JPS6314016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案の自動車等の車両に搭載される内燃機
関用排気管の支持装置に関するものである。

従来、自動車用内燃機関の排気管支持装置とし
ては例えば第４図乃至第６図に示すものがある。
このうち第４図イ，ロ，ハについて説明すると、
自動車のフレーム１にはブラケツト２によりＬ字
形棒状の第１サポート３の一端が挿入固定され、
第１サポート３の他端はサポートゴム４の孔４ａ
に挿入されている。第１サポート３の他端は湾曲
部３ａを有している。ゴムサポート４には孔４ａ
の下方に孔４ｂが設けられ、これに第２サポート
５の一端が挿入されている。第２サポート５の他
端はスペーサ６を介して排気管９のクランプ８に
取りつけられ、クランプ８はナツト７によりスペ
ーサ６に緊締されている。

この第４図に示す排気管支持装置は第１サポー
ト３の湾曲部３ａによりサポートゴム４が第１サ
ポート３に対し回動しないよう意図されているが
実際にはサポートゴム４は外力により歪むので第
１サポート３に対し回動する。又、排気管９に対
するサポートとしては上、下に一本宛第１サポー
ト３、第２サポート５があるだけであるので排気
管９の上下方向の振動はサポートゴム４により吸
収されるが上下方向に大きな力が作用するとサポ
ートゴム４だけでは力を吸収できなくなり、サポ
ートゴム４が揺動して排気管９が上下、左右に動
きこもり音が発生する。

次に第５図に示す排気管支持装置はフレーム
１，１にボルト付けされたブラケツト２，２に第
１サポート１０，１０の一端が取りつけられ、そ
のフツク状の他端にリング状のサポートゴム１
１，１１が取りつけられ、このサポートゴム１
１，１１にアングル状の第２サポート１２の両端
の係止部１２ａ，１２ａが係止されている。第２
サポート１２の中央部１２ｂは半円状に折曲さ
れ、ここに排気管２９が溶着されている。係止部
１２ａ，１２ａの端部は水平方向のストツパ部１
２ｃ，１２ｃとなつており、ストツパ部１２ｃ，
１２ｃの上方にはゴム製のストツパ１３，１３が
ストツパサポート１３ａ，１３ａの下端に取りつ
けられ、排気管９が上方に大きく移動したときス
トツパ部１２ｃ，１２ｃがストツパ１３、に当接
するようになつている。

この第５図に示す排気管支持装置は(イ)部品点数
が多くて重量が大きいこと、(ロ)排気管の左右振動
を吸収するのに不利なこと、(ハ)排気管９の熱によ
る伸縮によりストツパ１３とストツパ部１２ｃと
の当接のオフセツト量を予め考慮しておく必要の
あること、(ニ)広いスペースを必要とすること及び
(ホ)ストツパ１３が別設のためストツパ１３の調整
代が必要となること等の欠点を有している。

又、第６図に示す排気管支持装置では両端に係
止部１４ａ，１４ａを有するハツト型の第２サポ
ート１４の中央部にはストツパゴム１５が取りつ
けられ、係止部１４ａ，１４ａにはリング状のサ
ポートゴム１６，１６が係止されている。両サポ
ートゴム１６，１６にはフツク状の第１サポート
１７が係止され、その下端には排気管９がクラン
プ８とボルト１８とにより取りつけられている。

この第６図に示す排気管支持装置も第５図の排
気管支持装置の(イ)及至(ハ)と同じ欠点を有してい
る。

この考案は排気管の前後、上下、左右の振動を
十分に吸収し、排気管の熱変化による伸縮を吸収
し、さらに排気管の上方への大きな移動に対して
優れたストツパ機能とこもり音の防止機能とを持
つ排気管支持装置の提供を目的とする。

以下実施例を示す第１図乃至第３図に基づいて
この考案を説明する。車両のフレーム１には第１
サポート２１、第２サポート２２のそれぞれの一
端が溶着されている。各サポート２１，２２はそ
れぞれ横方向に延びる水平片２１ａ，２２ａ、水
平片２１ａ，２２ａに接続する垂直片２１ｂ，２
２ｂ、垂直片２１ｂ，２２ｂに接続してフレーム
１と同方向に延出する延出片２１ｃ，２２ｃとか
らなり、延出片２１ｃ，２２ｃの自由端は折曲さ
れて後述のサポートゴム２３の抜け止めとなつて
いる。延出片２１ｃ，２２ｃはほぼ同じ高さのと
ころにある。２３はサポートゴムで適宜の厚さを
有し、かつ３ケのほぼ正三角形状に配置された同
寸円形状の上部ボス部２４，２５、下部ボス部２
６とこれらボス部を相互に連結する同じ円弧状の
連結部材２７，２８，２９とこの連結部材２７，
２８，２９により囲まれた空間部３０とからな
り、上部ボス部２４，２５及び下部ボス部２６の
中心には上部挿入孔２４ａ，２５ａ、下部挿入孔
２６ａがそれぞれ設けられている。上部挿入孔２
４ａ，２５ａにはそれぞれ第１サポート２１、第
２サポート２２の延出片２１ｃ，２２ｃが挿通さ
れている。排気管９は第３サポート３１の下端の
湾曲片３１ａに溶着され、第３サポート３１は湾
曲片３１ａから上方に延出する垂直片３１ｂと垂
直片３１ｂの上端から第１サポート２１、第２サ
ポート２２の延出片２１ｃ，２２ｃと平行に延出
する延出片３１ｃとからなり、延出片３１ｃはサ
ポートゴム２３の下部ボス部２６の中心に設けた
下部挿入孔２６ａに摺動可能に挿通されている。
延出片３１ｃの自由端は折曲されてサポートゴム
２３からの抜け止めとなつている。

上記の構成により排気管９の左右の振動は第３
サポート３１を介してサポートゴム２３の下部挿
入孔２６ａに伝達される。一方サポートゴム２３
は並列する上部挿入孔２４ａ，２５ａに挿入され
た第１サポート２１の延出片２１ｃと第２サポー
ト２２の延出片２２ｃとにより支持されているか
ら下部挿入孔２６ａに伝達された左右の振動はサ
ポートゴム２３の連結部材２８，２９の撓みによ
り吸収される。又、排気管９の上下振動は連結部
材２８，２９の引張り、圧縮及び撓みにより吸収
される。第３サポート３１が排気管９により大き
な上向き荷重を受けたときは連結部材２８，２９
が大きく撓み、下部ボス２６が上部ボス２４，２
５に当接して排気管９の上動を阻止する。すなわ
ち空間部３０を設けることにより上部ボス２４，
２５は下部ボス２６に対するストツパの機能を発
揮する。さらに排気管９の前後方向の振動はサポ
ートゴム２３の前後方向（第３図で左右方向）の
撓みにより吸収される。

排気管９の温度変化により伸縮するときは第１
サポート２１及び第２サポート２２とサポートゴ
ム２３との相対移動及び／又は第３サポート３１
とサポートゴム２３との相対移動が発生するので
サポートゴム２３に対する排気管９のオフセツト
を予め設定する必要がない。

上述のようにこの考案はそれぞれ１ケの挿入孔
を有する３ケのほぼ正三角形状に配置されたボス
部と、これらボス部を相互に連結する連結部材
と、これら連結部材により囲まれた空間部とから
なる弾性サポートの前記挿入孔のうち２ケに一端
を車両フレームに取りつけた第１、第２サポート
の他端を摺動可能に挿入するとともに２ケの挿入
孔をほぼ同じ高さに保持し、残りの挿入孔には排
気管を吊下した第３サポートの上端部を摺動可能
に挿入したものであるから次のような優れた効果
を有する。

(イ) 空間部を設けたことにより弾性サポートの連
結部材のばね機能が高められ、排気管の前後、
上下、左右の振動は連結部材により吸収され
る。連結部材のばね機能は弾性サポートの肉厚
を変えることにより所望値に設定できる。

(ロ) 空間部が排気管の過度の上方への運動に対し
ストツパ機能を有するので排気管の大きな振動
による寿命低下を防止する。

(ハ) 排気管の振動を吸収するので車内こもり音を
防止する。

(ニ) 排気管装着の自由度が増加する。

(ホ) 部品点数が少いのでコスト及び重量を低下さ
せる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図を示し、
第２図は第１図の要部の拡大正面図を示し、第３
図は第２図のＡ−Ａ線断面図を示す。第４図イは
従来の排気管支持装置の斜視図を示し、第４図ロ
は第１図イの要部の正面図を示し、第４図ハは第
４図ロのＢ−Ｂ線断面図を示す。第５図は従来の
排気管支持装置の別例の正面図を示し、第６図は
さらに別例の正面図を示す。 ２１……第１サポート、２２……第２サポー
ト、２３……サポートゴム（弾性サポート）、２
４，２５……上部ボス部（ボス部）、２６……下
部ボス部（ボス部）、２７，２８，２９……連結
部材、３０……空間部、３１……第３サポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ１ケの挿入孔を有する３ケのほぼ正三
   角形状に配置されたボス部と、これらのボス部を
   相互に連結する３ケの連結部材と、これら連結部
   材により囲まれた空間部とからなる弾性サポート
   と、前記挿入孔のうちの２ケにそれぞれ一端部が
   摺動可能に挿入されて同挿入孔をほぼ同じ高さに
   保持し、他端部が車両フレームに取りつけられた
   第１、第２サポートと、残りの挿入孔に一端部が
   摺動可能に挿入され、他端部において排気管を吊
   下する第３サポートとからなる排気管支持装置。