JP4066153B2 - ダイナミックダンパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダイナミックダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンマウント装置のような振動体には、その振動を抑制するためにダイナミックダンパやデッドウェイトを設けることが多い。ダイナミックダンパは、質量体を振動体に弾性体を介して支持して副振動系を構成することにより、振動体の当初の固有振動数における振動レベルを低減させるものとして知られている。デッドウェイトは、振動体に質量体を直付けし、振動体の振動レベルを全体的に低減する或いは固有振動数をずらすものとして知られている。
【0003】
例えば、実公平4−47464号公報には、振動体にプレートを固定し、このプレートに弾性体を介して質量体を支持するようにしたダイナミックダンパにおいて、プレートを、中間に立上り部を有するオフセット形状とし、質量体をプレート及び弾性体の双方によって振動体に弾性的に支持することが記載されている。また、この公報には、振動体にデッドウェイトを固定することにより、該振動体の固有振動数を変化させることも記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、振動体にダイナミックダンパを設ける際に、振動体の直上など振動体近傍に質量体を配置するスペースを確保することができない場合は、振動体から振動体周辺の空いたスペースに支持プレートを突出させ、該支持プレートに弾性体を介して質量体を支持するようにすればよい。
【0005】
しかし、その場合は振動体の振動に伴って支持プレート自体が柔軟に変形して振動するため、それによってダンパ系の固有振動数が影響されて、つまりダンパ系の動ばね定数が低くなって、ダンパ効果を狙うことができる固有振動数が低くなる(ダンパ効果を狙うことができる振動数帯域が狭くなる。)。
【0006】
もちろん、支持プレートの長さを短くしたり、質量体を軽くすれば、ダンパ効果を発現させる目標固有振動数を高くすることができるが、プレート長さを短くすることは、質量体を所望の位置に配置するという本来の目的からは不利であり、また、質量体を軽くするとダンパ効果自体が低くなってしまう。また、ダンパ効果の低減を補うべく、別にデッドウェイトを振動体に設けて振動レベルを全体的に下げることが考えられるが、その場合は部品点数が多くなり、コスト的に不利になる。
【0007】
そこで、本発明は、スペース上の問題を回避しながら、部品点数の増大を招くことなく、振動レベルを効率良く低減させることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、ダイナミックダンパの質量体を振動体に支持するためのブラケットにデッドウェイト効果を与えて、その解決を図ったものである。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、振動体に取り付けられてその振動を抑制するダイナミックダンパであって、
断面矩形状のブラケットと、該ブラケットに弾性体を介して支持された質量体とを備え、
上記ブラケットは、上記振動体に固定される固定部と、該振動体から外側へ出張る張出し部とを備え、該張出し部に上記質量体が支持されており、
上記ブラケットの断面の幅aに対する高さbの比b/aが0.4以上であることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ブラケットの比b/aが0.4以上であって該ブラケットの剛性が高くなる(片持ちばりとしてのバネ定数が高くなる)から、該ブラケットがダンパ系の固有振動数に与える影響を小さくすることができる。換言すれば、ダンパ系の固有振動数を上記質量体の質量と弾性体のバネ定数とによって調整すること、特に高い固有振動数でダンパ効果を得ることが容易になる。そうして、このようにブラケットの比b/aを0.4以上としたから、該ブラケットの振動体からの張出し量を大きくすることなく、該ブラケットの質量を大きくしてデッドウェイトに利用することができ、振動体の振動レベルを全体的に下げる上で有利になる。
【0011】
すなわち、仮に上記比b/aが0.4未満であるときは、振動体への取り付けやスペースの関係で幅aが制約されるとき、上記ブラケットをデッドウェイトとして必要な質量を確保するにはブラケットの張出し量を大きくする必要がある。その場合は、ダンパ系の固有振動数がブラケットに影響されてダンパ効果を狙うことができる固有振動数が低くなってしまう。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記振動体が自動車のエンジンマウント装置であり、上記ブラケットの断面の幅aに対する高さbの比b/aが0.4以上2.0以下であり、上記ブラケットの質量が200g〜3000gであることを特徴とする。
【0013】
すなわち、エンジンマウント装置では700Hz付近、或いは1000Hz付近というように高い周波数の振動が問題になることが多い。これに対して、本発明によれば、上記比b/aを0.4以上としているから、ダンパ系の固有振動数を上記質量体と弾性体のばね定数とによって調整して、エンジンマウント装置の高い周波数帯の振動レベルを低減する上で有利になる。なお、比b/aが2.0を越えるとブラケット自体が嵩高なものになり、ダンパを配設するスペースの確保に不利になるとともに、質量体の支持面の確保にも不利になる。
【0014】
そうして、ブラケットの質量を200g〜3000gとしたから、エンジンマウント装置の振動レベルを全体的に下げる上で有利になる。その質量は、ガソリンエンジンの場合は200〜1000gの範囲、ディーゼルエンジンの場合は300〜3000gの範囲とすることが好ましい。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、振動体に断面矩形状のブラケットを固定し該ブラケットの張出し部に弾性体を介して質量体を支持するようにしたダイナミックダンパにおいて、ブラケットの断面の幅aに対する高さbの比b/aを0.4以上にして該ブラケットの剛性を高めたから、ダンパ系の固有振動数を上記質量体と弾性体のばね定数とによって調整して高い周波数帯でダンパ効果を得ることが容易になるとともに、ブラケット自体をデッドウェイトに利用して、振動体の振動レベルを全体的に下げる上で有利になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1において、1は自動車のエンジンを車体に支持するエンジンマウント装置、2は該マウント装置1に取り付けたダイナミックダンパである。
【0018】
マウント装置1は、金属製外套3で補強したゴム製容器の中に液体を封入した上下2つの室を設け、この両室をオリフィスでつないだものであり、外套3には車体に取り付けるための車体ブラケット4〜6が設けられている。また、上側の液封室を形成する上側ラバーに金属製取付部材が固着されていて、この取付部材に、エンジンに取り付けるためのエンジンブラケット7が結合されている。
【0019】
ダイナミックダンパ2は、金属製のダンパブラケット11と、質量体12と、この質量体12をダンパブラケット11に支持する弾性体(ゴム)13とからなる。
【0020】
図2及び図3に示すように、ダンパブラケット11は、断面矩形の長ブロック状のものであって、その一端の固定部11aが上記エンジンブラケット7の上に重ねられ該エンジンブラケット7と共に上記マウント装置1の金属製取付部材に図1に示すボルト14によって結合されている。15はボルト孔である。そうして、このダンパブラケット11の他端部がマウント装置1から外側へ張り出しており、この張出し部11bの上に上記質量体12が弾性体13を介して支持されている。質量体12は円柱状に形成されている。
【0021】
この実施形態のダンパブラケット11は、その幅aが32mm、高さbが16mm、ボルト14の軸心から質量体12の中心までの距離Lが48.5mmに形成されて、比b/aが0.5になされている。また、ダンパブラケット11の質量は300gであり、質量体12の質量は500gである。
【0022】
このようなダイナミックダンパ2の固有振動数fnは次式で表すことができる。
fn=(2π)-1・(kd/M)1/2
kd;バネ定数
M;質量体の質量
【0023】
この場合、ダンパブラケット11は片持ちばりのバネとみなすことができ、また、この片持ちばりバネと弾性体13とが直列に連なっているとみなすことができるから、片持ちばりのバネ定数をk1、弾性体13のバネ定数をk2とすると、ダンパ系のバネ定数kdは次式で表される。
kd -1=k1 -1+k2 -1
【0024】
また、片持ちばりのバネ定数k1は3EI/L3と表すことができる。但し、Eは縦弾性係数、Iは断面二次モーメント(I=ab3/12)である。
【0025】
本発明の特徴は、比b/aを0.4以上として、断面二次モーメントIを大きくし、そのことによって、質量体12を張出し支持するに必要な長さLを確保しながら、ダンパブラケット11の片持ちばりとしてのバネ定数k1を大きくした点にある。
【0026】
従って、ダンパ系のバネ定数kdは主として弾性体13のバネ定数k2によって定まり、上記固有振動数fnの調整は、質量体12の質量Mと弾性体13のバネ定数k2とによって行なうことができる。すなわち、ダンパ系の固有振動数fnを600〜1000Hzの高い振動数に調整して、マウント装置1の当該振動数における振動レベルを効果的に低減することができる。
【0027】
ダンパブラケット11の片持ちばりとしてのバネ定数k1は弾性体13のバネ定数k2の2倍以上、或いは3倍以上、さらには4倍以上とすることが好ましい。上記実施形態の場合、バネ定数k1はバネ定数k2の4倍になっている。なお、バネ定数k1がバネ定数k2の2倍以上、或いは3倍以上、或いは4倍以上となるようにするときは、ダンパブラケット11は断面矩形に限る必要がなくなる。
【0028】
そうして、上記ダンパブラケット11は、ダンパ系の振動に大きな影響を与えることなく、デッドウェイトとして働くことになり、マウント装置1の振動レベルを全体的に下げることができる。
【0029】
上記実施形態では、振動体1に1つのダイナミックダンパ2を設けたが、図4及び図5に示すように固有振動数の異なる2以上のダイナミックダンパを設けるようにしてもよい。
【0030】
すなわち、図4に示す例は、振動体1にダンパブラケット11の中央部を固定して、該ダンパブラケット11の両端部を振動体1の両外側へ張り出させ、この両側に張り出した部位の各々に互いに質量の異なる質量体12を弾性体13によって支持したものである。
【0031】
図5に示す例は、振動体1にダンパブラケット11の一端部を固定して他端部を振動体1の外側へ張り出させ、この張り出した部位に質量の異なる2つの質量体12,12を弾性体13によって支持したものである。
【0032】
なお、このように相異なる固有振動数のダンパ系を複数設ける場合、その固有振動数は、上述の如く質量の大きさによって調整しても、或いは弾性体のバネ定数によって調整してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るダイナミックダンパを振動体に設けた状態を示す斜視図。
【図2】同ダイナミックダンパの側面図。
【図3】同ダイナミックダンパの平面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係るダイナミックダンパを振動体に設けた状態を示す側面図。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係るダイナミックダンパを振動体に設けた状態を示す側面図。
【符号の説明】
1 エンジンマウント装置(振動体)
2 ダイナミックダンパ
11 ダンパブラケット
12 質量体
13 弾性体
Claims (2)
- 振動体に取り付けられてその振動を抑制するダイナミックダンパであって、
断面矩形状のブラケットと、該ブラケットに弾性体を介して支持された質量体とを備え、
上記ブラケットは、上記振動体に固定される固定部と、該振動体から外側へ出張る張出し部とを備え、該張出し部に上記質量体が支持されており、
上記ブラケットの断面の幅aに対する高さbの比b/aが0.4以上であることを特徴とするダイナミックダンパ。 - 請求項1に記載されているダイナミックダンパにおいて、
上記振動体が自動車のエンジンマウント装置であり、上記ブラケットの断面の幅aに対する高さbの比b/aが0.4以上2.0以下であり、上記ブラケットの質量が200g〜3000gであることを特徴とするダイナミックダンパ。
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