JP5369373B2 - 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法 - Google Patents

鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5369373B2
JP5369373B2 JP2006335022A JP2006335022A JP5369373B2 JP 5369373 B2 JP5369373 B2 JP 5369373B2 JP 2006335022 A JP2006335022 A JP 2006335022A JP 2006335022 A JP2006335022 A JP 2006335022A JP 5369373 B2 JP5369373 B2 JP 5369373B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing bar
insertion hole
column
thread
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006335022A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008144526A (ja
Inventor
直人 藤生
泰彦 浅岡
健佑 叶
純子 玉置
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2006335022A priority Critical patent/JP5369373B2/ja
Publication of JP2008144526A publication Critical patent/JP2008144526A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5369373B2 publication Critical patent/JP5369373B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、プレキャストコンクリート部材の端部における鉄筋の定着構造及び鉄筋の定着方法に関する。
近年、施工期間短縮のため、PC部材を用いてRC構造物を構築する工法が用いられている。このようなPC部材を用いた工法として、例えば特許文献1には、同文献の図12に示すように、仕口及び梁部分を一体成形し、柱主筋に相当する位置にシース管を埋設したPC梁・仕口部材を、柱頭部にスリーブ継手が設けられた下方のPC柱部材の上部に建込み、さらに、下面より柱主筋が突出した上方のPC柱部材を、これら柱主筋がPC梁・仕口部材のシース管を貫通し、下方のPC柱部材のスリーブ継手内に到達するように建込み、シース管及びスリーブ継手内にグラウト材を充填することにより、柱梁構造を構築する工法が記載されている。
ところで、このようにPC部材を用いて柱梁構造を構築する場合に、最上階の仕口部などでは、上方にPC柱部材が接続されず、上方に接続される柱主筋が存在しないため、柱主筋の上端部において鉄筋とコンクリートとの間で荷重の伝達が行われるように定着構造を設ける必要がある。かかる定着構造として、一般的な鉄筋コンクリート造における定着構造に用いられるプレートナット(定着ナット)を用いる方法が考えられる。
このようにプレートナットを用いる場合には、最上階の仕口部の複数の柱主筋にねじ鉄筋を用い、プレートナットとねじ鉄筋との間のがたつきやゆるみを防止するため、プレートナット内にグラウト材を充填しなければならない。しかし、ねじ鉄筋をプレートナットに螺合させてしまうと、プレートナット内まで確実にグラウト材充填を行うことができないので、ねじ鉄筋を差し込む前に、プレートナット内にグラウト材を注入する必要がある。しかし、各ねじ鉄筋に対応する多数のプレートナットが設けられるため、それらプレートナットの夫々にグラウト材を注入するには、非常に大きな手間がかかる。
そこで、例えば特許文献2には、柱主筋として用いるねじ鉄筋の外周面に溝を設けておく方法が記載されている。この方法によれば、各シース管内に充填されたグラウト材がこの溝を通ってプレートナット内に充填されるため、グラウト材の充填作業を一括して行うことができる。
特開2004―278257号公報 特開2006―104854号公報
しかしながら、このように鉄筋に溝を設けると、鉄筋に断面欠損が生ずることになり、所要の構造耐力が発揮されない虞がある。
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、構造耐力を低下させることなく、グラウト材の充填作業を容易に行うことのできるPC部材の端部における鉄筋の定着構造を提供することである。
本発明の鉄筋の定着構造は、柱主筋又は梁主筋である鉄筋を、PC部材とPC梁部材との仕口部の表面に設けられた凹部の底面に開口する鉄筋挿通孔に挿通し、前記鉄筋挿通孔と前記鉄筋との間にグラウト材を充填して、当該鉄筋の開口側端部を前記PC部材に定着するための定着構造であって、前記鉄筋の前記開口側端部に接合され、外周面に螺条の形成された螺条部材と、前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じた、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径の突出部と、内周面に螺条の形成された孔部を有し、この孔部が前記螺条部材の外周に螺合することにより前記螺条部材に取付けられ、前記突出部と前記凹部の底面とに当接された定着板と、を備えることを特徴とする。
なお、上記の鉄筋挿通孔の端部とは、定着構造が構築された後、凹部にコンクリートが打設されるような場合を含むものである。要するに、鉄筋挿通孔の凹部底面への開口部近傍が鉄筋挿通孔の端部に相当する。
また、本発明の鉄筋の定着方法は、柱主筋又は梁主筋である鉄筋を、PC部材とPC梁部材との仕口部の表面に設けられた凹部の底面に開口する鉄筋挿通孔に挿通し、前記鉄筋挿通孔と前記鉄筋との間にグラウト材を充填して、当該鉄筋の開口側端部を前記PC部材に定着するための定着方法であって、前記鉄筋の先端に外周面に螺条の形成された螺条部材を接合し、前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じる突出部を、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径とし、内周面に螺条の形成された孔部を有する定着板を、前記孔部を前記螺条部材の外周に螺合させることにより前記螺条部材に取付けると共に、前記突出部に当接させ、前記鉄筋を前記鉄筋挿通孔に挿入して、前記定着板を前記凹部の底面に当接させることを特徴とする。
また、本発明のPC部材の接合構造は、部材を貫通する鉄筋挿通孔と、底面に前記鉄筋挿通孔が開口する凹部とを備える柱及び梁の一方である第1のPC部材と、柱主筋又は梁主筋である主筋と、前記主筋に接続され、端面に鉄筋の挿入口が開口する機械式継手とを備え、前記鉄筋挿通孔と前記機械式継手とが略一直線上に位置するように配置された柱及び梁の他方である第2のPC部材とを接合する構造であって、一端が前記機械式継手内まで到達するように前記鉄筋挿通孔に挿通された柱主筋又は梁主筋である鉄筋と、前記鉄筋の他端側端部に接合され、外周面に螺条の形成された螺条部材と、前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じた、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径の突出部と、内周面に螺条の形成された孔部を有し、この孔部が前記螺条部材の外周に螺合することにより前記螺条部材に取付けられ、前記突出部と前記凹部の底面とに当接された定着板と、前記機械式継手内、前記第1のPC部材と第2のPC部材との間の目地、及び前記鉄筋と前記鉄筋挿通孔との隙間に充填されたグラウト材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のPC部材の接合方法は、部材を貫通する鉄筋挿通孔と、底面に前記鉄筋挿通孔が開口する凹部とを備える及び梁の一方である第1のPC部材と、柱主筋又は梁主筋である主筋と、前記主筋に接続され、端面に鉄筋の挿入口が開口する機械式継手とを備え、前記鉄筋挿通孔と前記機械式継手とが略一直線上に位置するように配置された柱及び梁の他方である第2のPC部材とを接合する方法であって、柱主筋又は梁主筋である鉄筋の一端に外周面に螺条の形成された螺条部材を接合し、前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じる突出部を、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径とし、内周面に螺条の形成された孔部を有する定着板を、前記孔部を前記螺条部材の外周に螺合させることにより前記螺条部材に取付けると共に、前記突出部に当接させ、前記鉄筋を、他端が前記機械式継手内まで到達するように前記鉄筋挿通孔に挿通して、前記定着板を前記凹部の底面に当接させ、前記機械式継手内、前記第1のPC部材と第2のPC部材との間の目地、及び前記鉄筋と前記鉄筋挿通孔との隙間にグラウト材を充填することを特徴とする。
本発明によれば、プレートナット内にグラウト材を充填する必要がないため、グラウト材充填作業が煩雑にならず、また、柱主筋に溝などを設ける必要がないため所定の構造耐力を確保することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の鉄筋の定着構造の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(A)は、プレキャストコンクリート部材(以下、PC部材という)により構築され、本実施形態の鉄筋の定着構造10を備えた柱梁構造の最上階の仕口部付近の鉛直方向断面図であり、(B)は(A)におけるA−A´断面図である。同図に示すように、本実施形態の定着構造10は、PC柱部材30とPC梁部材20とを接合することにより構築された柱梁構造における最上階の仕口部上端における柱主筋の定着構造として用いられている。なお、PC梁部材20は本発明の第1のPC部材に対応し、PC柱部材30は本発明の第2のPC部材に対応する。
図1(A)に示すように、PC柱部材30は、複数の柱主筋31と、柱主筋31の上端に接続され、鉄筋挿入口32Aが部材上面に開口するように埋設された複数の機械式継手32と、PC柱部材30の側面より各機械式継手32のグラウト注入口32Bに到達するように設けられたグラウト注入孔33と、を備える。
また、PC梁部材20は梁部材と仕口パネルとが一体化されたPC部材である。このPC梁部材20は、柱主筋にあたる位置に埋設された複数のシース管により形成された、部材の上面に開口する鉄筋挿通孔21を備える。PC梁部材20の上面の各鉄筋挿通孔21の周囲には凹部23が設けられている。また、鉄筋挿通孔21は、後述するように柱主筋11に螺条部材13をアプセット溶接により接続する際に生じた突出部15が内部に収まる径を有する。
図1(A)に示すように、PC梁部材20とPC柱部材30とは、柱主筋11が、その下端が機械式継手32内に到達するように鉄筋挿通孔21に挿通され、機械式継手32の内部、PC梁部材20とPC柱部材30の部材間の目地、及び鉄筋挿通孔21と柱主筋11の隙間にグラウト材14が充填されて、柱主筋11の上端が後述する定着構造10によって定着されることにより一体の柱梁構造として機能する。
図1(B)に示すように、本実施形態の定着構造10は、柱主筋11の先端に、例えばアプセット溶接により接合された螺条部材13と、内周面に螺合が形成された貫通孔を有し、螺条部材13に螺合することにより取付けられた定着板12と、鉄筋挿通孔21内の柱主筋11との隙間に充填されて、硬化したグラウト材14とで構成される。
定着板12は、上記の通り柱主筋11の先端に接合された螺条部材13に螺合するとともに、PC梁部材20の凹部23の表面に当接している。このような定着板12としては、例えば合同製鐵(株)製のEG定着板を用いることができる。なお、本実施形態では、定着板12を用いているが、これに限らず、内周面に螺合が形成された凹部を備えた定着板を用い、この凹部を螺条部材13の端部に螺合させることとしてもよい。
本実施形態の定着構造10によれば、柱主筋11に引張荷重が作用しても、この引張荷重が螺条部材13を介して定着板12に伝達され、定着板12がPC梁部材20より反力を受けることで、上記引張荷重に対して抵抗することができる。
以下、本実施形態の定着構造10を備えた柱梁構造を構築する方法について説明する。図2は、定着構造10を備えた柱梁構造を構築する方法を説明するための図である。
まず、図2(A)に示すように、PC梁部材20を、PC柱部材30の上部側方より水平方向に移動させて、PC梁部材20の鉄筋挿通孔21と、機械式継手32とが一直線上に並ぶように建て込む。
また、予め、柱主筋11の上端に螺条部材13を例えばアップセット溶接により接合し、螺条部材13に定着板12を螺合させて取り付けておく。そして、図2(B)に示すように、柱主筋11を、下端が機械式継手32内に達し、かつ、上端に取付けられた定着板12がPC梁部材20の凹部23表面に当接するように、鉄筋挿通孔21に上方から挿入する。
次に、図2(C)に示すように、PC柱部材30と、PC梁部材20との間の目地の周囲にシーリングを施し、PC柱部材30に設けられたグラウト注入孔33よりグラウト材14を充填する。グラウト注入孔33より充填されたグラウト材14は、機械式継手32に流れこみ、機械式継手32内に充填されると、PC柱部材30とPC梁部材20との間の目地内に流れこみ、目地内に充填されると、鉄筋挿通孔21内に流れ込む。さらに、このグラウト材が鉄筋挿通孔21内に充填されると、鉄筋挿通孔21上端よりグラウト材14が溢れ出る。これにより鉄筋挿通孔21の最上部までグラウト材14が充填されたことを確認したら、グラウト材14の充填を終了する。
そして、充填されたグラウト材14が硬化することにより、機械式継手32による継手構造が構築され、柱主筋11、31の間で応力の伝達が可能となり、また、定着構造10が構築されるため、PC柱部材30とPC梁部材20が一体の柱梁構造として機能することができる。
以上説明したように、本実施形態の定着構造10によれば、柱主筋11の先端に接続された螺条部材13と、螺条部材13に螺合された定着板12とにより柱主筋11がPC梁部材20に定着されるため、グラウト材充填のために鉄筋に溝を設ける必要がなく、構造材の断面欠損を防ぐことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の定着構造の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図3(A)は、本実施形態の鉄筋の定着構造110を備えたPC柱梁構造の最上階の仕口部付近の鉛直方向図であり、(B)は(A)におけるB−B´断面図である。同図に示すように、本実施形態の定着構造110も、第1実施形態と同様に、PC柱部材30とPC梁部材20とを接合することにより構築された柱梁構造における最上階の仕口部上端における柱主筋の定着構造として用いられている。zなお、PC梁部材20は本発明の第1のPC部材に対応し、PC柱部材30は本発明の第2のPC部材に対応する。また、同図(B)に示すように、本実施形態ではPC梁部材20は、鉄筋挿通孔21の上端付近と部材上面とを結ぶように設けられたグラウト排出孔22を備える。
同図に示すように、PC梁部材20とPC柱部材30とは、柱主筋111が、その下端が機械式継手32内に到達するように鉄筋挿通孔21に挿通され、機械式継手32の内部と、PC梁部材20及びPC柱部材30の部材間の目地と、鉄筋挿通孔21と柱主筋111との隙間にグラウト材14が充填され、柱主筋111の上端が後述する定着構造10で定着されることにより一体の柱梁構造として機能する。
なお、本実施形態では、柱主筋111として表面に螺条の設けられたねじ鉄筋が用いられている。
本実施形態の定着構造110は、柱主筋111に螺合されたプレートナット116、第1のロックナット115、及び第2のロックナット117で構成されている。プレートナット116は、一端(図3中上端部)につば状の定着部116Aを備え、PC梁部材20の上側表面の凹部23内に定着部116Aが露出するようにPC梁部材20の鉄筋挿通孔21に埋設されている。第1のロックナット115は、プレートナット116の定着部116Aと反対側(図3中下側)に当接するようにPC梁部材20に埋設されている。第2のロックナット117は、プレートナット116の定着部116A側に当接している。そして、柱主筋111と鉄筋挿通孔21との間にはグラウト材14が充填されている。
本実施形態の定着構造110によれば、第1のロックナット115及び第2のロックナット117によりプレートナット116が柱主筋111に固定されており、柱主筋111に作用する引張荷重はプレートナット116に伝達され、プレートナット116は定着部116Aにおいて、PC梁部材20を構成するコンクリートより反力を受けるため、これに対して抵抗することができる。なお、本実施形態では、プレートナット116の引張力の作用する側に第2のロックナット117があるため、第2のロックナット117も含めたねじ長さで柱主筋111に作用する引張応力を伝達することができる。
以下、本実施形態の定着構造110を構築する方法を説明する。図4は、本実施形態の定着構造110を構築する方法を説明するための図である。
まず、予め、図4(A)のIII部に拡大して示すように、PC梁部材20の製作時に、鉄筋挿通孔21の部材端面にあたる位置にプレートナット116を定着部116Aが部材表面に露出するように埋設し、第1のロックナット115を、プレートナット116と当接するようにPC梁部材20に埋設しておく。
そして、図4(A)に示すように、PC梁部材20を建て込む前に、柱主筋111を上方からプレートナット116及び第1のロックナット115に螺合させながらねじ込むことにより鉄筋挿通孔21に挿入し、同図のII部に拡大して示すように柱主筋111の下端を鉄筋挿通孔21の下端よりわずかに下方へ突出させる。
次に、図4(B)に示すように、PC梁部材20をPC柱部材30の上部側方より移動させて、鉄筋挿通孔21と機械式継手32の鉄筋挿入口32Aとが一直線上に並ぶように建て込む。
次に、図4(C)に示すように、柱主筋111をその下端が機械式継手32内に到達するまで、軸周りに回転させることによりねじ込む。
次に、図4(D)に示すように、柱主筋111に第2のロックナット117をプレートナット116と当接するように螺合させた後、図4(E)に示すように、第2のロックナット117に所定のトルクを導入する。
次に、図4(F)に示すように、PC柱部材30と、PC梁部材20との間の目地の周囲にシーリングを施し、グラウト注入孔33よりグラウト材14を充填する。グラウト注入孔33より注入されたグラウト材14は、機械式継手32に流れこみ、機械式継手32内に充填されると、目地内に流れこみ、目地内にグラウト材が充填されると、鉄筋挿通孔21内に流れ込む。そして、鉄筋挿通孔21上部までグラウト材14が充填されると、グラウト排出孔22よりグラウト材14が溢れ出す。これにより、鉄筋挿通孔21最上部までグラウト材14が充填されたことを確認したら、グラウト材14の充填を終了する。
充填されたグラウト材14が硬化することにより、柱主筋111の定着構造10が構築され、柱主筋111、PC梁部材20及びPC柱部材30が一体として機能し、柱梁構造が構築される。
以上説明したように、本実施形態の定着構造110によれば、柱主筋111に螺合されたプレートナット116、第1のロックナット115、及び第2のロックナット117により柱主筋111がPC梁部材20に定着されるため、第1実施形態の定着構造と同様に、鉄筋に溝を設ける必要がなく、構造材の断面欠損を防ぐことができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の定着構造の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図5(A)は、本実施形態のPC部材により構築され、鉄筋の定着構造210を備えた柱梁構造の仕口部付近の鉛直断面図であり、(B)は(A)におけるC−C´断面図である。同図(A)に示すように、本実施形態の鉄筋の定着構造210も第1実施形態と同様に、PC柱部材30と、PC梁部材20を接合することにより柱梁構造を構築された柱梁構造における最上階の仕口部上端における柱主筋の定着構造として用いられている。なお、本実施形態でも、第2実施形態と同様に柱主筋111として外周面に螺条を有するねじ鉄筋が用いられている。また、PC梁部材20は本発明の第1のPC部材に対応し、PC柱部材30は本発明の第2のPC部材に対応する。
図5(B)に示すように、本実施形態のPC梁部材20の上面には複数の鉄筋挿通孔21の開口位置の全体に亘るように形成された底面が平坦な凹部223が設けられている。また、第2実施形態と同様に、各鉄筋挿通孔21には、凹部223表面に達するようにグラウト排出孔222が設けられている。
本実施形態の定着構造210は、凹部223の底面に当接するように設置され、複数の柱主筋111にあたる位置に柱主筋111が挿通する挿通孔を備えた定着板212と、定着板212をPC梁部材20側に押さえつけるように、各柱主筋111に締め付けられたロックナット217と、鉄筋挿通孔21と柱主筋111との間に充填されたグラウト材14と、を備える。
本実施形態の定着構造210によれば、柱主筋111に引張荷重が作用しても、引張荷重がロックナット217を介してPC梁部材20と当接する定着板212に伝達され、定着板212がPC梁部材20から反力を受けるため引張荷重に対して抵抗することができる。
以下、本実施形態の定着構造210を構築する方法を説明する。図6は、本実施形態の定着構造210を構築する方法を説明するための図である。
まず、図6(A)〜(B)に示すように、PC梁部材20をPC柱部材30の上部側方より水平方向に移動させて、PC梁部材20に埋設された鉄筋挿通孔21が、PC柱部材30の上部に露出する機械式継手32の鉄筋挿入口と一直線上に並ぶように建て込む。
次に、図6(C)に示すように、柱主筋111を、その下端が機械式継手32内に到達し、上端付近が凹部223内に突出するように、鉄筋挿通孔21に挿通させる。
次に、図6(D)に示すように、定着板212を、柱主筋111の突出した部分が挿通孔を挿通し、かつ、PC梁部材20の凹部223の底面に当接するように設置する。
次に、図6(E)に示すように、各柱主筋111の上部にロックナット217を締め付け、トルクを導入する。
次に、図6(F)に示すように、グラウト注入孔33よりグラウト材14を注入する。グラウト注入孔33より注入されたグラウト材14は、機械式継手32に流れこみ、機械式継手32内に充填されると、目地内に流れこみ、目地内に充填されると、鉄筋挿通孔21内に流れ込む。そして、グラウト排出孔222よりグラウト材14が溢れ出すことにより、鉄筋挿通孔21の最上部までグラウト材14が充填されたことを確認したら、グラウト材14の充填を終了する。
充填されたグラウト材14が硬化することにより柱主筋111の定着構造210が構築され、柱主筋111、PC梁部材20及びPC柱部材30が一体として機能し、柱梁構造が構築される。
以上説明したように、本実施形態の定着構造210によれば、定着板212と、定着板212を押え付けるように各柱主筋111に締め付けられたロックナット217とにより、柱主筋111が定着されるため、鉄筋に溝を設ける必要がなく、構造材の断面欠損を防ぐことができる。
なお、上記の各実施形態では、本発明の定着構造を柱梁構造の最上階の仕口部における柱主筋の上端の定着構造として用いた場合について説明したが、これに限らず、例えば、柱梁構造の梁主筋の仕口部における定着構造としても用いることができる。
(A)は、PC部材により構築され、第1実施形態の鉄筋の定着構造を備えた柱梁構造の最上階の仕口部付近の鉛直方向断面図であり、(B)は(A)におけるA−A´断面図である。 第1実施形態の定着構造を備えた柱梁構造を構築する方法を説明するための図である。 (A)は、第2実施形態の鉄筋の定着構造を備えたPC柱梁構造の最上階の仕口部付近の鉛直方向図であり、(B)は(A)におけるB−B´断面図である。 第2実施形態の定着構造を構築する方法を説明するための図である。 (A)は、第3実施形態の鉄筋の定着構造を備えたPC柱梁構造の最上階の仕口部付近の鉛直方向図であり、(B)は(A)におけるC−C´断面図である。 第3実施形態の定着構造を構築する方法を説明するための図である。
符号の説明
10、110、210 定着構造
11,111 柱主筋
12,212 定着板
13 螺条部材
14 グラウト材
15 突出部
20 PC梁部材
21 シース管
22、222 グラウト排出孔
23、223 凹部
30 PC柱部材
31 柱主筋
32 機械式継手
32A 鉄筋挿入口
32B グラウト注入口
33 グラウト注入孔
115 第1のロックナット
116 プレートナット
116A 定着部
117 第2のロックナット
217 ロックナット

Claims (4)

  1. 柱主筋又は梁主筋である鉄筋を、PC部材とPC梁部材との仕口部の表面に設けられた凹部の底面に開口する鉄筋挿通孔に挿通し、前記鉄筋挿通孔と前記鉄筋との間にグラウト材を充填して、当該鉄筋の開口側端部を前記PC部材に定着するための定着構造であって、
    前記鉄筋の前記開口側端部に接合され、外周面に螺条の形成された螺条部材と、
    前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じた、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径の突出部と、
    内周面に螺条の形成された孔部を有し、この孔部が前記螺条部材の外周に螺合することにより前記螺条部材に取付けられ、前記突出部と前記凹部の底面とに当接された定着板と、
    を備えることを特徴とする鉄筋の定着構造。
  2. 柱主筋又は梁主筋である鉄筋を、PC部材とPC梁部材との仕口部の表面に設けられた凹部の底面に開口する鉄筋挿通孔に挿通し、前記鉄筋挿通孔と前記鉄筋との間にグラウト材を充填して、当該鉄筋の開口側端部を前記PC部材に定着するための定着方法であって、
    前記鉄筋の先端に外周面に螺条の形成された螺条部材を接合し、
    前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じる突出部を、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径とし、
    内周面に螺条の形成された孔部を有する定着板を、前記孔部を前記螺条部材の外周に螺合させることにより前記螺条部材に取付けると共に、前記突出部に当接させ
    前記鉄筋を前記鉄筋挿通孔に挿入して、前記定着板を前記凹部の底面に当接させることを特徴とする鉄筋の定着方法。
  3. 部材を貫通する鉄筋挿通孔と、底面に前記鉄筋挿通孔が開口する凹部とを備える柱及び梁の一方である第1のPC部材と、
    柱主筋又は梁主筋である主筋と、前記主筋に接続され、端面に鉄筋の挿入口が開口する機械式継手とを備え、前記鉄筋挿通孔と前記機械式継手とが略一直線上に位置するように配置された柱及び梁の他方である第2のPC部材とを接合する構造であって、
    一端が前記機械式継手内まで到達するように前記鉄筋挿通孔に挿通された柱主筋又は梁主筋である鉄筋と、
    前記鉄筋の他端側端部に接合され、外周面に螺条の形成された螺条部材と、
    前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じた、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径の突出部と、
    内周面に螺条の形成された孔部を有し、この孔部が前記螺条部材の外周に螺合することにより前記螺条部材に取付けられ、前記突出部と前記凹部の底面とに当接された定着板と、
    前記機械式継手内、前記第1のPC部材と第2のPC部材との間の目地、及び前記鉄筋と前記鉄筋挿通孔との隙間に充填されたグラウト材と、を備えることを特徴とするPC部材の接合構造。
  4. 部材を貫通する鉄筋挿通孔と、底面に前記鉄筋挿通孔が開口する凹部とを備える及び梁の一方である第1のPC部材と、
    柱主筋又は梁主筋である主筋と、前記主筋に接続され、端面に鉄筋の挿入口が開口する機械式継手とを備え、前記鉄筋挿通孔と前記機械式継手とが略一直線上に位置するように配置された柱及び梁の他方である第2のPC部材とを接合する方法であって、
    柱主筋又は梁主筋である鉄筋の一端に外周面に螺条の形成された螺条部材を接合し、
    前記螺条部材を前記鉄筋の前記開口側端部に接合する際に生じる突出部を、前記鉄筋挿通孔の内部に収まる径とし、
    内周面に螺条の形成された孔部を有する定着板を、前記孔部を前記螺条部材の外周に螺合させることにより前記螺条部材に取付けると共に、前記突出部に当接させ
    前記鉄筋を、他端が前記機械式継手内まで到達するように前記鉄筋挿通孔に挿通して、前記定着板を前記凹部の底面に当接させ
    前記機械式継手内、前記第1のPC部材と第2のPC部材との間の目地、及び前記鉄筋と前記鉄筋挿通孔との隙間にグラウト材を充填することを特徴とするPC部材の接合方法。
JP2006335022A 2006-12-12 2006-12-12 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法 Active JP5369373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006335022A JP5369373B2 (ja) 2006-12-12 2006-12-12 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006335022A JP5369373B2 (ja) 2006-12-12 2006-12-12 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008144526A JP2008144526A (ja) 2008-06-26
JP5369373B2 true JP5369373B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=39604988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006335022A Active JP5369373B2 (ja) 2006-12-12 2006-12-12 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5369373B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001936A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Ohbayashi Corp 架構の建方方法
JP7110535B2 (ja) * 2018-06-12 2022-08-02 株式会社竹中工務店 接合部構造
CN108532834B (zh) * 2018-06-22 2023-08-18 中国五冶集团有限公司 一种装配式建筑框架柱灌注结构

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2790045B2 (ja) * 1994-07-01 1998-08-27 大成プレハブ株式会社 プレキャストコンクリート板の接合方法およびその接合構造
JPH10131397A (ja) * 1996-10-28 1998-05-19 Kajima Corp せん断補強鉄筋の定着部構造、およびそれに用いる定着プレ−ト
JPH10147978A (ja) * 1996-11-19 1998-06-02 Nippon Splice Sleeve Kk プレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合立設 方法
JP2967816B1 (ja) * 1998-05-21 1999-10-25 株式会社ツヅキ バルコニーの構造
JP2001012012A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Fujita Corp 異形鉄筋への定着プレートの取り付け構造
JP4236780B2 (ja) * 1999-11-01 2009-03-11 東京鐵鋼株式会社 異形鉄筋定着構造の形成方法
JP3512360B2 (ja) * 1999-12-01 2004-03-29 合同製鐵株式会社 定着板の鉄筋取付法
JP3929373B2 (ja) * 2002-07-31 2007-06-13 Jfe環境ソリューションズ株式会社 サイロ用擁壁、サイロ用擁壁の製造方法
JP4530269B2 (ja) * 2004-10-07 2010-08-25 三井住友建設株式会社 建物の柱梁接合構造体およびその接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008144526A (ja) 2008-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5205130B2 (ja) Pc部材とコンクリート部材とが接合されてなるコンクリート構造体を構築する方法、仕口部と梁とからなる構造体の構築方法
JP5946041B2 (ja) 柱梁接合構造、柱梁接合方法、およびプレキャストコンクリートの柱頭部材
JP5860576B2 (ja) プレキャスト柱梁の接合構造
JP5369373B2 (ja) 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法
JP2009097212A (ja) プレキャストコンクリート柱およびその接合方法
JP2014055517A (ja) プレキャスト柱梁の接合構造
JP5236152B2 (ja) プレキャストコンクリート造柱梁の接合方法
JP2018178365A (ja) 鉄筋継手カプラー
JP2008025220A (ja) コンクリート構造物の補強構造
JP2009114755A (ja) プレキャストコンクリート柱部材の接合構造、及びプレキャストコンクリート柱部材の接合方法
JP2008144431A (ja) プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造
JP5717983B2 (ja) 部材の接合構造、建物、及び部材の接合方法
CN101105077A (zh) 钢筋混凝土结构物的连接方法
JP4966825B2 (ja) プレキャストコンクリート柱の接合構造
JP5711035B2 (ja) アンカー及びアンカーの固定方法
JP5081040B2 (ja) 鉄筋連結構造および鉄筋連結用継手
JP2009299267A (ja) プレキャストコンクリート構造部材接合構造、及びプレキャストコンクリート構造部材の接合方法
JP5108555B2 (ja) プレキャスト部材の接合構造
JP2006200270A (ja) 接合構造及び接合方法。
JP5207070B2 (ja) 被接合部材のコンクリート構造物への接合構造
JP2008144527A (ja) 鉄筋の定着構造、鉄筋の定着方法、pc部材の接合構造、pc部材の接合方法、定着部材
JP7315151B2 (ja) 木製部材の接続構造について
JP2009144398A (ja) 柱梁仕口部の構築方法、鉄筋コンクリート造の柱梁架構
JP5150354B2 (ja) 充填材の充填状態の確認方法、定着金物を鉄筋に固定する方法、定着金物、pc部材
JP5593868B2 (ja) プレキャストコンクリート部材の接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5369373

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150