JP5108555B2 - プレキャスト部材の接合構造 - Google Patents

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本発明は、プレキャスト部材を既設部材に接合する接合構造に関する。
ビルなどの構造物を建築する場合に、工場で予め製作されたコンクリート製のプレキャスト部材である接合部材を現場に搬入し、接合部材を既設部材に組み付けることで、柱や梁を構築する工法が用いられている。この工法では、施行現場における作業期間を短縮することができるとともに、柱や梁の構築作業を簡単に行うことができる。
前記したプレキャスト部材を用いた工法において、接合部材と既設部材との接合構造としては、図13(a)に示すように、接合部材2及び既設部材3の端面2a,3aから主筋20,30を突出させた状態で、接合部材2の端面2aと既設部材3の端面3aとを所定間隔を離して配置し、接合部材2と既設部材3との間にグラウトGを充填することで、接合部材2を既設部材3に接合しているものがある。この構成では、接合部材2の主筋20の先端部と、既設部材3の主筋30の先端部とを大きく重ね合わせている(例えば、特許文献1参照)。
また、接合部材2の主筋20と既設部材3の主筋30とを連結する構成としては、図13(b)及び(c)に示すように、接合部材2及び既設部材3の各主筋20,30の先端部を上向きに折り曲げて形成された折り曲げ部125,135に筒状のスリーブ160を被せ、このスリーブ160の中央部に形成された孔部に楔Kを打ち込むことで、各主筋20,30の折り曲げ部125,135をスリーブ160に定着させているものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、接合部材2の主筋20と既設部材3の主筋30とを連結する他の構成としては、図13(d)及び(e)に示すように、接合部材2及び既設部材3の各主筋20,30の先端部を筒状のスリーブ170の両端部にそれぞれ挿入し、このスリーブ170に形成された孔部に楔Kを打ち込むことで、各主筋20,30をスリーブ170に定着させているものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−82805号公報(段落0013〜0018、図2) 特許第2912739号公報(段落0007〜0008、図1) 特開平7−156721号公報(段落0007〜0010、図1)
しかしながら、前記した従来のプレキャスト部材の接合構造では、接合部材2の端面2aから主筋20が大きく突出しているため、一体の接合部材2の容積が大きくなっている。したがって、多数の接合部材2を施工現場に搬入するときに、一台のトラックに積載可能な個数が少なくなり、搬入効率が低くなってしまうという問題がある。
また、接合部材2と既設部材3との間にグラウトGを充填する空間を確保する構成では、グラウトGが硬化するまで支保工を設けて接合部材2を支持する必要があり、グラウトGの硬化が完了するまで次の工程に進むことができないため、施工期間が長くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、プレキャスト部材を施工現場に搬入するときの搬入効率を向上させるとともに、プレキャスト部材の主筋と既設部材の主筋とを簡単に連結することができ、さらには、施工期間を短くすることができるプレキャスト部材の接合構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、プレキャスト部材を既設部材に接合する接合構造であって、前記プレキャスト部材及び前記既設部材には主筋が配筋されるとともに、前記プレキャスト部材及び前記既設部材の接合端面には凹部が形成され、前記凹部の底面に前記主筋の先端部が露出するとともに、前記凹部内には前記主筋の先端部に設けられた継手部材が配置されており、前記プレキャスト部材の接合端面と、前記既設部材の接合端面とが突き合わされ、前記プレキャスト部材及び前記既設部材の各主筋に設けられた継手部材が連結部材によって連結されていることを特徴としている。
この構成では、プレキャスト部材及び既設部材の各主筋の先端部に設けられた継手部材を連結することで、各主筋を連結しているため、各主筋の先端部を重ね合わせる従来の接合構造のように、プレキャスト部材や既設部材の接合端面から主筋を大きく突出させる必要がない。したがって、一体のプレキャスト部材の容積が小さくなり、多数のプレキャスト部材を施工現場に搬入するときに、一台のトラックに積載可能な個数が多くなるため、搬入効率を高めることができる。
また、施工現場において各主筋に他の継手金具を取り付けることなく、各主筋に設けられた継手部材を連結することで、各主筋を簡単に連結することができる。
また、プレキャスト部材の接合端面と既設部材の接合端面とは突き合わされており、プレキャスト部材及び既設部材の各主筋に設けられた継手部材を連結することで、プレキャスト部材の接合端面と既設部材の接合端面とが密着し、プレキャスト部材と既設部材との間でせん断力が伝達される。したがって、従来の接合構造のように、プレキャスト部材と既設部材との間に充填されたグラウト等の充填材が硬化するのを待つことなく、速やかに次の工程に進むことができ、施工期間を短くすることができる。
また、プレキャスト部材や既設部材の接合端面から主筋を大きく突出させる必要がないとともに、各主筋の先端部に他の補強筋を重ねて継手を構成する必要もなくなる。
前記したプレキャスト部材の接合構造において、前記連結部材は、両端部が前記各継手部材にそれぞれ定着されたボルトによって構成することができる。
この構成では、継手部材に対してボルトを締め込むことで、各主筋を簡単に連結することができる。
前記したプレキャスト部材の接合構造において、前記連結部材は、繊維を用いた線状体であり、前記連結部材が前記各継手部材に巻き付けられているように構成することができる。
この構成では、各主筋に設けられた継手部材に線状体である連結部材を巻き付けることで、各主筋を簡単に連結することができる。
前記したプレキャスト部材の接合構造において、前記連結部材は、繊維を用いた線状体であり、前記連結部材の両端部は前記各継手部材に形成された孔部にそれぞれ挿通されており、前記連結部材の両端部に形成された結び目が前記各継手部材にそれぞれ係止されているように構成することができる。
この構成では、継手部材の孔部に挿通させた連結部材の端部に結び目を形成することで、各主筋を簡単に連結することができる。
前記したプレキャスト部材の接合構造において、前記凹部内には、充填材が充填されていることが望ましい。
この構成では、凹部内に充填された充填材が硬化することで、各継手部材を強固に連結することができる。
本発明のプレキャスト部材の接合構造によれば、プレキャスト部材を施工現場に搬入するときの搬入効率を向上させることができるとともに、プレキャスト部材の主筋と既設部材の主筋とを簡単に連結することができる。
次に、本発明の実施形態および参考例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態および各参考例の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
以下の各実施形態および各参考例では、工場で予め製作されたプレキャスト部材を既設部材に接合することで、ビルなどの構造物の柱や梁を建築する場合を例として説明する。
[第一実施形態]
まず、第一実施形態の接合構造について説明する。
第一実施形態の接合構造1Aは、図1(a)及び(b)に示すように、構造物の梁を構成する接合部材2と、構造物の壁部を構成する既設部材3とを接合したものである。
接合部材2は、工場で予め製作されたコンクリート製の部材であり、その内部には複数の主筋20・・・が軸方向(水平方向)に配筋されている。
接合部材2の接合端面2a側の縁部には、各主筋20・・・の先端部に対応する位置に複数の凹部2b・・・が形成されている。この凹部2bは直方体状に形成されており、接合部材2の接合端面2a及び外面2cに開口している。また、凹部2bの底面には主筋20の先端部が露出している。
接合部材2の主筋20の先端部には、図2(b)に示すように、板状の継手部材21が取り付けられている。この継手部材21は、長方形に形成されており、主筋20の軸方向に対して平面方向が直交し、長手方向が高さ方向に配置されている。また、継手部材21において主筋20側に向けられた取付面21aには、主筋20の先端面が摩擦圧接や溶接などによって接合されている(図2(a)参照)。
継手部材21は、図2(a)に示すように、凹部2bの接合端面2a側の開口を塞ぐように配置されており、縁部が接合部材2に埋め込まれている。
また、継手部材21は、接合部材2の外面2cよりも突出しないように高さが設定されるとともに、既設部材3側に向けられた接合面21bが接合部材2の接合端面2aと面一になるように配置されている。
また、継手部材21には、図2(a)に示すように、主筋20よりも接合部材2の外面2c側となる位置に円形の連結孔21c(図2(b)参照)が貫通している。
既設部材3は、図1(a)及び(b)に示すように、内部に複数の主筋30・・・が軸方向(水平方向)に配筋されている。なお、この実施形態では、工場で予め製作されたコンクリート製の部材を用いて既設部材3を構成しているが、場所打ちコンクリートを用いてもよい。
既設部材3の接合端面3a側の縁部には、各主筋30・・・の先端部に対応する位置に複数の凹部3b・・・が形成されている。この凹部3bは直方体状に形成されており、既設部材3の接合端面3a及び外面3cに開口している。また、凹部3bの底面には主筋30の先端部が露出している。
既設部材3の主筋30の先端部には、図2(b)に示すように、板状の継手部材31が取り付けられている。この継手部材31は、長方形に形成されており、主筋30の軸方向に対して平面方向が直交し、長手方向が高さ方向に配置されている。また、継手部材31において主筋30側に向けられた取付面31aには、主筋30の先端面が摩擦圧接や溶接などによって接合されている(図2(a)参照)。
継手部材31は、図2(a)に示すように、凹部3bの接合端面3a側の開口を塞ぐように配置されており、縁部が既設部材3に埋め込まれている。
また、継手部材31は、既設部材3の外面3cよりも突出しないように高さが設定されるとともに、接合部材2側に向けられた接合面31bが既設部材3の接合端面3aと面一になるように配置されている。
また、継手部材31には、図2(a)に示すように、主筋30よりも既設部材3の外面3c側となる位置に円形の連結孔31c(図2(b)参照)が貫通している。
図1(a)及び(b)に示すように、接合部材2の接合端面2aと、既設部材3の接合端面3aとを突き合わせたときには、接合部材2の主筋20に取り付けられた継手部材21の接合面21bと、既設部材3の主筋30に取り付けられた継手部材31の接合面31bとが突き合わされ、各継手部材21,31に形成された連結孔21c,31cが連通した状態となる。
接合部材2を既設部材3に接合する場合には、まず、図2(a)に示すように、接合部材2の接合端面2aを既設部材3の接合端面3aに対峙させて配置し、図1(a)及び(b)に示すように、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとを突き合わせる。
これにより、接合部材2の主筋20に取り付けられた継手部材21の接合面21bと、既設部材3の主筋30に取り付けられた継手部材31の接合面31bとが突き合わされ、各継手部材21,31に形成された連結孔21c,31cが連通する。
そして、各継手部材21,31に形成された連結孔21c,31cに、一方からボルトB1を挿入し、他方に突出したボルトB1の先端部にナットN1を締め込むことで、各継手部材21,31を連結する。このように、ボルトB1及びナットN1を連結部材として各継手部材21,31を連結することで、接合部材2の主筋20と既設部材3の主筋30とが連結され、ボルトB1及びナットN1の締め付け力によって、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達される状態となる。
さらに、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとの間にグラウト(充填材)を充填するとともに、接合部材2及び既設部材3の凹部2b,3b内にグラウト(充填材)を充填して、凹部2b,3b内にボルトB1及びナットN1を埋設することで、接合部材2と既設部材3との接合構造1Aの構築を完了する。
なお、接合部材2を既設部材3に突き合わせるときに、接合部材2が自重によって下がることを考慮して、接合部材2に対して上げ越しを行ってもよい。
以上のような接合構造1Aでは、図1(a)及び(b)に示すように、接合部材2及び既設部材3の各主筋20,30の先端部に設けられた継手部材21,31が、接合部材2及び既設部材3の接合端面2a,3aに形成された凹部2b,3b内に収められており、各継手部材21,31を連結することで、各主筋20,30を連結している。そのため、各主筋20,30の先端部を重ね合わせる従来の接合構造のように、接合部材2や既設部材3の接合端面2a,3aから主筋20,30を大きく突出させる必要がない。したがって、一体の接合部材2の容積が小さくなり、多数の接合部材2を施工現場に搬入するときに、一台のトラックに積載可能な個数が多くなるため、搬入効率を高めることができる。
また、施工現場において各主筋20,30に他の継手金具を取り付けることなく、各主筋20,30に設けられた継手部材21,31を、ボルトB1及びナットN1によって連結することで、各主筋20,30を簡単に連結することができる。
また、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとは突き合わされており、接合部材2及び既設部材3の各主筋20,30に設けられた継手部材21,31を連結することで、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達される。したがって、従来の接合構造のように、接合部材2と既設部材3との間に充填されたグラウト等の充填材が硬化するのを待つことなく、速やかに次の工程に進むことができ、施工期間を短くすることができる。
また、接合部材2や既設部材3の接合端面2a,3aから主筋20,30を大きく突出させる必要がないとともに、各主筋20,30の先端部に他の補強筋を重ねて継手を構成する必要もなくなる。
また、凹部2b,3b内に充填されたグラウト(充填材)が硬化することで、各継手部材を強固に連結することができる。なお、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとを突き合わせたときに、各接合端面2a,3aの窪みなどにより、各接合端面2a,3aの間に空洞部が部分的に形成された場合には、その空洞部にグラウトを注入して接合力を高めてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、図1(b)に示すように、接合部材2及び既設部材3の各接合端面2a,3aを平面に形成しているが、図3に示すように、接合部材2の接合端面2aに形成した凸部2dと、既設部材3の接合端面3aに形成した凹部3dとが嵌り合うように構成することもできる。
この構成では、接合部材2の接合端面2aに形成した凸部2dがせん断キーの役割りを果たすことになり、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとの間のせん断力の伝達性能を高めることができる。
なお、接合部材2の接合端面2aに凹部を形成し、既設部材3の接合端面3aに凸部を形成してもよい。
また、接合部材2及び既設部材3の各接合端面2a,3aの表面に目荒らしを施すことで、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとの間のせん断力の伝達性能を高めることもできる。
前記実施形態の継手部材21では、図2(b)に示すように、主筋20の上側となる位置に一つの連結孔21cが形成されているが、継手部材21に形成される連結孔21cの個数及び配置は限定されるものではない。例えば、図4(a)に示すように、主筋20の上側及び下側となる位置にそれぞれ連結孔21c,21cを形成してもよく、図4(b)に示すように、主筋20の上側となる位置に二つの連結孔21c,21cを形成し、主筋20の下側となる位置に一つの連結孔21cを形成してもよい。
前記実施形態では、図2(b)に示すように、主筋20,30を摩擦圧接や溶接などによって継手部材21,31に接合しているが、図5(a)に示すように、主筋20の先端部にねじ部20aを形成し、継手部材21に形成されたねじ孔21dに主筋20のねじ部20aを螺合させることで、主筋20を継手部材21に接合することもできる。
また、図5(b)に示すように、継手部材21の取付面21aにナットN2を接合し、このナットN2に主筋20の先端部に形成されたねじ部20aを螺合させることで、主筋20を継手部材21に接合することもできる。
また、図5(c)に示すように、継手部材21に貫通孔21eを形成し、この貫通孔21eに主筋20の先端部に形成されたねじ部20aを挿通させ、ねじ部20aに螺合させた二体のナットN3,N3によって、継手部材21を取付面21a側及び接合面21b側から挟み込むことで、主筋20を継手部材21に接合することもできる。
なお、この構成では、各継手部材21,31を連結するときに、各継手部材21,31のナットN3,N3や各主筋20,30の先端部が互いに干渉することを防ぐために、接合面21b,31b側に配置されたナットN3や主筋20,30の先端部は、接合面21b,31bに形成された凹部21f,31f内に収められている。
また、接合面21b,31bに凹部21f,31fを形成することなく、図5(d)に示すように、各継手部材21,31の接合面21b,31bにスペーサ21g,31gを突設させることで、ナットN3や主筋20,30の干渉を防ぐこともできる。
また、図5(e)に示すように、側面視でL字状の部材を用いて継手部材22を構成してもよい。この構成では、継手部材22の垂直部22dの下端部から主筋20に沿って水平部22fが延びており、主筋20の先端部を水平部22fの上面及び垂直部22dの取付面22aに接合することで、主筋20を継手部材22に対して強固に接合することができる。
前記実施形態では、図2(b)に示すように、各継手部材21,31は、各主筋20,30の軸方向に直交するように配置されているが、図6(a)及び(b)に示すように、各主筋20,30の軸方向に平行となるように配置した継手部材23,33を用いることもできる。この構成では、各主筋20,30は各継手部材23,33の端面に接合されており、各継手部材23,33の平面を板厚方向に重ねて連結するため、各主筋20,30の接合部の高さを小さくすることができる。
また、図6(c)及び(d)に示すように、側面視でL字状の部材を用いて継手部材24,34を形成し、各継手部材24,34の垂直部24d,34dに各主筋20,30を接合するとともに、各継手部材24,34の水平部24e,34eを板厚方向に重ねて連結することもできる。
前記実施形態では、図1(b)に示すように、継手部材21(31)に対して一本の主筋20(30)が接合されているが、図7(a)に示すように、継手部材21(31)に対して、高さ方向に所定間隔を離して配置された二本の主筋20,20(30,30)を接合することもできる。
また、図7(a)の構成では、二本の主筋20,20(30,30)よりも接合部材2(既設部材3)の外面2c(3c)側に連結部材としてのボルトB1及びナットN1を設けているが、図7(b)及び(c)に示すように、二本の主筋20,20(30,30)の側方で、二本の主筋20,20(30,30)の間となる高さにボルトB1及びナットN1を配置して、各継手部材21,31を連結することもできる。この構成では、図7(a)の構成と比較して、各継手部材21,31に作用する曲げモーメントを小さくすることができる。
また、二本の主筋20,20(30,30)の側方で継手部材21(31)を接合する構成では、図7(d)に示すように、二本の主筋20,20(30,30)の間となる高さ位置と、及び二本の主筋20,20(30,30)よりも接合部材2(既設部材3)の外面2c(3c)側となる位置と、の二箇所にボルトB1及びナットN1を配置することで、各継手部材21,31を強固に接合してもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の接合構造について説明する。
第二実施形態の接合構造1Bは、図8(a)に示すように、各継手部材21,31を連結するための連結部材として線状体40を用いること以外は、第一実施形態の接合構造1A(図1(b)参照)と略同様の構成である。
第二実施形態の継手部材21,31では、図8(b)に示すように、二つの連結孔21c,21c(31c,31c)が高さ方向に所定間隔を離して形成されている。そして、図8(a)に示すように、各継手部材21,31を突き合せた状態で、上方の連結孔21c,31c及び下方の連結孔21c,31cに繊維を用いた線状体40を通過させて、線状体40を各継手部材21,31に巻き付ける。そして、各継手部材21,31に巻き付けられた線状体40を締め上げて固定することで、各継手部材21,31が連結され、線状体40の締め付け力によって、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達される状態となる。この構成では、線状体40は凹部2b,3b内に収められており、各継手部材21,31を連結した後に、凹部2b,3b内にグラウト(充填材)を充填して、線状体40を凹部2b,3b内に埋設している。
このように、第二実施形態の接合構造1Bでは、各継手部材21,31に線状体40を巻き付けることで、各主筋20,30を簡単に連結することができる。
なお、線状体40としては、例えば、炭素繊維や耐アルカリ性のガラス繊維を用いることができる。
また、前記第二実施形態の接合構造1Bでは、図8(a)に示すように、継手部材21(31)の高さ方向に二つの連結孔21c,21c(31c,31c)を並べて形成し、線状体40を各継手部材21,31に対して縦方向に巻き付けているが、図9(b)に示すように、継手部材21(31)の幅方向に二つの連結孔21c,21c(31c,31c)を並べて形成し、図9(a)に示すように、線状体40を各継手部材21,31に対して横方向に巻き付けてもよい。
また、各継手部材21,31を連結するための連結部材に線状体を用いた構成としては、図10(a)及び(b)に示すように、各継手部材21,31の連結孔21c,31cに挿通させた線状体50の両端部に結び目51,51を形成し、結び目51,51を連結孔21c,31cに係止させることで、各継手部材21,31を連結しているものがある。このような接合構造1Bでは、結び目51と継手部材31の取付面31aとの間に板状の楔52を挿入し、線状体50に張力を発生させることで、各継手部材21,31を強固に連結している。また、継ぎ目51,51は、凹部2b,3b内に収められており、各継手部材21,31を連結した後に、凹部2b,3b内にグラウト(充填材)を充填して、結び目51,51を凹部2b,3b内に埋設している。
この構成では、各継手部材21,31の連結孔21c,31cに挿通させた線状体50の両端部に結び目51,51を形成することで、各主筋20,30を簡単に連結することができる。
第一参考例
次に、第一参考例の接合構造について説明する。
第一参考例の接合構造1Cでは、図11(a)に示すように、接合部材2及び既設部材3の凹部2b,3b内には、各主筋20,30の先端部を折り曲げて形成された折り曲げ部25,35がそれぞれ配置されている。
そして、接合部材2の接合端面2aと、既設部材3の接合端面3aとを突き合わせた状態で、図11(b)に示すように、繊維を用いた線状体60を各折り曲げ部25,35に巻き付け、この線状体60を締め上げて固定することで、各折り曲げ部25,35が連結され、線状体60の締め付け力によって、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達される状態となる。
以上のような第一参考例の接合構造1Cでは、接合部材2や既設部材3の接合端面2a,3aから主筋20,30を突出させる必要がなくなり、一体の接合部材2の容積が小さくなるため、搬入効率を高めることができる。
また、各主筋20,30に形成された折り曲げ部25,35に線状体60を巻き付けることで、各主筋20,30を簡単に連結することができる。
また、接合部材2及び既設部材3の各主筋20,30に形成された折り曲げ部25,35を連結することで、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達されるため、速やかに次の工程に進むことができ、施工期間を短くすることができる。
また、接合部材2や既設部材3の接合端面2a,3aから主筋20,30を突出させる必要がないとともに、各主筋20,30の先端部に他の補強筋を重ねて継手を構成する必要もなくなる。
第二参考例
次に、第二参考例の接合構造について説明する。
第二参考例の接合構造1Dは、図12(a)に示すように、接合部材2及び既設部材3の凹部2b,3bには、各主筋20,30の先端部がそれぞれ配置されている。第二参考例では、各主筋20,30の先端部は軸方向に沿って直線状に形成されている。
第二参考例の接合構造1Dでは、接合部材2の接合端面2aと、既設部材3の接合端面3aとを突き合わせた状態で、連結部材であるスリーブ70に形成されたU字状の溝部71(図12(b)参照)内に、各主筋20,30の先端部を挿入する。スリーブ70では、溝部71に挿入された各主筋20,30よりも上側となる位置に、スリーブ70の両側壁に形成された貫通孔を通じて、溝部71の幅方向に亘ってボルトB4が設けられている。そして、ボルトB4の先端部をスリーブ70の外面に配置されたナットN4に締め込んで、その押圧力によって溝部71の溝幅を狭めている。このようにして、各主筋20,30の先端部をスリーブ70の溝部71内に挟み込むことで、各主筋20,30が連結され、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達される状態となる。
以上のような第二参考例の接合構造1Dでは、接合部材2や既設部材3の接合端面2a,3aから主筋20,30を突出させる必要がなくなり、一体の接合部材2の容積が小さくなるため、搬入効率を高めることができる。
また、各主筋20,30の先端部をスリーブ70の溝部71に挿入し、スリーブ70に設けられたボルトB4を締め込むことで、各主筋20,30を簡単に連結することができる。
また、接合部材2及び既設部材3の各主筋20,30の先端部をスリーブ70に定着させて連結することで、接合部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとが密着し、接合部材2と既設部材3との間でせん断力が伝達されるため、速やかに次の工程に進むことができ、施工期間を短くすることができる。
また、接合部材2や既設部材3の接合端面2a,3aから主筋20,30を突出させる必要がないとともに、各主筋20,30の先端部に他の補強筋を重ねて継手を構成する必要もなくなる。
第一実施形態の接合構造を示した図で、(a)は平面図、(b)は側断面図である。 第一実施形態の接合構造を示した図で、(a)は接合部材を既設部材に接合する前の状態を示した側断面図、(b)は各主筋の先端部を示した斜視図である。 第一実施形態の接合構造の変形例を示した図で、接合部材の接合端面に凸部を設けた構成の側断面図である。 第一実施形態の接合構造における継手部材の変形例を示した図で、(a)は主筋の上下に連結孔を形成した構成の斜視図、(b)は主筋の上側に二つの連結孔を形成し、主筋の下側に一つの連結孔を形成した構成の斜視図である。 第一実施形態の接合構造における継手部材の変形例を示した図で、(a)は継手部材のねじ部に主筋の先端部を螺合させる構成の側面図、(b)は継手部材のナットに主筋の先端部を螺合させる構成の側面図、(c)は接合面に凹部を形成した構成の側面図、(d)は接合面にスペーサを突設した構成の側面図、(e)はL字状の継手部材を用いた構成の側面図である。 第一実施形態の接合構造における継手部材の変形例を示した図で、(a)は継手部材の平面方向を主筋の軸方向に向けた構成の側面図、(b)はその平面図、(c)はL字状の継手部材を用いた構成の側面図、(d)はその平面図である。 第一実施形態の接合構造の変形例を示した図で、(a)は継手部材に二本の主筋が取り付けられている構成の側断面図、(b)は二本の主筋の側方に連結部材を配置した構成の平面図、(c)はその側断面図、(d)は二本の主筋の側方に二体の連結部材を配置した構成の側断面図である。 第二実施形態の接合構造を示した図で、(a)は側断面図、(b)は各主筋の先端部を示した斜視図である。 第二実施形態の接合構造の変形例を示した図で、(a)は線状体を横方向に巻き付けた構成の側断面図、(b)は各主筋の先端部を示した斜視図である。 第二実施形態の接合構造の変形例を示した図で、(a)は線状体の両端部に結び目を形成した構成の平面図、(b)はその側断面図である。 第一参考例の接合構造を示した図で、(a)は側断面図、(b)は各主筋の先端部を示した平面図である。 第二参考例の接合構造を示した図で、(a)は側断面図、(b)は軸断面図である。 従来の接合構造を示した図で、(a)は各主筋を重ね合わせた構成の平面断面図、(b)は各主筋の折り曲げ部をスリーブで連結する構成の側面図、(c)はその平面図、(d)は各主筋の先端部をスリーブで連結する構成の側面図、(e)はその軸断面図である。
符号の説明
1A 接合構造(第一実施形態)
1B 接合構造(第二実施形態)
1C 接合構造(第一参考例
1D 接合構造(第二参考例
2 接合部材
2a 接合端面
2b 凹部
3 既設部材
3a 接合端面
3b 凹部
20 主筋
21 継手部材
21c 連結孔
30 主筋
31 継手部材
31b 接合面
31c 連結孔
40 線状体
50 線状体
51 結び目
60 線状体
70 スリーブ

Claims (5)

  1. プレキャスト部材を既設部材に接合する接合構造であって、
    前記プレキャスト部材及び前記既設部材には主筋が配筋されるとともに、前記プレキャスト部材及び前記既設部材の接合端面には凹部が形成され、前記凹部の底面に前記主筋の先端部が露出するとともに、前記凹部内には前記主筋の先端部に設けられた継手部材が配置されており、
    前記プレキャスト部材の接合端面と、前記既設部材の接合端面とが突き合わされ、前記プレキャスト部材及び前記既設部材の各主筋に設けられた継手部材が連結部材によって連結されていることを特徴とするプレキャスト部材の接合構造。
  2. 前記連結部材は、両端部が前記各継手部材にそれぞれ定着されたボルトであることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト部材の接合構造。
  3. 前記連結部材は、繊維を用いた線状体であり、前記連結部材が前記各継手部材に巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト部材の接合構造。
  4. 前記連結部材は、繊維を用いた線状体であり、前記連結部材の両端部は前記各継手部材に形成された孔部にそれぞれ挿通されており、
    前記連結部材の両端部に形成された結び目が前記各継手部材にそれぞれ係止されていることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト部材の接合構造。
  5. 前記凹部内には、充填材が充填されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプレキャスト部材の接合構造。
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