JP2021195860A - 鋼管継手構造、予防若しくは防護施設、鋼管杭の施工方法、鋼管、支柱、及び、鋼管杭 - Google Patents

鋼管継手構造、予防若しくは防護施設、鋼管杭の施工方法、鋼管、支柱、及び、鋼管杭 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼管自体が有する曲げ耐力を低下させることを抑止した継手構造である鋼管継手構造の提供。【解決手段】鋼管(11、12)を相互に接続するための鋼管継手構造100であって、一方の鋼管11の端部付近の鋼管自体の外周面上に形成された第1凸部111と、他方の鋼管12の端部付近の鋼管自体の外周面上に形成された第2凸部121と、第1凸部111と第2凸部121の、鋼管の軸線方向の相対距離を保持する保持部13と、を備えることを特徴とする鋼管継手構造100。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管の継手構造に関し、また、これを利用した予防若しくは防護施設、鋼管杭の施工方法、鋼管、支柱、及び、鋼管杭に関する。
近年、法面防災分野において、落石や崩壊土砂、雪のせり出しなどの対策で鋼管杭と支柱を一体化した鋼管杭式防護柵が主流である。しかしながら、必要な柵の高さが非常に高いとき、作用荷重が大きいとき、地盤条件が悪いとき等、杭と支柱の一体長さが非常に長くなるため、製作、現場搬入、施工性が悪くなり、結果として対策適用範囲が狭められるという問題がある。
このような問題に対し、継手構造を用いて鋼管を現場で継ぐことができるようにすることで、適用範囲を広めることが考えられる。なお、継手構造を用いて接続可能な鋼管は、法面防災分野に限らず、各種の構造物に利用することが可能である。
このような鋼管の継手に関する従来技術が特許文献1〜4によって開示されている。
特開2017−186744号公報 特開2017−186795号公報 特開2019−210690号公報 特開2020−020216号公報
特許文献1で開示される継手構造は、短筒状の継手3に、鋼管の端部を挿入し、これらを貫通するネジ穴にボルト8を締結させるものである。この継手構造では、ネジ穴等の加工を要する点でコスト高になり、また、鋼管や継手にネジ穴等を形成する点で、その箇所の強度が低下する傾向になるものである。加えて、鋼管の内部にボルトが横断して配置されるため、鋼管の内部に掘削ビットを挿通させる工法を利用できなくなるものであった。また、鋼管の内部にセメントなどを充填する場合において、内部にボルトが横断していると、その近傍でセメントのまわりが阻害され、充填したセメントに小さな空洞ができるおそれがあるものであった。
特許文献2、3、4で開示される継手構造は、何れも鋼管の先端の端面に連結用の継手部材を溶接しているものである。この場合、継手部材自体の強度が高くても、鋼管と継手部材の接合部分で強度が低下する恐れがある。即ち、鋼管と継手部材の溶接において、溶接部分の境目に生じるヒケや、溶接時に生じるス(空気)等の影響によって、鋼管と継手部材の接合部分において、鋼管自体が有する曲げ耐力よりも曲げ耐力が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上記の点に鑑み、鋼管自体が有する曲げ耐力を低下させることを抑止した継手構造である鋼管継手構造を提供することを目的とする。
(構成1)
鋼管を相互に接続するための鋼管継手構造であって、一方の鋼管の端部付近の鋼管自体の外周面上に形成された第1凸部と、他方の鋼管の端部付近の鋼管自体の外周面上に形成された第2凸部と、前記第1凸部と前記第2凸部の、前記鋼管の軸線方向の相対距離を保持する保持部と、を備えることを特徴とする鋼管継手構造。
(構成2)
前記保持部が、前記鋼管の端部を内部に挿通させる管状部材であり、当該管状部材の内部に、前記第1凸部と前記第2凸部にそれぞれ係合する第1内面凸部と第2内面凸部が形成されていることを特徴とする構成1に記載の鋼管継手構造。
(構成3)
前記管状部材の内周面に形成された前記第1内面凸部の周方向の配置が、前記第1凸部の周方向の配置に対して、相互に互い違いとなるように配され、前記管状部材の内周面に形成された前記第2内面凸部の周方向の配置が、前記第2凸部の周方向の配置に対して、相互に互い違いとなるように配されており、前記管状部材に前記一方の鋼管を所定位置まで挿入させた際に、前記第1内面凸部が、前記第1凸部を前記軸線方向に超えて位置し、且つ、前記管状部材に前記他方の鋼管を所定位置まで挿入させた際に、前記第2内面凸部が、前記第2凸部を前記軸線方向に超えて位置するように構成され、前記一方及び他方の鋼管を、前記管状部材に所定位置まで挿入した状態で、前記一方及び他方の鋼管に対して前記管状部材を相対的に回転させることで、前記第1凸部と前記第2凸部に対して、前記第1内面凸部及び前記第2内面凸部が前記軸線方向に係合していることを特徴とする構成2に記載の鋼管継手構造。
(構成4)
前記一方の鋼管及び前記他方の鋼管に対する前記管状部材の回転を抑止するための係合部材を備えることを特徴とする構成3に記載の鋼管継手構造。
(構成5)
前記係合部材が、前記一方の鋼管又は前記他方の鋼管と、前記保持部と、の間の空間を埋める部材であることを特徴とする構成4に記載の鋼管継手構造。
(構成6)
前記第1凸部又は前記第2凸部が、前記軸線方向に複数形成されていることを特徴とする構成2から5の何れかに記載の鋼管継手構造。
(構成7)
前記第1内面凸部又は前記第2内面凸部が、前記軸線方向に複数形成されていることを特徴とする構成6に記載の鋼管継手構造。
(構成8)
前記第1凸部又は前記第2凸部が、周方向に90度毎に4か所設けられていることを特徴とする構成2から7の何れかに記載の鋼管継手構造。
(構成9)
前記第1内面凸部又は前記第2内面凸部が、周方向に90度毎に4か所設けられていることを特徴とする構成8に記載の鋼管継手構造。
(構成10)
前記第1凸部又は前記第2凸部が、略矩形であることを特徴とする構成2から9の何れかに記載の鋼管継手構造。
(構成11)
前記第1内面凸部又は前記第2内面凸部が、略矩形であることを特徴とする構成10に記載の鋼管継手構造。
(構成12)
前記一方の鋼管又は前記他方の鋼管の何れかが、前記管状部材に対する前記一方の鋼管又は前記他方の鋼管の挿入位置を規定するストッパ部材を備えることを特徴とする構成2から11の何れかに記載の鋼管継手構造。
(構成13)
構成1から12の何れかに記載の鋼管継手構造を有する鋼管杭を用いた予防若しくは防護施設。
(構成14)
前記鋼管杭の断面視において、前記鋼管杭にかかることが想定される荷重の方向に沿って、当該鋼管杭の中心部から最も離れた箇所に、前記第1凸部と前記第2凸部が位置するように配されていることを特徴とする構成13に記載の予防若しくは防護施設。
(構成15)
構成2から12の何れかに記載の鋼管継手構造を有する鋼管杭の施工方法であって、前記一方の鋼管を打設する工程と、前記一方の鋼管に前記保持部を挿通する工程と、前記保持部に前記他方の鋼管を挿通する工程と、前記一方及び他方の鋼管に対して前記管状部材を相対的に回転させることで、前記第1凸部と前記第2凸部に対して、前記第1内面凸部及び前記第2内面凸部を前記軸線方向に係合させる工程と、を有することを特徴とする鋼管杭の施工方法。
(構成16)
前記鋼管杭の断面視において、前記鋼管杭にかかることが想定される荷重の方向に沿って、当該鋼管杭の中心部から最も離れた箇所に、前記第1凸部と前記第2凸部が位置するようにする工程を有することを特徴とする構成15に記載の鋼管杭の施工方法。
(構成17)
構成1から12の何れかに記載の鋼管継手構造を有することを特徴とする鋼管。
(構成18)
構成17の鋼管によって形成されたことを特徴とする支柱。
(構成19)
構成17の鋼管によって形成されたことを特徴とする鋼管杭。
本発明の鋼管継手構造によれば、継手部分において鋼管自体が有する曲げ耐力を下回ることを抑止することができる。
本発明に係る実施形態の鋼管継手構造を示す概略図。 上側の鋼管の端部付近を示す概略図 下側の鋼管の端部付近を示す概略図 保持部を示す概略図 鋼管の継手の施工について説明する説明図 係合部材の別の例を示す概略図 実施形態の鋼管継手構造の曲げ耐力試験に関する図 比較対象となる鋼管(継手なし)の曲げ耐力試験結果を示す図 実施形態の鋼管継手構造を有する鋼管の曲げ耐力試験結果を示す図 曲げ耐力試験の実施状態を示す写真 鋼管継手構造を有する鋼管と、継手なしの鋼管の曲げ耐力試験結果の比較を示す図 “凸部”や“内面凸部”の別の一例の概略を示す図 “凸部”や“内面凸部”の別の一例の概略を示す図 “凸部”や“内面凸部”の別の一例の概略を示す図 予防柵若しくは防護柵の鋼管杭として施工した状態を示す例 予防柵若しくは防護柵として施工した状態を示す例
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
図1は、本実施形態の鋼管継手構造を示す概略図であり、図1(a)は、鋼管継手構造100部分を示す側面図、図1(b)は上面図である。
鋼管継手構造100は、鋼管を相互に接続するためのであって、本実施形態では上部鋼管11(一方の鋼管)、下部鋼管12(他方の鋼管)、ジョイント管13(保持部)、係合部材14によって構成される。なお、上部鋼管11と下部鋼管12について、何れを“一方の鋼管”又は“他方の鋼管”とするかは、本発明の概念としての相違をもたらすものではない。
図2は、上部鋼管11の下端付近を示す図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は底面図である。
上部鋼管11の下端付近には、鋼管自体の外周面上に凸部111(第1凸部)が形成されている。本実施形態では、凸部111が周方向に90度毎に4か所設けられており、これが鋼管の軸線方向(以下単に「軸線方向」という)に2列(複数)形成されている。即ち、合計で8個の凸部111が形成されている。本実施形態の凸部111は側面視で(軸線方向に直交する方向から見て)上下方向が約42mm、幅方向(左右方向)が約50mmの略矩形の形状を有しており、厚さは約9mmである。図2(b)に示されるように、一つの凸部111が作る中心角αは、略45度(45度より少し小さい角度)であり、隣り合う凸部111の間隔が作る中心角βは略45度(45度より少し大きい角度)である。また、上段側と下段側の軸線方向の間隔は、約38mmである。各凸部111は碁盤目状の配置となっていて、各凸部111の間に、以下で説明するジョイント管13の内周面に形成された内面凸部131(第1内面凸部)が、少しのクリアランスをもって入り込むことができるような配置となっている。
凸部111は、略矩形の湾曲した板状の部材(上部鋼管11の外周に沿う湾曲した鋼板)が、上部鋼管11の外周面上に溶接等によって固着されることによって形成される。
図3は、下部鋼管12の上端付近を示す図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図、図3(c)は底面図である。
下部鋼管12の上端付近には、鋼管自体の外周面上に凸部121(第2凸部)が形成されている。凸部121の形状や配置等は、上部鋼管11の凸部111と同様(上下が逆であるだけ)なので、説明を省略する。なお、上部鋼管11と下部鋼管12は同じ仕様の鋼管である。
下部鋼管12には、ジョイント管13(管状の部材)に対する挿入位置を規定するストッパ部材122が備えられる。本実施形態のストッパ部材122は、図3(c)に示されるように、リング状の部材が、下部鋼管12に溶接等によって固着されることによって構成されている。なお、ここではストッパ部材122の例として、リング状の部材を例としているが、ジョイント管13に突き当たって、ジョイント管13の位置を規定できるものであれば、任意の形状の部材を使用することができる。
図4は、ジョイント管13を示す図であり、図4(a)は図4(b)のA−A線の断面図、図4(b)は側面図、図4(c)は図4(b)のB−B線の断面図である。
ジョイント管13は、上部鋼管11の凸部111(第1凸部)と、下部鋼管12の凸部121(第2凸部)の、軸線方向の相対距離を保持する保持部として機能するものであり、本実施形態では、上部鋼管11、下部鋼管12の端部を内部に挿通させる管状の部材である。管状の部材の内部には、凸部111と凸部121にそれぞれ係合する内面凸部131(第1内面凸部)と、内面凸部132(第2内面凸部)が形成されている。
内面凸部131、内面凸部132は、上下方向が約35mm、幅方向(左右方向)が約46mmの大きさの略矩形の形状を有し、凸部111、凸部121と同様に、碁盤目状の配置となっている。即ち、内面凸部131、内面凸部132の何れについても、それぞれ、ジョイント管13の内面に周方向に90度毎に4か所設けられており、これが軸線方向に2列(複数)形成されている。
また、ジョイント管13の軸方向の中央付近の外周面には、図4(c)に示されるように、90度おきに凸部133が形成されている。凸部133は、ジョイント管13を回転させる際の工具やジグとの係合部として、又は、例えば支柱として利用される際にワイヤロープ等を係止するためのブラケット材の下端を指示するストッパ等として機能する。
なお、本実施形態のジョイント管13は鋳造によって一体的に形成されている。
上記構成により、ジョイント管13(管状の部材)の内周面に形成された内面凸部131(第1内面凸部)の周方向の配置が、上部鋼管11の凸部111(第1凸部)の周方向の配置に対して、相互に互い違いとなるように配され、内面凸部132(第2内面凸部)の周方向の配置が、下部鋼管12の凸部121(第2凸部)の周方向の配置に対して、相互に互い違いとなるように配されるものである。
また、ジョイント管13(管状の部材)に上部鋼管11を所定位置まで挿入させた際に、ジョイント管13の内面凸部131(第1内面凸部)が、上部鋼管11の凸部111(第1凸部)を軸線方向に超えて位置し、且つ、ジョイント管13(管状の部材)に下部鋼管12を所定位置まで挿入させた際に、ジョイント管13の内面凸部132(第2内面凸部)が、下部鋼管12の凸部121(第2凸部)を軸線方向に超えて位置するように構成されるものである。なお、本実施形態では、凸部111(若しくは凸部121)、内面凸部131(若しくは内面凸部132)が、それぞれ軸線方向に2列形成されるものであり、従って、“内面凸部131(第1内面凸部)が、凸部111(第1凸部)を軸線方向に超えて位置し”とは、相互に対応する列の位置関係をいうものである。例えば、“下の列の”内面凸部132が、“下の列の”凸部121を、軸線方向に超えて位置するものであり、“上の列の”内面凸部132が、“下の列の”凸部121を、軸線方向に超えるものではない。
そして、上部鋼管11及び下部鋼管12を、ジョイント管13に所定位置まで挿入した状態で、上部鋼管11及び下部鋼管12に対してジョイント管13を相対的に回転(本実施形態では略45°回転)させることで、凸部111(第1凸部)と凸部121(第2凸部)に対して、内面凸部131(第1内面凸部)と内面凸部132(第2内面凸部)が軸線方向に係合するものである。
図5は、鋼管継手構造100を用いた鋼管の接続方法(鋼管杭(支柱)として用いる施工方法)に関する説明図である。
先ず、下部鋼管12を打設する(図5(a))。鋼管の地面への打設の方法は、従来の各種の工法を利用することができる。
次に、下部鋼管12に対して、ジョイント管13を挿通する(図5(b))。下部鋼管12の凸部121と、ジョイント管13の内面凸部132が、周方向に互い違いとなる状態でジョイント管13を下部鋼管12に挿通するものである。ジョイント管13の下部鋼管12への挿通により、ジョイント管13の内面凸部132が、下部鋼管12の凸部121を軸線方向(下)に超えて位置し、ジョイント管13がストッパ部材122に突き当たることで上下方向の位置決めがされる。この際、下部鋼管12の凸部121とジョイント管13の内面凸部132が、市松模様状の配置となる。
次に、ジョイント管13に対して、上部鋼管11を挿通する(図5(c))。上部鋼管11の凸部111と、ジョイント管13の内面凸部131が、周方向に互い違いとなる状態で上部鋼管11をジョイント管13に挿通するものである。上部鋼管11のジョイント管13への挿通により、ジョイント管13の内面凸部131が、上部鋼管11の凸部111を軸線方向(上)に超えて位置し、上部鋼管11が下部鋼管12に突き当たることで上下方向の位置決めがされる。この際、上部鋼管11の凸部111とジョイント管13の内面凸部131が、市松模様状の配置となる。
次に、上部鋼管11及び下部鋼管12に対してジョイント管13を相対的に回転(本実施形態では略45°回転)させることで、上部鋼管11の凸部111及び下部鋼管12の凸部121に対して、ジョイント管13の内面凸部131及び内面凸部132が、軸線方向に一列にならび、相互に係合する(図5(d))。
これにより、上部鋼管11・下部鋼管12と、ジョイント管13との間に、軸線方向に貫通する空間sが、4か所形成される。
ジョイント管13を回転させるために工具やジグを使用する場合には、ジョイント管13の外周に形成されている凸部133に係合させるとよい。なお、工具やジグを使用せずとも、凸部133を手掛かりとすること等により、手でジョイント管13を回転させることもできる(以下で説明する曲げ試験で使用した鋼管継手構造では、難なく手で回すことができた)。
最後に、4か所の空間sにそれぞれ係合部材14を挿通させる。係合部材14は、本実施形態では複数の丸鋼によって構成され、1か所の空間Sに対して5本の丸鋼を挿入している。それぞれの空間sに丸鋼を挿入し、これがストッパ部材122に突き当たることで、保持される(図5(e)、(f))。
係合部材14が挿入されることで、ジョイント管13の回転が防止(=凸部111及び凸部121に対する、内面凸部131及び内面凸部132の係合がズレることが防止)されると共に、上部鋼管11又は下部鋼管12と、ジョイント管13と、の間の空間が埋められ、構造体としての剛性が向上する。
ここでは、係合部材14が複数の丸鋼によって構成される場合を例としたが、係合部材14は、空間sに入ってジョイント管13の回転を防止させるもの、若しくは、空間sを埋めるものであればよい。例えば、空間sに嵌る形状を有する湾曲プレートを用いるようにしてもよい。図6は、湾曲プレートにて構成した係合部材14´を示す図であり、図6(a)は側面図、図6(b)は断面図である。係合部材14´は、上部鋼管11及び下部鋼管12の外周に沿う湾曲をした板状の部材(鋼板)であり、長手方向はジョイント管13と略同一の長さを有し、短手方向は内面凸部131や内面凸部132の幅と略同一の長さである。
なお、ここでは係合部材として、鋼管とジョイント管の間の空間Sを埋めるものを例としているが、これに限られるものではなく、鋼管に対するジョイント管の回転を抑止することができるものであればよい。例えば、鋼管とジョイント管をボルト止めするようなものであってもよい。ボルト締結用の穴を形成すると、鋼管の強度に影響が生じ得るため、凸部131や凸部132の部分(肉厚が厚くなっており強度が高い部分)に形成するとよい。
なお、鋼管としては任意のものを用いることができる。例えば、鋼管内にセメントミルク等を充填するようにしてもよいし、2重鋼管を用いる等してもよい。
鋼管内にセメントミルクを充填する場合には、図5(f)の状態において、ジョイント管13の下端部分における下部鋼管12との隙間の防水処理を行った上で、上部鋼管11の上端から内部へセメントミルクの充填を行う。防水処理の方法は、配管補修テープを巻き付けることやコーキングを行う等、適宜選択すればよい。
セメントミルクが下部鋼管12と上部鋼管11の境目まで上がってくると、下部鋼管12と上部鋼管11の間の隙間から、ジョイント管13内へセメントミルクが漏れ出し、ジョイント管13と下部鋼管12及び上部鋼管11との間の隙間にもセメントミルクが充填される。
セメントミルクがジョイント管13の上端付近まで上がってきたら、ジョイント管13の上端部分における上部鋼管11との隙間もシールし、上部鋼管11の上端までセメントミルクの充填を行う。
上記により、下部鋼管12と上部鋼管11の内部、及び、ジョイント管13と下部鋼管12及び上部鋼管11との間の隙間に、セメントミルクが充填される。
なお、上記では上部鋼管11と下部鋼管12の間に隙間があることを前提としたものを例としているが、例えばガスケットを設けること等によって上部鋼管11と下部鋼管12の間をシールし、上部鋼管11と下部鋼管12の内部にセメントミルクを充填するようにしてもよい。この際、ジョイント管13と上部鋼管11及び下部鋼管12との間にもセメントミルクを充填したい場合には、ジョイント管13の下端部分における下部鋼管12との隙間をシールした上で、ジョイント管13と上部鋼管11及び下部鋼管12の隙間の上部からセメントミルクを流し込むようにすればよい。一方、ジョイント管13と上部鋼管11及び下部鋼管12との間にもセメントミルクを充填しない状態にしておけば、後で鋼管継手構造100を外すことも可能である。
図15は、予防柵若しくは防護柵の鋼管杭(支柱)としての施工状態を示した概略図である。図15(a)に示されるように、ここの例では、下部鋼管12が地中に打設されて杭として機能し、上部鋼管11が支柱として機能する。
上部鋼管11には、所定間隔でストッパ112が設けられており、これによって下端側を支持されるブラケット材151が取り付けられる。また、ジョイント管13の凸部133に下端側を支持されるブラケット材152が取り付けられる。
ブラケット材151やブラケット材152によって金網やワイヤロープ等を保持させること等により、予防柵若しくは防護柵となる。
以下でも説明するが、図15(b)に示されるように、荷重がかかることが想定される方向(道路側−山側に沿った方向)に、凸部111及び凸部121と内面凸部131及び内面凸部132が係合している部分が、配されるようにすることが好ましい。
上記構成を有する鋼管継手構造100は、軸方向に相互に係合する、上部鋼管11の凸部111及び下部鋼管12の凸部121と、ジョイント管13の内面凸部131及び内面凸部132が、せん断キーとして機能するため、高い曲げ剛性を得ることができる。即ち、“曲げ”が生じる際には、鋼管中立軸を境に内側には曲げ圧縮応力、外側には曲げ引張応力が生じるが、せん断キーである凸部111及び凸部121と、内面凸部131及び内面凸部132によって、圧縮や引張り応力が抑制される(軸線方向の相対距離が保持される)ため、高い曲げ剛性を得ることができるものである。
図16は、予防柵若しくは防護柵の一例として、道路や家屋等を落石等から保護するために、保護対象である道路や家屋等より斜面側に設けられる落石防護柵としての施工状態を示した概略図である。
落石防護柵200は、図15で示した鋼管杭(支柱)が複数打設され、これを支柱として網体(金網)201や索体(ワイヤロープ)202が張られることで、斜面上から落ちてきた落石等を受け止める落石防護柵として構成されるものである。
落石防護柵200は、鋼管継手構造100を有する複数の支柱と、各支柱の間において設けられる網体201と、各支柱の間において設けられる複数の索体202と、各支柱の間において設けられるサポート材205と、を備えている。
なお、ここでは受け部材として網体201と索体202を備えているものを例としているが、予防柵若しくは防護柵の用途に応じて、何れか一方または、別の受け部材(例えば梁状の部材など)を有するものであってもよい。また、用途によってはサポート材は必須のものではない。
鋼管継手構造100を有する各支柱は、柵の両端部において立設される端末支柱と、端末支柱の間に設けられる1本若しくは複数の中間支柱とを有する。
端末支柱は、図15で示した鋼管杭(支柱)であり、上記説明したブラケット材151やブラケット材152を備えている。また、サポート材205を取り付けるためのサポート用ブラケット材153も有している。ブラケット材151やブラケット材152は、下端を保持されているが支柱に対して遊嵌的に挿通されており、支柱に対して回転や摺動が可能に構成されている。
中間支柱には、索体支持フック206と、サポート材205を取り付けるためのサポート用ブラケット材154が備えられる。鋼管継手構造100を有する支柱である点は、端末支柱と同様である。索体支持フック206は、各索体202が挿通されてこれを摺動可能に支持するためのものであり、U字状のフックが支柱に溶接などによって固着されることで形成される。
網体201は、金網であり、図16では、図の見易さの観点から、網体201を部分的にのみ表示しているが、網体201は落石防護柵200に全面的に設けられるものである。網体201は、その上端側において、サポート材205に吊リング208によって保持される吊板209によって吊られ、且つ、その両端部において、各ブラケット材151、152に設けられるU字フックに挿通される丸棒210に取り付けられる。これによって、網体201は落石防護柵200に全面的に設けられ、比較的小さな落石なども捕捉するものである。
各索体202は、巻付グリップ203とターンバックル204を介して、端末支柱の各ブラケット材151、152に接続される。また、各索体202は中間支柱の各索体支持フック206に摺動可能に挿通され、各支柱間において、間隔保持材207が取り付けられる。これらにより、各索体202が各支柱(端末支柱、中間支柱)に支持され、各索体202間の間隔が間隔保持材207によって保持される。
サポート材205は、各支柱(端末支柱、中間支柱)の間隔を保持するものであり、ここの例では鋼管によって形成される。サポート材205は、その両端がサポート用ブラケット材153若しくはサポート用ブラケット材154によって固定されて、各支柱の間隔を保持する。
なお、ここでは、予防柵若しくは防護柵の一例として落石防護柵を示したが、鋼管継手構造100を有する杭や支柱は、例えば、斜面上に積もった雪が落ちてこないように抑える雪崩予防柵、斜面上に積もった雪が落ちてきた雪崩を受け止める雪崩防護柵、斜面地表部から発生した崩壊土砂を受け止める崩壊土砂防護柵など、任意の予防柵若しくは防護柵に対して利用することができる。またこれらの予防柵若しくは防護柵の他、法面防災分野の各種の構築物に利用することができる。
また、ここでは、鋼管継手構造100が1本の支柱に対して1箇所であるものを示しているが、これに限られるものではなく、1本の支柱に複数の鋼管継手構造100があってもよい(3本以上の複数の鋼管が鋼管継手構造100によって継がれて1本の杭若しくは支柱を構成するものであってもよい)。
また、鋼管継手構造100は杭や支柱としての利用に限定されるものではなく、例えば、上記説明したサポート材に鋼管継手構造100が用いられるもの等であってもよい。
次に、鋼管継手構造100について行った曲げ耐力試験について説明する。
図7(a)は試験装置を示す写真であり、図7(b)は試験に用いた供試体の仕様を示す表である。
曲げ耐力試験は、供試体を梁状に保持し、その中間部に荷重を加えることによって行った。
より具体的には、図7(a)に示されるように、2箇所の鋼製架台とその等間隔の位置にジャッキ、ロードセル、加力ジグをセットした。鋼製架台の供試体と接触する箇所にはあらかじめ受け材を取付けた。供試体の中央に加力ジグが来るように、鋼製架台に支持ジグを介して供試体をセットした。油圧ポンプによりジャッキのストロークを押し上げることによって、供試体中央に荷重を与えた。計測については、ジャッキの下部にロードセルを設置し載荷荷重を、加力ジグに巻取り式変位計を取付けて供試体の変位を計測した。いずれもデータロガーに接続して同期させた。
供試体としては、比較対象となるCase1と、鋼管継手構造100を有するCase2を用意した。
図7(b)に示されるように、Case1は、139.8Φ×t6.0の外管と114.3Φ×t8.0の内管を有する二重管であり、セメント充填がされたものを3本用意した。
一方Case2は、鋼管としてはCase1と同じ仕様のものを用い、これを上記説明した鋼管継手構造100を用いて継いだものを2本用意した。この2本に対して、図7(b)の表中の“支柱断面”で示される方向で荷重を与えた。即ち、せん断キーである凸部111及び凸部121と、内面凸部131及び内面凸部132が形成されている箇所との関係で、荷重を加える方向を変えて試験を行った。
図8は、Case1の3本(Case1−1〜1−3)についての試験結果を示すグラフであり、図8(a)は荷重−変位曲線、図8(b)は曲げモーメント−変位曲線である。同様に図9は、Case2の2本(Case2−1〜2−2)についての試験結果を示すグラフであり、図9(a)は荷重−変位曲線、図9(b)は曲げモーメント−変位曲線である。
図10(a)には、Case1−1の最大変形状態の写真、図10(b)には、Case2−1の最大変形状態の写真を示した。
図11は、Case1−1と、Case2−1を比較するものであり、図11(a)は荷重−変位曲線、図11(b)は曲げモーメントと回転角の関係を示すグラフである。なお、“回転角”は、図11(b)に示されるように、鋼管に生じた曲げ角度である。
また、以下に、試験結果を表1として示す。
Figure 2021195860
Case1(3本)では、最大荷重210~220kN程度で変位250mmに達した。何れにおいても、加力部の供試体断面において極度の扁平状態となるような変形は見られず、充填したセメントミルクの押し出し状況は見られなかった。また、何れにおいても、荷重は変位に対して持続する傾向を示した。
Case2(2本)では、最大荷重270~280kN程度で変位250mmに達した。何れにおいても、加力部の供試体継手部における割れや変形は見られず、充填したセメントミルクの押し出し状況は見られなかった。また、何れにおいても、荷重は変位に対して持続する傾向を示した。
せん断キーとの関係で、荷重を加える方向を変えても、同等の耐荷重が得られる傾向が示された。
鋼管継手構造100の継手有り(Case2)と継手無し(Case1)の荷重波形を比べると、最大荷重に達するまでの傾きに差が見られ、鋼管継手構造100の継手有り(Case2)の方が、高い耐荷重となっている。即ち、鋼管継手構造100において母材以上の強度を有している(継手部分において鋼管自体が有する曲げ耐力を下回ることがない)ことが確かめられた。
以上のごとく、本実施形態の鋼管継手構造100によれば、比較的シンプルな構成にて、鋼管自体が有する曲げ耐力を低下させることなく、鋼管を接続することができる。鋼管継手構造100を適切な形状により複数相互のせん断キーが嵌合することで、鋼管自体が有する曲げ耐力以上を得ることができる。
本実施形態の鋼管継手構造100は、比較的シンプルな構成であり切削加工やネジ穴加工等も必要ないため、低コストで、施工性もよい。各凸部を形成した上で上部鋼管や下部鋼管全体としてメッキ加工をすること等により、耐食性にも優れている(ネジ溝等の細かい構造がないため、メッキ不良も起きにくい)。
本実施形態では、凸部111や凸部121(及びこれらと係合する内面凸部131や内面凸部132)が、周方向に90°おきに4か所配置されるものを例としているが、本発明をこれに限るものではない。
例えば、周方向に120°おきに3か所配置するものや180°おきに2か所配置するものの他、周方向に1か所だけ配置するようなものであっても構わない。逆に5か所以上配置するものであっても構わない。
あまり多く配置すると、凸部等の作成にコストがかかり、また、部材間のかみ合わせがシビアになる傾向となるため、施工性の面でも劣るおそれがある。
一方で、配置が少なすぎると、曲げ耐力の強さに方向性が生じる場合がある。例えば、180°おきに2か所配置した場合、これと直交する方向に荷重が加わると、せん断キーとしての機能があまり発揮されない可能性がある。このような場合には、せん断キーの配置と、荷重の係る方向を合わせるようにすることが望まれる。即ち、鋼管の断面視において、鋼管にかかることが想定される荷重の方向に沿って、当該鋼管の中心部から最も離れた箇所に、せん断キー(上部鋼管11の凸部111及び下部鋼管12の凸部121と、ジョイント管13の内面凸部131及び内面凸部132)が位置するようにするとよい。例えば、落石や崩壊土砂、雪のせり出しなどの対策で用いられる鋼管杭式防護柵(予防若しくは防護施設)における支柱に係る荷重は、基本的には決まった方向となる。このような場合、想定される荷重の方向に沿ってせん断キーが存在するように施工するとよい。
本実施形態の鋼管継手構造100によれば、周方向に90°おきに4か所配置していることにより、上記の試験結果からも、何れの方向の荷重に対しても同様の曲げ耐力が得られると考えられ、より好適なものである。
本実施形態では、上部鋼管11の凸部111(第1凸部)と下部鋼管12の凸部121(第2凸部)の、軸線方向の相対距離を保持する保持部として、管状の部材であるジョイント管13を例としているが、本発明をこれに限るものではなく、“第1凸部と第2凸部の軸線方向の相対距離を保持する”ことができるものであればよい。即ち、必要な剛性を有して、第1凸部と第2凸部に係合することができる任意の部材であってよい。
本実施形態では、上部鋼管11と下部鋼管12が同じ仕様のものを例としているが、本発明をこれに限るものではない。例えば、実施形態で説明したジョイント管13によって、外径が同一で、厚さ等の仕様が異なる鋼管を継ぐことができる。また、上部側と下部側で内径が異なるジョイント管を用いること等により、外径(及び厚さ等のその他の仕様)が異なる鋼管を継ぐこともできる。
本実施形態では、せん断キー(各凸部)として、軸線方向に直交する方向から見て略矩形(長方形)であるものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、例えば正方形の他、多様な形状を用いることができる。図12にはこのようなものの一例として、せん断キーを三角形(略正三角形)とした場合の概念図を示した。鋼管側の凸部121´に対して、ジョイント管側の内面凸部132´を図12のように形成して相互に係合するようにすればよい。三角形の斜辺が係合する形になるため、荷重がかかった際に、相互の係合が外れる方向にモーメントが生じやすくなってしまうが、係合部材14を用いることで、相互の係合が外れることが防止されるため問題は無い。実施形態の鋼管継手構造100では、係合部材14は必須の部材という訳では無いが、図12のような構成の場合には、係合部材14は必要である。
せん断キー(各凸部)を図12のような三角形状とした場合、鋼管とジョイント管の上下方向の位置決めがラフであっても、三角形の斜辺によって誘導されて相互にかみ合うため、施工性が向上するという点で有利である。これに基づき、実施形態の鋼管継手構造100の凸部111や凸部121(及びこれらと係合する内面凸部131や内面凸部132)の形状の一部に、斜辺を取り入れるようにしてもよい。
また、せん断キー(各凸部)は、その断面形状としても、必要な強度を得ることができる任意の形状とすることができる。
また、図13には、せん断キーの別の形状の一例を示した。
図13の例では、ジョイント管を回転させて、せん断キーを係合させる際に、回転のストッパとなる突き当たり部材1211´´を有している。これにより、せん断キーを係合させるためにジョイント管を回転させる際に、突き当たるまで回転させればよく、施工性に優れるものである。突き当たり部材1211´´は、上部鋼管、下部鋼管、ジョイント管の何れかに設ければよい(1か所設けるものであっても複数設けるものであっても構わない)。
本実施形態では、凸部111や凸部121、及びこれらと係合する内面凸部131や内面凸部132のいずれも、軸線方向に2列分形成されているものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、凸部111や凸部121、及びこれらと係合する内面凸部131や内面凸部132のいずれか、又は任意の組み合わせで、軸線方向に1列分であったり、軸線方向に3列分以上形成されるようなものであって構わない。
せん断キーとして、必要な強度を有して“軸線方向の相対距離を保持”し得るものであればよいものである。
本実施形態では、各凸部が板材によって形成されるものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、任意の部材によって形成されるものであってよい。例えば、図14に一例を示したように、丸鋼を複数並べて配置することで、凸部121´´´を形成するようにしてもよい。
本実施形態では、“上部鋼管”、“下部鋼管”として、基本的に杭や支柱として用いられることを対象として説明したが、本発明をこれに限るものではなく、例えば梁材として用いられるものであってもよいことは勿論である。
上記説明では、本発明に係る鋼管継手構造を利用したものの例として、予防柵若しくは防護柵を示したが、本発明をこれに限るものではない。
本発明に係る鋼管継手構造は、比較的シンプルな構成でありながら鋼管自体が有する曲げ耐力を低下させることを抑止した継手構造であり、このような継手構造は、法面防災分野に限らず、各種の構造物に利用することが可能である。例えば各種の構築物や建築物、各種の機械設備、列車や車両、船、飛行機等の移動体、等、種々の構造物に利用することができる。また、これらの比較的大型の構造物に限らず、小さな構造物においても利用することができる。
100...鋼管継手構造
11...上部鋼管(一方の鋼管)
111...凸部(第1凸部)
12...下部鋼管(他方の鋼管)
121...凸部(第2凸部)
122...ストッパ部材
13...ジョイント管(保持部)
131...内面凸部(第1内面凸部)
132...内面凸部(第2内面凸部)
14...係合部材

Claims (19)

  1. 鋼管を相互に接続するための鋼管継手構造であって、
    一方の鋼管の端部付近の鋼管自体の外周面上に形成された第1凸部と、
    他方の鋼管の端部付近の鋼管自体の外周面上に形成された第2凸部と、
    前記第1凸部と前記第2凸部の、前記鋼管の軸線方向の相対距離を保持する保持部と、
    を備えることを特徴とする鋼管継手構造。
  2. 前記保持部が、前記鋼管の端部を内部に挿通させる管状部材であり、当該管状部材の内部に、前記第1凸部と前記第2凸部にそれぞれ係合する第1内面凸部と第2内面凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管継手構造。
  3. 前記管状部材の内周面に形成された前記第1内面凸部の周方向の配置が、前記第1凸部の周方向の配置に対して、相互に互い違いとなるように配され、前記管状部材の内周面に形成された前記第2内面凸部の周方向の配置が、前記第2凸部の周方向の配置に対して、相互に互い違いとなるように配されており、
    前記管状部材に前記一方の鋼管を所定位置まで挿入させた際に、前記第1内面凸部が、前記第1凸部を前記軸線方向に超えて位置し、且つ、前記管状部材に前記他方の鋼管を所定位置まで挿入させた際に、前記第2内面凸部が、前記第2凸部を前記軸線方向に超えて位置するように構成され、
    前記一方及び他方の鋼管を、前記管状部材に所定位置まで挿入した状態で、前記一方及び他方の鋼管に対して前記管状部材を相対的に回転させることで、前記第1凸部と前記第2凸部に対して、前記第1内面凸部及び前記第2内面凸部が前記軸線方向に係合していることを特徴とする請求項2に記載の鋼管継手構造。
  4. 前記一方の鋼管及び前記他方の鋼管に対する前記管状部材の回転を抑止するための係合部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の鋼管継手構造。
  5. 前記係合部材が、前記一方の鋼管又は前記他方の鋼管と、前記保持部と、の間の空間を埋める部材であることを特徴とする請求項4に記載の鋼管継手構造。
  6. 前記第1凸部又は前記第2凸部が、前記軸線方向に複数形成されていることを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の鋼管継手構造。
  7. 前記第1内面凸部又は前記第2内面凸部が、前記軸線方向に複数形成されていることを特徴とする請求項6に記載の鋼管継手構造。
  8. 前記第1凸部又は前記第2凸部が、周方向に90度毎に4か所設けられていることを特徴とする請求項2から7の何れかに記載の鋼管継手構造。
  9. 前記第1内面凸部又は前記第2内面凸部が、周方向に90度毎に4か所設けられていることを特徴とする請求項8に記載の鋼管継手構造。
  10. 前記第1凸部又は前記第2凸部が、略矩形であることを特徴とする請求項2から9の何れかに記載の鋼管継手構造。
  11. 前記第1内面凸部又は前記第2内面凸部が、略矩形であることを特徴とする請求項10に記載の鋼管継手構造。
  12. 前記一方の鋼管又は前記他方の鋼管の何れかが、前記管状部材に対する前記一方の鋼管又は前記他方の鋼管の挿入位置を規定するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項2から11の何れかに記載の鋼管継手構造。
  13. 請求項1から12の何れかに記載の鋼管継手構造を有する鋼管杭を用いた予防若しくは防護施設。
  14. 前記鋼管杭の断面視において、前記鋼管杭にかかることが想定される荷重の方向に沿って、当該鋼管杭の中心部から最も離れた箇所に、前記第1凸部と前記第2凸部が位置するように配されていることを特徴とする請求項13に記載の予防若しくは防護施設。
  15. 請求項2から12の何れかに記載の鋼管継手構造を有する鋼管杭の施工方法であって、
    前記一方の鋼管を打設する工程と、
    前記一方の鋼管に前記保持部を挿通する工程と、
    前記保持部に前記他方の鋼管を挿通する工程と、
    前記一方及び他方の鋼管に対して前記管状部材を相対的に回転させることで、前記第1凸部と前記第2凸部に対して、前記第1内面凸部及び前記第2内面凸部を前記軸線方向に係合させる工程と、
    を有することを特徴とする鋼管杭の施工方法。
  16. 前記鋼管杭の断面視において、前記鋼管杭にかかることが想定される荷重の方向に沿って、当該鋼管杭の中心部から最も離れた箇所に、前記第1凸部と前記第2凸部が位置するようにする工程を有することを特徴とする請求項15に記載の鋼管杭の施工方法。
  17. 請求項1から12の何れかに記載の鋼管継手構造を有することを特徴とする鋼管。
  18. 請求項17の鋼管によって形成されたことを特徴とする支柱。
  19. 請求項17の鋼管によって形成されたことを特徴とする鋼管杭。
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