JP3095969B2 - 共重合ポリエステルおよびその成形品 - Google Patents

共重合ポリエステルおよびその成形品

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JP3095969B2 JP07034710A JP3471095A JP3095969B2 JP 3095969 B2 JP3095969 B2 JP 3095969B2 JP 07034710 A JP07034710 A JP 07034710A JP 3471095 A JP3471095 A JP 3471095A JP 3095969 B2 JP3095969 B2 JP 3095969B2
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哲也 原
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共重合ポリエステルお
よびその製造方法、並びにその共重合ポリエステルを用
いる成形品の製造方法およびそれにより得られる成形品
に関するものであり、本発明の共重合ポリエステルは、
高い溶融粘度を有し、しかも高剪断速度では低粘度で且
つ低剪断速度では高粘度である非ニュートン性を示し、
各種の溶融成形法に適しており、特に押出ブロー成形に
よって中空成形品を製造するのに適している。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートをはじめと
するポリエステル樹脂は、透明性、力学的特性、ガスバ
リヤー性、フレーバーバリヤー性などの種々の性質に優
れ、しかも成形品にした際にも残留モノマーや有害添加
剤の心配が少なく、衛生性および安全性に優れているこ
とから、従来容器などの製造に汎く用いられてきた塩化
ビニル樹脂に代わるものとして、ジュース、清涼飲料、
調味料、油、化粧品、洗剤、その他の製品を充填するた
めの中空容器として近年広く使用されるようになってい
る。
【0003】プラスチックから容器などの中空成形品を
製造するための代表的な成形法としては、(1)溶融可
塑化した樹脂をダイオリフィスを通して円筒状のパリソ
ンとして押出し、そのパリソンが軟化状態にある間に金
型で挟んで内部に空気などの流体を吹き込んで成形を行
う押出ブロー成形法;および(2)溶融樹脂を金型に射
出して密封パリソン(プリフォーム)を一旦成形した
後、それをブロー金型に挿入して空気などの流体を吹き
込んで成形を行う射出ブロー成形法の2者を挙げること
ができる。
【0004】上記した成形法のうちで、前者の押出ブロ
ー成形法は、後者の射出ブロー成形法に比べて、工程が
簡単で、しかも金型の作製および成形に高度な技術を必
要としないために、設備費や金型の製作費などが安くて
すみ、多品種・少量生産に適している。しかも、押出ブ
ロー成形法による場合は、細物、深物、大物、取っ手な
どを有する複雑な形状の成形品の製造も可能であるとい
う利点がある。
【0005】かかる点から、ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレートなどの汎用のポリエス
テル樹脂を用いて押出ブロー成形を行うことが従来から
も色々試みられているが、汎用のポリエステル樹脂は一
般に溶融粘度が低く、そのために押出ブロー成形を行お
うとすると、押出後のパリソンが著しくドローダウンし
て賦形することが難しい。しかも、押出後のブロー時に
結晶化が起こり易く、透明性が損なわれたり、賦形不良
が生ずるという問題がある。そして、ポリエチレンテレ
フタレートなどの汎用のポリエステル樹脂におけるその
ような溶融粘度の低さおよび結晶化が起こり易いことに
起因する前記した不都合は、大型の中空成形品の製造に
必要な長さが通常20cm以上の長いパリソンの押出し
を行う押出ブロー成形において特に顕著である。そのた
め、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用のポリエス
テル樹脂を用いて、押出ブロー成形によって形状および
寸法が均一で、しかも透明性に優れた成形品、特に大型
の中空成形品を得ることは、事実上極めて困難である。
【0006】そこで、上記の理由から、押出ブロー成形
においては、高い溶融粘度を有していて溶融状態で押出
されたパリソンの著しいドローダウンが生じない、塩化
ビニル樹脂やポリオレフィンが従来主に用いられてき
た。しかしながら、塩化ビニル樹脂を用いて製造された
押出ブロー成形品は、可塑剤や金属系安定剤などの有害
添加物の溶出による衛生面や安全面での問題があり、し
かも使用済みの成形品を焼却すると有毒ガスを発生する
という問題があり、ヨーロッパなどを中心としてその使
用が減少する傾向にある。また、ポリエチレンなどのポ
リオレフィンを用いて押出ブロー成形を行った場合に
は、結晶に由来する白濁が成形品に生じて成形品の透明
性や外観が不良になり易いという欠点がある。
【0007】 したがって、上記したような理由によ
り、押出ブロー成形に適するポリエステル樹脂に関する
提案が従来からなされており、そのような従来技術とし
ては、 テレフタル酸やそのエステル形成性誘導体な
どのジカルボン酸成分とエチレングリコールなどのジオ
ール成分を反応させてエステル化反応またはエステル交
換反応させて低重合体を製造した後、これにトリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸
などの汎用の架橋剤を反応させて重縮合反応を行ってプ
レポリマーをつくり、そのプレポリマーを固相重合させ
て押出ブロー成形用のポリエステルを製造する方法(特
開昭54−137095号公報、特開昭54−1639
62号公報、特開昭55−92730号公報);および
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートなどの製造時にイソフタル酸やシクロヘキサン
ジメタノールなどを共重合させる方法; ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物をポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートなどの製造時
に添加して変性ポリエステルを製造する方法(特開平5
−65338号公報);などが知られている。
【0008】しかしながら、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、トリメリット酸などの汎用の架
橋剤を用いる上記の従来技術で得られるポリエステル
は、結晶化速度の増大に起因する球晶の生成によって、
それから得られる押出ブロー成形品などの成形品の白化
が著しく透明性に欠け、また場合によっては架橋構造に
由来するゲル状物が発生して成形品にブツなどが現れて
成形品の外観が損なわれるという欠点がある。
【0009】また、本発明者らは、上記の従来技術に
基づいて、イソフタル酸やシクロヘキサンジメタノール
を共重合させて融点を低下させたポリエチレンテレフタ
レート系共重合ポリエステルを製造し、この共重合ポリ
エステルを用いて溶融押出温度を従来よりも低い温度に
設定して押出ブロー成形を行ってみたが、押出温度にお
ける溶融粘度が充分に高くないために、押出ブロー成形
時に押出後のパリソンのドローダウンが著しく、賦形す
ることが困難であり、押出ブロー成形を円滑に行うこと
ができなかった。しかも、イソフタル酸やシクロヘキサ
ンジメタノールを共重合させたこのの従来技術の共重
合ポリエステルは低融点のために固相重合が行えない
か、また固相重合が行える場合であってもその固相重合
速度が極めて遅くて重合度が充分に増加せず、そのため
そのポリエステルから製造した成形品は厚みむらが大き
く、しかも透明性に劣るものであった。
【0010】そして、ビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物を共重合させた上記の従来技術の共重合
ポリエステルにおいても、本発明者らによる追試実験の
結果では、その押出ブロー成形性が充分に良好ではなか
った。また、本発明者らは、上記した〜の従来技術
とは別に、固相重合によって高重合度化させたポリエチ
レンテレフタレートを製造すべく試みたが、固相重合の
速度が極めて遅く、押出ブロー成形などに適する、充分
に高い重合度および溶融粘度を有するポリエチレンテレ
フタレートを短時間に効率よく得ることができず、生産
性の点で実用的でないことが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、高い溶融粘度を有していて溶融成形性に優れ、
特に押出ブロー成形に用いた場合に押出したパリソンの
著しいドローダウンが生じず、ブロー成形性に優れ、目
的とする形状および寸法を有する成形品を高い精度で円
滑に製造することのできるポリエステルを提供すること
である。そして、本発明の目的は、透明性、耐熱性に優
れる成形品を、溶融成形、特に押出ブロー成形によって
円滑に製造することのできるポリエステルを提供するこ
とである。また、本発明の目的は、上記の優れた諸特性
を備えたポリエステルを短時間で生産性よく製造するこ
とのできる重合方法を提供することである。更に、本発
明の目的は、上記した優れた特性を備えたポリエステル
を用いて、溶融成形、特に押出ブロー成形を行って成形
品を製造する方法、並びにそれによる成形品を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、テレフタル酸またはそ
のエステル形成性誘導体を主体とするジカルボン酸成分
とエチレングリコールから主としてなるジオール成分と
を用いてポリエステルを製造するに当たって、ベンゼン
核を有する特定のトリオール成分を特定の割合で使用す
ると、高い溶融粘度を有していて、上記した溶融成形性
に優れ、しかも透明性、耐熱性などに優れる共重合ポリ
エステルが得られることを見出した。更に、その共重合
ポリエステルは、上記したジカルボン酸成分、ジオール
成分およびトリオール成分を用いてエステル化反応また
はエステル交換反応を行い、それにより得られる反応生
成物を溶融重縮合させてポリエステルプレポリマーを形
成し、そのプレポリマーを固相重合させることによっ
て、短時間で生産性よく製造できることを見出した。
【0013】そして、本発明者らは、本発明者らが開発
した高い溶融粘度を有する上記の共重合ポリエステルの
物性や成形性について更に詳細に検討を重ねたところ、
その共重合ポリエステルは、高剪断速度では低粘度で且
つ低剪断速度では高粘度である非ニュートン性を示し、
そのため、各種の溶融成形、特に押出ブロー成形に用い
るのに適していて、溶融成形、特に押出ブロー成形品に
用いた場合に押出したパリソンのドローダウンが生じ
ず、ブロー成形性が良好であり、目的とする形状および
寸法を有する成形品を高い精度で円滑にかつ生産性よく
製造できること、しかもそれにより得られる成形品は、
透明性、力学的特性、耐熱性などの諸特性に優れている
ことが判明したので、本発明者らは、それらの種々の知
見に基づいて本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、 (i) エチレングリコール単位を主体とするジオール
単位およびテレフタル酸単位を主体とするジカルボン酸
単位から主としてなり;且つ (ii)(a) 下記の式(I);
【0015】
【化5】 [式中、Aは式:−CH2CH2−または式:−CH(C
3)CH2−で表される基、Bは2価の炭化水素基、カ
ルボニル基、スルホニル基、酸素原子または直接結合
(−)、そしてp、qおよびrはそれぞれ独立して1〜
8の整数を表す]で表されるトリオール単位(I);お
よび(b) 下記の式(II);
【0016】
【化6】 [式中、Aは式:−CH2CH2−または式:−CH(C
3)CH2−で表される基、そしてs、tおよびuはそ
れぞれ独立して1〜8の整数を表す]で表されるトリオ
ール単位(II);から選ばれるトリオール単位のうちの
少なくとも1種を、全ジオール単位およびこの(ii)の
トリオール単位の合計モル数に基づいて0.01〜1モ
ル%の割合で含有する;ことを特徴とする共重合ポリエ
ステルである。
【0017】そして、本発明は、上記の共重合ポリエス
テルからなる成形品、特に押出ブロー成形品である。更
に、本発明は、上記の共重合ポリエステルを用いて押出
ブロー成形を行って成形品を製造する方法である。
【0018】そして、本発明は、(1) テレフタル酸
またはそのエステル形成性誘導体を主体とするジカルボ
ン酸成分; (2) エチレングリコールから主としてなるジオール
成分;および (3)(a) 下記の式(III);
【0019】
【化7】 [式中、Aは式:−CH2CH2−または式:−CH(C
3)CH2−で表される基、Bは2価の炭化水素基、カ
ルボニル基、スルホニル基、酸素原子または直接結合
(−)、そしてp、qおよびrはそれぞれ独立して1〜
8の整数を表す]で表されるトリオール成分(III);
および(b) 下記の式(IV);
【0020】
【化8】 [式中、Aは式:−CHCH−または式:−CH
(CH)CH−で表される基、そしてs、tおよび
uはそれぞれ独立して1〜8の整数を表す]で表される
トリオール成分(IV);から選ばれるトリオール成分
のうちの少なくとも1種を、全ジオール成分およびこの
(3)のトリオール成分の合計モル数に基づいて0.0
1〜1モル%の割合で含有するトリオール成分;から主
としてなる反応原料を、エステル化反応またはエステル
交換反応させた後、それを溶融重縮合させてポリエステ
ルプレポリマーを形成し、前記のポリエステルプレポリ
マーを固相重合させて上記の共重合ポリエステルを製造
する方法である。
【0021】上記した本発明について詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステルは、上記のように、エチレ
ングリコール単位を主体とするジオール単位およびテレ
フタル酸単位を主体とするジカルボン酸単位から主とし
てなる共重合ポリエステルであって、それらのジカルボ
ン酸単位およびジオール単位と共に、上記の式(I)で
表されるトリオール単位(I)および上記の式(II)で
表されるトリオール単位(II)から選ばれるトリオール
単位のうちの少なくとも1種を有していることが必要で
ある。本発明の共重合ポリエステルは、トリオール単位
としてトリオール単位(I)およびトリオール単位(I
I)のいずれか一方のみを有していてもまたは両方を有
していてもよい。
【0022】そして、トリオール単位(I)およびトリ
オール単位(II)において、基Aは、式:−CH2CH2
−で表される基(エチレン基)または式:−CH(CH
3)CH2−で表される基(1,2−プロピレン基)であ
る。本発明の共重合ポリエステルでは、そこに含まれる
トリオール単位(I)および/またはトリオール単位
(II)において、その基Aのすべてがエチレン基であっ
ても、基Aのすべてが1,2−プロピレン基であって
も、基Aの一部がエチレン基で残りの基Aが1,2−プ
ロピレン基であってもよい。そのうちでも、共重合ポリ
エステル中のトリオール単位(I)および/またはトリ
オール単位(II)における基Aがエチレン基であるの
が、共重合ポリエステルの製造の容易性および製造コス
トの点から好ましい。
【0023】また、トリオール単位(I)における基B
は、2価の炭化水素基、カルボニル基、スルホニル基、
酸素原子または直接結合(−)である。基Bが2価の炭
化水素基の場合は、炭素数1〜8のアルキレン基、アル
キリデン基、または2価の芳香族基であるのが好まし
く、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、エチ
リデン基、プロピレン基、プロピリデン基、トリメチレ
ン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、エチルエチ
レン基、テトラメチレン基、1−メチルプロピリデン
基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンチリデン基、1
−メチルブチリデン基、ペンタメチレン基、1−エチル
−2−メチルエチレン基、1,3−ジメチルトリメチレ
ン基、1−エチルプロピリデン基、トリメチルエチレン
基、イソプロピルメチレン基、1−メチルブチリデン
基、2,2−ジメチルプロピリデン基、ヘキサメチレン
基、1−エチルブチリデン基、1,2−ジエチルエチレ
ン基、1,3−ジメチルブチリデン基、エチルトリメチ
ルエチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、
1,1−シクロペンチリデン基、1,1−シクロヘキシ
リデン基、1,1−シクロヘプチリデン基、1,1−シ
クロオクチリデン基、ベンジリデン基、1−フェニルエ
チリデン基などを挙げることができる。
【0024】本発明の共重合ポリエステルでは、共重合
ポリエステル中に存在するトリオール単位(I)におけ
る基Bはすべて同じであっても、または異なっていても
よい。そのうちでも、本発明の共重合ポリエステルで
は、トリオール単位(I)における基Bがイソプロピリ
デン基、スルホニル基および/または1,1−シクロヘ
キシリデン基であるのが、共重合ポリエステルの溶融時
の熱安定性が良好になるという点から好ましい。
【0025】また、本発明の共重合ポリエステルにおい
て、トリオール単位(I)およびトリオール単位(II)
におけるp、q、r、s、tおよびuはそれぞれ独立し
て1〜8の整数であり、したがってp、q、r、s、t
およびuは同じ数であってもまたは異なった数であって
もよい。そのうちでも、p、q、r、s、tおよびuが
それぞれ独立して1または2であるのが、共重合ポリエ
ステルの溶融時の熱安定性が良好になる点から好まし
い。
【0026】そして、本発明の共重合ポリエステルで
は、共重合ポリエステルの製造コスト、製造の容易性、
得られる共重合ポリエステルの溶融安定性などの点か
ら、トリオール単位(I)が、下記の式(V);
【0027】
【化9】 で表される基であり、またトリオール単位(II)が、下
記の式(VI);
【0028】
【化10】 で表される基であるのが特に好ましい。
【0029】そして、本発明の共重合ポリエステルで
は、共重合ポリエステルを構成している全ジオール単位
および上記のトリオール単位[すなわちトリオール単位
(I)およびトリオール単位(II)の少なくとも1種]
の合計モル数に基づいて、トリオール単位(I)および
トリオール単位(II)の少なくとも1種[トリオール単
位(I)とトリオール単位(II)の両方を有する場合は
両方の合計量]を0.01〜1モル%含有する[すなわ
ち全ジオール単位とこのトリオール単位の合計100モ
ル当たりトリオール単位(I)およびトリオール単位
(II)の少なくとも1種を0.01〜1モル含有する]
ことが必要である。
【0030】トリオール単位(I)およびトリオール単
位(II)の少なくとも1種の含有量が0.01モル%未
満であると、押出ブロー成形などの溶融成形時の成形性
が不良となり、特に押出ブロー成形を行う場合にパリソ
ンのドローダウンが激しくなってパリソンが閉塞し、良
好な形状の中空成形品を製造できなくなる。しかも、ト
リオール単位(I)およびトリオール単位(II)の少な
くとも1種の含有量が0.01モル%未満であると、共
重合ポリエステルを製造する際の固相重合速度が遅くな
って共重合ポリエステルの生産性が低下する。
【0031】一方、トリオール単位(I)およびトリオ
ール単位(II)の少なくとも1種の含有量が上記した1
モル%を超えると、共重合ポリエステル中における架橋
構造部分が多くなり過ぎて、架橋構造に由来するゲルが
生ずるため、成形品を製造した場合にブツの発生、白化
などのトラブルを生じて外観が損なわれる。そして、ゲ
ルを生じないように共重合ポリエステルの重合度を低下
させると分子間の絡み合いが低下して、充分な機械的強
度が得られない。その上、トリオール単位(I)および
トリオール単位(II)の少なくとも1種の含有量が1モ
ル%を超えると、成形品を製造する際に結晶化速度が速
くなり過ぎて、球晶が生成して成形品に白化を生じて透
明性が低下し、しかも賦形が不良となり易く、押出ブロ
ー成形ではパリソンの結晶化によるブロー成形性が不良
となる。
【0032】溶融粘度が充分に高くなって押出ブロー成
形などの溶融成形性が良好になり、成形品の白化および
賦形不良を円滑に防止でき、機械的強度に優れた成形品
を得ることができ、しかも共重合ポリエステル自体の生
産性が高いものとなるなどの点から、全ジオールおよび
このトリオールの合計モル数に基づいて、トリオール単
位(I)およびトリオール単位(II)の少なくとも1種
の含有量が0.03〜0.7モル%の範囲内であるのが
特に好ましい。
【0033】 本発明の共重合ポリエステルは、上記し
たテレフタル酸単位、エチレングリコール単位、トリオ
ール単位(I)およびトリオール単位(II)以外に、
その全構造単位に基づいて、10モル%以下であれば、
他の2官能性化合物から誘導される構造単位を必要に応
じて含有していてもよい。そのような他の2官能性化合
物から誘導される構造単位としては、イソフタル酸、フ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、
スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン
酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;デカリンジカル
ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカ
ルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシアクリル酸、ヒド
ロキシプロピオン酸、アシアチン酸、キノバ酸、ヒドロ
キシ安息香酸、マンデル酸、マトロラクチン酸などのヒ
ドロキシカルボン酸;ε−カプロラクトンなどの脂肪族
ラクトン;トリメチレングリコール、テトラメチルグリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどの脂肪族ジオール;ヒドロキノン、カテコール、
ナフタレンジオール、レゾルシン、ビスフェノールA、
ビスフェノールSなどの芳香族ジオール;シクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環式ジオールなどの2官能性成
分から誘導される構造単位を挙げることができる。ま
た、本発明の共重合ポリエステルは、必要に応じて、共
重合ポリエステルにおける全構造単位に基づいて、0.
1モル%以下であれば、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸などの多価カル
ボン酸や、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールなどの多価アルコールなどの多官能性化合物から誘
導される構造単位を含んでいてもよい。
【0034】本発明の共重合ポリエステルの極限粘度
は、共重合ポリエステルの溶融成形法の種類などに応じ
て変わり得るが、溶融押出を伴う溶融成形、特に押出ブ
ロー成形に用いる場合は、0.6〜1.5dl/gの範
囲内であるのが好ましく、特に得られる押出ブロー成形
品の機械的強度、外観、成形品製造時の生産性などの点
から、0.9〜1.4dl/gの範囲内であるのがより
好ましい。特に、押出ブロー成形を行う場合に、共重合
ポリエステルの極限粘度が0.6dl/g未満の場合
は、押出ブロー成形時にパリソンのドローダウンが大き
くなって成形不良となり易く、更に得られる成形品の機
械的強度が低下し易い。一方、溶融押出を伴う成形、特
に押出ブロー成形を行う場合に、共重合ポリエステルの
極限粘度が1.5dl/gよりも大きい場合は、溶融粘
度が高くなり過ぎて、溶融押出時、特に押出ブロー成形
時に成形品にウエルドラインが生じ易くなり、更に得ら
れる成形品の外観が不良となり易く、しかも押出時にト
ルクが高くなるために押出量が不均一になり易いなどの
成形上の問題を生じ易くなる また、共重合ポリエステ
ルの極限粘度が1.5dl/gよりも大きいと、所定量
の共重合ポリエステルを押出すのに要する時間が長くな
って成形品の生産性が低下し易くなる。共重合ポリエス
テルの極限粘度と、共重合ポリエステルの成形性やそれ
から得られる成形品の物性などとの上記した関係は、押
出ブロー成形において特に顕著に現れるが、押出ブロー
成形に限らず、押出成形、射出・押出ブロー成形などの
溶融押出を伴う溶融成形においてもほぼ同様の傾向にあ
る。
【0035】また、本発明の共重合ポリエステルは、2
70℃の温度における剪断速度0.1rad/秒での溶
融粘度(η1)が5×104〜5×106ポイズであるの
が好ましい。共重合ポリエステルの溶融粘度(η1)が
前記の条件を満足するものである場合は、押出ブロー成
形などの溶融成形を行う際に、カールバックが特に起こ
りにくくなって、成形不良の発生をほとんど完全に防ぐ
ことができ、しかも溶融押出時におけるメルトフラクチ
ャー(溶融破壊)やダイスウエル(die swel
l)の現象が顕著に抑制されて、外観や力学的特性など
に特に優れた成形品を得ることができる。
【0036】また、本発明の共重合ポリエステルは、2
70℃の温度における剪断速度100rad/秒での溶
融粘度(η2)が5×103〜5×105ポイズであるの
が好ましく、共重合ポリエステルの溶融粘度(η2)が
前記の条件を満足するものである場合は、押出ブロー成
形などの溶融成形を行う際に、パリソンなどの軟化状態
にある押出物のドローダウンや垂れ下がりによる変形な
どが円滑に防止でき、生産性が高くなり、しかも共重合
ポリエステルの熱分解、押出時の押出むらやウエルドラ
インの発生などを円滑に防止することができる。
【0037】そして、本発明の共重合ポリエステルは、
上記した270℃の温度おける剪断速度0.1rad/
秒での溶融粘度(η1)の要件および270℃の温度に
おける剪断速度100rad/秒での溶融粘度(η2
の要件と共に、該溶融粘度(η1)および溶融粘度
(η2)が、下記の数式;
【0038】
【数2】 −0.7≦(1/3)log10(η2/η1)≦−0.2 を満足するものであるのが一層好ましい。上記の数式
を満足する場合には、共重合ポリエステルは、適度な非
ニュートン性を発揮して、高剪断速度において適度に低
い溶融粘度を示すとともに、低剪断速度において適度に
高い溶融粘度を示すことから、特に押出ブロー成形や射
出・押出ブロー成形などを行う場合に、パリソンの形成
性が極めて良好となる。パリソンの形成性をより良好な
ものとする点からは、上記した式における(1/3)l
og102/η1)の値が、−0.60〜−0.25の範
囲内であるのが一層好ましい。なお、上記の数式にお
いて、(1/3)log10(η2/η1)は、溶融粘度を
縦軸とし、剪断速度を横軸とする両自然対数グラフにお
ける溶融粘度(η1)および溶融粘度(η2)の2点を結
ぶ直線の傾きとして求められる。
【0039】また、本発明の共重合ポリエステルは、そ
のガラス転移温度が60℃以上であるのが好ましく、押
出ブロー成形やその他の溶融成形によって得られる成形
品の収縮を防止する点からは、ガラス転移温度が70℃
以上であるのがより好ましい。共重合ポリエステルのガ
ラス転移温度が60℃未満の場合は、成形品、特に押出
ブロー成形品を金型から取り出した後に、成形品に残存
応力の緩和に伴う収縮を生じて成形品の外観を損なうこ
とがある。
【0040】更に、本発明の共重合ポリエステルは、押
出ブロー成形などの溶融成形時の成形性、得られる成形
品の均一性、成形時の生産性などの点から、270℃の
温度におけるメルトフローレイト(以下「MFR」と略
記することがある)が、0.3〜7.5g/10分の範
囲内であるのが好ましく、0.5〜5g/10分の範囲
内であるのがより好ましい。
【0041】上記した本発明の共重合ポリエステルは、
前記したように、 (1) テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
を主体とするジカルボン酸成分; (2) エチレングリコールから主としてなるジオール
成分;および、 (3) 上記の式(III)で表されるトリオール成分(I
II)および上記の式(IV)で表されるトリオール成分
(IV)から選ばれるトリオール成分のうちの少なくとも
1種を、全ジオール成分およびこの(3)のトリオール
成分の合計モル数に基づいて、0.01〜1モル%の割
合で含有するトリオール成分;から主としてなる反応原
料を、エステル化反応またはエステル交換反応させた
後、それを溶融重縮合させてポリエステルプレポリマー
を形成し、前記のポリエステルプレポリマーを固相重合
させることによって、短時間で生産性よく製造すること
ができる。
【0042】そして、上記した一連の反応を行うことに
よって、共重合ポリエステル中に、上記の式(III)で
表されるトリオール成分(III)からは前記したトリオ
ール単位(I)が形成され、また上記の式(IV)で表さ
れるトリオール成分(IV)からは前記したトリオール単
位(II)が形成される。したがって、トリオール成分に
係る上記の式(III)および式(IV)において、基Aお
よび基Bの種類や内容、好ましい基の種類、更にはp、
q、r、s、tおよびuの詳細な内容やその好ましい数
値などは、本発明の共重合ポリエステル中におけるトリ
オール単位(I)およびトリオール単位(II)に関する
前記の説明箇所において、基Aおよび基B並びにp、
q、r、s、tおよびuに関して詳細に説明したとおり
であるが、トリオール成分(III)およびトリオール成
分(IV)の好ましい具体例を挙げると下記のとおりであ
る。
【0043】 まず、本発明の共重合ポリエステルの製
造に用いるトリオール成分(III)の好ましい例とし
ては、2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]−2−[3’−(2−ヒドロキシエチル)−4’−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2−
{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フ
ェニル}−2−[3’−(2−ヒドロキシエチル)−
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]
−2−{3’−(2−ヒドロキシエチル)−4’−[2
−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}プ
ロパン、2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]−2−{3’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エチル]−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル}プロパン、2−{4−[2−(2−ヒドロキシエト
キシ)エトキシ]フェニル}−2−{3’−(ヒドロキ
シエチル)−4’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エトキシ]フェニル}プロパン、2−{4−[2−(2
−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}−2−
{3’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−
4’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フ
ェニル}プロパン、[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]−[3’−(2−ヒドロキシエチル)−4’
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、
{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フ
ェニル}−[3’−(2−ヒドロキシエチル)−4’−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−{3’−
(2−ヒドロキシエチル)−4−[2’−(2−ヒドロ
キシエトキシ)エトキシ]フェニル}スルホン、[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3’−[2
−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−4’−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル}スルホン、{4−[2
−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}−
{3’−(ヒドロキシエチル)−4’−[2−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}スルホン、
{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フ
ェニル}−{3’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エチル]−4’−[2−(2−ヒドロシキエトキシ)エ
トキシ]フェニル}スルホン、1−[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]−1−[3’−(2−ヒドロ
キシエチル)−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル]シクロヘキサン、1−{4−[2−(2−ヒドロ
キシエトキシ)エトキシ]フェニル}−1−[3’−
(2−ヒドロキシエチル)−4’−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]シクロヘキサン、1−[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−{3’−(2−
ヒドロキシエチル)−4’−[2−(2−ヒドロキシエ
トキシ)エトキシ]フェニル}シクロヘキサン、1−
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−
{3’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘ
キサン、1−{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エトキシ]フェニル}−1−{3’−(ヒドロキシエチ
ル)−4’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキ
シ]フェニル}シクロヘキサン、1−{4−[2−(2
−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}−1−
{3’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−
4’−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フ
ェニル}シクロヘキサンなどを挙げることができる。そ
のうちでも、共重合ポリエステルの製造コストや製造の
容易性、得られる共重合ポリエステルの溶融安定性など
の点から、トリオール成分(III)として、2−[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−[3’
−(2−ヒドロキシエチル)−4’−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]プロパンを用いるのが好ましい。
【0044】また、本発明の共重合ポリエステルの製造
に用いるトリオール成分(IV)の好ましい例としては、
1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2−(2−
ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエトキシ)−2−[2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)エチル]ベンゼン、1−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−2−(2−ヒドロキシエチル)−4−[2−(2
−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,4−
ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−2
−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−2−[2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)エチル]−4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エトキシ]ベンゼン、1,4−ビス[2−(2−ヒドロ
キシエトキシ)エトキシ]−2−[2−(2−ヒドロキ
シエトキシ)エチル]ベンゼンなどを挙げることができ
る。そのうちでも、共重合ポリエステルの製造コストや
製造の容易性、得られる共重合ポリエステルの溶融安定
性などの点から、トリオール成分(IV)として、1,4
−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2−(2−ヒドロ
キシエチル)ベンゼンを用いるのが好ましい。
【0045】 また、本発明の共重合ポリエステルの製
造に当たっては、上記したテレフタル酸成分、エチレン
グリコール、トリオール成分(III)およびトリオー
ル成分(IV)以外に、全反応成分に基づいて10モル
%以下であれば、本発明の共重合ポリエステル中に含有
し得る他の共重合単位について上記で説明したように、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケト
ンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体;
マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体;デカリンジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸などの脂環式ジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体;グリコール酸、ヒドロキシアクリル
酸、ヒドロキシプロピオン酸、アシアチン酸、キノバ
酸、ヒドロキシ安息香酸、マンデル酸、マトロラクチン
酸などのヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成
性誘導体;ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン;
トリメチレングリコール、テトラメチルグリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂
肪族ジオール;ヒドロキノン、カテコール、ナフタレン
ジオール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールSなどの芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環式ジオールなどの2官能性化合物を必要
に応じて併用してもよい。また、全反応成分に基づい
て、0.1モル%以下であれば、例えばトリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸
などの多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体、トリメチロープロパン、ペンタエリスリトールな
どの多価アルコールなどの多官能性化合物を必要に応じ
て併用してもよい。
【0046】そして、共重合ポリエステルの製造に当た
っては、前記のように、テレフタル酸またはそのエステ
ル形成性誘導体を主体とするジカルボン酸成分に対し
て、エチレングリコールから主としてなるジオール成分
と、トリオール成分[すなわちトリオール成分(III)
およびトリオール成分(IV)の少なくとも1種]をエス
テル化反応またはエステル交換反応させて低重合物を生
成させるが、その場合に、(全ジオール成分):(全ジ
カルボン酸成分)のモル比が1.1:1〜1.5:1に
なるようにし、且つ(トリオール成分):(全ジカルボ
ン酸成分)のモル比が0.01:1〜1:1になるよう
にして反応成分を混合して、エステル化反応またはエス
テル交換反応を行うとよい。
【0047】上記のエステル化反応またはエステル交換
反応は、通常、常圧下または絶対圧で約3kg/cm2
以下の加圧下に、230〜280℃の温度で、生成する
水を留去させながら行うとよい。そして、それに続い
て、必要に応じて重縮合触媒、着色防止剤などの添加剤
を添加した後、通常、5mmHg以下の減圧下に、20
0〜280℃の温度で、所望の粘度のポリエステルプレ
ポリマーが得られるまで溶融重縮合を行ってポリエステ
ルプレポリマーを形成させる。その場合に、ポリエステ
ルプレポリマーの取り扱い性などの点から、ポリエステ
ルプレポリマーの極限粘度は0.40〜0.80dl/
gの範囲内であることが好ましく、またそのMFRは1
5.0g/10分以上であるのが好ましい。
【0048】上記した溶融重縮合反応において重縮合触
媒を使用する場合は、ポリエステルの製造に通常用いら
れているものを使用することができ、例えば、酸化アン
チモンなどのアンチモン化合物;酸化ゲルマニウムなど
のゲルマニウム化合物;テトラメトキシチタン、テトラ
エトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの
チタン化合物;ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n
−ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテートなどの
錫化合物などを挙げることができ、これらの触媒化合物
は単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用しても
よい。重縮合触媒を用いる場合は、ジカルボン酸成分の
重量に基づいて0.002〜0.8重量%の範囲内の量
であるのが好ましい。
【0049】また、着色防止剤を使用する場合は、例え
ば、亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスファイト、ト
リフェニルフォスファイト、トリデシルフォスファイ
ト、トリメチルフォスフェート、トリデシルフォスフェ
ート、トリフェニルフォスフェートなどのリン化合物を
用いることができ、これらのリン化合物は単独で使用し
てもまたは2種以上を併用してもよい。上記したリン化
合物からなる着色防止剤を使用する場合は、ジカルボン
酸成分の重量に基づいて0.001〜0.5重量%の範
囲内であるのが好ましい。また、共重合ポリエステルの
熱分解による着色を抑制するために、ジカルボン酸成分
の重量に基づいて0.001〜0.5重量%、より好ま
しくは0.05〜0.3重量%のマンガン化合物、例え
ば酢酸マンガンなどを添加するのがよい。
【0050】更に、上記したエステル化反応、エステル
交換反応および/または溶融重縮合反応を、テトラエチ
ルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアン
モニウムヒドロキシド;トリエタノールアミン、トリエ
チルアミンなどの有機アミンなどからなるジエチレング
リコールの副生抑制剤の存在下に行うのが好ましい。
【0051】次いで、上記した溶融重縮合反応により得
られたポリエステルプレポリマーをダイス状、円柱状な
どの任意の形状のチップやペレットとし、それを通常1
90℃以下の温度で予備乾燥した後、その極限粘度、M
FRなどが所望の値になるまで固相重合を行って、目的
とする共重合ポリエステルを形成させる。固相重合は、
真空下、減圧下または窒素ガスなどの不活性ガス中で行
うのが好ましい。また、ポリエステルプレポリマーのチ
ップやペレット同士が膠着しないように、転動法、気体
流動床法などの適当な方法でチップやペレットを流動さ
せながら固相重合を行うのが好ましい。固相重合は通常
180〜240℃の範囲内の温度で行うのが好ましく、
210〜240℃の範囲内の温度で行うのがより好まし
い。更に、固相重合の温度は、チップやペレット間の膠
着を防止する観点から、前記した範囲内の温度であっ
て、しかも製造を目的としている共重合ポリエステル
(最終的に得られる共重合ポリエステル)の融点よりも
15℃以上低い温度、好ましくは20℃以上低い温度と
するとよい。また、固相重合の重合時間は通常約5〜4
0時間の範囲とするのが生産性などの点から好ましい。
そして、上記した一連の工程を行うことによって、本発
明の共重合ポリエステルを短時間に生産性よく製造する
ことができる。
【0052】本発明の共重合ポリエステルは、溶融成形
性、透明性、耐熱性、力学的特性などに優れているの
で、押出ブロー成形法、射出・押出ブロー成形法、押出
成形法、射出成形法、その他の溶融成形法によって各種
の成形品に成形することができる。そのうちでも、本発
明の共重合ポリエステルは、溶融押出工程を伴う成形に
用いるのに適しており、押出ブロー成形に用いるのに特
に適している。そして、本発明の共重合ポリエステルを
用いて溶融成形、特に溶融押出を伴う押出ブロー成形、
射出・押出ブロー成形、押出成形などを行った場合に
は、押出後の変形などを生ずることなく良好な生産性で
製造することができ、それによって得られた成形品は、
寸法精度、透明性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性などの諸
特性に優れている。特に、本発明の共重合ポリエステル
を用いて押出ブロー成形を行った場合には、押出された
パリソンのドローダウン性が良好であって、パリソンの
ドローダウン時間が適当な範囲に保たれ、パリソンの直
径が均一になり、ブロー成形性が良好であり、成形時の
トラブルを生ずることなく、歪みや変形のない良好な形
状および寸法精度を有する中空成形品を円滑に生産性よ
く製造することができ、それによって得られた押出ブロ
ー成形品は、透明性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性などの
諸特性にも優れている。
【0053】本発明の共重合ポリエステルを用いて溶融
成形を行うに当たっては、熱可塑性樹脂に対して従来か
ら知られているそれぞれの溶融成形法、例えば押出ブロ
ー成形法、射出・押出ブロー成形法、押出成形法、射出
成形法にしたがって行えばよく、特にその具体的な成形
内容などは制限されない。特に、本発明の共重合ポリエ
ステルを用いて押出ブロー成形を行う場合は、押出ブロ
ー成形法の種類などは特に制限されず、従来既知の押出
ブロー成形法と同様に、例えば本発明の共重合ポリエス
テルを溶融押出成形して円筒状のパリソンを形成し、こ
のパリソンを軟化状態にある間にブロー用金型に挿入
し、空気などの気体を吹き込んでパリソンを金型キャビ
ィティの形状に沿った所定の中空形状に膨張させる方法
によって行うことができる。そして、前記した方法で押
出ブロー成形を行う場合は、その溶融押出温度を、(共
重合ポリエステルの融点+10℃)〜(共重合ポリエス
テルの融点+70℃)の範囲内の温度にするのが成形性
などの点から好ましい。
【0054】また、本発明の成形品の形状、構造なども
特に制限されず、それぞれの用途などに応じて、例え
ば、中空成形品、管状体、板、シート、フイルム、棒状
体、型物などの任意の形状や構造とすることができ、し
かもその寸法なども何ら制限されない。そのうちでも、
本発明は、押出ブロー成形による中空成形品に特に適し
ている。
【0055】更に、本発明の共重合ポリエステルから得
られる成形品は、本発明の共重合ポリエステル単独で形
成されていても、他のプラスチック、金属、繊維、布帛
などの他の材料との積層体の形態になっていても、また
は本発明の共重合ポリエステルと前記した他の材料との
積層構造以外の形態の成形品であってもよく、何ら制限
されない。特に、本発明の成形品が押出ブロー成形品で
ある場合は、例えば、本発明の共重合ポリエステルのみ
からなる単層中空成形品(中空容器など)、本発明の共
重合ポリエステルとポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)などの他のプラスチックとの多層
中空成形品であることができ、より具体的には、例えば
PET層/共重合ポリエステル層/PET層からなる三
層ボトル、PET層/共重合ポリエステル層/PET層
/共重合ポリエステル層/PET層からなる五層ボトル
などを挙げることができる。しかしながら、本発明の成
形品は勿論前記のものに何ら限定されない。
【0056】また、必要に応じて、本発明の共重合ポリ
エステルには、他の熱可塑性樹脂、ポリエステル系樹脂
に対して従来から使用されている各種の添加剤、例えば
染料や顔料などの着色剤、紫外線吸収剤などの安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、潤滑剤、可塑剤、無機
充填剤などを配合してもよい。
【0057】
【実施例】以下に本発明を実施例などの例によって具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、ポリエステル(共重合ポリエス
テルまたは単独重合ポリエステル)の各構造単位の含有
率およびポリエステルの物性の測定、並びにポリエステ
ルの押出ブロー成形時のパリソンのドローダウン性およ
びブロー成形性の評価、押出ブロー成形によって得られ
た成形品(ボトル)の透明性の評価は、次のようにして
行った。
【0058】(1)ポリエステルにおける各構造単位の
含有率:ポリエステルをメタノリシスし、高速液体クロ
マトグラフィーを用いて構成成分を分離し、得られた各
成分について赤外線吸収スペクトル(IR)による定量
分析を行って各構造単位の含有率を求めた。また、重水
素トリフルオロ酢酸を溶媒としたポリエステルの1H−
NMRスペクトルにより確認した。
【0059】(2)ポリエステルの極限粘度:フェノー
ルとテトラクロルエタンの等重量混合溶媒中、30℃
で、ウデローデ型粘度計(林製作所製「HRK−3
型」)を用いて測定した。
【0060】(3)プレポリマーおよびポリエステルの
メルトフローレイト(MFR):メルトインデクサーL
244(宝工業株式会社製)を用いて測定した。具体的
には、プレポリマーまたはポリエステル(最終生成物)
のチップを、内径9.55mm、長さ162mmのシリ
ンダーに充填し、270℃で溶融した後、溶融したプレ
ポリマーまたはポリエステルに対して、重さ2160
g、直径9.48mmのプランジャーによって均等に荷
重をかけ、シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオ
リフィスより押出されたプレポリマーまたはポリエステ
ルの流出速度(g/10分)を測定し、これをメルトフ
ローレイト(MFR)とした。
【0061】(4)ポリエステルの溶融粘度(η1およ
びη2):メカニカルスペクトロメーター(レオメトリ
ックス社製「RMS−800」)により、パラレルプレ
ートを用いて、ポリエステルの270℃の温度における
剪断速度0.1rad/秒での溶融粘度(η1)(ポイ
ズ)、およびポリエステルの270℃の温度における剪
断速度100rad/秒での溶融粘度(η2)(ポイズ)
をそれぞれ動的に測定した。
【0062】(5)ポリエステルのガラス転移温度(T
g)および融点(Tm):JIS K7121に準じ
て、示差熱分析法(DSC)により、熱分析システム
「メトラーTA3000」(メトラー社製)を用いて、
昇温速度10℃/分の条件で測定した。
【0063】(6)押出ブロー成形時のパリソンのドロ
ーダウン性: (i)パリソンのドローダウン時間:(有)鈴木鉄工所
製の押出ブロー成形装置(中空成形機「TB−ST−6
P型機」)を用いて、270℃の押出温度で環状オリフ
ィスより押出して円筒形パリソンを形成し、円筒形パリ
ソンが軟化状態にあるうちにブロー成形金型で挟むこと
によって切断と底部形成を行い、これをブロー成形し
て、容量1000ml、平均壁厚0.4mmの清涼飲料
用のボトルを製造した。ここで用いた上記の押出ブロー
成形装置は、パリソンが25cmドローダウンした時点
で金型に挟みとってブローするようになっており、その
ため、25cmドローダウンするのに要する時間(秒)
をドローダウン時間として測定した。なお、ここで用い
た押出ブロー成形装置による場合は、ドローダウン時間
が10〜25秒の範囲である場合に成形性が良好とな
る。ドローダウン時間が10秒未満の場合はドローダウ
ンが激しく、パリソン形状が不均一となってブロー後に
厚みむらの大きい不良品が生じたり、ブロー金型中への
挿入不能、パリソン中空部における閉塞などが発生す
る。また、ドローダウン時間が25秒を超えると、成形
品(ボトル)の生産性が低くなり、またポリエステルの
溶融粘度が高すぎるために均一にブローすることができ
なくなり、更にボトルのピンチオフ部分における不接
着、ウエルドラインの発生、トルク上昇による成形装置
の破損などが生じ易くなる。
【0064】(ii)パリソンの最大直径(外径)と最小
直径(外径)との差:上記の押出ブロー成形装置を用い
て270℃の押出温度で円筒形パリソンを押出し、パリ
ソンが25cmに達した時点でパリソンの最大直径(外
径)と最小直径(外径)を測定し、それらの差を求め
た。ここで用いた上記の押出ブロー成形装置の押出ノズ
ルの環状ダイの直径は3.5cmであるが、押出された
パリソンは自重によるドローダウンで、ダイから離れる
にしたがって直径が細まる傾向がある。パリソンの最大
直径と最小直径の差が1cm以下であれば、通常押出ブ
ロー成形を円滑に行うことができる。これに対して、パ
リソンの最大直径と最小直径の差が1cmを超えると、
ブロー後に厚みむらを生じて、不良品が発生したり、更
に著しい場合はパリソンが閉塞してブロー不能となる。
【0065】(iii)パリソンのドローダウン性の総合
評価:パリソンのドローダウン時間、パリソンの最大直
径と最小直径との差、およびボトルの生産性の多少の観
点から、下記の表1に示す評価基準にしたがってドロー
ダウン性の総合評価を行った。その際に、ボトルの生産
性については、コスト面から1時間当たり120本以上
のボトルが生産でき、成形不良が100本中10本未満
である場合を、生産性が良好であるとした。なお、ここ
における成形不良とは、押出されたパリソンのドローダ
ウンによるブロー金型中への挿入不能、パリソンの中空
部における閉塞、高粘度によるピンチオフ部分の不接着
および不均一ブローに起因するボトル形状の変形や破壊
のトラブルのうちの少なくとも一つが生じた場合をい
う。
【0066】
【表1】 パリソンのドローダウン性の総合評価基準 ○:下記の条件のすべてを満足する場合 (イ)ドローダウン時間が15秒以上25秒以下の範囲内である。 (ロ)パリソンの最大直径と最小直径との差が1cm以下である。 (ハ)ボトルの生産量が1時間当たり120本以上であり、成形 不良のボトルの割合が100本中10本未満である。 △:下記の条件のいずれかに当てはまる場合 (イ)ドローダウン時間が10秒以上15秒未満、または25秒を 超え60秒以下の範囲内である。 (ロ)パリソンの最大直径と最小直径との差が1cmを超え2cm 以下である。 (ハ)ボトルの生産量が1時間当たり60本以上120本未満であり、 成形不良のボトルの割合が100本中10本以上30本未満で ある。 ×:下記の条件のいずれかに当てはまる場合 (イ)ドローダウン時間が10秒未満、または60秒を超える。 (ロ)パリソンの最大直径と最小直径との差が2cmを超える。 (ハ)ボトルの生産量が1時間当たり60本未満であり、成形不良の ボトルの割合が100本中30本以上である。
【0067】(7)押出ブロー成形時のブロー成形性: (i)ボトルの平均壁厚:成形により得られたボトル胴
部の上部から下部にかけて等間隔で10分割し、さらに
その各々をボトルの円周方向に等間隔に4分割して、合
計40箇所において壁厚を測定し、平均壁厚を算出し
た。平均壁厚は、外観、触感、ボトル強度の点から、
0.25mm以上0.55mm以下の範囲であるのが好
ましい。
【0068】(ii)ボトルの厚みむら:上記(i)の測
定で得られたボトル胴部の壁厚における最大厚みと最小
厚みとの差(mm)を求めて評価した。厚みむらが0.
15mm未満であることが好ましく、それ以上になると
極薄部分および/または破損部が発生して外観および/
または触感が不良になる。
【0069】(iii)ブロー成形性の総合評価:下記の
表2に示す評価基準にしたがって、ブロー成形性の総合
評価を行った。
【0070】
【表2】 ブロー成形性の総合評価基準 ○:平均壁厚が0.25mm以上0.55mm以下の範囲内であり 且つ厚みむらが0.15mm未満である。 ×:平均壁厚が0.25mm未満または0.55mmを超えるか、 または厚みむらが0.15mm以上である。
【0071】(8)ボトルの透明性: (i)ヘイズ値(曇価):ボトル胴部を上部、中部およ
び下部にわたって6分割し、更に円周上に4分割した合
計24箇所についてASTM D1003に準じて、ポ
イック積分球式光線透過率・全光線反射率計(日本精密
光学株式会社製「SEP−HS・30D−R型」)を用
いて各箇所におけるヘイズ値を測定し、その平均値を採
ってボトルのヘイズ値(曇価)とした。ヘイズ値が8を
超えると、球晶生成による白化のため、またはゲル状ブ
ツによる光散乱のために透明性が不良となる。ヘイズ値
が4以下であることが透明性の点から好ましい。
【0072】(ii)b値:ボトル胴部を1cm2(1c
m×1cmの正方形の片)に細断し、色差計(スガ試験
機株式会社製「SM−4型」)を用いて反射法により測
定した。b値が8を超えるとボトルの色調に黄色味が強
くなり、外観が不良になる。b値が4以下であることが
色調上好ましい。
【0073】(iii)ボトルの透明性の総合評価:下記
の表3に示す評価基準にしたがってボトルの透明性の総
合評価を行った。
【0074】
【表3】 ボトルの透明性の総合評価基準 ○:ヘイズ値が4以下で且つb値が4以下である。 △:ヘイズ値が4を超え8以下の範囲内であるか、またはb値が 4を超え8以下である。 ×:ヘイズ値が8を超えるか、またはb値が8を超える。
【0075】《実施例 1》 (1) テレフタル酸100.00重量部、エチレング
リコール44.83重量部、および下記の式(VII);
【0076】
【化11】 で表される2−[3−(2−ヒドロキシエチル)−4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン(以下
「HEPP」という)0.108重量部からなるスラリ
ーをつくり、これに0.020重量部の二酸化ゲルマニ
ウム、0.015重量部の亜リン酸、0.015重量部
の酢酸マンガンおよび0.015重量部のテトラエチル
アンモニウムヒドロキシドを加えた。このスラリーを加
圧下(絶対圧2.5Kg/cm2)で250℃の温度に
加熱して、エステル化率が95%になるまでエステル化
反応を行って低重合体を製造した。続いて、1mmHg
の減圧下に、270℃の温度で前記の低重合体を溶融重
縮合させて、極限粘度0.70dl/gの共重合ポリエ
ステルのプレポリマーを生成させ、これをノズルからス
トランド状に押出して切断し、円柱状チップ(直径2.
5mm、長さ3.5mm)にした。このプレポリマーの
MFRは35g/10分であった。次いで、上記で得ら
れた共重合ポリエステルのプレポリマーのチップを15
0℃の温度で5時間予備乾燥した後、0.1mmHgの
減圧下に、225℃(融点より28℃低い温度)で固相
重合を31時間行って、高分子量化された共重合ポリエ
ステルを得た。
【0077】(2) 上記(1)で得られた共重合ポリ
エステルの各構造単位の含有率を上記した方法で測定し
たところ、共重合ポリエステルにおけるテレフタル酸単
位、エチレングリコール単位、HEPP単位およびジエ
チレングリコール単位の含有率は下記の表5に示すとお
りであった。 (3) また、上記(1)で得られた共重合ポリエステ
ルの物性を上記した方法で測定したところ、下記の表5
に示すように、極限粘度は1.25dl/g、270℃
の温度におけるMFRは2.4g/10分、同温度にお
ける剪断速度0.1rad/秒での溶融粘度(η1)は
1.47×105ポイズ、剪断速度100rad/秒で
の溶融粘度(η2)は2.30×104ポイズであり、し
たがって(1/3)log10(η2/η1)の値は−0.
27であった。更に、上記(1)で得られた共重合ポリ
エステルのTgおよびTmを上記した方法で測定したと
ころ、下記の表5に示すようにそれぞれ78℃および2
53℃であった。
【0078】(4) 上記(1)で得られた共重合ポリ
エステルを用いて、押出ブロー成形装置[(有)鈴木鉄
工所製の中空成形機「TB−ST−6P型」]を用いて
上記した方法で押出ブロー成形を行って、容量1000
ml、平均壁厚0.4mmのボトルを製造し、その際の
パリソンのドローダウン性、ブロー成形性および得られ
たボトルの透明性を上記した方法で測定または評価した
ところ、下記の表8に示すとおりであった。
【0079】《実施例2〜3》ジオール成分とトリオー
ル成分の種類および使用量、並びに固相重合の温度と時
間を下記の表5に示したように変更した以外は実施例1
と同様にして、エステル化反応、溶融重縮合反応および
固相重合を行って共重合ポリエステルをそれぞれ製造
し、得られた共重合ポリエステルにおける各構造単位の
含有量、および共重合ポリエステルの物性を実施例1と
同様にして調べたところ、下記の表5に示すとおりであ
った。また、この実施例2〜3のそれぞれで得られた共
重合ポリエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブ
ロー成形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンの
ドローダウン性、ブロー成形性および得られたボトルの
透明性を上記した方法で測定または評価したところ、下
記の表8に示すとおりであった。
【0080】《実施例4〜6》 ジオール成分とトリオ
ール成分の種類および使用量、並びに固相重合の温度と
時間を下記の表6に示したように変更した以外は実施例
1と同様にして、エステル化反応、溶融重縮合反応およ
び固相重合を行って共重合ポリエステルをそれぞれ製造
し、得られた共重合ポリエステルにおける各構造単位の
含有量、および共重合ポリエステルの物性を実施例1と
同様にして調べたところ、下記の表6に示すとおりであ
った。また、この実施例4〜6のそれぞれで得られた共
重合ポリエステルを用いて実施例1と同様にして押出ブ
ロー成形を行ってボトルを製造し、その際のパリソンの
ドローダウン性、ブロー成形性、および得られたボトル
の透明性を上記した方法で測定または評価したところ、
下記の表8に示すとおりであった。
【0081】《比較例1〜4》 (1) ジオール成分とトリオール成分の種類および使
用量、並びに固相重合の温度と時間を下記の表7に示し
たように変更した以外は実施例1と同様にして、エステ
ル化、溶融重縮合および固相重合を行って共重合ポリエ
ステル(比較例1〜3)または単独重合ポリエステル
(比較例4)をそれぞれ製造し、得られた共重合ポリエ
ステルまたは単独重合ポリエステルにおける各構造単位
の含有量、および共重合ポリエステルまたは単独重合ポ
リエステルの物性を実施例1と同様にして調べたとこ
ろ、下記の表7に示すとおりであった。なお、比較例3
においては、得られた共重合ポリエステルの融点が低か
ったので、共重合ポリエステルのMFR、剪断速度0.
1rad/秒での極限粘度(η1)および剪断速度10
0rad/秒での極限粘度(η2)を240℃で測定し
た。 (2) また、この比較例1〜4のそれぞれで得られた
共重合ポリエステルまたは単独重合ポリエステルを用い
て実施例1と同様にして押出ブロー成形を行ってボトル
を製造し[但し比較例3では得られた共重合ポリエステ
ルの融点が低かったので240℃の温度で溶融押出して
ブロー成形を行った]、その際のパリソンのドローダウ
ン性、ブロー成形性、および得られたボトルの透明性を
上記した方法で測定または評価したところ、下記の表8
に示すとおりであった。
【0082】(3) 上記(2)の押出ブロー成形を行
った際に、トリオール単位の含有量の多い比較例1およ
び比較例2においては、パリソンがドローダウン中に球
晶の生成によって白化し、ボトルに成形する際に底部の
白化や破損を生じて、均一にブローすることができず、
しかも得られたボトルは胴部の透明部分にゲル状ブツを
生じて外観が著しく不良であった。また、比較例3にお
いては、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共
重合したことにより得られた共重合ポリエステルの融点
が低下し、低温成形(240℃)しているにも拘わら
ず、押出ブロー成形時にドローダウンが激しく、成形性
が不良であった。また、比較例4においては、押出ブロ
ー成形時におけるドローダウンが激しくボトルを製造す
ることができなかった。
【0083】なお、上記の実施例1〜6、比較例1〜4
および下記の表5〜7においてジオール成分およびトリ
オール成分に対して用いている略号の内容は、下記の表
4に示すとおりである。
【0084】
【表4】 略 号 : 化 合 物 TPA :テレフタル酸 EG :エチレングリコール CHDM :1,4−シクロヘキサンジメタノール HEPP :2−[3−(2−ヒドロキシエチル)−4−(2−ヒドロキシ エトキシ)フェニル]−2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ) フェニル]プロパン[前記の式(VII)で表される化合物] HEB :1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2−(2−ヒドロ キシエチル)ベンゼン[下記の式(VIII)で表される化合物] DEG :ジエチレングリコール
【0085】
【化12】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】上記の表5〜表8の結果から、トリオール
成分(III)またはトリオール成分(IV)の1種である
HEPPまたはHEBを本発明の範囲内の量で使用し
て、それらの成分に由来するトリオール単位[トリオー
ル単位(I)またはトリオール単位(II)]を本発明で
規定する範囲内で有している実施例1〜6の共重合ポリ
エステルは、いずれも溶融成形性、特に押出ブロー成形
性に優れていて、押出ブロー成形によってボトルを製造
した際に、押出されたパリソンのドローダウン時間が1
0〜25秒の範囲であり、パリソンの最大直径と最小直
径との差が1cm以下であり、しかもボトルの生産量が
1時間当たり120本以上であって且つ成形不良のボト
ルの割合が100本中10本未満であること、そして得
られるボトルの平均壁厚が0.25mm以上0.55m
m以下の範囲内であってブロー成形性に優れているこ
と、得られたボトルのヘイズ値が3以下で且つb値が1
以下であって透明性に優れることがわかる。
【0091】これに対して、トリオール成分(III)の
1種であるHEPPに由来する構造単位[トリオール単
位(I)]を有しているもののトリオール単位(I)の
含有割合が本発明の共重合ポリエステルから外れて多く
含まれている比較例1の共重合ポリエステル、およびト
リオール成分(IV)の1種であるHEBに由来する構造
単位[トリオール単位(II)]を有しているもののトリ
オール単位(II)の含有割合が本発明の共重合ポリエス
テルから外れて多く含まれている比較例2の共重合ポリ
エステルは、いずれも溶融粘度(η1)が高過ぎてドロ
ーダウン時間が25秒を超えており、押出ブロー成形時
の生産性に劣っており、しかも得られたボトルの平均壁
厚が大きすぎ且つ厚みむらも大きいこと、しかも透明性
にも劣っていることがわかる。
【0092】また、トリオール単位(I)およびトリオ
ール単位(II)のいずれも有しておらず、その代わりに
シクロヘキサンジメタノール(CHDM)に由来する単
位をを有している比較例3の共重合ポリエステルはその
融点が225℃と低く、低温(240℃)で押出ブロー
成形しているにも拘わらず、押出ブロー成形時にドロー
ダウン時間が9秒と短くてドローダウンが激しく、押出
ブロー成形性が不良であり、しかも得られたボトルの厚
みむらが実施例1〜6に比べて大きく、透明性にも劣っ
ていることがわかる。そして、トリオール単位(I)お
よびトリオール単位(II)のいずれをも含まない従来の
ポリエチレンテレフタレートに相当する比較例4の単独
重合ポリエステルの場合は、上記の“従来の技術”の項
で述べたように、押出ブロー成形が事実上困難であるこ
とがわかる。
【0093】
【発明の効果】 本発明の共重合ポリエステルは、押出
ブロー成形法、射出・押出ブロー成形法、押出成形法、
射出成形法、その他の溶融成形法によって、成形性よ
く、各種の成形品に成形することができ、寸法精度、透
明性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性などの諸特性に優れて
いる成形品を生産性よく、円滑に製造することができ
る。そして、本発明の共重合ポリエステルは、上記した
溶融成形法のうちでも、溶融押出工程を伴う溶融成形
法、特に押出ブロー成形法に適する高い溶融粘度および
溶融粘度適性を有している。そのため、本発明の共重合
ポリエステルを用いて押出ブロー成形を行った場合に
は、押出されたパリソンのドローダウン性が良好であっ
て、パリソンのドローダウン時間が適当な範囲に保た
れ、パリソンの直径が均一になり、しかもブロー成形性
が良好であり、成形時のトラブルを生ずることなく、歪
みや変形のない、良好な形状および寸法精度を有する中
空成形品を円滑に生産性よく製造することができ、それ
によって得られる押出ブロー成形品は、透明性、耐熱
性、耐湿性、耐薬品性などの諸特性に優れている。更
に、上記した特性を備えた本発明の共重合ポリエステル
は、長さが20cm以上の比較的長いパリソンを経由す
る大型中空成形品の製造にも好適に使用できる。また、
本発明の共重合ポリエステルの製造方法による場合は、
上記した優れた特性を備えた共重合ポリエステルを、短
時間で生産性よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏村 次史 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会 社クラレ内 (56)参考文献 特開 平6−99476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/664 - 63/668 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) エチレングリコール単位を主体
    とするジオール単位およびテレフタル酸単位を主体とす
    るジカルボン酸単位から主としてなり;且つ (ii)(a) 下記の式(I); 【化1】 [式中、Aは式:−CH2CH2−または式:−CH(C
    3)CH2−で表される基、Bは2価の炭化水素基、カ
    ルボニル基、スルホニル基、酸素原子または直接結合
    (−)、そしてp、qおよびrはそれぞれ独立して1〜
    8の整数を表す]で表されるトリオール単位(I);お
    よび(b) 下記の式(II); 【化2】 [式中、Aは式:−CH2CH2−または式:−CH(C
    3)CH2−で表される基、そしてs、tおよびuはそ
    れぞれ独立して1〜8の整数を表す]で表されるトリオ
    ール単位(II);から選ばれるトリオール単位のうちの
    少なくとも1種を、全ジオール単位およびこの(ii)の
    トリオール単位の合計モル数に基づいて0.01〜1モ
    ル%の割合で含有する;ことを特徴とする共重合ポリエ
    ステル。
  2. 【請求項2】 極限粘度が0.6〜1.5dl/gであ
    る請求項1の共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】 270℃の温度における剪断速度0.1
    rad/秒での溶融粘度(η1)が5×104〜5×10
    6ポイズであり、270℃の温度における剪断速度10
    0rad/秒での溶融粘度(η2)が5×103〜5×1
    5ポイズであり、且つ前記の溶融粘度(η1)および溶
    融粘度(η2)が下記の数式; 【数1】 −0.7≦(1/3)log10(η2/η1)≦−0.2 を満足する請求項1または2の共重合ポリエステル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項の共重合ポ
    リエステルからなる成形品。
  5. 【請求項5】 押出ブロー成形品である請求項4の成形
    品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項の共重合ポ
    リエステルを用いて押出ブロー成形を行って成形品を製
    造する方法。
  7. 【請求項7】 (1) テレフタル酸またはそのエステ
    ル形成性誘導体を主体とするジカルボン酸成分; (2) エチレングリコールから主としてなるジオール
    成分;および(3)(a) 下記の式(III); 【化3】 [式中、Aは式:−CHCH−または式:−CH
    (CH)CH−で表される基、Bは2価の炭化水素
    基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子または直接
    結合(−)、そしてp、qおよびrはそれぞれ独立して
    1〜8の整数を表す]で表されるトリオール成分(II
    I);および(b) 下記の式(IV); 【化4】 [式中、Aは式:−CHCH−または式:−CH
    (CH)CH−で表される基、そしてs、tおよび
    uはそれぞれ独立して1〜8の整数を表す]で表される
    トリオール成分(IV); から選ばれるトリオール成分のうちの少なくとも1種
    を、全ジオール成分およびこの(3)のトリオール成分
    の合計モル数に基づいて0.01〜1モル%の割合で含
    有するトリオール成分; から主としてなる反応原料を、エステル化反応またはエ
    ステル交換反応させた後、それを溶融重縮合させてポリ
    エステルプレポリマーを形成し、前記のポリエステルプ
    レポリマーを固相重合させることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項の共重合ポリエステルの製造方法。
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