JP5694596B1 - 既設建物の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法 - Google Patents

既設建物の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既設建物に差し込まれた複数の軸材に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下を抑制することができる既設建物の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法を提供する。【解決手段】既設建物の耐震補強構造は、既設建物に先端部が差し込まれる複数の軸材22と、複数の軸材22の基端部が遊貫可能な複数の挿通孔28を有する鋼材23と、挿通孔28Aに挿通された軸材22Aの基端部に取り付けられて、鋼材23を挟持する挟持部31と、挿通孔28Bに挿通された軸材22Bの基端部において、鋼材23よりも基端に近い位置に設けられる抜け止め部34と、鋼材23を内部に含んで既設建物と一体化されるコンクリート体24と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、既設建物の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法に関する。
従来、既設建物の耐震補強方法として、既設建物の柱や梁に複数のアンカーボルトを差し込んで、それらアンカーボルトに長尺の鋼板をナットで両面側から挟持するように固定した後、その鋼板の周囲にコンクリートを打設することによって、鋼板入りコンクリート体を既設建物に接合させるものがある(例えば、特許文献1)。
特開平10−152997号公報
ところで、既設建物においては、柱や梁の位置が設計図と異なっていたり、鉄筋等が内蔵されていることによりアンカーボルトを差し込めない箇所があったりして、アンカーボルトを予定の位置に設置できないことがある。また、予定通りの位置にアンカーボルトを差し込んだとしても、差し込んだアンカーボルトが柱や梁の外面に対して傾いて、ナットを取り付ける基端部の位置がずれてしまうことがある。
その点、鋼板にアンカーボルトを挿通する挿通孔を形成する際に、挿通孔を大きめに形成しておけば、現場でアンカーボルトを差し込む位置がずれたり、アンカーボルトに傾きが生じたりしても、鋼板に予め形成された挿通孔にアンカーボルトの基端部を容易に挿通することができるので、現場での施工性がよい。
しかし、挿通孔をアンカーボルトの直径よりも過度に大きくすると、ナットで挟持してコンクリートを打設したときに挿通孔内にコンクリートが打設されない空洞が残ってしまい、アンカーボルト及び鋼材のコンクリート体との一体性が低下してしまう、という課題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、既設建物に差し込まれた複数の軸材に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下を抑制することができる既設建物の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する既設建物の耐震補強構造は、既設建物に先端部が差し込まれる複数の軸材と、前記複数の軸材の基端部が遊貫可能な複数の挿通孔を有する鋼材と、前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の前記基端部に取り付けられて、前記鋼材を挟持する挟持部と、前記挿通孔に挿通された他の前記軸材の前記基端部において、前記鋼材よりも基端に近い位置に設けられる抜け止め部と、前記鋼材を内部に含んで前記既設建物と一体化されるコンクリート体と、を備える。
この構成によれば、一部の軸材に取り付けた挟持部で鋼材を挟持することによって、鋼材の位置決めを適切に行うとともに、他の軸材において鋼材よりも基端に近い位置に設けた抜け止め部によって、鋼材の基端側への移動を規制することができる。また、挟持部に挟持される鋼材の挿通孔内にはコンクリートが入らないのに対して、抜け止め部を設けた軸材の挿通孔内にはコンクリートが入り込むので、挿通孔を大きくした場合にも、全ての軸材に挟持部を取り付ける場合よりも、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下が抑制される。したがって、軸材の基端部が遊貫可能な程度に挿通孔を大きくすることによって、既設建物に差し込まれた複数の軸材に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下を抑制することができる。
上記既設建物の耐震補強構造において、前記既設建物には3以上の前記軸材が差し込まれるとともに前記鋼材は3以上の前記挿通孔を有し、前記抜け止め部が設けられる前記軸材の数が、前記挟持部が取り付けられる前記軸材の数よりも多いことが好ましい。
この構成によれば、抜け止め部が設けられる軸材の数を、挟持部が取り付けられる軸材の数よりも多くすることにより、コンクリートが入り込む挿通孔の数を多くして、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性を高めることができる。
上記課題を解決する既設建物の耐震補強構造は、既設建物に先端部が差し込まれる複数の軸材と、前記軸材の基端部が遊貫可能な複数の挿通孔を有する鋼材と、前記鋼材を内部に含んで前記既設建物と一体化されるコンクリート体と、を備え、前記挿通孔に挿通された一の前記軸材は、前記基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材と連結され、前記挿通孔に挿通された他の前記軸材は、前記挿通孔内に充填された前記コンクリート体によって前記鋼材と連結される。
この構成によれば、一部の軸材に取り付けた挟持部で鋼材を挟持することによって、鋼材の位置決めを適切に行うことができる。また、挟持部に挟持される鋼材の挿通孔内にはコンクリートが入らないのに対して、挟持部を設けない軸材が挿通される挿通孔内にはコンクリートが入り込むので、挿通孔内に充填されたコンクリート体によって軸材と鋼材とを連結することができる。したがって、軸材の基端部が遊貫可能な程度に挿通孔を大きくすることによって、既設建物に差し込まれた複数の軸材に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下を抑制することができる。
上記課題を解決する既設建物の耐震補強構造は、既設建物に先端部が差し込まれる3以上の軸材と、前記軸材の基端部が遊貫可能な3以上の挿通孔を有する鋼材と、前記鋼材を内部に含んで前記既設建物と一体化されるコンクリート体と、を備え、前記挿通孔に挿通された前記3以上の軸材は、前記鋼材を挟持する挟持部が前記基端部に取り付けられる第1軸材と、前記基端部において前記鋼材よりも基端に近い位置に抜け止め部が設けられる第2軸材と、前記抜け止め部及び前記挟持部が設けられない第3軸材と、を含む。
この構成によれば、一部の軸材に取り付けた挟持部で鋼材を挟持することによって、鋼材の位置決めを適切に行うことができる。また、挟持部に挟持される鋼材の挿通孔内にはコンクリートが入らないのに対して、挟持部を設けない第2軸材及び第3軸材が挿通される挿通孔内にはコンクリートが入り込むので、挿通孔内に充填されたコンクリート体によって第2軸材及び第3軸材と鋼材とを連結することができる。したがって、軸材の基端部が遊貫可能な程度に挿通孔を大きくすることによって、既設建物に差し込まれた複数の軸材に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下を抑制することができる。
上記既設建物の耐震補強構造において、前記軸材は、前記既設建物の柱体及び梁体に先端部が差し込まれ、前記柱体と前記梁体が交差する位置に配置された前記軸材に前記挟持部が取り付けられることが好ましい。
この構成によれば、柱体と梁体が交差する位置に配置された軸材に挟持部を取り付けて鋼材を挟持することにより、コンクリート打設前に、鋼材を軸材に対して効率よく位置決めすることができる。
上記既設建物の耐震補強構造において、前記鋼材は、前記既設建物の柱体及び梁体に沿う位置に配置される枠体を構成し、前記挟持部は、少なくとも、前記枠体の角部分に配置されることが好ましい。
この構成によれば、鋼材が既設建物の柱体及び梁体に沿う位置に配置される枠体を構成するときに、その枠体の角部分に挟持部を配置することにより、コンクリート打設前に、鋼材を軸材に対して効率よく位置決めすることができる。
上記課題を解決する既設建物の耐震補強方法は、既設建物に複数の軸材の先端部を差し込む軸材設置工程と、鋼材に設けられた複数の挿通孔に前記複数の軸材の基端部をそれぞれ挿通する挿通工程と、前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材を挟持する挟持工程と、前記挿通孔に挿通された他の前記軸材の基端部において、前記鋼材よりも基端に近い位置に抜け止め部を設ける抜け止め工程と、前記既設建物と接する位置に前記鋼材の周囲を囲むようにコンクリートを打設する打設工程と、を備える。
この構成によれば、上記既設建物の耐震補強構造と同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決する既設建物の耐震補強方法は、既設建物に複数の軸材の先端部を差し込む軸材設置工程と、鋼材に設けられた複数の挿通孔に前記複数の軸材の基端部をそれぞれ挿通する挿通工程と、前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材を挟持する挟持工程と、前記既設建物と接する位置に前記鋼材の周囲を囲むようにコンクリートを打設して、他の前記軸材が挿通された前記挿通孔にコンクリートを充填する打設工程と、を備える。
この構成によれば、上記既設建物の耐震補強構造と同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決する既設建物の耐震補強方法は、既設建物に3以上の軸材の先端部を差し込む軸材設置工程と、鋼材に設けられた3以上の挿通孔に前記3以上の軸材の基端部をそれぞれ挿通する挿通工程と、前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材を挟持する挟持工程と、前記挟持部が取り付けられた前記一の軸材とは別の軸材の基端部において、前記鋼材よりも基端に近い位置に抜け止め部を設ける抜け止め工程と、前記3以上の軸材のうちの一部に、前記抜け止め部及び前記挟持部を設けない軸材を残した状態で、前記既設建物と接する位置に前記鋼材の周囲を囲むようにコンクリートを打設して、前記挟持部に挟まれない前記挿通孔にコンクリートを充填する打設工程と、を備える。
この構成によれば、上記既設建物の耐震補強構造と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、既設建物に差し込まれた複数の軸材に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材及び鋼材のコンクリート体との一体性の低下を抑制することができる。
既設建物の耐震補強構造の一実施形態を模式的に示す正面図。 既設建物に取り付けられた補強部を示す断面図。 既設建物に取り付けられた補強部を示す断面図。 補強部を構成する軸材、鋼材、抜け止め部及び挟持部を示す分解斜視図。 コンクリートを打設する様子を模式的に示す説明図。 (a)は補強部の第1変更例を示す正面図、(b)は補強部の第2変更例を示す正面図、(c)は補強部の第3変更例を示す正面図。 補強部の第4変更例を示す断面図。
以下、既設建物の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、既設建物11を支える構造体である柱体12及び梁体13には、耐震補強のための補強部21が連結される。補強部21は、例えば、既設建物11に設けられた窓や出入り口などの開口部14を塞がないように矩形枠状に形成される。矩形枠状の補強部21は、例えば図1に二点鎖線で示すように、既設建物11の階数や柱体12の位置に応じて、任意に増設することが可能である。
図2に示すように、補強部21は、既設建物11の柱体12及び梁体13に先端部が差し込まれる複数の軸材22と、軸材22の基端部に取り付けられる鋼材23と、鋼材23を内部に含んで既設建物11と一体化されるコンクリート体24と、を備える。すなわち、補強部21は、鋼材入りコンクリート体である。本実施形態の鋼材23は、例えば長尺の鋼板であり、柱体12及び梁体13の配置に応じて適宜接合されることによって、既設建物11の柱体12及び梁体13に沿う位置に配置される正面視矩形状の枠体を構成する。なお、鋼材23の接合は、溶接によって行うこともできるし、ボルト及びナットで挟むことによって行うこともできる。
補強部21は、図2に二点鎖線で示すように、柱体12及び梁体13に対して斜めに交差するように設けられる斜状補強部材25を有してもよい。斜状補強部材25は、例えば鋼材23に連結される両端部を除いてコンクリート被覆されたコンクリートプレキャスト体であってもよいし、伸縮可能な棒状のオイルダンパーなど、制震装置として機能するものであってもよい。
図3に示すように、軸材22は、軸材22よりも全長(図3では左右方向の長さ)が短くなるように既設建物11の柱体12(または梁体13)に形成された挿入孔15に先端部(図3では左端部)が挿入される。このとき、軸材22の基端部(図3では右端部)は既設建物11の柱体12(または梁体13)から突出する態様となる。
鋼材23は、複数の軸材22の基端部が遊貫可能な複数の挿通孔28を有する。挿通孔28は、軸材22への取り付けに先立って、既設建物11の設計図等に基づいて予め位置が定められ、形成されるものである。これに対して、軸材22が挿入される挿入孔15は、鋼材23の挿通孔28と対応する位置に設けるべく、現場で形成されるものであるが、既設建物11の実際の構造が設計図と異なっていたり、鉄筋等が内蔵されていたりすると、挿入孔15の形成位置が予定の位置よりずれることがある。また、挿入孔15の形成角度が壁面に対して斜めになった場合には、挿入孔15に差し込まれた軸材22が傾いて、その基端部の位置が挿通孔28に対してずれることがある。
そのため、挿通孔28は、挿入孔15の形成位置がずれたり、軸材22が傾いたりした場合にも、軸材22を挿通することが可能なように、軸材22の軸経よりも大きめに形成し、軸材22が遊貫されるようにする。例えば、挿通孔28の直径をD1、軸材22の軸経をD2としたときに、D1=D2+2mm程度のクリアランスで軸材22を挿通孔28に挿通することができる場合に、D1=D2+20mm程度のクリアランスを確保する。そうすれば、複数の軸材22の基端部の位置がずれたとしても、鋼材23の取り付け作業を容易に行うことが可能である。
そして、挿通孔28のうちの一部である挿通孔28Aに挿通された軸材22(22A)の基端部には、鋼材23を挟持するように挟持部31が取り付けられる。挟持部31は、例えば二組の座金32とナット33によって構成される。なお、挟持部31を座金32とナット33によって構成する場合、軸材22Aは、その基端部にナット33に形成される雌ねじ部と対応する雄ねじ部を有するアンカーボルトとするとよい。また、座金32は、挿通孔28の開口を覆うことができる大きさにする。
挿通孔28のうちの一部である挿通孔28Bに挿通された軸材22Aとは別の軸材22(22B)の基端部には、鋼材23よりも基端に近い位置に抜け止め部34が設けられる。抜け止め部34は、例えば一組の座金32とナット33によって構成される。なお、抜け止め部34を座金32とナット33によって構成する場合、軸材22Bは、その基端部にナット33に形成される雌ねじ部と対応する雄ねじ部を有するアンカーボルトとするとよい。
抜け止め部34が取り付けられる軸材22Bの数は、挟持部31が取り付けられる軸材22Aの数よりも多いことが好ましい。一例として、複数の鋼材23が接合されることにより、既設建物11の柱体12及び梁体13に沿う位置に配置される正面視矩形枠状の枠体を構成する場合に、その枠体の角部分にのみ挟持部31を配置する。また、他の例として、その枠体の角部分に加えて柱体12または梁体13の長手方向に並ぶ複数の軸材22のうちの一部に挟持部31を設ける。このように鋼材23が枠体を構成する場合、例えば162本の軸材22に対して58本の軸材22Aに挟持部31を設けるなど、施工上適切に位置決めを行うために、軸材22全体の1〜4割程度を挟持部31を取り付ける軸材22Aとすることが好ましい。
挿通孔28に挿通された軸材22のうちの一部には、座金32とナット33が取り付けられない。このように、座金32とナット33によって鋼材23と連結されない軸材22を軸材22Cといい、軸材22Cが挿通される挿通孔28を挿通孔28Cという。なお、軸材22Cには雄ねじ部を設けなくてもよいが、軸材22A、22Bと部品を共通化するために、軸材22A、22Bと同様の構成とすることが好ましい。
このように、挿通孔28に挿通された3以上の軸材22は、鋼材23を挟持する挟持部31が基端部に取り付けられる第1軸材22Aと、基端部において鋼材23よりも基端に近い位置に抜け止め部34が設けられる第2軸材22Bと、抜け止め部34及び挟持部31が設けられない第3軸材22Cと、を含む。
鋼材23が鋼板である場合には、鋼板の外周に連結部材26によって連結された複数のフープ筋27を配置することが好ましい。この場合、座金32及びナット33が取り付けられる軸材22の基端部は、フープ筋27に囲まれる位置に配置される。
次に、既設建物11の耐震補強方法について説明する。
補強部21を形成するにあたっては、まず、既設建物11の柱体12及び梁体13に3以上の挿入孔15を形成する。また、鋼材23には予め所定の位置に3以上の挿通孔28(28A,28B,28C)を形成しておくとともに、連結部材26を介してフープ筋27を鋼材23に取り付けておく。
次に、図4に示すように、挿入孔15に軸材22の先端部を差し込んで、軸材22の基端部が柱体12及び梁体13から突出した状態となるように、軸材22を設置する(軸材設置工程)。そして、軸材22のうちの一部である軸材22Aには、一組の座金32及びナット33を取り付けておく。
続いて、鋼材23をクレーン等で吊して、鋼材23に設けられた複数の挿通孔28(28A,28B,28C)に複数の軸材22(22A,22B,22C)の基端部をそれぞれ挿通する(挿通工程)。
そして、軸材22Aには、さらに一組の座金32及びナット33を取り付けて、鋼材23を挟んで対をなすナット33をしめることにより、挿通孔28に挿通された軸材22Aの基端部に取り付けられた挟持部31によって鋼材23を挟持し(挟持工程)、軸材22Aと鋼材23を連結する。このとき、鋼材23は柱体12及び梁体13から離れた位置に配置されるように、挟持部31を構成する座金32及びナット33によって、軸材22の基端部に固定される。
また、軸材22Bには、鋼材23よりも基端側に一組の座金32及びナット33を取り付ける。すなわち、挿通孔28に挿通された軸材22Bの基端部において、鋼材23よりも基端に近い位置に抜け止め部34を設ける(抜け止め工程)。これにより、鋼材23は抜け止め部34を構成する座金32及びナット33により、軸材22Bから抜け落ちないように、抜け止めされる。
なお、軸材22Cには座金32及びナット33を取り付けない。また、軸材22に複数の鋼材23を取り付ける場合には、各鋼材23を同様に座金32及びナット33によって軸材22に連結するとともに、鋼材23同士をつきあわせて接合する。
すべての鋼材23の取り付けが終了すると、図5に示すように、鋼材23及びフープ筋27を囲むように、柱体12(または梁体13)の外面側にコンクリートを打設するための型枠16を取り付ける。そして、図5に二点鎖線で示すように、3以上の軸材22のうちの一部に、抜け止め部34及び挟持部31が設けられない軸材22Cを残した状態で、型枠16内にコンクリートを流し込み、既設建物11と接する位置に鋼材23の周囲を囲むようにコンクリートを打設する(打設工程)。
このとき、既設建物11の外面と鋼材23との間にコンクリート打設用ホース17の先端を配置してコンクリートを型枠16内に流し込むことによって、挿通孔28B,28Cの座金32及びナット33が取り付けられていない側の開口からコンクリートが入り込むことにより、挿通孔28内にもコンクリートが充填される。
そして、打設したコンクリートが固まってコンクリート体24となった後に、型枠16を取り外す。これにより、軸材22B,22Cは、挿通孔28B,28C内に充填されたコンクリート体24を介して、鋼材23と連結される。その後、必要に応じて、外装材の吹付けなど、コンクリート体24の表面処理を行って、補強部21を完成させる。
次に、本実施形態における既設建物11の耐震補強構造及び既設建物の耐震補強方法の作用について説明する。
挿通孔28の直径をD1、軸材22の軸経をD2としたときに、例えばD1−D2≧20mmとするなど、挿通孔28を大きめに形成しておくことによって、挿通工程において鋼材23に設けられた挿通孔28に軸材22を挿通しやすくなる。
特に、既設建物11に補強部21を設ける際には、設計図に基づいて配置された挿通孔28の位置と、現場で設置された軸材22の位置とがばらつくことが多い。また、挿通孔28の数が長手方向において3以上並ぶ場合には、その長手方向と交差する方向における位置のずれも生じることになるし、さらに挿通孔28の数が4以上など多数に及ぶ場合には、それら挿通孔28ごとの位置の誤差を、2mm程度のクリアランスで調整することは困難になる。
その点、鋼材23に軸材22を挿通する挿通孔28を形成する際に、軸材22の直径よりも大きめに挿通孔28を形成しておけば、軸材22を差し込む位置がずれたり、軸材22が壁面に対して傾いた状態で差し込まれたりしたとしても、複数の挿通孔28に対して軸材22を挿通しやすい。
ただし、挿通孔28を軸材22の直径よりも過度に大きくすると、座金32及びナット33で挟持してコンクリートを打設したときに、挿通孔28内にコンクリートが打設されない空洞が残ってしまい、鋼材23とコンクリート体24との一体性が低下してしまうおそれがある。
すなわち、地震等によって既設建物11及び補強部21が軸材22の軸方向と交差する方向に振動したときに挿通孔28内が空洞になっていると、挟持部31による挟持力を超える力が作用した場合に、軸材22と鋼材23の間で十分に力を伝えられないおそれがある。なお、軸方向と交差する方向には、軸方向と直交する方向のみならず、軸方向に対して斜めに交差する方向も含む。
その点、挿通孔28B,28Cの開口は少なくとも一方が開放されているので、打設工程において挿通孔28B,28C内にもコンクリートが充填され、コンクリート体24を介して軸材22B,22Cと鋼材23とが一体化される。すなわち、挿通孔28B,28C内に充填されたコンクリート体24を介して、軸材22B,22Cに対して軸方向と交差する方向に作用する力を鋼材23に伝えることができるので、補強部21による補強効果が十分に発揮される。
そして、軸材22Aを挿通する挿通孔28Aの数よりも軸材22B,22Cを挿通する挿通孔28B,28Cの数を多くすれば、内部が空洞となる挿通孔28の数が減るため、鋼材23とコンクリート体24との一体性を高めることができ、好ましい。
一方、地震等によって既設建物11が軸材22の軸方向に振動した場合、既設建物11の変位は軸材22を通じて鋼材23に伝達される。このとき、軸材22Aが挿通孔28A内において余裕のある態様で遊挿され、コンクリート打設後に挿通孔28A内に空洞が残ったとしても、軸材22Aに対して軸方向に作用する力は、挟持部31を介して鋼材23に伝えることができる。
また、軸材22Bにおいても、その軸方向に沿って既設建物11が鋼材23から離れる方向に力が作用した場合に、抜け止め部34により鋼材23が係止され、鋼材23が既設建物11の変位に追従するため、補強部21による耐震作用を奏することができる。
このように、軸材22Bと軸材22Cとでは、軸方向と交差する方向に作用する力に対する耐震作用は同等であるが、軸材22Bは軸材22Cよりも軸方向に作用する力に対する耐震作用が高い。そのため、仮に軸材22Bを設けない場合や軸材22Bの数を減らす場合には、軸方向における耐震作用を補うために、軸材22Bに替えて軸材22Aを配置するようにしてもよい。
なお、軸材22Aは、コンクリート打設前に鋼材23を軸材22に対して位置決めするために必要であるため、少なくとも鋼材23の長手方向における端部や鋼材23同士の接合部分など、位置決めの要所となる箇所に設ける必要がある。
挿通孔28Bは、鋼材23の抜け止めとして機能する座金32及びナット33によって一方の開口がふさがれているため、ふさがれていない方の開口側(既設建物11側)からコンクリートを流し込むと、挿通孔28B内にコンクリートが入りやすい。そして、このように鋼材23よりも既設建物11側からコンクリートを流し込むと、流動するコンクリートによって鋼材23が軸材22の基端側に向けて押されるが、軸材22A,22Bの基端側に設けられたナット33によって鋼材23の基端側への移動が規制される。そのため、軸材22のうちの一部にしか挟持部31を設けていない場合にも、鋼材23が基端側へ移動して、軸材22から抜け落ちるといった事態の発生が抑制される。
さらに、軸材22B,22Cにおいては、軸材22Aよりも座金32及びナット33の取り付け数が少なくなるため、座金32及びナット33を取り付ける作業の手間が削減される。特に、座金32及びナット33が取り付けられる軸材22の基端部は、フープ筋27に囲まれる位置にあるために作業がしにくく、座金32及びナット33の取り付け数が減れば、作業時間を短縮することが可能になる。
特に、挟持部31及び抜け止め部34を設けない軸材22Cの数を、挟持部31を備える軸材22Aの数及び抜け止め部34を備える軸材22Bの数よりも多くしたり、軸材22Cの数を軸材22Aと軸材22Bの合計数よりも多くしたりすれば、より作業時間を短縮することができるので、好ましい。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)一部の軸材22Aに取り付けた挟持部31で鋼材23を挟持することによって、鋼材23の位置決めを適切に行うとともに、他の軸材22Bにおいて鋼材23よりも基端に近い位置に設けた抜け止め部34によって、鋼材23の基端側への移動を規制することができる。また、挟持部31に挟持される鋼材23の挿通孔28A内にはコンクリートが入らないのに対して、抜け止め部34を設けた軸材22の挿通孔28B内にはコンクリートが入り込む。そのため、挿通孔28を大きくした場合にも、全ての軸材22に挟持部31を取り付ける場合よりも、軸材22及び鋼材23のコンクリート体24との一体性の低下が抑制される。したがって、軸材22の基端部が遊貫可能な程度に挿通孔28を大きくすることによって、既設建物11に差し込まれた複数の軸材22に鋼材23を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材22及び鋼材23のコンクリート体24との一体性の低下を抑制することができる。
(2)抜け止め部34が設けられる軸材22Bの数を、挟持部31が取り付けられる軸材22Aの数よりも多くすることにより、コンクリートが入り込む挿通孔28の数を多くして、軸材22及び鋼材23のコンクリート体24との一体性を高めることができる。
(3)一部の軸材22Aに取り付けた挟持部31で鋼材23を挟持することによって、鋼材23の位置決めを適切に行うことができる。また、挟持部31に挟持される鋼材23の挿通孔28A内にはコンクリートが入らないのに対して、挟持部31を設けない軸材22B,22Cが挿通される挿通孔28B,28C内にはコンクリートが入り込む。そのため、挿通孔28B,28C内に充填されたコンクリート体24によって軸材22B,22Cと鋼材23とを連結することができる。したがって、軸材22の基端部が遊貫可能な程度に挿通孔28を大きくすることによって、既設建物11に差し込まれた複数の軸材22に鋼材23を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材22及び鋼材23のコンクリート体24との一体性の低下を抑制することができる。
(4)柱体12と梁体13が交差する位置に配置された軸材22に挟持部31を取り付けて鋼材23を挟持することにより、コンクリート打設前に、鋼材23を軸材22に対して効率よく位置決めすることができる。
(5)鋼材23が既設建物11の柱体12及び梁体13に沿う位置に配置される枠体を構成するときに、その枠体の角部分に挟持部31を配置することにより、コンクリート打設前に、鋼材23を軸材22に対して効率よく位置決めすることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・補強部21に設ける斜状補強部材25の数や配置は、任意に変更することができる。
例えば、図6(a)に示す第1変更例のように、補強部21において2つの斜状補強部材25の配置を変更してもよいし、図6(b)に示す第2変更例のように、補強部21に設ける斜状補強部材25を1つにしてもよいし、図6(c)に示す第3変更例のように、開口部14である出入り口を露出させるように斜状補強部材25を配置してもよい。
・補強部21に内蔵する鋼材23は鋼板に限らず、例えばH形鋼、I形鋼、溝型鋼、山形鋼など、任意に変更することができる。
例えば、図7に示す第4変更例のように、鋼材23としてH形鋼を用いれば、引っ張り、曲げ、圧縮といった応力に対して高い耐力を発揮することができる。なお、鋼材23としてH形鋼を用いる場合には、斜状補強部材25及びフープ筋27を設けなくてもよい。また、この場合、コンクリート体24にビニロンファイバーやステンレスファイバーなどの繊維を加えてもよい。
・軸材22Aを挿通する挿通孔28Aの直径を、軸材22B,22Cを挿通する挿通孔28B,28Cの直径より小さくしてもよい。この構成によれば、挟持部31の挟持によりコンクリート打設時に挿通孔28内に形成される空洞を小さくすることができる。
・挿通孔28の直径D1は、挿通孔28及び軸材22の数等に応じて任意に変更することができるが、10mm≦(D1−D2)にしておけば、挿通孔28内にコンクリートが充填されやすいため、好ましい。また、(D1−D2)≦30mm程度にしておけば、概ね挿通孔28の位置の誤差に対応することができるため、10mm≦(D1−D2)≦30mmとすることが好ましい。なお、上記実施形態のように、既設建物11に耐震補強のために設置される後施工アンカーなどの軸材22の配置間隔は、概ねその軸径の5.5倍程度とされており、軸径を20mmとすると、2つの軸材22の間の距離は90mm程度となる。そのため、隣り合う2つの軸材22を挿通する2つの挿通孔28が干渉しないためには、D1≦100mm程度にする必要がある。
・軸材22C及び挿通孔28Cを設けず、全ての軸材22に挟持部31または抜け止め部34を設けてもよい。この場合、挿通孔28及び軸材22の数は2以上の任意の数に変更することができる。
・軸材22B及び挿通孔28Bを設けず、挿通孔28に挿通された一部の軸材22Aを基端部に取り付けられた挟持部31によって鋼材23と接続し、挿通孔28Cに挿通されたその他の軸材22Cを挿通孔28C内に充填されたコンクリート体24によって鋼材23と接続するようにしてもよい。この場合、挿通孔28及び軸材22の数は2以上の任意の数に変更することができる。また、この構成を採用する場合、上述した既設建物の耐震補強方法において、抜け止め工程を省略することができる。
この構成によれば、一部の軸材22Aに取り付けた挟持部31で鋼材23を挟持することによって、鋼材23の位置決めを適切に行うことができる。また、挟持部31に挟持される鋼材23の挿通孔28A内にはコンクリートが入らないのに対して、挟持部31を設けない軸材22Cが挿通される挿通孔28C内にはコンクリートが入り込む。そのため、挿通孔28C内に充填されたコンクリート体24によって軸材22Cと鋼材23とを連結することができる。したがって、軸材22の基端部が遊貫可能な程度に挿通孔28を大きくすることによって、既設建物11に差し込まれた複数の軸材22に鋼材を取り付ける際の施工性を良好に確保しつつ、軸材22及び鋼材23のコンクリート体24との一体性の低下を抑制することができる。
・補強部21は、必ずしも一対の柱体12と一対の梁体13とに沿うように配置される枠体に限らず、例えば柱体12のみまたは梁体13のみに沿うように長尺状をなしてもよいし、柱体12と梁体13が交差する交差部分を1つ有する十字状またはL字状をなしてもよい。また、補強部21は、柱体12と梁体13が交差する交差部分を2つまたは3つ有するようにしてもよい。なお、補強部21が長尺状をなす場合には、少なくともその両端部に位置する軸材22に挟持部31を設けるのが好ましく、補強部21が柱体12と梁体13が交差する交差部分に沿うように配置される場合には、少なくともその柱体12と梁体13が交差する位置に配置した軸材22に挟持部31を取り付けるのが好ましい。
・鋼材23に軸材22を挿通しない貫通孔を設けてもよい。この構成によれば、貫通孔にコンクリートを充填することによって、鋼材23とコンクリート体24との一体性を高めることができる。
・挟持部31及び抜け止め部34は、座金32とナット33以外によって構成してもよい。例えば、座金32とナット33を一体化した専用の部材を用いてもよい。また、軸材22の基端にキャップ状の抜け止め部を設けてもよいし、軸材22の基端を折り曲げることによって抜け止め部としてもよい。
・既設建物11において、軸材22を差し込む対象は柱体12及び梁体13に限らず、例えば構造壁など、構造耐力を負担するものとして設計された任意の構造体に軸材22を差し込んで補強部21を設けてもよい。
11…既設建物、12…柱体、13…梁体、22…軸材、22A…第1軸材、22B…第2軸材、22C…第3軸材、23…鋼材、24…コンクリート体、28,28A,28B,28C…挿通孔、31…挟持部、34…抜け止め部。

Claims (9)

  1. 既設建物に先端部が差し込まれる複数の軸材と、
    前記軸材の基端部が遊貫可能な複数の挿通孔を有する鋼材と、
    前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の前記基端部に取り付けられて、前記鋼材を挟持する挟持部と、
    前記挿通孔に挿通された他の前記軸材の前記基端部において、前記鋼材よりも基端に近い位置に設けられる抜け止め部と、
    前記鋼材を内部に含んで前記既設建物と一体化されるコンクリート体と、
    を備え
    前記挿通孔は、同挿通孔に挿通された前記軸材との間に、コンクリートを充填可能な隙間が生じるように直径が設定され、
    前記他の軸材が挿通された前記挿通孔と前記他の軸材との間には、同挿通孔の前記既設建物側の開放された開口を通じて前記コンクリートが充填される
    既設建物の耐震補強構造。
  2. 前記既設建物には3以上の前記軸材が差し込まれるとともに前記鋼材は3以上の前記挿通孔を有し、
    前記抜け止め部が設けられる前記軸材の数が、前記挟持部が取り付けられる前記軸材の数よりも多い
    請求項1に記載の既設建物の耐震補強構造。
  3. 既設建物に先端部が差し込まれる複数の軸材と、
    前記軸材の基端部が遊貫可能な複数の挿通孔を有する鋼材と、
    前記鋼材を内部に含んで前記既設建物と一体化されるコンクリート体と、
    を備え、
    前記挿通孔は、同挿通孔に挿通された前記軸材との間に、コンクリートを充填可能な隙間が生じるように直径が設定され、
    前記挿通孔に挿通された一の前記軸材は、前記基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材と連結され、
    前記挟持部が取り付けられない他の前記軸材は、前記他の軸材が挿通された前記挿通孔と前記他の軸材との間に、同挿通孔の開放された2つの開口を通じて充填される前記コンクリートによって、前記鋼材と連結される
    既設建物の耐震補強構造。
  4. 既設建物に先端部が差し込まれる3以上の軸材と、
    前記軸材の基端部が遊貫可能な3以上の挿通孔を有する鋼材と、
    前記鋼材を内部に含んで前記既設建物と一体化されるコンクリート体と、
    を備え、
    前記挿通孔に挿通された前記3以上の軸材は、前記鋼材を挟持する挟持部が前記基端部に取り付けられる第1軸材と、前記基端部において前記鋼材よりも基端に近い位置に抜け止め部が設けられる第2軸材と、前記抜け止め部及び前記挟持部が設けられない第3軸材と、を含む
    既設建物の耐震補強構造。
  5. 前記軸材は、前記既設建物の柱体及び梁体に先端部が差し込まれ、
    前記柱体と前記梁体が交差する位置に配置された前記軸材に前記挟持部が取り付けられる
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の既設建物の耐震補強構造。
  6. 前記鋼材は、前記既設建物の柱体及び梁体に沿う位置に配置される枠体を構成し、前記挟持部は、少なくとも、前記枠体の角部分に配置される
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の既設建物の耐震補強構造。
  7. 既設建物に複数の軸材の先端部を差し込む軸材設置工程と、
    鋼材に設けられた複数の挿通孔に前記複数の軸材の基端部をそれぞれ挿通する挿通工程と、
    前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材を挟持する挟持工程と、
    前記挿通孔に挿通された他の前記軸材の基端部において、前記鋼材よりも基端に近い位置に抜け止め部を設ける抜け止め工程と、
    前記既設建物と接する位置に前記鋼材の周囲を囲むようにコンクリートを打設する打設工程と、
    を備え
    前記挿通孔は、同挿通孔に挿通された前記軸材との間に、コンクリートを充填可能な隙間が生じるように直径が設定され、
    前記打設工程において、前記他の軸材が挿通された前記挿通孔と前記他の軸材との間には、同挿通孔の前記既設建物側の開放された開口を通じて前記コンクリートが充填される
    既設建物の耐震補強方法。
  8. 既設建物に複数の軸材の先端部を差し込む軸材設置工程と、
    鋼材に設けられた複数の挿通孔に前記複数の軸材の基端部をそれぞれ挿通する挿通工程と、
    前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材を挟持する挟持工程と、
    前記既設建物と接する位置に前記鋼材の周囲を囲むようにコンクリートを打設して、他の前記軸材が挿通された前記挿通孔にコンクリートを充填する打設工程と、
    を備え
    前記挿通孔は、同挿通孔に挿通された前記軸材との間に、コンクリートを充填可能な隙間が生じるように直径が設定され、
    前記打設工程においては、前記挟持部が取り付けられない他の前記軸材が挿通された前記挿通孔と前記他の軸材との間に、前記挿通孔の開放された2つの開口を通じてコンクリートが充填されることにより、前記他の軸材と前記鋼材とが連結される
    既設建物の耐震補強方法。
  9. 既設建物に3以上の軸材の先端部を差し込む軸材設置工程と、
    鋼材に設けられた3以上の挿通孔に前記3以上の軸材の基端部をそれぞれ挿通する挿通工程と、
    前記挿通孔に挿通された一の前記軸材の基端部に取り付けられた挟持部によって前記鋼材を挟持する挟持工程と、
    前記挟持部が取り付けられた前記一の軸材とは別の軸材の基端部において、前記鋼材よりも基端に近い位置に抜け止め部を設ける抜け止め工程と、
    前記3以上の軸材のうちの一部に、前記抜け止め部及び前記挟持部を設けない軸材を残した状態で、前記既設建物と接する位置に前記鋼材の周囲を囲むようにコンクリートを打設して、前記挟持部に挟まれない前記挿通孔にコンクリートを充填する打設工程と、
    を備える既設建物の耐震補強方法。
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