JP2016142035A - 管材の連結構造、及び、管材の連結方法 - Google Patents

管材の連結構造、及び、管材の連結方法 Download PDF

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憲司 並木
Kenji Namiki
憲司 並木
剛志 佐野
Takeshi Sano
剛志 佐野
康正 鈴井
Yasumasa Suzui
康正 鈴井
浅井 英克
Hidekatsu Asai
英克 浅井
諭 齊藤
Satoshi Saito
諭 齊藤
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Abstract

【課題】応力の伝達性を高めつつ、一対の管材を簡易に連結する。【解決手段】管材同士を管軸方向に連結する管材の連結構造であって、管軸方向に隣り合う一対の管材であって、対向する端部同士が当接せず、管材の全周に亘って継ぎ目が露出した一対の管材と、継ぎ目を跨ぐように一対の管材の内部に設けられた内挿管材と、一対の管材のうち管軸方向の一方側の第1管材の内周面と、内挿管材の外周面とを、応力が伝達可能なように連結する連結部材と、を備え、内挿管材の外周面には、連結部材よりも管軸方向の他方側の位置に第1の突起部が設けられ、一対の管材のうち管軸方向の他方側の第2管材の内周面には、第1の突起部よりも他方側の位置に第2の突起部が設けられ、一対の管材の内部のうち、少なくとも、第2の突起部から連結部材までを含む範囲がセメント系組成物で充填されている。【選択図】図1

Description

本発明は、管材の連結構造、及び、管材の連結方法に関する。
建物等の構造物の柱、ブレース、トラス等の軸力部材は、管材同士が管軸方向に連結されて構成されている。管材の連結方法としては、例えば、管軸方向に隣り合う一対の管材の端部同士を付き合わせて周溶接する方法(例えば特許文献1参照)や、管軸方向に隣り合う一対の管材の継ぎ目部分に外周面側から添え板を沿わせてボルトで連結する方法が挙げられる。
特開平10−263810号公報
しかしながら、溶接にて管材を連結する場合、現場で溶接することになり、天候の影響を受け易く、また、高度な溶接技量が要求されるため品質管理が難しい。一方、ボルトにて管材を連結する場合、管材の外周面に添え板やボルトが設けられるため、意匠性が悪く、室内空間が減少してしまう。そこで、管軸方向に隣り合う一対の管材の内部にセメント系組成物を充填し、一対の管材とセメント系組成物とを一体化することにより、管材を連結する方法が考えられる。但し、建設時の調整代を確保するために、一対の管材の端部同士の間に隙間を設けた場合、一方の管材に作用した応力(例えば圧縮軸力)を、一方の管材の端面から他方の管材の端面を介して他方の管材へ伝達することができない。そのため、一対の管材の内部にセメント系組成物を充填するだけでは、一対の管材間において応力が伝達され難くなってしまう。その結果、管材に作用する応力に対する柱の強度が低下したり、管材とセメント系組成物との相対位置ずれが起こったりしてしまうおそれがあった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、一対の管材間における応力の伝達性を高めつつ、一対の管材を簡易に連結することにある。
かかる目的を達成するため、本発明の管材の連結構造は、管材同士を管軸方向に連結する管材の連結構造であって、前記管軸方向に隣り合う一対の管材であって、対向する端部同士が当接せず、前記管材の全周に亘って継ぎ目が露出した一対の管材と、前記継ぎ目を跨ぐように前記一対の管材の内部に設けられた内挿管材と、前記一対の管材のうち前記管軸方向の一方側の第1管材の内周面と、前記内挿管材の外周面とを、応力が伝達可能なように連結する連結部材と、を備え、前記内挿管材の外周面には、前記連結部材よりも前記管軸方向の他方側の位置に第1の突起部が設けられ、前記一対の管材のうち前記管軸方向の前記他方側の第2管材の内周面には、前記第1の突起部よりも前記他方側の位置に第2の突起部が設けられ、前記一対の管材の内部のうち、少なくとも、前記第2の突起部から前記連結部材までを含む範囲がセメント系組成物で充填されていることを特徴とする。
このような管材の連結構造によれば、応力の伝達性を高めつつ、一対の管材を簡易に連結するができる。
かかる管材の連結構造であって、前記一対の管材の前記管軸方向の中心軸と、前記内挿管材の前記管軸方向の中心軸は一致しており、前記連結部材は、前記内挿管材を前記第1管材に対して相対的に前記中心軸回りに回転させることによって、前記第1管材の内周面と前記内挿管材の外周面とを連結する、あるいは、連結を解除するものであってもよい。
このような管材の連結構造によれば、第1管材の内周面と内挿管材の外周面とを簡易に連結することができ、また、連結を解除することもできる。
かかる管材の連結構造であって、前記連結部材は、凹部と、当該凹部と嵌合する凸部とを有し、前記凹部及び前記凸部の一方は、前記第1管材の内周面に設けられ、前記凹部及び前記凸部の他方は、前記内挿管材の外周面に設けられていることが望ましい。
このような管材の連結構造によれば、凹部と凸部とを嵌合させることによって第1管材の内周面と内挿管材の外周面とを確実に連結することができる。
かかる管材の連結構造であって、前記連結部材は、前記一対の管材の内部を閉塞せずに連通させる複数のリブを有し、前記リブの一端は、前記第1管材の内周面に溶接接合され、前記リブの他端は、前記内挿管材の外周面に溶接接合されていてもよい。
このような管材の連結構造によれば、第1管材の内周面と内挿管材の外周面とを確実に連結することができる。
かかる管材の連結構造であって、前記第2管材の内周面には、前記第1の突起部よりも前記一方側の位置に第3の突起部が設けられていることが望ましい。
このような管材の連結構造によれば、管軸方向の一方側及び他方側への軸力をそれぞれ伝達させるようにすることができる。
また、かかる目的を達成するため、本発明の管材の連結方法は、管材同士を管軸方向に連結する管材の連結方法であって、前記管軸方向に隣り合う一対の管材の内部に設けられる内挿管材の外周面に第1の突起部を設ける工程と、前記一対の管材のうち前記管軸方向の一方側の第1管材の内周面と、前記内挿管材の前記第1の突起よりも前記一方側の外周面とを、応力が伝達可能なように連結部材で連結する工程と、前記一対の管材のうち前記管軸方向の他方側の第2管材の内周面に第2の突起部を設ける工程と、前記一対の管材を、対向する端部同士が当接せず、前記内挿管材が前記一対の管材の継ぎ目を跨ぎ、且つ、前記第2の突起部が前記第1の突起部よりも前記他方側に位置するように固定する工程と、前記一対の管材の内部のうち、少なくとも、前記第2の突起部から前記連結部材までを含む範囲をセメント系組成物で充填して、前記管材の全周に亘って前記継ぎ目を露出させる工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、応力の伝達性を高めつつ、一対の管材を簡易に連結することができる。
第1実施形態の管材の連結構造1の上下方向(管軸方向)の断面図である。 図2Aは、図1にコンクリート5を充填する前の状態を示す断面図であり、図2Bは、図2AのA−A矢視図であり、図2Cは、図2AのB−B矢視図であり、図2Dは、図2Cの嵌合前の状態を示す図である。 図3Aは、第2実施形態の管材の連結構造1の上下方向(管軸方向)の断面図であり、図3Bは、図3AのB−B矢視図である。 図4A〜図4Dは、第1実施形態の変形例の説明図である。図4Aは、管軸方向の断面図である。また、図4Bは、図4AのA−A矢視図であり、図4Cは、図4AのB−B矢視図であり、図4Dは、図4Cの嵌合前の状態を示す図である。 図5A及び図5Bは、第2実施形態の変形例である。図5Aは、第2実施形態の管材の連結構造1の上下方向(管軸方向)の断面図であり、図5Bは、図5AのB−B矢視図である。
===第1実施形態===
<<管材の連結構造について>>
図1は、第1実施形態の管材の連結構造1の上下方向(管軸方向)の断面図である。また、図2Aは、図1にコンクリート5を充填する前の状態を示す断面図であり、図2Bは、図2AのA−A矢視図であり、図2Cは、図2AのB−B矢視図であり、図2Dは、図2Cの嵌合前の状態を示す図である。
建物等の構造物の柱は、一般的に、管材同士を上下方向(管軸方向)に連結した管材の連結構造によって構成される。本実施形態における管材の連結構造1は、上下方向に隣り合う一対の管材のうちの上側(他方側に相当)の管材2(第2管材に相当)と、下側(一方側に相当)の管材3(第1管材に相当)と、一対の管材2,3の内部に設けられる内挿管材4と、一対の管材2,3の内部に充填されるコンクリート5(セメント系組成物に相当)と、管材3と内挿管材4とを連結する連結部材10と、を有する。
第1実施形態の一対の管材2,3(及び内挿管材4)は、中空の円形鋼管である。即ち、水平方向に切った断面(内周面及び外周面)の形状が略円形状の鋼管である。なお、管材2,3に作用する軸力を伝達可能なものであれば鋼製の管材に限らず、例えばアルミニウム合金等の管材でもよい。また、本明細書では管材の連結構造1を柱に利用する実施形態を例に挙げるが、これに限らず、管材の連結構造1を例えばブレースやトラス等の軸力部材に利用してもよい。また、本実施形態では、管軸方向が上下方向に平行であるが、これには限らず、管軸方向が上下方向に対して傾いていてもよく、例えば、水平方向に平行であってもよい。
内挿管材4は、一対の管材2,3よりも径の小さい鋼管であり、一対の管材2,3の継ぎ目を跨ぐとともに、一対の管材2,3の内周面2a,3aとの間に間隔を空けて設けられている。なお、内挿管材4の上下方向の中心軸は、一対の管材2,3の上下方向の中心軸と一致している。内挿管材4の上端側の外周面4bには、突起部42(第1の突起部に相当)が設けられている。突起部42は、一対の管材2,3の継ぎ目よりも上側(後述する連結部材10よりも上側)に位置し、且つ、管径方向の外側に突出している。
上側の管材2の内周面2aには、突起部22(第3の突起部に相当)及び突起部24(第2の突起部に相当)が設けられている。突起部22は、内挿管材4の突起部42よりも下側に位置し、且つ、管径方向の内側に突出している。また、突起部24は、内挿管材4の突起部42よりも上側に位置し、且つ、管径方向の内側に突出している。
連結部材10は、管材3の内周面3aと、内挿管材4の外周面4bとを、応力が伝達可能なように連結するものである。本実施形態では、連結部材10として、嵌合凹部10a(凹部に相当)と嵌合凸部10b(凸部に相当)を有している。
嵌合凹部10aは、図2Aに示すように、管材3の上端側の内周面3aにおいて管径方向の内側が凹形状となるように固設されている。また、嵌合凹部10aは、図2Cに示すように、内周面3aに間隔をあけて複数(本実施形態では4つ)設けられている。
嵌合凸部10bは、図2Aに示すように、内挿管材4の下端側の外周面4bにおいて管径方向の外側が凸形状となるように固設されている。また、図2Cに示すように、嵌合凸部10bは、4つの嵌合凹部10aとそれぞれ対応するように、外周面4bに4つ(嵌合凹部10aと同数)設けられている。
管材3と内挿管材4とを連結する際には、嵌合凹部10aと嵌合凸部10bが、水平面上で重ならないように(図2D参照)、且つ、上下方向にほぼ同じ位置(嵌合可能な位置)になるように、内挿管材4を管材3の内部に挿入し、内挿管材4を中心軸回りに回転させる。こうすることにより、嵌合凸部10bが嵌合凹部10aと嵌合し(図2C)、管材3(内周面3a)と内挿管材4(外周面4b)とが応力伝達可能に接合(連結)される。また、同様に、内挿管材4を中心軸回りに回転させることにより、連結を解除することもできる。
なお、本実施形態では内挿管材4を中心軸回りに回転させていたが、これには限られず、管材3を中心軸回りに回転させてもよい。あるいは、管材3と内挿管材4を中心軸回りに互いに逆方向に回転させてもよい。つまり、内挿管材4を、管材3に対して相対的に中心軸回りに回転させるようにすればよい。
コンクリート5は、隙間6を有して配置された一対の管材2,3を一体化するためのものであり、一対の管材2,3のほぼ全長に亘って、一対の管材2,3の内部に充填されている。
本実施形態では、一対の管材2,3の対向する端部同士(上側の管材2の下端と下側の管材3の上端)は当接せず、管材2と管材3の間には、建設時の調整代となる隙間6が設けられている。このような隙間6を設けることで、例えば、製造誤差により管材2,3の端面が水平でなかったり、下側の管材3が若干斜めに立設されたりした場合にも、下側の管材3の上に上側の管材2を鉛直に立設することができる。
ところで、管材の連結構造としては、一般的に、管軸方向に隣り合う一対の管材の端部同士を付き合わせて周溶接したものや、管軸方向に隣り合う一対の管材の継ぎ目部分に外周面側から添え板を沿わせてボルトで接合したものが知られている。しかし、溶接により連結する場合、現場での溶接となり、工場のような良好な施工環境を確保できないため、高度な技量が必要とされ、品質管理が難しい。また、天候によって、溶接可能な日が限定される場合がある。特に、柱(管材2,3)に利用される高強度鋼材は溶接割れし易いため、予熱・後熱などの処理が必要となる。また、ボルトにより連結する場合、多数の孔開け処理や締め込み処理を行う必要があり、施工性が悪い。また、管材2,3は閉鎖断面であるため、ナットを使用せずに外周面側からの締め込みだけで締結可能な高価なワンサイドボルトを調達したり、管材の内周面に予めナットを溶接したりする必要がある。また、管材の外周面(室内側)にボルトや添え板が露出するため、その分だけ室内空間が減少し、意匠性も悪い。
これに対して、本実施形態における管材の連結構造1では、一対の管材2,3の継ぎ目を跨いでコンクリート5を充填し、一対の管材2,3とコンクリート5とを一体化することにより、上側の管材2と下側の管材3とを連結している。従って、本実施形態における管材の連結構造1では、溶接やボルトにより管材を連結する場合に発生する上述の問題が生じない。また、一対の管材2,3の継ぎ目が管材2,3の全周に亘って露出するため、室内空間の減少や意匠性の悪化を抑制することができる。
但し、本実施形態のように、上側の管材2の下端と下側の管材3の上端とが当接していない場合、一対の管材2,3のうちの一方の管材に作用した応力(圧縮軸力や引張軸力)を、一方の管材の端面から他方の管材の端面を介して他方の管材へ伝達することができない。この場合、仮に、一対の管材の内部に内挿管材や突起部を設けずにコンクリートを充填するだけであると、管材とコンクリートとの付着を主として応力を伝達することになるため、一対の管材間において応力が伝達され難くなってしまう。その結果、一対の管材に作用する応力に対する強度が低下したり、一対の管材とコンクリートとの相対位置ずれが起こったりしてしまう。
しかし、本実施形態における管材の連結構造1では、一対の管材2,3の内部に内挿管材4が設けられており、管材3の内周面3aと内挿管材4の外周面4bは連結部材10によって応力が伝達可能に連結されている。また、内挿管材4の外周面4bには、連結部材10よりも上側に突起部42が設けられており、管材2の内周面2aには、突起部42よりも下側に突起部22が設けられ、突起部42よりも上側に突起部24が設けられている。
そのため、例えば、応力として上側の管材2に下向きの圧縮軸力が作用した場合、その力が突起部24と突起部42との間に充填されたコンクリート5を圧縮することにより、内挿管材4に下向きの力が伝達される。さらに内挿管材4に伝達された力が連結部材10を介して下側の管材3に伝達される。
また、応力として上側の管材2に上向きの引張軸力が作用した場合、その力が突起部22と突起部42との間に充填されたコンクリート5を圧縮することにより、内挿管材4に上向きの力が伝達される。さらに内挿管材4に伝達された力が連結部材10を介して下側の管材3に伝達される。
このように、本実施形態における管材の連結構造1では、上側の管材2の下端と下側の管材3の上端とが当接していなくとも、一対の管材2,3間で応力(圧縮軸力や引張軸力)を円滑に且つ確実に伝達することができ、一対の管材2,3間における応力の伝達性を高めることができる。ゆえに、管材の連結構造1の強度を高めることができ、管材2,3とコンクリート5との相対位置ずれを抑制することができる。
<<管材の連結方法について>>
以下、管軸方向に隣り合う一対の管材2,3の連結方法について説明する。
まず、工場において、内挿管材4の下端側の外周面4bには嵌合凸部10bを設け、上端側の外周面4bには突起部42を設ける。また、管材3の上端側の内周面3aには嵌合凹部10aを設ける。また、管材2の内周面2aに突起部22及び突起部24を、それぞれ、前述した位置関係(図1参照)になるように設ける。
次に、内挿管材4を管材3に挿入し(図2D)、内挿管材4を中心軸回りに回転させて、内挿管材4の嵌合凸部10bと管材3の嵌合凹部10aとを嵌合させる(図2C)。こうして、管材3(内周面3a)と、内挿管材4(外周面4b)とを応力が伝達可能なように連結する。なお、この作業は、工場で行ってもよいし、現場で行ってもよい。本実施形態では、内挿管材4を中心軸回りに回転させて、内挿管材4の嵌合凸部10bと管材3の嵌合凹部10aとを嵌合させるので、管材3と内挿管材4とを簡易に連結させることができ、また、連結した後においても連結を解除することができる。また、嵌合凸部10bと管材3の嵌合凹部10aとを嵌合させることにより、管材3と内挿管材4とを確実に連結させることができる。
その後、現場において、管材2の中空部分に内挿管材4を挿入して、管材2と管材3とを上下方向に配置する(図2A)。このとき、不図示の組立用プレートを用いて、隙間6を設けた状態で、内挿管材4が一対の管材2,3の継ぎ目を跨ぎ、且つ、突起部24が突起部42よりも上側に位置するように管材2と管材3を固定する。
そして、管材2及び管材3の内部に上方からコンクリート5を充填する。そして、コンクリート5が固化した後、管材2と管材3を固定していた組み立て用プレートを除去する。これにより、一対の管材2,3の継ぎ目が管材2,3の全周に亘って露出した状態となり、図1に示す管材の連結構造1が形成される。
以上説明したように、本実施形態の管材の連結構造1は、上下方向に隣り合う一対の管材2,3を備えており、この一対の管材2,3は、対向する端部同士が当接せず(隙間6を有し)、管材の全周に亘って継ぎ目が露出している。また、管材の連結構造1は、一対の管材2,3の継ぎ目を跨ぐように一対の管材2,3の内部に設けられた内挿管材4と、一対の管材2,3のうちの上下方向の下側の管材3の内周面3aと、内挿管材4の外周面4bとを、応力が伝達可能なように連結する連結部材10とを備えている。
そして、内挿管材4の外周面4bには、連結部材10よりも上下方向の上側の位置に突起部42が設けられ、また、(上側の)管材2の内周面2aには、突起部42よりも上側の位置に突起部24が設けられており、一対の管材2,3の内部がコンクリート5で充填されている。
このため、端部同士を付き合わせて周溶接したり、継ぎ目部分に添え板を沿わせてボルトで接合したりすることなく、一対の管材2,3を簡易に連結することができる。また、隙間6があっても、突起部24、突起部42、内挿管材4、連結部材10を設けていることにより、管材2に作用した応力を管材3に伝達することができる。よって、一対の管材2,3間における応力の伝達性を高めつつ、一対の管材2,3を簡易に連結することができる。
なお、本実施形態では、連結部材10の嵌合凹部10aを管材3の内周面3aに設け、嵌合凸部10bを内挿管材4の外周面4bに設けていたが、逆に配置してもよい。すなわち、嵌合凹部10aを内挿管材4の外周面4bに設け、嵌合凸部10bを管材3の内周面3aに設けてもよい。この場合も内挿管材4(又は管材3)を中心軸回りに回転させることで、嵌合凹部10aと嵌合凸部10bを嵌合させることができる。
===第2実施形態===
図3Aは、第2実施形態の管材の連結構造1の上下方向(管軸方向)の断面図(コンクリート5充填前)であり、図3Bは図3AのB−B矢視図である。なお、第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
第2実施形態では、管材3と内挿管材4との間に連結部材12が設けられている。
連結部材12は、図3A、図3Bに示すように、一対の管材2,3の内部を閉塞せずに連通させる薄板状部材(リブ)であり、管材3の上端側の内周面3aと内挿管材4の下端側の外周面4bとの間に複数(本実施形態では8つ)設けられている。
第2実施形態では、工場において、管材3と内挿管材4とを、予め、連結部材12によって連結する。より具体的には、連結部材12の管径方向の内側端(一端)を、管材3の上端側の内周面3aに溶接接合し、連結部材12の管径方向の外側端(他端)を、内挿管材4の下端側の外周面4bと溶接接合する。これにより、内挿管材4が管材3の上端から突出した形状になり、また、管材3の内周面3aと内挿管材4の外周面4bとは、応力が伝達可能に接合(連結)される。
なお、この管材3と内挿管材4との接合部分(連結部材12)以外の構成、及び、一対の管材2,3の連結方法については第1実施形態と同じである。
この第2実施形態においても、一対の管材2,3間における応力の伝達性を高めつつ、一対の管材2,3を簡易に連結することができる。また、第2実施形態では、連結部材12を、管材3と内挿管材4とにそれぞれ溶接接合しているので、管材3と内挿管材4とを確実に連結することができる。
===変形例===
前述の実施形態では、一対の管材2,3及び内挿管材4はそれぞれ中空の円形鋼管であったがこれには限られない。以下に示す変形例では、一対の管材2,3及び内挿管材4を中空の角形鋼管としている。
図4A〜図4Dは、第1実施形態の変形例の説明図である。図4Aは、管軸方向の断面図(コンクリート5充填前)である。また、図4Bは図4AのA−A矢視図であり、図4Cは図4AのB−B矢視図であり、図4Dは、図4Cの嵌合前の状態を示す図である。
この変形例では、管材2の突起部22及び突起部24は、角形である管材2の内周面2aの角部以外の部位に設けられている。つまり、突起部22及び突起部24は、管材2の有する4つの面のうち、直線状に延びた部位の内側(内周面2a)に設けられている。
また、内挿管材4の突起部42は、角形の内挿管材4の上端側の外周面4bに設けられている。
また、連結部材10の嵌合凹部10aは、角形の管材3の上端側における内周面3aのうち4つの辺の中央部分に設けられており、嵌合凸部10bは、角形の内挿管材4の下端側の外周面4bのうち、4つの辺の中央部分に設けられている。
以上の構成により、角形の管材(一対の管材2,3及び内挿管材4)を用いる場合でも、内挿管材4の下端を管材3に挿入して回転させることにより、内挿管材4の嵌合凸部10bと管材3の嵌合凹部10aとを嵌合させることができる。この嵌合により、管材3の内周面3aと内挿管材4の外周面4bとが、応力伝達可能なように接合(連結)される。以下、第1実施形態と同様に、管材2と管材3とを、隙間6を設けた状態で上下方向に隣り合うように配置(固定)し、コンクリート5を充填すればよい。
この場合においても、前述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図5A及び図5Bは、第2実施形態の変形例である。図5Aは、第2実施形態の管材の連結構造1の上下方向(管軸方向)の断面図(コンクリート5充填前)であり、図5Bは図5AのB−B矢視図である。
この変形例においても、一対の管材2,3及び内挿管材4は中空の角形鋼管である。また、管材3と内挿管材4とは連結部材12(リブ)によって連結されている。
連結部材12は、角形の4つの各辺にそれぞれ2つ並ぶように(合計8つ)設けられている。連結部材12の管径方向の内側端(一端)は管材3の上端側の内周面3aに溶接接合されており、連結部材12の管径方向の外側端(他端)は内挿管材4の上端側の内挿管材4の下端側の外周面4bに溶接接合されている。つまり、管材3と内挿管材4は、連結部材12によって応力が伝達可能に接合(連結)されている。
また、管材3の突起部22及び突起部24、内挿管材4の突起部42は、第1実施形態の変形例(図4B)と同様に設けられている。
この場合においても、前述の第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
このように、一対の管材2,3及び内挿管材4が角形鋼管である場合でも、応力の伝達性を高めつつ、一対の管材2,3を簡易に連結することができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、一対の管材2,3の全長に亘ってコンクリート5を充填していたが、これには限られず、少なくとも、管材2の突起部24から連結部材10を含む範囲がコンクリート5で充填されていればよい。例えば、管材2の突起部24よりも上側と連結部材10(又は連結部材12)よりも下側にそれぞれ仕切り板を設け、この2つの仕切り板で仕切られた範囲にコンクリート5を充填するようにしてもよい。
また、一対の管材2,3の内部に充填するのは、コンクリート5に限らず、例えばモルタルでもよく、圧縮軸力を伝達可能なセメント系組成物であればよい。
また、前述の実施形態では、管材2に2つの突起部(突起部22及び突起部24)が設けられていたが、本実施形態のように一対の管材2,3を柱に利用する場合、柱に作用する力は主に圧縮軸力であり、この圧縮軸力を伝達させるには少なくとも突起部24があればよい。ただし、突起部22を設けることにより、引張軸力も伝達させることができる。
また、管材の連結構造1を構成する各部の位置関係が、前述の実施形態と上下逆であってもよい。すなわち、上側の管材2の下端と内挿管材4の上端を連結部材10(又は連結部材12)で連結し、内挿管材4を管材3の内部(中空部)に挿入するようにしてもよい。その場合、内挿管材4の外周面4bには、連結部材10(又は連結部材12)よりも下側に突起部42を設け、管材3の内周面3aには、突起部42よりも下側に突起部24を設け、少なくとも、突起部24から連結部材10(又は連結部材12)までを含む範囲をコンクリート5で充填すればよい。
1 管材の連結構造
2 管材(第2管材)
2a 内周面
3 管材(第1管材)
3a 内周面
4 内挿管材
4b 外周面
5 コンクリート
6 隙間
10 連結部材
10a 嵌合凹部
10b 嵌合凸部
12 連結部材
22 突起部(第3の突起部)
24 突起部(第2の突起部)
42 突起部(第1の突起部)

Claims (6)

  1. 管材同士を管軸方向に連結する管材の連結構造であって、
    前記管軸方向に隣り合う一対の管材であって、対向する端部同士が当接せず、前記管材の全周に亘って継ぎ目が露出した一対の管材と、
    前記継ぎ目を跨ぐように前記一対の管材の内部に設けられた内挿管材と、
    前記一対の管材のうち前記管軸方向の一方側の第1管材の内周面と、前記内挿管材の外周面とを、応力が伝達可能なように連結する連結部材と、
    を備え、
    前記内挿管材の外周面には、前記連結部材よりも前記管軸方向の他方側の位置に第1の突起部が設けられ、
    前記一対の管材のうち前記管軸方向の前記他方側の第2管材の内周面には、前記第1の突起部よりも前記他方側の位置に第2の突起部が設けられ、
    前記一対の管材の内部のうち、少なくとも、前記第2の突起部から前記連結部材までを含む範囲がセメント系組成物で充填されている、
    ことを特徴とする管材の連結構造。
  2. 請求項1に記載の管材の連結構造であって、
    前記一対の管材の前記管軸方向の中心軸と、前記内挿管材の前記管軸方向の中心軸は一致しており、
    前記連結部材は、前記内挿管材を前記第1管材に対して相対的に前記中心軸回りに回転させることによって、前記第1管材の内周面と前記内挿管材の外周面とを連結する、あるいは、連結を解除するものである
    ことを特徴とする管材の連結構造。
  3. 請求項2に記載の管材の連結構造であって、
    前記連結部材は、凹部と、当該凹部と嵌合する凸部とを有し、
    前記凹部及び前記凸部の一方は、前記第1管材の内周面に設けられ、
    前記凹部及び前記凸部の他方は、前記内挿管材の外周面に設けられている
    ことを特徴とする管材の連結構造。
  4. 請求項1に記載の管材の連結構造であって、
    前記連結部材は、前記一対の管材の内部を閉塞せずに連通させる複数のリブを有し、
    前記リブの一端は、前記第1管材の内周面に溶接接合され、前記リブの他端は、前記内挿管材の外周面に溶接接合されている
    ことを特徴とする管材の連結構造。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の管材の連結構造であって、
    前記第2管材の内周面には、前記第1の突起部よりも前記一方側の位置に第3の突起部が設けられている
    ことを特徴とする管材の連結構造。
  6. 管材同士を管軸方向に連結する管材の連結方法であって、
    前記管軸方向に隣り合う一対の管材の内部に設けられる内挿管材の外周面に第1の突起部を設ける工程と、
    前記一対の管材のうち前記管軸方向の一方側の第1管材の内周面と、前記内挿管材の前記第1の突起よりも前記一方側の外周面とを、応力が伝達可能なように連結部材で連結する工程と、
    前記一対の管材のうち前記管軸方向の他方側の第2管材の内周面に第2の突起部を設ける工程と、
    前記一対の管材を、対向する端部同士が当接せず、前記内挿管材が前記一対の管材の継ぎ目を跨ぎ、且つ、前記第2の突起部が前記第1の突起部よりも前記他方側に位置するように固定する工程と、
    前記一対の管材の内部のうち、少なくとも、前記第2の突起部から前記連結部材までを含む範囲をセメント系組成物で充填して、前記管材の全周に亘って前記継ぎ目を露出させる工程と、
    を有することを特徴とする管材の連結方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101855510B1 (ko) * 2017-03-08 2018-06-25 김영훈 무대장치용 바텐의 연결장치

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