JP7429400B2 - 仮囲い及びその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、仮囲い及びその構築方法に関するものであり、より詳細には、楔(くさび)結合式の下地骨組に万能鋼板、安全鋼板等の仮囲い用パネルを一体的に係留してなる仮囲い及びその構築方法に関するものである。
一般に、建築・土木工事等においては、「工事現場の周囲には、工事期間中、災害防止などのため、関係法令に従って仮囲いを設ける」必要が生じる(非特許文献1)。「仮囲いは、工事現場と外部との隔離・盗難防止・通行人の安全や隣接物保護などのために設置」される(非特許文献1)。この種の仮囲いは、一般に、単管パイプを仮設工事用クランプ部材等によって組付けてなる単管足場仕様の下地骨組や、建枠及び踏板等を組付けてなる枠組足場仕様の下地骨組等に万能鋼板、安全鋼板等の仮囲い用パネルを固定した構造を有する(特許文献1)。
仮囲い用パネルは、幅50~60cm、高さ2~3m程度の寸法を有する縦長の金属製パネルからなり、工事現場の道路境界、隣地境界等(以下、「敷地境界」という。)に沿って配置された多数の支柱等によって支持される。例えば、単管足場仕様の下地骨組を構築する形式の仮囲いは、建地単管、根がらみ単管、控え単管、横流し単管及び単管杭等の管材を自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材によって一体的に組付け、これにより、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に建込むとともに、クランプ部材によって布地単管を建地単管に緊結又は緊締し、仮囲い用パネルをフック状の金属製係留具によって布地単管に緊結又は緊締した構造を有する。また、枠組足場仕様の下地骨組を構築する形式の仮囲いは、枠組足場用の建枠及び鋼製踏板によって地盤面上に仮囲い用の下地骨組を構築し、自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材によって建枠を単管杭に緊結又は緊締するとともに、布地単管をクランプ部材によって建枠の建枠支柱(脚柱)に緊結又は緊締し、仮囲い用パネルをフック状の金属製係留具によって布地単管に緊結又は緊締した構造を有する。
このような仮囲い構造においては、仮囲い用パネルの自重(鉛直荷重)や、仮囲い用パネルに作用する風圧、地震力等の水平荷重は、フック状の金属製係留具を介して布地単管に伝達し、布地単管を介して建地単管又は建枠に伝達し、これにより、各荷重は、下地骨組によって支持される。
他の支持構造として、楔結合式(「楔緊結式」とも呼ばれる。)の支柱及び横架材と、支柱間に架設された上下のレール部材とから構成された下地骨組を有する仮囲い構造が、特許文献2に記載されている。この仮囲い構造では、仮囲い用パネルの下縁部を下側レールの溝に差し込み、仮囲い用パネルの上縁部を上側レールの上縁部に差し込むことによって仮囲い用パネルが建込まれる。仮囲い用パネルの自重(鉛直荷重)は、下側レールによって支承され、下側レールを介して支柱に伝達し、仮囲い用パネルに作用する風圧等の水平荷重は、上下のレールを介して支柱に伝達し、これにより、各荷重は、下地骨組によって支持される。
特開2000-352201号公報 特開2002-309779号公報
日本建築学会・建築工事標準仕様書・同解説 JASS2 仮設工事、4.1「仮囲い」
しかしながら、従来の仮囲い構造は、布地単管をクランプ部材によって建地単管又は建枠支柱に緊結又は緊締する構成を有するので、布地単管を手作業で比較的厳密に位置決めし且つその水平性を確保する必要があり、このため、仮囲い用下地骨組の建込み工程において、比較的煩雑な管材組付け作業が必要とされる。
他方、特許文献2に記載される如く、楔結合式支柱の間に上下のレール部材を架設して仮囲い用パネルを支持する仮囲い構造によれば、クランプ部材を用いた仮囲い設置作業の問題を解消し得るかもしれない。しかしながら、特許文献2に記載された仮囲い構造は、仮囲い用パネルの荷重をレール部材によって支承する構成を有するので、レール部材の支持構造を支柱の端部に備えた仮囲い専用の楔結合式支柱や、この支柱によって支持可能な仮囲い専用のレール部材等を予め製作又は製造しなければならない。また、仮囲い用パネルの位置は、レール部材によって規定されることから、レール部材の位置及び水平性を比較的厳密に管理する煩雑な作業が付加的に必要とされるので、仮囲いの設置作業は、現実には、困難を伴うと考えられる。
本発明者等は、単管足場仕様及び枠組足場仕様の下地骨組を使用した仮囲いにおける煩雑な管材組付け作業の問題を解消すべく、楔結合式足場仕様の下地骨組を採用するとともに、仮囲い専用の特殊なレール部材等を要しない仮囲いの構造を特願2017-186147号の明細書・図面において提案している。特願2017-186147号において提案された仮囲い構造は、煩雑な管材組付け作業の解消等の点で優位性を有し、所期の目的を達成したが、例えば、楔結合式支柱の最下部にベースプレート(敷板又は敷角)を用いる場合、ベースプレートが仮囲いの外側壁面の境界から外側(工事現場の敷地外)に向かってはみ出すのを防止すべく、支柱から或る程度の距離を隔てた位置に仮囲いパネルの外側壁面を位置決めすることが望ましい状況などが生じ得ることが、特願20178-186147号の仮囲い構造の実用化試験において判明し、このような状況においても所望の如く適応し得る仮囲いパネル係留具又は下地骨組を開発する必要が生じた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する楔結合式支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を適切な寸法に設定することができる仮囲い及びその構築方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
前記横架材は、前記係合部に楔結合された連結部を両端部に備えており、
前記係留具は、前記横架材を押圧する押圧部材を保持し且つ前記仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止する係留具本体と、前記横架材と前記リブ状縁部との間に介挿されたスペーサとを有し、
前記係留具本体は、前記押圧部材に対して加えられる締付け力により、前記横架材及び前記リブ状縁部を挟圧し、該横架材及びリブ状縁部は、前記締付け力に起因する圧縮力下に前記スペーサを介して一体化していることを特徴とする仮囲いを提供する。
上記構成の仮囲いによれば、布地単管をクランプ部材によって建地単管又は建枠支柱に緊結又は緊締する構成を要しないので、布地単管を手作業で位置決めし且つその水平性を確認する作業を省略することができ、しかも、仮設工事用クランプ部材の使用数を大きく低減することができるので、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができる。また、上記構成の仮囲いによれば、仮囲い専用の特殊なレール部材等を予め製作又は製造することを要しないので、汎用の楔結合式足場用部材を仮囲いの下地骨組としてそのまま使用することができ、従って、仮囲いの下地骨組の組立て作業又は組付け作業を簡素化することができる。更に、上記構成の仮囲いによれば、スペーサが横架材とリブ状縁部との間に介挿さるので、スペーサ部材寸法又は各部寸法等を適切な寸法に設定することにより、支柱の中心軸線と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)、或いは、これに相当する寸法(L-1/2×D2、L-R)を適切な寸法に設定することができる。
加えて、上記構成の仮囲いによれば、支柱の楔結合式係合部の高さ位置又は設置数等に相応して横架材の高さ位置及び本数等を設定変更することにより、仮囲いの全高等に適応するように仮囲い用パネルの支持条件を適正化又は最適化することができる。また、上記スペーサを用いた仮囲い構造によれば、隣接する支柱の中心軸線を含む構面の面内に横架材の軸芯が配置されるので、偏心荷重に起因した応力の発生を防止し、これにより、仮囲い用パネルの支持及び拘束を安定させることができる。なお、本明細書においては、「係留具」の用語は、留め具、アンカー、掛止具、係止具、緊結具、緊締具、止着具等の取外し可能な固定手段又は固定具等を総称する機械要素を意味するものとする。
他の観点より、本発明は、スペーサを有する係留具を用いて上記仮囲いを構築する仮囲い構築方法において、
前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記横架材に前記係留具を係合させるとともに、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止し、
前記押圧部材に対して加えられる締付け力により、前記仮囲い用パネルを前記横架材の側に引き寄せ、前記横架材と前記リブ状縁部とを挟圧し、前記締付け力に起因して発生する圧縮力により、前記スペーサを介して前記横架材及びリブ状縁部を一体化することを特徴とする仮囲い構築方法を提供する。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記支柱は、敷地境界に沿って複列に配列され、腕木方向に離間した支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結され、或いは、支柱は、敷地境界に沿って単列に配列され、支柱の上部に楔結合された斜材が支柱の背後に控え柱として配設される。好適には、上記支柱は、地盤に打込んだ杭、或いは、地盤上に敷設したベースプレートによって支柱の下端部を支持した状態で立設される。
好ましくは、上記スペーサは、上記係留具本体の側面に近接又は摺接しており、上記横架材の中心軸線と直交する鉛直面(β)と実質的に平行に相対変位可能に係留具本体に保持される。更に好ましくは、係留具本体は、水平方向に延びる水平スロットを有し、スペーサは、鉛直方向に延びる鉛直スロットを有し、遊動ピンの軸部が水平スロット及び鉛直スロットを貫通し、軸部は、鉛直面の面内においてスロット内で移動し、係留具本体及びスペーサは、遊動ピンによって鉛直面と実質的に平行に相対変位可能に連結される。
好適には、スペーサは、横架材の外周面が圧縮力下に着座可能な弧状の窪み又は凹所を有する。好ましくは、上記係留具本体は、横向きの姿勢で横架材を受入れ可能なU字形断面又はコの字形断面の金属製部材からなり、横架材の上側及び下側に位置する水平部分(14:15)と、水平部分を相互連結する基部(12a)とを有し、押圧部材は、基部に配設された内螺子に螺合する金属製ボルト(13)からなる。
本発明の好適な実施形態において、上記下地骨組は、建設工事用の楔結合式仮設足場の骨組又は軸組である。
本発明の仮囲い及びその構築方法によれば、クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する楔結合式支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を適切な寸法に設定することができる。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の第1実施形態に係る仮囲い構造を示す平面図、正面図及び縦断面図であり、支柱を複列(二列)形態に配置した構造を有する仮囲いが示されている。 図2(A)及び図2(B)は、図1に示す鉛直支柱及び横架材の楔結合式連結構造を示す下地骨組の部分平面図及び部分正面図であり、図2(C)は、楔結合式のフランジ形(鍔形)係合部の構成を示す平面図であり、図2(D)は、仮囲い用パネルを下地骨組に取付けた状態で示す楔結合式連結構造の拡大平面図である。 図3(A)及び図3(B)は、楔結合式連結構造と、仮囲い用パネル支持構造との関係を示す仮囲いの部分拡大平面図及び部分拡大正面図である。 図4(A)、図4(B)及び図4(C)は、仮囲い用パネルを横架材に取付けるための係留具の構造を示す平面図、側面図及び正面図である。 図5(A)は、図4に示す係留具の斜視図であり、図5(B)及び図5(C)は、スペーサ部材の側面図及び横断面図である。 図6(A)及び図6(B)は、仮囲い用パネルを係留具によって横架材に緊結又は緊締する工程を部分的に示す側面図及び平面図であり、図6には、係留具の溝形空間内に横架材を受入れる過程が示されている。 図7(A)及び図7(B)は、仮囲い用パネルを係留具によって横架材に緊結又は緊締する工程を部分的に示す側面図及び平面図であり、図7には、係留具の溝形空間内に横架材を受入れた状態が示されている。 図8(A)及び図8(B)は、仮囲い用パネルを係留具によって横架材に緊結又は緊締する工程を部分的に示す側面図及び平面図であり、図8には、係留具のボルトを締付けて横架材、スペーサ部材及び仮囲い用パネルを一体化する過程が示されている。 図9(A)及び図9(B)は、仮囲い用パネルを係留具によって横架材に緊結又は緊締する工程を示す側面図及び平面図であり、図9には、ボルトの締付け力によって横架材、スペーサ部材及び仮囲い用パネルを一体化した状態が示されている。 図10(A)及び図10(B)は、本発明の第2実施形態に係る仮囲いの構造を示す平面図及び背面図であり、鉛直支柱をジャッキベースによって支持した状態が示されている。 図11(A)、図11(B)及び図11(C)は、図10に示す仮囲いの側面図、斜視図及び部分拡大斜視図である。 図12(A)、図12(B)及び図12(C)は、支柱の中心軸線と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を設定する手段を構成する偏心アタッチメントを上記スペーサ部材に換えて使用した仮囲い構造を参考例として示す平面図、正面図及び縦断面図であり、仮囲い用パネルを楔結合式足場に取付けてなる仮囲いの全体構成が図12(A)、図12(B)及び図12(C)に示されるとともに、仮囲い用パネルを支持する横架材と支柱との間にとの間に介装される偏心アタッチメントの構成が図12(C)の部分拡大図に示されている。 図13(A)、図13(B)及び図13(C)は、図12(C)の部分拡大図に示す偏心アタッチメントの構造を示す平面図、側面図及び背面図である。 図14(A)及び図14(B)は、図12及び図13に示す偏心アタッチメントを用いて構築された仮囲いにおける仮囲い用パネルの支持構造を示す正面図及び平面図である。 図15(A)、図15(B)及び図15(C)は、図12~図14に示す偏心アタッチメントの変形例を示す平面図、側面図及び背面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の第1実施形態に係る仮囲い構造を示す平面図、正面図及び縦断面図である。図1には、工事現場の敷地境界Qに沿って配置された仮囲い1の構成が全体的に示されている。
図1に示す如く、仮囲い1は、鉛直支柱2、X方向横架材3、Y方向横架材4及び単管杭5を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面GL上に構築するとともに、仮囲い用パネル10を係留具11によってX方向横架材3に緊結又は緊締した構造を有する。鉛直支柱2は、楔結合式足場において一般に使用される楔結合式支柱であり、高さ方向に所定間隔(本例では45cm間隔)を隔てて配置されたフランジ形(又は鍔形)の楔結合式係合部20を有する。鉛直支柱2は、敷地境界Qに沿って二列に配置される。各鉛直支柱2の下端部は、自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材6によって単管杭5に組付けられるが、この他の骨組部材結合部は、楔結合式の連結構造を有する。所望により、金属製踏板7が、Y方向横架材4の間に架設され、作業通路、資材置き場等の多目的空間Mが踏板7上に形成される。なお、X方向は、仮囲い用パネル10の外側壁面10bと平行な方向、或いは、下地骨組の布方向であり、Y方向は、仮囲い用パネル10の外側壁面10bと直交する方向、或いは、下地骨組の腕木方向(ころばし方向)である。なお、図1に示す仮囲い1においては、単管杭5によって鉛直支柱2を支持しているが、地盤面GL上に敷設されたベースプレート(敷板又は敷角)によって鉛直支柱2を支持しても良い。
図2(A)及び図2(B)には、鉛直支柱2及び横架材3、4の楔結合式連結構造が示されている。図2(A)及び図2(B)においては、仮囲い用パネル10及び係留具11の図示は、楔結合式連結構造の図示を明瞭化すべく、省略されている。図2(C)には、係合部20の構成が拡大平面図として示されている。図2(D)には、図2(A)及び図2(B)に示す鉛直支柱2及び横架材3、4の下地骨組に対して仮囲い用パネル10を取付けた状態が示されている。また、図3(A)及び図3(B)には、楔結合式連結構造及び仮囲い用パネル支持構造の詳細が具体的に示されている。図3(B)においては、仮囲い用パネル10の図示は、省略されている。
図2に示す如く、係合部20は、鉛直支柱2の本体を構成する金属管に一体化した水平且つ略十字形の板状金属部材21からなり、鉛直支柱2の外周部からX方向及びY方向に延びる複数の開口部22が金属部材21の十字形延出部分に形成されている。横架材3、4は、係合部20に連結可能な連結部31、41を両端部に備える。図3に示す如く、連結部31、41は、係合部20を挟むように上下に分割されており、楔部材23を上下方向に挿通可能な開口部32、42を備える。開口部32、42を係合部20の開口部22に整列し、楔部材23を開口部22、32又は開口部22、42に挿通し、楔部材23の頭部をハンマー等の工具によって打撃し、打撃力P(図3(B))によって係合部20及び連結部31、41に打込むと、係合部20及び連結部31、41を楔部材23の楔作用により緊結し、鉛直支柱2及び横架材3、4を一体的に連結することができる。
鉛直支柱2及びY方向横架材4は、楔結合式足場において一般に使用される汎用の楔結合式支柱及び楔結合式横架材である。鉛直支柱2の本体部分(管体部分)は、外径D2=48.6mmの円形断面を有する金属管からなる。鉛直支柱2の外径D2の値は、汎用的な楔結合式足場の鉛直支柱の外径寸法値である。横架材3、4の本体部分(管体部分)は、外径D1=42.7mmの円形断面を有する金属管からなる。横架材3、4の外径D1の値は、汎用的な楔結合式足場の横架材の外径寸法値である。
X方向横架材3には、係留具11が配置される。図1(C)の部分拡大図に示す如く、係留具11は、X方向横架材3を収容可能な側部開口形の溝形空間αを形成する係留具本体12と、X方向横架材3の外面を押圧可能な金属製ボルト13と、X方向横架材3及び仮囲い用パネル10の間に介挿されるスペーサ部材18とを有する。ボルト13は、係留具本体12の基部12aに形成された内螺子に螺合する外螺子付き締付け部材を構成する。係留具本体12は、概ねU字形断面又はコの字形断面の金属製部材であり、工事現場の側からX方向横架材3を全体的に囲繞する。係留具本体12は、仮囲い用パネル10に係止可能な上下の係止部14、15を備える。係止部14、15は夫々、仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係止可能な係止爪16、17を有する。係留具11によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に係止するとともに、ボルト13の締付け力又は締結力によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に堅固に一体化した状態が、図2(D)及び図3(A)に示されている。
一般に、仮囲い用パネル10のリブ部10aの厚さT1(図1(C)及び図3(A))は、約30mmであり、図2(C)及び図3(A)に示す係合部20の半径R(鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cと係合部20の最外縁部21aとの水平離間距離)は、約52~53mmである。図3(A)に示すように、中心軸線Cと仮囲い用パネル10の外側壁面10bとの水平離間距離Lは、スペーサ部材18の部材離間寸法Sによって定まる。本実施形態において、部材離間寸法Sは、例えば、約50mmに設定され、水平離間距離Lは、例えば、約100mmに設定される。後述する如く、このような寸法設定によれば、隣地境界上の仮囲い用パネル10によって仕切られた工事現場の区画内に一辺約200mm以下の正方形ベースプレート(図10及び図11)を配置してベースプレート上に鉛直支柱2を立設することができる。
図4(A)、図4(B)及び図4(C)は、係留具11の構造を示す平面図、側面図及び正面図であり、図5(A)は、係留具11の斜視図であり、図5(B)及び図5(C)は、スペーサ部材18の側面図及び横断面図である。
前述のとおり、係留具11は、係留具本体12、ボルト13及びスペーサ部材18を有する。ボルト13は、係留具本体12の基部12aに形成された内螺子に螺入し、係留具本体12の溝形空間α内に延入する。係留具本体12は、基部12aから平行に延びる上下の水平板部分12b、12cを有する。係止部14、15は、各水平板部分12b、12cの縁部を鉛直上方又は鉛直下方に屈曲した鉛直板からなる。係止部14、15の先端部は鋭角又はV字形に屈曲し、仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係止可能な係止爪16、17を形成する。図4(A)に示すように、水平スロット(長孔)14aが係留部14に穿設され、遊動ピン19の軸部19aがスロット14aを貫通する。
スペーサ部材18は、コの字形又は溝形断面を有する金属製部材からなり、係留具本体12の側面に近接又は摺接して配置される。スペーサ部材18は、鉛直スロット(長孔)18aと、湾曲した弧状の窪み(凹所)18bとを有する。遊動ピン19の軸部19aはスロット18aを貫通する。遊動ピン19は、スロット14a、18aの溝幅よりも大きい直径を有する拡大ヘッド部19bを両端部に備える。係留部14及びスペーサ部材18は、拡大ヘッド部19bの拘束力又は保持力によって近接状態又は摺接状態を維持し又は持続するとともに、スロット14a、18aに沿う遊動ピン19の遊動により、Y方向の鉛直面β(図3(A))の面内において相対変位する。即ち、遊動ピン19及びスロット14a、18aは、係留具本体12及びスペーサ部材18の相対変位を可能にし且つ両者の相対変位を鉛直面βの面内の運動に制限する。また、遊動ピン19及びスロット14a、18aは、係留具本体12に対するスペーサ部材18の上下方向及び水平方向の相対変位の範囲をスロット14a、18aの長さ範囲内に制限する。
図6~図9は、仮囲い用パネル10を係留具11によってX方向横架材3に緊結又は緊締する工程を段階的に示す側面図及び平面図である。
図6には、X方向横架材3(以下、「横架材3」という。)を係留具本体12の溝形空間α内に受入れる過程が示されている。図6に示す係留具11においては、スペーサ部材18は、係留具本体12に対して最も上方に相対変位した最上昇位置に位置決めされ、溝形空間αは、横架材3を受入れ可能に開放している。この状態で係留具11を図6に矢印Mで示す方向に移動させると、横架材3は、溝形空間α内に受入れられ、図7に示す如く、溝形空間αの最深部においてボルト13の先端部13aに当接又は近接する。
このように横架材3を溝形空間の最深部に配置した状態では、図7に矢印Nで示す如く、スペーサ部材18をスロット18a及び遊動ピン19の案内に従って最降下位置まで降下させることができる。スペーサ部材18を最降下位置まで降下させると、この状態では、窪み18bは、図8に示すように横架材3に対向する。
図8に示す如く、この状態で係止爪16、17を仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係止し、図8に軸力Pfで示す如く、ボルト13を締付けてボルト13の先端部13aを横架材3の外周面に押圧すると、横架材3はその位置を固定されているので、軸力Pfの反力Prが反作用として発生する。係留具本体12は、ボルト13が横架材3より受ける反力Prの下で軸力Pfと対向する方向に移動する。リブ状縁部10aは横架材3の側に移動し、水平離間距離Lは短縮する。水平離間距離Lの短縮に伴って、リブ状縁部10aはスペーサ部材18に当接し、スペーサ部材18を横架材3の側に押圧し、スペーサ部材18は、スロット14a及び遊動ピン19の案内により横架材3の側に移動し、横架材3の外周面に当接する。
スペーサ部材18は、図9に示す如く、水平離間距離Lの短縮により、横架材3及びリブ状縁部10aの間に挟持され、横架材3は、窪み18bに着座する。更にボルト13を締付けると、軸力Pf及び反力Prは、ボルト13及び係止爪16、17によって横架材3、スペーサ部材18及びリブ状縁部10aを圧縮する圧縮力Fc、Fc’として係留具11に働く。即ち、ボルト13の締付け力又は締結力は、横架材3、スペーサ部材18及びリブ状縁部10aを一体化する圧縮方向且つ水平な圧縮力Fc、Fc’として係留具本体12及びリブ状縁部10aに作用する。かくして、横架材3及びリブ状縁部10aは、スペーサ部材18を介して一体的に連結され、仮囲い用パネル10の荷重は、スペーサ部材18を介して横架材3に伝達し、横架材3によって支持される。また、仮囲い用パネル10の外側壁面10bは、スペーサ部材18の部材離間寸法Sと相応する水平離間距離Lを横架材3の中心軸線Cから隔てた位置に位置決めされる。
図10(A)及び図10(B)は、本発明の第2実施形態に係る仮囲いの構造を示す平面図及び背面図であり、図11(A)、図11(B)及び図11(C)は、図10に示す仮囲いの側面図、斜視図及び部分拡大斜視図である。図10及び図11には、鉛直支柱をジャッキベースによって支持した状態が示されている。なお、各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
図10及び図11に示す仮囲い1は、敷角又は敷板8を地盤面に敷設し、ジャッキベース9のベースプレート90を敷角又は敷板8上に着座せしめ、ジャッキベース9の軸部91によって鉛直支柱2の下端部を支持した構造を有する。ベースプレート90は、鉛直支柱2の中心軸線を中心とする一辺E=約200mmの正方形平面形態を有し、隣地境界側の敷角又は敷板8の縁部は、隣地境界側のベースプレート90の縁部と実質的に同じ平面位置に位置する。前述のとおり、スペーサ部材18の部材離間寸法S(図3)を約50mmに設定し、中心軸線Cと仮囲い用パネル10の外側壁面(図1(C))との水平離間距離Lを約100mmに設定することにより、隣地境界上の仮囲い用パネル10によって仕切られた工事現場の区画内にジャッキベース9を配置して鉛直支柱2を立設することができる。なお、所望により、鉛直支柱2が二列に配列され、或いは、控え柱として機能する斜材等が鉛直支柱2の背後に配設され、これにより、仮囲い1の転倒防止が図られる。
図12(A)、図12(B)及び図12(C)は、本発明の技術思想を応用した類似技術に係る仮囲い構造を参考例として示す平面図、正面図及び縦断面図である。図12には、仮囲い用パネル10を楔結合式足場に取付けてなる仮囲い1が示されており、仮囲い1は、上記スペーサ部材18に換えて、支柱2の中心軸線Cと仮囲い用パネル10の外側壁面10bとの水平離間距離Lを設定する偏心アタッチメント50を有する。図13(A)、図13(B)及び図13(C)は、仮囲い用パネル10を支持する横架材3を楔結合式足場の鉛直支柱2に取付けるための偏心アタッチメント50の構造を示す平面図、側面図及び背面図である。図14(A)及び図14(B)は、この参考例における仮囲い用パネル10の支持構造を示す正面図及び平面図である。なお、各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
図12に示す如く、仮囲い1は、鉛直支柱2、X方向横架材3、3’及びY方向横架材4を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面GL上に構築するとともに、仮囲い用パネル10を係留具11によってX方向横架材3に緊結又は緊締した構造を有する。支柱2及び横架材3、3’、4の材質、断面形状、断面寸法等は、第1実施形態における各構成要素の材質、断面形状、断面寸法等と実質的に同一である。鉛直支柱2は、楔結合式足場において一般に使用される楔結合式支柱であり、高さ方向に所定間隔(本例では45cm間隔)を隔てて配置されたフランジ形(又は鍔形)の楔結合式係合部20を有する。鉛直支柱2は、敷地境界Qに沿って二列に配置される。各鉛直支柱2の下端部に設けられたジャッキベース9のベースプレート90は、地盤面GL上に敷設された敷板又は敷角8によって支持又は支承される。
鉛直支柱2、X方向横架材3’及びY方向横架材4は楔結合され、金属製踏板7がY方向横架材4間に架設される。鉛直支柱2、X方向横架材3’及びY方向横架材4は、楔結合式足場の軸組又は骨組を構成し、作業通路を構成する空間Mが踏板7上に形成される。所望により、支柱2は、図1に示す如く上方に延設され、複層又は多層構造の楔結合式足場(以下、「楔足場」という。)が構築される。なお、X方向は、仮囲い用パネル10の外側壁面10bと平行な方向且つ楔足場の布方向であり、Y方向は、仮囲い用パネル10の外側壁面10bと直交する方向且つ楔足場の腕木方向(ころばし方向)である。
X方向横架材3’は、鉛直支柱2の布方向支柱列によって特定される楔足場の鉛直構面に架設された桁材である。一般に、この鉛直構面には、手摺部材(図示せず)や、ブレース(図示せず)等が配置される。X方向横架材3(以下、単に「横架材3」という。)は、X方向横架材3’(以下、単に「横架材3’」という。)と平行に配置され、鉛直支柱2に対して楔足場の外側に偏心した位置に位置する仮囲い用パネル10の支持部材又は支承部材である。横架材3、3’の軸芯J、Iの間隔、即ち、鉛直支柱2に対する横架材3の偏心寸法Kは、好ましくは、80~150mmの範囲内、更に好ましくは、90~120mmの範囲内、例えば、100mmに設定される。
図13(A)、図13(B)及び図13(C)には、横架材3を鉛直支柱2に取付けるための偏心アタッチメント50の構造が示されている。また、図14(A)及び図14(B)には、偏心アタッチメント50によって横架材3を鉛直支柱2に連結した状態が示されている。なお、図14(A)においては、仮囲い用パネル10及び係留具11の図示は、偏心アタッチメント50の連結構造を明瞭化すべく省略されている。
図13に示す如く、係合部20は、前述の実施形態と同じく、鉛直支柱2の本体を構成する金属管に一体化した水平且つ略十字形の板状金属部材21からなり、鉛直支柱2の外周部からX方向及びY方向に延びる複数の開口部22が金属部材21の十字形延出部分に形成されている。図14には、相対的に上側に位置する係合部20に対して偏心アタッチメント50を楔結合し、相対的に下側に位置する係合部20に対して横架材3’、4を楔結合した状態が示されている。図14に示す如く、横架材3’、4は、係合部20に連結可能な連結部31’、41を両端部に備え、前述の実施形態において図3を参照して説明したとおり、連結部31’、41の開口部32’、42及び係合部20の開口部22に挿通した楔部材23の頭部をハンマー等の工具によって打撃し、係合部20及び連結部31’、41を楔部材23の楔作用により緊結し、鉛直支柱2及び横架材3’、4を一体的に連結することができる。
偏心アタッチメント50は、横架材3、3’、4の連結部31、31’、41と実質的に同じ構造を有する連結部51を備える。連結部51は、係合部20を挟むように上下に分割されており、楔部材53を上下方向に挿通可能な開口部52を備える。開口部52を係合部20の開口部22に整列し、楔部材53を開口部52、22に挿通し、楔部材53の頭部をハンマー等の工具によって打撃し、打撃力P(図13(B)、14(A))によって楔部材53を係合部20及び連結部51に打込むと、係合部20及び連結部51を楔部材23の楔作用により緊結し、鉛直支柱2及び偏心アタッチメント50を一体的に連結することができる。
図13に示すように、方形断面又は矩形断面の中空金属部材56が、円形断面を有する金属製の水平短管55を介して連結部51に一体的に連結される。楔結合式係合部60を構成する金属製の鉛直短管65が、中空金属部材56の上面に一体的に立設される。連結部51、水平短管55、中空金属部材56及び鉛直短管65は、溶接又は溶着等の固着手段によって一体化される。鉛直短管55の鉛直中心軸線Zと鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cとは、平面視において腕木方向(ころばし方向)に整列しており、中心軸線C、Zの離間距離は、鉛直支柱2に対する横架材3の偏心寸法Kと一致する。
楔結合式係合部60は、溶接又は溶着等の固着手段によって鉛直短管65に一体化した一対の板状金属部材61を備える。板状金属部材61は夫々、平面視において概ね板状金属部材21を二分割した半割り板状の形態を有し、鉛直短管65の外周部からX方向に延びる開口部62を有する。開口部62は、係合部20の開口部22と同等の機能を有する楔結合手段である。板状金属部材61の中心平面は、偏心アタッチメント50を支持する板状金属部材21の中心平面に対し、上下方向(鉛直方向)に高さ寸法Hのレベル差を有する。高さ寸法Hは、好ましくは、30~200mm、更に好ましくは、40~100mm、例えば、50mmに設定される。
変形例として、図13(B)及び図13(C)に仮想線(一点鎖線)で示す如く、鉛直短管65を中空金属部材56の下面より一体的に垂下せしめても良い。所望により、中空金属部材56として、中心軸線を鉛直方向又は水平方向に配向した円形断面の円筒状部材等を採用しても良い。所望により、鉛直短管65の軸芯方向(上下方向)に延長し、鉛直短管65を水平短管55に直に固着することも可能である。
図14には、係合部20及び連結部51を楔部材53の楔作用により緊結し、鉛直支柱2及び偏心アタッチメント50を一体的に連結した状態が示されている。図14に示す如く、横架材3は、係合部60に連結可能な連結部31を両端部に備え、連結部31及び板状金属部材61の開口部32、62に挿通した楔部材53の頭部をハンマー等の工具によって打撃力Pで打撃し、係合部60及び連結部31を楔部材53の楔作用により緊結し、偏心アタッチメント50及び横架材3を一体的に連結することができる。
図14(B)に示す如く、X方向横架材3には、係留具11が配置される。図12(C)の部分拡大図に示す如く、係留具11は、X方向横架材3を収容可能な側部開口形の溝形空間αを形成する係留具本体12と、X方向横架材3の外面を押圧可能な金属製ボルト13とを有する。ボルト13は、係留具本体12の基部12aに形成された内螺子に螺合する外螺子付き締付け部材を構成する。係留具本体12は、概ねU字形断面又はコの字形断面の金属製部材であり、工事現場の側からX方向横架材3を全体的に囲繞する。係留具本体12は、仮囲い用パネル10に係止可能な上下の係止部14、15を備える。係止部14、15は夫々、仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係止可能な係止爪16、17を有する。係留具11によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に係止するとともに、ボルト13の締付け力又は締結力によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に堅固に一体化した状態が、図12(C)及び図14(B)に示されている。
図14(B)に示すように、横架材3、3’の軸芯J、Iの間隔、即ち、鉛直支柱2に対する横架材3の偏心寸法Kは、鉛直支柱2の中心軸線Cと鉛直短管65の中心軸線Zとの水平離間距離であり、中心軸線Cと仮囲い用パネル10の外側壁面10bとの水平離間距離Lは、仮囲い用パネル10のリブ部10aの厚さT1、横架材3の半径(D1/2)及び偏心寸法Kの合計値(T1+D1/2+K)である。
かくして、上記構成の仮囲い1によれば、横架材3及び鉛直支柱2の中心軸線(軸芯)J、Cを偏心位置で相互連結するための偏心アタッチメント50が、横架材3と鉛直支柱2との間に介装される。横架材3は、鉛直支柱2の係合部20に楔結合可能な連結部51と、横架材3の連結部31に楔結合可能な係合部60とを有し、横架材3の連結部31は、偏心アタッチメント50を介して鉛直支柱2に連結される。鉛直支柱2の中心軸線Cと仮囲い用パネル10の外側壁面10bとの水平離間距離Lは、偏心アタッチメント50を構成する鉛直短管65の中心軸線Zの位置によって特定される。本実施形態において、水平離間距離Lは、例えば、140~170mm、好ましくは、150~160mmの範囲内の寸法(例えば、155mm)に設定される。水平離間距離Lは、前述の如く、隣地境界上の仮囲い用パネル10によって仕切られた工事現場の区画内に一辺約200mm以下の正方形ベースプレート(図10及び図11)を配置してベースプレート上に鉛直支柱2を立設するのを容易にする。また、一般に、楔結合式足場においては、鉛直支柱2の支柱列の鉛直構面に横架材3’、手摺部材(図示せず)、ブレース(図示せず)等が配置されるが、鉛直支柱2は、仮囲い用パネル10の外側壁面10bから水平離間距離Lだけ離間し、しかも、係合部20、60の板状金属部材21、61が高さ寸法Hのレベル差を有するので、これらの楔足場構成要素と仮囲い用パネル10との干渉を防止するとともに、これらの楔足場構成要素を鉛直支柱2に楔結合するための作業空間を鉛直支柱廻りに確保することができる。更には、鉛直支柱2が仮囲い用パネル10から水平離間距離Lだけ離間するので、楔足場の端部又は角部等において仮囲い用パネル10同士を比較的容易に交差連接又は交差連結することができる。
図15(A)、図15(B)及び図15(C)は、図12~図14に示す偏心アタッチメントの変形例を示す平面図、側面図及び背面図である。各図において、上記参考例の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
図12~図14に示す参考例においては、係合部20、60の板状金属部材21、61は高さ寸法Hのレベル差を有するが、図15に示す如く、係合部20、60の板状金属部材21、61を同一レベルに配置しても良い。図15に示す偏心アタッチメント50は、前述の中空金属部材56を省略し、鉛直短管65を水平短管55に直に連結した構造を有する。所望により、図15(B)に破線で示す如く、鉛直短管65の下端に補強用斜材70の上端部を一体的又は枢動可能に連結し、斜材70の下端部を支柱係合具71に一体的又は枢動可能に連結しても良い。支柱係合具71は、例えば、鉛直支柱2に一体的又は枢動可能に連結され、或いは、鉛直支柱2に相対変位可能に支持又は支承される。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態に係る仮囲いは、フランジ部(又は鍔部)を備えた楔結合式支柱を使用した構成のものであるが、支柱ポケット部(又は支柱ボックス部)を備えた楔結合式支柱を使用し、支柱ポケット部に挿入可能な楔形端部を両端部に備えた横架材を使用した楔結合構造により仮囲いの下地骨組を構築しても良い。
また、上記実施形態に係る仮囲いでは、支柱は、敷地境界に沿って複列に配置され、腕木方向に離間した支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結されているが、支柱を敷地境界に沿って単列に配置し、支柱の上部に楔結合された斜材を支柱の背後に控え柱として配設した仮囲い構造を採用しても良い。
更に、上記実施形態の係留具は、上記スペーサ部材の設計変更、或いは、交換等によって部材離間距離(S)の設定を変更し得る構成のものであるが、例えば、部材離間距離を調節可能な構造にスペーサ部材等を設計し、これにより、部材離間距離を任意に調節し得るように係留具を構成することも可能である。また、係留具の各部寸法及び各部形状については、本発明に従って任意に設計変更することができ、係留具の構成要素又は構成部品の材質についても、本発明に従って任意の材質を採用し得る。例えば、樹脂又はセラミック等の成形品を係留具の構成要素又は構成部品として採用することも可能である。
本発明は、建築・土木工事等において工事現場と外部との敷地境界部分に設置される仮囲い及びその構築方法に適用される。本発明は殊に、楔結合式の下地骨組に万能鋼板、安全鋼板等の仮囲い用パネルを一体的に係留する構造を有する仮囲い及びその構築方法に好ましく適用される。本発明によれば、クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する楔結合式支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を適切な寸法に設定することができるので、その実用的価値は、顕著である。
1 仮囲い
2 鉛直支柱
3、3’ X方向横架材
4 Y方向横架材
5 単管杭
8 敷角又は敷板
9 ジャッキベース
10 仮囲い用パネル
10a リブ状縁部
10b 外側壁面
11 係留具
12 係留具本体
12a 基部
13 金属製ボルト(押圧部材)
14、15 係止部
14a 水平スロット
16、17 係止爪
18 スペーサ部材
18a 鉛直スロット
18b 弧状の窪み(凹所)
19 遊動ピン
19a 軸部
20 楔結合式係合部
21、61 板状金属部材
31、31’、41、51 連結部
50 偏心アタッチメント
60 楔結合式係合部
90 ベースプレート
α 側部開口形の溝形空間
β Y方向の鉛直面
GL 地盤面
C、Z 鉛直中心軸線
L 水平離間距離
Q 敷地境界
S 部材離間距離
H 高さ寸法(レベル差)
I、J 横架材の軸芯
K 偏心寸法

Claims (9)

  1. 支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
    前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
    前記横架材は、前記係合部に楔結合された連結部を両端部に備えており、
    前記係留具は、前記横架材を押圧する押圧部材を保持し且つ前記仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止する係留具本体と、前記横架材と前記リブ状縁部との間に介挿されたスペーサとを有し、
    前記係留具本体は、前記押圧部材に対して加えられる締付け力により、前記横架材及び前記リブ状縁部を挟圧し、該横架材及びリブ状縁部は、前記締付け力に起因する圧縮力下に前記スペーサを介して一体化していることを特徴とする仮囲い。
  2. 前記支柱は、敷地境界に沿って複列に配列され、腕木方向に離間した前記支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結され、或いは、前記支柱は、敷地境界に沿って単列に配列され、前記支柱の上部に楔結合された斜材が該支柱の背後に控え柱として配設されることを特徴とする請求項に記載の仮囲い。
  3. 前記スペーサは、前記係留具本体の側面に近接又は摺接しており、前記横架材の中心軸線と直交する鉛直面(β)と実質的に平行に相対変位可能に前記係留具本体に保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮囲い。
  4. 前記係留具本体は、水平方向に延びる水平スロットを有し、前記スペーサは、鉛直方向に延びる鉛直スロットを有し、遊動ピンの軸部が該水平スロット及び鉛直スロットを貫通し、該軸部は、前記横架材の中心軸線と直交する鉛直面(β)の面内において前記スロット内で移動し、前記係留具本体及びスペーサは、前記遊動ピンによって前記鉛直面と実質的に平行に相対変位可能に連結されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の仮囲い。
  5. 前記スペーサは、前記横架材の外周面が圧縮力下に着座可能な弧状の窪み又は凹所を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の仮囲い。
  6. 前記係留具本体は、横向きの姿勢で前記横架材を受入れ可能なU字形断面又はコの字形断面の金属製部材であり、該横架材の上側及び下側に位置する水平部分(14:15)と、該水平部分を相互連結する基部(12a)とを有し、前記押圧部材は、該基部に配設された内螺子に螺合する金属製ボルト(13)からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の仮囲い。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載された仮囲いを構築する仮囲い構築方法において、
    前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
    前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記横架材に前記係留具を係合させるとともに、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止し、
    前記押圧部材に対して加えられる締付け力により、前記仮囲い用パネルを前記横架材の側に引き寄せ、前記横架材と前記リブ状縁部とを挟圧し、前記締付け力に起因して発生する圧縮力により、前記スペーサを介して前記横架材及びリブ状縁部を一体化することを特徴とする仮囲い構築方法。
  8. 杭を地盤に打ち込み、或いは、ベースプレートを地盤上に敷設し、前記支柱の下端部を前記杭又はベースプレートによって支持して前記支柱を立設することを特徴とする請求項に記載の仮囲い構築方法。
  9. 前記下地骨組は、建設工事用の楔結合式仮設足場の骨組又は軸組であることを特徴とする請求項7又は8に記載の仮囲い構築方法。
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