシカルボン酸単位から選ば
れる少なくとも1種の2官能化合物単位(c)を、共重
合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて
0.5〜7モル%の割合で有している;ことを特徴とす
る共重合ポリエステルである[以下この共重合ポリエス
テルを「共重合ポリエステル(C)」ということがあ
る]。
【0023】そして、本発明は、(1)2,6−ナフタ
レンジカルボン酸単位およびエチレングリコール単位か
ら主としてなり且つ他の共重合単位を有する共重合ポリ
エステルであって; (2)前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位と
して、(i)カルボキシル基、ヒドロキシル基および/
またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官
能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化合物
単位(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて0.005〜1モル%の割合で有し;
(ii)モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれらの
エステル形成性誘導体から選ばれる単官能化合物の少な
くとも1種から誘導される単官能化合物単位(b)を、
共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づい
て0.0005〜20モル%の割合で有し;そして(ii
i)2,6−ナフタレンジカルボン酸単位およびエチレ
ングリコール単位以外のジカルボン酸単位、ジオール単
位およびヒドロキシカルボン酸単位から選ばれる少なく
とも1種の2官能化合物単位(c)を、共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.5〜7モ
ル%の割合で有している;ことを特徴とする共重合ポリ
エステルである[以下この共重合ポリエステルを「共重
合ポリエステル(D)」ということがある]。
【0024】そして、本発明は、[1](i)2,6−
ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体よりなるジカルボン酸成分とエチレングリコールより
なるジオール成分から主としてなり;且つ(ii)カルボ
キシル基、ヒドロキシル基および/またはそれらのエス
テル形成性基を3個以上有する多官能化合物の少なくと
も1種を、該多官能化合物から誘導される多官能化合物
単位(a)の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の
合計モル数に基づいて0.005〜0.5モル%になる
ような量で含んでいる;反応原料を、エステル化反応ま
たはエステル交換反応させた後、それを溶融重縮合させ
てポリエステルプレポリマーを形成し;次いで、 [2]前記の工程[1]で得られるポリエステルプレポリ
マーを固相重合させる;ことを特徴とする共重合ポリエ
ステル(A)の製造方法である[以下これを「製法
(A)」ということがある]。
【0025】さらに、本発明は、[1](i)2,6−
ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体よりなるジカルボン酸成分とエチレングリコールより
なるジオール成分から主としてなり;(ii)カルボキシ
ル基、ヒドロキシル基および/またはそれらのエステル
形成性基を3個以上有する多官能化合物の少なくとも1
種を、該多官能化合物から誘導される多官能化合物単位
(a)の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて0.005〜1モル%になるような量
で含み;且つ(iii)モノカルボン酸、モノアルコール
およびそれらのエステル形成性誘導体からなる単官能化
合物の少なくとも1種を、該単官能化合物から誘導され
る単官能化合物単位(b)の割合が共重合ポリエステル
の全構造単位の合計モル数に基づいて0.0005〜2
0モル%になるような量で含んでいる;反応原料を、エ
ステル化反応またはエステル交換反応させた後、それを
溶融重縮合させてポリエステルプレポリマーを形成し;
次いで、 [2]前記の工程[1]で得られるポリエステルプレポリ
マーを固相重合させる;ことを特徴とする共重合ポリエ
ステル(B)の製造方法である[以下これを「製法
(B)」ということがある]。
【0026】そして、本発明は、[1](i)2,6−
ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体よりなるジカルボン酸成分とエチレングリコールより
なるジオール成分から主としてなり;(ii)カルボキシ
ル基、ヒドロキシル基および/またはそれらのエステル
形成性基を3個以上有する多官能化合物の少なくとも1
種を、該多官能化合物から誘導される多官能化合物単位
(a)の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて0.005〜0.5モル%になるよう
な量で含み;且つ(iii)2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸およびエチレングリコール以外のジカルボン酸、ジ
オールおよびヒドロキシカルボン酸およびそれらのエス
テル形成性誘導体からなる2官能化合物の少なくとも1
種を、該2官能化合物から誘導される2官能化合物単位
(c)の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて0.5〜7モル%になるような量で含
んでいる;反応原料を、エステル化反応またはエステル
交換反応させた後、それを溶融重縮合させてポリエステ
ルプレポリマーを形成し;次いで、 [2]前記の工程[1]で得られるポリエステルプレポリ
マーを固相重合させる;ことを特徴とする共重合ポリエ
ステル(C)の製造方法である[以下これを「製法
(C)」ということがある]。
【0027】さらに、本発明は、[1](i)2,6−
ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体よりなるジカルボン酸成分とエチレングリコールより
なるジオール成分から主としてなり; (ii)カルボキシル基、ヒドロキシル基および/または
それらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合
物の少なくとも1種を、該多官能化合物から誘導される
多官能化合物単位(a)の割合が共重合ポリエステルの
全構造単位の合計モル数に基づいて0.005〜1モル
%になるような量で含み; (iii)モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれら
のエステル形成性誘導体からなる単官能化合物の少なく
とも1種を、該単官能化合物から誘導される単官能化合
物単位(b)の割合が共重合ポリエステルの全構造単位
の合計モル数に基づいて0.0005〜20モル%にな
るような量で含み;且つ (iv)2,6−ナフタレンジカルボン酸およびエチレン
グリコール以外のジカルボン酸、ジオールおよびヒドロ
キシカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体か
らなる2官能化合物の少なくとも1種を、該2官能化合
物から誘導される2官能化合物単位(c)の割合が共重
合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて
0.5〜7モル%になるような量で含んでいる;反応原
料を、エステル化反応またはエステル交換反応させた
後、それを溶融重縮合させてポリエステルプレポリマー
を形成し;次いで、 [2]前記の工程[1]で得られるポリエステルプレポリ
マーを固相重合させる;ことを特徴とする共重合ポリエ
ステル(D)の製造方法である[以下これを「製法
(D)」ということがある]。
【0028】また、本発明は、上記の共重合ポリエステ
ル(A)、共重合ポリエステル(B)、共重合ポリエス
テル(C)または共重合ポリエステル(D)からなる成
形品、特に押出ブロー成形品を包含すると共に、前記の
いずれかの共重合ポリエステルを用いて押出ブロー成形
を行って成形品を製造する方法を包含する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、上記した本発明について
詳細に説明する。本発明の共重合ポリエステル(A)〜
(D)(以下これらを総称する場合は単に「本発明の共
重合ポリエステル」という場合がある)は、いずれも、
上記のように2,6−ナフタレンジカルボン酸単位およ
びエチレングリコール単位から主としてなり且つ他の共
重合単位を有する共重合ポリエステルであることが必要
である。本発明の共重合ポリエステルでは、一般に、
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレングリコ
ール単位との合計割合(モル%)が、共重合ポリエステ
ルを構成する全構造単位の合計モル数に対して、約70
モル%以上であるのが好ましく、約90モル%以上であ
るのがより好ましい。共重合ポリエステルにおける2,
6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレングリコール
単位の合計割合が70モル%未満であると共重合ポリエ
ステルが非晶性になるため固相重合による高重合度化が
困難になる。
【0030】そして、本発明の共重合ポリエステルは、
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレングリコ
ール単位以外に、カルボキシル基、ヒドロキシル基およ
び/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する
多官能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化
合物単位(a)を有している。多官能化合物単位(a)
の割合は、本発明の共重合ポリエステルが単官能化合物
単位(b)を有していない場合[共重合ポリエステル
(A)および共重合ポリエステル(C)の場合]は、共
重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて
0.005〜0.5モル%であり、本発明の共重合ポリ
エステルが単官能化合物単位(b)を有している場合
[共重合ポリエステル(B)および共重合ポリエステル
(D)の場合]は、共重合ポリエステルの全構造単位の
合計モル数に基づいて0.005〜1モル%である。
【0031】共重合ポリエステルにおいて、多官能化合
物単位(a)の割合が、0.005モル%未満である
と、溶融粘度が充分に高くならず、適正な溶融粘性、す
なわち非ニュートン性が生じず、押出ブロー成形などの
溶融成形時の成形性が不良となる。特に、押出ブロー成
形を行う場合にパリソンのドローダウンが激しくなっ
て、パリソンの閉塞やつぶれが生じ、形状の良好な中空
成形品を製造できなくなる。しかも、多官能化合物単位
(a)の割合が0.005モル%未満であると、共重合
ポリエステルを製造する際の固相重合速度が遅くなって
共重合ポリエステルの生産性が低下する。
【0032】一方、単官能化合物単位(b)を有しない
共重合ポリエステル[共重合ポリエステル(A)および
共重合ポリエステル(C)]において多官能化合物単位
(a)の割合が0.5モル%を超えると、また単官能化
合物単位(b)を有する共重合ポリエステル[共重合ポ
リエステル(B)および共重合ポリエステル(D)]に
おいて多官能化合物単位(a)の割合が1モル%を超え
ると、(1)共重合ポリエステル中における架橋構造部
分が多くなり過ぎて、過架橋構造に由来するゲルが生ず
るため、成形品を製造した場合にブツの発生、白化など
のトラブルを生じて、透明性、外観、触感などが損なわ
れる;(2)ゲルを生じないように共重合ポリエステル
の重合度を低下させると分子間の絡み合いが低下して充
分な機械的強度が得られなくなる;(3)成形品を製造
する際に結晶化速度が速くなり過ぎて球晶が生成して成
形品に白化を生じて透明性が低下する;(4)賦形が不
良となり易い;(5)押出ブロー成形ではパリソンの結
晶化によるブロー成形性が不良となるなどの問題を生ず
る。
【0033】本発明の共重合ポリエステルにおける多官
能化合物単位(a)の割合は、溶融粘度が充分に高くな
って押出ブロー成形などの溶融成形を一層良好に行うこ
とができ、成形品の白化および賦形不良を円滑に防止す
ることができ、機械的強度に一層優れる成形品を得るこ
とができ、しかも共重合ポリエステル自体の生産性を一
層高めることができるなどの点から、単官能化合物単位
(b)を有しない共重合ポリエステル[共重合ポリエス
テル(A)および共重合ポリエステル(C)]では0.
01〜0.4モル%であるのが好ましく、単官能化合物
単位(b)を有する共重合ポリエステル[共重合ポリエ
ステル(B)および共重合ポリエステル(D)]では
0.01〜0.5モル%であるのが好ましい。
【0034】多官能化合物単位(a)としては、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基およびそれらのエステル形成
性基から選ばれる1種または2種以上の基を3個以上有
する多官能化合物から誘導される単位であれば特に制限
されず、多官能化合物単位(a)を誘導するための多官
能化合物は、カルボキシル基のみを3個以上有する多官
能化合物であっても、ヒドロキシル基のみを3個以上有
する多官能化合物であっても、またはカルボキシル基と
ヒドロキシル基を合計で3個以上有する多官能化合物で
あってもよい。
【0035】多官能化合物単位(a)の好ましい例とし
ては、トリメシン酸、トリメリット酸、1,2,3−ベ
ンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族ポリカル
ボン酸;1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸な
どの脂肪族ポリカルボン酸;1,3,5−トリヒドロキ
シベンゼンなどの芳香族ポリアルコール;トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、1,
3,5−シクロヘキサントリオールなどの脂肪族または
脂環式のポリアルコール;4−ヒドロキシイソフタル
酸、3−ヒドロキシイソフタル酸、2,3−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−
ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香
酸、プロトカテク酸、没食子酸、2,4−ジヒドロキシ
フェニル酢酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸;酒石
酸、リンゴ酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;それ
らのエステル形成性誘導体から誘導される多官能化合物
単位を挙げることができる。本発明の共重合ポリエステ
ルは、多官能化合物単位(a)として、上記した多官能
化合物単位の1種のみを有していてもまたは2種以上を
有していてもよい。
【0036】上記したうちでも、本発明の共重合ポリエ
ステルは、多官能化合物単位(a)としてトリメリット
酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプ
ロパンおよびペンタエリスリトールから誘導される多官
能化合物単位の1種または2種以上を有しているのが、
共重合ポリエステルの製造の容易性および製造コストの
点から好ましく、ゲル化を抑制する観点から、トリメリ
ット酸および/またはトリメシン酸から誘導される多官
能化合物単位が特に好ましい。
【0037】さらに、本発明の共重合ポリエステルにお
いて、多官能化合物単位(a)の割合が0.005〜
0.5モル%である共重合ポリエステルは、多官能化合
物単位(a)と共にモノカルボン酸、モノアルコールお
よびそれらのエステル形成性誘導体の少なくとも1種の
単官能化合物から誘導される単官能化合物単位(b)を
任意単位として必要に応じて有していることができる。
また、多官能化合物単位(a)の割合が0.5モル%を
超え1モル%以下である共重合ポリエステルでは、多官
能化合物単位(a)と共にモノカルボン酸、モノアルコ
ールおよびそれらのエステル形成性誘導体の少なくとも
1種の単官能化合物から誘導される単官能化合物単位
(b)を有していることが必要である。
【0038】多官能化合物単位(a)の割合が0.00
5〜0.5モル%である共重合ポリエステルでは、任意
単位である単官能化合物単位(b)を含有していてもま
たは含有していなくてもトラブルは発生しないが、単官
能化合物単位(b)を含有させる場合は、共重合ポリエ
ステルの全構造単位の合計モル数に基づいて単官能化合
物単位(b)を0.0005〜20モル%の割合[2種
以上の単官能化合物単位(b)を有する場合はその合計
割合]とすると、ブツの発生などを一層低減できる場合
が多いので好ましく、単官能化合物単位(b)の割合を
0.001〜15モル%とするのがより好ましい。その
場合に、単官能化合物単位(b)の割合が20モル%を
超えると共重合ポリエステルを製造する際の固相重合速
度が遅くなって、共重合ポリエステルの生産性が低下す
るので、注意を要する。
【0039】また、多官能化合物単位(a)の割合が
0.5モル%を超え1モル%以下である共重合ポリエス
テルでは、共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル
数に基づいて単官能化合物単位(b)を0.0005〜
20モル%の割合[2種以上の単官能化合物単位(b)
を有する場合はその合計割合]とすることが必要であ
り、0.001〜15モル%とするのが好ましい。多官
能化合物単位(a)の割合が0.5モル%を超え1モル
%以下である共重合ポリエステルにおいて、単官能化合
物単位(b)の割合が0.0005モル%未満であると
過架橋状態となってゲルが生ずるため、成形品を製造し
た際にブツ、白化などのトラブルが発生して、外観が不
良になり、透明性が失われ、一方単官能化合物単位
(b)の割合が20モル%を超えると、共重合ポリエス
テルを製造する際の固相重合速度が遅くなって、共重合
ポリエステルの生産性が低下する。
【0040】そして、本発明の共重合ポリエステルが単
官能化合物単位(b)を有する共重合ポリエステルであ
る場合は、該共重合ポリエステルが、単官能化合物単位
(b)を下記の数式;
【0041】
【数2】 {20×(p−2)×a}≧b≧{0.1×(p−2)×a} [式中、aは共重合ポリエステルにおける多官能化合物
単位(a)の割合(モル%)、bは共重合ポリエステル
における単官能化合物単位(b)の割合(モル%)、そ
してpは多官能化合物単位(a)を誘導する多官能化合
物の平均官能基数を表す]を満足する割合で有している
のが好ましい。
【0042】上記の数式において、多官能化合物単位
(a)を誘導する多官能化合物の平均官能基数pとは、
共重合ポリエステルを形成するのに用いた全多官能化合
物の官能基の平均値を表し、例えば多官能化合物として
3官能化合物のみを用いた場合はp=3であり、多官能
化合物として3官能化合物と4官能化合物を50:50
のモル比で用いた場合はp=3×0.5+4×0.5=
3.5となり、多官能化合物として3官能化合物と4官
能化合物を20:80のモル比で用いた場合はp=3×
0.2+4×0.8=3.8となる。したがって、限定
されるものではないが、例えば、多官能化合物単位
(a)が3官能化合物から誘導される3官能単位であっ
て且つ共重合ポリエステルにおける多官能化合物単位
(a)の含有割合が0.1モル%の場合には、上記の数
式において、p=3およびa=0.1(モル%)であ
るから、単官能化合物単位(b)の好ましい含有割合
は、2(モル%)≧b≧0.01(モル%)、すなわち
0.01〜2モル%となる。
【0043】本発明の共重合ポリエステル[共重合ポリ
エステル(B)および共重合ポリエステル(D)]で
は、単官能化合物単位(b)は、封止化合物単位として
機能し、共重合ポリエステルのおける分子鎖末端基およ
び/または分岐鎖末端基の封止を行い、共重合ポリエス
テルにおける過度の架橋およびゲルの発生を防止する。
単官能化合物単位(b)は、モノカルボン酸、モノアル
コールおよびそれらのエステル形成性誘導体の少なくと
も1種から誘導される単位であればいずれでもよく特に
制限されない。
【0044】単官能化合物単位(b)の好ましい例とし
ては、安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ
安息香酸、p−メトキシ安息香酸、o−メチル安息香
酸、m−メチル安息香酸、p−メチル安息香酸、2,3
−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,
5−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、
3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香
酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、2,4,6−ト
リメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香
酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ビフェニル
カルボン酸、1−ナフタレン酢酸、2−ナフタレン酢酸
などの芳香族モノカルボン酸;n−オクタン酸、n−ノ
ナン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの脂肪
族モノカルボン酸;前記のモノカルボン酸のエステル形
成性誘導体;ベンジルアルコール、2,5−ジメチルベ
ンジルアルコール、2−フェネチルアルコール、フェノ
ール、1−ナフトール、2−ナフトールなどの芳香族モ
ノアルコール;ペンタデシルアルコール、ステアリルア
ルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、
ポリテトラメチレングリコールモノアルキルエーテル、
オレイルアルコール、シクロドデカノールなどの脂肪族
または脂環式のモノアルコールなどの単官能化合物から
誘導される単位を挙げることができる。本発明の共重合
ポリエステル[共重合ポリエステル(B)および共重合
ポリエステル(D)]は、単官能化合物単位(b)とし
て、上記した単官能化合物単位の1種のみを有していて
も、または2種以上を有していてもよい。そのうちで
も、本発明の共重合ポリエステルは、単官能化合物単位
(b)として、安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安
息香酸、2−ナフトエ酸、ステアリン酸およびステアリ
ルアルコールから選ばれる単官能化合物の1種または2
種以上から誘導される単位を有しているのが、共重合ポ
リエステルの製造の容易性および製造コストの点から好
ましい。
【0045】そして、本発明の共重合ポリエステルは、
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位、エチレングリコ
ール単位、多官能化合物単位(a)および場合により含
有する単官能化合物単位(b)と共に、ジカルボン酸単
位、ジオール単位およびヒドロキシカルボン酸単位から
選ばれる少なくとも1種の2官能化合物単位(c)を、
共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づい
て、0.5〜7モル%の割合で有しているのが好ましい
[すなわち本発明の共重合ポリエステル(C)および共
重合ポリエステル(D)]。共重合ポリエステル中に、
2官能化合物単位(c)を0.5〜7モル%の割合、よ
り好ましくは1〜5モル%の割合で含有させておくと、
特に30cm以上の長さのパリソンの押し出しを伴う大
型の中空成形品を製造する場合に、共重合ポリエステル
の結晶化速度が適当なものとなって、溶融成形時に球晶
の生成が一層良好に抑制されて、透明性に一層優れ且つ
耐衝撃性に一層優れる成形品を得ることができる。
【0046】一方、共重合ポリエステル中に2官能化合
物単位(c)を含有させる場合に、2官能化合物単位
(c)の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計
モル数に基づいて7モル%を超えると、共重合ポリエス
テルの結晶性および融点が低くなり過ぎて固相重合が行
えなくなったり、または固相重合が行える場合であって
もその固相重合速度が極端に遅くなって重合度が充分に
高くならず、それに伴って得られる共重合ポリエステル
およびその成形品の機械的強度が劣ったものとなり、し
かも共重合ポリエステルの溶融時の熱安定性や得られる
成形品のガスバリヤー性および耐熱性が低下するものと
なるので、2官能化合物単位(c)の割合を7モル%以
下にすることが必要である。
【0047】本発明の共重合ポリエステル中に好ましい
単位として含有させることのできる2官能化合物単位
(c)としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位
およびエチレングリコール単位以外のジカルボン酸単
位、ジオール単位およびヒドロキシカルボン酸単位であ
れば、脂肪族の2官能化合物単位、脂環式の2官能化合
物単位、芳香族の2官能化合物単位のうちのいずれでも
よい。その場合の、脂肪族の2官能化合物単位の例とし
ては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそれらの
エステル形成性誘導体;10−ヒドロキシオクタデカン
酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸などの脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導
体;トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、メチルペンタンジオールなどの脂肪族ジオールなど
から誘導される2価の構造単位を挙げることができる。
脂肪族の2官能化合物単位が、ネオペンチルグリコール
単位である場合は、共重合ポリエステルの製造が容易に
なり、しかも該共重合ポリエステルから得られる成形品
の耐熱性を一層良好なものとすることができる。
【0048】また、脂環式の2官能化合物単位の例とし
ては、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルネンジカ
ルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などの脂環式
ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体;ヒ
ドロキシメチルシクロヘキサンカルボン酸、ヒドロキシ
メチルノルボルネンカルボン酸、ヒドロキシメチルトリ
シクロデカンカルボン酸などの脂環式ヒドロキシカルボ
ン酸またはそれらのエステル形成性誘導体;シクロヘキ
サンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシ
クロデカンジメタノールなどの脂環式ジオールなどから
誘導される2価の構造単位を挙げることができる。脂環
式の2官能化合物単位が、シクロヘキサンジメタノール
単位および/またはシクロヘキサンジカルボン酸単位で
ある場合は、共重合ポリエステルの製造が容易になり、
しかも該共重合ポリエステルおよびそれから得られる成
形品の落下強度を大きなものとすることができる。
【0049】ところで、上記におけるシクロヘキサンジ
メタノール単位とは、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール単位、1,3−シクロヘキサンジメタノール単位お
よび1,4−シクロヘキサンジメタノール単位から選ば
れる少なくとも1種の2価の単位をいう。また、上記に
おけるシクロヘキサンジカルボン酸単位とは、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸単位、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸単位および1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸単位から選ばれる少なくとも1種の2価の単
位をいう。上記した脂環式の2官能化合物単位のうちで
も、入手の容易性、共重合ポリエステルおよびそれから
得られる成形品の落下強度が一層優れたものになるとい
う点から、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位お
よび/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位
がより好ましい。
【0050】また、芳香族の2官能化合物単位として
は、芳香族ジカルボン酸単位、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸単位および/または芳香族ジオール単位のいずれで
あってもよい。芳香族の2官能化合物単位の例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ビフェニ
ルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジ
フェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカ
ルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸以外のナフタレンジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸およびそられらのエステル形成
性誘導体;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシトルイル
酸、ヒドロキシナフトエ酸、3−(ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸、ヒドロキシフェニル酢酸、3−ヒド
ロキシ−3−フェニルプロピオン酸などの芳香族ヒドロ
キシカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体;
ビスフェノール系化合物、ヒドロキノン系化合物などの
芳香族ジオールなどから誘導される2価の単位を挙げる
ことができる。2官能化合物単位(c)が芳香族ジカル
ボン酸単位である場合は、テレフタル酸単位、イソフタ
ル酸単位、フタル酸単位および4,4’−ビフェニルジ
カルボン酸単位の少なくとも1種である場合は、共重合
ポリエステルの製造が容易であり、好ましい。また、2
官能化合物単位(c)として、(1) 下記の一般式
(I);
【0051】
【化3】 [式中、A1およびA2はそれぞれ独立して式:−CH2
CH2−または式:−CH(CH3)CH2−で示される
基、B1は2価の炭化水素基、カルボニル基、スルホニ
ル基、酸素原子または直接結合(−)、R1およびR2
それぞれ不活性置換基、jおよびkはそれぞれ独立して
0〜8の整数、そしてsおよびtはそれぞれ独立して0
〜4の整数を表す]で表されるジオール単位(I);お
よび(2) 下記の一般式(II);
【0052】
【化4】 [式中、A3およびA4はそれぞれ独立して式:−CH2
CH2−または式:−CH(CH3)CH2−で示される
基、R3は不活性置換基、mおよびnはそれぞれ独立し
て0〜8の整数、そしてuは0〜4の整数を表す]で表
されるジオール単位(II);から選ばれる少なくとも1
種の芳香族の2官能化合物単位を共重合ポリエステル中
に導入すると、共重合ポリエステルおよびそれから得ら
れる成形品の落下強度を大きなものとすることができる
ので好ましい。
【0053】上記のジオール単位(I)は、下記の一般
式(III);
【0054】
【化5】 [式中、A1およびA2はそれぞれ独立して式:−CH2
CH2−または式:−CH(CH3)CH2−で示される
基、B1は2価の炭化水素基、カルボニル基、スルホニ
ル基、酸素原子または直接結合(−)、R1およびR2
それぞれ不活性置換基、jおよびkはそれぞれ独立して
0〜8の整数、そしてsおよびtはそれぞれ独立して0
〜4の整数を表す]で表されるジオール(III)などから
誘導される構造単位であり、また上記ジオール単位(I
I)は、下記の一般式(IV);
【0055】
【化6】 [式中、A3およびA4はそれぞれ独立して式:−CH2
CH2−または式:−CH(CH3)CH2−で示される
基、R3は不活性置換基、mおよびnはそれぞれ独立し
て0〜8の整数、そしてuは0〜4の整数を表す]で表
されるジオール(IV)などから誘導される構造単位であ
る。
【0056】本発明の共重合ポリエステルは、ジオール
単位(I)およびジオール単位(II)の両方を有してい
ても、または一方のみを有していてもよく、その場合に
1、A2、A3およびA4のいずれもが、式:−CH2
2−で示される基(エチレン基)であっても、または
式:−CH(CH3)CH2−で示される基(1,2−プ
ロピレン基)であっても、或いはA1、A2、A3および
4の一部がエチレン基で、残りが1,2−プロピレン
基であってもよい。そのうちでも、ジオール単位(I)
のA1およびA2の両方、および/またはジオール単位
(II)のA3およびA4の両方がエチレン基であるのが共
重合ポリエステルの製造の容易性、製造コストなどの点
から好ましい。
【0057】また、ジオール単位(I)におけるB
1は、上記したように、2価の炭化水素基、カルボニル
基、スルホニル基、酸素原子または直接結合(−)であ
り、B1が2価の炭化水素基である場合は、炭素数1〜
8のアルキレン基、アルキリデン基、または2価の芳香
族基であるのが好ましく、具体的には、メチレン基、ジ
クロロメチレン基、エチレン基、エチリデン基、プロピ
レン基、プロピリデン基、トリメチレン基、イソプロピ
リデン基、ブチリデン基、エチルエチレン基、テトラメ
チレン基、1−メチルプロピリデン基、1,2−ジメチ
ルエチレン基、ペンチリデン基、1−メチルブチリデン
基、ペンタメチレン基、1−エチル−2−メチルエチレ
ン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチルプ
ロピリデン基、トリメチルエチレン基、イソプロピルメ
チレン基、1−メチルブチリデン基、2,2−ジメチル
プロピリデン基、ヘキサメチレン基、1−エチルブチリ
デン基、1,2−ジエチルエチレン基、1,3−ジメチ
ルブチリデン基、エチルトリメチルエチレン基、ヘプタ
メチレン基、オクタメチレン基、1,1−シクロペンチ
リデン基、1,1−シクロヘキシリデン基、1,1−シ
クロヘプチリデン基、1,1−シクロオクチリデン基、
ベンジリデン基、1−フェニルエチリデン基などを挙げ
ることができる。
【0058】本発明の共重合ポリエステルがジオール単
位(I)を有する場合に、共重合ポリエステル中に存在
するジオール単位(I)における基B1がすべて同じ基
であってもまたは異なる基であってもよい。そのうちで
も、基B1がイソプロピリデン基、スルホニル基および
/または1,1−シクロヘキシリデン基であるジオール
単位(I)を有する共重合ポリエステルは、溶融時の熱
安定性が良好であり、好ましい。
【0059】また、上記したように、ジオール単位
(I)においてはjおよびkはそれぞれ独立して0〜8
の整数であり、そしてジオール単位(II)においてはm
およびnはそれぞれ独立して0〜8の整数であるが、ジ
オール単位(I)におけるjおよびkは同じ数であって
もまたは異なった数であってもよく、またジオール単位
(II)におけるmおよびnは同じ数であってもまたは異
なった数であってもよい。そのうちでも、本発明の共重
合ポリエステルがジオール単位(I)および/またはジ
オール単位(II)を有する場合は、ジオール単位(I)
におけるjおよびkがそれぞれ独立して1または2であ
り、またジオール単位(II)におけるmおよびnがそれ
ぞれ独立して1または2であるのが、共重合ポリエステ
ルの製造が容易であり、共重合ポリエステルの溶融時の
熱安定性が良好で、しかも共重合ポリエステルより得ら
れる成形品の色調が良好であるなどの点から好ましい。
【0060】そして、上記したように、ジオール単位
(I)におけるR1およびR2、並びにジオール単位(I
I)におけるR3はそれぞれ不活性置換基を示すが、その
場合の不活性置換基R1、R2およびR3としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基;塩
素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子などが好ましい。
また、ジオール単位(I)における不活性置換基の数s
とt、およびジオール単位(II)における不活性置換基
の数uはそれぞれ0〜4の整数であり、0〜2の整数で
あるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
【0061】本発明の共重合ポリエステル中に含有させ
ることのできるジオール単位(I)の好ましい例として
は、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]プロパン、2−{4−[2−(2−ヒドロキシ
エトキシ)エトキシ]フェニル}−2−[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フ
ェニル}プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]スルホン、{4−[2−ヒドロキシエト
キシ)エトキシ]フェニル}−[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサ
ン、1−{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エト
キシ)エトキシ]フェニル}−1−[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビ
ス[4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]
フェニル}シクロヘキサン、2,2−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−2,3,5,6−テトラブロモ
フェニル]プロパンなどから誘導されるジオール単位を
挙げることができる。上記したジオール単位のうちで
も、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]プロパン単位またはビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]スルホン単位からなるジオール
単位(I)を有する共重合ポリエステルは、製造が容易
であり、しかも溶融安定性に優れ、且つそれより得られ
る成形品の色調および耐衝撃性が良好である点から好ま
しい。
【0062】また、本発明の共重合ポリエステル中に含
有させることのできるジオール単位(II)の好ましい例
としては、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,
4−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]
ベンゼンなどから誘導されるジオール単位を挙げること
ができる。そのうちでも、1,4−ビス(2−ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼンからなるジオール単位(II)を有
する共重合ポリエステルは、製造が容易であり、しかも
溶融安定性に優れ、且つそれより得られる成形品の色調
および耐衝撃性が良好である点から好ましい。
【0063】そして、本発明の共重合ポリエステルは、
上記した2官能化合物単位のうちの1種または2種以上
を2官能化合物単位(c)として有することができる。
【0064】ところで、本発明の共重合ポリエステルの
製造中にエチレングリコール成分の2量化物であるジエ
チレングリコールが少量副生して生成する共重合ポリエ
ステル中にジエチレングリコール単位が少量含まれてく
るが、共重合ポリエステル中にジエチレングリコール単
位が多く含まれると、共重合ポリエステルのガラス転移
温度が低下して、耐熱性の低下や着色などの問題を生
じ、該共重合ポリエステルから得られるボトルなどの成
形品の耐熱性、強度、色調が不良になるので、共重合ポ
リエステル中におけるジエチレングリコール単位の割合
を極力低減させておくのがよい。前記した理由から、共
重合ポリエステル中におけるジエチレングリコール単位
の割合を共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数
に基づいて3モル%未満にしておくのが好ましく、2モ
ル%以下にしておくのがより好ましい。そして、本発明
の共重合ポリエステルでは、共重合ポリエステルの溶融
時の熱安定性、共重合ポリエステルより得られる成形品
のガスバリヤー性や耐熱性などの点から、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸単位およびエチレングリコール単位
以外の2官能化合物単位の割合が、ジエチレングリコー
ル単位をも含めて、共重合ポリエステルの全構造単位の
合計モル数に基づいて、上記した7モル%以下になるよ
うにしておくのがよい。
【0065】本発明の共重合ポリエステルの極限粘度
は、共重合ポリエステルの溶融成形法の種類などに応じ
て変わり得るが、溶融押出を伴う溶融成形、特に押出ブ
ロー成形に用いる場合は、0.6〜1.5dl/gの範
囲内であるのが好ましく、特に得られる押出ブロー成形
品の機械的強度、外観、成形品製造時の生産性などの点
から、0.8〜1.4dl/gの範囲内であるのがより
好ましい。特に、押出ブロー成形を行う場合に、共重合
ポリエステルの極限粘度が0.6dl/g未満のとき
は、押出ブロー成形時にパリソンのドローダウンが大き
くなって成形不良となり易く、更に得られる成形品の機
械的強度が低下し易い。一方、溶融押出を伴う成形、特
に押出ブロー成形を行う場合に、共重合ポリエステルの
極限粘度が1.5dl/gよりも大きいときは、溶融粘
度が高くなり過ぎて、溶融押出時、特に押出ブロー成形
時に成形品にウエルドラインが生じ易くなり、更に得ら
れる成形品の外観が不良となり易く、しかも押出時にト
ルクが高くなるために押出量が不均一になり易いなどの
成形上の問題を生じ易くなる。また、共重合ポリエステ
ルの極限粘度が1.5dl/gよりも大きいと、所定量
の共重合ポリエステルを押出すのに要する時間が長くな
って成形品の生産性が低下し易くなる。共重合ポリエス
テルの極限粘度と、共重合ポリエステルの成形性やそれ
から得られる成形品の物性などとの上記した関係は、押
出ブロー成形において特に顕著に現れるが、押出ブロー
成形に限らず、押出成形、射出・押出ブロー成形などの
溶融押出を伴う溶融成形においてもほぼ同様の傾向が生
ずる。
【0066】また、本発明の共重合ポリエステルは、2
90℃の温度における剪断速度0.1rad/秒での溶
融粘度(η1)が1×104〜5×106ポイズであるの
が好ましい。共重合ポリエステルの溶融粘度(η1)が
前記の条件を満足するものである場合は、押出ブロー成
形などの溶融成形を行う際に、カールバックが特に起こ
りにくくなって、成形不良の発生をほとんど完全に防ぐ
ことができ、しかも溶融押出時におけるメルトフラクチ
ャー(溶融破壊)やダイスウエル(die swell)の現象が
顕著に抑制されて、外観や力学的特性などに特に優れた
成形品を得ることができる。
【0067】また、本発明の共重合ポリエステルは、2
90℃の温度における剪断速度100rad/秒での溶
融粘度(η2)が5×103〜5×105ポイズであるの
が好ましく、共重合ポリエステルの溶融粘度(η2)が
前記の条件を満足するものである場合は、押出ブロー成
形などの溶融成形を行う際に、パリソンなどの軟化状態
にある押出物のドローダウンや垂れ下がりによる変形な
どが円滑に防止でき、生産性が高くなり、しかも共重合
ポリエステルの熱分解、押出時の押出むらやウエルドラ
インの発生などを円滑に防止することができる。
【0068】そして、本発明の共重合ポリエステルは、
上記した290℃の温度おける剪断速度0.1rad/
秒での溶融粘度(η1)の要件および290℃の温度に
おける剪断速度100rad/秒での溶融粘度(η2
の要件と共に、該溶融粘度(η1)および溶融粘度
(η2)が、下記の数式;
【0069】
【数3】 −0.7≦(1/3)log10(η2/η1)≦−0.2 を満足するものであるのが一層好ましい。上記の数式
を満足する場合には、共重合ポリエステルは、適度な非
ニュートン性を発揮して、高剪断速度において適度に低
い溶融粘度を示すとともに、低剪断速度において適度に
高い溶融粘度を示すことから、特に押出ブロー成形や射
出・押出ブロー成形などを行う場合に、パリソンの形成
性が極めて良好となる。
【0070】パリソンの形成性をより良好なものとする
点からは、上記した数式における(1/3)log10
(η2/η1)の値が、−0.60〜−0.25の範囲内
であるのが一層好ましい。なお、上記の数式におい
て、(1/3)log10(η2/η1)は、溶融粘度を縦軸
とし、剪断速度を横軸とする両自然対数グラフにおける
溶融粘度(η1)および溶融粘度(η2)の2点を結ぶ直
線の傾きとして求められる。なお、本明細書でいう溶融
粘度(η1)および溶融粘度(η2)の値は、下記の実施
例の項に記載した方法で測定したときの値を言う。
【0071】さらに、本発明の共重合ポリエステルは、
290℃の温度におけるシャークスキン臨界剪断応力
(σss)が1×106dyne/cm2以上であり、且つ
290℃の温度における剪断速度100/秒での剪断応
力(σ100)が前記のシャークスキン臨界剪断応力(σs
s)の値以下であるのが好ましい。本発明者らは、溶融
成形時の共重合ポリエステルの剪断応力も、得られる成
形品の上記した表面荒れと密接な関係があることを見出
したのであり、共重合ポリエステルの290℃でのシャ
ークスキン臨界剪断応力(σss)が1×106dyne
/cm2以上で且つ290℃での剪断速度100/秒で
の剪断応力(σ100)がシャークスキン臨界剪断応力
(σss)の値以下であると、押出ブロー成形などの溶融
成形を行う際に、表面荒れの現象が顕著に抑制されて、
透明性をはじめとする外観や触感などに特に優れる成形
品を得ることができる。その理由としては、前記のよう
な剪断応力を有する共重合ポリエステルでは、共重合ポ
リエステル溶融体と押出機のダイとの間で弾性的な法線
応力の著しい解放が抑えられることによるものと推定さ
れる。なお、ここでいう共重合ポリエステルのシャーク
スキン臨界剪断応力(σss)および剪断速度100/秒
での剪断応力(σ100)とは、毛管粘度計(東洋精機
製;キャピログラフ)によって、キャピラリーノズルを
用いてストランド状に押出したときの剪断応力をいい、
その詳細は以下の実施例の項に記載するとおりである。
【0072】また、本発明の共重合ポリエステルは、そ
のガラス転移温度が90℃以上であるのが好ましく、押
出ブロー成形やその他の溶融成形によって得られる成形
品の収縮を防止する点からは、ガラス転移温度が100
℃以上であるのがより好ましい。共重合ポリエステルの
ガラス転移温度が90℃未満の場合は、成形品、特に押
出ブロー成形品を金型から取り出した後に、成形品に残
存応力の緩和に伴う収縮が生じて成形品の外観を損なう
ことがある。
【0073】本発明の共重合ポリエステルは、そのカル
ボキシル基濃度が30μ当量/g以下であるのが、共重
合ポリエステルの溶融安定性、着色防止、押出ブロー成
形品における表面荒れの防止などの点から好ましく、そ
のカルボキシル基濃度が20μ当量/g以下であるのが
より好ましい。共重合ポリエステルのカルボキシル基濃
度が30μ当量/gを超える場合は、溶融時の熱安定性
が低下して共重合ポリエステルの分子量低下が顕著にな
り、しかも成形品、特に押出ブロー成形品における着色
が著しくなり易い。
【0074】更に、本発明の共重合ポリエステルは、押
出ブロー成形などの溶融成形時の成形性、得られる成形
品の均一性、成形時の生産性などの点から、290℃の
温度におけるメルトフローレイト(以下「MFR」と略
記することがある)が、0.3〜7.5g/10分の範
囲内であるのが好ましく、0.5〜5g/10分の範囲
内であるのがより好ましい。
【0075】本発明の共重合ポリエステルは、冷結晶化
温度が160℃以下であり、且つ冷結晶化における結晶
化熱量が25J/g以下であることが好ましい。共重合
ポリエステルの冷結晶化温度が160℃よりも高い場
合、または冷結晶化における結晶化熱量が25J/gを
超える場合は、いずれも球晶の成長速度が速くなって、
得られる成形品に白化を生じて透明性が劣ったものにな
り易い。また、押出ブロー成形を行う場合は、パリソン
の固化が早期に生じて、賦形が困難になり易い。溶融成
形時に球晶の生成速度を充分に遅延させて、透明性に優
れる成形品を良好な賦形性で得るためには、共重合ポリ
エステルの冷結晶化温度が150℃以下であり、且つ冷
結晶化における結晶化熱量が20J/g以下であるのが
一層好ましい。なお、ここでいう冷結晶化温度および冷
結晶化における結晶化熱量は示差熱分析法(DSC)に
よって測定したときの値をいい、その詳細は下記の実施
例の項に記載したとおりである。
【0076】本発明の共重合ポリエステルのうち、共重
合ポリエステル(A)は上記した製法(A)により製造
することができ、共重合ポリエステル(B)は上記した
製法(B)により製造することができ、共重合ポリエス
テル(C)は上記した製法(C)により製造することが
でき、そして共重合ポリエステル(D)は上記した製法
(D)により製造することができる。
【0077】すなわち、2,6−ナフタレンジカルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体よりなるジカルボン
酸成分とエチレングリコールよりなるジオール成分から
主としてなる反応原料を用いてエステル化反応またはエ
ステル交換反応させた後、それを溶融重縮合させてポリ
エステルプレポリマーを形成し、そのポリエステルプレ
ポリマーを固相重合して共重合ポリエステルを製造する
方法において、 (1) 共重合ポリエステル(A)の場合は、上記の反
応原料として更にカルボキシル基、ヒドロキシル基およ
び/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する
多官能化合物の少なくとも1種を、該多官能化合物から
誘導される多官能化合物単位(a)の割合が共重合ポリ
エステルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.00
5〜0.5モル%になるような量で含んでいるものを用
いることにより; (2) 共重合ポリエステル(B)の場合は、上記の反
応原料として、カルボキシル基、ヒドロキシル基および
/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多
官能化合物の少なくとも1種を該多官能化合物から誘導
される多官能化合物単位(a)の割合が共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.005〜
1モル%になるような量で含み;且つモノカルボン酸、
モノアルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体か
らなる単官能化合物の少なくとも1種を、該単官能化合
物から誘導される単官能化合物単位(b)の割合が共重
合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて
0.0005〜20モル%になるような量で含んでいる
ものを用いることにより; (3) 共重合ポリエステル(C)の場合は、上記の反
応原料として、カルボキシル基、ヒドロキシル基および
/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多
官能化合物の少なくとも1種を該多官能化合物から誘導
される多官能化合物単位(a)の割合が共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.005〜
0.5モル%になるような量で含み;且つ2,6−ナフ
タレンジカルボン酸およびエチレングリコール以外のジ
カルボン酸、ジオールおよびヒドロキシカルボン酸およ
びそれらのエステル形成性誘導体からなる2官能化合物
の少なくとも1種を、該2官能化合物から誘導される2
官能化合物単位(c)の割合が共重合ポリエステルの全
構造単位の合計モル数に基づいて0.5〜7モル%にな
るような量で含んでいるものを用いることにより;そし
て、 (4) 共重合ポリエステル(D)の場合は、上記の反
応原料として、カルボキシル基、ヒドロキシル基および
/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多
官能化合物の少なくとも1種を該多官能化合物から誘導
される多官能化合物単位(a)の割合が共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.005〜
1モル%になるような量で含み;モノカルボン酸、モノ
アルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体からな
る単官能化合物の少なくとも1種を、該単官能化合物か
ら誘導される単官能化合物単位(b)の割合が共重合ポ
リエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.0
005〜20モル%になるような量で含み;且つ2,6
−ナフタレンジカルボン酸およびエチレングリコール以
外のジカルボン酸、ジオールおよびヒドロキシカルボン
酸およびそれらのエステル形成性誘導体からなる2官能
化合物の少なくとも1種を該2官能化合物から誘導され
る2官能化合物単位(c)の割合が共重合ポリエステル
の全構造単位の合計モル数に基づいて0.5〜7モル%
になるような量で含んでいるものを用いることにより;
それぞれ目的とする共重合ポリエステルを短時間で生産
性よく製造することができる。
【0078】そして、上記の共重合ポリエステルの製造
方法では、多官能化合物、単官能化合物、2官能化合物
として、共重合ポリエステル中に多官能化合物単位
(a)、単官能化合物単位(b)、2官能化合物単位
(c)を導入するための化合物として、本発明の共重合
ポリエステルに関して上記で例示したそれぞれの化合物
を使用することができる。
【0079】上記した方法で本発明の共重合ポリエステ
ル[共重合ポリエステル(A)〜(D)]の製造に当た
っては、(全ジオール成分):(全ジカルボン酸成分)
のモル比が1.1:1〜1.5:1になるようにするの
が好ましく、そして単官能化合物単位(b)を有しない
共重合ポリエステル(A)および共重合ポリエステル
(C)では、さらに(多官能化合物成分):(全ジカル
ボン酸成分)のモル比が0.0001:1〜0.01:
1になるようにして反応原料の調製を行い、またまた単
官能化合物単位(b)を有する共重合ポリエステル
(B)および共重合ポリエステル(D)では、さらに
(多官能化合物成分):(全ジカルボン酸成分)のモル
比が0.0001:1〜0.02:1であり且つ(単官
能化合物成分):(全ジカルボン酸成分)のモル比が
0.00001:1〜0.4:1になるようにして反応
原料の調製を行うのが好ましい。
【0080】本発明の共重合ポリエステルを製造する際
の上記のエステル化反応またはエステル交換反応は、通
常、常圧下または絶対圧で約5kg/cm2以下の加圧
下に、200〜300℃の温度で、生成する水またはア
ルコールを留去させながら行うとよい。そして、それに
続いて、必要に応じて重縮合触媒、着色防止剤などの添
加剤を添加した後、通常、5mmHg以下の減圧下に、
200〜300℃の温度で、所望の粘度のポリエステル
プレポリマーが得られるまで溶融重縮合を行ってポリエ
ステルプレポリマーを形成させる。その場合に、ポリエ
ステルプレポリマーの取り扱い性などの点から、ポリエ
ステルプレポリマーの極限粘度は0.40〜0.75d
l/gの範囲内であることが好ましく、またそのMFR
は15.0g/10分以上であるのが好ましい。
【0081】上記した溶融重縮合反応において重縮合触
媒を使用する場合は、ポリエステルの製造に通常用いら
れているものを使用することができ、例えば、酸化アン
チモンなどのアンチモン化合物;酸化ゲルマニウムなど
のゲルマニウム化合物;テトラメトキシチタン、テトラ
エトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの
チタン化合物;ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n
−ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテートなどの
錫化合物などを挙げることができ、これらの触媒化合物
は単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用しても
よい。重縮合触媒を用いる場合は、ジカルボン酸成分の
重量に基づいて0.002〜0.8重量%の範囲内の量
であるのが好ましい。
【0082】また、着色防止剤を使用する場合は、例え
ば、亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスファイト、ト
リフェニルフォスファイト、トリデシルフォスファイ
ト、トリメチルフォスフェート、トリデシルフォスフェ
ート、トリフェニルフォスフェートなどのリン化合物を
用いることができ、これらのリン化合物は単独で使用し
てもまたは2種以上を併用してもよい。上記したリン化
合物からなる着色防止剤を使用する場合は、ジカルボン
酸成分の重量に基づいて0.001〜0.5重量%の範
囲内であるのが好ましい。また、共重合ポリエステルの
熱分解による着色を抑制するために、ジカルボン酸成分
の重量に基づいて0.001〜0.5重量%、より好ま
しくは0.05〜0.3重量%のコバルト化合物、例え
ば酢酸コバルトなどを添加するのがよい。
【0083】更に、上記したように、共重合ポリエステ
ル中にジエチレングリコール単位が多く含まれると共重
合ポリエステルのガラス転移温度が低下し、それに伴っ
て耐熱性の低下や着色などが起こり、それから得られる
ボトルなどの成形品の耐熱性、強度、色調などが不良な
ものとなるが、上記したエステル化反応、エステル交換
反応および/または溶融重縮合反応を、ジカルボン酸成
分の合計重量に対して0.001〜0.5重量%のテト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキル
アンモニウムヒドロキシド;トリエタノールアミン、ト
リエチルアミン等の有機アミンなどのジエチレングリコ
ールの副生抑制剤の存在下に行うと、共重合ポリエステ
ル中におけるジエチレングリコール単位の割合を低減さ
せることができるので好ましい。
【0084】次いで、上記した溶融重縮合反応により得
られるポリエステルプレポリマーをダイス状、円柱状な
どの任意の形状のチップやペレットとし、それを通常1
90℃以下の温度で予備乾燥した後、その極限粘度、M
FRなどが所望の値になるまで固相重合を行って、目的
とする共重合ポリエステルを形成させる。固相重合は、
真空下、減圧下または窒素ガスなどの不活性ガス中で行
うのが好ましい。また、ポリエステルプレポリマーのチ
ップやペレット同士が膠着しないように、転動法、気体
流動床法などの適当な方法でチップやペレットを動かし
ながら固相重合を行うのが好ましい。固相重合は通常1
80〜250℃の範囲内の温度で行うのが好ましく、1
90〜240℃の範囲内の温度で行うのがより好まし
い。更に、固相重合の温度は、チップやペレット間の膠
着を防止する観点から、前記した範囲内の温度であっ
て、しかも製造を目的としている共重合ポリエステル
(最終的に得られる共重合ポリエステル)の融点より1
5℃以上低い温度、好ましくは20℃以上低い温度とす
るとよい。また、固相重合の重合時間は通常約5〜40
時間の範囲とするのが生産性などの観点から好ましい。
そして、上記した一連の工程を行うことによって、本発
明の共重合ポリエステルを短時間に生産性よく製造する
ことができる。
【0085】本発明の共重合ポリエステルは、溶融成形
性、透明性、耐熱性、力学的特性、ガスバリヤー性、耐
湿性、耐薬品性などに優れているので、押出ブロー成形
法、射出・押出ブロー成形法、押出成形法、射出成形
法、その他の溶融成形法によって各種の成形品に成形す
ることができる。そのうちでも、本発明の共重合ポリエ
ステルは、溶融押出工程を伴う成形に用いるのに適して
おり、押出ブロー成形に用いるのに特に適している。そ
して、本発明の共重合ポリエステルを用いて溶融成形、
特に溶融押出を伴う押出ブロー成形、射出・押出ブロー
成形、押出成形などを行った場合には、押出後の変形な
どを生ずることなく良好な生産性で各種の成形品を製造
することができ、それによって得られる成形品は、寸法
精度、透明性、機械的特性、耐熱性、ガスバリヤー性、
耐湿性、耐薬品性などの諸特性に優れている。特に、本
発明の共重合ポリエステルを用いて押出ブロー成形を行
った場合には、押出されたパリソンのドローダウン性が
良好であって、パリソンのドローダウン時間が適当な範
囲に保たれ、パリソンの直径が均一になり、ブロー成形
性が良好であり、成形時のトラブルを生ずることなく、
歪みや変形のない良好な形状および寸法精度を有する中
空成形品を円滑に生産性よく製造することができる。そ
して、それによって得られた押出ブロー成形品などの成
形品は、ブツの発生や白化がなくて、透明性、外観、触
感に優れており、ピンチオフ時の底部の接着不良がな
く、しかも機械的特性、耐熱性、ガスバリヤー性、耐湿
性、耐薬品性などの諸特性にも優れている。
【0086】本発明の共重合ポリエステルを用いて溶融
成形を行うに当たっては、熱可塑性樹脂に対して従来か
ら知られているそれぞれの溶融成形法、例えば押出ブロ
ー成形法、射出・押出ブロー成形法、押出成形法、射出
成形法にしたがって行えばよく、特にその具体的な成形
内容などは制限されない。特に、本発明の共重合ポリエ
ステルを用いて押出ブロー成形を行う場合は、押出ブロ
ー成形法の種類などは特に制限されず、従来既知の押出
ブロー成形法と同様に、例えば本発明の共重合ポリエス
テルを溶融押出成形して円筒状のパリソンを形成し、こ
のパリソンが軟化状態にある間にブロー用金型に挿入
し、空気などの気体を吹き込んでパリソンを金型キャビ
ィティの形状に沿った所定の中空形状に膨張させる方法
によって行うことができる。そして、前記した方法で押
出ブロー成形を行う場合は、成形性などの点から、その
溶融押出温度を、(共重合ポリエステルの融点+10
℃)〜(共重合ポリエステルの融点+70℃)の範囲内
の温度にするのが好ましく、(共重合ポリエステルの融
点+10℃)〜(共重合ポリエステルの融点+40℃)
の範囲内の温度にするのがより好ましい。
【0087】また、本発明の成形品の形状、構造なども
特に制限されず、それぞれの用途などに応じて、例え
ば、中空成形品、管状体、板、シート、フイルム、棒状
体、型物などの任意の形状や構造とすることができ、し
かもその寸法なども何ら制限されない。そのうちでも、
本発明は、押出ブロー成形によって中空成形品を製造す
るのに特に適している。
【0088】更に、本発明の共重合ポリエステルから得
られる成形品は、本発明の共重合ポリエステル単独で形
成されていても、他のプラスチック、金属、繊維、布帛
などの他の材料との積層体の形態になっていても、また
は本発明の共重合ポリエステルと前記した他の材料との
積層構造以外の形態の成形品であってもよく、何ら制限
されない。特に、本発明の成形品が押出ブロー成形品で
ある場合は、例えば、本発明の共重合ポリエステルのみ
からなる単層中空成形品(中空容器など)、本発明の共
重合ポリエステルとポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)などの他のプラスチックとの多層
中空成形品であることができ、より具体的には、例えば
PET層/共重合ポリエステル層/PET層からなる三
層ボトル、PET層/共重合ポリエステル層/PET層
/共重合ポリエステル層/PET層からなる五層ボトル
などを挙げることができる。しかしながら、本発明の成
形品は勿論前記のものに何ら限定されない。
【0089】また、必要に応じて、本発明の共重合ポリ
エステルには、他の熱可塑性樹脂、ポリエステル系樹脂
に対して従来から使用されている各種の添加剤、例えば
染料や顔料などの着色剤、紫外線吸収剤などの安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、潤滑剤、可塑剤、無機
充填剤などを配合してもよい。
【0090】
【実施例】以下に本発明を実施例などの例によって具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、ポリエステル(共重合ポリエス
テルまたは単独重合ポリエステル)の各構造単位の含有
率およびポリエステルの物性の測定、並びにポリエステ
ルの押出ブロー成形時のパリソンのドローダウン性およ
びブロー成形性の評価、押出ブロー成形によって得られ
た成形品(ボトル)の透明性およびブツ発生率の評価、
並びに成形品(ボトル)の落下破壊高さの測定および落
下強度評価、並びに成形品(ボトル)のガスバリヤー性
および耐熱性の評価は、次のようにして行った。
【0091】(1)ポリエステルにおける各構造単位の
含有率:ポリエステルをメタノリシスし、高速液体クロ
マトグラフィーを用いて構成成分を分離し、得られた各
成分について紫外・可視吸収スペクトル、屈折率および
赤外線吸収スペクトル(IR)による定量分析を行って
各構造単位の含有率を求めた。また、重水素トリフルオ
ロ酢酸を溶媒としたポリエステルの1H−NMRスペク
トルにより確認した。
【0092】(2)ポリエステルの極限粘度:p−クロ
ロフェノールとテトラクロルエタンの等重量混合溶媒
中、30℃で、ウデローデ型粘度計(林製作所製「HR
K−3型」)を用いて測定した。
【0093】(3)プレポリマーおよびポリエステルの
メルトフローレイト(MFR):メルトインデクサーL
244(宝工業株式会社製)を用いて測定した。具体的
には、プレポリマーまたはポリエステル(最終生成物)
のチップを、内径9.55mm、長さ162mmのシリ
ンダーに充填し、290℃で溶融した後(但し比較例1
〜5は共重合ポリエステルが主としてテレフタル酸単位
およびエチレングリコール単位よりなるため270℃で
溶融した後に、また比較例6は共重合ポリエステルが非
晶性であったため210℃で溶融した後)、溶融したプ
レポリマーまたはポリエステルに対して、重さ2160
g、直径9.48mmのプランジャーによって均等に荷
重をかけ、シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオ
リフィスより押出されたプレポリマーまたはポリエステ
ルの流出速度(g/10分)を測定し、これをメルトフ
ローレイト(MFR)とした。
【0094】(4)ポリエステルの溶融粘度(η1およ
びη2):メカニカルスペクトロメーター(レオメトリ
ックス社製「RMS−800」)により、パラレルプレ
ートを用いて、ポリエステルの290℃の温度における
剪断速度0.1rad/秒での溶融粘度(η1)(ポイ
ズ)、およびポリエステルの290℃の温度における剪
断速度100rad/秒での溶融粘度(η2)(ポイ
ズ)をそれぞれ動的に測定した(但し比較例1〜5は共
重合ポリエステルが主としてテレフタル酸単位およびエ
チレングリコール単位よりなるため270℃で測定、ま
た比較例6は共重合ポリエステルが非晶性であったため
210℃で測定した)。
【0095】(5)ポリエステルのシャークスキン臨界
剪断応力(σss)と剪断応力(σ100):キャピログラフ
(東洋精機製)により、直径2mm×長さ10mmのキ
ャピラリーノズルを用いて、290℃の温度において剪
断速度を変化させてポリエステルをストランド状に押し
出した。ストランド表面が粗面化した時点(十点平均表
面粗さで1.5μmRz以上になった時点)における剪
断応力を求め、これをシャークスキン(サメ肌)臨界剪
断応力(σss)(dyne/cm2)とした。また、同じ
装置を用いて、ポリエステルの290℃の温度における
剪断速度100/秒での剪断応力(σ100)(dyne
/cm2)を測定した(但し比較例1〜5は共重合ポリ
エステルが主としてテレフタル酸単位およびエチレング
リコール単位よりなるため270℃で測定し、また比較
例6は共重合ポリエステルが非晶性であったため210
℃で測定した)。
【0096】(6)ポリエステルのガラス転移温度(T
g)および融点(Tm):JIS K7121に準じ
て、示差熱分析法(DSC)により、熱分析システム
「メトラーTA3000」(メトラー社製)を用いて、
昇温速度10℃/分の条件で測定した。
【0097】(7)ポリエステルの冷結晶化温度(Tcc)
および冷結晶化熱量(△Hcc):JIS K7121に準
じて、示差熱分析法(DSC)により、熱分析システム
「メトラーTA3000」(メトラー社製)を用いて、
Tm+40℃の温度に試料を5分間保持した後、降温速
度5℃/分の条件で測定した。
【0098】(8)ポリエステルの末端カルボキシル基
濃度(CEG):0.2gのポリエステルを215℃に
加熱したベンジルアルコール10mlに溶解し、溶解後
にクロロホルム10mlを加え、ベンジルアルコール性
カセイソーダを用いて滴定した。
【0099】(9)押出ブロー成形時のパリソンのドロ
ーダウン性: (i)パリソンのドローダウン時間(秒):株式会社プ
ラコー製の押出ブロー成形装置(中空成形機「BM−3
04・J2型機」)を用いて、290℃の押出温度で環
状オリフィスより押出速度25kg/時で押出して円筒
形パリソンを形成し(但し比較例1〜5は共重合ポリエ
ステルが主としてテレフタル酸単位およびエチレングリ
コール単位よりなるため270℃の押出温度で成形し、
また比較例6は共重合ポリエステルが非晶性であったた
め210℃の押出温度で成形)、円筒形パリソンが軟化
状態にあるうちにブロー金型で挟むことによって切断と
底部形成を行い、これをブロー成形して、設定容量約1
800mlの清涼飲料用のボトルを製造した。ここで用
いた上記の押出ブロー成形装置は、パリソンが35cm
ドローダウンした時に金型で挟みとってブローするよう
になっており、そのため、35cmドローダウンするの
に要する時間(秒)をドローダウン時間として測定し
た。なお、ここで用いた押出ブロー成形装置による場合
は、ドローダウン時間が15〜25秒の範囲である場合
に成形性が良好となる。ドローダウン時間が15秒未満
の場合はドローダウンが激しく、パリソン形状が不均一
となってブロー後に厚みむらの大きい不良品が生じた
り、ブロー金型中への挿入不能、パリソン中空部におけ
る閉塞などが発生する。また、ドローダウン時間が25
秒を超えると、成形品(ボトル)の生産性が低くなり、
またポリエステルの溶融粘度が高すぎるため均一にブロ
ーすることができなくなり、更にボトルのピンチオフ部
分における不接着、ウエルドラインの発生、トルク上昇
による成形装置の破損などが生じ易くなる。
【0100】(ii)パリソンの最大直径(外径)と最小
直径(外径)との差:上記の押出ブロー成形装置を用い
て290℃の押出温度で円筒形パリソンを押出し(但し
比較例1〜5は共重合ポリエステルが主としてテレフタ
ル酸単位およびエチレングリコール単位よりなるため2
70℃の押出温度で成形し、また比較例6は共重合ポリ
エステルが非晶性であったため210℃の押出温度で成
形)、パリソンが35cmに達した時点でパリソンの最
大直径(外径)と最小直径(外径)を測定し、それらの
差を求めた。ここで用いた上記の押出ブロー成形装置の
押出ノズルの環状ダイの直径は3.5cmであるが、押
出されたパリソンは自重によるドローダウンで、ダイか
ら離れるにしたがって直径が細まる傾向がある。パリソ
ンの最大直径と最小直径の差が1cm以下であれば、通
常押出ブロー成形を円滑に行うことができる。これに対
して、パリソンの最大直径と最小直径の差が1cmを超
えると、ブロー後に厚みむらを生じて、不良品が発生し
たり、更に著しい場合はパリソンが閉塞してブロー不能
となる。
【0101】(iii)パリソンのドローダウン性の総合
評価:パリソンのドローダウン時間、パリソンの最大直
径と最小直径との差、およびボトルの生産性の多少の観
点から、下記の表1に示す評価基準にしたがってドロー
ダウン性の総合評価を行った。その際に、ボトルの生産
性については、コスト面から1時間当たり120本以上
のボトルが生産でき、成形不良が100本中10本未満
である場合を、生産性が良好であるとした。なお、ここ
における成形不良とは、押出されたパリソンのドローダ
ウンによるブロー金型中への挿入不能、パリソンの中空
部における閉塞、高粘度によるピンチオフ部分の不接着
および不均一ブローに起因するボトル形状の変形や破壊
のトラブルのうちの少なくとも一つが生じた場合をい
う。
【0102】
【表1】 パリソンのドローダウン性の総合評価基準 ○:下記の条件のすべてを満足する場合 (イ)ドローダウン時間が15秒以上25秒以下の範囲内である。 (ロ)パリソンの最大直径と最小直径との差が1cm以下である。 (ハ)ボトルの生産量が1時間当たり120本以上であり、成形 不良のボトルの割合が100本中10本未満である。 △:下記の条件のいずれかに当てはまる場合 (イ)ドローダウン時間が10秒以上15秒未満、または25秒を 超え60秒以下の範囲内である。 (ロ)パリソンの最大直径と最小直径との差が1cmを超え2cm 以下の範囲内である。 (ハ)ボトルの生産量が1時間当たり60本以上120本未満であり、 成形不良のボトルの割合が100本中10本以上30本未満で ある。 ×:下記の条件のいずれかに当てはまる場合 (イ)ドローダウン時間が10秒未満、または60秒を超える。 (ロ)パリソンの最大直径と最小直径との差が2cmを超える。 (ハ)ボトルの生産量が1時間当たり60本未満であり、成形不良の ボトルの割合が100本中30本以上である。
【0103】(10)押出ブロー成形時のブロー成形
性: (i)ボトルの平均壁厚:成形により得られたボトル胴
部の上部から下部にかけて等間隔で5分割し、さらにそ
の各々をボトルの円周方向に等間隔に4分割して、合計
20箇所において壁厚を測定し、平均壁厚を算出した。
平均壁厚は、外観、触感、ボトル強度の点から、0.3
mm以上0.7mm以下の範囲であるのが好ましい。 (ii)ボトルの厚みむら:上記(i)の測定で得られた
ボトル胴部の壁厚における最大厚みと最小厚みとの差
(mm)を求めて評価した。厚みむらが0.3mm未満
であることが好ましく、それ以上になると極薄部分およ
び/または破損部が発生して外観および/または触感が
不良になる。 (iii)ブロー成形性の総合評価:下記の表2に示す評
価基準にしたがって、ブロー成形性の総合評価を行っ
た。
【0104】
【表2】 ブロー成形性の総合評価基準 ○:平均壁厚が0.3mm以上0.7mm以下の範囲内であり、 かつ厚みむらが0.3mm未満である。 ×:平均壁厚が0.3mm未満または0.7mmを超えるか、 あるいは厚みむらが0.3mm以上である。
【0105】(11)ボトルの透明性: (i)ヘイズ値(曇価):ボトル胴部を上部、中部およ
び下部にわたって6分割し、更に円周上に4分割した合
計24箇所について、ASTM D1003に準じて、
ポイック積分球式光線透過率・全光線反射率計(日本精
密光学株式会社製「SEP−HS・30D−R型」)を
用いて各箇所におけるヘイズ値を測定し、その平均値を
採ってボトルのヘイズ値(曇価)とした。ヘイズ値が8
を超えると、球晶生成による白化のため、またはゲル状
ブツによる光散乱のために透明性が不良となる。ヘイズ
値が4以下であることが透明性の点から好ましく、3以
下であるのがさらに好ましい。 (ii)b値:ボトル胴部を1cm2(1cm×1cmの
正方形の片)に細断し、色差計(スガ試験機株式会社製
「SM−4型」)を用いて反射法により測定した。b値
が8を超えるとボトルの色調に黄色味が強くなり、外観
が不良になる。b値が4以下であることが色調上好まし
く、3以下であるのがさらに好ましい。 (iii)ボトルの透明性の総合評価:下記の表3に示す
評価基準にしたがってボトルの透明性の総合評価を行っ
た。
【0106】
【表3】 ボトルの透明性の総合評価基準 ◎:ヘイズ値が3以下で且つb値が3以下である。 ○:ヘイズ値が4以下で且つb値が4以下であり、しかも◎に該当しない。 △:ヘイズ値が4を超え8以下の範囲内であるか、またはb値が4を超え 8以下であり、しかも×に該当しない。 ×:ヘイズ値が8を超えるか、またはb値が8を超える。
【0107】(12)ボトルのブツ発生率:ボトル胴部
中央を10cm×10cmで切り取り、その中に含まれ
るブツの数量(個数)を目視で数えて、その発生状況を
下記の表4に示す評価基準にしたがって評価してボトル
のブツ発生率とした。
【0108】
【表4】 ボトルのブツ発生率の評価基準 ◎:ブツ発生率が2個/100cm2以下である。 ○:ブツ発生率が2個/100cm2を超え5個/100cm2以下 である。 △:ブツ発生率が5個/100cm2を超え10個/100cm2以下 である。 ×:ブツ発生率が10個/100cm2を超える。
【0109】(13)ボトルの落下衝撃強度:成形で得
られたボトル10本を、各々1本ごとに内容物として水
を充填し、密栓した後、最初に50cmの高さからボト
ルを直立状態で自然落下させ、ボトルの破壊が生じない
場合は落下高さを10cmずつ増して同様にしてボトル
を直立状態で自然落下させ、その操作を順次繰り返し
て、ボトルが破壊した高さを求め、10本のボトルの破
壊時の高さの平均を採って落下破壊高さとした。また下
記の表5に示した評価基準にしたがってボトルの落下衝
撃強度の評価を行った。
【0110】
【表5】 ボトルの落下衝撃強度の評価基準 ◎:ボトル落下破壊高さが120cm以上である。 ○:ボトル落下破壊高さが100cm以上120cm未満である。 ×:ボトル落下破壊高さが100cm未満である。
【0111】(14)ボトルのガスバリヤー性: (i)酸素透過率 ボトル胴部中央を10cm×10cmで切り取り、気体
透過率測定装置(理化精機工業株式会社製「K−315
N型」)により、温度35℃、相対湿度0%にて測定し
た。酸素透過率が大きくなると食品保存性が悪くなるた
めに、酸素透過率は5cc・mm/m2・day・at
m以下であるのが好ましい。 (ii)食品保存性 得られたボトルにマヨネーズを充填し、密封し、25℃
の温度下で90日間放置した後、回収されたマヨネーズ
の色調および風味の変化の有無について下記の表6に示
す評価基準にしたがって評価して食品保存性の良否を調
べた。
【0112】
【表6】 ボトルの食品保存性の評価基準 ○:製造直後のマヨネーズと同じ良好な色調および風味を有している。 ×:製造直後のマヨネーズと比べて、黄色味が強く、酸味が強い。
【0113】(15)ボトルの耐熱性:得られたボトル
10本に85℃の熱湯を充填し、アルミ製スクリューキ
ャップで密栓し、30分後に各ボトルについて内容積の
保持率、キャップ部分からの内容物の漏れおよびボトル
形態の保持性について下記の表7に示す評価基準にした
がって評価してボトルの耐熱性を調べた。
【0114】
【表7】 ボトルの耐熱性の評価基準 ○:ボトルの内容積の保持率が平均して95%以上であり、キャップから の漏れを生じるボトルの本数が2本未満であり、かつボトルを水平な 台の上に直立させたときに熱湯充填前と同程度に自立して形態が保持 されている。 ×:ボトルの内容積の保持率が平均して95%未満であるか、キャップか らの漏れを生じるボトルの本数が2本以上であるか、またはボトルを 水平な台の上に直立させたときに熱湯充填前と異なり自立しないか若 しくは自立していてもぐらつきを生じ形態が保持されていない。
【0115】《実施例 1》 (1) 2,6−ナフタレンジカルボン酸100.00
重量部、エチレングリコール34.46重量部、および
ペンタエリスリトール0.064重量部、ステアリン酸
0.059重量部とからなるスラリーをつくり、これに
二酸化ゲルマニウム0.015重量部、亜リン酸0.0
15重量部、酢酸コバルト0.015重量部およびテト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド0.015重量部を
加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧3.5Kg/c
2)で270℃の温度に加熱して、エステル化率が9
5%になるまでエステル化反応を行って低重合体を製造
した。続いて、1mmHgの減圧下に、290℃の温度
で前記の低重合体を溶融重縮合させて、極限粘度0.6
9dl/gの共重合ポリエステルのプレポリマーを生成
させ、これをノズルからストランド状に押出して切断
し、円柱状チップ(直径約2.5mm、長さ約3.5m
m)にした。このプレポリマーの290℃におけるメル
トフローレイト(MFR)は27g/10分であった。 (2) 次いで、上記で得られた共重合ポリエステルの
プレポリマーのチップを160℃で5時間予備乾燥した
後、転動式真空固相重合装置を用い、0.1mmHgの
減圧下に、230℃で固相重合を26時間行って、高分
子量化された共重合ポリエステルを得た。
【0116】(3) 上記(2)で得られた共重合ポリ
エステルの各構造単位の含有率を上記した方法で測定し
たところ、共重合ポリエステルにおける2,6−ナフタ
レンジカルボン酸単位、エチレングリコール単位、ペン
タエリスリトール単位、ステアリン酸単位およびジエチ
レングリコール単位の含有率は下記の表9に示すとおり
であった。 (4) また、上記(2)で得られた共重合ポリエステ
ルの物性を上記した方法で測定したところ、下記の表9
に示すように、極限粘度は1.10dl/g、290℃
の温度におけるMFRは1.7g/10分、同温度にお
ける剪断速度0.1rad/秒での溶融粘度(η1)は
1.01×105ポイズ、剪断速度100rad/秒で
の溶融粘度(η2)は1.42×104ポイズであり、し
たがって(1/3)log10(η2/η1)の値は−0.
28であった。更に、上記(2)で得られた共重合ポリ
エステルの290℃におけるシャークスキン臨界剪断応
力(σss)は5.5×106dyne/cm2、剪断速度
100/秒での剪断応力(σ100)は1.8×106dy
ne/cm2であった。また、上記(2)で得られた共
重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)、融点(T
m)、冷結晶化温度(Tcc)、冷結晶化熱量(△Hcc)
および末端カルボキシル基濃度(CEG)を上記した方
法で測定したところ、下記の表9に示すように、それぞ
れ122℃、270℃、136℃、12J/gおよび1
3μ当量/gであった。
【0117】(5) 上記(2)で得られた共重合ポリ
エステルを用いて、押出ブロー成形装置(株式会社プラ
コー製の中空成形機「BM−304・J2型」)を用い
て上記した方法で押出ブロー成形を行って、設定容量約
1800mlのボトルを製造し、その際のパリソンのド
ローダウン性、ブロー成形性及び得られたボトルの透明
性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバ
リヤー性及び耐熱性を上記した方法で測定または評価し
たところ、下記の表23に示すとおりであった。
【0118】《実施例2〜4》2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸およびエチレングリコールを下記の表9に示す
割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用の多官
能化合物としてトリメチロールプロパンまたは無水トリ
メリット酸、および単官能化合物単位(b)用の単官能
化合物として安息香酸または2,4,6−トリメトキシ
安息香酸を表9に示した割合で用いて、実施例1と同様
にして、エステル化反応および溶融重縮合反応を行って
共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造した
後、下記の表9に示す温度および時間で固相重合を行っ
て、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。得られた
共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有量、およ
び共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様にして調
べたところ下記の表9に示すとおりであった。また、こ
の実施例2〜4のそれぞれで得られた共重合ポリエステ
ルを用いて実施例1と同様にして押出ブロー成形を行っ
てボトルを製造し、その際のパリソンのドローダウン
性、ブロー成形性および得られたボトルの透明性、ブツ
発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤー性
および耐熱性を上記した方法で測定または評価したとこ
ろ、下記の表23に示すとおりであった。
【0119】《実施例5〜8》2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸およびエチレングリコールを下記の表10に示
す割合で使用し、これに更に多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物として無水ピロメリット酸、トリメチロ
ールプロパン、トリメシン酸または無水トリメリット酸
を表10に示す割合で用い、また単官能化合物単位
(b)用の単官能化合物としてステアリルアルコールを
表10に示す割合で用いるかまたは用いないで、実施例
1と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応を
行って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造
した後、下記の表10に示す温度および時間で固相重合
を行って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。得
られた共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有
量、および共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様
にして調べたところ下記の表10に示すとおりであっ
た。また、この実施例5〜8でそれぞれ得られた共重合
ポリエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブロー
成形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンのドロ
ーダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの透明
性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバ
リヤー性および耐熱性を上記した方法で測定または評価
したところ、下記の表23に示すとおりであった。
【0120】《実施例9〜12》2,6−ナフタレンジ
カルボン酸およびエチレングリコールを下記の表11に
示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用の
多官能化合物としてトリメチロールプロパンまたは無水
トリメリット酸を、また単官能化合物単位(b)用の単
官能化合物として安息香酸、2−ナフトエ酸または2,
4,6−トリメトキシ安息香酸を表11に示す割合で用
い、そして2官能化合物単位(c)用の2官能化合物と
してテレフタル酸を表11に示す割合で用いて実施例1
と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応を行
って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造し
た後、下記の表11に示す温度および時間で固相重合を
行って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。得ら
れた共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有量、
および共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様にし
て調べたところ下記の表11に示すとおりであった。ま
た、この実施例9〜12でそれぞれ得られた共重合ポリ
エステルを用いて実施例1と同様にして押出ブロー成形
を行ってボトルを製造し、その際のパリソンのドローダ
ウン性、ブロー成形性および得られたボトルの透明性、
ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤ
ー性および耐熱性を上記した方法で測定または評価した
ところ、下記の表23に示すとおりであった。
【0121】《実施例13〜16》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表12
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物としてペンタエリスリトール、無水トリ
メリット酸またはトリメシン酸を、また単官能化合物単
位(b)用の単官能化合物としてステアリン酸、ステア
リルアルコール、m−アニス酸または安息香酸を表12
に示す割合で用い、そして2官能化合物単位(c)用の
2官能化合物としてイソフタル酸または4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸を表12に示す割合で用いて、実施
例1と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応
を行って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製
造した後、下記の表12に示す温度および時間で固相重
合を行って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。
得られた共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有
量、および共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様
にして調べたところ下記の表12に示すとおりであっ
た。また、この実施例13〜16でそれぞれ得られた共
重合ポリエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブ
ロー成形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンの
ドローダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの
透明性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガ
スバリヤー性および耐熱性を上記した方法で測定または
評価したところ、下記の表23に示すとおりであった。
【0122】《実施例17〜20》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表13
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物としてトリメチロールプロパン、無水ト
リメリット酸または無水ピロメリット酸を表13に示す
割合で用い、また単官能化合物単位(b)用の単官能化
合物を用いないで、そして2官能化合物単位(c)用の
2官能化合物としてテレフタル酸またはイソフタル酸を
表13に示す割合で用いて、実施例1と同様にしてエス
テル化反応および溶融重縮合反応を行って共重合ポリエ
ステルのプレポリマーチップを製造した後、下記の表1
3に示す温度および時間で固相重合を行って、共重合ポ
リエステルをそれぞれ製造した。得られた共重合ポリエ
ステルにおける各構造単位の含有量、および共重合ポリ
エステルの物性を実施例1と同様にして調べたところ下
記の表13に示すとおりであった。また、この実施例1
7〜20でそれぞれ得られた共重合ポリエステルを用い
て実施例1と同様にして押出ブロー成形を行ってボトル
を製造し、その際のパリソンのドローダウン性、ブロー
成形性および得られたボトルの透明性、ブツ発生率、落
下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤー性および耐熱
性を上記した方法で測定または評価したところ、下記の
表23に示すとおりであった。
【0123】《実施例21〜24》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表14
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物として無水トリメリット酸またはトリメ
チロールプロパンを表14に示す割合で用い、また単官
能化合物単位(b)用の単官能化合物を用いないかもし
くは2−ナフトエ酸または安息香酸を表14に示す割合
で用い、そして2官能化合物単位(c)用の2官能化合
物として4,4’−ビフェニルジカルボン酸または1,
4−シクロヘキサンジメタノールを表14に示す割合で
用いて、実施例1と同様にしてエステル化反応および溶
融重縮合反応を行って共重合ポリエステルのプレポリマ
ーチップを製造した後、下記の表14に示す温度および
時間で固相重合を行って、共重合ポリエステルをそれぞ
れ製造した。得られた共重合ポリエステルにおける各構
造単位の含有量、および共重合ポリエステルの物性を実
施例1と同様にして調べたところ下記の表14に示すと
おりであった。また、この実施例21〜24でそれぞれ
得られた共重合ポリエステルを用いて実施例1と同様に
して押出ブロー成形を行ってボトルを製造し、その際の
パリソンのドローダウン性、ブロー成形性および得られ
たボトルの透明性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝
撃強度、ガスバリヤー性および耐熱性を上記した方法で
測定または評価したところ、下記の表23および表24
に示すとおりであった。
【0124】《実施例25〜28》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表15
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物として無水トリメリット酸、ペンタエリ
スリトールまたはトリメチロールプロパンを表15に示
す割合で用い、また単官能化合物単位(b)用の単官能
化合物として2,4,6−トリメトキシ安息香酸、ステ
アリン酸またはステアリルアルコールを表15に示す割
合で用い、そして2官能化合物単位(c)用の2官能化
合物として1,4−シクロヘキサンジメタノールまたは
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を表15に示す割
合で用いて、実施例1と同様にしてエステル化反応およ
び溶融重縮合反応を行って共重合ポリエステルのプレポ
リマーチップを製造した後、下記の表15に示す温度お
よび時間で固相重合を行って、共重合ポリエステルをそ
れぞれ製造した。得られた共重合ポリエステルにおける
各構造単位の含有量、および共重合ポリエステルの物性
を実施例1と同様にして調べたところ下記の表15に示
すとおりであった。また、この実施例25〜28でそれ
ぞれ得られた共重合ポリエステルを用いて実施例1と同
様にして押出ブロー成形を行ってボトルを製造し、その
際のパリソンのドローダウン性、ブロー成形性および得
られたボトルの透明性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落
下衝撃強度、ガスバリヤー性および耐熱性を上記した方
法で測定または評価したところ、下記の表24に示すと
おりであった。
【0125】《実施例29〜32》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表16
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物として無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸またはトリメチロールプロパンを表16に示す
割合で用い、また単官能化合物単位(b)用の単官能化
合物を用いないかもしくは安息香酸を表16に示す割合
で用い、そして2官能化合物単位(c)用の2官能化合
物として1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸または2,2−ビス[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンを表
16に示す割合で用いて、実施例1と同様にしてエステ
ル化反応および溶融重縮合反応を行って共重合ポリエス
テルのプレポリマーチップを製造した後、下記の表16
に示す温度および時間で固相重合を行って、共重合ポリ
エステルをそれぞれ製造した。得られた共重合ポリエス
テルにおける各構造単位の含有量、および共重合ポリエ
ステルの物性を実施例1と同様にして調べたところ下記
の表16に示すとおりであった。また、この実施例29
〜32でそれぞれ得られた共重合ポリエステルを用いて
実施例1と同様にして押出ブロー成形を行ってボトルを
製造し、その際のパリソンのドローダウン性、ブロー成
形性および得られたボトルの透明性、ブツ発生率、落下
破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤー性および耐熱性
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
24に示すとおりであった。
【0126】《実施例33〜36》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表17
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物としてトリメチロールプロパン、無水ト
リメリット酸またはペンタエリスリトールを、単官能化
合物単位(b)用の単官能化合物として2−ナフトエ
酸、安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸また
はステアリン酸を表17に示す割合で用い、そして2官
能化合物単位(c)用の2官能化合物として2,2−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ンまたはビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]スルホンを表17に示す割合で用いて、実施例1と
同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応を行っ
て共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造した
後、下記の表17に示す温度および時間で固相重合を行
って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。得られ
た共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有量、お
よび共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様にして
調べたところ下記の表17に示すとおりであった。ま
た、この実施例33〜36でそれぞれ得られた共重合ポ
リエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブロー成
形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンのドロー
ダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの透明
性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバ
リヤー性および耐熱性を上記した方法で測定または評価
したところ、下記の表24に示すとおりであった。
【0127】《実施例37〜40》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表18
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物として無水トリメリット酸、トリメシン
酸またはトリメチロールプロパンを表18に示す割合で
用い、また単官能化合物単位(b)用の単官能化合物と
してステアリルアルコール、m−アニス酸または安息香
酸を表18に示す割合で用いるかまたは用いないで、そ
して2官能化合物単位(c)用の2官能化合物としてビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホ
ン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
または2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]プロパンを表18に示す割合で用いて、実施
例1と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応
を行って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製
造した後、下記の表18に示す温度および時間で固相重
合を行って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。
得られた共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有
量、および共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様
にして調べたところ下記の表18に示すとおりであっ
た。また、この実施例37〜40でそれぞれ得られた共
重合ポリエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブ
ロー成形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンの
ドローダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの
透明性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガ
スバリヤー性および耐熱性を上記した方法で測定または
評価したところ、下記の表24に示すとおりであった。
【0128】《実施例41〜44》2,6−ナフタレン
ジカルボン酸およびエチレングリコールを下記の表19
に示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用
の多官能化合物として無水トリメリット酸または無水ピ
ロメリット酸を表19に示す割合で用い、また単官能化
合物単位(b)用の単官能化合物を用いないで、そして
2官能化合物単位(c)用の2官能化合物として2,2
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プ
ロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]スルホンまたは1,4−ビス(2−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼンを表19に示す割合で用いて、実施例1
と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応を行
って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造し
た後、下記の表19に示す温度および時間で固相重合を
行って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。得ら
れた共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有量、
および共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様にし
て調べたところ下記の表19に示すとおりであった。ま
た、この実施例41〜44でそれぞれ得られた共重合ポ
リエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブロー成
形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンのドロー
ダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの透明
性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバ
リヤー性および耐熱性を上記した方法で測定または評価
したところ、下記の表24に示すとおりであった。
【0129】《比較例 1》 (1) テレフタル酸100.00重量部、エチレング
リコール74.68重量部、トリメチロールプロパン
0.384重量部および安息香酸2.098重量部から
なるスラリーをつくり、これに二酸化ゲルマニウム0.
020重量部、亜リン酸0.015重量部、酢酸コバル
ト0.015重量部およびテトラエチルアンモニウムヒ
ドロキシド0.015重量部を加えた。このスラリーを
加圧下(絶対圧2.5Kg/cm2)で250℃の温度
に加熱して、エステル化率が95%になるまでエステル
化反応を行って低重合体を製造した。続いて、1mmH
gの減圧下に、270℃の温度で前記の低重合体を溶融
重縮合させて、極限粘度0.84dl/gの共重合ポリ
エステルのプレポリマーを生成させ、これをノズルから
ストランド状に押出して切断し、円柱状チップ(直径約
2.5mm、長さ約3.5mm)にした。このプレポリ
マーの270℃におけるメルトフローレイト(MFR)
は32g/10分であった。 (2) 次いで、上記で得られた共重合ポリエステルの
プレポリマーのチップを150℃で5時間予備乾燥した
後、転動式真空固相重合装置を用い、0.1mmHgの
減圧下に、210℃で固相重合を48時間行って、高分
子量化された共重合ポリエステルを得た。
【0130】(3) 上記(2)で得られた共重合ポリ
エステルの各構造単位の含有率を上記した方法で測定し
たところ、共重合ポリエステルにおけるテレフタル酸単
位、エチレングリコール単位、トリメチロールプロパン
単位、安息香酸単位およびジエチレングリコール単位の
含有率は下記の表20に示すとおりであった。 (4) また、上記(2)で得られた共重合ポリエステ
ルの物性を上記した方法で測定したところ、下記の表2
0に示すように、極限粘度は1.49dl/g、270
℃の温度におけるMFRは2.4g/10分、同温度に
おける剪断速度0.1rad/秒での溶融粘度(η1
は2.11×105ポイズ、剪断速度100rad/秒
での溶融粘度(η2)は8.63×103ポイズであり、
したがって(1/3)log10(η2/η1)の値は−
0.46であった。更に、上記(2)で得られた共重合
ポリエステルの270℃におけるシャークスキン臨界剪
断応力(σss)は2.6×106dyne/cm2、剪断
速度100/秒での剪断応力(σ100)は3.7×106
dyne/cm2であった。また、上記(2)で得られ
た共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)、融点
(Tm)、冷結晶化温度(Tcc)、冷結晶化熱量(△H
cc)および末端カルボキシル基濃度(CEG)を上記し
た方法で測定したところ、下記の表20に示すように、
それぞれ78℃、252℃、171℃、31J/gおよ
び15μ当量/gであった。
【0131】(5) 上記(2)で得られた共重合ポリ
エステルを用いて、押出ブロー成形装置(株式会社プラ
コー製の中空成形機「BM−304・J2型」)を用い
て上記した方法で、押出温度270℃の条件で押出ブロ
ー成形を行って、設定容量約1800mlのボトルを製
造し、その際のパリソンのドローダウン性、ブロー成形
性および得られたボトルの透明性、ブツ発生率、落下破
壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤー性および耐熱性を
上記した方法で測定または評価したところ、下記の表2
5に示すとおりであった。
【0132】《比較例2〜4》テレフタル酸およびエチ
レングリコールを下記の表20に示す割合で使用し、こ
れに多官能化合物単位(a)用の多官能化合物として無
水トリメリット酸、トリメチロールプロパンまたはペン
タエリスリトールを表20に示す割合で用い、また単官
能化合物単位(b)用の単官能化合物としてm−アニス
酸を用いるかまたは用いずに、そして2官能化合物単位
(c)用の2官能化合物としてネオペンチルグリオール
またはイソフタル酸を用いるかまたは用いずに、比較例
1と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応を
行って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造
した後、下記の表20に示す温度および時間で固相重合
を行って、共重合ポリエステルをそれぞれ製造した。得
られた共重合ポリエステルにおける各構造単位の含有
量、および共重合ポリエステルの物性を実施例1と同様
にして調べたところ下記の表20に示すとおりであっ
た。また、この比較例2〜4でそれぞれ得られた共重合
ポリエステルを用いて比較例1と同様にして押出ブロー
成形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンのドロ
ーダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの透明
性、ブツ発生率、落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバ
リヤー性および耐熱性を上記した方法で測定または評価
したところ、下記の表25に示すとおりであった。
【0133】《比較例 5》テレフタル酸およびエチレ
ングリコールを下記の表21に示す割合で使用し、また
多官能化合物単位(a)用の多官能化合物、単官能化合
物単位(b)用の単官能化合物および2官能化合物単位
(c)用の2官能化合物を用いずに、それ以外は比較例
1と同様にしてエステル化反応および溶融重縮合反応を
行って共重合ポリエステルのプレポリマーチップを製造
した後、下記の表21に示す温度および時間で固相重合
を行って、ポリエステル単独重合体(ポリエチレンテレ
フタレート)を製造した。得られたポリエステル単独重
合体における各構造単位の含有量、および物性を比較例
1と同様にして調べたところ下記の表21に示すとおり
であった。また、この比較例5で得られたポリエステル
単独重合体を用いて比較例1と同様にして押出ブロー成
形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンのドロー
ダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの透明
性、ゲル物発生率、落下破壊高さおよび落下衝撃強度を
上記した方法で測定または評価したところ、下記の表2
5に示すとおりであった。
【0134】《比較例6〜8》2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸およびエチレングリコールを下記の表21に示
す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用の多
官能化合物を用いないか或いは無水トリメリット酸を表
21に示す割合で用い、また単官能化合物単位(b)用
の単官能化合物を用いないで、そして2官能化合物単位
(c)用の2官能化合物としてイソフタル酸を用いるか
或いは用いずに、実施例1と同様にしてエステル化反応
および溶融重縮合反応を行って共重合ポリエステルまた
はポリエステル単独重合体(ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート)のプレポリマーチップを製造した後、下記
の表21に示す温度および時間で固相重合を行って、共
重合ポリエステルおよびポリエステル単独重合体をそれ
ぞれ製造した(但し、比較例6では共重合ポリエステル
のプレポリマーチップが非晶性であったため固相重合を
行わずに下記の押出ブロー成形にそのまま使用した)。
得られた共重合ポリエステルおよびポリエステル単独重
合体における各構造単位の含有量、および物性を実施例
1と同様にして調べたところ下記の表21に示すとおり
であった。また、この比較例6〜8でそれぞれ得られた
共重合ポリエステルおよびポリエステル単独重合体を用
いて実施例1と同様にして押出ブロー成形を行ってボト
ルを製造し、その際のパリソンのドローダウン性、ブロ
ー成形性および得られたボトルの透明性、ブツ発生率、
落下破壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤー性および耐
熱性を上記した方法で測定または評価したところ、下記
の表25に示すとおりであった(但し上記したように比
較例6については210℃で押出ブロー成形を行っ
た)。
【0135】《比較例9〜10》2,6−ナフタレンジ
カルボン酸およびエチレングリコールを下記の表22に
示す割合で使用し、これに多官能化合物単位(a)用の
多官能化合物として無水トリメリット酸またはトリメチ
ロールプロパンを表22に示す割合で用い、また単官能
化合物単位(b)用の単官能化合物として安息香酸を表
22に示す割合で用いて、実施例1と同様にしてエステ
ル化反応および溶融重縮合反応を行って共重合ポリエス
テルのプレポリマーチップを製造した後、下記の表22
に示す温度および時間で固相重合を行って、共重合ポリ
エステルをそれぞれ製造した(但し比較例10では共重
合ポリエステルのプレポリマー製造段階で重合反応が進
行せず目標とする重合度のプレポリマーを得ることがで
きなかった)。得られた共重合ポリエステルにおける各
構造単位の含有量および物性を実施例1と同様にして調
べたところ下記の表22に示すとおりであった。また、
この比較例9で得られた共重合ポリエステルを用いて実
施例1と同様にして押出ブロー成形を行ってボトルを製
造し、その際のパリソンのドローダウン性、ブロー成形
性および得られたボトルの透明性、ブツ発生率、落下破
壊高さ、落下衝撃強度、ガスバリヤー性および耐熱性を
上記した方法で測定または評価したところ、下記の表2
5に示すとおりであった。
【0136】下記の表9〜表22において用いている略
号の内容は、下記の表8に示すとおりである。
【0137】
【表8】
【0138】
【化9】
【0139】
【表10】
【0140】
【表11】
【0141】
【表12】
【0142】
【表13】
【0143】
【表14】
【0144】
【表15】
【0145】
【表16】
【0146】
【表17】
【0147】
【表18 【0148】
【表19】
【0149】
【表20】
【0150】
【表21】
【0151】
【表22】
【0152】
【表23】
【0153】
【表24】
【0154】
【表25】
【0155】上記の表9、表10および表23の結果か
ら、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレング
リコール単位から主としてなり、しかも共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて、多官能化合
物単位(a)を0.005〜1モル%の範囲で有し、そ
して単官能化合物単位(b)を0.0005〜20モル
%の範囲で有している共重合ポリエステル[すなわち共
重合ポリエステル(B)]を製造している実施例1〜5
の場合、および2,6−ナフタレンジカルボン酸単位と
エチレングリコール単位から主としてなり、しかも共重
合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて、
多官能化合物単位(a)を0.005〜0.5モル%の
範囲で有している共重合ポリエステル[すなわち共重合
ポリエステル(A)]を製造している実施例6〜8の場
合は、30時間以内の短い固相重合時間で押出ブロー成
形などの溶融成形に適する極限粘度を有する共重合ポリ
エステルを円滑に製造できることがわかる。しかも、実
施例1〜8で得られる共重合ポリエステルを用いて押出
ブロー成形によってボトルを製造した際に、押出された
パリソンのドローダウン時間が16〜24秒の適正な範
囲であり、パリソンの最大直径と最小直径との差が0.
7cm以下であり、ボトルの生産量が1時間当たり12
0本以上であって、且つ成形不良のボトルの割合が10
0本中10本未満であって、パリソンのドローダウン性
に優れていること、そして得られるボトルの平均壁厚が
0.3mm以上0.7mm以下の範囲内であり、厚みむ
らが0.3mm未満であって、ブロー成形性に優れてい
ることがわかる。
【0156】その上、実施例1〜8で得られたボトル
は、そのヘイズ値が4以下で、b値が4以下であって透
明性に優れ、ブツ発生率が5個/100cm2以下でブ
ツ発生が少なく、しかも落下破壊高さが100cm以上
で高い落下衝撃強度を有していることがわかる。さら
に、実施例1〜8で得られたボトルは、酸素透過率が5
cc・mm/m2・day・atm以下であり、食品保
存性に優れており、また85℃の温度の熱湯を充填した
場合にボトルの内容積の保持率が平均して95%以上で
あり、キャップからの漏れの生じるボトルの本数が2本
未満であり且つボトルを水平な台の上に直立させたとき
に熱湯充填前と同程度に自立して形態が保持されてお
り、耐熱性に優れていることがわかる。また、表9、表
10および表23における実施例1〜5と実施例6〜8
の結果を対比すると、2,6−ナフタレンジカルボン酸
単位とエチレングリコール単位から主としてなる本発明
の共重合ポリエステルにおいて、多官能化合物単位
(a)と共に単官能化合物単位(b)を含有させると、
多官能化合物単位(a)のみを含有させた場合よりも、
一般にボトル(成形品)におけるブツの発生を一層低減
させ得ることがわかる。
【0157】上記の表11〜14および表23の結果か
ら、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレング
リコール単位から主としてなり、しかも共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて、多官能化合
物単位(a)を0.005〜1モル%の範囲で有し、且
つ単官能化合物単位(b)を0.0005〜20モル%
の範囲で有し、そして2官能化合物単位(c)として芳
香族ジカルボン酸単位を0.5〜7モル%の範囲で有し
ている共重合ポリエステル[すなわち共重合ポリエステ
ル(D)]を製造している実施例9〜16の場合、およ
び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレングリ
コール単位から主としてなり、しかも共重合ポリエステ
ルの全構造単位の合計モル数に基づいて、多官能化合物
単位(a)を0.005〜0.5モル%の範囲で有し、
且つ2官能化合物単位(c)として芳香族ジカルボン酸
単位を0.5〜7モル%の範囲で有している共重合ポリ
エステル[すなわち共重合ポリエステル(C)]を製造
している実施例17〜21の場合は、30時間以内の短
い固相重合時間で押出ブロー成形などの溶融成形に適す
る極限粘度を有する共重合ポリエステルを円滑に製造で
きることがわかる。しかも、実施例9〜21で得られる
共重合ポリエステルを用いて押出ブロー成形によってボ
トルを製造した際に、押出されたパリソンのドローダウ
ン時間が16〜23秒の適正な範囲であり、パリソンの
最大直径と最小直径との差が0.7cm以下であり、ボ
トルの生産量が1時間当たり120本以上であって、且
つ成形不良のボトルの割合が100本中10本未満であ
って、パリソンのドローダウン性に優れていること、そ
して得られるボトルの平均壁厚が0.3mm以上0.7
mm以下の範囲内であり、厚みむらが0.3mm未満で
あって、ブロー成形性に優れていることがわかる。
【0158】その上、実施例9〜21で得られたボトル
は、そのヘイズ値が3以下で、b値が3以下であって一
層透明性に優れていること、またブツ発生率が5個/1
00cm2以下でブツ発生が少なく、しかも落下破壊高
さが100cm以上で高い落下衝撃強度を有しているこ
とがわかる。さらに、実施例9〜21で得られたボトル
は、酸素透過率が5cc・mm/m2・day・atm
以下であり、食品保存性に優れており、また85℃の温
度の熱湯を充填した場合にボトルの内容積の保持率が平
均して95%以上であり、キャップからの漏れの生じる
ボトルの本数が2本未満であり且つボトルを水平な台の
上に直立させたときに熱湯充填前と同程度に自立して形
態が保持されており、耐熱性に優れていることがわか
る。
【0159】上記の表14〜19および表24の結果か
ら、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレング
リコール単位から主としてなり、しかも共重合ポリエス
テルの全構造単位の合計モル数に基づいて、多官能化合
物単位(a)を0.005〜1モル%の範囲で有し、且
つ単官能化合物単位(b)を0.0005〜20モル%
の範囲で有し、そして2官能化合物単位(c)として脂
環式2官能化合物単位または芳香族ジオール単位を0.
5〜7モル%の範囲で有している共重合ポリエステル
[すなわち共重合ポリエステル(D)]を製造している
実施例22〜27および実施例32〜39の場合、並び
に2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレングリ
コール単位から主としてなり、しかも共重合ポリエステ
ルの全構造単位の合計モル数に基づいて、多官能化合物
単位(a)を0.005〜0.5モル%の範囲で有し、
且つ2官能化合物単位(c)として脂環式2官能化合物
単位または芳香族ジオール単位を0.5〜7モル%の範
囲で有している共重合ポリエステル[すなわち共重合ポ
リエステル(C)]を製造している実施例28〜31お
よび実施例40〜44の場合は、30時間以内の短い固
相重合時間で押出ブロー成形などの溶融成形に適する極
限粘度を有する共重合ポリエステルを円滑に製造できる
ことがわかる。
【0160】しかも、実施例22〜44で得られる共重
合ポリエステルを用いて押出ブロー成形によってボトル
を製造した際に、押出されたパリソンのドローダウン時
間が16〜24秒の適正な範囲であり、パリソンの最大
直径と最小直径との差が0.7cm以下であり、ボトル
の生産量が1時間当たり120本以上であって、且つ成
形不良のボトルの割合が100本中10本未満であっ
て、パリソンのドローダウン性に優れていること、そし
て得られるボトルの平均壁厚が0.3mm以上0.7m
m以下の範囲内であり、厚みむらが0.3mm未満であ
って、ブロー成形性に優れていることがわかる。その
上、実施例22〜44で得られたボトルは、そのヘイズ
値が3以下で、b値が3以下であって透明性に極めて優
れていること、またブツ発生率が5個/100cm2
下でブツ発生が少なく、しかも落下破壊高さが120c
m以上で極めて高い落下衝撃強度を有していることがわ
かる。さらに、実施例22〜44で得られたボトルは、
酸素透過率が5cc・mm/m2・day・atm以下
であり、食品保存性に優れており、また85℃の温度の
熱湯を充填した場合にボトルの内容積の保持率が平均し
て95%以上であり、キャップからの漏れの生じるボト
ルの本数が2本未満であり且つボトルを水平な台の上に
直立させたときに熱湯充填前と同程度に自立して形態が
保持されており、耐熱性に優れていることがわかる。
【0161】これに対して、上記の表20および表25
の結果から、テレフタル酸単位とエチレングリコール単
位から主としてなり、2官能化合物単位(c)を有して
おらず、多官能化合物単位(a)のみ、または多官能化
合物単位(a)と単官能化合物単位(b)だけを有する
共重合ポリエステルを製造している比較例1および比較
例2の場合は、固相重合が40時間以上であって、重合
に長い時間を要し、生産性に劣ることがわかる。しか
も、これらの比較例1および2で得られる共重合ポリエ
ステルを用いて押出ブロー成形によってボトルを製造し
た際に、ボトルの厚みむらが0.3mm以上であってブ
ロー成形性に劣っていること、また得られるボトルはそ
のヘイズ値が10以上で透明性が不良であること、さら
にブツ発生率が10個/100cm2を超えていて外観
や触感が不良であること、落下破壊高さが50cmであ
って落下衝撃強度が小さいことがわかる。さらに、比較
例1および2の共重合ポリエステルから得られたボトル
は、酸素透過率が8cc・mm/m2・day・atm
以上であり食品保存性に劣っており、また85℃の温度
の熱湯を充填した場合にボトルの内容積の保持率が平均
して95%未満であって、キャップからの漏れの生じる
ボトルの本数が2本以上であり且つボトルを水平な台の
上に直立させたときに自立しないか若しくは自立しても
ぐらつきを生じ形態が保持されず、耐熱性に劣り、低品
質であることがわかる。
【0162】また、上記の表20および表25の結果か
ら、テレフタル酸単位とエチレングリコール単位から主
としてなり、多官能化合物単位としてトリメチロールプ
ロパン単位を有し、単官能化合物単位を有しておらず、
そして他の2官能化合物単位としてネオペンチルグリコ
ール単位を有している比較例3の共重合ポリエステルの
場合は、固相重合時間が30時間を超えていて、重合に
長い時間を要し、生産性に劣ることがわかる。しかも、
比較例3で得られた共重合ポリエステルを用いて押出ブ
ロー成形によってボトルを製造した際に、ボトルの厚み
むらが0.3mm以上であってブロー成形性に劣ってい
ること、また得られるボトルはそのヘイズ値が5以上で
あって透明性に劣っていること、さらにブツ発生率が1
0個/100cm2を超えていて外観や触感が不良であ
ること、落下破壊高さが80cmであって落下衝撃強度
が小さいことがわかる。さらに、比較例3の共重合ポリ
エステルから得られたボトルは、酸素透過率が9.6c
c・mm/m2・day・atmと高く食品保存性に劣
っており、また85℃の温度の熱湯を充填した場合にボ
トルの内容積の保持率が平均して95%未満であって、
キャップからの漏れの生じるボトルの本数が2本以上で
あり且つボトルを水平な台の上に直立させたときに自立
しないか若しくは自立してもぐらつきを生じ形態が保持
されず、耐熱性に劣り、低品質であることがわかる。
【0163】そして、上記の表20および表25の結果
から、テレフタル酸単位とエチレングリコール単位から
主としてなり、多官能化合物単位としてペンタエリスリ
トール単位を有し、単官能化合物単位としてm−アニス
酸単位を有し、そして他の2官能化合物単位としてイソ
フタル酸単位を有している比較例4の共重合ポリエステ
ルの場合は、押出ブロー成形によってボトルを製造した
際にボトルの厚みむらが0.45mmであってブロー成
形性に劣っていること、また得られるボトルはそのヘイ
ズ値が8以上であって透明性に劣っていること、さらに
ブツ発生率が10個/100cm2を超えていて外観や
触感が不良であること、落下破壊高さが50cmであっ
て落下衝撃強度が小さいことがわかる。さらに、比較例
4の共重合ポリエステルから得られたボトルは、酸素透
過率が7.9cc・mm/m2・day・atmと高く
食品保存性に劣っており、また85℃の温度の熱湯を充
填した場合にボトルの内容積の保持率が平均して95%
未満であって、キャップからの漏れの生じるボトルの本
数が2本以上であり且つボトルを水平な台の上に直立さ
せたときに自立しないか若しくは自立してもぐらつきを
生じ形態が保持されず、耐熱性に劣り、低品質であるこ
とがわかる。
【0164】また、上記の表21および表25における
比較例5の結果から、従来汎用のポリエチレンテレフタ
レート(エチレンテレフタレート単独重合体)の場合
は、重合度(溶融粘度)の高いポリマーを得るための固
相重合に67時間もかかり生産性が極めて低いこと、ま
たそれにより得られたポリエチレンテレフタレートを用
いて押出ブロー成形を行った場合には、パリソンのドロ
ーダウン時間が5秒以下であり、しかもパリソンの最大
直径と最小直径との差が3.0cm以上であって、パリ
ソンのドローダウン性に著しく劣っており、該従来汎用
のポリエチレンテレフタレートは押出ブロー成形には事
実上使用できないことがわかる。
【0165】さらに、上記の表21および表25の結果
から、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレン
グリコール単位から主としてなる共重合ポリエステルで
あっても、多官能化合物単位(a)または多官能化合物
単位(a)と単官能化合物単位(b)を有しておらず、
2官能化合物単位(c)のみを有している比較例6の共
重合ポリエステルの場合は、非晶性であって固相重合に
より重合度を高めることができず、290℃という高温
では高い溶融粘度が得られず同温度で押出ブロー成形が
できなかったこと、そして成形が辛うじて可能であった
210℃で押出ブロー成形を行ったところ、パリソンの
ドローダウン性に劣っていて、押出ブロー成形により得
られたボトルの厚みむらが0.40mmであってブロー
成形性に劣っていること、また比較例6で得られたボト
ルは、低温で成形を行ったことにより表面の微小な荒れ
が著しく、そのためヘイズ値が8を超え透明性に劣って
いること、落下破壊高さが50cmであって落下衝撃強
度が小さいことがわかる。
【0166】また、上記の表21および表25の結果か
ら、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位とエチレング
リコール単位から主としてなるポリエステルであって
も、多官能化合物単位(a)、単官能化合物単位(b)
および2官能化合物単位(c)を有していない比較例7
のポリエステル(すなわちエチレン−2,6−ナフタレ
ート単独重合体)の場合は、重合度(溶融粘度)の高い
ポリマーを得るための固相重合に51時間もかかり生産
性が極めて低いこと、そしてそれにより得られたエチレ
ン−2,6−ナフタレート単独重合体を用いて押出ブロ
ー成形を行った場合に、パリソンのドローダウン時間が
5秒以下でしかもパリソンの成形を行うことができず、
パリソンのドローダウン性に著しく劣っており、押出ブ
ロー成形には事実上使用できないことがわかる。
【0167】そして、上記の表21、表22および表2
5の結果から、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位と
エチレングリコール単位から主としてなる共重合ポリエ
ステルであって、多官能化合物単位(a)を有している
が、その割合が本発明の範囲を超えている比較例8の共
重合ポリエステルの場合、並びに多官能化合物単位
(a)と単官能化合物単位(b)を有しているがやはり
多官能化合物単位(a)の割合が本発明の範囲を超えて
いる比較例9の共重合ポリエステルの場合は、固相重合
時に架橋反応が過度に進行してゲルを生じてしまい、押
出ブロー成形によってボトルを製造した際に、パリソン
のスムーズな押出しができず、押出むらおよび厚みむら
を生じ、パリソンのドローダウン性および押出ブロー成
形に劣っていること、しかもそれにより得られたボトル
はヘイズ値が10以上で且つb値が4以上で透明性に劣
っていることがわかる。その上、比較例8および比較例
9の共重合ポリエステルを押出ブロー成形して得られた
ボトルでは、ブツが数多く発生していて外観および触感
が不良であり、しかも落下破壊高さが50cmであっ
て、落下衝撃強度が小さく、低品質であることがわか
る。
【0168】また、上記の表22の結果から、2,6−
ナフタレンジカルボン酸単位とエチレングリコール単位
から主としてなり、しかも多官能化合物単位(a)と単
官能化合物単位(b)を有する共重合ポリエステルであ
っても、単官能化合物単位(b)の割合が本発明の範囲
を超えている比較例10の共重合ポリエステルの場合
は、溶融重合段階で重合が進行せず、成形に用い得るポ
リマーが得られないことがわかる。
【0169】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルは、高い溶
融粘度を有し、しかも高剪断速度では低粘度で且つ低剪
断速度では高粘度である非ニュートン性を示し、成形時
にシャークスキン流動等のメルトフラクチャーが生じ
ず、結晶化速度が抑制され、かつブツが生じないという
優れた特性を備えているので、溶融成形性に極めて優れ
ており、本発明の共重合ポリエステルを用いて押出ブロ
ー成形、射出・押出ブロー成形、押出成形、射出成形な
どの溶融成形を行った場合には、白化やブツの発生がな
くて、透明性、表面状態、外観、触感などの特性に優
れ、しかも耐熱性、ガスバリヤー性、機械的特性、寸法
精度、耐湿性、耐薬品性などの諸特性に優れる高品質の
成形品を、極めて円滑に製造することができる。
【0170】そして、本発明の共重合ポリエステルは、
上記した溶融成形法のうちでも、溶融押出工程を伴う溶
融成形、特に押出ブロー成形で用いるのに適する高い溶
融粘度および良好な溶融粘度適性を有しており、そのた
め、本発明の共重合ポリエステルを用いて押出ブロー成
形を行った場合には、押出されたパリソンのドローダウ
ン性が良好であって、パリソンのドローダウン時間が適
当な範囲に保たれ、パリソンの直径が均一になり、しか
もブロー成形性が良好であり、成形時のトラブルを生ず
ることなく、歪みや変形のない、良好な形状および寸法
精度を有する中空成形品を円滑に生産性よく製造するこ
とができ、長さが30cm以上の長いパリソンの押出を
伴う大型中空成形品の押出ブロー成形にも極めて好適に
使用することができる。また、本発明の共重合ポリエス
テルの製造方法による場合は、上記した優れた特性を備
えた本発明の共重合ポリエステルを、短い時間、特に短
縮された固相重合時間で、生産性よく、経済的に製造す
ることができる。
【表9】
【表18】

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 2,6−ナフタレンジカルボン
    酸単位およびエチレングリコール単位から主としてなり
    且つ他の共重合単位を有する共重合ポリエステルであっ
    て; (2) 前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位
    として、カルボキシル基、ヒドロキシル基および/また
    はそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化
    合物の少なくとも1種から誘導される多官能化合物単位
    (a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル
    数に基づいて0.005〜0.5モル%の割合で有して
    いる;ことを特徴とする共重合ポリエステル。
  2. 【請求項2】 (1) 2,6−ナフタレンジカルボン
    酸単位およびエチレングリコール単位から主としてなり
    且つ他の共重合単位を有する共重合ポリエステルであっ
    て; (2) 前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位
    として、(i) カルボキシル基、ヒドロキシル基およ
    び/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する
    多官能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化
    合物単位(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の
    合計モル数に基づいて0.005〜1モル%の割合で有
    し;且つ(ii) モノカルボン酸、モノアルコールおよ
    びそれらのエステル形成性誘導体からなる単官能化合物
    の少なくとも1種から誘導される単官能化合物単位
    (b)を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル
    数に基づいて0.0005〜20モル%の割合で有して
    いる;ことを特徴とする共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】 (1) 2,6−ナフタレンジカルボン
    酸単位およびエチレングリコール単位から主としてなり
    且つ他の共重合単位を有する共重合ポリエステルであっ
    て; (2) 前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位
    として、(i) カルボキシル基、ヒドロキシル基およ
    び/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する
    多官能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化
    合物単位(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の
    合計モル数に基づいて0.005〜0.5モル%の割合
    で有し;且つ(ii) 2,6−ナフタレンジカルボン酸
    単位およびエチレングリコール単位以外のジカルボン酸
    単位、ジオール単位およびヒドロキシカルボン酸単位か
    ら選ばれる少なくとも1種の2官能化合物単位(c)
    を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基
    づいて0.5〜7モル%の割合で有している;ことを特
    徴とする共重合ポリエステル。
  4. 【請求項4】 (1) 2,6−ナフタレンジカルボン
    酸単位およびエチレングリコール単位から主としてなり
    且つ他の共重合単位を有する共重合ポリエステルであっ
    て; (2) 前記の共重合ポリエステルが、他の共重合単位
    として、(i) カルボキシル基、ヒドロキシル基およ
    び/またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する
    多官能化合物の少なくとも1種から誘導される多官能化
    合物単位(a)を、共重合ポリエステルの全構造単位の
    合計モル数に基づいて0.005〜1モル%の割合で有
    し;(ii) モノカルボン酸、モノアルコールおよびそ
    れらのエステル形成性誘導体からなる単官能化合物の少
    なくとも1種から誘導される単官能化合物単位(b)
    を、共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基
    づいて0.0005〜20モル%の割合で有し;そして
    (iii) 2,6−ナフタレンジカルボン酸単位および
    エチレングリコール単位以外のジカルボン酸単位、ジオ
    ール単位およびヒドロキシカルボン酸単位から選ばれる
    少なくとも1種の2官能化合物単位(c)を、共重合ポ
    リエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて0.5
    〜7モル%の割合で有している;ことを特徴とする共重
    合ポリエステル。
  5. 【請求項5】 2官能化合物単位(c)が、脂環式ジカ
    ルボン酸単位、脂環式ジオール単位、脂環式ヒドロキシ
    カルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位、芳香族ジオ
    ール単位および芳香族ヒドロキシカルボン酸単位から選
    ばれる少なくとも1種の脂環式および/または芳香族の
    2官能化合物単位である請求項3または4の共重合ポリ
    エステル。
  6. 【請求項6】 2官能化合物単位(c)が、シクロヘキ
    サンジメタノール単位、シクロヘキサンジカルボン酸単
    位、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位以外のナフタ
    レンジカルボン酸単位、テレフタル酸単位、イソフタル
    酸単位、フタル酸単位および4,4’−ビフェニルジカ
    ルボン酸単位から選ばれる少なくとも1種の脂環式およ
    び/または芳香族の2官能化合物単位である請求項3〜
    5のいずれか1項の共重合ポリエステル。
  7. 【請求項7】 2官能化合物単位(c)が、(1) 下
    記の一般式(I); 【化1】 [式中、A1およびA2はそれぞれ独立して式:−CH2
    CH2−または式:−CH(CH3)CH2−で示される
    基、B1は2価の炭化水素基、カルボニル基、スルホニ
    ル基、酸素原子または直接結合(−)、R1およびR2
    それぞれ不活性置換基、jおよびkはそれぞれ独立して
    0〜8の整数、そしてsおよびtはそれぞれ独立して0
    〜4の整数を表す]で表されるジオール単位(I);お
    よび(2) 下記の一般式(II); 【化2】 [式中、A3およびA4はそれぞれ独立して式:−CH2
    CH2−または式:−CH(CH3)CH2−で示される
    基、R3は不活性置換基、mおよびnはそれぞれ独立し
    て0〜8の整数、そしてuは0〜4の整数を表す]で表
    されるジオール単位(II);から選ばれる少なくとも1
    種の芳香族の2官能化合物単位である請求項3〜5のい
    ずれか1項の共重合ポリエステル。
  8. 【請求項8】 極限粘度が0.6〜1.5dl/gであ
    る請求項1〜7のいずれか1項の共重合ポリエステル。
  9. 【請求項9】 290℃の温度における剪断速度0.1
    rad/秒での溶融粘度(η1)が1×104〜5×10
    6ポイズであり、290℃の温度における剪断速度10
    0rad/秒での溶融粘度(η2)が5×103〜5×1
    5ポイズであり、且つ前記の溶融粘度(η1)および溶
    融粘度(η2)が下記の数式; 【数1】 −0.7≦(1/3)log10(η2/η1)≦−0.2 を満足する請求項1〜8のいずれか1項の共重合ポリエ
    ステル。
  10. 【請求項10】 290℃の温度におけるシャークスキ
    ン臨界剪断応力(σss)が1×106dyne/cm2
    上であり、且つ290℃の温度における剪断速度100
    /秒での剪断応力(σ100)がシャークスキン臨界剪断
    応力(σss)以下である請求項1〜9のいずれか1項の
    共重合ポリエステル。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項の共重
    合ポリエステルからなる成形品。
  12. 【請求項12】 押出ブロー成形品である請求項11の
    成形品。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか1項の共重
    合ポリエステルを用いて押出ブロー成形を行って成形品
    を製造する方法。
  14. 【請求項14】 [1](i) 2,6−ナフタレンジ
    カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体よりなるジ
    カルボン酸成分とエチレングリコールよりなるジオール
    成分から主としてなり;且つ(ii) カルボキシル基、
    ヒドロキシル基および/またはそれらのエステル形成性
    基を3個以上有する多官能化合物の少なくとも1種を、
    該多官能化合物から誘導される多官能化合物単位(a)
    の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数
    に基づいて0.005〜0.5モル%になるような量で
    含んでいる;反応原料を、エステル化反応またはエステ
    ル交換反応させた後、それを溶融重縮合させてポリエス
    テルプレポリマーを形成し;次いで、 [2] 前記の工程[1]で得られるポリエステルプレ
    ポリマーを固相重合させる;ことを特徴とする請求項1
    または請求項8〜10のいずれか1項の共重合ポリエス
    テルの製造方法。
  15. 【請求項15】 [1](i) 2,6−ナフタレンジ
    カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体よりなるジ
    カルボン酸成分とエチレングリコールよりなるジオール
    成分から主としてなり;(ii) カルボキシル基、ヒド
    ロキシル基および/またはそれらのエステル形成性基を
    3個以上有する多官能化合物の少なくとも1種を、該多
    官能化合物から誘導される多官能化合物単位(a)の割
    合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基
    づいて0.005〜1モル%になるような量で含み;且
    つ(iii) モノカルボン酸、モノアルコールおよびそ
    れらのエステル形成性誘導体からなる単官能化合物の少
    なくとも1種を、該単官能化合物から誘導される単官能
    化合物単位(b)の割合が共重合ポリエステルの全構造
    単位の合計モル数に基づいて0.0005〜20モル%
    になるような量で含んでいる;反応原料を、エステル化
    反応またはエステル交換反応させた後、それを溶融重縮
    合させてポリエステルプレポリマーを形成し;次いで、 [2] 前記の工程[1]で得られるポリエステルプレ
    ポリマーを固相重合させる;ことを特徴とする請求項2
    または請求項8〜10のいずれか1項の共重合ポリエス
    テルの製造方法。
  16. 【請求項16】 [1](i) 2,6−ナフタレンジ
    カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体よりなるジ
    カルボン酸成分とエチレングリコールよりなるジオール
    成分から主としてなり;(ii) カルボキシル基、ヒド
    ロキシル基および/またはそれらのエステル形成性基を
    3個以上有する多官能化合物の少なくとも1種を、該多
    官能化合物から誘導される多官能化合物単位(a)の割
    合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基
    づいて0.005〜0.5モル%になるような量で含
    み;且つ(iii) 2,6−ナフタレンジカルボン酸お
    よびエチレングリコール以外のジカルボン酸、ジオール
    およびヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステル形
    成性誘導体からなる2官能化合物の少なくとも1種を、
    該2官能化合物から誘導される2官能化合物単位(c)
    の割合が共重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数
    に基づいて0.5〜7モル%になるような量で含んでい
    る;反応原料を、エステル化反応またはエステル交換反
    応させた後、それを溶融重縮合させてポリエステルプレ
    ポリマーを形成し;次いで、 [2] 前記の工程[1]で得られるポリエステルプレ
    ポリマーを固相重合させる;ことを特徴とする請求項3
    または請求項5〜10のいずれか1項の共重合ポリエス
    テルの製造方法。
  17. 【請求項17】 [1](i) 2,6−ナフタレンジ
    カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体よりなるジ
    カルボン酸成分とエチレングリコールよりなるジオール
    成分から主としてなり; (ii) カルボキシル基、ヒドロキシル基および/また
    はそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化
    合物の少なくとも1種を、該多官能化合物から誘導され
    る多官能化合物単位(a)の割合が共重合ポリエステル
    の全構造単位の合計モル数に基づいて0.005〜1モ
    ル%になるような量で含み; (iii) モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれ
    らのエステル形成性誘導体からなる単官能化合物の少な
    くとも1種を、該単官能化合物から誘導される単官能化
    合物単位(b)の割合が共重合ポリエステルの全構造単
    位の合計モル数に基づいて0.0005〜20モル%に
    なるような量で含み;且つ (iv) 2,6−ナフタレンジカルボン酸およびエチレ
    ングリコール以外のジカルボン酸、ジオールおよびヒド
    ロキシカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体
    からなる2官能化合物の少なくとも1種を、該2官能化
    合物から誘導される2官能化合物単位(c)の割合が共
    重合ポリエステルの全構造単位の合計モル数に基づいて
    0.5〜7モル%になるような量で含んでいる;反応原
    料を、エステル化反応またはエステル交換反応させた
    後、それを溶融重縮合させてポリエステルプレポリマー
    を形成し;次いで、 [2] 前記の工程[1]で得られるポリエステルプレ
    ポリマーを固相重合させる;ことを特徴とする請求項4
    〜10のいずれか1項の共重合ポリエステルの製造方
    法。
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