JP2019060154A - 仮囲い及びその構築方法 - Google Patents

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Nobuo Sugiyama
信夫 杉山
昌史 鈴木
Masashi Suzuki
昌史 鈴木
亮祐 川久
Ryosuke Kawahisa
亮祐 川久
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Abstract

【課題】クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を短縮し、敷地境界に対する下地骨組のセットバック寸法を縮小する。【解決手段】仮囲い(1)は、支柱(2)及び横架材(3)を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネル(10)を係留具(8,9)によって横架材(3)に緊結又は緊締した構造を有する。支柱は、楔結合式係合部(20)を有する。横架材は、連結部(35)の管材外径(D3)よりも大きい外径(D1)を有し且つ係留具が係合する大径部分(36)を備える。少なくとも部分的に該係合部を切除してなる断面欠損部(α)を係合部に設け、或いは、スペーサ(70,75,78,80,90)を横架材及びリブ状縁部(10a)の間に介挿しても良い。【選択図】図3

Description

本発明は、仮囲い及びその構築方法に関するものであり、より詳細には、楔(くさび)結合式の下地骨組に万能鋼板、安全鋼板等の仮囲い用パネルを一体的に係留してなる仮囲い及びその構築方法に関するものである。
一般に、建築・土木工事等においては、「工事現場の周囲には、工事期間中、災害防止などのため、関係法令に従って仮囲いを設ける」必要が生じる(非特許文献1)。「仮囲いは、工事現場と外部との隔離・盗難防止・通行人の安全や隣接物保護などのために設置」される(非特許文献1)。この種の仮囲いは、一般に、単管パイプを仮設工事用クランプ部材等によって組付けてなる単管足場仕様の下地骨組や、建枠及び踏板等を組付けてなる枠組足場仕様の下地骨組等に万能鋼板、安全鋼板等の仮囲い用パネルを固定した構造を有する(特許文献1)。
仮囲い用パネルは、幅50〜60cm、高さ2〜3m程度の寸法を有する縦長の金属製パネルからなり、工事現場の道路境界、隣地境界等(以下、「敷地境界」という。)に沿って配置された多数の支柱等によって支持される。図19及び図20は、工事現場の敷地境界Qに沿って配置された一般的な仮囲い構造を示す平面図及び縦断面図である。図19には、仮囲い用パネルを単管足場仕様の建地単管によって支持する仮囲い構造が示されており、図20には、仮囲い用パネルを枠組足場仕様の建枠によって支持する仮囲い構造が示されている。図19及び図20を参照して、従来の仮囲い構造について説明する。
図19に示す仮囲い100は、建地単管101、根がらみ単管102、控え単管103、横流し単管104及び単管杭105等の管材を自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材106によって一体的に組付け、仮囲い用の下地骨組を地盤面GL上に建込み、クランプ部材106によって布地単管107を建地単管101に緊結又は緊締し、仮囲い用パネル110を係留具108によって布地単管107に緊結又は緊締した構造を有する。係留具108の本体は、仮囲い用パネル110を布地単管107に緊結又は緊締するためのフック状の金属製係留部材である。係留具108は、工事現場の側から布地単管107を全体的に囲繞する。係留具108の上下の係止部108a、108bが、仮囲い用パネル110のリブ状縁部110aに係止される。係留具108は、布地単管107の外面に押圧されるボルト109を有する。ボルト109を係留具108の本体に締付け、ボルト109の先端部を布地単管107に対して押圧すると、ボルト109の締付け力の反力によってリブ状縁部110aが布地単管107に引き寄せられ且つ押圧され、仮囲い用パネル110が布地単管107に一体的に係留される。なお、本明細書において、「係留」は、接着、溶接、溶着等の固着手段や、釘等の固定具を使用して実質的に恒久的に一体化するのではなく、締付け力、緊締力又は締結力等に起因する圧力を使用して、圧力解放により分解し得る状態で構造的に一体化することを意味する。
図20に示す仮囲い200は、枠組足場用の建枠201及び鋼製踏板202によって地盤面GL上に仮囲い用の下地骨組を構築し、自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材206によって建枠201を単管杭203に緊結又は緊締するとともに、布地単管207をクランプ部材206によって建枠201の建枠支柱204に緊結又は緊締し、仮囲い用パネル210を係留具208によって布地単管207に緊結又は緊締した構造を有する。係留具208の本体は、上記係留具108と同じく、仮囲い用パネル210を布地単管207に緊結又は緊締するためのフック状の金属製係留部材である。前述の如く、係留具208の本体によって工事現場の側から布地単管207を全体的に囲繞し、係留具208の上下の係止部208a、208bを仮囲い用パネル210のリブ状縁部210aに係止し、ボルト209を係留具208の本体に締付けてボルト209の先端部を布地単管207に押圧し、ボルト209の締付け力の反力によってリブ状縁部210aを布地単管207に引き寄せ且つ押圧し、これにより、仮囲い用パネル210を布地単管207に一体的に係留することができる。
このような仮囲い構造においては、仮囲い用パネルの自重(鉛直荷重)や、仮囲い用パネルに作用する風圧、地震力等の水平荷重は、係留具を介して布地単管に伝達し、布地単管を介して建地単管又は建枠に伝達し、これにより、各荷重は、下地骨組によって支持される。
他の支持構造として、楔結合式(「楔緊結式」とも呼ばれる。)の支柱及び横架材と、支柱間に架設された上下のレール部材とから構成された下地骨組を有する仮囲い構造が、特許文献2に記載されている。この仮囲い構造では、仮囲い用パネルの下縁部を下側レールの溝に差し込み、仮囲い用パネルの上縁部を上側レールの上縁部に差し込むことによって仮囲い用パネルが建込まれる。仮囲い用パネルの自重(鉛直荷重)は、下側レールによって支承され、下側レールを介して支柱に伝達し、仮囲い用パネルに作用する風圧等の水平荷重は、上下のレールを介して支柱に伝達し、これにより、各荷重は、下地骨組によって支持される。
特開2000−352201号公報 特開2002−309779号公報
日本建築学会・建築工事標準仕様書・同解説 JASS2 仮設工事、4.1「仮囲い」
しかしながら、従来の仮囲い構造は、図19及び図20に示す如く、布地単管107、207をクランプ部材106、206によって建地単管101又は建枠支柱204に緊結又は緊締する構成を有するので、布地単管107、207を手作業で比較的厳密に位置決めし且つその水平性を確保する必要があり、このため、仮囲い用下地骨組の建込み工程において、比較的煩雑な管材組付け作業が必要とされる。しかも、建地単管101又は建枠支柱204の中心軸線Cと仮囲い用パネル110、210の外側壁面110b、210bとの水平離間距離(寸法)Lとして、少なくとも約130mm程度の寸法が必要とされるので、建地単管101又は建枠支柱204を含む下地骨組全体を工事現場の敷地境界Qから比較的大きくセットバックする必要が生じる。このようなセットバックの必要性は、殊に、建物等が敷地境界に接近した状況(例えば、都市部又は市街地の建設工事等において建物等が道路境界に接近した状況)において、仮囲いの設置を困難にすることがある。
他方、特許文献2に記載される如く、楔結合式支柱の間に上下のレール部材を架設して仮囲い用パネルを支持する仮囲い構造によれば、クランプ部材を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、上記セットバックの寸法を短縮し得るかもしれない。しかしながら、特許文献2に記載された仮囲い構造は、仮囲い用パネルの荷重をレール部材によって支承する構成を有するので、レール部材の支持構造を支柱の端部に備えた仮囲い専用の楔結合式支柱や、この支柱によって支持可能な仮囲い専用のレール部材等を予め製作又は製造しなければならない。また、仮囲い用パネルの位置は、レール部材によって規定されることから、レール部材の位置及び水平性を比較的厳密に管理する煩雑な作業が付加的に必要とされるので、仮囲いの設置作業は、現実には、困難を伴うと考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(寸法)を短縮し、敷地境界に対する下地骨組のセットバック寸法を縮小することができる仮囲い及びその構築方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
前記横架材は、前記係合部に楔結合可能な連結部を両端部に備えるとともに、該連結部の管材外径よりも大きい外径を有し且つ前記係留具が係合する大径部分を備えており、
該大径部分の外径は、前記仮囲い用パネルの面材部分が前記係合部から離間し又は僅かに接触した状態で、前記仮囲い用パネルのリブ状縁部が前記大径部分に圧力下に接触するのを可能にする寸法に設定されていることを特徴とする仮囲いを提供する。
好ましくは、上記大径部分の外径は、上記支柱の外径と同一の寸法値、或いは、48.5mm〜60mmの範囲内の寸法を有し、上記小径部分と上記大径部分との境界に形成される段差部は、支柱の中心軸線から50〜200mmの範囲内の水平距離を隔てた位置に配置され、上記横架材の水平中心軸線と上記仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)は、50mm以上且つ70mm以下(好適には、65mm以下)の寸法に設定される。好ましくは、横架材の水平中心軸線は、支柱の鉛直中心軸線によって規定される下地骨組の構面の面内に位置する。なお、「僅かに接触した状態」とは、部材同士の一体的な拘束や、部材の変形が生じるような接触圧力が発生しない程度の接触状態を意味する。
本発明は又、上記構成の仮囲い構築する仮囲い構築方法において、
前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記大径部分に前記係留具を係合させるとともに、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止し、
前記係留具を締付けて前記仮囲い用パネルを前記大径部分の側に引き寄せ、前記リブ状縁部を前記大径部分に押圧し、前記仮囲い用パネルを前記リブ状縁部と前記大径部分との接触圧力下に前記大径部分に一体化することを特徴とする仮囲い構築方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、上記横架材は、両端部の連結部の管材外径よりも大きい外径を有し且つ上記係留具が係合する大径部分を備えるので、仮囲い用パネルと係合部との物理的干渉(接触(「僅かに接触した状態」を除く)、当接又は衝合)を防止した状態で、係留具の締付け力によって仮囲い用パネルを横架材に一体的に係留することができる。従って、上記構成の仮囲い構造によれば、柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築するとともに、係留具の締付け力によって仮囲い用パネルを横架材に一体化することができる。
また、上記構成の仮囲い構造においては、布地単管を支柱の外側に配設することを要しないので、支柱の中心軸線から仮囲い用パネルの外側壁面までの水平離間距離を短縮してセットバック寸法を縮小し、下地骨組全体を工事現場の敷地境界に接近させることができる。また、上記構成の仮囲い構造によれば、仮設工事用クランプ部材の使用数を大きく低減することができるので、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができる。しかも、上記下地骨組を構築するには、仮囲い用パネルを支持するための布方向(X方向)横架材として、管材直径を部分的に拡径した楔連結式横架材を用意するだけで良く、その他の部材として、汎用の楔結合式足場用部材をそのまま使用することができるので、実用的に極めて有利である。
加えて、上記構成の仮囲いによれば、横架材の高さ位置及び本数を設定変更することにより、仮囲いの全高等に相応して相違する仮囲い用パネルの支持条件を比較的容易に最適化することができ、また、隣接する支柱の中心軸線を含む構面の面内に横架材の軸芯を配置することにより、偏心荷重に起因した応力の発生を防止し、これにより、仮囲い用パネルの支持及び拘束を安定させることができる。
他の観点より、本発明は、支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
前記横架材は、前記係合部に楔結合可能な連結部を両端部に備えており、
前記仮囲い用パネルの側に位置する前記係合部の部分を少なくとも部分的に切除してなる断面欠損部を該係合部に形成し、前記仮囲い用パネルの面材部分が前記係合部から離間し又は僅かに接触した状態で前記仮囲い用パネルのリブ状縁部が前記大径部分に圧力下に接触するようにしたことを特徴とする仮囲いを提供する。
好ましくは、上記横架材の水平中心軸線は、上記支柱の鉛直中心軸線によって規定される下地骨組の構面の面内に位置しており、この水平中心軸線と上記仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)は、45mm以上且つ65mm以下(好適には、60mm以下)に設定される。
本発明は又、上記構成の仮囲いを構築する仮囲い構築方法において、
前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記横架材に前記係留具を係合させるとともに、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止し、
前記係留具を締付けて前記仮囲い用パネルを前記大径部分の側に引き寄せ、前記係合部と前記仮囲い用パネルの面材部分とを少なくとも5mm以上離間させた状態で前記リブ状縁部を前記大径部分に押圧し、前記仮囲い用パネルを前記リブ状縁部と前記大径部分との接触圧力下に前記大径部分に一体化することを特徴とする仮囲い構築方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、仮囲い用パネルの側に位置する係合部の部分を少なくとも部分的に切除してなる断面欠損部が該係合部に形成されるので、仮囲い用パネルと係合部との物理的干渉(接触、当接又は衝合)を防止した状態で、係留具の締付け力によって仮囲い用パネルを横架材に一体的に係留することができる。従って、上記構成の仮囲い構造によれば、柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築するとともに、係留具の締付け力によって仮囲い用パネルを横架材に一体化することができる。
また、上記構成の仮囲い構造においては、布地単管を支柱の外側に配設することを要しないので、支柱の中心軸線から仮囲い用パネルの外側壁面までの水平離間距離を短縮してセットバック寸法を縮小し、下地骨組全体を工事現場の敷地境界に接近させることができる。また、上記構成の仮囲い構造によれば、仮設工事用クランプ部材の使用数を大きく低減することができるので、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができる。しかも、上記下地骨組を構築するには、仮囲い用パネルの側に位置する係合部の部分を少なくとも部分的に切除して支柱の係合部に断面欠損部を形成するだけで良く、その他の部材として、汎用の楔結合式足場用部材をそのまま使用することができるので、実用的に極めて有利である。
加えて、上記構成の仮囲いによれば、横架材の高さ位置及び本数を設定変更することにより、仮囲いの全高等に相応して相違する仮囲い用パネルの支持条件を比較的容易に最適化することができ、また、隣接する支柱の中心軸線を含む構面の面内に横架材の軸芯を配置することにより、偏心荷重に起因した応力の発生を防止し、これにより、仮囲い用パネルの支持及び拘束を安定させることができる。
好ましくは、上記リブ状縁部と上記大径部分とは、上記係合部と上記仮囲い用パネルの面材部分とが10mm以上、更に好ましくは、20mm以上離間した状態で接触する。
更に他の観点より、本発明は、支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
前記横架材は、前記係合部に楔結合可能な連結部を両端部に備えており、
前記横架材と前記仮囲い用パネルのリブ状縁部との間にスペーサが介挿され、該スペーサは、前記仮囲い用パネルの面材部分が前記係合部から離間し又は僅かに接触した状態で、前記リブ状縁部及び前記横架材によって挟圧され、前記リブ状縁部及び前記横架材は、前記スペーサを介して一体化していることを特徴とする仮囲いを提供する。
好ましくは、上記横架材の水平中心軸線は、上記支柱の鉛直中心軸線によって規定される下地骨組の構面の面内に位置しており、上記水平中心軸線と上記仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)は、50mm以上且つ70mm以下(好適には、65mm以下)の範囲内の寸法に設定される。
本発明の好適な実施形態において、上記スペーサは、上記横架材及び係留具とは分離した別体の金属部材又は樹脂成形部材からなり、上記横架材及びリブ状縁部を4mm以上離間させる厚さを有する。
本発明の他の好適な実施形態において、上記スペーサは、上記係留具に連結又は連繋した金属部材又は樹脂成形部材からなり、上記横架材及びリブ状縁部を4mm以上離間させる厚さを有する。好ましくは、このスペーサは、上記係留具のスペーサ保持部に遊動可能又は相対変位可能に保持された可動スペーサ部材からなり、スペーサ部材は、使用において上記リブ状縁部及び上記横架材によって挟圧される被挟圧部を有する。例えば、上記可動スペーサ部材は、上記被挟圧部を有するT形、L形又はフック形の板状又は棒状部材からなる。
本発明は又、上記構成の仮囲いを構築する仮囲い構築方法において、
前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記横架材に前記係留具を係合させ、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止するとともに、前記スペーサを前記横架材と前記リブ状縁部との間に介挿し、
前記係留具を締付けて前記仮囲い用パネルを前記横架材の側に引き寄せ、前記横架材と前記リブ状縁部とによって前記スペーサを挟圧し、該スペーサを介して前記リブ状縁部及び前記横架材を一体化することを特徴とする仮囲い構築方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、横架材と仮囲い用パネルのリブ状縁部との間にスペーサが介挿されるので、仮囲い用パネルと係合部との物理的干渉(接触、当接又は衝合)を防止した状態で、係留具の締付け力によって仮囲い用パネルを横架材に一体的に係留することができる。従って、上記構成の仮囲い構造によれば、柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築するとともに、係留具の締付け力によって仮囲い用パネルを横架材に一体化することができる。
また、上記構成の仮囲い構造においては、布地単管を支柱の外側に配設することを要しないので、支柱の中心軸線から仮囲い用パネルの外側壁面までの水平離間距離を短縮してセットバック寸法を縮小し、下地骨組全体を工事現場の敷地境界に接近させることができる。また、上記構成の仮囲い構造によれば、仮設工事用クランプ部材の使用数を大きく低減することができるので、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができる。しかも、上記下地骨組を構築するには、汎用の楔結合式足場用部材をそのまま使用することができるので、実用的に極めて有利である。
加えて、上記構成の仮囲いによれば、横架材の高さ位置及び本数を設定変更することにより、仮囲いの全高等に相応して相違する仮囲い用パネルの支持条件を比較的容易に最適化することができ、また、隣接する支柱の中心軸線を含む構面の面内に横架材の軸芯を配置することにより、偏心荷重に起因した応力の発生を防止し、これにより、仮囲い用パネルの支持及び拘束を安定させることができる。
以上説明したとおり、本発明に係る仮囲い構造においては、(1)横架材に大径部分を設け、(2)仮囲い用パネルの側に位置する係合部の部分を少なくとも部分的に切除して断面欠損部を係合部に形成し、或いは、(3)横架材と仮囲い用パネルのリブ状縁部との間にスペーサを介挿した構成を有するが、これらの構成を任意に組合わせた構成を有する仮囲いを構築することも可能である。例えば、横架材を大径部分を設けるとともに、係合部を少なくとも部分的に切除して断面欠損部を係合部に形成しても良く、或いは、横架材を大径部分を設けるとともに、横架材とリブ状縁部との間にスペーサを介挿しても良い。
本発明の好適な実施形態によれば、上記支柱は、敷地境界に沿って複列に配列され、腕木方向に離間した支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結される。このように支柱を敷地境界に沿って複列に配列する場合、施工すべき建築物又は構造物の外面に沿う位置に下地骨組を建込み、建設工事用の楔結合式仮設足場を上記下地骨組によって構築しても良い。これは、他の観点より、建設工事用の楔結合式仮設足場を仮囲い用の下地骨組として利用し得ることを意味する。本発明の他の好適な実施形態によれば、上記支柱は、敷地境界に沿って単列に配列され、支柱の上部に楔結合された斜材が該支柱の背後に控え柱として配設される。好ましくは、斜材は、該斜材の傾斜角度を可変設定可能な枢動連結部を介して支柱に連結される。
本発明の仮囲い及びその構築方法によれば、クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を短縮し、敷地境界に対する下地骨組のセットバック寸法を縮小することができる。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の好適な実施形態(第1の実施形態)に係る仮囲い構造を示す平面図、正面図及び縦断面図であり、仮囲いは、支柱を複列形態に配列した構成を有する。 図2(A)及び図2(B)は、図1に示す鉛直支柱及び横架材の楔結合式連結構造を示す下地骨組の部分平面図及び部分正面図であり、図2(C)は、楔結合式のフランジ形(鍔形)係合部の構成を示す平面図であり、図2(D)は、仮囲い用パネルを下地骨組に取付けた状態で示す楔結合式連結構造の拡大平面図である。 図3(A)及び図3(B)は、楔結合式連結構造と、仮囲い用パネル支持構造との関係を示す仮囲いの部分拡大平面図及び部分拡大正面図である。 図4(A)及び図4(B)は、本発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る仮囲い構造を示す楔結合式連結構造の平面図及び正面図であり、図4(C)は、図4(A)及び図4(B)に示すフランジ形(鍔形)係合部の拡大平面図であり、図4(D)は、図4(A)及び図4(B)に示す鉛直支柱及び横架材の下地骨組に対して仮囲い用パネルを取付けた状態を示す楔結合式連結構造の拡大平面図である。 図5は、図4に示す下地骨組に対して仮囲い用パネルを取付けた状態を示す仮囲いの部分拡大平面図である。 図6(A)及び図6(B)は、本発明の更に他の実施形態(第3の実施形態)に係る仮囲い構造を示す仮囲いの部分拡大平面図及び部分拡大正面図である。 図7(A)は、図6に示す仮囲いの部分拡大縦断面図であり、図7(B)及び図7(C)は、スペーサ部材の構成及び使用方法を示す斜視図である。 図8は、スペーサ部材の構成及び使用方法を示す斜視図である。 図9(A)〜図9(E)は、図8に示すスペーサ部材の変形例に係るスペーサ部材の構成を示す平面図、正面図、側面図、縦断面図及び斜視図である。 図10は、スペーサ部材を係留具の部品として構成した本発明の実施形態(第4の実施形態)を示す斜視図である。 図11は、図10に示すスペーサ部材の平面図及び正面図である。 図12は、図9及び図10に示すスペーサ部材の使用形態を示す側面図である。 図13は、スペーサ装置を備えた係留具に関する他の実施形態(第5の実施形態)を示す斜視図である。 図14は、図13に示す係留具の平面図及び正面図である。 図15は、図13及び図14に示す係留具の使用形態を示す側面図である。 図16は、図13〜図15に示すスペーサ装置の変形例を示す係留具の平面図及び正面図である。 図17(A)及び図17(B)は、支柱を単列形態に配列した構成の仮囲い構造において本発明の構成を採用してなる仮囲いの縦断面図であり、図17(C)は、図17(B)に示す斜材の部分拡大側面図である。 図18(A)〜図18(D)は、図9に示すスペーサ部材の変形例を示す正面図、背面図、斜視図及び縦断面図である。 図19(A)及び図19(B)は、布地単管を単管足場仕様の下地骨組によって支持し、仮囲い用パネルを布地単管によって支持する従来の仮囲い構造を示す平面図及び縦断面図である。 図20(A)及び図20(B)は、布地単管を枠組足場仕様の下地骨組によって支持し、仮囲い用パネルを布地単管によって支持する従来の仮囲い構造を示す平面図及び縦断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の好適な実施形態(第1実施形態)に係る仮囲い構造を示す平面図、正面図及び縦断面図である。図1には、工事現場の敷地境界Qに沿って配置された仮囲い1の構成が全体的に示されている。
図1に示す如く、仮囲い1は、鉛直支柱2、X方向横架材3、Y方向横架材4及び単管杭5を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面GL上に構築するとともに、仮囲い用パネル10を係留具8によってX方向横架材3に緊結又は緊締した構造を有する。鉛直支柱2は、楔結合式足場において一般に使用される楔結合式支柱であり、高さ方向に所定間隔(本例では45cm間隔)を隔てて配置されたフランジ形(又は鍔形)の楔結合式係合部20を有する。鉛直支柱2は、敷地境界Qに沿って二列に配置される。各鉛直支柱2の下端部は、自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材6によって単管杭5に組付けられるが、この他の骨組部材結合部は、楔結合式の連結構造を有する。所望により、金属製踏板7が、Y方向横架材4の間に架設され、作業通路、資材置き場等の多目的空間Mが踏板7上に形成される。なお、X方向は、仮囲い用パネル10の壁面と平行な方向、或いは、下地骨組の布方向であり、Y方向は、仮囲い用パネル10の壁面と直交する方向、或いは、下地骨組の腕木方向(ころばし方向)である。
図2(A)及び図2(B)には、鉛直支柱2及び横架材3、4の楔結合式連結構造が概略的に示されている。図2(A)及び図2(B)においては、楔結合式連結構造の図示を明瞭化するため、仮囲い用パネル10及び係留具8は、その図示を省略されている。図2(C)には、係合部20の構成が拡大平面図として示されている。図2(D)には、図2(A)及び図2(B)に示す鉛直支柱2及び横架材3、4の下地骨組に対して仮囲い用パネル10を取付けた状態が示されている。また、図3(A)及び図3(B)には、楔結合式連結構造及び仮囲い用パネル支持構造の詳細が具体的に示されている。図3(B)においては、仮囲い用パネル10の図示は、省略されている。
図2に示す如く、係合部20は、鉛直支柱2の本体を構成する金属管に一体化した水平且つ略十字形の板状金属部材21からなり、鉛直支柱2の外周部からX方向及びY方向に延びる複数の開口部22が金属部材21の十字形延出部分に形成されている。図3に示す如く、横架材3、4は、係合部20に連結可能な連結部31、41を両端部に備える。連結部31、41は、係合部20を挟むように上下に分割されており、楔部材23を上下方向に挿通可能な開口部32、42を備える。開口部32、42を係合部20の開口部22に整列し、楔部材23を開口部22、32又は開口部22、42に挿通し、楔部材23の頭部をハンマー等の工具によって打撃し、打撃力P(図3(B))によって係合部20及び連結部31、41に打込むと、係合部20及び連結部31、41を楔部材23の楔作用により緊結し、鉛直支柱2及び横架材3、4を一体的に連結することができる。
鉛直支柱2及びY方向横架材4は、楔結合式足場において一般に使用される汎用の楔結合式支柱及び楔結合式横架材である。鉛直支柱2の本体部分は、外径D2=48.6mmの円形断面を有する金属管からなる。鉛直支柱2の外径D2の値は、汎用的な楔結合式足場の鉛直支柱の外径寸法値である。横架材4の本体部分は、外径D4=42.7mmの円形断面を有する金属管からなる。横架材4の外径D4の値は、汎用的な楔結合式足場の横架材の外径寸法値である。他方、X方向横架材3は、連結部31に連接し、外径D3=42.7mmの円形断面を有する小径部分35と、小径部分35に連接し、外径D1=48.6mmの円形断面を有する大径部分36とから構成される。従って、大径部分36の外径D1は、鉛直支柱2の外径D2と同一の寸法値であり、小径部分35の外径D3は、横架材4の外径D4と同一の寸法値である。小径部分35と大径部分36との境界に形成される段差部37は、鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cから水平距離Sの位置に配置され、水平距離Sは、50〜200mmの範囲内、好ましくは、70〜150mmの範囲内の寸法、例えば、100mmに設定される。
大径部分36には、係留具8が配置される。係留具8は、仮囲い用パネル110をX方向横架材3に緊結又は緊締するための概ねC形又はU形断面且つフック状の金属製係留部材である。図1の部分拡大図に示す如く、係留具8は、工事現場の側から大径部分36を全体的に囲繞する。係留具8の上下の係止部8a、8bが、仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係止される。係留具8は、大径部分36の外面に押圧可能なボルト9を有する。
一般に、仮囲い用パネル10のリブ部10aの厚さT1(図1(C)及び図3(A))は、約30mmであり、図2(C)及び図3(A)に示す係合部20の半径R(鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cと係合部20の最外縁部21aとの水平離間距離)は、約52〜53mmである。半径Rと、外径D1/2+厚さT1の合計値とを比較すると、半径R2=約52〜53mmであり、D1/2+T1=約54.3mmであるので、ボルト9を係留具8の本体に締付け、ボルト9の締付け力の反作用によって仮囲い用パネル10を大径部分36の側に引き寄せても、仮囲い用パネル10の面材部分は、係合部20の最外縁部21aに接触せず、或いは、僅かに接触するにすぎず、従って、リブ状縁部10aは、大径部分36に押圧され、仮囲い用パネル10は、リブ状縁部10aと大径部分36との接触圧力下に大径部分36に一体的に保持される。即ち、X方向横架材3は、外径を拡大した大径部分36を有し、係留具8は、大径部分36において仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係合するので、仮囲い用パネル10の面材部分が係合部20の最外縁部21aに当接又は衝合する前に、リブ状縁部10aが大径部分36に当接又は衝合する。このため、ボルト9の締付け力によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に一体的に係留することができる。
このような構成によれば、鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cから仮囲い用パネル10の外側壁面10bまでの水平離間距離L(図1(C)及び図3(A))は、係合部20の半径Rより僅かに大きい値(本例では、約56mm)であるにすぎず、従って、少なくとも約130mm程度の距離Lを要する従来の仮囲い(図7及び図8)に比べ、セットバック寸法を半減し、従って、下地骨組全体を工事現場の敷地境界Qに接近させることができる。これは、殊に、建物等が敷地境界に接近した都市部又は市外地の建築工事等において、仮囲いの設置を容易にするので、実務的に極めて有利である。
また、仮囲い1の下地骨組の大部分は、クランプ部材を使用することなく、鉛直支柱2及び横架材3、4の楔結合式連結によって構築し得るので、鉛直支柱2のレベル及び位置を設定することにより、他の部材の位置及び水平性を比較的容易に設定し又は確保することができ、従って、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができる。
更に、上記構成の仮囲い構造によれば、仮囲い用パネル10を支持するX方向横架材3として、管材直径を部分的に拡径した楔連結式横架材を用意するだけで良く、その他の部材として、汎用の楔結合式足場用部材をそのまま使用することができるので、実用的に極めて有利である。
加えて、仮囲い用パネル10の自重(鉛直荷重)や、仮囲い用パネル10に作用する風圧等の水平荷重、或いは、仮囲い用パネル10の傾倒又は上方変位を生起し得る外力等は、係留具8を介してX方向横架材3に伝達して下地骨組によって支持されるので、X方向横架材3の高さ位置及び本数を設定変更することにより、仮囲い1の全高等に相応して相違する仮囲い用パネル10の支持条件を比較的容易に最適化することができる。また、上記仮囲い構造よれば、鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cと仮囲い用パネル10の外側壁面10bとの水平離間距離Lが前述のとおり大きく短縮するとともに、係留具8の締付け力により、仮囲い用パネル10がX方向横架材3と実質的に一体化し、しかも、X方向横架材3の軸芯は、隣接する鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cを含む構面の面内に位置するので、偏心荷重に起因した応力が発生し難く、従って、仮囲い用パネル10の支持及び拘束は、極めて安定する。
図4(A)及び図4(B)は、本発明の他の実施形態(第2実施形態)に係る仮囲い構造を示す楔結合式連結構造の平面図及び正面図であり、図4(C)は、図4(A)及び図4(B)に示す係合部20の拡大平面図であり、図4(D)及び図5は、図4(A)及び図4(B)に示す鉛直支柱2及び横架材3、4の下地骨組に対して仮囲い用パネル10を取付けた状態を示す仮囲い1の部分の拡大平面図である。各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
図4及び図5に示す仮囲い構造においては、係合部20は、鉛直支柱2の外周部から仮囲い用パネル10に向かってY方向に延出する部分を切断面25によって切除してなる断面欠損部α(図4(C)に破線で示す)を有する。また、X方向横架材3は、鉛直支柱2及びY方向横架材4と同じく、楔結合式足場において一般に使用される汎用の楔結合式横架材であり、従って、横架材3、4の本体部分は、全長に亘って外径D3、D4=42.7mmの円形断面を有する金属管である。
前述の実施形態と同じく、図1(C)に示すように、工事現場の側から係留具8をX方向横架材3の管体部分に係合せしめ、係留具8の本体部分によって横架材3を全体的に囲繞するとともに、係留具8の上下の係止部8a、8bを仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aに係止し、係留具8のボルト9を締付けると、ボルト9の締付け力の反作用によって仮囲い用パネル10を横架材3の側に引き寄せることができる。図4(D)及び図5に示す如く、切断面25は、仮囲い用パネル10の面材部分から約25〜30mm程度、離間しているので、仮囲い用パネル10の面材部分は、係合部20に接触せず、従って、リブ状縁部10aは、横架材3に押圧され、リブ状縁部10aと横架材3の外周面との接触圧力下に横架材3に一体的に保持される。即ち、鉛直支柱2は、切断面25によって断面欠損部αを形成した係合部20を有し、断面欠損部αは、仮囲い用パネル10と係合部20との物理的干渉(接触、当接又は衝合)を確実に防止するので、ボルト9の締付け力によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に一体的に係留することができる。なお、係留具8として、汎用の単管パイプ用係留具(図18及び図19)を使用する場合、ボルト9の先端と外径42.7mmの横架材3の外面とが所望の如く係合し難い状況も懸念されるので、ボルト9として、比較的長いボルト長のボルトを使用することが望ましい。
本実施形態においては、鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cから仮囲い用パネル10の外側壁面10bまでの水平離間距離L(図5)は、約53mm程度であるにすぎず、従って、前述の実施形態と同じく、セットバック寸法を半減し、下地骨組全体を工事現場の敷地境界Qに接近させることができる。また、前述の実施形態と同じく、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができ、しかも、この下地骨組は、汎用の楔結合式支柱の係合部を部分的に切除して断面欠損させるだけで良く、その他の部材として、汎用の楔結合式足場用部材をそのまま使用することができるので、実用的に極めて有利である。加えて、前述の実施形態と同じく、X方向横架材3の高さ位置及び本数を設定変更することにより、仮囲い1の全高等に相応して相違する仮囲い用パネル10の支持条件を比較的容易に最適化することができ、また、X方向横架材3の軸芯は、隣接する鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cを含む構面の面内に位置するので、偏心荷重に起因した応力が発生し難く、仮囲い用パネル10の支持及び拘束は、極めて安定する。
図6(A)及び図6(B)は、本発明の更に他の実施形態(第3実施形態)に係る仮囲い構造を示す仮囲いの部分拡大平面図及び部分拡大正面図である。図7(A)は、図6に示す仮囲いの部分拡大縦断面図であり、図7(B)、図7(C)及び図8は、スペーサ部材の使用形態を示す斜視図である。各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
前述の各実施形態は、X方向横架材3の外径を少なくとも部分的に拡大し、或いは、鉛直支柱2の係合部20を少なくとも部分的に切除してなる断面欠損部αを係合部20に形成し、これにより、楔結合式の鉛直支柱2及び横架材3によって仮囲い用パネル10を支持する構成のものである。これに対し、本実施形態は、横架材3と仮囲い用パネル10の外側壁面10bとの離間距離をスペーサ部材70(図6〜図8)によって拡大し、これにより、仮囲い用パネル10を鉛直支柱2及び横架材3によって支持する構成のものである。
図6に示す仮囲い構造においては、X方向横架材3は、鉛直支柱2及びY方向横架材4と同じく、楔結合式足場において一般に使用される汎用の楔結合式横架材であり、従って、横架材3、4の本体部分は、全長に亘って外径D3、D4=42.7mmの円形断面を有する金属管である。隣り合う係留具8の間には、スペーサ部材70が配置される。図7に示す如く、スペーサ部材70は、比較的厚い金属板を下面開放の凹状又はチャンネル状断面に曲げ成形してなる断面コの字形又はC形の金属成形部品からなり、金属板の板厚T2は、例えば、6mmに設定される。
スペーサ部材70は、X方向横架材3と仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aとの間に介挿される鉛直板部分71と、鉛直板部分71の頂部から横架材3の上面に沿って水平に延びる水平架橋部分72と、リブ状縁部10aと反対の側において水平架橋部分72の端部から垂下する鉛直板部分73とから構成される。鉛直板部分71の幅は、鉛直板部分73の幅よりも大きく、水平架橋部分72は、鉛直板部分71に連接し且つ鉛直板部分73に向かって幅を漸減した平面視台形輪郭の先端部72aと、鉛直板部分73に連接する平面視長方形輪郭の基端部72bとから構成される。スペーサ部材70は、図7(B)及び図7(C)に示す如く、横架材3に跨がるように横架材3上に遊嵌状態に載置され又は嵌着され、水平架橋部分72は、横架材3上に着座する。横架材3上のスペーサ部材70の位置を安定させるため、リブ、突起等の滑り止め手段をスペーサ部材70に設けても良い。
図6(A)及び図7(A)に示す如く、リブ状縁部10aは、スペーサ部材70の板厚T2に相当する寸法を隔てて横架材3から離間する。鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cから仮囲い用パネル10の外側壁面10bまでの水平離間距離Lは、外径D3/2+厚さT1+厚さT2の合計値であるので、D3=42.7mm、T1=30mm、T2=5mmとすると、L=約56mmである。従って、ボルト9を係留具8の本体に締付け、ボルト9の締付け力の反作用によって仮囲い用パネル10を大径部分36の側に引き寄せた場合、仮囲い用パネル10は、その面材部分が係合部20の最外縁部21aに当接又は衝合することなく、リブ状縁部10aがスペーサ部材70の鉛直板部分71に当接又は衝合する。このため、ボルト9の締付け力によって仮囲い用パネル10を横架材3に一体的に係留することができる。
図9(A)〜図9(E)は、スペーサ部材70の変形例に係るスペーサ部材75の構成を示す平面図、正面図、側面図、縦断面図及び斜視図である。
図9に示すスペーサ部材75は、比較的厚い金属板を曲げ成形してなる全体的にL形断面の金属成形部品からなる。金属板の板厚T3は、例えば、6mmに設定される。スペーサ部材75は、図9(D)に示す如く、X方向横架材3と仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aとの間に介挿される鉛直板部分76と、鉛直板部分71の頂部から横架材3の上面に配置される水平板部分77とから構成される。所望により、横架材3上のスペーサ部材75の位置を安定させるため、リブ、突起等の滑り止め手段をスペーサ部材75に設けても良い。前述のスペーサ部材70と同じく、リブ状縁部10aは、スペーサ部材75の板厚T3に相当する寸法を隔てて横架材3から離間し、水平離間距離Lは、約57mmである。従って、上記の如く、ボルト9の締付け力によって仮囲い用パネル10を横架材3に一体的に係留することができる。
図10〜図12は、スペーサ部材を係留具の部品として構成した本発明の実施形態(第4の実施形態)を示す斜視図、平面図、正面図及び側面図である。各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
前述の第3実施形態においては、X方向横架材3及び係留具8とは分離した別体のスペーサ部材を使用することにより、仮囲い用パネル10を横架材3に係留しているが、本実施形態においては、スペーサ部材は、係留具8の構成要素として係留具8に組付けられ又は組込まれる。即ち、係留具8は、上方に隆起したスペーサ保持部88を備えるとともに、スペーサ保持部88によって上下方向に遊動可能に支持された可動式のスペーサ装置80を有する。可動スペーサ装置80は、手指で把持し得る把手部81と、正面視逆T字形のスペーサ82とから構成される。スペーサ82は、スペーサ保持部88の方形開口部89を上下方向に貫通する方形断面の鉛直軸部84と、軸部84の下端部に連結された方形断面の水平部材83とを有する。軸部84の上端部は、固定具85によって把持部81に固定される。水平部材83の厚さT4は、約7mmに設定され、軸部84の可動範囲Jは、約15mmに設定される。水平部材83は、リブ状縁部10a及び横架材3によって挟圧される被挟圧部を構成する。
図10(A)には、スペーサ装置80の最上昇位置が示されており、図10(B)には、スペーサ装置80の最降下位置が示されており、図11(B)及び図12(A)には、スペーサ装置80の中間高さ位置が示されている。図12(B)〜図12(E)には、X方向横架材3に対する係留具8の係合過程が段階的に示されている。図12(B)〜図12(E)に示す如く、スペーサ装置80を全体的に上昇させた状態で横架材3を全体的に囲繞した後(図12(B)、図12(C))、スペーサ装置80を降下させるとともに、仮囲い用パネル10のリブ状縁部10a(一点鎖線で示す)を係止部8a、8bに係止し、水平部材83を横架材3及びリブ状縁部10aの間に介挿した状態でボルト9を締付け、これにより、仮囲い用パネル10を係留具8によって横架材3にしっかりと係留することができる(図12(D)、図12(E))。
図11(A)に示す如く、スペーサ装置80を備えた係留具8は、パネル係留部分に少なくとも1つ配設される。図11(A)に示すパネル係留部分おいては、スペーサ装置80を備えない汎用の係留具8’が、スペーサ装置80を備えた係留具8と対をなして使用されている。所望により、スペーサ装置80を夫々備えた一対の係留具8をパネル係留部分に配設することも可能である。
図13〜図15は、スペーサ装置を備えた係留具に関する他の実施形態(第5の実施形態)を示す斜視図、平面図、正面図及び側面図である。各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
図13に示す係留具8は、上側に位置する係止部8aのスロット形又はスリット形開口部8cに遊動可能に挿通されたフック形スペーサ90を夫々備える。スペーサ90は、約7mmの直径(外径)D5を有する真円形断面の鋼材(丸鋼又は棒鋼)を曲げ成形することにより形成された基部91、第1屈曲部92及び第2屈曲部93を有し、基部91の基端には、開口部8cからスペーサ90が脱落するのを防止する拡大ヘッド部94が設けられる。基部91及び第2屈曲部93を同レベルに配置した非使用位置が図13(A)に示され、第2屈曲部93を基部91の直下に配置した使用位置が図13(B)に示されている。第1及び第2屈曲部92、93は、リブ状縁部10a及び横架材3によって挟圧される被挟圧部を構成する。
図14には、一対の係留具8によって左右一対の仮囲い用パネル10のリブ状縁部10a、10bをX方向横架材3に係留してなるパネル係留部の構成が示されている。図14において左側に位置する係留具8は、図14に示す係留具8と同一である。他方、図14において右側に位置する係留具8は、図14に示す係留具8を上限反転したものであり、図13に示す係留具8と実質的に同一の構造を有するが、上下反転の結果として、下側に位置する係止部8bのスロット形又はスリット形開口部8dにスペーサ90を遊動可能に挿通した形態を有する。
図15には、X方向横架材3に対する係留具8の係合過程が段階的に示されている。図15(A)に示す如く、係留具8は、基部91及び第2屈曲部93を同レベルに配置した非使用位置の状態で横架材3を全体的に囲繞した後、基部91を回転させて第2屈曲部93を基部91の直下に降下させる。図15(B)に示す如く、仮囲い用パネル10のリブ状縁部10a(一点鎖線で示す)を係止部8a、8bに係止し、ボルト9を締付けることにより、仮囲い用パネル10を横架材3に一体的に係留することができる。
ボルト9の締付け力で一体化したリブ状縁部10a、10b及びX方向横架材3は、スペーサ90の直径D5に相当する寸法を隔てて横架材3から離間し、水平離間距離Lは、約58mmである。従って、前述の如く、ボルト9の締付け力の反作用によって仮囲い用パネル10を横架材3の側に引き寄せたとき、仮囲い用パネル10は、その面材部分が係合部20の最外縁部21a(図3)に当接又は衝合することなく、リブ状縁部10aがスペーサ部材70の鉛直板部分71に当接又は衝合する。従って、ボルト9の締付け力によって仮囲い用パネル10を横架材3に一体的に係留することができる。
図16は、図13〜図15に示すスペーサ装置の変形例を示す係留具の平面図及び正面図である。図16に示す如く、第2屈曲部93の長さを短縮し、上下のスペーサ90の各第2屈曲部の位置を上下方向に逆転させるとともに、図16において左側のスペーサ90の第1屈曲部92を右側の係留具8と関連させ、図16において右側のスペーサ90の第1屈曲部92を左側の係留具8と関連させることも可能である。
図17(A)及び図17(B)は、鉛直支柱2を単列形態に配列した構成の仮囲い構造において本発明の構成を採用してなる仮囲い1の縦断面図であり、図17(C)は、図17(B)に示す斜材の部分拡大側面図である。各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
図17(A)及び図17(B)に示す各仮囲い1は、図2及び図3に示す実施形態と同じく、楔結合式の鉛直支柱2及びX方向横架材3を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面GL上に構築し、仮囲い用パネル10を係留具8によってX方向横架材3に緊結又は緊締した構造を有する。X方向横架材3は、図2及び図3に示す如く、外径D3=42.7mmの円形断面を有する小径部分35と、外径D1=48.6mmの円形断面を有する大径部分36とから構成され、小径部分35と大径部分36との境界に形成される段差部37は、鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cから水平距離Sの位置に配置され、水平距離Sは、50〜200mmの範囲内、好ましくは、70〜150mmの範囲内の寸法、例えば、100mmに設定される。大径部分36には、係留具8が配置され、係留具8は、大径部分36の外面に押圧可能なボルト9を有する。係留具8を用いて仮囲い用パネル10を大径部分36に一体的に係留する態様は、図2及び図3の構成に関して既に説明した態様と実質的に同じであるので、その説明については、省略する。
図17(A)及び図17(B)に示す各仮囲い1においては、鉛直支柱2が敷地境界Qに沿って単列配置され、斜材50が控え柱として各鉛直支柱2の背後(工事現場側)に配置されており、本実施形態の仮囲い1は、この点において前述の実施形態と基本的に相違する。また、本実施形態の仮囲い1においては、金属管からなる鉛直短柱60が、クランプ部材6によって単管杭5に固定され、Y方向横架材4の各端部が夫々、鉛直支柱2の下端部と鉛直短柱60とに楔結合され、根がらみ部材としてY方向に延在する。
図17(A)に示す斜材50は、所定角度で傾斜した斜材本体51と、屈曲部54において屈曲して水平に延びる上下の連結部52、53とを有し、連結部52、53の端部は、楔結合式の緊結又は緊締手段によって鉛直支柱2及び鉛直単柱60に一体的に連結される。
図17(B)に示す斜材50’も又、所定角度で傾斜した斜材本体51’を有する。しかしながら、斜材50’は、鉛直支柱2及び鉛直短柱60に角度調節可能に連結される枢動連結部52’、53’を上端部及び下端部に備える。
図17(C)に示す如く、枢動連結部52’、53’は夫々、X方向の水平軸線を有する枢軸56と、枢軸56によって枢動可能に斜材50’に連結されたチャンネル形連結部55と、連結部55に逆向き且つ一体的に連結されたチャンネル形(断面C形)の楔結合部57とを備える。楔結合部57には、楔部材58を上下方向に挿通可能な開口部(図示せず)が穿設される。斜材50’の楔結合部57は、鉛直支柱2の上部に配置された係合部20と、鉛直短柱60に配設された同様な係合部とに楔結合され、鉛直支柱60の控え柱として仮囲い1に配設される。なお、楔部材58を用いて楔結合部57を係合部20に楔結合する態様は、図2及び図3の構成に関して既に説明した態様と実質的に同じであるので、その説明については、省略する。
図17に示す仮囲い1によれば、控え柱(斜材50)を用いて鉛直支柱2を単列配置してなる楔結合式の仮囲い構造体を地盤面GL上に建込むことができる。このような仮囲い構造によれば、前述の各実施形態と同じく、仮囲い用パネル10と係合部20との物理的干渉(接触、当接又は衝合)を確実に防止することができるので、ボルト9の締付け力によって仮囲い用パネル10をX方向横架材3に一体的に係留することができる。
また、鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cから仮囲い用パネル10の外側壁面10bまでの水平離間距離Lは、前述の実施形態と同じく、約56mm程度であるにすぎず、従って、前述の各実施形態と同じく、セットバック寸法を比較的大きく減少させ、下地骨組全体を工事現場の敷地境界Qに接近させることができる。また、前述の各実施形態と同じく、仮囲い用下地骨組の建込み工程における管材組付け作業を簡素化し又はその作業性を改善することができ、しかも、この下地骨組を構築するには、仮囲い用パネル10を支持するX方向横架材3として、管材直径を部分的に拡径した楔連結式横架材を用意するだけで良く、その他の部材として、汎用の楔結合式足場用部材をそのまま使用することができるので、実用的に極めて有利である。
加えて、前述の実施形態と同じく、X方向横架材3の高さ位置及び本数を設定変更することにより、仮囲い1の全高等に相応して相違する仮囲い用パネル10の支持条件を比較的容易に最適化することができ、また、X方向横架材3の軸芯は、隣接する鉛直支柱2の鉛直中心軸線Cを含む構面の面内に位置するので、偏心荷重に起因した応力が発生し難く、仮囲い用パネル10の支持及び拘束は、極めて安定する。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、図9に示すスペーサ部材75の変形例として、図18に示す如く、切欠き部79を有する円筒状のスペーサ部材78をX方向横架材3に嵌着しても良い。スペーサ部材78は、ポリエチレン樹脂等の硬質樹脂の一体成形品からなり、スペーサ部材78の内径は、横架材3の外径と実質的に同一の寸法に設定される。切欠き部79は、スペーサ部材78の全長に亘って延びる。スペーサ部材78の肉厚T5は、例えば、6mmに設定される。切欠き部79は、スペーサ部材78の軸芯廻りの角度範囲として、約120度程度の角度範囲に亘って形成され、切欠き部79の幅ωは、横架材3の外径D3よりも小さい寸法に設定される。樹脂成形品からなるスペーサ部材78は、切欠き部79を手指等で若干拡開することができるので、このような状態で横架材3をスペーサ部材78の中空部に受入れた後、手指等の力を解放すると、図18(D)に示す如く、スペーサ部材78を横架材3の外周に嵌着することができる。スペーサ部材78は、図18(D)に示すように、横架材3と仮囲い用パネル10のリブ状縁部10aとの間に介挿される。リブ状縁部10aは、スペーサ部材78の肉厚T5に相当する寸法を隔てて横架材3から離間するので、前述の水平離間距離L(図7)は、約57mmである。従って、前述の如く、ボルト9(図7)の締付け力によって仮囲い用パネル10を横架材3に一体的に係留することができる。
また、上記実施形態に係る仮囲いは、フランジ部(又は鍔部)を備えた楔結合式支柱を使用した構成のものであるが、支柱ポケット部(又は支柱ボックス部)を備えた楔結合式支柱を使用し、支柱ポケット部に挿入可能な楔形端部を両端部に備えた横架材を使用した楔結合構造により仮囲いを構築しても良い。なお、このようなポケット式の支柱を使用する場合において、前述の断面欠損部(図4(C))を形成するには、仮囲い用パネルの側に配置されたポケット部を少なくとも部分的に切除すれば良い。
更に、上記実施形態においては、X方向横架材の管部分を小径部分及び大径部分より構成したが、大径部分の外径を有する管材によってX方向横架材の管材部分全体を構成することも可能である。
また、控え柱を使用した仮囲い構造に関する前述の実施形態(図17)においては、X方向横架材の管材部分の外径を少なくとも部分的に拡大することにより、仮囲い用パネルと鉛直支柱の楔結合式係合部との物理的干渉(接触、当接又は衝合)の問題を解消しているが、断面欠損部(図4(C))を楔結合式係合部に形成し、或いは、スペーサ部材、スペーサ装置又はフック形スペーサ(図6〜図16、図18)を使用することにより、仮囲い用パネルの面材部分と鉛直支柱の楔結合式係合部との物理的干渉(接触、当接又は衝合)の問題を解消しても良い。
本発明は、建築・土木工事等において工事現場と外部との敷地境界部分に設置される仮囲い及びその構築方法に適用される。本発明は殊に、楔結合式の下地骨組に万能鋼板、安全鋼板等の仮囲い用パネルを一体的に係留する構造を有する仮囲い及びその構築方法に好ましく適用される。本発明によれば、クランプ部材や、レール部材等を用いた仮囲い設置作業の不利を解消するとともに、下地骨組を構成する支柱と仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離を短縮し、敷地境界に対する下地骨組のセットバック寸法を縮小することができるので、その実用的価値には、顕著なるものがある。
1 仮囲い
2 鉛直支柱
3 X方向横架材
4 Y方向横架材
6 クランプ部材
7 金属製踏板
8 係留具
8a、8b 係止部
9 ボルト
10 仮囲い用パネル
10a リブ状縁部
10b 外側壁面
20 係合部
21 金属部材
21a 最外縁部
22 開口部
23 楔部材
25 切断面
31、41 連結部
32、42 開口部
35 小径部分
36 大径部分
37 段差部
50、50’ 斜材
70、75、78 スペーサ部材
80 スペーサ装置
90 フック形スペーサ
D1〜D5 直径(外径)
GL 地盤面
C 鉛直中心軸線
L 水平離間距離
M 多目的空間
Q 敷地境界
R 半径
S 水平距離
α 断面欠損部

Claims (18)

  1. 支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
    前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
    前記横架材は、前記係合部に楔結合可能な連結部を両端部に備えるとともに、該連結部の管材外径よりも大きい外径を有し且つ前記係留具が係合する大径部分を備えており、
    該大径部分の外径は、前記仮囲い用パネルの面材部分が前記係合部から離間し又は僅かに接触した状態で、前記仮囲い用パネルのリブ状縁部が前記大径部分に圧力下に接触するのを可能にする寸法に設定されていることを特徴とする仮囲い。
  2. 支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
    前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
    前記横架材は、前記係合部に楔結合可能な連結部を両端部に備えており、
    前記仮囲い用パネルの側に位置する前記係合部の部分を少なくとも部分的に切除してなる断面欠損部を該係合部に形成し、前記仮囲い用パネルの面材部分が前記係合部から離間し又は僅かに接触した状態で前記仮囲い用パネルのリブ状縁部が前記大径部分に圧力下に接触するようにしたことを特徴とする仮囲い。
  3. 支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を構築するとともに、仮囲い用パネルを係留具によって前記横架材に緊結又は緊締した構造を有する仮囲いにおいて、
    前記支柱は、楔結合式足場の部材として使用可能な楔結合式の支柱であり、高さ方向に所定間隔を隔てて配置された楔結合式係合部を有し、
    前記横架材は、前記係合部に楔結合可能な連結部を両端部に備えており、
    前記横架材と前記仮囲い用パネルのリブ状縁部との間にスペーサが介挿され、該スペーサは、前記仮囲い用パネルの面材部分が前記係合部から離間し又は僅かに接触した状態で、前記リブ状縁部及び前記横架材によって挟圧され、前記リブ状縁部及び前記横架材は、前記スペーサを介して一体化していることを特徴とする仮囲い。
  4. 前記支柱は、敷地境界に沿って複列に配列され、腕木方向に離間した前記支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結され、或いは、前記支柱は、敷地境界に沿って単列に配列され、前記支柱の上部に楔結合された斜材が該支柱の背後に控え柱として配設されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の仮囲い。
  5. 前記斜材は、該斜材の傾斜角度を可変設定可能な枢動連結部を介して前記支柱に連結されることを特徴とする請求項4に記載の仮囲い。
  6. 前記大径部分の外径は、前記支柱の外径と同一の寸法値、或いは、48.5mm〜60mmの範囲内の寸法を有し、前記小径部分と前記大径部分との境界に形成される段差部は、前記支柱の中心軸線から50〜200mmの範囲内の水平距離を隔てた位置に配置され、前記横架材の水平中心軸線と前記仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)は、50mm以上且つ70mm以下の範囲内の寸法に設定されることを特徴とする請求項1に記載の仮囲い。
  7. 前記横架材の水平中心軸線は、前記支柱の鉛直中心軸線によって規定される下地骨組の構面の面内に位置することを特徴とする請求項6に記載の仮囲い。
  8. 前記横架材の水平中心軸線は、前記支柱の鉛直中心軸線によって規定される下地骨組の構面の面内に位置しており、前記水平中心軸線と前記仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)は、45mm以上且つ65mm以下の範囲内の寸法に設定されることを特徴とする請求項2に記載の仮囲い。
  9. 前記横架材の水平中心軸線は、前記支柱の鉛直中心軸線によって規定される下地骨組の構面の面内に位置しており、前記水平中心軸線と前記仮囲い用パネルの外側壁面との水平離間距離(L)は、50mm以上且つ70mm以下の範囲内の寸法に設定されることを特徴とする請求項3に記載の仮囲い。
  10. 前記スペーサは、前記横架材及び係留具とは分離した別体の金属部材又は樹脂成形部材からなり、前記横架材及びリブ状縁部を4mm以上離間させる厚さを有することを特徴とする請求項3又は9に記載の仮囲い。
  11. 前記スペーサは、前記係留具に連結又は連繋した金属部材又は樹脂成形部材からなり、前記横架材及びリブ状縁部を4mm以上離間させる厚さを有することを特徴とする請求項3又は9に記載の仮囲い。
  12. 前記スペーサは、前記係留具のスペーサ保持部に遊動可能又は相対変位可能に保持された可動スペーサ部材からなり、該スペーサ部材は、使用において前記リブ状縁部及び前記横架材によって挟圧される被挟圧部を有することを特徴とする請求項11に記載の仮囲い。
  13. 前記可動スペーサ部材は、前記被挟圧部を有するT形、L形又はフック形の板状又は棒状部材からなることを特徴とする請求項12に記載の仮囲い。
  14. 前記支柱は、敷地境界に沿って複列に配列され、腕木方向に離間した前記支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結され、前記下地骨組は、施工すべき建築物又は構造物の外面に沿う位置に配置され、建築物又は構造物を施工するための建設工事用の楔結合式仮設足場を構成することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の仮囲い。
  15. 請求項1、6又は7のいずれか1項に記載された仮囲い構築する仮囲い構築方法において、
    前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
    前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記大径部分に前記係留具を係合させるとともに、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止し、
    前記係留具を締付けて前記仮囲い用パネルを前記大径部分の側に引き寄せ、前記リブ状縁部を前記大径部分に押圧し、前記仮囲い用パネルを前記リブ状縁部と前記大径部分との接触圧力下に前記大径部分に一体化することを特徴とする仮囲い構築方法。
  16. 請求項2又は8に記載された仮囲いを構築する仮囲い構築方法において、
    前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
    前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記横架材に前記係留具を係合させるとともに、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止し、
    前記係留具を締付けて前記仮囲い用パネルを前記大径部分の側に引き寄せ、前記係合部と前記仮囲い用パネルの面材部分とを少なくとも5mm以上離間させた状態で前記リブ状縁部を前記大径部分に押圧し、前記仮囲い用パネルを前記リブ状縁部と前記大径部分との接触圧力下に前記大径部分に一体化することを特徴とする仮囲い構築方法。
  17. 請求項3、9〜13のいずれか1項に記載された仮囲いを構築する仮囲い構築方法において、
    前記支柱及び横架材を一体的に組付けて、仮囲い用の下地骨組を地盤面上に構築し、
    前記仮囲い用パネルの壁面と平行に延びる前記横架材に前記係留具を係合させ、該係留具の係止部を該仮囲い用パネルのリブ状縁部に係止するとともに、前記スペーサを前記横架材と前記リブ状縁部との間に介挿し、
    前記係留具を締付けて前記仮囲い用パネルを前記横架材の側に引き寄せ、前記横架材と前記リブ状縁部とによって前記スペーサを挟圧し、該スペーサを介して前記リブ状縁部及び前記横架材を一体化することを特徴とする仮囲い構築方法。
  18. 前記支柱は、敷地境界に沿って複列に配列され、腕木方向に離間した前記支柱は、腕木方向に延びる楔結合式の横架材によって相互連結され、前記下地骨組は、施工すべき建築物又は構造物の外面に沿う位置に配置され、建築物又は構造物を施工するための建設工事用の楔結合式仮設足場を構成することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の仮囲い構築方法。
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