JP2016014317A - 鋼管連結構造及び鋼管連結方法 - Google Patents

鋼管連結構造及び鋼管連結方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼管杭の建て込み施工時に、前記鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するために前記両鋼管の継ぎ目に跨設された回転抑止キーを固定するボルトが緩んで脱落したり、破断したりしても、前記回転抑止キーが脱落することない信頼性の高い鋼管連結構造及び鋼管連結方法を提供する。
【解決手段】上側鋼管10Aの下端部の周縁に周方向に沿って形成され、下端部から上方に回転抑止キー50を挿入可能な上側切欠部40Aと、下側鋼管10Bの上端部の周縁に周方向に沿って、かつ、上側切欠部40Aに対応する位置に形成され、上端部から下方に回転抑止キー50を挿入可能な下側切欠部40Bとが協働してキー配設部40を構成するとともに、回転抑止キー50の側面及びキー配設部40の側面に、回転抑止キー50がキー配設部40から脱落することを抑止する脱落防止機構を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の継ぎ目に回転抑止キーを跨設することで前記両鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するように構成された鋼管連結構造及び鋼管連結方法に関する。
従来、橋梁、港湾構造物、建築構造物などの基礎構造として鋼管杭が広く用いられている。
このような鋼管杭は、軟弱な地盤より下にある硬い地盤である支持層まで到達するように、数十メートルもの長さを地中に建て込む必要があるが、資材搬入や建て込みの都合から、工場製作された数メートル程度の定尺の鋼管を現場で地中に建て込みながら順次接続することで所定の長さを確保している。
鋼管連結構造に関して、特許文献1には、施工の省力化、工期短縮の観点から施工現場での鋼管杭の継杭作業の効率化を図るために機械式継手が開示されている。
機械式継手は、上側鋼管の下端部に溶接された雌型のボックス継手と、下側鋼管の上端部に溶接された雄型のピン継手とを互いに嵌合させ、ボックス継手内のキー溝に内蔵した荷重伝達キーをボルトを用いてピン継手側の溝に押出し、固定する構造となっている。そして、前記両鋼管が互いに軸周りに相対回転するのを抑止するために、前記両鋼管の継ぎ目に跨るように回転抑止キーがボルトで固定されている。
特開2000−319874号公報
このような鋼管杭は、油圧ハンマ等による打撃によって地中に設置する打撃工法、バイブロハンマによって振動を付与しつつ地中に設置する振動工法、杭体の中空部を掘削しながら地中に設置する中堀工法、先端部に羽根を取り付け回転させながら地盤に圧入する回転圧入工法などにより地中に建て込み施工される。
鋼管杭の建て込み施工時には、鋼管杭の継ぎ目には施工する際に打撃や振動等が作用するため、回転抑止キーを固定している前記ボルトが緩んで脱落したり、破断したりして、回転抑止キーが脱落する虞があり、特に回転圧入工法では、前記上側鋼管の回転が前記下側鋼管に伝達されずに、施工が不能となる虞があった。
本発明の課題は、鋼管杭の建て込み施工時に、前記鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するために前記両鋼管の継ぎ目に跨設された回転抑止キーを固定するボルトが緩んで脱落したり、破断したりしても、前記回転抑止キーが脱落することない信頼性の高い鋼管連結構造及び鋼管連結方法を提供することにある。
本発明に係る鋼管連結構造の特徴構成は、鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の継ぎ目に回転抑止キーを跨設することで前記両鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するように構成された鋼管連結構造であって、上側鋼管の下端部の周縁に周方向に沿って形成され、
前記下端部から前記上側鋼管の軸方向に沿って上方に前記回転抑止キーを挿入可能な上側切欠部と、下側鋼管の上端部の周縁に周方向に沿って、かつ、前記上側切欠部に対応する位置に形成され、前記上端部から前記下側鋼管の軸方向に沿って下方に前記回転抑止キーを挿入可能な下側切欠部とが協働することで構成される、前記回転抑止キーを配設するためのキー配設部と、前記回転抑止キーの側面及び前記キー配設部の側面に、前記回転抑止キーが前記キー配設部から脱落することを抑止する脱落防止機構とを備えている点にあり、脱落防止機構によって前記回転抑止キーが前記キー配設部から脱落する虞がなくなる。
前記脱落防止機構が、前記回転抑止キーに備えられた係合部と、前記キー配設部に備えられた被係合部で構成され、前記係合部は、径方向の外方を向いた第一当接面を備え、前記被係合部は、前記径方向の内方を向き、かつ前記第一当接面に対向する第二当接面を備えることで、第一当接面と第二当接面の物理的な当接という簡単な構成で回転抑止キーがキー配設部から脱落する虞が確実に抑止される。
また、前記脱落防止機構が、前記回転抑止キーの側面と前記キー配設部の側面に形成された逆テーパー部によって構成されてもよく、逆テーパー状の構成により、回転抑止キーがキー配設部から脱落する虞が確実に抑止される。なお、前記逆テーパー部を構成する面が、平面または曲面のいずれであってもよい。
前記回転抑止キーにボルトを挿通するための孔が穿設され、前記回転抑止キーはボルトによって、前記下側鋼管に対して固定されているので、前記回転抑止キーを前記下側鋼管に対して固定できるため、前記キー配設部に配設した前記回転抑止キーのがたつきが防止される。
本発明に係る鋼管の連結方法の特徴構成は、上述した特徴構成を備えた鋼管連結構造を備えた上下に配設された鋼管の鋼管連結方法であって、地面に立て込まれた下側鋼管の下側切欠部に回転抑止キーを配設した後に、上側鋼管を、前記回転抑止キーが上側切欠部に配設されるように前記下側鋼管の上に吊り下ろす点にあり、上下の前記鋼管を連結すると同時に、脱落防止機構によって前記回転抑止キーは前記キー配設部から脱落することが抑止される。
本発明に係る鋼管連結構造の特徴構成は、鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の継ぎ目に回転抑止キーを跨設することで前記両鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するように構成された鋼管連結構造であって、上側鋼管の下端部の周縁に周方向に沿って形成された上側切欠部と、下側鋼管の上端部の周縁に周方向に沿って、かつ、前記上側切欠部に対応する位置に形成された下側切欠部とが協働することで構成される、前記回転抑止キーを配設するためのキー配設部と、前記回転抑止キーの外側面に備えられた係合部と、前記回転抑止キーの正面視で前記係合部の外幅より短い内幅に設定され、前記キー配設部の内側面に備えられた、前記係合部と係合可能な被係合部とで構成される脱落防止機構と、少なくとも前記回転抑止キーまたは前記キー配設部のいずれかに前記外幅の長さが前記内幅の長さより相対的に短くなるように弾性的に変形可能な変形部とを有する点にある。この構成によると、前記回転抑止キーまたは前記キー配設部を弾性的に変形させることで、幅狭の前記キー配設部に対して、幅広の前記回転抑止キーを嵌入することができる。前記キー配設部に前記回転抑止キーを配設した後は、前記係合部と前記被係合部とが係合することで、前記回転抑止キーが前記キー配設部から脱落することが抑止される。
さらに、前記係合部が、径方向の外方を向いた第一当接面を備え、前記被係合部が、前記径方向の内方を向き、かつ前記第一当接面に対向する第二当接面を備え、前記第一当接面の裏面に、前記第二当接面の裏面に当接する傾斜面を備えていることで、前記係合部は、前記傾斜面が前記第二当接面の裏面に案内されながら、前記キー配設部に円滑に嵌入さ
れる。このとき、前記第二当接面の裏面から前記傾斜面に作用する押圧力によって前記回転抑止キーの変形が促される。
また、前記変形部は、前記回転抑止キーの正面に外幅方向と直行する方向に形成された溝部を備えていることで、前記キー配設部に前記回転抑止キーを嵌入するときに、前記溝部を基点として前記回転抑止キーを弾性的に屈曲させることができる。
本発明に係る鋼管の連結方法の特徴構成は、上述した特徴構成を備えた鋼管連結構造を備えた上下に配設された鋼管の鋼管連結方法であって、地面に立て込まれた下側鋼管の上に上側鋼管を、前記下側鋼管の下側切欠部に前記上側鋼管の上側切欠部が対応するように吊り下ろし、前記上側切欠部及び前記下側切欠部によって構成されるキー配設部に、回転抑止キーを弾性的に変形させて嵌入する点にあり、前記回転抑止キーまたは前記キー配設部を弾性的に変形させることで、幅狭の前記キー配設部に対して、幅広の前記回転抑止キーを嵌入することができ、上下に配設された前記鋼管の継ぎ目に備えられた前記キー配設部に前記回転抑止キーが配設された後は、前記係合部と前記被係合部とが係合することで、前記回転抑止キーが前記キー配設部から脱落することが抑止される。
本発明によれば、鋼管杭の建て込み施工時に、前記鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するために前記両鋼管の継ぎ目に跨設された回転抑止キーを固定するボルトが緩んで脱落したり、破断したりしても、前記回転抑止キーが脱落することない信頼性の高い鋼管連結構造及び鋼管連結方法を提供することができる。
本発明の第一の態様による第一の実施形態の鋼管連結構造を備えた鋼管の斜視図である。 図1に示す鋼管連結構造の要部を、全周のうち一部を切り欠いて示した斜視図であって、(a)は上下の鋼管の連結前の状態を示す図、(b)は上下の鋼管の連結後の状態を示す図である。 第一の態様による第一の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の斜視図である。 第一の態様による第一の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第二の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第一の態様による第二の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第三の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第一の態様による第三の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第四の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第一の態様による第四の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第五の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第一の態様による第五の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第六の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第七の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第八の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第一の態様による第九の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 本発明の第二の態様による第一の実施形態の鋼管連結構造を備えた鋼管の斜視である。 図17に示す鋼管連結構造の要部を、全周のうち一部を切り欠いて示した斜視図であって、(a)は上下の鋼管の連結前の状態を示す図、(b)は上下の鋼管の連結後の状態を示す図である。 第二の態様による第一の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第二の態様による第一の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図であって、(a)はキー配設部に回転抑止キーを嵌入する前の状態を示す図、(b)はキー配設部に回転抑止キーを嵌入しているところを示す状態を示す図、(c)はキー配設部に回転抑止キーを嵌入した後の状態を示す図である。 第二の態様による第二の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第二の態様による第二の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第二の態様による第三の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第二の態様による第三の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。 第二の態様による第四の実施形態の回転抑止キーの斜視図である。 第二の態様による第四の実施形態の回転抑止キーとキー配設部の断面図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
図1には、本発明の第一の態様による第一の実施形態の鋼管連結構造を備える鋼管10が示されている。
鋼管10の上端には雄型のピン継手20が、工場において溶接部12で溶接されて取り付けられ、下端には雌型のボックス継手30が、工場において溶接部13で溶接されて取り付けられている。
鋼管杭はこのような鋼管10が上下に連結されて構成されるが、上下に連結された鋼管10同士の鋼管連結構造は全ての連結箇所において同一の構成となっている。
以下の説明では、上下関係にある特定の上側鋼管と下側鋼管とに着目して、鋼管10の鋼管連結構造を説明する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、本発明に係る「上下に配設された鋼管」のうち、相対的に上側に位置する鋼管を上側鋼管10A、相対的に下側に位置する鋼管を下側鋼管10Bと呼び分けている。
上側鋼管10Aと下側鋼管10Bは、上側鋼管10Aのボックス継手30に下側鋼管10Bのピン継手20が挿入され、ボックス継手30に内蔵されている荷重伝達キー31(31A,31B)をピン継手20のキー溝21にはめ込むことで垂直方向へ相対移動が不可能に結合されている。ピン継手20及びボックス継手30との継ぎ目14に回転抑止キー50を跨設することで、軸心周りの相対回転が不可能に結合される構成となっている。
ピン継手20は筒状に形成され、下側鋼管10Bの外径とほぼ同径の筒部22Bに連続して、筒部22Bよりも小径の嵌挿部22Aが延設されている。
嵌挿部22Aの外周の基端部には、ボックス継手30の下端部に全周にわたって設けられた係合凸部33が挿入される係合凹部23が全周にわたって設けられている。
嵌挿部22Aの上端部には、ボックス継手30の内周の基端部に全周にわたって設けられた係合凹部34に挿入するための係合凸部24が全周にわたって設けられている。
さらに、嵌挿部22Aの外周には、上下二段の荷重伝達キー31(31A,31B)がはめ込まれるキー溝21(21A,21B)が、全周にわたって上下に二本設けられている。
ボックス継手30は、上側鋼管10Aの外径とほぼ同径の外径を有する筒状に形成されている。ボックス継手30の内周は、ピン継手20の嵌挿部22Aの非嵌挿部となっていて、係合凸部33が、ピン継手20の係合凹部23に挿入される。また、ボックス継手30の基端側の内周には、ピン継手20の係合凸部24が挿入される係合凹部34が、全周にわたって設けられている。
ボックス継手30の内周には、周方向に二本のキー溝35(35A,35B)が形成されている。キー溝35(35A,35B)には、全周にわたって適宜分割された円弧状の荷重伝達キー31(31A,31B)が配設されている。
ボックス継手30の外周には、キー溝35(35A,35B)に連通するボルト穴32(32A,32B)が、周方向に沿って間隔をおいて複数穿孔されている。そして、ボルト穴32には、六角孔付き植え込みボルト等で構成されたセットボルト36(36A,36B)を螺合させてあり、セットボルト36(36A,36B)はボックス継手30の外側からの締め込み操作によって、径方向内側に螺進可能である。
セットボルト36(36A,36B)の締め込み操作によって、セットボルト36(36A,36B)の先端部に配設された荷重伝達キー31(31A,31B)はキー溝35(35A,35B)から径方向内側に突出可能である。キー溝21(21A,21B)の深さよりも荷重伝達キー31(31A,31B)の厚さを大きくすることで、荷重伝達キー31(31A,31B)はボックス継手30とピン継手20の両方に跨って配置される。
このように、キー溝35(35A,35B)から径方向内側に突出した荷重伝達キー31(31A,31B)が、ピン継手20の外周に形成されたキー溝21(21A,21B)にはめ込まれることにより、荷重伝達キー31(31A,31B)を介してボックス継手30とピン継手20とが垂直方向へ相対移動が不可能なように機械的に結合される。
なお、荷重伝達キー31(31A,31B)は、二段に限らず、一段であったり、三段以上の複数であったりしてもよい。荷重伝達キー31(31A,31B)の個数や、さらにはその厚みや幅も、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bの連結に要求される垂直方向の結合の強さに応じて適宜設計される。
一方、ピン継手20とボックス継手30との軸心周りの相対回転は、ピン継手とボックス継手30の継ぎ目14に跨るように備えられたキー配設部40に配設された回転抑止キー50によって抑止される。本実施形態では、キー配設部40は、継ぎ目14の周方向に沿って等間隔で8箇所に配設され、各キー配設部40に回転抑止キー50が配設される。
まず、回転抑止キー50について説明する。
図3に示すように、回転抑止キー50は、正面視及び断面視矩形状の平板状部材からなるキー本体51を備えている。
キー本体51には、キー本体51の正面視で両側面に上下方向に沿って外方に延出するようにフランジ部52が一体的に形成されている。フランジ部52は、側面視でキー本体51の背面と面一に備えられている。
さらに、キー本体51には、平面視円形の座繰り穴53が形成されている。座繰り穴53には、回転抑止キー50を鋼管10に固定するボルト15用の貫通孔が穿設されている。座繰り穴53の平面形状は、ボルト15の頭部よりも大きく、座繰り穴53の断面形状は、ボルト15の頭部の回転軸線方向の厚みと、ボルト15用の座金の厚みを加えた厚みよりも深く形成されている。つまり、ボルト15を鋼管10に締め付けたときに、ボルト15の頭部がキー本体51の表面から外方に突出しない。
座繰り穴53は、キー本体51がピン継手20とボックス継手30を跨いだ状態で、ボルト15が前記貫通孔を挿通してピン継手20に形成されたボルト穴16に螺着されるように、キー本体51の上下方向中央よりも、ピン継手20側に寄った位置に設けられている。
なお、ボルト15は、キー配設部40に配設した回転抑止キー50のがたつきを防止する観点で設けることが好ましいが、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bの軸心周りの相対回転を抑止する観点では必須の構成ではない。ボルト15を設けない場合は、座繰り穴53や前記貫通孔をキー本体51に形成する必要はない。
次に、キー配設部40について説明する。
ピン継手20には、係合凹部23の外方で、継ぎ目14を構成する下側接合面27の周縁に、周方向に沿って下側切欠部40Bが形成されている。下側切欠部40Bは、下側鋼管10Bの上端部の下側接合面27の周縁に周方向に沿って、下側接合面27から下側鋼管10Bの軸方向に沿って下方に回転抑止キー50を挿入可能に構成されている。
ボックス継手30には、係合凸部33の外方で、継ぎ目14を構成する上側接合面37の周縁に、周方向に沿って、かつボックス継手30にピン継手20を挿入したときに下側切欠部40Bに対応する位置に上側切欠部40Aが形成されている。上側切欠部40は、上側鋼管10Aの下端部の上側接合面37の周縁に周方向に沿って形成され、上側接合面37から上側鋼管10Aの軸方向に沿って上方に回転抑止キー50を挿入可能に構成されている。
下側切欠部40Bの周方向の長さと、上側切欠部40Aの周方向の長さとは互いに一致させてある。また、下側切欠部40Bの垂直方向長さと、上側切欠部40Aの垂直方向長さとについても互いに一致させてある。
ボックス継手30にピン継手20を挿入したとき、下側切欠部40Bと上側切欠部40Aとが協働して正面視及び断面視矩形状の一つのキー配設部40を構成する。なお、キー配設部40の内寸は、内部に配設される回転抑止キー50の外寸より僅かに大きい形状となっている。
ボックス継手30とピン継手20との継ぎ目14に、ボックス継手30とピン継手20の両方を跨ぐキー配設部40が形成され、このキー配設部40に、回転抑止キー50が配設されることで、連結されたボックス継手30とピン継手20、即ち上側鋼管10A及び下側鋼管10B同士が相対的に回転することが抑止される。
さらに、上側切欠部40A及び下側切欠部40Bの正面視両側面には、回転抑止キー50のフランジ部52に対応するように、フランジ部52の厚みより若干大きい幅の係合溝
42が形成されている。
図4に示すように、キー配設部40に配設された回転抑止キー50のフランジ部52の外方面52Aと、キー配設部40の係合溝42の内方面42Aとが当接することで、回転抑止キー50がキー配設部40から脱落することが抑止される。
なお、ここでは、下側切欠部40Bについてのみ説明したが、上側切欠部40Aにおいても、フランジ部52の外方面52Aが係合溝42の内方面42Aに当接する。
つまり、フランジ部52が、回転抑止キー50に備えられた係合部を構成し、フランジ部52の外方面52Aが鋼管10の径方向の外方を向いた第一当接面を構成する。
係合溝42が、キー配設部40に備えられた被係合部を構成し、係合溝42の内方面42Aが鋼管10の径方向の内方を向き、かつ前記第一当接面に対向する第二当接面を構成する。
すなわち、回転抑止キー50に備えられた係合部としてのフランジ部52と、キー配設部40に備えられた被係合部としての係合溝42とで脱落防止機構が構成される。
なお、回転抑止キー50及びキー配設部40の大きさ、数、配置箇所等は、鋼管杭の直径や、建て込み工法等に基づいて設計によって適正に定めることができる。
図2(a)及び図2(b)を参照しながら、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bの連結方法について説明する。
地面に対して、鋼管10(下側鋼管10B)を建て込んでいき、鋼管10(下側鋼管10B)がある程度地面に立て込まれたら、鋼管10(下側鋼管10B)の上側切欠部40Aに、回転抑止キー50を配設し、ボルト15を用いて鋼管10(下側鋼管10B)に固定する。
次に、別の鋼管10(上側鋼管10A)をクレーンで吊り上げ、既に地中に立て込まれた鋼管10(下側鋼管10B)の直上に運んで、回転抑止キー50が鋼管10(上側鋼管10A)の下端のボックス継手30の上側切欠部40Aに合うように鋼管10(上側鋼管10A)を回転調整しつつ、吊り下ろし、鋼管10(上側鋼管10A)のボックス継手30に、鋼管10(下側鋼管10B)のピン継手20を挿入させていく。
ボックス継手30の係合凸部33とピン継手20の係合凹部23、ピン継手20の係合凸部24とボックス継手30の係合凹部34を、それぞれ付き合わせることにより、ボックス継手30とピン継手20とが縦方向に位置決めされるとともに、回転抑止キー50が上側切欠部40Aに配設される。これにより、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bは、回転抑止キー50を介して、軸心周りの相対回転が不可能に結合される。
次に、ボルト穴32(32A,32B)の外側から六角レンチでセットボルト36(36A,36B)を正方向に回すことにより、荷重伝達キー31(31A,31B)がセットボルト36(36A,36B)の軸線に沿って前進し、キー溝21(21A,21B)に入っていく。上側鋼管と下側鋼管は、荷重伝達キー31(31A,31B)を介して、垂直方向へ相対移動が不可能に結合される。
セットボルト36(36A,36B)をねじ込んだ後は、ボックス継手30の外側から、深さゲージ等で、セットボルト36(36A,36B)の埋め込み深さを測定し、荷重伝達キー31(31A,31B)が確実にキー溝21(21A,21B)にはめ込まれていることを確認する。
こうして、ボックス継手30とピン継手20との連結が完了する。この作業を鋼管杭が所定の長さとなるまで繰り返すことで、複数の鋼管10が上下に連結された鋼管杭が構成
される。
上述の鋼管連結構造によって、鋼管10の径や板厚にかかわらず、溶接による接合に比べて、鋼管10の作業時間の大幅な短縮が可能な鋼管連結方法が実現できるようになった。さらに、鋼管杭の建て込み施工時に、前記鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管10の軸心周りの相対回転を抑止するために前記両鋼管10の継ぎ目14に配設された回転抑止キー50を固定するボルト15が緩んで脱落したり、破断したりしても、回転抑止キー50は、キー配設部40から脱落する虞もない。
本発明の第一の態様による鋼管連結構造の別実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、上述した第一の実施形態と対応する構成については同じ符号を付して説明する。
第二の実施形態による鋼管連結構造では、上側切欠部40A及び下側切欠部40Bの両方に係合溝42を備えておらず、一方にのみ備えている。そして、回転抑止キー50は、係合溝42に対応する部分にのみフランジ部52を備えている。フランジ部52は、側面視でキー本体51の背面と面一ではなく、側面視でキー本体51の厚み方向中央に備えられている。
つまり、図5及び図6に示すように、回転抑止キー50は、キー本体51の正面視で両側面に上下方向に沿って中央より下方のみに外方に延出するようにフランジ部52が一体的に形成され、フランジ部52は、側面視でキー本体51の厚み方向の中央に備えられて構成されている。そして、下側切欠部40Bにのみ、フランジ部42に対応する位置に係合溝42が備えられる。
第二の実施形態による鋼管連結構造であっても、キー配設部40に配設された回転抑止キー50のフランジ部52の外方面52Aと、キー配設部40の係合溝42の内方面42Aとが当接することで、回転抑止キー50が鋼管10の径方向の外側に移動することが抑止される。
第三の実施形態による鋼管連結構造では、上側切欠部40A及び下側切欠部40Bの一方にフランジ部44を備えている。そして、回転抑止キー50は、フランジ部44に対応する部分にのみ係合溝54を備えている。
つまり、図7及び図8に示すように、回転抑止キー50は、キー本体51の正面視で両側面に上下方向に沿って中央より上方のみに内側に引退するように係合溝54が一体的に形成され、係合溝54は、側面視でキー本体51の厚み方向の中央に備えられて構成されている。そして、上側切欠部40Aにのみ、係合溝54に対応する位置にフランジ部44が備えられる。
第三の実施形態による鋼管連結構造であっても、キー配設部40に配設された回転抑止キー50の係合溝54の外方面54Aと、キー配設部40のフランジ部44の内方面44Aとが当接することで、回転抑止キー50がキー配設部40から脱落することが抑止される。
第四の実施形態による鋼管連結構造では、図9及び図10に示すように、回転抑止キー50は、キー本体51の正面視で天面と底面の両方に左右方向に沿って外方に延出するようにフランジ部52が一体的に形成されている。フランジ部52は、側面視でキー本体51の背面と面一に備えられている。そして、上側切欠部40A及び下側切欠部40Bの両方に、回転抑止キー50のフランジ部52に対応する位置に係合溝42を備えている。
第四の実施形態による鋼管連結構造であっても、キー配設部40に配設された回転抑止キー50のフランジ部52の外方面52Aと、キー配設部40の係合溝42の内方面42Aとが当接することで、回転抑止キー50がキー配設部40から脱落することが抑止される。
第一の実施形態では、脱落防止機構が回転抑止キー50に備えられた係合部としてのフランジ部52と、キー配設部40に備えられた被係合部としての係合溝42とで構成されていたが、第五の実施形態による鋼管連結構造では、脱落防止機構が回転抑止キー50の側面とキー配設部40の側面に形成された逆テーパー部によって構成される。
つまり、図11及び図12に示すように、回転抑止キー50は、キー本体51の正面視で両側面に、平面視で台形となるような第一傾斜面55を備えている。
一方、下側切欠部40Bには、第一傾斜面55に対向するような第二傾斜面45が備えられている。
第五の実施形態による鋼管連結構造であっても、キー配設部40に配設された回転抑止キー50の第一傾斜面55と、キー配設部40の第二傾斜面45とが逆テーパー状に当接することで、回転抑止キー50がキー配設部40から脱落することが抑止される。
なお、回転抑止キー50に備えられる第一傾斜面55は、回転抑止キー50の厚み方向全体にわたって備えられる構成に限らず、厚み方向のどこかに備えられていればよい。
例えば、図13に示すように、第一傾斜面55は、回転抑止キー50の厚み方向の中央より鋼管10の径方向外側のみに備えてもよいし、図14に示すように、回転抑止キー50の厚み方向の中央より鋼管10の径方向内側のみに備えてもよい。
さらに、図15及び図16に示すように、第一傾斜面55及び第二傾斜面45を、平面ではなく曲面で構成することもできる。
以上説明のとおり、本発明の第一の態様による鋼管連結構造は上述したいずれかの脱落防止機構を備えることによって、回転抑止キー50がキー配設部40から脱落することが抑止される。
次に、本発明の第二の態様による鋼管連結構造について説明する。
図17には、本発明の第二の態様による第一の実施形態の鋼管連結構造を備える鋼管10が示されている。
該鋼管10は、第二の態様による鋼管連結構造を除いて、図1に示す鋼管10と同様の構成であるため、同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第二の態様による第一の実施形態の鋼管連結構造について説明する。
まず、回転抑止キー250について説明する。
図19に示すように、回転抑止キー250は、正面視及び断面視矩形状の平板状部材からなるキー本体251を備えている。
キー本体251には、キー本体251の正面視で両側面に上下方向に沿って外方に延出するようにフランジ部252が一体的に形成されている。
フランジ部252は、鋼管10の径方向の外方を向いた外方面252Aを備え、外方面252Aの裏面に、外方面252Aの先端からキー本体部251の側面に連なる傾斜面252Bを備えている。フランジ部252の外方面252Aは、側面視でキー本体251の
正面と面一に備えられている。
さらに、キー本体251には、平面視円形の座繰り穴253が形成されている。座繰り穴253には、回転抑止キー250を鋼管10に固定するボルト15用の貫通孔が穿設されている。座繰り穴253の平面形状は、ボルト15の頭部よりも大きく、座繰り穴253の断面形状は、ボルト15の頭部の回転軸線方向の厚みと、ボルト15用の座金の厚みを加えた厚みよりも深く形成されている。つまり、ボルト15を鋼管10に締め付けたときに、ボルト15の頭部がキー本体251の表面から外方に突出しない。
座繰り穴253は、キー本体251がピン継手20とボックス継手30を跨いだ状態で、ボルト15が前記貫通孔を挿通してピン継手20に形成されたボルト穴16に螺着されるように、キー本体251の上下方向中央よりも、ピン継手20側に寄った位置に設けられている。
なお、ボルト15は、キー配設部240に配設した回転抑止キー250のがたつきを防止する観点で設けることが好ましいが、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bの軸心周りの相対回転を抑止する観点では必須の構成ではない。ボルト15を設けない場合は、座繰り穴253や前記貫通孔をキー本体251に形成する必要はない。
次に、キー配設部240について説明する。
ピン継手20には、係合凹部23の外方で、継ぎ目14を構成する下側接合面27の周縁に、周方向に沿って下側切欠部240Bが形成されている。
ボックス継手30には、係合凸部33の外方で、継ぎ目14を構成する上側接合面37の周縁に、周方向に沿って、かつボックス継手30にピン継手20を挿入したときに下側切欠部240Bに対応する位置に上側切欠部240Aが形成されている。
下側切欠部240Bの周方向の長さと、上側切欠部240Aの周方向の長さとは互いに一致させてある。また、下側切欠部240Bの垂直方向長さと、上側切欠部240Aの垂直方向長さとについても互いに一致させてある。
上側切欠部240A及び下側切欠部240Bの夫々には、上側切欠部240A及び下側切欠部240Bの正面視で両側面に上下方向に沿って内方に延出した突出縁部が一体的に形成されている。
ボックス継手30にピン継手20を挿入したとき、下側切欠部240Bと上側切欠部240Aとが協働して正面視及び断面視矩形状の一つのキー配設部240を構成する。このとき、前記両突出縁部が一体的に連なってフランジ部242を形成を構成する。
キー配設部240のフランジ部242の最小内幅は、回転抑止キー250のフランジ部252の最大外幅より狭く設定されている。なお、キー配設部240の内寸は、内部に配設される回転抑止キー250の最大外幅より僅かに大きい形状となっている。
図20(a)に示すように、ボックス継手30とピン継手20との継ぎ目14に、ボックス継手30とピン継手20の両方を跨ぐキー配設部240が形成される。
図20(b)に示すように、このキー配設部240に対して、回転抑止キー250を外から嵌入する。このとき、フランジ部252の裏面の傾斜面252Bが、フランジ部242によって押圧され、フランジ部252は弾性的に変形する。つまり、フランジ部252が変形部となる。
図20(c)に示すように、キー配設部240内に回転抑止キー250が配設されると、連結されたボックス継手30とピン継手20、即ち上側鋼管10A及び下側鋼管10B同士が相対的に回転することが抑止される。このとき、キー配設部240に配設された回
転抑止キー250のフランジ部252の外方面522Aと、キー配設部240のフランジ部242の内方面242Aとが当接することで、回転抑止キー250がキー配設部240から脱落することが抑止される。
つまり、フランジ部252が、回転抑止キー250の外側面に備えられた係合部を構成し、フランジ部252の外方面252Aが鋼管10の径方向の外方を向いた第一当接面を構成する。
フランジ部242が、キー配設部240の内側面に備えられた被係合部を構成し、フランジ部242の内方面242Aが鋼管10の径方向の内方を向き、かつ前記第一当接面に対向する第二当接面を構成する。
すなわち、回転抑止キー250に備えられた係合部としてのフランジ部252と、キー配設部240に備えられた被係合部としてのフランジ部242とで脱落防止機構が構成される。
なお、回転抑止キー250及びキー配設部240の大きさ、数、配置箇所等は、鋼管杭の直径や、建て込み工法等に基づいて設計によって適正に定めることができる。
図18(a)及び図18(b)を参照しながら、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bの連結方法について説明する。
地面に対して、鋼管10(下側鋼管10B)を建て込んでいき、鋼管10(下側鋼管10B)がある程度地面に立て込まれたら、別の鋼管10(上側鋼管10A)をクレーンで吊り上げ、既に地中に立て込まれた鋼管10(下側鋼管10B)の直上に運んで、上側切欠部240Aが下側切欠部240Bに合うように鋼管10(上側鋼管10A)を回転調整しつつ、吊り下ろし、鋼管10(上側鋼管10A)のボックス継手30に、鋼管10(下側鋼管10B)のピン継手20を挿入させていく。
次に、ボックス継手30の係合凸部33とピン継手20の係合凹部23、ピン継手20の係合凸部24とボックス継手30の係合凹部34を、それぞれ付き合わせることにより、ボックス継手30とピン継手20とが縦方向に位置決めされる。
次に、ボルト穴32(32A,32B)の外側から六角レンチでセットボルト36(36A,36B)を正方向に回すことにより、荷重伝達キー31(31A,31B)がセットボルト36(36A,36B)の軸線に沿って前進し、キー溝21(21A,21B)に入っていく。上側鋼管と下側鋼管は、荷重伝達キー31(31A,31B)を介して、垂直方向へ相対移動が不可能に結合される。
セットボルト36(36A,36B)をねじ込んだ後は、ボックス継手30の外側から、深さゲージ等で、セットボルト36(36A,36B)の埋め込み深さを測定し、荷重伝達キー31(31A,31B)が確実にキー溝21(21A,21B)にはめ込まれていることを確認する。
セットボルト36の操作に前後して、上側切欠部240Aと下側切欠部240Bによって構成されたキー配設部240に、回転抑止キー250を弾性変形させて嵌入し、ボルト15を用いて鋼管10(下側鋼管10B)に固定する。これにより、上側鋼管10Aと下側鋼管10Bは、回転抑止キー250を介して、軸心周りの相対回転が不可能に結合される。こうして、ボックス継手30とピン継手20との連結が完了する。この作業を鋼管杭が所定の長さとなるまで繰り返すことで、複数の鋼管10が上下に連結された鋼管杭が構成される。
上述の鋼管連結構造によって、鋼管10の径や板厚にかかわらず、溶接による接合に比
べて、鋼管10の作業時間の大幅な短縮が可能な鋼管連結方法が実現できるようになった。さらに、鋼管杭の建て込み施工時に、前記鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管10の軸心周りの相対回転を抑止するために前記両鋼管10の継ぎ目14に配設された回転抑止キー250を固定するボルト15が緩んで脱落したり、破断したりしても、回転抑止キー50は、キー配設部240から脱落する虞もない。
本発明に係る鋼管連結構造の別実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、上述した第一の実施形態と対応する構成については同じ符号を付して説明する。
第二の実施形態による鋼管連結構造では、図21に示すように、回転抑止キー250のフランジ部252は、キー本体251の上下方向中央部にのみ形成されている。なお、キー配設部242には、少なくともフランジ部252に対応する位置にのみフランジ部242を備えていればよい。
第二の実施形態では、フランジ部252の全長が短いため、フランジ部252は、キー配設部240への嵌入時に円滑に弾性的に変形することができる。このようなフランジ部252であっても、キー配設部240に嵌入した後は、フランジ部252の外方面252Aとキー配設部240のフランジ部242の内方面242Aとが当接することで、回転抑止キー250がキー配設部240から脱落することが抑止される。
第三の実施形態による鋼管連結構造では、図22に示すように、回転抑止キー250のフランジ部252は、断面視でキー本体251の正面と面一ではなく、キー本体251の厚み方向の中央付近に備えられている。
第三の実施形態による鋼管連結構造であっても、キー配設部240に配設された回転抑止キー250のフランジ部252の外方面252Aと、キー配設部240のフランジ部242の内方面242Aとが当接することで、回転抑止キー250がキー配設部240から脱落することが抑止される。また、回転抑止キー250をキー配設部240に嵌入した後に、回転抑止キー250の正面を、鋼管杭(ボックス継手20)の外周面に面一にできるため、鋼管杭の外周面を滑らかにすることができる。
第四の実施形態による鋼管連結構造では、図23に示すように、回転抑止キー250のキー本体251に断面V字状の溝部60が備えられている。溝部60は、回転抑止キー250の正面にフランジ部252の最大外幅方向と直行する方向に、すなわちキー本体251の上下方向に沿って形成されている。なお、この場合、ボルト15用の座繰り穴253や貫通孔はV字状の溝部60の内部に備えられてもよいし、備えなくてもよい。
溝部60を備えることによって、キー配設部240に回転抑止キー250を嵌入するときに、溝部60を基点として回転抑止キー250を弾性的に屈曲させることができる。
第四の実施形態による鋼管連結構造であっても、図24に示すように、キー配設部240に配設された回転抑止キー250のフランジ部252の外方面252Aと、キー配設部240のフランジ部242の内方面242Aとが当接することで、回転抑止キー250がキー配設部240から脱落することが抑止される。
第五の実施形態による鋼管連結構造では、図25及び図26に示すように、回転抑止キー250は、キー本体251の正面視で天面と底面の両方に左右方向に沿って外方に延出するようにフランジ部252が一体的に形成されている。フランジ部252は、側面視でキー本体251の正面と面一に備えられている。さらに、回転抑止キー250のキー本体251に断面V字状の溝部60が備えられている。溝部60は、回転抑止キー250の正
面にフランジ部252の最大外幅方向と直行する方向に、すなわちキー本体251の左右方向に沿って形成されている。
そして、上側切欠部240A及び下側切欠部240Bの両方に、回転抑止キー250のフランジ部252に対応する位置にフランジ部242を備えている。
第五の実施形態による鋼管連結構造であっても、キー配設部240に配設された回転抑止キー250のフランジ部252の外方面252Aと、キー配設部240のフランジ部242の内方面242Aとが当接することで、回転抑止キー250がキー配設部240から脱落することが抑止される。
上述したいずれの実施形態においても、回転抑止キー250のフランジ部252が弾性的に変形する場合について説明したが、変形部の構成はこれに限らない。例えば、キー配設部240のフランジ部242が、回転抑止キー250の嵌入時に、フランジ部252によって押圧されることで、弾性的に変形するような構成であってもよい。この場合、フランジ部242の正面に傾斜面を備えると、フランジ部242の変形が円滑に行われる。
以上説明のとおり、本発明の第二の態様による鋼管連結構造は上述したいずれかの脱落防止機構を備えることによって、回転抑止キー250がキー配設部240から脱落することが抑止される。
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能である。
10 鋼管
10A 上側鋼管
10B 下側鋼管
13 継ぎ目
15 ボルト
40 キー配設部
40A 上側切欠部
40B 下側切欠部
42 係合溝(被係合部)
42A 内方面(第二当接面)
50 回転抑止キー
52 フランジ部(係合部)
52A 外方面(第一当接面)
60 溝部
240 キー配設部
240A 上側切欠部
240B 下側切欠部
242 フランジ部(被係合部)
242A 内方面(第二当接面)
250 回転抑止キー
252 フランジ部(係合部)
252A 外方面(第一当接面)

Claims (10)

  1. 鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の継ぎ目に回転抑止キーを跨設することで前記両鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するように構成された鋼管連結構造であって、
    上側鋼管の下端部の周縁に周方向に沿って形成され、前記下端部から前記上側鋼管の軸方向に沿って上方に前記回転抑止キーを挿入可能な上側切欠部と、下側鋼管の上端部の周縁に周方向に沿って、かつ、前記上側切欠部に対応する位置に形成され、前記上端部から前記下側鋼管の軸方向に沿って下方に前記回転抑止キーを挿入可能な下側切欠部とが協働することで構成される、前記回転抑止キーを配設するためのキー配設部と、前記回転抑止キーの側面及び前記キー配設部の側面に、前記回転抑止キーが前記キー配設部から脱落することを抑止する脱落防止機構とを備えていることを特徴とする鋼管連結構造。
  2. 前記脱落防止機構が、
    前記回転抑止キーに備えられた係合部と、
    前記キー配設部に備えられた被係合部で構成され、
    前記係合部は、径方向の外方を向いた第一当接面を備え、
    前記被係合部は、前記径方向の内方を向き、かつ前記第一当接面に対向する第二当接面を備える請求項1に記載の鋼管連結構造。
  3. 前記脱落防止機構が、
    前記回転抑止キーの側面と前記キー配設部の側面に形成された逆テーパー部によって構成される請求項1に記載の鋼管連結構造。
  4. 前記逆テーパー部を構成する面が、平面または曲面である請求項3に記載の鋼管連結構造。
  5. 前記回転抑止キーにボルトを挿通するための孔が穿設され、
    前記回転抑止キーはボルトによって、前記下側鋼管に対して固定される請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼管連結構造。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の鋼管連結構造を備えた上下に配設された鋼管の鋼管連結方法であって
    地面に立て込まれた下側鋼管の下側切欠部に回転抑止キーを配設した後に、
    上側鋼管を、前記回転抑止キーが上側切欠部に配設されるように前記下側鋼管の上に吊り下ろすことを特徴とする鋼管連結方法。
  7. 鋼管杭を構成する上下に配設された鋼管の継ぎ目に回転抑止キーを跨設することで前記両鋼管の軸心周りの相対回転を抑止するように構成された鋼管連結構造であって、
    上側鋼管の下端部の周縁に周方向に沿って形成された上側切欠部と、下側鋼管の上端部の周縁に周方向に沿って、かつ、前記上側切欠部に対応する位置に形成された下側切欠部とが協働することで構成される、前記回転抑止キーを配設するためのキー配設部と、
    前記回転抑止キーの外側面に備えられた係合部と、前記回転抑止キーの正面視で前記係合部の外幅より短い内幅に設定され、前記キー配設部の内側面に備えられた、前記係合部と係合可能な被係合部とで構成される脱落防止機構と、
    少なくとも前記回転抑止キーまたは前記キー配設部のいずれかに前記外幅の長さが前記内幅の長さより相対的に短くなるように弾性的に変形可能な変形部とを有することを特徴とする鋼管連結構造。
  8. 前記係合部が、径方向の外方を向いた第一当接面を備え、
    前記被係合部が、前記径方向の内方を向き、かつ前記第一当接面に対向する第二当接面
    を備え、
    前記第一当接面の裏面に、前記第二当接面の裏面に当接する傾斜面を備えている請求項7に記載の鋼管連結構造。
  9. 前記変形部は、前記回転抑止キーの正面に外幅方向と直行する方向に形成された溝部を備えている請求項7または8に記載の鋼管連結構造。
  10. 請求項7から9のいずれか一項に記載の鋼管連結構造を備えた上下に配設された鋼管の鋼管連結方法であって
    地面に立て込まれた下側鋼管の上に上側鋼管を、前記下側鋼管の下側切欠部に前記上側鋼管の上側切欠部が対応するように吊り下ろし、
    前記上側切欠部及び前記下側切欠部によって構成されるキー配設部に、回転抑止キーを弾性的に変形させて嵌入することを特徴とする鋼管連結方法。
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