JP2019124111A - 仮設足場の妻側先行手摺 - Google Patents

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Abstract

【課題】腕木位置の横架材を含む楔結合式仮設足場の妻側構面に妻側先行手摺を設置するとともに、妻側先行手摺を構成する斜材の構造的安定性を確保する。【解決手段】妻側先行手摺(10)は、上層作業通路(P2)の支柱(2)に係止可能な係止具(14)を有する係止部(12)と、係止部によって支柱に両端部を支持される手摺部材(11)と、手摺部材に対して上端部を枢動可能に連結された一対の斜材(20,21,22)とを有する。係留部(30,80)が斜材の下端部に一体的に連結される。係留部は、腕木位置の横架材(3)又は妻側構面(Y)の支柱を少なくとも部分的に囲繞する管材囲繞具(31,81)を有する。係留部は又、管材囲繞部に係合し又は担持された楔部材(40,50,70,90)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、仮設足場の妻側先行手摺に関するものであり、より詳細には、楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の妻側構面に先行手摺として設置される仮設足場の妻側先行手摺に関するものである。
建築物、土木構造物、プラント設備等の建設工事に使用される仮設足場として、枠組足場、単管足場、楔結合式足場等の各種形式の仮設足場が知られている。この種の仮設足場に関し、「手すり先行工法に関するガイドライン」が平成15年に厚生労働省より公表されている。支柱及び横架材を楔結合手段により結合する楔結合式足場(「楔緊結式足場」とも呼ばれる。)は、足場組立・解体作業の作業性、工期等において比較的有利であるばかりでなく、手摺先行工法に比較的容易に適応可能な構造を有する。このような事情より、楔結合式足場は、我が国において近年殊に普及し、多くの建築又は土木工事の建設現場等において仮設足場として使用されている。
「手すり先行工法に関するガイドライン」に規定された「手すり先行工法」は、下層の作業床の作業者等が上層作業通路の手摺を早期に上層の支柱間に架設することにより、上層作業床の敷設作業等の作業性又は安全性を向上しようとする工法である。「手すり先行工法」において使用される楔結合式足場の先行手摺の場合、先行手摺は、支柱フランジに係止可能な係止具を斜材の上端部に配設するとともに、手摺部材の両端部を斜材の上端部に枢動可能に連結した構造を有する。
一般に、楔結合式足場の先行手摺は、仮設足場の桁側構面に設置されるが、仮設足場の妻側構面に設置し得るように構成された妻側先行手摺が、特開2010-203137号公報及び特開2010-229700号公報(特許文献1及び2)に記載されている。従来の妻側先行手摺は、斜材の下端部を作業床レベルの支柱フランジに楔結合構造で緊結又は緊締する構成を有し(特許文献1)、或いは、斜材の下端部を作業床レベルの横架材(布材)に遊動可能に係止する構造を有する(特許文献2)。
また、仮設足場には、建築物又は土木構造物等と同様、地震荷重や風荷重等の短期水平荷重が作用し得るので、短期水平荷重に抗する仮設足場の剛性を所望の如く確保することが望ましい。特開2013-194461号公報(特許文献3)には、楔結合式足場の梁間方向の構面又は妻側構面において支柱及び横架材(布材)の接合部に配設され、接合部の剛性や横架材の剛性等を向上する方杖形態の補剛材が記載されている。補剛材は、上端部を横架材に連結し且つ下端部を支柱に連結した斜材からなり、地震荷重、風荷重等の短期水平荷重に起因した骨組の変形又は負荷を阻止し又は抑制するように機能する。
特開2010-203137号公報 特開2010-229700号公報 特開2013-194461号公報
しかしながら、特許文献1に記載された妻側先行手摺では、作業床を構成する金属製踏板のフック部を係止すべき横架材(腕木)を腕木位置に配置することができず、このため、踏板のフック部を妻側先行手摺の斜材下端部に係止しなければならない。また、特許文献1の妻側先行手摺を使用した場合、横架材を腕木位置に配置することができないので、方杖形態の補剛材(特許文献3)を妻側構面に設置することもできない。更には、踏板の二枚敷き等の如く、複数の踏板を並列に敷設する場合、踏板のフックを係止可能な部材が両側の斜材下端部の内方に全く存在せず、従って、複数の踏板を並列に敷設できないという問題も生じる。
他方、特許文献2に記載された妻側先行手摺によれば、鋼製踏板等の床材を係止可能な横架材を腕木位置に配置するとともに、上記補剛材(特許文献3)の上端部を腕木位置の横架材に固定することができる。しかしながら、この構造の妻側先行手摺では、斜材の下端部が横架材に遊動可能に係止するにすぎず、このため、斜材の構造的安定性を確保し難く、短期水平荷重に対する仮設足場の剛性を向上する要素として斜材を有効利用することもできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の妻側構面に先行手摺として配置される仮設足場の妻側先行手摺において、踏板のフック部、方杖形態の補剛材、腕木位置の横架材等を含む楔結合式仮設足場の妻側構面に容易に設置することができ、しかも、妻側先行手摺を構成する斜材の構造的安定性を確保することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の妻側構面に配置される仮設足場の妻側先行手摺であって、
上層作業通路の手摺レベルで前記支柱に係止可能な係止具を有する係止部と、該係止部によって前記支柱に両端部を支持される手摺部材と、該手摺部材に対して上端部を枢動可能に連結された交差斜材とを有し、下層作業通路の作業者が該斜材を利用して上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に前記係止具を係止し得るように構成された妻側先行手摺において、
上層作業通路の作業床レベルの腕木位置に配置された妻側構面の前記横架材、或いは、妻側構面に位置する前記支柱に対して緊結又は緊締される係留部が、各斜材の下端部に連結され、該係留部は、妻側構面の前記横架材又は支柱を少なくとも部分的に囲繞する管材囲繞具と、該管材囲繞具を該横架材又は支柱に楔結合するための楔部材とを有することを特徴とする仮設足場の妻側先行手摺を提供する。
他の観点より、本発明は、上記構成の妻側先行手摺を使用して上層作業通路に手摺を形成する妻側先行手摺の設置方法において、
前記斜材の各端部の係止具を上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に係止した後、前記管材囲繞部の空所に腕木位置の前記横架材、或いは、妻側構面の前記支柱を収容するとともに、前記楔部材を工具で打撃し又は殴打し、該楔部材に加えられた打撃力又は圧力に相応して該楔部材で前記横架材又は支柱の外周面を強圧し、これにより、該横架材又は支柱を前記楔部材及び管材囲繞部で圧迫して該管材囲繞部を前記横架材又は支柱と一体化することを特徴とする妻側先行手摺の設置方法を提供する。
上記構成の妻側先行手摺及びその設置方法によれば、下層作業通路の作業者等は、斜材の下部を握持して係止具を上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に係止した後、上層作業通路の作業床レベルの横架材(腕木位置の横架材)、或いは、妻側構面の支柱に管材囲繞具を楔結合手段一体化すれば良く、従って、比較的簡単な作業で妻側先行手摺を横架材又は支柱に固定することができる。また、腕木位置の横架材には、踏板のフック部を係止するとともに、方杖形態の補剛材を連結することができる。更に、楔結合手段で横架材又は支柱に固定された管材囲繞具は、比較的堅固な斜材の支点を構成するので、斜材の位置をしっかりと固定するとともに、斜材の強度を構造的に安定させることができる。
好ましくは、上記係留部は、斜材の下端部に一体的に連結され、楔部材は、管材囲繞具内の横架材又は支柱を強圧して管材囲繞具を横架材又は支柱に楔結合するように、管材囲繞部に係合し又は担持される。このような構成の先行手摺は、斜材の下端部を腕木位置の横架材又は妻側構面の支柱に斜材を控え(やらず)形態に連結した構造を有する。
前述のとおり、地震荷重又は風荷重等の短期水平荷重(横力又は水平力)が仮設足場の骨組に作用するが、控え形態の斜材に対しても、横力又は水平力に対する応力を作用せしめることが可能であり、従って、短期水平荷重に抗する仮設足場の剛性を向上する手段として妻側先行手摺の斜材を利用し得る。従って、本発明の上記構成によれば、妻側構面において支柱及び横架材の接合部の剛性や横架材の剛性等を向上する要素として妻側先行手摺を利用することにより、妻側構面の骨組(支柱及び横架材)の剛性を全体的に向上することが可能となる。
好ましくは、上記係止具が係止される支柱部分は、楔孔又は楔開口を有する支柱フランジ又は支柱ポケットであり、係止具は、斜材の上端部に一体的に設けられており、係止具は、係止具の本体部分から下方に延出して楔孔又は楔開口に挿入される係止ピンを含む。
所望により、方杖形態の補剛材の各端部が、下層作業通路の上部域において上記横架材及び支柱に夫々連結される。方杖形態の補剛材は、横架材又は支柱を介して控え形態の上記斜材と実質的に一体化し得るので、補剛材と協働して仮設足場の剛性を向上する要素として斜材を利用することができる。即ち、本発明の妻側先行手摺は、所望により、方杖形態の補剛材と協働して、短期水平荷重に抗する仮設足場の剛性を効果的に向上するように設計することができる。また、仮設足場の設計条件によっては、妻側先行手摺の補剛作用を利用して、方杖形態の補剛材の設置数を削減し、或いは、その設置を省略することも可能である。このような補剛材の設置数削減又は設置省略は、仮設足場の部品点数の削減、仮設足場組立・解体作業の作業効率の向上等を図る上で有利である。
本発明の好適な実施形態によれば、上記係留部は、妻側構面の横架材に対して緊結又は緊締されるようになっており、上記斜材は、妻側構面の幅方向中央部において交差するように手摺部材の各端部に夫々連結され、係留部は、横架材及び支柱の楔結合部と、横架材及び補剛材の連結部との間において横架材に楔結合する。好適には、妻側先行手摺は、その鉛直中心軸線に対して実質的に角度180度の回転対称の形態を有し、各係留部の管材囲繞部は、横架材の各側から横架材をその空所内に受入れる断面形状を有する。
本発明の他の好適な実施形態によれば、上記係留部は、下層作業通路の上部域において、妻側構面の支柱に対して緊結又は緊締されるように構成されており、斜材は、斜材と横架材との干渉を回避するように斜材の軸芯を妻側構面の外側に偏心させる偏心部を有する。好ましくは、偏心部の偏心量(Δe1:Δe2)は、20mm以上且つ70mm以下に設定され、左右の斜材は、長さが相違し、支柱に緊結又は緊締された左右の係留部の高さ位置(h1:h2)は、管材囲繞具の高さ寸法の2.1倍以上且つ4倍以下の高低差を有する。
所望により、方杖形態の補剛材の各端部が、下層作業通路の上部域において上記横架材及び支柱に夫々連結され、上記係留部は、下層作業通路の上部域において、妻側構面の支柱に対して緊結又は緊締されるように構成され、係留部と支柱との緊結部又は緊締部は、補剛材と支柱との連結部よりも上方に配置される。
本発明の好ましい実施形態において、上記楔部材は、上記管材囲繞具の支軸によって管材囲繞具に担持された回転楔部材からなる。支軸は、支軸の中心軸線を中心に回転楔部材を回転可能に支持又は支承する。回転楔部材は、工具で打撃可能又は殴打可能な打撃部(又は殴打部)と、工具の打撃力又は圧力に相応して横架材又は支柱の管材外周面を強圧し、或いは、横架材又は支柱との係合を解く係合部とを有する。回転楔部材は、打撃部を工具で打撃し又は押圧することにより回転し、係合部は、横架材又は支柱の外周面に強圧され、管材囲繞部と協働して横架材又は支柱を圧迫する。好適には、打撃部は、足場組立時(妻側先行手摺の設置時)に打撃又は押圧される固定時打撃部と、足場解体時に打撃又は押圧される解放時打撃部とから構成される。足場組立時に固定時打撃部を打撃又は押圧して回転楔部材を特定方向(例えば、反時計廻り方向)に回転させると、係合部は、横架材又は支柱の外周面を強圧し、これにより、横架材又は支柱を係合部及び管材囲繞部で圧迫して管材囲繞部を横架材又は支柱と一体化する。他方、足場解体時に解放時打撃部を打撃又は押圧して回転楔部材を逆方向(例えば、時計廻り方向)に回転させると、係合部は、横架材又は支柱との係合を解くので、管材囲繞部を横架材又は支柱から取り外すことができる。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記楔部材は、上記管材囲繞具の保持部によって管材囲繞具に担持された斜行楔部材からなる。斜行楔部材は、横架材又は支柱の水平中心軸線に対して傾斜した方向(即ち、傾斜方向)に変位可能に保持具に支持又は支承される。斜行楔部材は、工具で打撃可能又は殴打可能な打撃部(又は殴打部)と、工具の打撃力又は圧力に相応して横架材又は支柱の管材外周面を強圧し、或いは、横架材又は支柱との係合を解く係合部とを有する。斜行楔部材は、打撃部を工具で打撃し又は押圧することにより傾斜方向に変位し、係合部は、横架材又は支柱の外周面を強圧し、管材囲繞部と協働して横架材又は支柱を圧迫する。好適には、打撃部は、足場組立時(妻側先行手摺の設置時)に打撃又は押圧される固定時打撃部と、足場解体時に打撃又は押圧される解放時打撃部とから構成される。足場組立時に固定時打撃部を打撃又は押圧して斜行楔部材を斜め下方に変位させると、係合部は、横架材又は支柱の外周面を強圧し(従って、管際囲繞部は横架材又は支柱と一体化し)、他方、足場解体時に解放時打撃部を打撃又は押圧して斜行楔部材を斜め上方に変位させると、係合部は、横架材又は支柱との係合を解き、横架材又は支柱を解放する(従って、横架材又は支柱から管材囲繞部を取り外すことができる)。
本発明の更に他の好ましい実施形態において、上記楔部材は、上記管材囲繞具と別体の楔部材からなり、管材囲繞部は、管材囲繞具の上方域又は側方域から楔部材を下向き又は横向きに挿入可能な楔孔又は楔開口を有する。足場組立時(妻側先行手摺の設置時)に楔孔又は楔開口に挿入した楔部材の頭部を工具で打撃して楔部材を下方又は横方向に変位させ、工具の打撃力又は圧力の下で楔部材を横架材又は支柱の管材外周面に強圧すると、楔部材は、管材囲繞部と協働して横架材又は支柱を圧迫する(従って、管際囲繞部を横架材又は支柱と一体化することができる)。他方、足場解体時に、楔部材の下部を工具で上向き又は横向き(足場組立時とは逆の方向)に打撃し又は殴打して楔部材を上方又は側方に変位させると、係合部は、横架材又は支柱との係合を解き、横架材又は支柱を解放する(従って、横架材又は支柱から管材囲繞部を取り外すことができる)。
他の観点より、本発明の構成は、妻側構面の先行手摺のみならず、仮設足場の桁面の先行手摺や、仮設足場の開口部等に設置される一般的な先行手摺の設計において採用することも可能である。
このような観点より、本発明は、楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の先行手摺であって、
上層作業通路の手摺レベルで前記支柱に係止可能な係止具を有する係止部と、該係止部によって前記支柱に両端部を支持される手摺部材と、該手摺部材に対して上端部を枢動可能に連結された交差斜材とを有し、下層作業通路の作業者が該斜材を利用して上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に前記係止具を係止し得るように構成された先行手摺において、
上層作業通路の作業床レベルの前記横架材、或いは、上層又は下層作業通路の前記支柱に対して緊結又は緊締される係留部が、各斜材の下端部に連結され、該係留部は、前記横架材又は支柱を少なくとも部分的に囲繞する管材囲繞具と、該管材囲繞具を該横架材又は支柱に楔結合するための楔部材とを有することを特徴とする仮設足場の先行手摺を提供する。
好ましくは、係留部が、斜材の下端部に一体的に連結され、楔部材は、管材囲繞具内の横架材又は支柱を強圧して管材囲繞具を横架材又は支柱に楔結合するように、管材囲繞部に係合し又は担持される。更に好ましくは、係留部は、下層作業通路の上部域において支柱に対して緊結又は緊締されるように構成され、左右の斜材は、長さが相違しており、支柱に緊結又は緊締された左右の係留部の高さ位置(h1:h2)は、管材囲繞具の高さ寸法の2.1倍以上且つ4倍以下の高低差を有する。
本発明の妻側先行手摺及びその設置方法によれば、楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の妻側構面に先行手摺として配置される仮設足場の妻側先行手摺において、踏板のフック部、方杖形態の補剛材、腕木位置の横架材等を含む楔結合式仮設足場の妻側構面に容易に設置することができ、しかも、妻側先行手摺を構成する斜材の構造的安定性を確保することができる。
また、本発明によれば、このような作業上又は構造上の優位性を有する仮設足場の桁面等の先行手摺を提供することができる。
図1(A)及び図1(B)は、本発明の第1実施形態に係る妻側先行手摺の構成を示す楔結合式仮設足場の部分正面図及び部分平面図である。 図2(A)は、妻側先行手摺の下部構造を示す正面図であり、図2(B)及び図2(D)は、妻側先行手摺の回転式楔結合構造を示す正面図であり、図2(C)は、 図2(B)のI−I線における断面図であり、図2(E)は、図2(D)のII−II線における断面図であり、図2(F)は、回転楔部材の正面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る妻側先行手摺の正面図である。 図4(A)は、図3のIII−III線における断面図であり、図4(B)は、妻側先行手摺の下部構造を示す正面図であり、図4(C)は、図4(A)のIV−IV線における断面図である。 図5(A))は、図3のIII−III線における断面図であり、図5(B)は、妻側先行手摺の下部構造を示す正面図であり、図5(C)は、図5(A)のV−V線における断面図である。 図6は、本発明の第3実施形態に係る楔結合式仮設足場の部分正面図である。 図7(A)及び図7(B)は、図6に示す妻側先行手摺の構造を示す正面図及び側面図である。 図8(A)、図8(B)及び図8(C)は、図6及び図7に示す係留部の構造を説明するための妻側先行手摺の部分側面図、部分正面図及び部分平面図である。 図9(A)、図9(B)及び図9(C)は、本発明の第4実施形態に係る妻側先行手摺の構成を示す楔結合式仮設足場の部分平面図、部分側面図及び部分正面図である。 図10(A)及び図10(B)は、図9に示す妻側先行手摺の上部構造を示す妻側先行手摺の部分平面図及び部分正面図である。 図11(A)及び図11(B)は、図9に示す妻側先行手摺の下部構造を示す妻側先行手摺の部分正面図及び部分底面図である。 図12(A)及び図12(B)は、図9に示す妻側先行手摺の正面図及び側面図である。 図13(A)、図13(B)及び図13(C)は、図12(A)及び図12(B)に示す第1斜材及びその係留部の構成を示す側面図、正面図及び底面図である。 図14(A)、図14(B)及び図14(C)は、図12(A)及び図12(B)に示す第2斜材及びその係留部の構成を示す側面図、正面図及び底面図である。 図15(A)〜図15(C)は、楔結合式仮設足場の幅に相応した妻側先行手摺の設計を例示する楔結合式仮設足場の部分正面図である。 図16(A)及び図16(B)は、複列構成の楔結合式仮設足場における妻側先行手摺の使用形態を例示する楔結合式足場の部分正面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1(A)及び図1(B)は、本発明の好適な実施形態(第1実施形態)に係る妻側先行手摺の構成を示す楔結合式仮設足場の部分正面図及び部分平面図である。図2(A)は、妻側先行手摺の下部構造を示す正面図である。図2(B)〜図2(E)は、妻側先行手摺の回転式楔結合構造を示す正面図、I−I線断面図及びII-II線断面図である。図2(F)は、回転楔部材の正面図である。
図1に示す如く、楔結合式の仮設足場1は、鋼管等の加工品からなる支柱2及び横架材3を楔結合式連結構造5により一体的に組付けた構成を有する。横架材3は、鋼製踏板6を支持又は支承する腕木又は腕木位置の布材である。楔結合式連結構造5は、横架材3の端部の楔結合部5aと、支柱2のフランジ部2aと、楔結合部5a及びフランジ部2aの各楔孔又は楔開口に嵌入又は嵌合する楔部材5bとから構成される。鋼製踏板6のフック部6aが横架材3に係止し、桁方向及び腕木方向の鋼製巾木部材7が鋼製踏板6の縁部に立設される。仮設足場1は、基本的には、汎用的な楔結合式仮設足場の構成を有する。
図1に示す如く、方杖形態の鋼製補剛材8が、支柱2及び横架材3の接合部を補強するように配設される。補剛材8は、補剛用の鋼管製斜材8aと、斜材8aの上端部及び下端部の鋼製連結部8b、8cとから構成される。連結部8bは、横架材3の中間部に対し、楔結合式連結構造で一体的に連結される。連結部8cは、下層の作業通路P1の上部域に配置された支柱2のフランジ部2aに対し、楔結合式連結構造で一体的に連結される。連結部8b、8cは、基本的には、楔結合式連結構造5と実質的に同じ楔結合作用を用いた楔結合式連結構造のものである。
仮設足場1の妻側構面Y-Yには、妻側先行手摺10が設置される。妻側先行手摺10は、水平な手摺部材11と、手摺部材11の両端部に設けられた左右の係止部12と、各係止部12に枢動可能に連結された一対の斜材20と、各斜材20の下端部に一体的に連結された係留部30とから構成される。手摺部材11及び斜材20は、鋼管等の金属管の加工品からなる。妻側先行手摺10の構造及び形状は、その鉛直中心軸線Xを中心とした角度180度の回転対称性を有する。本例において、鉛直中心軸線Xは、妻側先行手摺10の鉛直中心軸線であるとともに、支柱2及び横架材3により構成された骨組又は架構の鉛直中心軸線でもある。
図1の部分拡大図に示すように、係止部12は、係止ピン13を備えた板状の係止具14を有する。係止ピン13及び係止具14は、鋼製部材等の金属製部材からなる。係止具14は、ボルト・ナット組立体15によって手摺部材11の端部に枢動可能に連結される。斜材20の上端部20aは、溶接等の固着手段20bによって係止具14に一体的に連結される。係止具14は、係止ピン13をフランジ部2aの楔係合孔2bに挿入することにより、フランジ部2aに係止される。
図1(A)に示す如く、左右の係止部12は、上層の作業通路P2の手摺レベルに配置された支柱2のフランジ部2aに係止される。手摺部材11は、左右のフランジ2a間に水平に懸架され、手摺レベルにおいて左右の支柱2を架橋する。
斜材20は、概ね交差筋交い状に仮設足場1の妻側構面Y-Yに配置される。各斜材20の下端部は、係留部30によって横架材3に一体的に連結される。各斜材20は、補剛材8と同様、横架材3に一体的に連結されるので、左右の支柱2は、横架材3によって相互連結されるだけではなく、横架材3を介して一体化した補剛材8及び斜材20によっても相互連結される。本例において、各側の補剛材8及び斜材20は、概ね同等の傾斜角度で傾斜し、概ね平行に延びる。
図2に示す如く、係留部30は、斜材20の下端に固着した管材囲繞具31と、管材囲繞部31に固定された支持具32と、回転中心軸線Cを中心に回転楔部材40を回転可能に支持又は支承する支持軸33と、横架材3に係合可能な回転楔部材40とから構成される。管材囲繞具31は、横架材3を受入れ可能な空所αを形成する略コの字形断面又は溝形断面の鋼製部材からなる。斜材20の下端は、管材囲繞具31の上面に溶接等の固着手段(図示せず)で固定される。支軸33は、支持具32に水平に螺入した六角ボルトからなり、平座金、バネ座金等(図示せず)を備える。支持具32は、回転楔部材40の回転運動を規制し、回転楔部材40を管材拘束位置(図2(D))又は管材解放位置(図2(B))に位置決めするストッパ35、36を有する。ストッパ35、36は、空所α内に延在しており、空所α内に収容された横架材3の上面に当接して空所α内の横架材3の位置を規制し又は位置決めする手段として機能する。
図2(F)に示す如く、回転楔部材40は、支軸33を挿通可能な円形開口41を備えるとともに、円形開口41廻りに概ね約120度の角度間隔を隔てて放射状に配置された固定時打撃部42、解放時打撃部43及び管材係合部44を有する鋼製部材である。
図2(B)及び図2(C)には、係留部30を横架材3に固定する態様が示されている。係留部30は、図2(C)に破線で示す如く横架材3を空所αに受入れ、横架材3の上下面及び片側面を囲繞する。図2(B)に示すように固定時打撃部42を工具(図示せず)等で打撃し、矢印で示す打撃力F1を固定時打撃部42に加えると、回転楔部材40は矢印方向(反時計廻り方向)に回転し、管材係合部44は、横架材3の管材表面を強圧する。この結果、横架材3は、管材係合部44及び管材囲繞具31によって空所α内で圧迫され且つ拘束されて管材囲繞具31と一体化し、かくして、係留部30及び斜材20は、横架材3に一体的に連結される。
図2(D)及び図2(E)には、係留部30を横架材3から取り外す態様が示されている。係留部30は、図2(E)に示す如く横架材3を空所α内に拘束した状態で、図2(D)に示すように解放時打撃部43を工具(図示せず)等で打撃し、矢印で示す打撃力F2を解放時打撃部43に加えると、回転楔部材40は矢印方向(時計廻り方向)に回転し、管材係合部44は、横架材3の管材表面から離間し、図2(B)に示す如く、上方に退避する。この結果、横架材3は、管材囲繞部31及び管材係合部44の拘束から解放され、空所αから離脱し、かくして、係留部30及び斜材20は、横架材3から取り外される。
以上説明したとおり、妻側先行手摺10は、上層作業通路の横架材3に対して緊結又は緊締される係留部30を有し、係留部30は、斜材20の下端部に一体的に連結され、管材囲繞部31、ストッパ35、36及び楔部材40によって横架材3を空所α内に拘束し、これにより、管材囲繞具31を横架材3に楔結合する。このような構成の妻側先行手摺10によれば、上層作業通路P2の鋼製踏板6を敷設する前に妻側先行手摺10を仮設足場1の妻側構面Y-Yに設置するとともに、斜材20の下端部を横架材3に一体的に係留し又は固定することができる。即ち、下層作業通路P1の作業者等は、妻側先行手摺10を下層作業通路P1から設置するとき、斜材20の上端部の係止ピン13をフランジ部2aの楔係合孔2bに挿入し、係止部12をフランジ部2aに係止した後、斜材20の下端部の係留部30を横架材3に組み付け、固定時打撃部42を工具等で打撃(F1)して空所α内に横架材3を拘束し、これにより、係留部30及び斜材20を横架材3に一体的に連結することができ、他方、妻側先行手摺10を上層作業床P2で取り外すとき、解放時打撃部43を工具等で打撃(F2)して横架材3を管材囲繞部31及び管材係合部44の拘束から解放し、係留部30及び斜材20を横架材3から取り外せば良い。
また、上記構成の妻側先行手摺10によれば、横架材3に一体的に係留し又は固定した左右の斜材20は、妻側構面Y-Yにおいて交差し、各斜材20は、その各端部をフランジ2a及び横架材3に連結した控え(やらず)形態の補強材として機能し、従って、斜材20は、補剛材8と同様、仮設足場1に作用する水平荷重(横力)に抗する補強手段として機能し、補剛材8と協働して仮設足場1の剛性を向上する。加えて、係留部30は、横架材3及び支柱2の楔結合部(楔結合式連結構造5)と、横架材3及び補剛材8の連結部(楔結合式構造8b)との間において横架材3と一体化しており、従って、補剛材8及び斜材20は、横架材3を介して概ね一体化した複合的な補強斜材を構成するので、仮設足場1の剛性を効果的に向上することができる。
図3は、本発明の他の実施形態(第2実施形態)を示す妻側先行手摺の正面図である。図4及び図5は、図3に示す妻側先行手摺の下部構造を示すIII−III線断面図、IV−IV線断面図、V−V線断面図及び正面図である。図4には、係留部30を横架材3に固定する態様が示され、図5には、係留部30を横架材3から取り外す態様が示されている。なお、図3〜図5の各図において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部材と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部材には、同一の参照符号が付されている。
妻側先行手摺10は、前述の実施形態と同じく、手摺部材11、係止部12、斜材20及び係留部30から構成され、鉛直中心軸線Xを中心とした角度180度の回転対称の形態を有し、左右の係止部12は、上層の作業通路P2の手摺レベルに位置するフランジ2a(図1)に係止され、手摺部材11は、左右のフランジ2a間に水平に懸架され、左右の斜材20の下端部は、係留部30によって横架材3(図1)に一体的に連結される。しかしながら、本実施形態の妻側先行手摺10では、係留部30は、横架材3の頂部に当接する一対の当接部37を備えるとともに、斜め下向きの打撃力F3により横架材3に衝合し、斜め上向きの打撃力F4により横架材3から離間する斜行楔部材50と、斜行楔部材50を変位可能に保持する保持具60とを備える点において、前述の実施形態と相違する。以下、斜行楔部材50及び保持具60の構成について説明する。
斜行楔部材50は、横架材3に対して全体的に傾斜しており、保持具60は、斜行楔部材50を傾斜角θ方向に変位可能に支持する。斜行楔部材50は、比較的厚い板状の鋼材からなり、固定時殴打部52、解放時殴打部53及び管材係合部54を有する。図4(C)に破線で示す如く横架材3を空所αに受入れるように管材囲繞具31を横架材3に組付けた後、図4(B)に矢印F3で示すように工具(図示せず)等で固定時殴打部52を打撃し、打撃力F3を固定時殴打部52に加えると、斜行楔部材50の管材係合部54は横架材3の管材表面に強圧され、この結果、横架材3は、図5に示す如く、管材係合部54によって空所α内に拘束され、かくして、係留部30及び斜材20は、横架材3に一体的に連結される。他方、図5(B)に矢印で示す如く解放時殴打部53を工具(図示せず)等で打撃し、打撃力F4を解放時打撃部53に加えると、斜行楔部材50は斜め上方に変位し、管材係合部54は、横架材3の管材表面から離間し、図4に示す如く、上方に退避する。この結果、横架材3は、管材囲繞部31及び管材係合部54の拘束から解放され、空所αから離脱し、かくして、係留部30及び斜材20は、横架材3から取り外される。
保持具60は、このような斜行楔部材50の変位を可能にするとともに、斜行楔部材50を解放位置(図4)及び固定位置(図5)に選択的に位置決めし得るように構成される。即ち、保持具60は、略コの字型又は溝形断面の鋼材61、62を組付けてなる角形中空部材であり、片側の側壁には、固定時殴打部52を挿通可能な第1開口部63が穿設され、反対側の側壁には、解放時殴打部53を挿通可能な第2開口部64が穿設される。管材係合部54は、保持具60の中空部65に配置される。管材係合部54は、打撃力F4によって斜行楔部材50を斜め上方に変位させると、第1開口部63を有する側壁に衝合して斜め上方の変位を規制され(図4(B))、他方、打撃力F3によって斜行楔部材50を斜め下方に変位させると、第2開口部64を有する側壁に衝合して斜め下方の変位を規制される(図5(B))。
図6は、本発明の他の実施形態(第3実施形態)を示す妻側先行手摺の正面図である。図7は、図6に示す妻側先行手摺の構造を示す正面図及び側面図である。図8は、係留部の構成を示す側面図、正面図及び平面図である。なお、図6〜図8の各図において、図1〜図5に示す実施形態の各構成要素又は構成部材と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部材には、同一の参照符号が付されている。
本実施形態の妻側先行手摺10も又、前述の各実施形態と同じく、手摺部材11、係止部12、斜材20及び係留部30から構成され、鉛直中心軸線Xを中心とした角度180度の回転対称の形態を有し、左右の係止部12は、上層の作業通路P2の手摺レベルに位置するフランジ2aに係止され、手摺部材11は、左右のフランジ2a間に水平に懸架され、左右の斜材20の下端部は、係留部30によって横架材3に一体的に連結される。しかしながら、本実施形態の妻側先行手摺10では、係留部30は、管材囲繞具31とは別体の鋼製楔部材70と、楔部材70を嵌挿可能な楔孔又は楔開口73、74を穿設した上下の楔係合部71、72とを有する点において、前述の実施形態と相違する。なお、楔係合部71、72は、管材囲繞具31の上下のフランジの延長部分からなる。
使用において、横架材3を空所αに受入れるように管材囲繞具31を横架材3に組付けた後、楔孔73、74に楔部材70を垂直に挿入して楔部材70の頭部75を工具等で打撃し、図8(A)及び図8(B)に示す如く下向きの打撃力F5を楔部材70に加えると、楔部材70は横架材3の管材表面を強圧するとともに、楔孔73、74に拘束される。この結果、横架材3は空所α内に拘束され、係留部30及び斜材20は、横架材3に一体的に連結される。他方、図8(A)及び図8(B)に破線の矢印で示す如く上向きの打撃力F6を楔部材70の下部に加えると、楔部材70は、上方に変位して楔係合部71、72との係合を解き、これにより、横架材3を管材囲繞具31から解放する。従って、楔部材70に対する打撃力F5、F6によって係留部30及び斜材20を横架材3と一体化し、或いは、横架材3から取外すことができる。
図9は、本発明の第4実施形態に係る妻側先行手摺の構成を示す楔結合式仮設足場の部分平面図、部分側面図及び部分正面図である。図9の各図において、図1〜図8に示す実施形態の各構成要素又は構成部材と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部材には、同一の参照符号が付されている。
図9に示す妻側先行手摺10は、前述の各実施形態と同じく、上層の作業通路P2の手摺レベルに配置された手摺部材11及び係止部12を備え、手摺部材11は、左右のフランジ2a間に水平に懸架される。しかしながら、本実施形態に係る妻側先行手摺10は、作業通路P2を構成する鋼製踏板6の下方に延び且つ全長が互いに相違する第1斜材21及び第2斜材22を備えるとともに、横架材3との干渉を回避するための偏心部23、24を各斜材21、22に形成した点において前述の各実施形態と相違する。また、斜材21、22は夫々、第3実施形態(図6〜図8)の係留部30と類似した構造を有する楔部材打撃式の係留部80を有するが、左右の係留部80が下層の作業通路P1の支柱2に一体的に連結される点において、前述の各実施形態と相違する。なお、図9(A)及び図9(B)には、手摺部材9a及び斜材9b、9cを有する従来の桁側先行手摺9が示されている。また、本例において、図9(C)に示す支柱スパン(仮設足場1の幅)W1は、約600mmである。以下、本実施形態の妻側先行手摺10の構成について詳細に説明する。
図10は、妻側先行手摺10の上部構造を示す部分平面図及び部分正面図である。前述の各実施形態と同様、係止部12は、係止ピン13を備えた板状の係止具14を有し、係止具14は、ボルト・ナット組立体15によって手摺部材11の端部に枢動可能に連結される。斜材21、22は、鋼管の加工品からなる。斜材21、22の上端部21a、22aは夫々、溶接等の固着手段21b、22bによって係止具14に一体的に連結される。係止具14は、係止ピン13をフランジ部2aの楔係合孔に挿入することによって、図9(C)に示す如くフランジ部2aに係止される。
図11は、妻側先行手摺10の下部構造を示す部分正面図及び部分底面図である。斜材21、22の各下端部に配設された係留部80は、斜材21、22の下端部21c、22cに固定された管材囲繞具81と、管材囲繞具81とは別体の鋼製楔部材90とから構成される。管材囲繞具81は、支柱2を収容可能な空所βを形成する略コの字形断面又は溝形断面の鋼製部材からなり、溶接等の固着手段によって斜材21、22の各下端部に固定される。管材囲繞具81は、楔部材90を嵌挿可能な楔孔又は楔開口93、94を穿設した左右の楔係合部91、92を有する。
使用において、管材囲繞具81によって支柱2を囲繞し、係留部80の空所βに支柱2を収容した後、楔部材90を楔開口93、94に挿通し、横向きの打撃力F7を楔部材90の頭部95に加えると、楔部材90は、支柱2の管材表面を強圧するとともに、楔孔93、94に拘束される。この結果、支柱2は空所β内に拘束され、支柱2の外面は楔部材90の外面及び管材囲繞具81の内面87に係合又は当接し、かくして、斜材21、22の下端部は、支柱2に一体的に連結される。他方、図11に破線の矢印で示す如く、打撃力F7と対向する打撃力F8を楔部材90の先端部96に加えると、楔部材90は、楔孔93、94から離脱する方向に変位して管材囲繞具81との係合を解き、これにより、斜材21、22は、支柱2から解放される。従って、楔部材90に対する打撃力F7、F8によって斜材21、22の下端部を支柱2と一体化し、或いは、支柱2から取外すことができる。
図12は、妻側先行手摺10の構成を示す正面図及び側面図であり、図13及び図14は、第1斜材21及び第2斜材22の構成を示す側面図、正面図及び底面図である。
図12に示す如く、第1斜材21の全長は、第2斜材22の全長よリも短く、第1斜材21の係留部80のレベルh1と、第1斜材21の係留部80のレベルh2との高低差Δhは、少なくとも係留部80の高さ寸法の2.1倍以上5倍以下(好適には、2.3倍以上4倍以下)の寸法に設定される。
図12及び図13に示す如く、第1斜材21は、妻側構面Y-Yの外側に軸芯を偏心させる偏心部23を有する。偏心部23は、第1斜材21を上部管21u及び下部管21dに分割するとともに、鋼製連結板21jによって上部管21uの下端部と下部管21dの上端部とを一体的に連結する。偏心部24の偏心量Δe1は、妻側構面Y-Yと直交する方向において、50〜60mm、例えば、約53mmに設定される。連結板21jの上縁及び下縁は、上部管21u及び下部管21dの各軸芯に対して約45度の角度なして傾斜し、上部管21u及び下部管21dの各切断面も又、上部管21u及び下部管21dの各軸芯に対して約45度の角度なして傾斜する。図9(C)に示す如く、偏心部23は、横架材3の上方に配置される。
図12及び図14に示す如く、第2斜材22も又、妻側構面Y-Yの外側に軸芯を偏心させる偏心部24を有する。偏心部24は、第2斜材22を上部管22u及び下部管22dに分割するとともに、溶接等の線形連結要素22jによって上部管22uの下端部と下部管22dの上端部とを一体的に連結する。偏心部24の偏心量Δe2は、妻側構面Y-Yと直交する方向において、24〜30mm、例えば、約26mmに設定される。上部管22u及び下部管22dの各切断面は、上部管22u及び下部管22dの各軸芯に対して約45度の角度なして傾斜する。図9(C)に示す如く、偏心部24は、横架材3の上方に配置される。
図15(A)〜図15(C)には、楔結合式仮設足場の幅に相応した妻側先行手摺10の変形例が示されている。図15(A)に示す妻側先行手摺10は、図9〜図14に示す支柱スパンW1=約600mmの仮設足場1に設けられた妻側先行手摺10である。
図15(B)に示す妻側先行手摺10は、支柱スパンW2=約900mmの仮設足場1’に設けられた妻側先行手摺10’であり、手摺部材11’及び斜材21’、22’は、支柱スパンW2の寸法に相応して設計変更されている。偏心部23、24と同様に横架材3の上方に配置された偏心部23’、24’は、 偏心量Δe1、Δe2と同等の偏心量で斜材21’、22’を偏心させる。斜材22’は、補剛材8との干渉等を回避すべく、屈曲部28を更に有する。
図15(C)に示す妻側先行手摺10は、支柱スパンW3=約1200mmの仮設足場1”に設けられた妻側先行手摺10”であり、手摺部材11”及び斜材21”、22”は、支柱スパンW3の寸法に相応して設計変更されている。偏心部23、24と同様に横架材3の上方に配置された偏心部23”、24”は、 偏心量Δe1、Δe2と同等の偏心量で斜材21”、22”を偏心させる。斜材22”は、補剛材8との干渉等を回避すべく、屈曲部29を更に有する。
図16(A)及び図16(B)は、複列構成の楔結合式仮設足場における妻側先行手摺の使用形態を示す楔結合式足場の部分正面図である。図16(A)には、支柱スパンW1=約600mmで仮設足場1を並列配置(2列)に建込んだ楔結合式仮設足場の構成が示されており、図16(B)には、支柱スパンW1=約600mmの仮設足場1と、支柱スパンW2=約900mmの仮設足場1’とを並列に建込んだ楔結合式仮設足場の構成が示されている。この種の足場構造は、例えば、ステージ形態又は構台形態の仮設足場や、型枠構台等において一般に採用される構成であり、多くの場合、多スパン形態に多数の列をなして仮設足場1等が並列配置される。
前述のとおり、斜材21、22の係留部80の高低差Δhが確保されるので、同一の支柱2に係合する二つの係留部80は、図16に示す如く、高低差Δhだけ上下方向にずれた位置に配置される。従って、隣り合う支柱スパンの斜材21、22又は斜材21、22’の係留部80同士は、互いに干渉することなく、支柱2に係留される。
以上説明したとおり、本実施形態に係る妻側先行手摺10、10’、10” は、上層作業通路P2を構成する鋼製踏板6の下方に延び且つ互いに全長が相違する第1斜材21、21’、21”及び第2斜材22、22’、22”を備えるとともに、下層作業通路P1に位置する支柱2の上部に楔結合される係留部80が第1斜材21、21’、21” 及び第2斜材22、22’、22”の下端部に配設される。第1斜材21、21’、21”及び第2斜材22、22’、22”は、横架材3との干渉を回避するための偏心部23、23’、23”、24、24’、24”を備える。妻側先行手摺10、10’、10”は、下層の作業通路P2の作業者が妻側先行手摺10、10’、10”を上層作業通路P2に先行設置する際、支柱2に対する係留部80の固定を同時且つ比較的簡易な作業で実施し得るので、妻側先行手摺10、10’、10”の設置工程の作業性は、大幅に改善する。
また、第1斜材21、21’、21”及び第2斜材22、22’、22”は、偏心部23、23’、23”、24、24’、24”によって妻側構面Y-Yの外側に偏倚した位置において横架材3を横断又は交差して横架材3の下側に延在するので、横架材3に係止した鋼製踏板6のフック部6aや、巾木部材7、或いは、横架材3に楔結合した補剛材8等に干渉することなく、下層作業通路P1の支柱2に楔結合される。このため、妻側先行手摺10、10’、10”の設置作業の作業性を改善し得るだけではなく、鋼製踏板6のフック部6aを横架材3に係止し且つ巾木部材7を鋼製踏板6の縁部に設置した後、或いは、補剛材8を横架材3に楔結合せしめた後に妻側先行手摺10、10’、10”を設置する作業工程を採用することが可能となるので、実務的に極めて有利である。
更に、上記構成の妻側先行手摺10、10’、10”によれば、偏心部23、23’、23”、24、24’、24” の偏心量Δe1、Δe2を100mm以下の寸法に設定すれば良いので、第1斜材21、21’、21”及び第2斜材22、22’、22”は、養生シート等の他の仮設部材と干渉し難く、この点においても、上記構成の妻側先行手摺10、10’、10”は、実務的に極めて有利である。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態における楔結合は、支柱又は支柱材に楔結合式フランジ(又は鍔)を備えた方式のものであるが、楔結合式の支柱ポケット(又は支柱ボックス)を支柱又は支柱材に備えた楔結合式仮設足場において使用し得るように、本発明の妻側先行手摺を設計変更しても良い。
また、上記実施形態においては、方杖形態の補剛材が妻側構面に配設されているが、このような補剛材を備えない妻側構面に本発明の妻側先行手摺を配設しても良い。
更に、上記第4実施形態に係る妻側先行手摺の係留部は、楔部材を横向きの打撃力で打撃して管材囲繞具を支柱と一体化するように構成されたものであるが、回転式楔結合構造の係留部(図1及び図2)や、斜行楔部材を備えた係留部(図3〜図5)等の楔結合構造を用いて管材囲繞具を支柱と一体化するように構成しても良い。
加えて、前述の各実施形態に係る妻側先行手摺では、構成部品又は構成部材の多くは、鋼製部品又は鋼製部材であるが、本発明においては、アルミニウム合金等の他の金属又は合金で製造又は製作された部品又は部材により妻側先行手摺を構成しても良く、また、本発明の妻側先行手摺が対象とする仮設足場は、鋼製の楔結合式仮設足場に限定されるものではなく、他の金属製(アルミニウム合金製等)の楔結合式仮設足場を対象として本発明の妻側先行手摺を設計しても良い。
また、上記妻側先行手摺の構成を上記桁側先行手摺や、仮設足場の開口部等に配置される先行手摺等の設計において採用しても良い。
本発明は、建築・土木工事等において使用される楔結合式仮設足場の妻側構面に設置される妻側先行手摺に適用される。本発明の構成は殊に、踏板のフック部、方杖形態の補剛材および腕木位置の横架材を配置した楔結合式仮設足場の妻側構面の妻側先行手摺において、好ましく採用し得る。
本発明によれば、このような妻側構面に対して妻側先行手摺を比較的容易に設置することができ、しかも、妻側先行手摺を構成する斜材の構造的安定性を確保することができるので、実用的に極めて有利である。所望により、本発明の妻側先行手摺を方杖形態の補剛材とともに使用することができる。これにより、横架材又は支柱を介して一体的に連結された複合的斜材を妻側構面に形成し、仮設足場の剛性を効果的に向上するように妻側先行手摺を設計することが可能となる。
また、本発明の構成は、妻側構面の先行手摺のみならず、仮設足場の桁面の先行手摺、或いは、仮設足場の開口部等に設置される先行手摺に適用することも可能である。
1 楔結合式仮設足場
2 支柱
2a フランジ部
3 横架材
5 楔結合式連結構造
6 鋼製踏板
7 巾木部材
8 補剛材
8a 鋼管製斜材
8b、8c 連結部
10(10’、10”) 妻側先行手摺
11 手摺部材
12 係止部
13 係止ピン
14 係止具
15 ボルト・ナット組立体
20 斜材
21、22(21’、21”、22’、22”) 第1及び第2斜材
21a、22a 上端部
21u、22u 上部管
21d、22d 下部管
21j 鋼製連結板
22j 線形連結要素
23、24(23’、23”、24’、24”) 偏心部
28、29 屈曲部
30、80 係留部
31、81 管材囲繞具
32 支持具
33 支持軸
35、36 ストッパ
37 当接部
40 回転楔部材
41 円形開口
42 固定時打撃部
43 解放時打撃部
44 管材係合部
50 斜行楔部材
52 固定時殴打部
53 解放時殴打部
54 管材係合部
60 保持具
70、90 楔部材
73、74、93、94 楔孔又は楔開口
71、72、91、92 楔係合部
75、95 頭部
96 先端部
α、β 空所
X 鉛直中心軸線
Y-Y 妻側構面
h1、h2 係留部のレベル
Δh 係留部の高低差
Δe1、Δe2 偏心量
F1〜F8 打撃力
W1〜W3 支柱スパン
P1 下層作業通路
P2 上層作業通路

Claims (22)

  1. 楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の妻側構面に配置される仮設足場の妻側先行手摺であって、
    上層作業通路の手摺レベルで前記支柱に係止可能な係止具を有する係止部と、該係止部によって前記支柱に両端部を支持される手摺部材と、該手摺部材に対して上端部を枢動可能に連結された交差斜材とを有し、下層作業通路の作業者が該斜材を利用して上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に前記係止具を係止し得るように構成された妻側先行手摺において、
    上層作業通路の作業床レベルの腕木位置に配置された妻側構面の前記横架材、或いは、妻側構面に位置する前記支柱に対して緊結又は緊締される係留部が、各斜材の下端部に連結され、該係留部は、妻側構面の前記横架材又は支柱を少なくとも部分的に囲繞する管材囲繞具と、該管材囲繞具を該横架材又は支柱に楔結合するための楔部材とを有することを特徴とする仮設足場の妻側先行手摺。
  2. 前記係留部が、前記斜材の下端部に一体的に連結されており、前記楔部材は、前記管材囲繞具内の前記横架材又は支柱を強圧して該管材囲繞具を該横架材又は支柱に楔結合するように、前記管材囲繞部に係合し又は担持されていることを特徴とする請求項1に記載の妻側先行手摺。
  3. 前記係止具が係止される前記支柱部分は、楔孔又は楔開口を有する支柱フランジ又は支柱ポケットであり、前記係止具は、前記斜材の上端部に一体的に設けられており、前記係止具は、該係止具の本体部分から下方に延出して前記楔孔又は楔開口に挿入される係止ピンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の妻側先行手摺。
  4. 方杖形態の補剛材の各端部が、下層作業通路の上部域において前記横架材と下層作業通路の支柱とに連結され、前記補剛材は、前記横架材又は支柱を介して前記斜材と実質的に一体化し、該斜材は、前記補剛材と協働して仮設足場の剛性を向上することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の妻側先行手摺。
  5. 前記係留部は、妻側構面の前記横架材に対して緊結又は緊締されるようになっており、前記斜材は、前記妻側構面の幅方向中央部において交差し、前記係留部は、前記横架材及び前記支柱の楔結合部と、前記横架材及び前記補剛材の連結部との間において前記横架材に楔結合することを特徴とする請求項4に記載の妻側先行手摺。
  6. 前記係留部は、妻側構面の前記横架材に対して緊結又は緊締されるように構成されており、前記妻側先行手摺は、その鉛直中心軸線に対して実質的に角度180度の回転対称の全体形状を有し、対をなす係留部の各管材囲繞部は、前記横架材の各側から該横架材を各々の空所内に受入れる断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の妻側先行手摺。
  7. 前記係留部は、下層作業通路の上部域において、妻側構面の前記支柱に対して緊結又は緊締されるように構成されており、前記斜材は、該斜材と前記横架材との干渉を回避するように前記斜材の軸芯を妻側構面の外側に偏心させる偏心部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の妻側先行手摺。
  8. 前記偏心部の偏心量(Δe1:Δe2)は、20mm以上且つ70mm以下に設定されることを特徴とする請求項7に記載の妻側先行手摺。
  9. 左右の前記斜材は、長さが相違しており、前記支柱に緊結又は緊締された左右の係留部の高さ位置(h1:h2)は、前記管材囲繞具の高さ寸法の2.1倍以上且つ4倍以下の高低差を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の妻側先行手摺。
  10. 前記係留部は、下層作業通路の上部域において、妻側構面の前記支柱に対して緊結又は緊締されるように構成されており、該係留部と該支柱との緊結部又は緊締部は、前記補剛材と前記支柱との連結部よりも上方に配置されることを特徴とする請求項4に記載の妻側先行手摺。
  11. 前記楔部材は、前記管材囲繞具の支軸によって担持された回転楔部材からなり、前記支軸は、該支軸の中心軸線を中心に前記回転楔部材を回転可能に支持又は支承することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の妻側先行手摺。
  12. 前記回転楔部材は、工具で打撃可能又は殴打可能な打撃部と、該打撃部に加えられた打撃力又は圧力に相応して前記横架材又は支柱の管材外周面を強圧し、或いは、該横架材又は支柱との係合を解く係合部とを有することを特徴とする請求項11に記載の妻側先行手摺。
  13. 前記楔部材は、前記管材囲繞具の保持部によって該管材囲繞具に担持された斜行楔部材からなり、該斜行楔部材は、前記横架材又は支柱の中心軸線に対して傾斜した方向に変位可能に前記保持部に支持又は支承されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の妻側先行手摺。
  14. 前記斜行楔部材は、工具で打撃可能又は殴打可能な打撃部と、該打撃部に加えられた打撃力又は圧力に相応して前記横架材又は支柱の管材外周面を強圧し、或いは、該横架材又は支柱との係合を解く係合部とを有することを特徴とする請求項13に記載の妻側先行手摺。
  15. 前記楔部材は、前記管材囲繞具と別体の楔部材からなり、前記管材囲繞部は、該管材囲繞具の上方域又は側方域から前記楔部材を下向き又は横向きに挿入可能な楔孔又は楔開口を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の妻側先行手摺。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載された妻側先行手摺を使用して上層作業通路に手摺を形成する妻側先行手摺の設置方法において、
    前記斜材の各端部の係止具を上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に係止した後、前記管材囲繞部の空所に腕木位置の前記横架材、或いは、妻側構面の前記支柱を収容するとともに、前記楔部材を工具で打撃し又は殴打し、該楔部材に加えられた打撃力又は圧力に相応して該楔部材で前記横架材又は支柱の外周面を強圧し、これにより、該横架材又は支柱を前記楔部材及び管材囲繞部で圧迫して該管材囲繞部を前記横架材又は支柱と一体化することを特徴とする妻側先行手摺の設置方法。
  17. 請求項11又は12に記載された妻側先行手摺を使用して上層作業通路に手摺を形成する妻側先行手摺の設置・解体方法であって、
    足場組立時に前記回転楔部材の打撃部を工具で打撃し又は押圧して該回転楔部材を特定方向に回転させ、腕木位置の前記横架材の外周面、或いは、妻側構面の前記支柱の外周面を前記回転楔部材で強圧し、これにより、該横架材又は支柱を前記回転楔部材及び管材囲繞部で圧迫して該管材囲繞部を前記横架材又は支柱と一体化し、
    足場解体時に前記回転楔部材の打撃部を打撃又は押圧して該回転楔部材を逆方向に回転させ、前記回転楔部材と前記横架材又は支柱との係合を解いて、該横架材又は支柱から前記管材囲繞部を取り外すことを特徴とする妻側先行手摺の設置・解体方法。
  18. 請求項13又は14に記載された妻側先行手摺を使用して上層作業通路に手摺を形成する妻側先行手摺の設置・解体方法であって、
    足場組立時に前記斜行楔部材を工具で打撃し又は押圧して該斜行楔部材を斜め下方に変位させ、腕木位置の前記横架材の外周面、或いは、妻側構面の前記支柱の外周面を前記斜行楔部材で強圧し、これにより、該横架材又は支柱を前記斜行楔部材及び管材囲繞部で圧迫して該管材囲繞部を前記横架材又は支柱と一体化し、
    足場解体時に前記斜行楔部材を打撃又は押圧して該斜行楔部材を斜め上方に変位させ、前記斜行楔部材と前記横架材又は支柱との係合を解いて、該横架材又は支柱から前記管材囲繞部を取り外すことを特徴とする妻側先行手摺の設置・解体方法。
  19. 請求項15に記載された妻側先行手摺を使用して上層作業通路に手摺を形成する妻側先行手摺の設置・解体方法であって、
    足場組立時に前記管材囲繞具の上方域又は側方域から前記楔部材の頭部を打撃して、前記楔孔又は楔開口に該楔部材を下向き又は横向きに挿入するとともに、腕木位置の前記横架材の外周面、或いは、妻側構面の前記支柱の外周面を前記楔部材で強圧し、これにより、該横架材又は支柱を前記楔部材及び管材囲繞部で圧迫して該管材囲繞部を前記横架材又は支柱と一体化し、
    足場解体時に前記管材囲繞具の下方域又は側方域から前記楔部材の先端部を上向き又は横向きに打撃して、前記楔孔又は楔開口から前記楔部材を解放し且つ前記楔部材と前記横架材又は支柱との係合を解き、該横架材又は支柱から前記管材囲繞部を取り外すことを特徴とする妻側先行手摺の設置・解体方法。
  20. 楔結合式結合構造により支柱及び横架材を楔結合してなる楔結合式仮設足場の先行手摺であって、
    上層作業通路の手摺レベルで前記支柱に係止可能な係止具を有する係止部と、該係止部によって前記支柱に両端部を支持される手摺部材と、該手摺部材に対して上端部を枢動可能に連結された交差斜材とを有し、下層作業通路の作業者が該斜材を利用して上層作業通路の手摺レベルの支柱部分に前記係止具を係止し得るように構成された先行手摺において、
    上層作業通路の作業床レベルの前記横架材、或いは、上層又は下層作業通路の前記支柱に対して緊結又は緊締される係留部が、各斜材の下端部に連結され、該係留部は、前記横架材又は支柱を少なくとも部分的に囲繞する管材囲繞具と、該管材囲繞具を該横架材又は支柱に楔結合するための楔部材とを有することを特徴とする仮設足場の先行手摺。
  21. 前記係留部が、前記斜材の下端部に一体的に連結されており、前記楔部材は、前記管材囲繞具内の前記横架材又は支柱を強圧して該管材囲繞具を該横架材又は支柱に楔結合するように、前記管材囲繞部に係合し又は担持されていることを特徴とする請求項20に記載の先行手摺。
  22. 前記係留部は、下層作業通路の上部域において前記支柱に対して緊結又は緊締されるように構成され、左右の前記斜材は、長さが相違しており、前記支柱に緊結又は緊締された左右の係留部の高さ位置(h1:h2)は、前記管材囲繞具の高さ寸法の2.1倍以上且つ4倍以下の高低差を有することを特徴とする請求項20又は21に記載の先行手摺。
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