JP2013238037A - 鉄筋継手およびプレキャストコンクリート部材 - Google Patents

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Kenichi Naito
憲一 内藤
Masatake Omori
正武 大森
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Abstract

【課題】鉄筋どうしを接合するための有効適切な鉄筋継手と、その鉄筋継手により互いに接合される有効適切なPCa部材を提供する。
【解決手段】本発明の鉄筋継手20は、一方の鉄筋Aの端部が緩挿される第1スリーブ21と、他方の鉄筋Bの端部が緩挿される第2スリーブ22と、両端部がそれぞれ前記第1スリーブおよび前記第2スリーブに対して緩挿される接合用鉄筋23と、接合用鉄筋を第1スリーブに対して螺着して保持するためのロックナット24からなる。本発明のPCa部材は、一端部に第1スリーブが埋設され、他端部に第2スリーブが埋設され、第1スリーブに対して接合用鉄筋がロックナットにより螺着されて保持可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は鉄筋どうしを軸方向に接合するための鉄筋継手、およびその鉄筋継手を介して互いに接合されるプレキャストコンクリート部材に関する。
周知のように、この種の鉄筋継手としては、たとえば特許文献1に示されるように、接合対象の鉄筋の端部をそれぞれスリーブ内に挿入し、スリーブ内にグラウト材を充填して硬化させることによって、鉄筋どうしをスリーブおよびグラウト材を介して接合する形式の機械式継手が広く用いられている。
また、建物の構造要素としてのプレキャストコンクリート部材(以下、PCa部材と記す)どうしを、上記のような鉄筋継手を介して接合することも広く行われている。
図8は従来のこの種の鉄筋継手によって柱用のPCa部材どうしを接合する場合の工程を模式的に示すものである。
図示例のPCa部材1は、主筋3(柱主筋)およびせん断補強筋4(帯筋)を埋設したプレキャストコンクリート造(PCa造)の本体部2の下端部に、鉄筋継手としてのスリーブ5を予め埋設しておくとともに、本体部2の上部には主筋3の上端部を突出させておくものである。
この場合、鉄筋継手としてのスリーブ5は、図9に詳細を示すように、このスリーブ5の下端が本体部2の下端面に開口する状態で埋設され、スリーブ5内の上半部に主筋3(図示例では異形鉄筋)の下端部が緩挿状態で挿入されているものである。
また、スリーブ5内には後段においてモルタルやセメントミルク等のグラウト材が充填されるので、スリーブ5にはそのため充填口6が2個所(一方は空気抜きとして使用される)に形成されているとともに、それら充填口6には本体部2の側面に開口する短管7がそれぞれ接続されている。
さらに、スリーブ5の内面にはグラウト材を確実堅固に一体化するための環状のリブ8が多数形成されている。
このPCa部材1を用いて建物の柱を施工する際には、図8(a)に示すように下階のPCa部材1の建方が完了した後、その上方から上階のPCa部材1を吊り降ろしていき、(b)に示すように上階のPCa部材1の下端面に開口しているスリーブ5内に下階のPCa部材1の上部に突出している主筋3を挿入して双方のPCa部材1どうしを突き合わせ、しかる後にスリーブ5内にグラウト材を充填する。
これにより、グラウト材が硬化すれば、双方のPCa部材1の主筋3どうしがスリーブ5およびその内部で硬化したグラウト材を介して構造的に強固に接合される。
なお、この場合、双方のPCa部材1の突き合わせ面の間に若干の隙間を確保して、その隙間にグラウト材を充填することが通常である。
特開平9−195400号公報
上記従来の鉄筋継手によれば、鉄筋どうしやPCa部材どうしを簡単かつ単純な作業で確実に接合可能なものであるが、以下の点では改善の余地がある。
すなわち、上記の鉄筋継手を用いて上記の構造によりPCa部材どうしを接合する場合には、接合するべき鉄筋の端部(図8に示した柱用のPCa部材1の場合には主筋3の上端部)を突出させておく必要があるから、その突出寸法分だけPCa部材の全長が余計に長くなってしまうし、主筋3の突出部が折れ曲がってしまう等の懸念もあるので、搬送時や施工時の取り扱いが不便である。
また、鉄筋を突出させておく必要があることから、そのようなPCa部材の製作も面倒である。
すなわち、図8に示したPCa部材1を製作する際には、図10に示すように、予め組み立てた主筋3およびせん断補強筋4の周囲に型枠9を組み立て、その型枠9内にコンクリートを打設充填する(その際、コンクリートがスリーブ5内や短管7内に漏入してしまわないように、それらの先端を型枠9の内面に対して隙間なく密着させておくとともに、スリーブ5への主筋3の挿入部には図9に示したようにゴムパッキン等の適宜のシール材10を介装しておく必要がある)のであるが、その際、主筋3を型枠9の外側に貫通させておくために型枠9には穴明け加工が必要であるし、その型枠9の組み立て作業や解体作業も格段に面倒になる。
以上のことから、この種の鉄筋継手は有効性が認められつつも更なる改良が必要ともされているのが実状である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、鉄筋どうしを接合するための有効適切な鉄筋継手を提供し、併せてその鉄筋継手によって接合可能な有効適切なPCa部材を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、鉄筋どうしを軸方向に接合するための鉄筋継手であって、一方の鉄筋の端部が緩挿される第1スリーブと、他方の鉄筋の端部が緩挿される第2スリーブと、両端部がそれぞれ前記第1スリーブおよび前記第2スリーブに対して緩挿される接合用鉄筋とを有し、前記第1スリーブの一端部に前記一方の鉄筋の端部を緩挿するとともに該第1スリーブの他端部に前記接合用鉄筋の一端部を緩挿し、前記第2スリーブの一端部に前記他方の鉄筋の端部を緩挿するとともに該第2スリーブの他端部に前記接合用鉄筋の他端部を緩挿して、前記第1スリーブ内および前記第2スリーブ内にそれぞれグラウト材を充填して硬化させることにより、前記一方の鉄筋と前記他方の鉄筋とを前記第1スリーブ、前記接合用鉄筋、前記第2スリーブを介して接合する構成とし、前記接合用鉄筋の少なくとも中央部にオネジを形成して該接合用鉄筋の外周部にロックナットを螺着可能とし、かつ、前記ロックナットの外周面の一部にオネジを形成するとともに、前記第1スリーブの他端部の内周面に該ロックナットにおける前記オネジが螺合するメネジを形成して、それらオネジとメネジとの螺合により前記ロックナットを前記第1スリーブの他端部に対して螺着可能とすることにより、該ロックナットを介して前記接合用鉄筋を前記第1スリーブに対して保持可能に構成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鉄筋継手を介して互いに接合されるプレキャストコンクリート部材であって、プレキャストコンクリート造の本体部に埋設されている鉄筋の一端部に前記第1スリーブの一端部を緩挿した状態で埋設して、該第1スリーブの他端部を前記本体部の一端側の先端面に開口させておくとともに、前記鉄筋の他端部に前記第2スリーブの一端部を緩挿した状態で埋設して、該第2スリーブの他端部を前記本体部の他端側の基端面に開口させておき、前記先端面に開口している前記第1スリーブの他端部に対して前記接合用鉄筋の一端部が緩挿されるとともに、該接合用鉄筋に前記ロックナットが螺着されて前記第1スリーブの他端部に対して螺着されることにより、前記接合用鉄筋が前記ロックナットを介して前記第1スリーブに対して保持可能に構成されてなることを特徴とする。
本発明の鉄筋継手は、接合対象の双方の鉄筋の一方に対して第1スリーブを緩挿し、その第1スリーブに対して接合用鉄筋を緩挿してロックナットにより確実に保持したうえで、接合用鉄筋に対して第2スリーブを緩挿し、第1スリーブ内および第2スリーブ内にグラウト材を充填し硬化させることにより、双方の鉄筋どうしを第1スリーブ、接合用鉄筋、第2スリーブを介して確実堅固に接合することができる。
本発明のPCa部材は上記の鉄筋継手により互いに接合されるものであって、双方のPCa部材どうしを接合するに際して一方のPCa部材に対して接合用鉄筋を装着する構成であるので、従来のPCa部材のように鉄筋を予め突出させて設けておく必要がなく、したがってその分だけ全長を短縮し得て搬送時や施工時の取り扱いが容易となり、施工性を大きく改善することができる。
また、鉄筋を突出させておく必要がないことから、PCa部材の製作の際に型枠の加工や組み立て、解体の手間を格段に軽減でき、その製作コストを十分に削減することができる。
本発明の実施形態である鉄筋継手の概略構成を示す図である。 同、鉄筋継手の組み立て状態を示す図であり、(a)は第1スリーブ、(b)は第2スリーブ、(c)はロックナットを装着した接合用鉄筋、(d)は接合用鉄筋、(e)はロックナットをそれぞれ示す図である。 本発明の実施形態であるPCa部材の概略構成を示す図である。 同、PCa部材による梁の施工工程を示す図であり、(a)は第1スリーブに対して接合用鉄筋を装着する工程、(b)は他のPCa部材を突き合わせる工程、(c)は接合が完了した状態を示す図である。 同、接合部の一例を示す図(図4(c)におけるV部の拡大図)である。 同、接合部の他の例を示す図(図4(c)におけるVI部の拡大図)である。 同、PCa部材の製作工程を示す図である。 従来の鉄筋継手およびそれにより接合される従来の柱用のPCa部材の施工工程を示すもので、(a)は双方のPCa部材どうしを突き合わせる工程、(b)は接合が完了した状態を示す図である。 同、従来のPCa部材に埋設された従来の鉄筋継手としてのスリーブの詳細を示す図(図8(a)におけるIX部の拡大図)である。 同、従来のPCa部材の製作工程を示す図である。
本発明の鉄筋継手の実施形態を図1〜図2を参照して説明する。
図1は本実施形態の鉄筋継手20によって接合対象の2本の鉄筋A,B(図示例ではいずれもネジ鉄筋)どうしを軸方向に接合した状態を示す図、図2は本実施形態の鉄筋継手20の構成要素を示す図である。
本実施形態の鉄筋継手20は、図2に示す各構成要素、すなわち(a)に示す第1スリーブ21、(b)に示す第2スリーブ22、(d)に示す接合用鉄筋23、(e)に示すロックナット24からなる。
それらの構成要素のうち、第2スリーブ22は実質的に図9に示した従来の鉄筋継手としてのスリーブ5と同様のものであって、両端部にグラウト材を充填するための2個所の充填口25(一方は空気抜き口として使用される)を有し、内面には環状のリブ26が形成されているものである。
第1スリーブ21は基本的には第2スリーブ22と同一形状・同一寸法とされたものであるが、一方の端部(図2(a)において右端部)の内周面にメネジ21aが形成されていて、そこにロックナット24が螺着可能とされている点で第2スリーブ22とは異なるものである。
接合用鉄筋23は外周面にオネジが形成されたネジ鉄筋であり、その径寸法は接合対象の鉄筋A,Bと同等(したがって第1スリーブ21および第2スリーブ22に対して緩挿可能)とされ、かつその長さ寸法は(c)に示すように中央部にロックナット24が螺着された状態でその両側がそれぞれ第1スリーブ21および第2スリーブ22のほぼ中央部に達する位置まで挿入可能に設定されている。
ロックナット24は(c)に示すように接合用鉄筋23の中央部においてその外周部に螺着されて使用されるものであるが、このロックナット24の外周面の一部にはオネジ24aも形成されていて、そのオネジ24aを上記の第1スリーブ21の端部に形成されているメネジ21aに螺合させることにより、このロックナット24は第1スリーブ21に対して螺着可能とされている。
したがって、接合用鉄筋23に螺着したロックナット24をさらに第1スリーブ21に対して螺着することにより、接合用鉄筋23をロックナット24を介して第1スリーブ21に対して確実に保持可能とされている。
この鉄筋継手20により鉄筋A,Bどうしを接合するには、第1スリーブ21の一端部(図1において左端部)に一方の鉄筋Aの端部を緩挿するとともに、この第1スリーブ21の他端部(同、右端部)に接合用鉄筋23の一端部(同、左端部)を緩挿する。
その際、接合用鉄筋23のほぼ中央部にロックナット24を予め螺着しておくか、あるいは接合用鉄筋23を第1スリーブ21に挿入してからそれにロックナット24を螺着して、そのロックナット24を第1スリーブ21に対して螺着することにより、接合用鉄筋23をロックナット24を介して第1スリーブ21に対して確実に保持する。
一方、第2スリーブ22の一端部(同、右端部)に他方の鉄筋Bの端部を緩挿するとともに、この第2スリーブ22の他端部(同、左端部)に接合用鉄筋23の他端部(同、右端部)を緩挿する。
以上により、双方の鉄筋A,Bが、第1スリーブ21、接合用鉄筋23、ロックナット24,第2スリーブ22を介して軸方向に一連に連結された状態となるので、第1スリーブ21内および第2スリーブ22内にグラウト材を充填する。その際、第1スリーブ21および第2スリーブ22にそれぞれ2個所ずつ形成されている充填口25のいずれか一方を空気抜き口として他方からからグラウト材を充填すれば良い。
これにより、第1スリーブ21内および第2スリーブ22内に完全にグラウト材が充填され、そのグラウト材が硬化すれば双方の鉄筋A,Bどうしが鉄筋継手20を介して構造的に接合される。
以上で本発明の鉄筋継手20の実施形態について説明したが、次に、本発明のプレキャストコンクリート部材(PCa部材)の実施形態について図3〜図7を参照して説明する。
本実施形態のPCa部材30は、上記の鉄筋継手20を介して互いに接合されて建物の梁を構成するためのもので、図3に示すように主筋32(梁主筋)およびせん断補強筋33(肋筋)が埋設されているプレキャストコンクリート造(PCa造)の本体部31を主体とするものである。
そして、このPCa部材30には、主筋32の一端部(図3において右端部)に上記の鉄筋継手20の構成要素である第1スリーブ21の一端部を緩挿した状態で埋設して、その第1スリーブ21の他端部を本体部31の一端側の先端面に開口させておく。
また、主筋32の他端部(同、左端部)には第2スリーブ22の一端部を緩挿した状態で埋設して、その第2スリーブ22の他端部を本体部31の他端側の基端面に開口させておく。
なお、第1スリーブ21および第2スリーブ22における充填口25にはそれぞれ短管34を接続しておく。
そして、上記の第1スリーブ21に対して、主筋32と同一のネジ鉄筋からなる接合用鉄筋23を緩挿するとともに、その接合用鉄筋23に上記のロックナット24を螺着し、さらにそのロックナット24を第1スリーブ21に対して螺着することにより、接合用鉄筋23をロックナット24を介して第1スリーブ21に対して(すなわちPCa部材30に対して)保持可能とされている。
これにより、接合用鉄筋23はPCa部材30の本体部31の一端部に対してその先端面から突出する状態で保持されて主筋32の一部として機能するものとなり、その状態では実質的に図8に示した従来のPCa部材1と同様の形態となる。
したがって、本実施形態のPCa部材30では、実質的に図8に示した従来のPCa部材1の施工工程と同様の工程により容易にその施工が可能である。
すなわち、図4(a)に示すように、既に施工されているPCa部材30の先端面に開口している第1スリーブ21に対して接合用鉄筋23を緩挿し、(b)に示すようにその接合用鉄筋23をロックナット24により第1スリーブ21に対して螺着して保持した状態で、それに接合するべき他のPCa部材30の他端側の基端面に開口している第2スリーブ22を接合用鉄筋23に緩挿して双方のPCa部材30の端面どうしを突き合わせ、しかる後に、第1スリーブ21内および第2スリーブ22内にグラウト材35を充填して(c)に示すように硬化させれば良い。
その際、図5に示すように、双方のPCa部材30の突き合わせ面の間には若干の隙間を確保してそこにもグラウト材35を充填すると良い。
なお、図5に示しているようにPCa部材30の先端面を単なる平坦面としておいてロックナット24を上記の隙間内においてグラウト材35に埋設することでも良いが、あるいは図6に示すように第1スリーブ21の開口端の周囲に凹部36を形成しておいて、ロックナット24をその凹部36内に収容する状態で螺着することでも良い。
本実施形態のPCa部材30によれば、PCa部材30どうしを接合するに際して一方のPCa部材30に対して接合用鉄筋23を装着して保持する手間は要するものの、実質的に図8〜図9に示したような単なるスリーブ5からなる従来の鉄筋継手による従来のPCa部材1どうしを接合する場合と同様に、PCa部材30どうしを簡単かつ単純な作業で確実に接合可能なものである。
そして本実施形態のPCa部材30によれば、接合用鉄筋23を第1スリーブ21に対してロックナット24により保持する構成としていることから、従来のPCa部材1のように予め鉄筋を本体部から突出させて設けておく必要はなく、したがってその分だけ全長を短くすることができるし、搬送時や施工時の取り扱いが容易になり、施工性を大きく改善することができる。
また、本実施形態のPCa部材30では主筋32を突出させておく必要がないことから、このPCa部材30の製作も格段に容易になる。
すなわち、本実施形態のPCa部材30を製作するには、図7に示すように主筋32およびせん断補強筋33の周囲に型枠37を組み立ててコンクリートを打設充填するのであるが、その際には従来のように主筋32を型枠37を貫通させて外側に突出させる必要がないから型枠37に対する穴明け作業を行う必要はないし、型枠37の組立作業や解体作業も格段に容易になり、したがって製作コストを十分に削減することが可能である。
なお、図6に示したようにPCa部材30の先端面にロックナット24を収納するための凹部36を形成する場合には、型枠37の内面にそのための凸部を設けておけば良い。
従来の鉄筋継手では1個所の接合部につき1本のスリーブ5のみで接合可能であるのに対し、本発明の鉄筋継手20およびそれによるPCa部材30では1個所の接合部につき2本のスリーブ(第1スリーブ21と第2スリーブ22)と接合用鉄筋23およびロックナット24を必要とするので、継手自体のコスト増は不可避であるが、上記のような施工性改善効果とそれによる工期短縮効果、PCa部材の製作コスト削減効果によって、継手コスト増を相殺するに十分なコスト削減効果を図ることができる。
また、本発明においては、接合用鉄筋23をロックナット24によって第1スリーブ21に対して螺着することで確実に保持するようにしたので、PCa部材30に装着した接合用鉄筋23がぐらついたり位置ずれを生じる懸念もなく、そのため接合作業を容易にかつ確実に実施することが可能である。
なお、上記のようにロックナット24を用いることなく接合用鉄筋23を単に第1スリーブ21に挿入するだけとしたり、あるいはたとえばゴムパッキンの如き部材で簡易に保持するようなことも考えられなくはないが、そのようなことでは接合用鉄筋23を確実に保持できないので接合作業時に容易に抜け落ちたり位置ずれが生じてしまうから好ましくなく、あくまで本発明のようにロックナット24の螺着により機械的に確実に保持すべきである。
以上で本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって、本発明は上記実施形態に限定されることなく,たとえば以下に列挙するような適宜の設計的変更や応用が可能である。
上記実施形態の鉄筋継手20では接合対象の鉄筋A,Bをいずれもネジ鉄筋としたが、それに限らず、第1スリーブ21および第2スリーブ22に挿入可能であり、かつグラウト材35の充填により第1スリーブ21および第2スリーブ22に対して確実に定着されるものであれば、通常の異形鉄筋その他の鉄筋も同様に接合可能であるし、異種の鉄筋どうしを接合する場合にも適用可能である。
また、上記実施形態では接合用鉄筋23としてネジ鉄筋を用いたが、接合用鉄筋23は少なくともその中央部に対してロックナット24が螺着できるものであれば良く、したがって接合用鉄筋23は必ずしもその全長をネジ鉄筋とすることはなく、たとえば異形鉄筋等の中央部にオネジを形成したものや、短いネジ鉄筋の両側に異形鉄筋等を溶接したものであっても良い。
上記実施形態の鉄筋継手20ではロックナット24を第1スリーブ21に対して螺着するべく第1スリーブ21にメネジ21aを設けるものとしたが、逆に第2スリーブ22にメネジを設けてロックナット24を第2スリーブ22に対して螺着するようにしても全く同様である。換言すれば、本発明においてはメネジの有無を除いて同一の2本のスリーブを用いるものであるので、ロックナット24を螺着する方のスリーブにメネジを形成してそれを第1スリーブとして用い、他方をメネジのない第2スリーブとして用いれば良く、その第2スリーブとしては従来の鉄筋継手としてのスリーブをそのまま用いることも可能である。
上記のように本発明においては2本のスリーブのいずれか一方に対してロックナットを螺着する構成とすることを基本とするものであって通常はそれで十分ではあるが、必要であれば上記実施形態における第2スリーブ22に対しても第1スリーブ21と同様にメネジを形成しておいて、ロックナット24を第1スリーブ21と第2スリーブ22の双方に対して装着可能としておく(換言すれば、第2スリーブ22を用いることなく2本の第1スリーブ21を用いる)ことも考えられる。
その場合は、部品の共通化による部品点数の削減と第1スリーブ21の大量生産によるコストダウンを図ることができるし、配筋状況や施工上の都合に応じてロックナット24を2本の第1スリーブ21のいずれか一方に対して選択的に螺着することが可能となる。さらには、必要であれば接合用鉄筋23の両端部を2本の第1スリーブ21の双方に対してそれぞれロックナット24により機械的に接合することにより、接合強度のさらなる増強を図ることも可能である。
本発明の鉄筋継手は上記実施形態のようにPCa部材どうしを接合するためのものとして用いることが好適であり現実的であるが、それに限らず、通常の配筋作業に際して鉄筋どうしを単に接合する場合にも適用可能であることはいうまでもない。
上記実施形態のPCa部材30は梁用のものとしたが、本発明のPCa部材は梁用のPCa部材のみならず、柱用や壁用、床用その他のPCa部材としても同様に適用可能であることは当然である。
A,B 鉄筋
20 鉄筋継手
21 第1スリーブ
21a メネジ
22 第2スリーブ
23 接合用鉄筋
24 ロックナット
24a オネジ
25 充填口
26 リブ
30 PCa部材(プレキャストコンクリート部材)
31 本体部
32 主筋
33 せん断補強筋
34 短管
35 グラウト材
36 凹部
37 型枠

Claims (2)

  1. 鉄筋どうしを軸方向に接合するための鉄筋継手であって、
    一方の鉄筋の端部が緩挿される第1スリーブと、他方の鉄筋の端部が緩挿される第2スリーブと、両端部がそれぞれ前記第1スリーブおよび前記第2スリーブに対して緩挿される接合用鉄筋とを有し、
    前記第1スリーブの一端部に前記一方の鉄筋の端部を緩挿するとともに該第1スリーブの他端部に前記接合用鉄筋の一端部を緩挿し、前記第2スリーブの一端部に前記他方の鉄筋の端部を緩挿するとともに該第2スリーブの他端部に前記接合用鉄筋の他端部を緩挿して、前記第1スリーブ内および前記第2スリーブ内にそれぞれグラウト材を充填して硬化させることにより、前記一方の鉄筋と前記他方の鉄筋とを前記第1スリーブ、前記接合用鉄筋、前記第2スリーブを介して接合する構成とし、
    前記接合用鉄筋の少なくとも中央部にオネジを形成して該接合用鉄筋の外周部にロックナットを螺着可能とし、
    かつ、前記ロックナットの外周面の一部にオネジを形成するとともに、前記第1スリーブの他端部の内周面に該ロックナットにおける前記オネジが螺合するメネジを形成して、それらオネジとメネジとの螺合により前記ロックナットを前記第1スリーブの他端部に対して螺着可能とすることにより、該ロックナットを介して前記接合用鉄筋を前記第1スリーブに対して保持可能に構成したことを特徴とする鉄筋継手。
  2. 請求項1記載の鉄筋継手を介して互いに接合されるプレキャストコンクリート部材であって、
    プレキャストコンクリート造の本体部に埋設されている鉄筋の一端部に前記第1スリーブの一端部を緩挿した状態で埋設して、該第1スリーブの他端部を前記本体部の一端側の先端面に開口させておくとともに、
    前記鉄筋の他端部に前記第2スリーブの一端部を緩挿した状態で埋設して、該第2スリーブの他端部を前記本体部の他端側の基端面に開口させておき、
    前記先端面に開口している前記第1スリーブの他端部に対して前記接合用鉄筋の一端部が緩挿されるとともに、該接合用鉄筋に前記ロックナットが螺着されて前記第1スリーブの他端部に対して螺着されることにより、前記接合用鉄筋が前記ロックナットを介して前記第1スリーブに対して保持可能に構成されてなることを特徴とするプレキャストコンクリート部材。
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