JPH0410376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車両用エアクリーナ防振部材に関
する。

（従来の技術） 一般に、トラツク用エンジンのエアクリーナ
は、大型であつて、エンジン本体から離された位
置にブラケツトを介してボデイ・フレームに弾性
支持されている。

第２図に従来技術を示している。この図におい
て、エアクリーナ１は防振部材２を介してボデ
イ・ブラケツト３に支持されている。防振部材２
は、略円筒状の防振ゴム４を主体とし、中空部を
貫通するボルト５によつて図示しないボデイのフ
レームに実質一体に取り付けられたボデイ・ブラ
ケツト３に固定され、外周中央部に成形された周
溝４ａには、エアクリーナ１と実質一体に溶接さ
れたブラケツト６の穴６ａが係合させられてい
る。ブラケツト６は、エアクリーナ１の外周３ケ
所に設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記防振ゴム４は、いわゆる圧縮型と呼ばれて
いて、耐久性を維持するためには、ばね定数をあ
まり小さく設定することができず、振動吸収が充
分でないという問題があつた。

そこで、この考案の目的は、充分な振動吸収の
機能を有するエアクリーナ防振部材の提供にあ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案のエアクリーナ防振部材は、エヤクリー
ナを車両ボデイに弾性支持するエアクリーナ防振
部材であつて、上記エアクリーナのケーシングか
ら水平方向にブラケツトを突設されたエアクリー
ナと、上記ブラケツトを載置固定する第１水平片
及び該第１水平片の一端より折曲された第１垂直
片からなる第1L部材と、この第1L部材と同形で
あつて第２水平片及び第２垂直片を有し、第２垂
直片を上記第１垂直片に対向配置し、第２水平片
を上記第１水平片に対向配置すると共に、上記第
２垂直片の端面を上記第１水平片に対面させ、上
記第２水平片を上記第１垂直片の端面に対面さ
せ、かつ上記第２水平片をボデイに載置固定され
る第2L部材と、上記第１垂直片と第２垂直片と
を架橋し、かつ上記第２垂直片の端面と間隔を置
いて上記第１水平片の内面に取り付けると共に上
記第１垂直片の端面と間隔を置いて上記第２水平
片の内面に取り付けた防振ゴムを備えたことを特
徴とする。

（作用） 防振部材をエアクリーナのブラケツトとボデイ
との間に介装させたとき、防振ゴムは対向配置さ
れた一対の第１・第2L部材の垂直片間を架橋す
る態様で位置させられ、上下方向と水平方向の振
動を、これを剪断する向きに受けて吸収する。エ
アクリーナの上下方向の過大な振動は、垂直片の
端面が、該端面に対向する部分の水平片に取り付
けられた防振ゴムに衝合することで阻止される。

（実施例） 以下、図示の実施例に基づいて本考案を詳細に
説明する。

第１図ａ，ｂにおいて、符号１０はエアクリー
ナを示している。このエアクリーナ１０の外周部
３ケ所（１ケ所のみ示す）にはエアクリーナブラ
ケツト１１が溶接して固定されている。エアクリ
ーナブラケツト１１は、エアクリーナ１０に溶接
される基部１１ｃと、三角形をしたステイ１１ａ
と、ステイ１１ａの上端で折曲された水平板１１
ｂとからなつている。

防振部材１２は、Ｌ字状に折曲されて対向配置
された一対の第1L部材１３，第2L部材１３′と、
これらを連結した防振ゴム１４とからなつてい
る。第1L部材１３と第2L部材１３′とは互いに同
形に形成されている。

第1L部材１３は、エアクリーナブラケツト１
１の水平板１１ｂを載置固定する第１水平片１３
ｂと、この第１水平片１３ｂの一端から折曲垂下
された第１垂直片１３ａとからなつている。第
2L部材１３′は、ボデイのブラケツト１７に載置
固定される第２水平片１３′ｂと、この第２水平
片１３′ｂの一端から折曲挙上された第２垂直片
１３′ａとからなつている。

第1L部材１３と第2L部材１３′は、互いの垂直
片１３ａ，１３′ａ及び水平片１３ｂ，１３′ｂを
対面させて配置される。また、第1L部材１３と
第2L部材１３′とは、第１垂直片１３ａの下端面
を第２水平片１３′ｂの上面に間隔を置いて対面
させ、第２垂直片１３′ａの上端面を第１水平片
１３ｂの下面に間隔を置いて対面させられてい
る。

防振ゴム１４は、第１垂直片１３ａと第２垂直
片１３′ａとを架橋している。防振ゴム１４は、
第２垂直片１３′ａの上端面に対向する位置であ
つて、これと間隔を置いた第１水平片１３ｂの内
面に、また、第１垂直片１３ａの下端面に対向す
る位置であつて、これと間隔を置いて第２水平片
１３′ｂの内面にも延材させられていて、その接
着面積を大きくとられている。各水平片に接着さ
れている防振ゴムは、過大な振動が発生したとき
の各垂直片の対向する端面を衝合させてこの衝撃
を吸収する。防振ゴム１４は、加硫接着により第
１・第2L部材１３，１３′を互いに架橋してい
る。

また、第１・第２水平片１３ｂ，１３b′には、
それぞれボルト１５，１５′が突設されている。
第１水平片１３ｂには、エアクリーナブラケツト
１１の水平板１１ｂが載置され、ボルトに螺合さ
れたナツト１６で固定されている。第２水平片１
３b′は、ボデイのブラケツト１７に載置されてい
て、ボルト１５′に螺合させたナツト１６′で固定
されている。

防振ゴム１４の形状やばね定数は実験によつて
決定されるが、従来の圧縮型に比べて設計の自由
度が大きい。

（考案の効果） 以上のように構成された本考案のエアクリーナ
防振部材は、型式としては剪断型となり、ばね定
数を小さく設定することができ、振動吸収が従来
の圧縮型に比べて格段に優れた効果を発揮する。

また、第１・第2L部材のそれぞれの垂直片と
水平片とを対向させ、且つこの対向部分にも防振
ゴムを設けたので、接着強度が増大すると共に過
大な振動に対してストツパ機能を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及びｂはそれぞれ本考案の一実施例を
示す側面図と正面図、第２図は従来のエアクリー
ナ防振部材の一例を示す側面図である。 １０……エアクリーナ、１１……エアクリーナ
ブラケツト、１２……防振部材、１３……第1L
部材、１３′……第2L部材、１３ａ……第１垂直
片、１３′ａ……第２垂直片、１３ｂ……第１水
平片、１３′ｂ……第２水平片、１４……防振ゴ
ム、１７……ボデイのブラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両用エアクリーナを車両のボデイに弾性支持
   するエアクリーナ防振部材であつて、 上記エアクリーナのケーシングから水平方向に
   ブラケツトを突設されたエアクリーナと、 上記ブラケツトを載置固定する第１水平片及び
   該第１水平片の一端より折曲された第１垂直片か
   らなる第1L部材と、 この第1L部材と同形であつて、第２水平片及
   び第２垂直片を有し、第２垂直片を上記第１垂直
   片に対向配置し、第２水平片を上記第１水平片に
   対向配置すると共に、上記第２垂直片の端面を上
   記第１水平片に体面させ、上記第２水平片を上記
   第１垂直片の端面に対面させ、かつ上記第２水平
   片を上記ボデイのブラケツトに載置固定される第
   2L部材と、 上記第１垂直片と第２垂直片とを架橋し、かつ
   上記第２垂直片の端面と間隔を置いて上記第１水
   平片の内面に取り付けると共に上記第１垂直片の
   端面と間隔を置いて上記第２水平片の内面に取り
   付けた防振ゴム を備えたことを特徴とするエアクリーナ防振部
   材。