JP2006188889A - 杭の継手構造 - Google Patents

杭の継手構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2006188889A
JP2006188889A JP2005001630A JP2005001630A JP2006188889A JP 2006188889 A JP2006188889 A JP 2006188889A JP 2005001630 A JP2005001630 A JP 2005001630A JP 2005001630 A JP2005001630 A JP 2005001630A JP 2006188889 A JP2006188889 A JP 2006188889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
joint pipe
torque transmission
pipe
outer joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005001630A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimihisa Takano
公寿 高野
Hisakazu Tachika
久和 田近
Hiroaki Akutagawa
博昭 芥川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2005001630A priority Critical patent/JP2006188889A/ja
Publication of JP2006188889A publication Critical patent/JP2006188889A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

【課題】 構造がきわめて簡単で、接合や杭体の分離が容易であり、その上大きなトルクを確実に伝達することのできる杭の継手構造を提供する。
【解決手段】 上杭からの圧縮荷重又は引張り荷重を下杭に位置する手段を有し、一方の杭に接合された内側継手管1と、他方の杭に接合されて内側継手管1に嵌合する外側継手管11とからなり、内側継手管1又は外側継手管11のいずれか一方の継手管の軸方向に端部に開口する複数のスリット8を設けると共に、他方の継手管に外側継手管11を内側継手管1に嵌合したときにスリット8に嵌入するトルク伝達部20を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、杭の継手構造に係り、特に、杭の先端部又はその近傍に翼状板が設けられ、地中に回転圧入されるねじ込み杭に実施して有効な杭の継手構造に関するものである。
一般に、杭の施工においては、打設を要する深度に到達するまでに複数本の杭を継いで施工される。従来、このような杭の継ぎ作業は施工現場において溶接により行われていたが、品質が安定しないことや特殊技能が必要とされること、作業時間が長くまた天候に左右されるため工程に問題が生じ易いなどの問題があった。そこで、これらの問題を解決すべく、溶接に代わる杭の継手構造が種々提案されている。
溶接によらない杭の継手構造として、第1杭の端部に延設される係合部材と、第2杭の端部に延設される被係合部材とを備え、係合部材及び被係合部材の少なくとも一方は弾性を有しており、係合部材と被係合部材が当接して相対的に変形し、第1杭と第2杭が接合されるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、嵌合雌部の内周にその端面から軸方向に形成された軸方向溝部分とその下部に連なって周方向に形成された周方向溝部分とからなる複数の係合溝が周方向に間隔を置いて設けられ、嵌合雄部の外周には嵌合雌部との嵌合に伴って係合溝の軸方向溝部分に嵌入する複数の係合突起が周方向に間隔を置いて設けられるとともに、各係合突起の上方にあってかつ該突起と軸方向に整列するように回転阻止部材が仮止めされ、嵌合雌部に嵌合された嵌合雄部を回転させると、係合突起が係合溝の周方向溝部分に嵌入するとともに、回転阻止部材の仮止めが解除されて該回転阻止部材が軸方向溝部分内を落下して、周方向溝部分の入口部を閉鎖するようにした杭の継手構造がある(例えば、特許文献2参照。)
特開2003−3463号公報 特開2003−90034号公報
杭の現場施工には、打撃工法、埋込み工法、中堀り工法などがあるが、打撃工法は騒音や振動の問題から都市部での適用が困難であり、埋込み工法や中堀り工法は施工時に発生する掘削上の処理等が問題となる。このようなことから、住宅地の近傍等の環境を考慮する必要のある施工現場においては、杭体の先端部やその近傍などに翼状板が取付けられたねじ込み杭を回転し、翼状板のねじ作用により、低騒音、低振動、かつ無排土で杭体を貫入することができる回転圧入工法が多く採用されている。
特許文献1の継手構造は、第1杭に設けた係合部材を第2杭に設けた被係合部材に係合させて上杭を下杭を接合するようにしたものであるが、回り止め機構を備えていないため上杭の回転を下杭に伝達することができず、このため、回転圧入工法によって施工されるねじ込み杭の継手には使用することができない。
特許文献2の継手構造は、嵌合雌部に設けたL字状の複数の嵌合溝に、嵌合雄部に設けた係合突起を嵌入し、回転阻止部材を落下させて周方向溝部分の入口を閉鎖するようにしているので、上杭の回転を下杭に伝達することができる。しかし、嵌合雌部にはL字状の複数の嵌合溝を設け、嵌合雄部には回転阻止部材を仮止めするなど、構造がきわめて複雑で製作が面倒であり、コストが増大する。
また、接合にあたっては、仮止めされた回転阻止部材を落下させて周方向溝部分の入口部を閉鎖するようにしているが、回転阻止部材は固定されていないため不安定であり、接合途中で落下してしまうおそれがある。
さらに、施工ミスや杭体の引き抜きあるいは解体時などにおいて、継手部により柱体を分割することができないため溶断しなければならず、このため、手間がかかるばかりでなく不経済である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構造がきわめて簡単で、杭体の接合や分離が容易であり、その上大きなトルクを確実に伝達することのできる杭の継手構造を提供することを目的としたものである。
本発明に係る杭の接合構造は、上杭からの圧縮荷重又は引張り荷重を下杭に伝達する手段を有し、一方の杭に接合された内側継手管と、他方の杭に接合されて前記内側継手管に嵌合する外側継手管とからなり、前記内側継手管又は外側継手管のいずれか一方の継手管に軸方向に端部に開口する複数のスリットを設けると共に、他方の継手管に前記外側継手管を内側継手管に嵌合したときに前記スリットに嵌入するトルク伝達部を設けたものである。
上記のトルク伝達部を、板状のトルク伝達キー又はトルク伝達ボルトで形成した。
また、上記のトルク伝達キーの厚みt又はトルク伝達ボルトのねじ部の外径dを、前記スリットの幅wに対してt=0.8〜0.95w又はd=0.8〜0.95wに形成した。
さらに、上記の下杭をねじ込み杭で構成した。
本発明によれば、構造がきわめて簡単で、杭体の接合や分離が容易であり、その上大きなトルクを確実に伝達することのできる杭の継手構造を得ることができる。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る杭の継手構造の模式的断面図、図2は図1の継手構造の接合状態を示す模式的断面図、図3は図2のA−A断面図である。
図において、Jは杭体31,32(以下、鋼管杭の場合を示し、下杭である杭体31は翼状板を有するねじ込み式の鋼管杭とする)を接合する継手部で、下端部が下杭である鋼管杭31の杭頭部に溶接接合された円筒状の内側継手管1と、上端部が上杭である鋼管杭32の先端部に溶接接合された円筒状の外側継手管11とからなっている。
内側継手管1は、鋼管杭31の内径より若干小径の内径からなる本体部2からなり、本体部2の下端部には鋼管杭31の外径とほぼ等しい拡径部3が設けられており、拡径部3の下部内壁は傾斜部3aを介して拡径され、鋼管杭31の内径とほぼ等しく形成されている。
そして、本体部2の外周には、拡径部3によって形成された段部4を介して第1の縮径部5が形成され、その上部はさらに縮径されて板厚の薄い第2の縮径部6が形成されており、上端部には、拡径部3より若干小径に拡径された係止鍔部7が設けられる。
8は本体部2の軸方向に所定の間隔で設けられた複数のスリットで、上端部は本体部2の上端部に開口しており、これらスリット8によりそれぞれ分割片9が形成されている。なお、これらスリット8の上下方向の長さは、本体部2の上端部から本体部2の全長の90%あるいはそれ以上の長さとすることが望ましい。10は各分割片9の係止鍔部7に設けたねじ穴である。
外側継手管11は、鋼管杭32の外径とほぼ等しい外径の本体部12からなり、上下の連結部13a,13bの内径は鋼管杭の32の内径とほぼ等しく形成されている。なお、継手部Jを例えば高強度鋼等の鋼管杭32よりも高い耐力の材料で構成した場合は、連結部13a,13bの内径は鋼管杭32の内径より大きくてもよい。そして、下部連結部13bの上部内壁は縮径されて第1の縮径部14が形成され、その上端部は段部15を介して拡径され、内側継手管1の係止鍔部7に対応した嵌合凹部16が形成されており、嵌合凹部16の上部内壁はさらに縮径されて第2の縮径部17が形成されている。18は内側継手管1のねじ穴10に対応して嵌合凹部16の周壁に設けたボルト押通穴である。
20は本体部12の内壁に、内側継手管1のスリット8に対応して中心部に向って突設されたトルク伝達部を構成する1個又は複数個のトルク伝達キーである。このトルク伝達キー20は、例えば図4に示すように、外側継手管11の製作段階において、鍜造した部材の削出し時に外側継手管11と一体に形成したもので、その幅(厚み)tはスリット8の幅wより若干狭く、t=0.8〜0.95w程度で、上下方向の長さはスリット8の長さより短かく形成されている。なお、このトルク伝達キー20は、ねじ込み杭の施工方法に応じたトルクに基いて、長さ、幅及び分布を適宜選定することにより、加えられるトルクに対して最適に設定される。
上記の外側継手管11の下端部から段部15までの高さh2は、内側継手管1の段部4
から係止鍔部7の下端部までの高さh1とほぼ等しく形成されており、嵌合凹部16の高
さh4は、係止鍔部7の高さh3とほぼ等しいか又は若干高く形成されている。また、内側継手管1の第1、第2の縮径部5,6と、外側継手管11の下部連結部13b及び第1の縮径部14との、それぞれの板厚の合計は、内径継手管1の拡径部3の板厚t1及び外側
継手管11の第2の縮径部17の板厚t2とほぼ等しくなるように形成されている。
上記のように構成した内側継手管1と外側継手管11とにより、鋼管杭31(下杭)と鋼管杭32(上杭)とを接続するにあたっては、杭頭部に内側継手管1が接合され、施工機械により回転駆動されて地中に貫入されて内側継手管1が地表に露出する鋼管杭31上に、先端部に外側継手管11が接合された鋼管杭32をクレーン等で吊り下げて、外側継手管11を内側継手管1に位置決めする。
そして、鋼管杭32を下降させると、図5に示すように、内側継手管1の各分割片9が撓んで縮径され、外側継手管11内に嵌入される。このとき、スリット8にはトルク伝達キー20が嵌入するが、トルク伝達キー20の厚みは前述のようにスリット8の幅より薄く形成されるので、嵌入に支障を来すことはない。なお、外側継手管11を内側継手管1に嵌入し易くするために、内側継手管1の係止鍔部7の上部外周部を、図2に波線7aで示すように傾斜して切除してもよい。
鋼管杭32をさらに下降させると、係止鍔部7が嵌合凹部16内に嵌入して停止し、各分割片9が元の状態の近傍まで戻ると共に、外側継手管11の下端部が内側継手管1の段部4に当接し、トルク伝達キー20はスリット内に位置する。
ついで、外側継手管11のボルト挿通穴18に挿通したボルト28を内側継手管1の各分割片9に設けたねじ穴10に螺入し、締付けて各分割片9を外側継手管32の内壁側に引寄せて元の状態に戻し(拡径し)、その外周壁を内壁に当接又は近接させて、一体に結合する。このときの状態を図2に示す。
上記のようにして内側継手管1と外側継手管11とによって接合された鋼管杭31と32において、鋼管杭32に加わる圧縮荷重は、外側継手管11の下端部から内側継手管1の段部4を介して鋼管杭31に伝達され、引張荷重は、外側継手管11の嵌合凹部16の段部15から、内側継手管1の係止鍔部7の下端部を介して、鋼管杭31に伝達される。
また、鋼管杭32の回転は、トルク伝達キー20からスリット8を介して鋼管杭31に伝達される。
本発明においては、上記のようにトルク伝達キー20をスリット8に嵌入して、鋼管杭32の回転を鋼管杭31に伝達するようにしているが、このように構成したことにより、スリット8が内側継手管1の軸方向に長く分布しているので、鋼管杭32の回転によるトルクを、例えば内側継手管1の分割片9を外側継手管11に固定するボルト28を介して伝達する場合(このようなことも考えられる)に比べて、トルクが均一に分散され、スムーズに伝達できるようになった。また、圧縮荷重や引張荷重を伝達する部位を変更する必要がないので、圧縮荷重や引張荷重さらには曲げに抵抗する性能を低下させることなくトルク伝達部を設けることができたのである。
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2に係る杭の継手構造の模式的断面図、図7は図6の杭の継手構造の接合状態を示す模式的断面図である。なお、実施の形態1と同じ機能の部分には同じ符号を付してある。
本実施の形態は、基本的には実施の形態1の場合と同様であるが、一部を変えたものである。すなわち、本実施の形態においては、外側継手管11の下端部から段部15までの高さh2を、内側継手管1の段部4から係止鍔部7までの高さh1より若干低く形成したものである。また、スリット8の下端部を内側継手管1の段部4よりh5だけ上方までに止めると共に、これに嵌合する外側継手管11のトルク伝達キー20の上端部を嵌合凹部16内まで延設し、その下端部を外側継手管11の下端部よりh6だけ上方まで設けたものである。なお、h5とh6はほぼ等しい高さである。
上記のように構成した本実施の形態において、外側継手管11を内側継手管1に嵌合して接合すると、前述のようにh1<h2となっているため、図7に示すように、係止鍔部7の外周及び上下と、嵌合凹部16の内壁との間に若干すき間が生じるようになっているので、係止鍔部7をより容易に嵌合凹部16に嵌入することができる。また、トルク伝達キー20の下端部が、スリット8の下端部まで達しているので両者の接触面積が大きくなり、外側継手管11のトルクをより確実に内側継手管1に伝達することができる。
本実施の形態においても、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
図8〜図15は、外側継手管11にトルク伝達キー20を設ける場合の他の例を示すものである。なお、各図において、図11を除き、(a)は平断面を、(b)は縦断面を示す。
図8は、鍛造した部材を削り出して形成した円筒状の外側継手管11の内壁に、別部材からなるトルク伝達キー20の基部を溶接により接合したもので、トルク伝達キー20の基部が外側継手管11と一体的に形成されているので、図4の場合と同様に大きなトルクの伝達性能を得ることができる。
図9は、外側継手管11の内周側に、内側継手管1のスリット8に対応して、内壁に開口するT字状の溝19を設けると共に、別部材からなるトルク伝達キー20の基部の両側の上下方向に溝19に嵌合する突片21を設け、トルク伝達キー20の基部を外側継手管11の上方から溝19内に嵌入して取付けたものである。本例によれば、トルク伝達キー20を外側継手管11に簡単に取付けることができるので、外側継手管11の製作が容易である。
図10は、外側継手管11の嵌合凹部16の下方の軸方向に、内側継手管1のスリット8に対応して複数のボルト挿通穴24を設けると共に、別部材からなるトルク伝達キー20にこのねじ挿通穴24に対応してねじ穴22を設け、ボルト挿通穴24に挿通したボルト26を外側継手管11の内壁側に配設したトルク伝達キー20のねじ穴22に螺入して取付けたのものである。本例によれば、杭の施工時に外側継手管11にトルク伝達キー20を取付けることができる(以下の例においても同様である)。
図11は、図10の場合と同様に、外側継手管11にボルト挿通穴24を設けると共に、トルク伝達キー20をスリット8より幅狭で内側継手管1の板厚とほぼ等しい高さの脚部23aと、脚部23aの端部(内側)に設けたスリット8より幅広の腕部23bとにより断面T字状に形成し、脚部23aから腕部23bにかけて、ボルト挿通穴24に対応してねじ穴22を設けたものである。
本例においては、当初、図11(a)に示すように、トルク伝達キー20を、その脚部23aの基部と外側継手管11の内壁との間に若干すき間をあけて、ボルト挿通穴24からねじ穴22に螺入したボルト26により外側継手管11に仮止めしておき、脚部23bをスリット8に挿入する。そして、外側継手管11を内側継手管1に接合したのち、図11(b)に示すように、ボルト26を締付けて固定する。これにより、トルク伝達キー20の腕部23bが内側継手管1の内壁に圧着され、内側継手管1と外側継手管11とをより強固に一体化することができる。
図12は、図10の場合とほぼ同様であるが、外側継手管11の内壁の軸方向に、スリット8に対応してトルク伝達キー20の幅とほぼ等しい幅の溝25を設け、トルク伝達キー20の基部をこの溝25に嵌入してボルト26で固定したものである。このように構成したことにより、トルク伝達キー20を取付ける際の位置決めが容易であるばかりでなく、許容トルクを溝25の深さ×幅×トルク伝達キー20の数だけ増加することができる。
図13は、図10の場合とほぼ同様であるが、トルク伝達キー20を上下方向に複数(図には2つの場合が示してある)に分割したものである。本例は、上述の図4、図8〜図12のトルク伝達キー20にも実施することができ、それぞれほぼ同様の効果を得ることができる。
上述の各例では、外側継手管11のトルクを内側継手管1に伝達するためのトルク伝達部として、ほぼ板状のトルク伝達キー20を設けた場合を示したが、図14はこのトルク伝達キー20に代えてトルク伝達ボルト20aを設けたものである。すなわち、外側継手管11の軸方向に、スリット8に対応して、複数のねじ穴27を設け、また、その外径がスリット8の幅より若干小径のねじ部を有するトルク伝達ボルト20aを備え、トルク伝達ボルト20aのねじ部をねじ穴27に螺入して内壁から突出させ、スリット8に嵌入するようにしたものである。
本例においても、板状のトルク伝達キー20の場合とほぼ同様の効果が得られるが、さらにトルク伝達部の取付けが容易である。
図14においては、トルク伝達部として全長にねじ部を有するトルク伝達ボルト20aを用いた場合を示したが、図15に示ように、頭部側の外側継手管11の板厚に対応する範囲にねじを設け、それより先端部を、このねじ部及びスリット8の幅より若干小径の軸としてトルク伝達ボルト20bを形成してもよい。
このように構成することにより、大径のボルトを使用できるばかりでなく、トルクによってねじ部が潰されることがないので、外側継手管11の大きなトルクをより確実に内側継手1に伝達することができる。なお、図14、図15の例において、トルク伝達ボルト20aのねじ部又は軸の外径dは、スリット8の軸wに対して、d=0.8〜0.95wに形成される。
[実施の形態3]
実施の形態1及び2では内側継手管1にスリット8を設け、外側継手管11にスリット8に嵌入するトルク伝達部(トルク伝達キー20)を設けた場合を示したが、本実施の形態は、外側継手管11にスリット8を設け、内側継手管1にトルク伝達キー20を設けたものである。
すなわち、図16に示すように、外側継手管11の本体部12の嵌合凹部16から軸方向に、下端部に開口する複数のスリット8を等間隔で設けて、スリット8の間に分割片9を形成し、また、内側継手管1の本体部2の外周壁の係止鍔部7の下から軸方向に、外壁継手管11のスリット8に対応して1個又は2個以上のトルク伝達キー20を外方に突設したものである。
本実施の形態における内側継手管1と外側継手管11の接合手順は実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、外側継手管11を内側継手管1に嵌合する際に、外側継手管11の分割片9が撓んで拡径される。そのため、外側継手管11の各分割片9の下部にボルト挿通穴18を設けると共に、内側継手管1の第1の縮径部5にこのボルト挿通穴18に対応してねじ穴10を設け、両者の接合後にボルト挿通穴18に挿通したボルトをねじ穴10に螺入して締付け、分割片9を内側継手管1側に引き寄せて縮径させ、固定することが必要である。
本実施の形態においても、実施の形態1の場合と同様の作用、効果を得ることができる。
上記の説明では、下杭である鋼管杭31に内側継手管1を接合し、上杭である鋼管杭32に外側継手管11を接合した場合を示したが、下杭である鋼管杭31に外側継手管11を、上杭である鋼管杭32に内側継手管1を接合してもよく、このようにしても前記と同様の作用、効果を得ることができる。
また、ねじ込み式の鋼管杭の継手に本発明に係る内側継手管と外側継手管を実施したが、ねじ込み杭以外の杭の継手や杭以外の鋼管の継手にも本発明を実施することができる。
次に、図6,7に示す実施の形態2の内側継手管1と外側継手管11とからなる継手構造の実施例について説明する。
下杭である鋼管杭31には、外径800mm、板厚16mm、長さ15mの鋼管の下端部に、外径1200mmの翼状板が取付けられたねじ込み式の鋼管杭を、上杭である鋼管杭32には、鋼管杭31の鋼管と同じ鋼管(翼状板は設けられていない)を使用した。
内側継手管1は、拡径部3の外径が鋼管の外径と同じで800mm、全高H290mm、係止鍔部7の外径が778mm、高さが52mm、段部4から係止鍔部7の下線部までの高さh1が138mmで、上端部から軸方向に、幅w14mm、長さh7180mmのスリット8を等間隔で8本設けた。
また、外側継手管11は、外径が鋼管の外径と同じで800mm、全高H1292mm、嵌合凹部16の内径が780mm、高さが54mm、下端部から嵌合凹部16の下線部までの高さh2が137mmで、嵌合凹部16の下端部から軸方向に、スリット8に対応して幅(厚み)t13mm、長さ(高さ)h8165mm、突出長9mmのトルク伝達キー20を8個設けた。
そして、杭頭部に内側継手管1が接合された下杭であるねじ込み式の鋼管杭31を施工機械により回転させて翼状板のねじ作用により、杭頭部が地表近傍に達するまで地中に貫入した。
次に、先端部に外側継手管11をが接合された上杭である鋼管杭32をクレーンで吊り下げて、その外側継手管11を内側継手管1上に位置決めし、鋼管杭32を徐々に下降させて、図5で説明したように、外側継手管11を内側継手管1に嵌合して結合した。そして、ボルト挿通穴18に挿通したボルト28をねじ穴10に螺入して分割片9をそれぞれ外側継手管11側に引き寄せて固定し、接合を完了した。
この場合、外側継手管11を内側継手管1に嵌合して接合する際に、内側継手管1の各分割片9が撓んで内側に7mm程度縮径する。しかし、この縮径は内側継手管1の外径に対して1/53程度であり、スリット8の幅が14mmの場合、0.27mm程度狭くなるだけなので、幅(厚み)13mmのトルク伝達キー20をスムーズに嵌入することができる。
次に、施工機械により鋼管杭32を回転し、そのトルクを外側継手管11のトルク伝達キー20を介して内側継手管1に伝達し、鋼管杭31を回転させて翼状板により地中に貫入し、引続き鋼管杭32を回転させることにより内側継手管1と外側継手管11で接合された鋼管杭31,32を地中に貫入した。施工にあたっては、鋼管杭32の回転がスムーズに鋼管杭31に伝達され、支障なく施工することができた。
施工が終了したのち、鋼管杭32を反対方向に回転させながらクレーンにより引き上げ、内側継手管1と外側継手管11が地上に露出した段階でボルト28を除去し、鋼管杭32を引き上げて外側継手管11を内側継手管1から分離した。
そして、内側継手管1のスリット8、外側継手管11のトルク伝達キー20の状態を検査したところ、両者とも変形や座屈を生じることなく、施工前の状態と全く変化がないことが確認された。
ところで、トルク伝達キー20の幅(厚み)tは、スリット8の幅wより狭く、前述のようにt=0.8〜0.95w程度とした。これは、上記の実施例及び発明者らの試験において、外径の大きい杭(例えば、上記実施例による杭で、外径800mm、板厚16mm)では、内側継手管1に外側継手管2を嵌合して接合する際に、内側継手管1が縮径してスリット8の幅1/53(1.88%)程度縮減することがわかった。また、外径の小さい杭(例えば、外径400mm、板厚19mm)をモデルにすると、スリット8の幅が4.14%程度縮減する。これらのことから、実施可能なすべての杭において、内側継手管1に外側継手管11を嵌合する際に、スリット8に嵌入可能となるトルク伝達キー20の幅(厚み)tの上限は、スリット8の幅wに対して、t=0.95w程度であればよいことが確認された。
また、スリット8の幅wは、杭の外径や板厚などによって異なるが、一般に10〜18mm程度と考えられる。トルク伝達キー20は上杭のトルクを下杭に伝達するものであるから、機能的にはガタが少なくトルクを即座に伝達することが望ましい。このため、スリット8の幅wが狭い場合(例えば、w=10mm)で、両側にそれぞれ1mm程度のすき間、スリット8の幅wが広い場合(例えば、w=18mm)の場合で、両側にそれぞれ1.8mm程度のすき間が限度と考えられ、これよりすき間を大きくするとトルクのレスポンスが悪くなり、またトルクの伝達キー20が薄くなって強度が低下するので、トルク伝達キー20の幅(厚み)tの下限を、スリット8の幅wに対して、t=0.8w程度とした。
上記の説明では、本発明に係る継手構造を鋼管の継手として用いた場合を示したが、本発明の継手構造は、例えば鋼製の端板を有する既成コンクリート杭(PHC杭、PRC杭、SC杭)の軸方向の継手としても用いることができる。
本発明の実施の形態1に係る杭の継手構造の模式的断面図である。 図1の継手構造の接合状態を示す模式的断面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のトルク伝達キー部分の拡大図である。 図1の継手構造の接合手順の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る杭の継手構造の模式的断面図である。 図6の継手構造の接合状態を示す模式的断面図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 外側継手管に設けたトルク伝達部の他の例を示す説明図である。 本発明の実施の形態3に係る杭の継手構造の模式的断面図である。
符号の説明
1 内側継手管、2 本体部、4 段部、7 係止鍔部、8 スリット、9 分割部、11 外側継手部、12 本体部、15 段部、16 嵌合凹部、20 トルク伝達キー(トルク伝達部)、20a トルク伝達ボルト(トルク伝達部)31,32 杭体(鋼管杭)。

Claims (4)

  1. 上杭からの圧縮荷重又は引張り荷重を下杭に伝達する手段を有し、一方の杭に接合された内側継手管と、他方の杭に接合されて前記内側継手管に嵌合する外側継手管とからなり、
    前記内側継手管又は外側継手管のいずれか一方の継手管に軸方向に端部に開口する複数のスリットを設けると共に、他方の継手管に前記外側継手管を内側継手管に嵌合したときに前記スリットに嵌入するトルク伝達部を設けたことを特徴とする杭の継手構造。
  2. 前記トルク伝達部を、板状のトルク伝達キー又はトルク伝達ボルトで形成したことを特徴とする請求項1記載の杭の継手構造。
  3. 前記トルク伝達キーの厚みt又はトルク伝達ボルトのねじ部の外径dを、前記スリットの幅wに対してt=0.8〜0.95w又はd=0.8〜0.95wに形成したことを特徴とする請求項2記載の杭の継手構造。
  4. 前記下杭がねじ込み杭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の杭の継手構造。
JP2005001630A 2005-01-06 2005-01-06 杭の継手構造 Pending JP2006188889A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005001630A JP2006188889A (ja) 2005-01-06 2005-01-06 杭の継手構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005001630A JP2006188889A (ja) 2005-01-06 2005-01-06 杭の継手構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006188889A true JP2006188889A (ja) 2006-07-20

Family

ID=36796329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005001630A Pending JP2006188889A (ja) 2005-01-06 2005-01-06 杭の継手構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006188889A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015169061A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 株式会社技研製作所 鋼管の継手構造
JP2019196589A (ja) * 2018-05-07 2019-11-14 Jfeスチール株式会社 鋼管の継手構造

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5817789Y2 (ja) * 1980-09-24 1983-04-11 住友金属工業株式会社 杭の接合装置
JPH0827781A (ja) * 1994-07-14 1996-01-30 Shimizu Corp 鋼管杭の継手構造及びその鋼管杭の継手構造を用いた鋼管杭の施工方法
JPH11158867A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Okamoto Kensetsu Yohin Seisakusho:Kk 鋼管杭及び鋼管杭の閉塞蓋
JP2000319874A (ja) * 1999-03-05 2000-11-21 Kubota Corp 柱状体
JP2002339349A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Kubota Corp 杭の継手構造
JP2003027463A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Sekisui House Ltd 鋼管杭用先端部材及び鋼管杭
JP2003090034A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Geotop Corp 杭の継手構造
JP2004036329A (ja) * 2002-07-08 2004-02-05 Jfe Steel Kk 鋼管の継手構造

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5817789Y2 (ja) * 1980-09-24 1983-04-11 住友金属工業株式会社 杭の接合装置
JPH0827781A (ja) * 1994-07-14 1996-01-30 Shimizu Corp 鋼管杭の継手構造及びその鋼管杭の継手構造を用いた鋼管杭の施工方法
JPH11158867A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Okamoto Kensetsu Yohin Seisakusho:Kk 鋼管杭及び鋼管杭の閉塞蓋
JP2000319874A (ja) * 1999-03-05 2000-11-21 Kubota Corp 柱状体
JP2002339349A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Kubota Corp 杭の継手構造
JP2003027463A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Sekisui House Ltd 鋼管杭用先端部材及び鋼管杭
JP2003090034A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Geotop Corp 杭の継手構造
JP2004036329A (ja) * 2002-07-08 2004-02-05 Jfe Steel Kk 鋼管の継手構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015169061A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 株式会社技研製作所 鋼管の継手構造
JP2019196589A (ja) * 2018-05-07 2019-11-14 Jfeスチール株式会社 鋼管の継手構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011106190A (ja) ライナープレート連結構造及びライナープレート連結構造体
JP5053828B2 (ja) 継手構造
JP5140114B2 (ja) 既製杭の接合方法、既製杭の接合金物
JP2006226102A (ja) 鋼管の接合継手
JP4771244B2 (ja) 鋼管杭とコンクリート杭との連結継手、鋼管杭とコンクリート杭との連結杭構造、鋼管杭とコンクリート杭との連結杭の施工方法
JP4115463B2 (ja) 継手装置
JP4474430B2 (ja) 杭の継ぎ手構造
JP2006188889A (ja) 杭の継手構造
JP2016014317A (ja) 鋼管連結構造及び鋼管連結方法
JP2013112953A (ja) 鋼管杭の接続構造
KR20160001116U (ko) 강관 파일의 회전 관입 및 인발용 커플러
JP4448816B2 (ja) コンクリート製管体および推進工法
JP2020158990A (ja) 鋼管接続構造
JP2009024436A (ja) 鋼管杭の機械式継手
JP4609627B2 (ja) 既製杭の接合方法、既製杭の接合金物
JP2004270204A (ja) 鋼管の継手構造及び鋼管の接合方法
JP3590364B2 (ja) 鋼管杭用の接続具
JP4986674B2 (ja) 杭の連結具およびその連結具を用いた杭
JP2007100486A (ja) 振動杭打用の鋼管杭接続構造、及び同接続方法
JP4239610B2 (ja) 鋼管の接合方法
JP6584042B1 (ja) 鋼管杭連結部材
JP2004293035A (ja) 鋼管の継手構造
JP2004100222A (ja) 杭体用継手
JP6997671B2 (ja) 杭、杭の接合方法および上杭の撤去方法
JP4347149B2 (ja) 緩み防止手段を備えた杭の縦継ぎ装置の機械継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071025

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090806

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090811

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100629

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02