JPH09153195A - 車両用情報表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転（Ｄ）席用ディスプレイと、同乗者
（Ｐ）席用ディスプレイのそれぞれで最適の表示を行
う。 【解決手段】 経路探索の結果などのデータは、サーバ
メモリ５に記憶される。Ｄ席用表示操作制御部３と、Ｐ
席用表示操作制御部４は独立して、サーバメモリ５にア
クセスし、Ｄ席ディスプレイ１とＰ席ディスプレイ２の
表示を独立して制御する。そこで、走行中は、Ｄ席ディ
スプレイ１に対し、観光案内など運転の妨げとなるよう
な表示を禁止し、Ｐ席ディスプレイ２に対してはそのよ
うな制限を加えないことができる。また、走行中に、同
乗者が目的地設定等の操作を行って、探索結果をＤ席デ
ィスプレイ１に表示することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、２つ以上の表示装
置を持つ車両用情報表示装置、特に各表示装置の表示内
容の個別制御に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両に表示装置（ディスプレ
イ）を搭載し、各種の情報をこのディスプレイに表示す
ることが行われている。特に、ナビゲーション装置を搭
載する車両においては、地図上の現在地表示のために
は、ディスプレイが必須であり、これを搭載する車両が
増えてきている。

【０００３】そして、このディスプレイは、その表面を
タッチパネルとして利用すれば、各種操作のスイッチと
して利用することができる。そこで、エアコン、オーデ
ィオ、電話等の操作用の画面としても利用できる。さら
に、ディスプレイは、ＴＶ放送、ＶＴＲの再生用画面と
しても利用できる。このため、通常は、利用者の目的と
運転状況に合わせて、ディスプレイを各種用途に切り換
え利用できるようにしている。

【０００４】さらに、助手席等において、ナビゲーショ
ンシステムの操作を行いたいという要求もあり、運転席
用の他に助手席用のディスプレイを追加するシステムも
提案されている。また、後部座席において、ＴＶ番組を
楽しむように、ＴＶ、ＶＴＲ再生専用のディスプレイを
後部座席に設ける場合もある。

【０００５】このように、複数のディスプレイを搭載す
ることによって、各種操作を複数のディスプレイから行
えたり、別個の表示を楽しんだりすることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置に
おいては、各ディスプレイは、全く同一の表示が行われ
るものを複数設けるか、全く切り離した別のものを設け
るかのいずれかであった。すなわち、助手席にナビゲー
ションシステムの操作を行うためのディスプレイを設け
る場合は、運転席と助手席のディスプレイを全く同一の
機能のものとし、同一の表示、同一の操作が可能になる
だけであった。

【０００７】従って、助手席でオーディオ等の操作を行
うと、運転者のディスプレイもオーディオの操作画面に
なってしまい、運転者がナビゲーションの案内画面を見
たくてもこれが中断されてしまう。また、運転者のディ
スプレイについては、運転時において、所定の制限がか
かる。例えば、走行中は、運転席のディスプレイにおい
ては、ナビゲーションシステムにおける目的地の設定な
どにおける複雑な操作は禁止されている。従って、助手
席の同乗者もこのような操作が行えなかった。また、走
行中は、運転席のディスプレイにおけるＴＶ映像などの
リアルタイムな画面の表示も禁止されている。そこで、
助手席の同乗者もＴＶ等を楽しめないという問題点があ
った。

【０００８】一方、助手席や、後部座席にＴＶ等専用の
ディスプレイを設ければ、走行中もＴＶなどを楽しむこ
とができる。しかし、この場合には、そのディスプレイ
を利用して、ナビゲーションシステムなどの操作ができ
なかった。

【０００９】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、複数の表示装置において、それぞれ所望の表示が
得られる車両用情報表示装置を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、運転者から見
える位置に配置された第１の表示手段と、運転者から見
えない位置に配置された第２の表示手段と、第１および
第２の表示手段に表示するための情報を記憶する記憶手
段と、所定条件下において、第１の表示手段と第２の表
示手段とのそれぞれに表示される形態を異ならせて情報
を表示する表示制御手段と、を具備することを特徴とす
る。

【００１１】このように、運転者と他の乗員（同乗者）
とに与える表示情報を異ならせることにより、それぞれ
の乗員のおかれた状況に応じた表示が可能になる。例え
ば、走行中にＦＭ多重放送の受信データを表示する際
に、運転者の見る第１の表示装置には、文字数の制限を
加え、第２の表示装置には、制限を加えずすべてを表示
する。また、第１の表示手段には、走行中はＴＶ放送な
どの表示は禁止するが、同乗者用の第２の表示手段に
は、このような制限を加えない。

【００１２】また、他の発明は、上記記憶手段は、第１
および第２の表示手段の両方に表示するため共通の情報
を記憶し、上記表示制御手段は、上記共通の情報を加工
して、表示形態の異なる類似の情報として、上記第１お
よび第２の表示手段に情報を表示させることを特徴とす
る。

【００１３】ナビゲーションの経路案内画面において、
経路案内用のデータは、共通のメモリに記憶しておく
が、第１の表示手段には、経路案内に必要な大きな道路
の表示のみとし、第２の表示手段においては、細街路や
周辺の施設の表示なども行う。これによって、第１の表
示手段における表示を運転の妨げにならない表示にとど
めつつ、同乗者に各種の情報を提供できる。

【００１４】さらに、他の発明は、第１の表示手段の表
示情報を変更操作するための第１の表示操作手段と、第
２の表示手段の表示情報を変更操作するための第２の表
示操作手段と、所定条件下で第１の表示操作手段の変更
操作のみを制限する操作制限手段と、を具備することを
特徴とする。

【００１５】例えば、ナビゲーションの目的地設定は、
施設名、地名、住所、電話番号等の入力および地図上の
カーソル位置の設定などによって行う。従って、運転中
に運転者が行うのは好ましくない。そこで、運転者によ
る第１の表示操作手段の操作は運転中禁止し、同乗者に
よる第２の表示操作手段の操作は禁止しない。これによ
って、走行中に、同乗者が、目的地の設定など各種の複
雑な操作を行うことができる。

【００１６】さらに、他の発明は、上記第２の表示手段
に表示された表示情報を第１の表示手段に転送し、表示
させる転送制御手段を具備することを特徴とする。

【００１７】このように、一方の操作によって得た結果
を転送できる。従って、走行中に同乗者が目的地の設定
等を行うことができ、これによって得た経路案内データ
を運転者が利用し、走行が行える。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施の形態
について、図面に基づいて説明する。

【００１９】「構成」図１に、本発明の一実施形態のブ
ロック図を示す。表示装置として、運転席用のＤ席ディ
スプレイ１と、同乗者用のＰ席ディスプレイ２が、設け
られている。また、これらＤ席、Ｐ席ディスプレイ１、
２における表示を制御するために、Ｄ席用表示操作制御
部３およびＰ席用表示操作制御部４が設けられている。
ここで、両ディスプレイ１、２は、その表面がタッチパ
ネルとして機能し、また両ディスプレイ１、２の周辺に
は操作ボタンもあり、これらからの入力情報についての
制御もそれぞれの表示操作制御部３、４が行う。また、
これらディスプレイ１、２に表示させる各種情報の共通
な記憶装置として、サーバメモリ５が設けられている。

【００２０】また、情報のソースおよび制御対象とし
て、空調のためのエアコン６、ラジオおよびカセットテ
ープレコーダの再生と共に、ＦＭ多重放送による交通情
報などの受信も行うのためのラジカセ７、各種ＣＤの再
生のためのＣＤチェンジャー８、ＴＶ放送を受信再生す
るＴＶチューナ９、経路案内を行うために、ＧＰＳ（グ
ローバル・ポジショニング・システム）装置等による現
在位置を地図データ上で特定するためのナビゲーション
ロケータ１０、ナビゲーションロケータ１０において利
用する地図データを記憶するＣＤ−ＲＯＭ装置１１、加
減速制御や燃料噴射制御など車両の走行のための各種制
御を行うボディーコンピュータ１２がＬＡＮ（ローカル
・エリア・ネットワーク）１３を介し、Ｄ席用表示操作
制御部３、Ｐ席用表示操作制御部４、サーバメモリ５な
どと相互に接続されている。

【００２１】ここで、本実施形態においては、ＬＡＮ１
３に接続されている各処理部は、それぞれ、通信制御部
（図示せず）を内蔵しており、いずれの処理部も相互に
通信することができる。すなわち、どの処理部同士も基
本的には、いわゆるマスター・スレーブの関係にない。
従って、Ｄ席用表示操作制御部３、Ｐ席用表示操作制御
部４、ナビゲーションロケータ１０は、それぞれ別個に
サーバメモリ５にアクセスすることができる。

【００２２】「動作」図２および図３に基づいて、動作
について説明する。この例では、Ｐ席ディスプレイ２の
操作により目的地の設定を行い、Ｄ席ディスプレイ１に
目的地までの案内画面を表示する。まず、Ｐ席ディスプ
レイ２の初期メニュー画面において、目的地設定を選択
する（Ｓ１０１）。なお、ナビゲーションのメニュー画
面を選択した後、ナビゲーションの初期画面で目的地設
定を選択するようにしてもよい。

【００２３】この操作によって、Ｐ席用表示操作制御部
４からＬＡＮ１３を介し、ナビゲーションロケータ１０
に目的地探索データ要求信号が供給される。

【００２４】ナビゲーションロケータ１０は、この要求
に応答し、ＣＤ−ＲＯＭ装置１１を制御し、目的地探索
用データを読み出すコントロール信号を出し、ＣＤ−Ｒ
ＯＭ装置１１からＬＡＮ１３を介しＰ席用表示操作制御
部４に目的地探索用データを転送する。Ｐ席用表示操作
制御部４は、ＣＤ−ＲＯＭ装置１１からのデータを受け
取った時点で、目的地設定メニュー画面を作り、Ｐ席デ
ィスプレイ２に表示する。Ｐ席搭乗者は、このメニュー
画面から、自分が目的地を設定する手法を選択し、地
名、住所、施設名等を入力し、対話形式で、目的地の設
定を行う。なお、この設定の作業の中で、ＣＤ−ＲＯＭ
装置１１からのデータ（例えば、所定の地域の地図デー
タなど）がさらに必要になった場合には、ＬＡＮ１３を
介し上述の動作を繰り返し、必要なデータをＰ席用表示
操作制御部４が取得する。また、このような処理によっ
て、現在地データおよび目的地までの経路探索に必要な
地図データも取得する。

【００２５】このような目的地設定の処理の際に、設定
完了を判定し（Ｓ１０２）、目的地の設定が完了した場
合には、ＬＡＮ１３を介しナビゲーションロケータ１０
に目的地設定完了の信号を送るとともに、Ｐ席用表示操
作制御部４が、設定された目的地と、現在地とから、経
路探索を行う（Ｓ１０３）。この経路探索は、ＣＤ−Ｒ
ＯＭ装置１１内の地図データを利用して、ダイキストラ
法等の所望の最適化計画法を利用して行う。なお、この
経路探索は、必要な時に随時ＣＤ−ＲＯＭ装置１１から
地図データを取得して行ってもよい。

【００２６】そして、経路探索の計算が終了した場合に
は、探索結果のデータをＬＡＮ１３を介しサーバメモリ
５に転送し、ここに記憶する（Ｓ１０４）。また、Ｐ席
用表示操作制御部４は、ＬＡＮ１３を介し新経路が探索
されたことをＤ席用表示操作制御部３に通知する。Ｄ席
用表示操作制御部３は、通知を受けた時点で、ＬＡＮ１
３を介し、サーバメモリ５にアクセスし新経路データを
要求する。サーバメモリ５は、新経路データをＤ席用表
示操作制御部３に転送し、Ｄ席用表示操作制御部３が、
Ｄ席ディスプレイ１の画面を更新し、ここにナビゲーシ
ョン案内画面を表示する（Ｓ１０５）。その後、Ｄ席用
表示操作制御部３およびＰ席用表示操作制御部４は、Ｌ
ＡＮ１３を介し、それぞれナビゲーションロケータ１０
から現在地を順次取り込み、現在地表示を更新すると共
に、現在地を表示する地図を現在地に応じて変更した
り、右左折する交差点の近傍で交差点案内画面を表示し
たりする。

【００２７】このように、本実施形態によれば、Ｄ席用
表示操作制御部３と、Ｐ席用表示操作制御部４は、独立
して、サーバメモリ５にアクセスして、表示画面を作成
し、Ｄ席ディスプレイ１およびＰ席ディスプレイ２にそ
れぞれ表示する。従って、基本となるサーバメモリ５に
記憶されているデータは同一であっても、実際の表示を
互いに異ならせることができる。

【００２８】「ナビゲーションの表示例」本実施形態に
おいて、ナビゲーションを利用する場合、走行中Ｄ席デ
ィスプレイ１の表示には所定の制限を加えるが、Ｐ席デ
ィスプレイ２の表示には、このような制限を加えない。
すなわち、運転中は、図４（Ａ）に示すように、Ｄ席デ
ィスプレイ１には、細街路や建物の表示は行わないが、
図４（Ｂ）に示すようにＰ席ディスプレイ２においては
これらの表示を行う。このような制御は、Ｄ席用表示操
作制御部３、Ｐ席用表示操作制御部４が独立して行う。
これによって、運転者は、不要な表示のない案内経路が
見やすい画面で案内経路を把握することができ、同乗者
は経路だけでなく周辺の詳しい情報も得ることができ
る。

【００２９】「ＦＭ多重放送の表示例」また、ラジカセ
７においてＦＭ多重放送を受信した場合は、ラジカセ７
がその受信データをＬＡＮ１３を介しサーバメモリ５に
供給し、受信データがここに記憶される。そこで、Ｄ席
ディスプレイ１とＰ席ディスプレイ２がサーバメモリ５
にそれぞれアクセスすることで、それぞれＦＭ多重放送
の受信データを表示することができる。

【００３０】ここで、Ｄ席ディスプレイ１とＰ席ディス
プレイ２とで、その表示を異ならせる。すなわち、図５
（Ａ）に示すように、運転中は、Ｄ席ディスプレイ１に
は、運転の妨げにならない量の文字情報に抑え、Ｐ席デ
ィスプレイ２にはこれらの制限なしに表示を行う。

【００３１】また、図５（Ｂ）に示すようにＰ席ディス
プレイ２からの入力によりＰ席用表示操作制御部４が所
定の情報を選択し、この選択した情報をＤ席ディスプレ
イ１に表示させることもできる。これは、Ｐ席用表示操
作制御部４が、Ｄ席用表示操作制御部３に対してＬＡＮ
１３を介し、データ取り込み表示を指示することによっ
て達成される。

【００３２】さらに、本実施形態の装置によれば、Ｄ席
用表示操作制御部３とＰ席用表示操作制御部４は全く独
立して動作することが可能であるため、同乗者がＰ席デ
ィスプレイ２を利用して目的地の設定や、経路探索の処
理を行っている時にも、運転者がＤ席ディスプレイ１を
利用して経路表示や他の操作を行うことが可能である。

【００３３】「その他の表示例」走行中に周辺の店など
の情報が必要になった場合に、Ｐ席ディスプレイ２で
は、各店の詳細な案内や写真などを表示し、Ｄ席ディス
プレイ１では営業中や、休業中の表示を地図上にマーク
で表示するのみにとどめる。

【００３４】また、Ｐ席ディスプレイ２では、ＴＶ放
送、ＶＴＲ再生画面の表示、ＣＤ−Ｇのグラフィック画
像の表示などを行うが、Ｄ席ディスプレイ１では、この
ような映像は、表示しない。

【００３５】さらに、Ｐ席画像においては、フルグラフ
ィックのアニメーションによるスピード表示を行った
り、動画による観光案内を行ったりするが、Ｄ席ディス
プレイでは、アナログまたはデジタルの単なるスピード
表示や、地図および音声による映像無しの観光案内にと
どめるなどの処理を行う。

【００３６】なお、Ｄ席ディスプレイ１における表示の
制限は、「駐車中（パーキングブレーキオン、イグニッ
ション（エンジン）オフ）」「停車中（パーキングブレ
ーキオン、エンジンオン）」「停止中（パーキングブレ
ーキオフ、エンジンオン、速度０）」「徐行走行中」
「低速走行中」「中速走行中」「高速走行中」「細街路
走行中」等の別によって、区別をするとよい。

【００３７】例えば、Ｄ席ディスプレイの表示につい
て、次のような制限を加えることが好ましい。「駐車
中」「停車中」であれば、何等制限を加えない。「停止
中」であれば、表示については制限を加え、余り長い時
間のディスプレイの注視をさけるが、操作については制
限を加えない。「低速走行中」であれば、細街路を表示
する。

【００３８】さらに、「高速走行中」であれば、信号無
しの交差点を教えるというように、表示を追加するもの
好適である。

【００３９】なお、このような走行状態は、ボディーコ
ンピュータ１２からの情報によって認識することができ
る。

【００４０】「その他の構成」上述の例では、ディスプ
レイは、２つの場合を述べた。これは、運転席用と、助
手席用の２つでもよいし、運転席用と後部座席用の２つ
でもよい。さらに、ディスプレイの数は、座席の数に応
じて適宜増やしてもよい。

【００４１】ＬＡＮ１３は、１つの装置内部の制御バス
や装置が独立しているときの専用制御線であってもよ
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態の全体構成を示すブロッ
ク図である。

【図２】 同実施形態の動作を示すフローチャートであ
る。

【図３】 同実施形態の動作を示すシーケンス図であ
る。

【図４】 ナビゲーション地図の表示例を示す図であ
る。

【図５】 ＦＭ多重放送の表示例を示す図である。

【符号の説明】

１ Ｄ席ディスプレイ、２ Ｐ席ディスプレイ、３ Ｄ
席用表示操作制御部、４ Ｐ席用表示操作制御部、５
サーバメモリ、６ エアコン、７ ラジカセ、８ ＣＤ
チェンジャー、９ ＴＶチューナ、１０ ナビゲーショ
ンロケータ、１１ ＣＤ−ＲＯＭ装置、１２ ボディー
コンピュータ、１３ ＬＡＮ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 運転者から見える位置に配置された第１
   の表示手段と、 運転者から見えない位置に配置された第２の表示手段
   と、 第１および第２の表示手段に表示するための情報を記憶
   する記憶手段と、 所定条件下において、第１の表示手段と第２の表示手段
   とのそれぞれに表示される形態を異ならせて情報を表示
   する表示制御手段と、 を具備することを特徴とする車両用情報表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、 上記記憶手段は、第１および第２の表示手段の両方に表
   示するため共通の情報を記憶し、 上記表示制御手段は、上記共通の情報を加工して、表示
   形態の異なる類似の情報として、上記第１および第２の
   表示手段に情報を表示させることを特徴とする車両用情
   報表示装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の装置において、 さらに、 第１の表示手段の表示情報を変更操作するための第１の
   表示操作手段と、 第２の表示手段の表示情報を変更操作するための第２の
   表示操作手段と、 所定条件下で、第１の表示操作手段の変更操作のみを制
   限する操作制限手段と、 を具備することを特徴とする車両用情報表示装置。
4. 【請求項４】 請求項２または３に記載の装置におい
   て、 さらに、 上記第２の表示手段に表示された表示情報を第１の表示
   手段に転送し、表示させる転送制御手段を具備すること
   を特徴とする車両用情報表示装置。