JPH09158177A - 杭の継手構造 - Google Patents

杭の継手構造

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JPH09158177A
JPH09158177A JP7318685A JP31868595A JPH09158177A JP H09158177 A JPH09158177 A JP H09158177A JP 7318685 A JP7318685 A JP 7318685A JP 31868595 A JP31868595 A JP 31868595A JP H09158177 A JPH09158177 A JP H09158177A
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JP
Japan
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pile
joint
locking
portions
male
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Pending
Application number
JP7318685A
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English (en)
Inventor
Gen Mori
玄 森
Kimihisa Takano
公寿 高野
Toshio Shinohara
敏雄 篠原
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下杭を保持するだけの引張力に耐え、接合が
容易で、杭本体とほぼ同じ径の杭の継手構造を得るこ
と。 【解決手段】 杭20,21の端部を接合現場で継ぎ杭
するための杭20,21の継手構造であって、杭20,
21の端部に凸状の雄継手部22と凹状の雌継手部23
を設けると共にこれら雄継手部22の外面と雌継手部2
3の内面に管軸方向と円周方向に一定間隔で突設した複
数の係止部24,25を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭の継手構造に係
り、より詳しくは、施工現場で接合される、地すべり抑
止杭を含む杭および鋼管杭ならびに鋼管矢板(以下、こ
れらをあわせて杭等という)の継手構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】杭を地盤に設置する場合は、この杭を現
場に運搬しなければならない等の理由によって杭1本あ
たりの長さに制限があり、このため、何本かの杭を現場
で熔接等によって接合して長尺の杭を形成していた(従
来例1)。しかし、現場での熔接は作業環境が悪いた
め、工場熔接のような施工管理が不可能で良好な熔接を
行うことが困難であった。そのため、熔接検査に合格し
ない箇所も多く、品質が落ちやすく、継ぎ杭後の検査に
も手間がかかり、また、一箇所の熔接に多大な時間を要
し、天候が悪いと更に工期が長くなってしまう。さら
に、労働条件が悪く、人手不足もあわせて優れた熔接技
能工を確保しにくい等の問題があった。
【0003】そこで、現場での継ぎ杭作業において、熔
接を必要とせず、上下杭を差し込むのみで曲げモーメン
トを伝達できる継手として、例えば特開昭60ー258
322号公報に開示された継手がある。この継手は、図
15に示すように、内面に互いに反対方向にテーパ加工
を施した接触面2a,2bを有するスリーブ管1内に、
端部外面をこの接触面2a,2bと同様にテーパ加工し
た上杭3と下杭4を挿入して接合するようにしたもので
ある(従来例2)。しかしながら、このような継手は引
張力に対して抵抗力がなく、杭孔を掘削後にその杭孔に
杭を建て込んで継ぎ杭する工事の場合、杭が継手部で離
れないように他の補助手段を併用する必要がある。ま
た、スリーブ管2の外径は上下杭3,4の本体よりも大
径となるため、これに合わせて杭孔の径を大きくしなけ
ればならず、作業のコストアップにつながる恐れがあっ
た。
【0004】また、例えば、特開昭61−254718
号公報に開示された従来の継手は、図16に示すよう
に、下杭4の上端部にテーパを設けて接触内面2bを有
する拡管とし、相対する上杭3aの下端部にもテーパを
設けて接触外面2aを有する縮管として、これらを組み
合わせて接合したものである(従来例3)。しかしなが
ら、このような継手も、従来例2と同様に、引張力に対
して抵抗力がなく、これに対して何らかの対策をとる必
要があり、また、継手部が上下杭3,4本体よりも拡径
されるため、これに合わせて杭孔の径を大きくしなけれ
ばならず、非効率的である。
【0005】また、例えば、特開平5−295725号
公報に開示された従来の継手は、図17に示すように、
下杭4の上端部内面に杭軸方向に対して1/50〜1/
200の勾配を持つテーパ加工を施した1または複数の
段差部5bを有し、その中にこのテーパに合わせて下端
部外面をテーパ加工した上杭3の段差部5aを挿入し
て、下杭4の接触内面2bを上杭3の接触外面2aと接
触させて接合したものである(従来例4)。この場合、
引張力に抵抗するために、図18に示すように、接触内
外面2a,2bの一部または全部に係合ねじ6a,6b
を設ける場合もある。
【0006】接触面2a,2bに係合ねじ6a,6bを
設けない場合は、上下杭3,4を接合するには差し込む
だけでよく容易であるが、従来例2、3と同様に、接合
された上下杭3,4を杭孔中に設置する際に引張力が発
生し、継手部で外れてしまう。接触面2a,2bに係合
ねじ6a,6bを設けた場合は、引張力には対応できる
が、テーパが1/50〜1/200であるため、テーパ
ねじの利点を生かして途中まで差し込み可能にするため
には、ねじ山の高さをhとすると、h×2×(50〜2
00)のねじ部の長さが必要になり、例えば、h=3m
mとすると、300mm〜1200mmのねじ部の長さ
が必要になり、施工性が必ずしも良好とはいえない。ま
た、ねじ部長さを上式以下にすると、平行ねじと同様に
ねじ部の長さの分だけ回転させる必要があり、同様に施
工性が良好ではない。
【0007】また、例えば、実開昭56−29343号
公報に開示された継手は、図19、図20に示すよう
に、上下管状杭3,4を差込み後、上管状杭3を少量回
転させることによって接続するようにしたものである。
この継手には、上管状杭3の下端部の外周に雄ねじ7a
を内周に雌ねじ7bを設け、また、下管状杭4の上端部
に同心環状の溝部8を形成してこの溝部8に上管状杭3
のねじ7a,7bと螺合する雌ねじ9a、雄ねじ9bを
設けて、さらに、ブリーチロック式にねじ山の削り取り
部分を設けたものである(従来例5)。
【0008】このような上下管状杭3,4の接続作業に
おいては、継手部にねじ部7a,7b,9a,9bがあ
るため、上管状杭3を回転させると同時にねじピッチに
あわせてその継手部を管軸方向に移動させなければなら
ない。例えば、地すべり抑止杭の現場継ぎ杭に使用して
縦継ぎを行う場合、上管状杭3をねじ込み回転させると
同時に微降下させる必要がある。上管状杭3はクレーン
車などで吊りさげられており、クレーン車のオペレータ
がねじ込み作業にあわせて微降下させるため、スムーズ
にねじ込むためには熟練を必要とし、また、ねじ込み作
業員との円滑な意思の疎通が必要である。従って、継手
部回転時に管軸方向の移動を伴わず、また、回転トルク
が小さくてすむことが望ましい。
【0009】このような課題を解決するため、例えば、
特開昭58−21088号公報に開示された従来の継手
構造がある。この継手構造は、図21〜図23に示すよ
うに、岩石資料を採取したり石油掘削等を行うパイプ等
に用いられるジョイント構造である。そして、凸状スプ
ライン10を備えた雄継手部3aと、凹状スプライン1
1を有する内側パイプ12aとこれに結合された外側パ
イプ12bとからなる2重管構造の雌継手部4aとから
なる。この継手構造は、雄継手部3aを雌継手部4aに
挿入後、2重管構造の雌継手部4aの外側パイプ12b
を内側パイプ12aに対して回転させて雄継手部3aの
締め付けを行い、2重管の錠止手段であるビスを用いて
外側パイプ12bと内側パイプ12aを固定するように
したものである(従来例6)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成した
従来例6の継手構造によれば、従来例5のように、継手
部回転時に上杭を管軸方向に移動させる必要はなく、回
転トルクが小さくてすむ。また、接続回転後、外側パイ
プ12bと内側パイプ12aの間の回転を錠止するため
の錠止手段を備えて継手部の回転を抑制している。しか
しながら、杭を地すべり抑止に使用する場合等では曲げ
耐力を要求されるのみで、杭本体あるいは継手部に回転
力は発生しない。むしろ、継ぎ杭作業を簡略化し、継ぎ
杭作業時間を短縮することの方が望まれる。すなわち、
継手部は、差込み後、少量回転することのみで接続を完
了することが望ましい。
【0011】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、下杭を保持するだけの引張力に耐
え、かつ接合が容易で、杭本体とほぼ同径である杭の継
手構造を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる杭の継手
構造は、次のように構成したものである。 (1) 複数の杭の端部を施工現場で継ぎ杭するための
杭の継手構造であって、杭の端部に凸状の雄継手部と凹
状の雌継手部を設けると共に、これら雄継手部の外面と
雌継手部の内面に管軸方向と円周方向に一定間隔で突設
した複数の係止部を設けたものである。そして、一方の
杭の継手部に設けた係止部を他方の杭の継手部の係止部
の管軸方向の隙間から差し込んだ後、一方の杭を円周方
向に回動させ、両係止部同士を管軸方向に係合させて、
管軸方向に拘束した状態で雄継手部と雌継手部を接合す
る。
【0013】(2) 上記(1)の杭の継手構造におい
て、係止部を継手部面の管軸方向にこの係止部の管軸方
向の高さ又はそれ以上の間隔で配設すると共に、円周方
向に係止部の円周方向の幅又はそれ以上の間隔で配設し
たものである。一方の杭の継手部に設けた係止部を他方
の杭の継手部の係止部隙間から差し込んだ後、一方の杭
を円周方向に回動させる。
【0014】(3) 上記(1)、(2)の杭の継手構
造において、係止部を直方体形状にに構成したものであ
る。一方の杭の継手部に設けた直方体形状の係止部を他
方の杭の継手部の管軸方向に位置する直方体形状の係止
部隙間から差し込んだ後、一方の杭を円周方向に位置す
る直方体形状の係止部隙間を通して円周方向に回動さ
せ、両係止部同士を管軸方向に交互に係合させて、管軸
方向に拘束した状態で雄継手部と雌継手部を接合する。
【0015】(4) 上記(3)の杭の継手構造におい
て、雄継手部及び雌継手部に設けた直方体形状の係止部
の対向する少なくとも一方の側の上下の角部を切除した
ものである。一方の杭の継手部に設けた係止部を他方の
杭の継手部の上下方向に位置する係止部隙間から差し込
んだ後、一方の杭を円周方向に回動させ、両係止部同士
を管軸方向に交互に係合させて、管軸方向に拘束した状
態で雄継手部と雌継手部を接合する。
【0016】(5) 上記(1)〜(4)の杭の継手構
造において、少なくとも一方の継手部の係止部の一端に
この係止部の回動を規制するストッパを設けたものであ
る。一方の杭の継手部に設けた係止部を他方の杭の継手
部の係止部の管軸方向の隙間から差し込んだ後、一方の
杭を円周方向に回動させると、所定量回動後、ストッパ
によって停止する。こうして、両継手部の係止部を管軸
方向に交互に係合させて管軸方向に拘束した状態で雄継
手部と雌継手部を接合する。
【0017】(6) 上記(1)〜(3)の杭の継手構
造において、一方の直方体状係止部の下辺にテーパ部を
設けると共に、他方の直方体状係止部の上辺にテーパ部
を設けて、両係止部の幅狭側を円周方向に対向配設した
ものである。一方の係止部を他方の係止部軸方向の隙間
から差し込んだ後、一方の杭を円周方向に所定量回動さ
せると、この回動はテーパ部の接触によって停止する。
こうして、両継手部の係止部を管軸方向に交互に係合さ
せて管軸方向に拘束した状態で接合する。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は本発明の第1の実施形態の正面図、図2は図1の
A−A断面図、図3は図1のB−B断面図である。2
0,21は接合作業によって継ぎ杭する円筒状の上杭及
び下杭で、その本体のサイズは、例えば、外径318.
5mm、肉厚25mmである。22は上杭20の下端部
に形成した雄継手部、23は下杭21の上端部に雄継手
部22とほぼ同じかやや深めに形成した凹部からなる雌
継手部である。そして、雄継手部22は、その外径を上
杭20の径よりも小さく形成すると共に雌継手部23の
内径とほぼ同じかやや小さめに形成して、雄継手部22
の外面部が雌継手部23の内面部と接触して嵌合し、杭
本体に加わった力を伝達するようになっている。
【0019】24は雄継手部22の表面に直方体状(側
面方向から見たときは矩形状)に突設した上杭係止部
で、管軸方向(図1の上下方向)の同一線上に1〜4箇
所(本実施形態では3箇所)、上杭係止部24の管軸方
向の高さとほぼ同じか又はそれ以上の間隔で設けられて
いる。同時に、円周方向(図1の左右方向、管軸とほぼ
直角方向で管断面とほぼ平行になる方向)の同一線状に
2〜10箇所(本実施形態では8箇所)、円周方向の幅
とほぼ同じか又はそれ以上の間隔で設けられている。
【0020】25は上杭係止部24と同じ形状、大きさ
の下杭係止部で、雌継手部23の内周面に突設され、管
軸方向の同一直線状に1〜4箇所(本実施形態では3箇
所)、下杭係止部25の管軸方向の高さとほぼ同じか又
はそれ以上の間隔で設けられている。同時に、円周方向
の同一線状に2〜10箇所(本実施形態では8箇所)、
その幅とほぼ同じか又はそれ以上の間隔で設けられてい
る。
【0021】上記の雄継手部22又は雌継手部23は、
例えば、上杭20と下杭21とはそれぞれ別体に構成さ
れており、その外周面及び内周面に熔接等により上杭係
止部24及び下杭係止部25を取り付けたのち、工場等
において上杭20の下端部と下杭21の上端部にそれぞ
れ熔接等により接合したものである。
【0022】これらの上杭係止部24と下杭係止部25
は、雄継手部22を雌継手部23に差し込んで回転させ
て継ぎ杭工程を完了した時点で、その各係止部24,2
5が管軸方向に一直線になって交互に係合するようにな
っている。ただし、この場合、雄継手部22の最上段に
位置する上杭係止部24は、雌継手部23の最上段に位
置する下杭係止部25の直ぐ下の隙間部(係止部が取付
けられていない係止部間の継手部表面の部分、以下同
様)に嵌入して係合するように、それぞれの上杭係止部
24及び下杭係止部25が取付けられている。
【0023】上記のように構成した本実施形態の作用
を、図4、図5、図6の作用説明図を用いて説明する。
まず、図4に示すように、杭孔26を掘削したのち、ク
レーン車27によって下杭21を吊り下げて杭孔26内
に建て込み、図5に示すように、雌継手部23を杭孔2
6から突出させた状態に保持する。次に、上杭20をク
レーン車27によって吊り下げてその雄継手部22と下
杭21の雌継手部23との芯合わせを行った後、上杭2
0をそのまま降下させてその雄継手部22を下杭21の
雌継手部23に差し込む。ただし、この際、図1に示す
ように、上杭係止部24が下杭係止部25の隙間部上に
位置するようにして、上杭係止部24と下杭係止部25
が衝突しないようにしてから差し込む。
【0024】こうして、上杭20の雄継手部22が降下
して、雄継手部22のショルダー部22aが雌継手部2
3の先端部23aに接すると、図6に示すように、最上
段の上杭係止部24が最上段の下杭係止部25よりも下
方の位置、すなわち、上杭係止部24の左方には下杭係
止部25の隙間部が位置するようになって停止する。
【0025】次に、この状態で、上杭20をクレーン車
27で吊ったまま、人力で回転させる。この回転にはチ
ェーントングなどを用い、2人で容易に回転できる。こ
うすると、雄継手部22に設けられた上杭係止部24
が、図6の矢印で示す方向に回動して、雌継手部23に
設けられた下杭係止部25の隙間部に嵌入し、係止部2
4,25同士が交互に管軸方向に面接触する。なお、こ
の際、係止部24,25が管軸方向に揃って一直線上に
面接触するように、回転量を管理する必要がある。この
ようにして行なわれる継ぎ杭工程に要する時間は、上杭
20の吊り込み状態から接合完了まで10分余りであ
る。こうして、上杭20を回動させて継ぎ杭を終えたあ
と、接続された上下杭20,21をそのまま杭孔26中
に建込む。なお、本実施形態では、雄継手部22を上杭
20に設けてこれを降下して下杭21の雌継手部23に
接合する場合を示したが、雌継手部23を上杭に設けて
これを下杭21に設けた雄継手部22に接合するように
してもよい。
【0026】このように、本実施形態においては、雄継
手部22を雌継手部23に差込んだ後、少量回動させる
だけで杭20,21を管軸方向に拘束できるようにした
ので、現場熔接を必要とせず、また、上杭20と下杭2
1の外径は変らないので杭孔26を大きくする必要もな
い。さらに、継手部の曲げ耐力、圧縮耐力は杭本体と同
等以上を有し、下杭21を吊る程度の引張力には十分耐
えるため、従来必要であった継手部の補助手段も必要と
せず、スムーズな施工が可能である。また、雄雌継手部
22,23には、ねじ山の代わりに直方体状の係止部2
4,25を設けてその上下辺の向きを管軸とほぼ直角な
方向(円周方向)になるようにしたので、雄継手部22
の回転時に雌継手部23が管軸方向に移動することがな
く、また、回転トルクも小さくてすむ。
【0027】さらに、上杭係止部24と下杭係止部25
が係合して管軸方向に引張力あるいは圧縮力が発生した
ときに圧接する面は、管軸にほぼ直角な方向(円周方
向)に形成されており傾斜していないで、管軸方向の引
張力、圧縮力発生時に管に開き力が発生したりせず、耐
力低下につながることもない。
【0028】実施形態2 図7は本発明の第2の実施形態の説明図である。第1の
実施形態では、上杭係止部24と下杭係止部25を、そ
れぞれ雄継手部22と雌継手部23に直方体状に突設し
た場合を示したが、本実施形態では、図7に示すよう
に、直方体状の上杭係止部24が回動していく側の、上
杭係止部24の上下2角部(図の左側上下の2角部)を
切除してある。この上杭切除部24a,24aは、例え
ば、上杭係止部24の長辺、短辺に対しほぼ45度の角
度になるように切り取ってある。また、直方体状の下杭
係止部25は、上杭係止部24が回動してくる側の上下
2角部(図の右側上下の2角部)を切除してある。この
下杭切除部25a,25bも、例えば、下杭係止部25
の長辺、短辺に対しほぼ45度の角度になるように切り
取ってある。なお、上記切除部24a,24a,25
a,25aは、上杭係止部24と下杭係止部25の対向
する側のいずれか一方のみに設けてもよい。
【0029】本実施形態によれば、上杭、下杭係止部2
4,25が回動接近していく側の2角部をそれぞれ切除
してあるので、雄継手部22が雌継手部23方向に回動
して、上杭係止部24を下杭係止部25の間に容易に嵌
入することができる。ただし、この場合でも、円周方向
への回動にあたっては回動後に上杭、下杭係止部24,
25が上下方向に管軸方向に揃って十分に面接触するよ
うに、回転量を管理する必要がある。
【0030】実施形態3 図8は本発明の第3の実施形態の側面図、図9は図8の
C−C断面図、図10は図8のD−D断面図、図11は
図8の斜視図である。第1の実施形態では、上杭係止部
24と下杭係止部25を、それぞれ雄継手部22と雌継
手部23に直方体状に突設させた場合を示したが、本実
施形態では、直方体状の上杭係止部24が回動していく
側の後側の管軸方向に、回動を停止させるための上杭ス
トッパ28を設け、上杭係止部24を側面から見たとき
逆E字状になるようにしたものである。また、上杭係止
部24が回動してくる側の下杭係止部25の後側の管軸
方向にも、回動を停止させるための下杭ストッパ29を
設け、下杭係止部25を側面から見たときE字状になる
ようにしてある。
【0031】こうして、本実施形態によれば、クレーン
車27に吊られた上杭20の雄継手部22が降下してそ
のショルダー部22aに雌継手部23の先端部23aが
接すると、図12に示すように、上杭20を吊ったま
ま、上杭係止部24が下杭係止部25の隙間部に嵌入し
て下杭ストッパ29で停止させられるまで、上杭20を
回動させる。従って、上、下杭係止部24,25に上、
下杭ストッパ28,29を設けて円周方向の回転量を規
制するようにしたので、上杭20を回動する際に回転量
を管理する必要がない。なお、この上杭ストッパ28及
び下杭ストッパ29は雄継手部22又は雌継手部23の
いずれか一方のみに設けてもよい。
【0032】実施形態4 図13は本発明の第4の実施形態の説明図である。第3
の実施形態では、上杭係止部24に上杭ストッパ28を
設けて逆E字状になるように形成し、下杭係止部25に
下杭ストッパ29を設けてE字状になるように形成した
が、本実施形態では、これに加えて、第2の実施形態に
示したように、上杭係止部24にはこれが回動していく
側の上下2角部に上杭切除部24a,24aを設け、下
杭係止部25には上杭係止部24が回動してくる側の上
下2角部に下杭切除部25a,25bを設けたものであ
る。
【0033】従って、上、下杭係止部24,25に上、
下杭ストッパ28,29を設けて円周方向の回転量を規
制するようにしたので、上杭20を回動する際に回動量
を管理する必要がない。また、上、下杭係止部24,2
5の対向する側の2角部をそれぞれ切り取って上杭切除
部24a,24aと下杭切除部25a,25bを設けた
ので、雄継手部22が雌継手部23方向に容易に回動す
ることになる。
【0034】実施形態5 図14は本発明の第5の実施形態の説明図である。第1
の実施形態では、上杭係止部24と下杭係止部25を、
それぞれ雄継手部22と雌継手部23に直方体状に突設
した場合を示したが、本実施形態では、図14に示すよ
うに、直方体状の上杭係止部24に下辺テーパ部30を
設けて上杭係止部24が回動していく側の幅を狭くし、
側面から見た形状が台形になるようにすると共に、直方
体状の下杭係止部25に上辺テーパ部31を設けて上杭
係止部24が回動して来る側の幅を狭くし、側面から見
た形状が台形になるように形成して係止部24,25の
幅狭部を円周方向に対向するようにしたものである。
【0035】こうして、雄継手部22が降下して、その
ショルダ部22aが雌継手部23の先端部23aに接す
ると、上杭20を吊ったまま、さらに、この上杭20を
図14の矢印で示す方向に回動して、雄継手部22に設
けた上杭係止部24を雌継手部23に設けた下杭係止部
25の隙間部に嵌入する。これにより、上杭係止部24
の上辺32が下杭係止止部25の下辺33に、また、上
杭係止部24の下辺テーパ部30が下杭係止部25の上
辺テーパ部31に対向して係合する。
【0036】このように、上杭係止部24に下辺テーパ
部30を設けると共に下杭係止部25に上辺テーパ部3
1を設けて、上、下杭係止部24,25の形状を非対称
の台形状としたので、円周方向への回動が容易になると
共に、円周方向の回転量が規制されて上杭20を回動す
る際に回転量を管理する必要がない。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、各杭の端部を施工現場で継ぎ杭するための杭の継手
構造であって、杭の端部に凸状の雄継手部と凹状の雌継
手部を設けると共に、これら雄継手部の外面と雌継手部
の内面に管軸方向と円周方向に一定間隔で突設した複数
の直方体状等の係止部を設け、一方の杭の継手部に設け
た係止部を他方の杭の継手部の係止部の軸方向の隙間か
ら差し込んだ後、一方の杭を円周方向に回動させて、両
継手部の係止部を管軸方向に交互に係合させて雄継手部
と雌継手部とを接合させるように構成したので、現場継
ぎ杭作業において現場熔接を必要としないので、工費を
節減できると共に、工期を短縮することができる。ま
た、上下杭接続後、継手部に下杭の重量程度の引張力が
発生しても上下杭が外れることもない。
【0038】また、雄雌継手部に設けられた雄雌係合部
を、継手部差し込み後に回動させることにより管軸方向
に拘束させるようにしたので、杭本体と同径の継手部が
得られ、掘削孔を大きくする必要もない。また、曲げ耐
力、圧縮耐力は杭本体と同等以上を有し、引張力も期待
できるため、継手部が外れないようにする補助手段を必
要としない。さらに、ねじ山の代わりに直方体等の係合
部を設けて引張力に対応させ、係合部の管軸直角方向の
係合辺を管断面と平行に設けるようにしたので、継手部
回転時に管軸方向の移動を伴わず、回転トルクも小さく
てすむ。また、継手部を差込んだ後、少量回転すること
のみで接続係合を完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の作用説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の作用説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の作用説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の説明図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の正面図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【図10】図8のD−D断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の作用説明図であ
る。
【図13】本発明の第4の実施形態の説明図である。
【図14】本発明の第5の実施形態の説明図である。
【図15】従来の継手の一例を示す縦断面図である。
【図16】従来の継手の他の一例を示す縦断面図であ
る。
【図17】従来の継手のさらに他の一例を示す側面図で
ある。
【図18】図17の説明図である。
【図19】従来の継手の別の一例を示す要部断面図であ
る。
【図20】図19の要部平面図である。
【図21】従来の継手のさらに別の一例を示す要部斜視
図である。
【図22】従来の継手のさらに別の一例を示す要部斜視
図である。
【図23】図21、図22の作用説明図である。
【符号の説明】
20 上杭 21 下杭 22 雄継手部 23 雌継手部 24 上杭係止部 24a,25a 切欠部 25 下杭係止部 28 上杭ストッパ 29 下杭ストッパ 30 下辺テーパ部 31 上辺テーパ部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の杭の端部を施工現場で継ぎ杭する
    ための杭の継手構造において、 前記杭の端部に凸状の雄継手部と凹状の雌継手部を設け
    ると共に、これら雄継手部の外面と雌継手部の内面に管
    軸方向と円周方向に一定間隔で突設した複数の係止部を
    設け、 一方の杭の継手部に設けた係止部を他方の杭の継手部の
    係止部の管軸方向の間隙から差し込んだ後、前記一方の
    杭を円周方向に回動させて、前記両継手部の係止部を管
    軸方向に係合させて前記雄継手部と雌継手部とを接合さ
    せるようにしたことを特徴とする杭の継手構造。
  2. 【請求項2】 係止部を継手部面の管軸方向に該係止部
    の管軸方向の高さ又はそれ以上の間隔で配設すると共
    に、円周方向に前記係止部の円周方向の幅又はそれ以上
    の間隔で配設したことを特徴とする請求項1記載の杭の
    継手構造。
  3. 【請求項3】 係止部を直方体形状にしたことを特徴と
    する請求項1、2のいずれかに記載の杭の継手構造。
  4. 【請求項4】 雄継手部及び雌継手部に設けた直方体形
    状の係止部の対向する少なくとも一方の側の上下の角部
    を切除したことを特徴とする請求項3記載の杭の継手構
    造。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方の継手部の係止部の一端
    に該係止部の回動を規制するストッパを設けたことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の杭の継手構
    造。
  6. 【請求項6】 一方の直方体状係止部の下辺にテーパ部
    を設けると共に、他方の直方体状係止部の上辺にテーパ
    部を設けて、前記両係止部の幅狭側が円周方向に対向配
    設されるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の杭の継手構造。
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