JPH09129494A - 積層コンデンサ - Google Patents

積層コンデンサ

Info

Publication number
JPH09129494A
JPH09129494A JP28006495A JP28006495A JPH09129494A JP H09129494 A JPH09129494 A JP H09129494A JP 28006495 A JP28006495 A JP 28006495A JP 28006495 A JP28006495 A JP 28006495A JP H09129494 A JPH09129494 A JP H09129494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal electrode
length
internal
multilayer capacitor
pieces
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28006495A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Mizuno
洋一 水野
Atsushi Masuda
淳 増田
Koichi Chazono
広一 茶園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP28006495A priority Critical patent/JPH09129494A/ja
Publication of JPH09129494A publication Critical patent/JPH09129494A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い静電容量を保ち、高いQ値を有すると共
に内部構造欠陥のない積層コンデンサを提供する。 【解決手段】 外部電極24に接続された内部電極引出
部22cと、内部電極引出部22cに基端部が接続さ
れ、所定間隔をあけてほぼ平行に延びる2つの内部電極
片22bとを有する内部電極22を形成し、誘電体層2
1の長さL1から内部電極引出部22cの長さL2を引
いた長さと、内部電極片22bの長さL3との比{L3
/(L1−L2)}が、0.2以上0.9以下の範囲内
の所定値となるように内部電極片22bの長さL3を設
定する。これにより、内部電極22に生ずる渦電流損失
が小さくなり、各内部電極片の抵抗を低く設定でき、高
周波域における高いQ値を得ることができると共に、内
部応力歪を分散することができ、クラックやデラミネー
ション等の構造欠陥の発生を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、積層コンデンサに
関し、特に静電容量の小さな高周波用の積層コンデンサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2乃至図4に従来例の積層コンデンサ
を示す。図2は分解斜視図、図3は平面図、図4は図3
のA−A線矢視方向断面図である。
【0003】図において、10は積層コンデンサで、誘
電体層11と内部電極12とを交互に積層してなる素体
13と、素体13の両端部において内部電極を交互に並
列に接続している一対の外部電極14とから構成されて
いる。
【0004】内部電極12は、誘電体層11の中央領域
付近に設けられた内部電極片12aと、外部電極14に
沿って外部電極14に接続した状態で設けられた内部電
極引出部12bとから成り、内部電極片12aは内部電
極引出部12bを介して外部電極14に接続されてい
る。
【0005】誘電体層11は矩形のシート上のセラミッ
ク焼結体からなり、セラミック焼結体は、例えばチタン
酸バリウム等を主成分とする誘電体磁器材料から形成さ
れている。内部電極12は金属ペーストを焼結させた金
属薄膜からなり、金属ペーストとしては、例えばPdや
Ag−Pdのような貴金属材料を主成分とするものが使
用されている。外部電極14もない部電極12と同様の
材料により形成され、表面には半田濡れ性をよくするた
めに半田メッキが施されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、移動
通信機器等に使用される通信用の周波数が高周波帯(G
Hz帯)へ移行してきており、これに伴って移動通信機
器等に使用される積層コンデンサも高周波帯への対応を
余儀なくされている。
【0007】積層コンデンサを高周波帯へ対応させるた
めには、高周波域において低容量、例えば10pF以下
の静電容量の積層コンデンサのQ値を高める必要があ
る。
【0008】このように高周波域において、低容量の積
層コンデンサのQ値を高めるためには、内部電極の電気
抵抗を小さくする必要がある。
【0009】内部電極の電気抵抗を小さくする方法とし
ては、内部電極の面積を広くしたり、内部電極の厚みを
厚くしたりする方法がある。
【0010】しかしながら、内部電極の面積を大きくす
ると静電容量が大きくなりすぎるので、内部電極間の距
離を広げたり、積層数を減らしたりしなければならず、
このため、内部電極間の電気抵抗が高まったり、Q値が
低下したりする。
【0011】また、内部電極を厚くすると、内部電極の
電気抵抗は下がるが、内部電極の局部的な累積によりそ
の部分は局部的に厚くなって内部歪みが増大したり、P
d等からなる内部電極の酸化膨張により、構造欠陥(デ
ラミネーション、クラック等)の発生率が大きくなって
しまう。
【0012】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、低い
静電容量を保ち、高いQ値を有すると共に内部構造欠陥
のない積層コンデンサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために請求項1では、誘電体層と内部電極層とを
交互に積層してなる直方体形状の素体と、該素体の両端
部において該内部電極層に形成された内部電極を交互に
並列に接続している一対の外部電極とからなる積層コン
デンサであって、前記内部電極は、同層内に形成され、
前記外部電極に接続された内部電極引出部と、該内部電
極引出部に基端部が接続され、所定間隔をあけてほぼ平
行に延びる2つの内部電極片とを有し、前記誘電体層の
長さL1から前記内部電極引出部の長さL2を引いた長
さと、前記内部電極片の長さL3との比{L3/(L1
−L2)}が、0.2以上0.9以下の範囲内の所定値
となるように前記内部電極片の長さL3が設定されてい
る積層コンデンサを提案する。
【0014】該積層コンデンサによれば、前記内部電極
が2つの内部電極片を有すると共に、誘電体層の長さL
1から内部電極引出部の長さL2を引いた長さと、内部
電極片の長さL3との比{L3/(L1−L2)}が、
0.2以上0.9以下の範囲内の所定値となるように内
部電極片の長さL3が設定されているので、2つの内部
電極片間にスリットが存在することで内部電極に生ずる
渦電流損失が小さくなり、各内部電極片の抵抗を低く設
定でき、高周波域における高いQ値を得ることができる
と共に、内部電極片の面積、及び内部電極片を介さずに
直接上下層の誘電体層が密着する割合が必要十分に得ら
れる。
【0015】また、請求項2では、請求項1記載の積層
コンデンサにおいて、前記同層内に存在する2つの内部
電極片の長さが異なり、一方の長い内部電極片の長さL
3と他方の短い内部電極片の長さL4との比(L4/L
3)が、0.2以上1.0よりも小さい範囲内の所定値
となるようにそれぞれの内部電極片の長さが設定されて
いる積層コンデンサを提案する。
【0016】該積層コンデンサによれば、各内部電極片
の長さが異なると共に、一方の長い内部電極片の長さL
3と他方の短い内部電極片の長さL4との比(L4/L
3)が、0.2以上1.0よりも小さい範囲内の所定値
となるようにそれぞれの内部電極片の長さが設定されて
いるので、一方の内部電極片による静電容量形成領域、
即ち上下層の内部電極片が重なる領域と、他方の内部電
極片による静電容量形成領域が離れた位置に形成される
ため、これらの静電容量形成領域間の緩衝が低減され、
Q値を高めることができると共に、内部電極片を介さず
に直接上下層の誘電体層が密着する割合が必要十分に得
られる。
【0017】また、請求項3では、請求項1又は2記載
の積層コンデンサにおいて、前記内部電極の長さ(L2
+L3)と、前記内部電極引出部の長さL2との比{L
2/(L2+L3)}が、0.0よりも大きく0.6以
下の範囲内の所定値となるように、前記内部電極の長さ
(L2+L3)及び前記内部電極引出部の長さL2が設
定されている積層コンデンサを提案する。
【0018】該積層コンデンサによれば、前記内部電極
の長さ(L2+L3)と、前記内部電極引出部の長さL
2との比{L2/(L2+L3)}が、0.0よりも大
きく0.6以下の範囲内の所定値となるように、前記内
部電極の長さ(L2+L3)及び前記内部電極引出部の
長さL2が設定されているので、一方の内部電極片によ
る静電容量形成領域、即ち上下層の内部電極片が重なる
領域と、他方の内部電極片による静電容量形成領域が離
れた位置に形成されるため、これらの静電容量形成領域
間の緩衝が低減され、Q値を高めることができると共
に、内部電極片を介さずに直接上下層の誘電体層が密着
する割合が必要十分に得られる。
【0019】また、請求項4では、誘電体層と内部電極
層とを交互に積層してなる直方体形状の素体と、該素体
の両端部において該内部電極層に形成された内部電極を
交互に並列に接続している一対の外部電極とからなる積
層コンデンサであって、前記内部電極は、同層内に形成
され、所定間隔をあけてほぼ平行に延びる2つの内部電
極片を有し、前記誘電体層の幅W1と、前記2つの内部
電極片のそれぞれの幅W2,W3及びこれら内部電極片
の間のスリットの幅W4の和(W2+W3+W4)との
比{(W2+W3+W4)/W1}が、0.1以上0.
8以下の範囲内の所定値となるように前記各幅が設定さ
れている積層コンデンサを提案する。
【0020】該積層コンデンサによれば、2つの内部電
極片間にスリットが存在することで内部電極に生ずる渦
電流損失が小さくなり、各内部電極片の抵抗を低く設定
でき、高周波域における高いQ値を得ることができると
共に、内部電極片の面積、及び内部電極片を介さずに直
接上下層の誘電体層が密着する割合が必要十分に得られ
る。
【0021】また、請求項5では、請求項4記載の積層
コンデンサにおいて、前記スリットの幅W4と、前記2
つの内部電極片のそれぞれの幅W2,W3及び前記スリ
ットの幅W4の和(W2+W3+W4)との比{W4/
(W2+W3+W4)}が、0.1以上0.3以下の範
囲内の所定値となるように前記各幅が設定されている積
層コンデンサを提案する。
【0022】該積層コンデンサによれば、前記スリット
の幅W4と、前記2つの内部電極片のそれぞれの幅W
2,W3及び前記スリットの幅W4の和(W2+W3+
W4)との比{W4/(W2+W3+W4)}が、0.
1以上0.3以下の範囲内の所定値となるように前記各
幅が設定されているので、2つの内部電極片における静
電容量形成領域の緩衝が低減され、Q値を高めることが
できると共に、内部電極片を介さずに直接上下層の誘電
体層が密着する割合が必要十分に得られる。
【0023】また、請求項6では、請求項4又は5記載
の積層コンデンサにおいて、前記誘電体層の幅W1と、
前記内部電極片の側端から前記誘電体層の側端までの距
離W5との比(W5/W1)が、0.1以上0.7以下
の範囲内の所定値となるように前記内部電極片が形成さ
れている積層コンデンサを提案する。
【0024】該積層コンデンサによれば、前記誘電体層
の幅W1と、前記内部電極片の側端から前記誘電体層の
側端までの距離W5との比(W5/W1)が、0.1以
上0.7以下の範囲内の所定値となるように前記内部電
極片が形成されているので、側縁部において内部電極片
を介さずに直接上下層の誘電体層が密着する割合が必要
十分に得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。図1は一実施形態における第1の
実施例の積層コンデンサを示す分解斜視図、図5は平断
面図、図6は図5におけるB−B線矢視方向断面図であ
る。図において、20は積層コンデンサで、誘電体層2
1と内部電極22とを交互に積層してなる素体23と、
素体23の両端部において内部電極22を交互に並列に
接続している一対の外部電極24とから構成されてい
る。
【0026】誘電体層21は、矩形のシート状のセラミ
ック焼結体からなり、焼結体は例えばチタン酸バリウム
を主成分とするグリーンシートを焼成して形成した誘電
体磁器材料からなる。
【0027】誘電体層21を介して隣り合う一対の内部
電極22のそれぞれは、1つのスリット22aを介して
隣り合う2つの内部電極片22bを有している。各内部
電極片22bは矩形になっており、内部電極片22bの
長辺は外部電極24に対して略直角になっている。
【0028】また、同一内部電極22内の2つの内部電
極片22b相互の幅、及び誘電体層21を介して対向す
る内部電極22間における内部電極片22bの幅は各々
等しく形成されている。
【0029】さらに、内部電極片22bの基端部は、外
部電極24に沿って設けられた内部電極引出部22cを
介して外部電極24に接続されている。
【0030】一方、誘電体層21を介して隣り合う一対
の内部電極22において、一方の層の内部電極22の内
部電極片22bの先端部は、他方の層の内部電極22の
内部電極片22bの先端部と対向している。
【0031】これらの内部電極22は導電性ペーストの
薄膜を焼結させた金属薄膜からなり、導電性ペーストと
しては、例えばパラジウム粉末を主成分とするものが使
用されている。外部電極24も内部電極22と同様の材
料により形成され、表面には半田濡れ性をよくするため
に半田メッキが施されている。
【0032】ここで、図5に示すように、誘電体層21
の長さL1から内部電極引出部22cの長さL2を引い
た長さと、内部電極片22bの長さL3との比{L3/
(L1−L2)}が、0.2以上0.9以下の範囲内の
所定値となるように内部電極片22bの長さL3が設定
されている。
【0033】本実施例では、L1、L2、L3の長さを
それぞれ900μm、50μm、550μmに設定し
た。
【0034】この積層コンデンサは次のようにして製造
した。まず、誘電体の原料粉末に有機バインダーを15
重量%添加し、さらに水を50重量%加え、これらをボ
ールミルに入れて十分に混合し、誘電体磁器原料のスラ
リーを作成した。
【0035】次に、このスラリーを真空脱泡器に入れて
脱泡した後、リバースロールコーターに入れ、ポリエス
テルフィルム上にこのスラリーからなる薄膜を形成し、
この薄膜をポリエステルフィルム上で100℃に加熱し
て乾燥させ、これを打ち抜いて、10cm角、厚さ約2
0μmのグリーンシートを得た。
【0036】一方、平均粒径が1.5μmのパラジウム
粉末10gと、エチルセルロース0.9gをブチルカル
ビトール9.1gに溶解させたものとを攪拌器に入れ、
10時間攪拌することにより内部電極用の導電性ペース
トを得た。
【0037】この後、上述した内部電極のパターンを5
0個有する各スクリーンを用いて、上記グリーンシート
の片面にこの導電性ペーストからなる内部電極のパター
ンを各々印刷し、これを乾燥させた。
【0038】次に、上記印刷面を上にしてグリーンシー
トを複数枚積層し、さらにこの積層物の上下両面に印刷
の施されていないグリーンシートを積層した。次いで、
この積層物を約50℃の温度で厚さ方向に約40トンの
圧力を加えて圧着させた。この後、この積層物を格子状
に裁断し、約50個の積層チップを得た。
【0039】次に、この積層チップを雰囲気焼成可能な
炉に入れ、大気中で600℃まで加熱して、有機バイン
ダーを焼成させ、その後、炉の雰囲気を大気中雰囲気と
し、積層体チップの加熱温度を600℃から焼成温度の
1150℃(最高温度)を3時間保持した。この後、1
00℃/hrの速度で600℃まで降温し、室温まで冷
却して、焼結体チップを得た。
【0040】次いで、内部電極が露出する焼結体チップ
の側面に銀とガラスフリットとビヒクルからなる導電性
ペーストを塗布して乾燥させ、これを大気中で800℃
の温度で15分間焼き付け、銀電極層を形成し、さらに
この上に銅を無電解メッキで被着させ、この上に電気メ
ッキ法でPb−Sn半田層を設けて、一対の外部電極を
形成した。これによって積層コンデンサが得られた。
【0041】前述の構成よりなる積層コンデンサによれ
ば、2つの内部電極片22b間にスリット22aが存在
することで内部電極22に生ずる渦電流損失が小さくな
り、各内部電極片22bの抵抗を低く設定でき、高周波
域における高いQ値を得ることができると共に、内部電
極片22bの面積、及び内部電極片22bを介さずに直
接上下層の誘電体層21が密着する割合が必要十分に得
られるので、内部応力歪を分散することができ、クラッ
クやデラミネーション等の構造欠陥の発生を防止するこ
とができる。
【0042】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
第2の実施例では第1の実施例の構成に加えて、図7に
示すように、同層内に存在する2つの内部電極片22b
の長さを異なる値に設定し、一方の長い内部電極片22
bの長さL3と他方の短い内部電極片22bの長さL4
との比(L4/L3)が、0.2以上1.0よりも小さ
い範囲内の所定値となるようにそれぞれの内部電極片2
2bの長さを設定した。本実施例では、L3、L4をそ
れぞれ550μm、350μmに設定している。
【0043】前述の構成よりなる積層コンデンサによれ
ば、一方の内部電極片22bによる静電容量形成領域2
5a、即ち上下層の内部電極片22bが重なる領域と、
他方の内部電極片22bによる静電容量形成領域25b
が離れた位置に形成されるため、これらの静電容量形成
領域間25a,25bの緩衝が低減され、Q値を高める
ことができると共に、内部電極片を介さずに直接上下層
の誘電体層が密着する割合が必要十分に得られるので、
クラックやデラミネーション等の構造欠陥の発生をさら
に防止することができる。
【0044】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例では第1の実施例の構成に加えて、図8に
示すように、内部電極22の長さ(L2+L3)と、内
部電極引出部22cの長さL2との比{L2/(L2+
L3)}が、0.0よりも大きく0.6以下の範囲内の
所定値となるように、内部電極22の長さ(L2+L
3)及び内部電極引出部22cの長さL2を設定した。
【0045】前述の構成よりなる積層コンデンサによれ
ば、内部電極片を介さずに直接上下層の誘電体層が密着
する割合が必要十分に得られるので、クラックやデラミ
ネーション等の構造欠陥の発生をさらに防止することが
できる。
【0046】次に、本発明の第4の実施例を説明する。
図9は一実施形態における第4の実施例の積層コンデン
サを示す分解斜視図、図10は平断面図、図11は図1
0におけるC−C線矢視方向断面図である。図におい
て、30は積層コンデンサで、誘電体層31と内部電極
32とを交互に積層してなる素体33と、素体33の両
端部において内部電極32を交互に並列に接続している
一対の外部電極34とから構成されている。
【0047】誘電体層31は、矩形のシート状のセラミ
ック焼結体からなり、焼結体は例えばチタン酸バリウム
を主成分とするグリーンシートを焼成して形成した誘電
体磁器材料からなる。
【0048】誘電体層31を介して隣り合う一対の内部
電極32のそれぞれは、1つのスリット32aを介して
隣り合う2つの内部電極片32bを有している。各内部
電極片32bは矩形になっており、内部電極片32bの
長辺は外部電極34に対して略直角になっている。
【0049】また、同一内部電極32内の2つの内部電
極片32b相互の幅、及び誘電体層31を介して対向す
る内部電極32間における内部電極片32bの幅は各々
後述する値となるように形成されている。
【0050】さらに、内部電極片32bの基端部は、外
部電極34に沿って設けられた内部電極引出部32cを
介して外部電極34に接続されている。
【0051】一方、誘電体層31を介して隣り合う一対
の内部電極32において、一方の層の内部電極32の内
部電極片32bの先端部は、他方の層の内部電極32の
内部電極片32bの先端部と対向している。
【0052】これらの内部電極32は導電性ペーストの
薄膜を焼結させた金属薄膜からなり、導電性ペーストと
しては、例えばパラジウム粉末を主成分とするものが使
用されている。外部電極34も内部電極32と同様の材
料により形成され、表面には半田濡れ性をよくするため
に半田メッキが施されている。また、この積層コンデン
サの製造方法は前述した第1の実施例と同様である。
【0053】ここで、本実施例では、誘電体層31の幅
W1と、2つの内部電極片32bのそれぞれの幅W2,
W3及びこれら内部電極片32bの間のスリット32a
の幅W4の和(W2+W3+W4)との比{(W2+W
3+W4)/W1}が、0.1以上0.8以下の範囲内
の所定値となるように各幅を設定した。
【0054】ここでは、W1、W2、W3、W4の値
を、それぞれ460μm、100μm、100μm、1
00μmに設定した。
【0055】前述の構成よりなる積層コンデンサによれ
ば、2つの内部電極片32b間にスリット32aが存在
することで内部電極32に生ずる渦電流損失が小さくな
り、各内部電極片32bの抵抗を低く設定でき、高周波
域における高いQ値を得ることができると共に、内部電
極片32bの面積、及び内部電極片32bを介さずに直
接上下層の誘電体層31が密着する割合が必要十分に得
られるので、内部応力歪みを低減でき、クラックやデラ
ミネーション等の構造欠陥の発生を防止することができ
る。
【0056】次に、本発明の第5の実施例を説明する。
第5の実施例では第4の実施例の構成に加えて、図12
に示すように、スリット32aの幅W4と、2つの内部
電極片32bのそれぞれの幅W2,W3及びスリット3
2aの幅W4の和(W2+W3+W4)との比{W4/
(W2+W3+W4)}が、0.1以上0.3以下の範
囲内の所定値となるように前記各幅を設定した。
【0057】前述の構成よりなる積層コンデンサによれ
ば、スリット32aの幅W4と、2つの内部電極片32
bのそれぞれの幅W2,W3及びスリット32aの幅W
4の和(W2+W3+W4)との比{W4/(W2+W
3+W4)}が、0.1以上0.3以下の範囲内の所定
値となるように前記各幅が設定されているため、2つの
内部電極片32bにおける静電容量形成領域35a,3
5bの緩衝が低減され、Q値を高めることができると共
に、内部電極片32を介さずに直接上下層の誘電体層3
1が密着する割合が必要十分に得られるので、内部応力
歪みを低減でき、クラックやデラミネーション等の構造
欠陥の発生をさらに防止することができる。
【0058】次に、本発明の第6の実施例を説明する。
第6の実施例では第4の実施例の構成に加えて、図13
に示すように、誘電体層31の幅W1と、内部電極片3
2bの側端から誘電体層31の側端までの距離W5との
比(W5/W1)が、0.1以上0.7以下の範囲内の
所定値となるように内部電極片32を形成した。
【0059】前述の構成よりなる積層コンデンサによれ
ば、側縁部において内部電極片32を介さずに直接上下
層の誘電体層31が密着する割合が必要十分に得られる
ので、内部応力歪みを低減でき、クラックやデラミネー
ション等の構造欠陥の発生をさらに防止することができ
る。
【0060】尚、これらの実施例は一例であり本発明が
これに限定されることはない。例えば、第1乃至第6の
実施例の任意のものを組み合わせても同様の効果を得る
ことができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よれば、2つの内部電極片間にスリットが存在すること
で内部電極に生ずる渦電流損失が小さくなり、各内部電
極片の抵抗を低く設定でき、高周波域における高いQ値
を得ることができると共に、内部電極片の面積、及び内
部電極片を介さずに直接上下層の誘電体層が密着する割
合が必要十分に得られるので、内部応力歪を分散するこ
とができ、クラックやデラミネーション等の構造欠陥の
発生を防止することができる。
【0062】また、請求項2によれば、上記の効果に加
えて、一方の内部電極片による静電容量形成領域、即ち
上下層の内部電極片が重なる領域と、他方の内部電極片
による静電容量形成領域が離れた位置に形成されるた
め、これらの静電容量形成領域間の緩衝が低減され、Q
値を高めることができると共に、内部電極片を介さずに
直接上下層の誘電体層が密着する割合が必要十分に得ら
れるので、クラックやデラミネーション等の構造欠陥の
発生をさらに防止することができる。
【0063】また、請求項3によれば、上記の効果に加
えて、内部電極片を介さずに直接上下層の誘電体層が密
着する割合が必要十分に得られるので、クラックやデラ
ミネーション等の構造欠陥の発生をさらに防止すること
ができる。
【0064】また、請求項4によれば、2つの内部電極
片間にスリットが存在することで内部電極に生ずる渦電
流損失が小さくなり、各内部電極片の抵抗を低く設定で
き、高周波域における高いQ値を得ることができると共
に、内部電極片の面積、及び内部電極片を介さずに直接
上下層の誘電体層が密着する割合が必要十分に得られる
ので、内部応力歪みを低減でき、クラックやデラミネー
ション等の構造欠陥の発生を防止することができる。
【0065】また、請求項5によれば、上記の効果に加
えて、スリットの幅W4と、2つの内部電極片のそれぞ
れの幅W2,W3及び前記スリットの幅W4の和(W2
+W3+W4)との比{W4/(W2+W3+W4)}
が、0.1以上0.3以下の範囲内の所定値となるよう
に前記各幅が設定されているため、2つの内部電極片に
おける静電容量形成領域の緩衝が低減され、Q値を高め
ることができると共に、内部電極片を介さずに直接上下
層の誘電体層が密着する割合が必要十分に得られるの
で、内部応力歪みを低減でき、クラックやデラミネーシ
ョン等の構造欠陥の発生をさらに防止することができ
る。
【0066】また、請求項6によれば、上記の効果に加
えて、誘電体層の幅W1と、内部電極片の側端から前記
誘電体層の側端までの距離W5との比(W5/W1)
が、0.1以上0.7以下の範囲内の所定値となるよう
に前記内部電極片が形成されているため、側縁部におい
て内部電極片を介さずに直接上下層の誘電体層が密着す
る割合が必要十分に得られるので、内部応力歪みを低減
でき、クラックやデラミネーション等の構造欠陥の発生
をさらに防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の積層コンデンサを示す
分解斜視図
【図2】従来例の積層コンデンサを示す分解斜視図
【図3】従来例の積層コンデンサを示す平断面図
【図4】図3のA−A線矢視方向断面図
【図5】本発明の第1の実施例の積層コンデンサを示す
平断面図
【図6】図5におけるB−B線矢視方向断面図
【図7】本発明の第2の実施例における積層コンデンサ
の平断面図
【図8】本発明の第3の実施例における積層コンデンサ
の平断面図
【図9】本発明の第4の実施例の積層コンデンサを示す
分解斜視図
【図10】本発明の第4の実施例の積層コンデンサを示
す平断面図
【図11】図10におけるC−C線矢視方向断面図
【図12】本発明の第5の実施例における積層コンデン
サの平断面図
【図13】本発明の第6の実施例における積層コンデン
サの平断面図
【符号の説明】
20…積層コンデンサ、21…誘電体層、22…内部電
極、22a…スリット、22b…内部電極片、22c…
内部電極引出部、23…素体、24…外部電極、25
a,25b…静電容量形成領域、30…積層コンデン
サ、31…誘電体層、32…内部電極、32a…スリッ
ト、32b…内部電極片、32c…内部電極引出部、3
3…素体、34…外部電極、35a,35b…静電容量
形成領域。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層と内部電極層とを交互に積層し
    てなる直方体形状の素体と、該素体の両端部において該
    内部電極層に形成された内部電極を交互に並列に接続し
    ている一対の外部電極とからなる積層コンデンサであっ
    て、 前記内部電極は、同層内に形成され、前記外部電極に接
    続された内部電極引出部と、該内部電極引出部に基端部
    が接続され、所定間隔をあけてほぼ平行に延びる2つの
    内部電極片とを有し、 前記誘電体層の長さL1から前記内部電極引出部の長さ
    L2を引いた長さと、前記内部電極片の長さL3との比
    {L3/(L1−L2)}が、0.2以上0.9以下の
    範囲内の所定値となるように前記内部電極片の長さL3
    が設定されていることを特徴とする積層コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記同層内に存在する2つの内部電極片
    の長さが異なり、一方の長い内部電極片の長さL3と他
    方の短い内部電極片の長さL4との比(L4/L3)
    が、0.2以上1.0よりも小さい範囲内の所定値とな
    るようにそれぞれの内部電極片の長さが設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記内部電極の長さ(L2+L3)と、
    前記内部電極引出部の長さL2との比{L2/(L2+
    L3)}が、0.0よりも大きく0.6以下の範囲内の
    所定値となるように、前記内部電極の長さ(L2+L
    3)及び前記内部電極引出部の長さL2が設定されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 誘電体層と内部電極層とを交互に積層し
    てなる直方体形状の素体と、該素体の両端部において該
    内部電極層に形成された内部電極を交互に並列に接続し
    ている一対の外部電極とからなる積層コンデンサであっ
    て、 前記内部電極は、同層内に形成され、所定間隔をあけて
    ほぼ平行に延びる2つの内部電極片を有し、 前記誘電体層の幅W1と、前記2つの内部電極片のそれ
    ぞれの幅W2,W3及びこれら内部電極片の間のスリッ
    トの幅W4の和(W2+W3+W4)との比{(W2+
    W3+W4)/W1}が、0.1以上0.8以下の範囲
    内の所定値となるように前記各幅が設定されていること
    を特徴とする積層コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記スリットの幅W4と、前記2つの内
    部電極片のそれぞれの幅W2,W3及び前記スリットの
    幅W4の和(W2+W3+W4)との比{W4/(W2
    +W3+W4)}が、0.1以上0.3以下の範囲内の
    所定値となるように前記各幅が設定されていることを特
    徴とする請求項4記載の積層コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記誘電体層の幅W1と、前記内部電極
    片の側端から前記誘電体層の側端までの距離W5との比
    (W5/W1)が、0.1以上0.7以下の範囲内の所
    定値となるように前記内部電極片が形成されていること
    を特徴とする請求項4又は5記載の積層コンデンサ。
JP28006495A 1995-10-27 1995-10-27 積層コンデンサ Withdrawn JPH09129494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28006495A JPH09129494A (ja) 1995-10-27 1995-10-27 積層コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28006495A JPH09129494A (ja) 1995-10-27 1995-10-27 積層コンデンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09129494A true JPH09129494A (ja) 1997-05-16

Family

ID=17619809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28006495A Withdrawn JPH09129494A (ja) 1995-10-27 1995-10-27 積層コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09129494A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007020757A1 (ja) * 2005-08-19 2007-02-22 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層セラミックコンデンサ
JP2007266072A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Tdk Corp 積層型バリスタアレイ及び積層型バリスタ
KR101018112B1 (ko) * 2008-12-24 2011-02-25 삼성전기주식회사 적층형 커패시터

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007020757A1 (ja) * 2005-08-19 2007-02-22 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層セラミックコンデンサ
JPWO2007020757A1 (ja) * 2005-08-19 2009-02-19 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ
KR100944098B1 (ko) * 2005-08-19 2010-02-24 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 세라믹 커패시터
JP4525753B2 (ja) * 2005-08-19 2010-08-18 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ
JP2007266072A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Tdk Corp 積層型バリスタアレイ及び積層型バリスタ
KR101018112B1 (ko) * 2008-12-24 2011-02-25 삼성전기주식회사 적층형 커패시터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016189423A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4428852B2 (ja) 積層型電子部品およびその製法
JPH09266130A (ja) 積層コンデンサ
JP4573956B2 (ja) 積層型電子部品およびその製法
JPH09260206A (ja) 積層コンデンサ
JP2003022930A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2003022929A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPH09129477A (ja) 積層コンデンサ
JP3445448B2 (ja) 積層コンデンサ
JP2012156171A (ja) 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの製造方法
JP3292436B2 (ja) 積層コンデンサ
JPH09260201A (ja) 積層コンデンサ
JPH09129494A (ja) 積層コンデンサ
JPH09260193A (ja) 積層コンデンサ
JPH09266131A (ja) 積層電子部品
JPH09260196A (ja) 積層コンデンサ
JPH1097947A (ja) 積層コンデンサ
JPH09260192A (ja) 積層コンデンサ
JPH08191034A (ja) 積層コンデンサ
JPH09260204A (ja) 積層コンデンサ
JPH09260198A (ja) 積層コンデンサ
JPH09260194A (ja) 積層電子部品
JPH09260203A (ja) 積層コンデンサ
JPH09260200A (ja) 積層コンデンサ
JPH09129493A (ja) 積層コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030107