JP5717983B2 - 部材の接合構造、建物、及び部材の接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部材を接合する部材の接合構造、この部材の接合構造を有する建物、及び部材を接合する部材の接合方法に関する。
建設工事の工期短縮や施工品質向上等を目的として、さまざまな施工の合理化技術が提案されている。施工の合理化技術の1つとして、施工性に優れた構造部材の接合構造や接合方法が挙げられる。
図14に示すように、特許文献1の定着構造500では、主筋502によりPC柱部材504とPC梁部材506とを接合している。主筋502の先端には螺条部材508が接合されている。また、PC梁部材506の上面に設けられた凹部510内で、螺条部材508に定着板512が螺合されて取り付けられている。このような構成により、主筋502がPC梁部材506に定着される。
しかし、特許文献1の定着構造500は、定着板512の外形よりも大きな開口部を有する凹部510をPC梁部材506の上面に設けなければならない。よって、PC柱部材504とPC梁部材506との仕口部に大きな断面欠損を有することになり、これが構造上の弱点となることが考えられる。
また、定着板を外側へ押し出そうとする方向の大きな軸力(図14の場合、定着板512を上方向へ押し出そうとする力)が主筋に作用する仕口部に定着構造500を適用した場合、凹部にモルタル等の補修材を充填する程度では十分な背面被りの強度が期待できない。
特開2008−144526号公報
本発明は係る事実を考慮し、仕口部の断面欠損を小さくすることが可能な部材の接合構造、建物、及び部材の接合方法を提供することを課題とする。
第1態様の発明は、第1部材と第2部材とを接合する部材の接合構造において、前記第1部材に埋設された環状の定着部材と、前記定着部材に連通する連通孔と前記定着部材とにより形成され前記第1部材を貫通する貫通孔と、前記第2部材に設けられた接合孔と、前記貫通孔と前記接合孔とが連通するように前記第1部材に対して前記第2部材を配置した状態で前記定着部材と前記接合孔とへ挿入される棒状の接合部材と、前記接合部材が前記接合孔へ挿入された後に前記貫通孔と前記接合孔とに充填される硬化剤と、を有する部材の接合構造である。
第1態様の発明では、定着部材、貫通孔、接合孔、接合部材及び硬化剤を有する部材の接合構造により、第1部材と第2部材とを接合する。
第1部材には、環状の定着部材が埋設されている。また、定着部材と、定着部材に連通する連通孔とにより、第1部材を貫通する貫通孔が形成されている。第2部材には、棒状の接合部材が挿入される接合孔が設けられている。
そして、貫通孔と接合孔とが連通するように、第1部材に対して第2部材を配置した状態で、定着部材と接合孔とへ接合部材を挿入する。さらに、接合部材を接合孔へ挿入した後に、貫通孔と接合孔とに硬化剤を充填する。
よって、第1部材と第2部材とを簡単な方法で接合することができるので、第1部材と第2部材との接合作業の手間を低減し、効率よく接合作業を行うことが可能となる。
また、第1部材に対して第2部材を配置した後に接合部材を接合孔へ挿入するので、第1部材の接合面と第2部材の接合面とが密着するように、又は第1部材の接合面と第2部材の接合面との間に小さな隙間を有するようにして、第1部材に対して第2部材を配置することができる。
これにより、第1部材の接合面と第2部材の接合面との間にコンクリートを後打ちする作業や、コンクリートを後打ちするための型枠設置作業などの煩雑な作業を無くすことが可能となり、施工性の向上を図ることができる。
また、第1部材を貫通する貫通孔の径の大きさは、接合部材を挿入できる大きさであればよい。すなわち、第1部材の仕口部に形成する貫通孔の径を小さくすることができるので、定着部材を挿入するための大きな径の貫通孔を第1部材の仕口部に形成する必要がある部材の接合構造に比べて、第1部材の仕口部の断面欠損を小さくすることができる。
第2態様の発明は、第1態様の部材の接合構造において、前記定着部材の内壁には、前記接合部材に形成された雄ネジが捩じ込まれる雌ネジが形成されている。
第2態様の発明では、接合部材に形成された雄ネジが、定着部材の内壁に形成された雌ネジに捩じ込まれることにより、接合部材と定着部材とは接触するので、接合部材の軸力を定着部材に確実に伝達することができる。
第3態様の発明は、第1又は第2態様の部材の接合構造において、前記連通孔は、前記第1部材に埋設された管材により形成されている。
第3態様の発明では、第1部材に埋設された管材によって連通孔を形成するので、簡単に連通孔を形成することができる。
第4態様の発明は、第3態様の部材の接合構造において、前記定着部材は、前記管材の外面よりも半径方向へ拡径した鍔部を備えている。
第4態様の発明では、定着部材が鍔部を備えている。鍔部は、管材の外面よりも半径方向へ拡径している。よって、鍔部に生じる支圧によって第1部材に接合部材を確実に定着することができる。
第5態様の発明は、第1〜第4態様の何れか1態様の部材の接合構造を有する建物である。
第5態様の発明では、仕口部の断面欠損を小さくすることが可能な部材の接合構造を有する建物を構築することができる。
第6態様の発明は、第1部材と第2部材とを接合する部材の接合方法において、前記第1部材を貫通する貫通孔と前記第2部材に設けられた接合孔とが連通するように、前記第1部材に対して前記第2部材を配置する配置工程と、前記第1部材に埋設され前記貫通孔を連通孔と連通して形成する環状の定着部材と前記接合孔とに棒状の接合部材を挿入する接合工程と、前記接合孔に前記接合部材が挿入された後に前記貫通孔と前記接合孔とに硬化剤を充填する充填工程と、を有する部材の接合方法である。
第6態様の発明では、配置工程、接合工程及び充填工程を有する部材の接合方法により、第1部材と第2部材とを接合する。
配置工程では、第1部材を貫通する貫通孔と、第2部材に設けられた接合孔とが連通するように、第1部材に対して第2部材を配置する。
接合工程では、第1部材に埋設された環状の定着部材と、接合孔とに、棒状の接合部材を挿入する。定着部材は、連通孔と連通して貫通孔を形成する。
充填工程では、接合孔に接合部材が挿入された後に、貫通孔と接合孔とに硬化剤を充填する。
よって、第1部材と第2部材とを接合する部材の接合方法において、第1態様と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記構成としたので、仕口部の断面欠損を小さくすることが可能な部材の接合構造、建物、及び部材の接合方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る部材の接合構造を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る定着部材を示す拡大図である。 図1のB−B矢視図である。 本発明の実施形態に係る柱部材の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る貫通孔の形成方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る部材の接合方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るグラウト充填方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る定着部材の変形例を示す拡大図である。 本発明の実施形態に係るグラウト充填方法の変形例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る定着部材の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る定着部材の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る部材の接合構造の適用例を示す説明図である。 従来の定着構造を示す説明図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明の部材の接合構造について説明する。
図1の斜視図には、建物(不図示)の構成要素となる第1部材としてのプレキャスト製の柱部材12と、第2部材としてのプレキャスト製の梁部材14とが、本発明の部材の接合構造10によって接合されている例が示されている。柱部材12と梁部材14とは、鉄筋コンクリートによって形成されている。
図1のA−A断面図である図2に示すように、部材の接合構造10は、定着部材16、貫通孔18、接合孔20、接合部材としての棒状のねじ節鉄筋22、及び硬化剤としてのグラウト24、78を有している。
柱部材12には、環状に形成された鋼製の定着部材16が埋設されている。図3の拡大図に示すように、定着部材16は、ねじ節鉄筋22の外周に形成された雄ネジが捩じ込まれる雌ネジが中空部40の内壁に形成された六角柱状のナット部26と、ナット部26の端部に設けられた円環状(中央に穴が形成された円板)の鍔部28とを備えている。鍔部28は、後に説明する管材としてのシース管30、32の外面よりも半径方向へ拡径している。
柱部材12には、柱部材12を略水平に貫通する貫通孔18が形成されている。図1のB−B矢視図である図4に示すように、貫通孔18は、柱部材12の仕口部34の上部及び下部において、横方向に所定の間隔をあけてそれぞれ4つ設けられている。すなわち、合計8つの貫通孔18が柱部材12に形成されている。
図2、3に示すように、貫通孔18は、管材としてのシース管30、32の連通孔36、38と、定着部材16の中空部40とが連通するように、シース管30、定着部材16、シース管32の順に一直線状につなげて柱部材12に埋設することにより形成されている。
梁部材14の接合端部42には、ねじ節鉄筋22が挿入される接合孔20が設けられたねじ込み式継手部材としての機械式継手46が埋設されている。接合孔20の内壁には、ねじ節鉄筋22の外周に形成された雄ネジが捩じ込まれる雌ネジが形成されている。機械式継手46には、梁部材14に設けられた梁主筋50の端部が接合されている。
機械式継手46及び梁主筋50は、梁部材14の横断面に対し梁部材14の上部及び下部において、横方向に所定の間隔をあけてそれぞれ設けられている。
また、図1に示すように、柱部材12に対して梁部材14が正規の接合位置に配置された状態で、機械式継手46及び梁主筋50と、柱部材12に設けられた貫通孔18との配置は、ほぼ一致するようになっている。
図2に示すように、ねじ節鉄筋22は、貫通孔18と接合孔20とが連通するように柱部材12に対して梁部材14を配置した状態で、定着部材16と接合孔20とへ捩じ込んで挿入する。さらに、ねじ節鉄筋22を接合孔20へ挿入した後に、貫通孔18と接合孔20とにグラウト24を充填し硬化させる。
なお、「貫通孔18と接合孔20とが連通するように柱部材12に対して梁部材14を配置する」とは、貫通孔18に挿入した接合部材を接合孔20へ挿入することが可能(接合部材がねじ節鉄筋22の場合には、ねじ込むことが可能)となるように、柱部材12に対して梁部材14を配置することを意味する。貫通孔18の中心と、接合孔20の中心とが一致するように、柱部材12に対して梁部材14を配置するのが好ましい。
ここで、柱部材12の製造方法について、図5(a)〜(c)の側断面図を用いて説明する。
まず、図5(a)に示すように、柱部材12のコンクリートを打設するための型枠を設置する。図5(a)、(b)には、柱部材12のコンクリートを打設するための型枠の内の側型枠52、54が示されている。説明の都合上、柱部材12に設けられる柱主筋やせん断補強筋は省略されているが、図5(a)の段階で必要に応じて適宜配置すればよい。
次に、図5(a)、及び図6の斜視図に示すように、心棒56を、シース管32、定着部材16、シース管30へこの順に挿入する。そして、側型枠52、54に形成された孔58、60から側型枠52、54の外側へ心棒56の両端部を貫通させて、側型枠52から側型枠54へ心棒56を掛け渡し、側型枠52、54の内側にシース管30、定着部材16及びシース管32を配置する。
そして、この状態で、心棒56の両端部に形成された雄ネジにナット62を捩じ込み、締め付けることによって、側型枠52、54に心棒56を固定する。
次に、図5(b)に示すように、型枠内(側型枠52と側型枠54との間)にコンクリートVを打設する。
次に、型枠内に打設したコンクリートVが硬化した後に、ナット62を心棒56から外し、心棒56をコンクリートVから引き抜く。
そして、脱型することにより、図5(c)に示すように、柱部材12が構築される。柱部材12には、シース管30、定着部材16及びシース管32が埋設され、シース管30、定着部材16及びシース管32によって貫通孔18が形成されている。
次に、部材の接合構造10を用いた部材の接合方法について、図7(a)〜(c)の側断面図を用いて説明する。
部材の接合方法では、配置工程、接合工程及び充填工程を有する部材の接合方法により、柱部材12と梁部材14とを接合する。
まず、図7(a)に示すように、配置工程では、柱部材12を貫通する貫通孔18と、梁部材14に設けられた接合孔20とが連通するように、柱部材12に対して梁部材14を配置する。図7(a)〜(c)の例では、柱部材12の接合面44と梁部材14の接合端面48との間に小さな隙間66を有するようにして、柱部材12に対して梁部材14が配置されている。
次に、図7(b)に示すように、接合工程では、柱部材12に埋設された定着部材16と、接合孔20とにねじ節鉄筋22を挿入する(ねじ込む)。このとき、定着部材16の中空部40にねじ節鉄筋22が完全に挿入されていることがわかるように、定着部材16の端面からねじ節鉄筋22の端部を少し突出させることが好ましい。
次に、図7(c)に示すように、充填工程では、接合孔20にねじ節鉄筋22が挿入された後に、貫通孔18と接合孔20とにグラウト24を充填する。
ここで、充填工程について、図8(a)〜(b)の側断面図を用いて詳しく説明する。
まず、図8(a)に示すように、スポイト64等を用いて定着部材16とねじ節鉄筋22との隙間に、エポキシ系の接着剤やセメントミルク等を充填し硬化させる。これにより、定着部材16とねじ節鉄筋22とのガタを止めることができる。
次に、図8(b)に示すように、隙間66の周囲をエアーチューブ72等のシール部材によりシールした後、機械式継手46に設けられたグラウト注入孔68からグラウト24を注入し、シース管32の定着部材16付近に設けられたグラウト排出孔70からグラウト24を排出して、機械式継手46の接合孔20、シース管32の連通孔38、及び隙間66にグラウト24を充填し硬化させる。
これにより、機械式継手46にねじ節鉄筋22を定着するとともに、柱部材12にねじ節鉄筋22を定着することができる。また、隙間66に充填され硬化したグラウト24によって、柱部材12と梁部材14との一体化を図ることができる。
次に、図8(c)に示すように、柱部材12の仕口部34を介して柱部材12の接合面44の逆側に位置する背面76に形成されたシース管30の開口部74からシース管30の連通孔36へ硬化剤としてのグラウト78を充填する。これにより、定着部材16の背面76側後方の背面被り強度を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の実施形態の部材の接合構造10、及び部材の接合方法では、図7(a)〜(c)で示したように、柱部材12と梁部材14とを簡単な方法で接合することができるので、柱部材12と梁部材14との接合作業の手間を低減し、効率よく接合作業を行うことが可能となる。
また、柱部材12に対して梁部材14を配置した後にねじ節鉄筋22を接合孔20へ挿入するので、柱部材12の接合面44と梁部材14の接合端面48とが密着するように、又は柱部材12の接合面44と梁部材14の接合端面48との間に小さな隙間を有するようにして、柱部材12に対して梁部材14を配置することができる。
これにより、柱部材12の接合面44と梁部材14の接合端面48との間にコンクリートを後打ちする作業や、コンクリートを後打ちするための型枠設置作業などの煩雑な作業を無くすことが可能となり、施工性の向上を図ることができる。
また、図4からわかるように、柱部材12を貫通する貫通孔18の径の大きさは、ねじ節鉄筋22を挿入できる大きさであればよい。すなわち、柱部材12の仕口部34に形成する貫通孔18の径を小さくすることができるので、定着部材16を挿入するための大きな径の孔を柱部材12の仕口部34に形成する必要がある部材の接合構造に比べて、柱部材12の仕口部34の断面欠損を小さくすることができる。
また、図7(b)に示すように、ねじ節鉄筋22に形成された雄ネジが、定着部材16の中空部40の内壁に形成された雌ネジに捩じ込まれることにより、ねじ節鉄筋22と定着部材16とは接触するので、ねじ節鉄筋22の軸力は定着部材16に直接伝達される。すなわち、ねじ節鉄筋22の軸力を定着部材16に確実に伝達することができる。
また、図5(c)に示すように、柱部材12に埋設された管材(シース管30、32)によって連通孔36、38を形成するので、簡単に連通孔を形成することができる。
また、定着部材16に備えられた鍔部28に生じる支圧によって、柱部材12にねじ節鉄筋22を確実に定着することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本発明の実施形態では、定着部材及び継手部材を定着部材16及び機械式継手46とし、接合部材としてのねじ節鉄筋22を定着部材16及び機械式継手46に捩じ込むことにより、ねじ節鉄筋22を定着部材16及び機械式継手46に挿入した例を示したが、定着部材及び継手部材は、接合部材を挿入することができ、かつ接合部材との間で力の伝達ができる部材であれば、どのような機構でもよい。
例えば、定着部材及び継手部材を、接合部材としての異形鉄筋を捩じ込まずに挿入することが可能な差し込み式の機械式定着部材及び機械式継手としてもよい。この場合には、機械式定着部材及び機械式継手と、接合部材との間に硬化剤を充填し硬化させて、機械式定着部材及び機械式継手と、接合部材とを一体化する。
図9には、差し込み式の機械式定着部材80に、接合部材としての異形鉄筋82が挿入された状態で、機械式定着部材80と異形鉄筋82との間に硬化剤としてのグラウト24を充填し硬化させて、機械式定着部材80と異形鉄筋82とを一体化している例が示されている。この場合には、異形鉄筋82の軸力がグラウト24を介して機械式定着部材80に伝達される。
図9のような差し込み式の機械式定着部材を用いた場合には、例えば、図10(a)、(b)の側断面図に示すような方法で充填工程を行なうことができる。
まず、図10(a)に示すように、継手部材としての差し込み式の機械式継手84のグラウト注入孔86からグラウト24を注入し、定着部材としての差し込み式の機械式定着部材88のグラウト排出孔90からグラウト24を排出して、機械式継手84、機械式定着部材88及び連通孔38にグラウト24を充填し硬化させる。
これにより、機械式継手84に接合部材としての異形鉄筋82を定着するとともに、柱部材12に異形鉄筋82を定着することができる。また、グラウト24により、異形鉄筋82と機械式定着部材88とが一体化され、異形鉄筋82の軸力を機械式定着部材88に伝達することができる。
次に、図10(b)に示すように、シース管30の開口部74からグラウト78を充填する。これにより、機械式定着部材88の背面76側後方の背面被り強度を向上させることができる。
また、本発明の実施形態では、第1部材及び第2部材を、鉄筋コンクリートに形成されたプレキャスト製の柱部材12及び梁部材14とした例を示したが、第1部材及び第2部材は、スチールファイバ、炭素繊維等を有する繊維補強コンクリートや、高強度コンクリートなどの普通コンクリート以外の材料によって形成してもよい。
また、第1部材及び第2部材のどちらか一方を現場打ちコンクリートによって形成してもよい。
また、本発明の実施形態では、シース管30、定着部材16及びシース管32を一直線状につなげて柱部材12に埋設した例を示したが、定着部材16に伝達されるねじ節鉄筋22の軸力のほとんどは、定着部材16の内側の領域においてねじ節鉄筋22から定着部材16に伝達されるので、シース管30、32を溶接等によって定着部材16に接合しなくてもよい。
また、本発明の実施形態では、定着部材16を鋼製とした例を示したが、定着部材は、ねじ節鉄筋22を柱部材12に定着できるものであれば、どのような材料によって形成してもよいし、どのような形状に形成してもよい。例えば、定着部材は、図11の斜視図に示すように円環状の鋼板92であってもよいし、図12の斜視図に示すようにナット94であってもよいし、肉厚の厚い鋼管であってもよい。
また、本発明の実施形態の図2で示した、柱部材12の仕口部34に対する定着部材16の平面位置は、引張力がねじ節鉄筋22に作用したときにこの引張力に抵抗できる位置であり、かつ所定の背面被り強度が確保できる位置(例えば、鉄筋コンクリート製の柱部材12の場合には、背面被りが100mm以上となる位置)に配置されていればよい。
また、本発明の実施形態では、定着部材16と、管材としてのシース管30、32とを柱部材12に埋設することによって貫通孔18を形成した例を示したが、管材は連通孔36、38を形成することが可能な管状の部材であればよい。また、連通孔36、38は、ねじ節鉄筋22の挿入が可能であれば、どのような方法で柱部材12に形成してもよい。
また、本発明の実施形態で示した、部材の接合構造10及び部材の接合方法は、部材同士をT字状又はL字状に接合する接合構造に適用することができる。例えば、図13(a)、(b)に示すような、柱や壁等の鉛直部材96の上面に、梁や床スラブ等の水平部材98を接合する接合構造や、図13(c)に示すような、柱や壁等の鉛直部材96の側面に、梁や床スラブ等の水平部材98を接合する接合構造に適用することができる。
また、本発明の実施形態の部材の接合構造10は、建物の一部に用いてもよいし、建物の全部に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 部材の接合構造
12 柱部材(第1部材)
14 梁部材(第2部材)
16 定着部材
18 貫通孔
20 接合孔
22 ねじ節鉄筋(接合部材)
24、78 グラウト(硬化剤)
28 鍔部
30、32 シース管(管材)
36、38 連通孔
80、88 機械式定着部材(定着部材)
82 異形鉄筋(接合部材)

Claims (5)

  1. 第1部材と第2部材とを接合する部材の接合構造において、
    前記第1部材に埋設された環状の定着部材と、
    前記定着部材の中空部、及び同孔径であり前記中空部の両端にそれぞれ連通して前記第1部材に設けられた連通孔を有して形成され前記第1部材を貫通する貫通孔と、
    前記第2部材に設けられた接合孔と、
    前記貫通孔と前記接合孔とが連通するように前記第1部材に対して前記第2部材を配置した状態で前記貫通孔の開口部から前記定着部材の中空部へねじ込まずに差し込んで通して前記接合孔へ挿入される棒状の接合部材と、
    前記接合部材が前記接合孔へ挿入された後に前記定着部材よりも前記第2部材側にある前記連通孔と前記接合孔とに充填される硬化剤と、
    を有する部材の接合構造。
  2. 前記連通孔は、前記第1部材に埋設された管材により形成されている請求項1に記載の部材の接合構造。
  3. 前記定着部材は、前記管材の外面よりも半径方向へ拡径した鍔部を備えている請求項2に記載の部材の接合構造。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載された部材の接合構造を有する建物。
  5. 第1部材と第2部材とを接合する部材の接合方法において、
    前記第1部材に埋設された環状の定着部材の中空部、及び同孔径であり前記中空部の両端にそれぞれ連通して前記第1部材に設けられた連通孔を有して形成され前記第1部材を貫通する貫通孔と前記第2部材に設けられた接合孔とが連通するように、前記第1部材に対して前記第2部材を配置する配置工程と、
    前記貫通孔の開口部から前記定着部材の中空部へねじ込まずに差し込んで通して前記接合孔へ棒状の接合部材を挿入する接合工程と、
    前記接合孔に前記接合部材が挿入された後に前記定着部材よりも前記第2部材側にある前記連通孔と前記接合孔とに硬化剤を充填する充填工程と、
    を有する部材の接合方法。
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