JPH089383Y2 - オイルパンカバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンのオイルパンからの透過音を遮断
するオイルパンカバー装置に関し、特にオイルパンを覆
うオイルパンカバーをシリンダボデーに吊設されている
複数のラバーマウントに吊架し、オイルパンカバーをラ
バーマウントにより引張支持することによって、オイル
パンカバーの防振化を図り、もってオイルパンカバーに
よる遮音効果の向上を図るものに関する。

〔従来の技術〕

この種のオイルパンカバー装置においては、従来のも
のとしてはエンジンのオイルパンを覆う遮音カバーの取
付部を弾性体により挟持すると共に、遮音カバーの取付
部を弾性体と共にボルトによりシリンダブロックに締付
け、遮音カバーの防振を図ったエンジンの遮音装置が知
られている（例えば実開昭58ー30731号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のエンジンの遮音装置においては、遮音カバーは
その取付部が弾性体により挟持されているものであるか
ら、遮音カバーは弾性体により一応の防振効果を期待す
ることができるものの、遮音カバーの取付部を挟持する
弾性体はボルトによりシリンダブロックに締付けられて
いるものであるから、弾性体は締付けにより圧縮されて
いるため、防振効果が低減するばかりでなく、遮音カバ
ーの取付部はボルトの嵌合により締付けられているもの
であるから、遮音カバーの取付けにあたり遮音カバーと
ボルトとの接触を回避することが困難であるため、シリ
ンダブロックの振動はボルトを介して遮音カバーに伝播
され遮音カバーの遮音効果の低減を招くという問題があ
った。

本考案は上記従来技術の問題点を解決するもので、オ
イルパンを覆うオイルパンカバーをシリンダボデーに吊
設されている複数のラバーマウントに吊架し、オイルパ
ンカバーをラバーマウントにより引張支持することによ
って、ラバーマウントの効果的な弾性機能によるオイル
パンカバーの防振化を図ると共に、ラバーマウントの下
側部に形成された支持部にオイルパンカバーのブラケッ
トを係合することによって、シリンダボデー側に対する
オイルパンカバーの隔離を図り、もってオイルパンカバ
ーによる遮音効果の向上を図ることができるオイルパン
カバー装置を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案のオイルパンカバ
ー装置においては、シリンダボデーの下部に吊設され、
かつ下側部に支持部が形成された複数のラバーマウント
と、オイルパンを覆い、かつ外側部に複数のブラケット
が一体的に形成されたオイルパンカバーとを有し、ブラ
ケットと支持部との係合によりオイルパンカバーが複数
のラバーマウントに吊架されているものである。

〔作用〕

上記のように構成されたオイルパンカバー装置は、シ
リンダボデーの下部に吊設された複数のラバーマウント
の下側部に形成されている支持部に、オイルパンを覆う
オイルパンカバーの外側部に一体的に形設されているブ
ラケットが係合され、オイルパンカバーが複数のラバー
マウントに吊架されているものであるから、オイルパン
カバーが複数のラバーマウントに吊架された結果として
ラバーマウントはオイルパンカバーを引張支持するもの
となるため、ラバーマウントはオイルパンカバーの自重
以外の作用力を受けることなく本来の弾性機能を保有
し、オイルパンカバーの効果的な防振化を図ることがで
きる。

また、オイルパンカバーとシリンダボデー側との結合
関係が、オイルパンカバーのブラケットとシリンダボデ
ーの下部に吊設されたラバーマウントに形成されている
支持部との係合によるものであるから、オイルパンカバ
ーはラバーマウントによりシリンダボデー側に対して完
全に隔離され、シリンダボデー側からの振動がオイルパ
ンカバーへ直接に伝播されることがなく、オイルパンカ
バーの効果的な防振化を図ることができる。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明すると、１はシリ
ンダボデーで、該シリンダボデー１の下部にはパッキン
２を介してオイルパン３の取付部が液密に取付けられる
のであるが、オイルパン３の取付けにあたってはオイル
パン３の取付部の下部にスペーサリング４を有する弾性
ワッシャ５を介して複数のブラケット６…の基部と共に
ボルト７により取付けられている。また各ブラケット６
…の下部にはボルトカップ８が内装されたラバーマウン
ト９の上端部がボルト・ナットからなる取付金具10によ
りボルトカップ８の上端部と共に取付けられており、ラ
バーマウント９の取付部にはスペーサリング11が介装さ
れていると共に、ラバーマウント９の下端部には支持部
12が周設され、かつ該支持部12の上部には抑止部13が周
設されており、ボルトカップ８の下端部にはラバーマウ
ント９の下端部と間隔をおいて鍔14が周設されている。

一方、オイルパン３の外面を覆うべく間隔をおいて配
設されているオイルパンカバー15の外側部にはバーリン
グ16が施された嵌合孔17を有する複数のブラケット18…
が上記各ラバーマウント９…と対応位置に個設されてお
り、該各ブラケット18…がその嵌合孔17により各ラバー
マウント９…に嵌合されていると共に、各ラバーマウン
ト９…の支持部12に支持されることにより、オイルパン
カバー15は各ラバーマウント９…に吊架されている。

実施例は以上のように構成されているものであるか
ら、シリンダボデー１からの振動は弾性ワッシャ５およ
びラバーマウント９による減衰によりオイルパンカバー
15は防振されるのであるが、オイルパンカバー15はラバ
ーマウント９にその支持部12にブラケット18が係合支持
されることにより吊架されており、その結果としてラバ
ーマウント９はオイルパンカバー15を引張支持するもの
となりオイルパンカバー15の自重以外の作用力を受ける
ことなく本来の弾性機能を保有し、オイルパンカバー15
を効果的に防振することができる。

また、オイルパンカバー15に固設されているブラケッ
ト18はその嵌合孔17によりラバーマウント９に嵌合さ
れ、かつ支持部12に係合支持されているものであるか
ら、オイルパンカバー15はラバーマウント９によりシリ
ンダボデー１側と完全に隔離され、シリンダボデー１側
からの振動はオイルパンカバー15へ直接に伝播されるこ
とがなく、オイルパンカバーを効果的に防振することが
できる。

さらには、ラバーマウント９の支持部12の上部には抑
止部13が周設されているから、車体振動等によるオイル
パンカバー15の跳ね上がりを防止することができ、ブラ
ケット18の嵌合孔17にはバーリング16が施されているか
ら、ラバーマウント９の損傷を防止することができ、ボ
ルトカップ８の下端部には鍔14が周設されているから、
支持部12の損傷によってもオイルパンカバー15の脱落を
防止することができる。

なお、実施例においてはシリンダボデー１の下部にブ
ラケット６を設けているが、シリンダボデー１の下部に
ラバーマウント９を直接に取付けても上記と同等の効果
を奏するものである。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されているもので
あり、シリンダボデーの下部に吊設された複数のラバー
マウントの下側部に形成されている支持部に、オイルパ
ンを覆うオイルパンカバーの外側部に一体的に形設され
ているブラケットが係合され、オイルパンカバーが複数
のラバーマウントに吊架されているものであるから、ラ
バーマウントはオイルパンカバーを引張支持するものと
なるため、ラバーマウントはオイルパンカバーの自重以
外の作用力を受けることなく本来の弾性機能を保有し、
オイルパンカバーの効果的な防振化を図ることができ、
またオイルパンカバーのブラケットはラバーマウントの
下側部に形成された支持部に係合支持されているもので
あるから、オイルパンカバーはラバーマウントによりシ
リンダボデー側と完全に隔離されているため、シリンダ
ボデー側からの振動はオイルパンカバーへ直接に伝播さ
れることがなく、オイルパンカバーの効果的な防振化を
図ることができ、もってオイルパンカバーによる遮音効
果の向上を図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はオイルパ
ンカバー装置の要部を示す縦断側面図、第２図はオイル
パンカバー装置の要部を示す縦断正面図である。 １……シリンダボデー、３……オイルパン ９……ラバーマウント、12……支持部 15……オイルパンカバー、18……ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダボディーの下部に吊設され、かつ
   下側部に支持部が形成された複数のラバーマウントと、
   オイルパンを覆い、かつ外側部に複数のブラケットが一
   体的に形設されたオイルパンカバーとを有し、ブラケッ
   トと支持部との係合によりオイルパンカバーが複数のラ
   バーマウントに吊架されているオイルパンカバー装置。