JP4363937B2 - 防振マウント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車にパワープラントを搭載するための防振マウント装置に関し、特に、該防振マウント装置の上下方向の振動特性に影響を与えることなく、パワープラントのロール方向の揺動を規制するための規制部材を前記防振マウント装置に対して一体的に設けた構造の技術分野に属する。
従来より、エンジン及び変速機が直列に配置されたパワープラントの長手方向(クランク軸が延びる方向)両端部を、それぞれ、車両のエンジンルームの左右両端側に設けられた車体サイドフレームに対して2つの防振マウント装置によって弾性的に支持するようにしたエンジンマウントシステムが知られている。このようなエンジンマウントシステムでは、防振マウント装置がパワープラントの重量の殆どを支えることになるので、少なくとも上下方向については或る程度高い静剛性を要求され、エンジン振動の吸収・遮断という点では不利になり易い。
すなわち、エンジンのアイドル運転時等にトルク変動によって主にロール軸周りに発生する振動は、その振幅こそあまり大きくはないが、人間が不快に感じる低周波域のものなので、防振マウント装置において吸収し車体への伝達を防止することが望ましい。そこで、一般に、上記左右両端の防振マウント装置をパワープラントのロール慣性主軸(以下、単にロール軸という)にできるだけ近接させて配置する、慣性主軸マウントが採用される。こうすれば、防振マウント装置が上下方向に或る程度硬いものであってもロール軸周りの動ばねは柔らかなものとなり、これによりアイドル振動の車体への伝達を抑えることができる。
しかし、そのようにロール軸周りの動バネを柔らかくすると、例えば急加速時等のようにエンジンの駆動出力(トルク)が大きく変動するときに、その反力(トルク)によってパワープラント全体が大きくロール軸周りに回動(ローリング)してしまい、これにより周囲の部品との干渉の問題が生じたり、或いは、防振マウント装置のゴム部に過大な変形を生じて耐久性が損なわれる虞れがある。
そこで、例えば特許文献1に開示されているように、防振マウント装置によるパワープラントの支持点をやや高めに設定して、該パワープラント全体を振り子(ペンデュラム)のように揺動可能に支持するとともに、この揺動とロール軸周りの揺動(回動)とを規制するためのトルクロッドを、パワープラントの下端部と車体側とを連結するように設けることが提案されている(以下、3点ペンデュラムマウントと呼ぶ)。
上記3点ペンデュラムマウントでは、一般的な慣性主軸マウントに比べてパワープラントの支持点がロール慣性主軸から離れているため、アイドル振動の低減についてやや不利になるきらいはあるが、急加速時等のように駆動反力(トルク)が作用したときには、パワープラントのロール軸周りの回動が防振マウント装置自体によって規制されるとともに、該パワープラントの質量がその揺動を抑える慣性体として機能するので、パワープラントの下端部に設けたトルクロッドによって、効果的に揺れを抑えることができるものと考えられる。
一方、このような3点ペンデュラムマウントでは、前記の如く、パワープラントのロール軸周りの回動が防振マウント装置自体によって規制されることになるから、エンジンが高出力のものであって駆動反力がかなり大きい場合には、上記特許文献1に示されているように、防振マウント装置自体にもトルクロッドを設けることが望ましい。こうすれば、駆動反力がかなり大きくても、パワープラントの下端部と車体側とを連結する独立のトルクロッドと協働して、パワープラントのロール方向の揺動を効果的に規制できるようになる。
なお、パワープラントの変位を規制する構造としては、防振マウント装置のマウント本体部の車両前後方向及び上方を覆うように変位規制部材を設けて(例えば特許文献2参照)、マウント本体部が上下方向に大きく伸縮変位した場合、該マウント本体部の上部が変位規制部材に当接するようにして、該マウント本体部の伸縮変位を規制し、これによりパワープラントの変位を規制するようにしたものがある。このものでは、前記マウント本体部の車両前後方向にも変位規制部材の一部が配設されているため、パワープラントがロール方向に揺動した場合、前記マウント本体部が車両前後方向の変位規制部材に当接して、該マウント本体部の車両前後方向の変位が妨げられるようになっている。すなわち、前記特許文献2のような構造を有する変位規制部材は、パワープラントのロール方向の揺動を規制するトルクロッドとしての機能も果たしていると考えられる。
独国特許出願公開第4209613号明細書 実開平4−31621号公報
しかしながら、上述のようにマウント本体部の表面が変位規制部材の内面に当接することによってパワープラントのロール方向の揺動が規制される前記特許文献2の構造では、マウント本体部の表面が変位規制部材の内面に当接した状態でマウント本体部が上下方向に変位しようとすると、当接面で摩擦抵抗が生じ、これにより前記マウント本体部の上下方向の変位が規制されてしまう。したがって、この状態で防振マウント装置に上下方向の振動を入力した場合には、該防振マウント装置での振動減衰特性が大幅に悪化するという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のエンジン等のパワープラントを支える防振マウント装置において、マウント本体部の車両前後方向への変位を規制する変位規制部材の構造に工夫を凝らし、この変位規制部材によって防振マウント装置の上下方向の振動減衰特性が悪化することを防止することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る防振マウント装置では、マウント本体部の前後に配置される変位規制部材を上下方向に弾性変形可能な板ばねによって支持して、この変位規制部材が前記マウント本体部に接触した状態で、該マウント本体部とともに上下方向に移動できるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、長手方向が車体の左右方向となるように車両に搭載されるパワープラントの左右少なくとも一方の端部を車体に対して弾性支持するとともに、該パワープラントのロール方向の揺動を規制するための揺動規制部を備えた防振マウント装置を前提とする。そして、前記パワープラントの荷重を弾性支持するマウント本体部の下側が車体サイドフレームに対して取り付けられる一方、該マウント本体部の上部にはパワープラント側の連結部材が取り付けられており、前記揺動規制部は、前記マウント本体部の車両前方及び後方にそれぞれ所定間隔を空けて配置された2つの変位規制部材と、前記2つの変位規制部材の間に長手方向が車両前後方向になるように配設されて、前記マウント本体部が前記変位規制部材に当接した状態でも該変位規制部材とともに前記車体サイドフレームに対して上下方向に変位可能なように、該変位規制部材を前記車体サイドフレームに対して上下方向に変位可能に弾性支持する板ばねとを備えているものとする。
この構成により、マウント本体部がパワープラントのロール方向の揺動に応じて車両前後方向に所定以上、変位した場合、該マウント本体部はその前後にそれぞれ配置された変位規制部材に接触して、車両前後方向の変位が規制される。このとき、長手方向が車両前後方向になるように配設され、前記変位規制部材を支持する板ばねに対してその長手方向に力が入力されるが、該板ばねは長手方向にはほとんど変形しない。こうして、該マウント本体部に連結されるパワープラントのロール方向の回動も規制される。
また、前記変位規制部材は、上下方向に弾性変形可能な前記板ばねによって支持されていて、上下方向には自由に移動できるようになっているため、パワープラントの上下動に伴い前記マウント本体部が上下方向に伸縮変位するときには、仮に該マウント本体部が変位規制部材と接触していても、それらは一体となって上下方向に移動するようになる。
したがって、揺動規制部を上述のような構成にすることで、前記マウント本体部の上下方向の伸縮変位を規制することなく、パワープラントのロール方向の揺動を規制することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、変位規制部材は、マウント本体部の車両前方及び後方でそれぞれ上下方向に延びるように配設されていて、該各変位規制部材の上端部同士が車両前後方向に延びる梁部材によって連結されており、板ばねは、その前後両端部がそれぞれ前記変位規制部材の下端部に連結されているとともに、その中間部が車体サイドフレーム側に固定されているものとする。
これにより、マウント本体部の前後に配置される各変位規制部材を1つの板ばねによって車体サイドフレームに取り付けることができ、請求項1の作用を簡単な構成で実現することができる。しかも、前記各変位規制部材をその上端部同士で梁部材によって連結する一方、その下端部同士を前記板ばねによって連結したため、揺動規制部の前後方向の剛性を簡単な構成で確保することができる。
請求項3の発明では、請求項1または2のいずれか一つの発明において、変位規制部材は、その下端部が車体サイドフレームの上面から所定距離、上方に位置するように配置されていて、前記変位規制部材の下端部と車体サイドフレームの上面との間には、弾性体からなるスペーサーが配設されているものとする。このことにより、変位規制部材が上下方向に移動しやすくなるように板ばねを柔らかくした場合でも、該変位規制部材がその自重によって下方に大きく変位して、マウント本体部などの他の構成部品と接触することを防止できる。しかも、前記変位規制部材を下方から支持してその支持剛性を大きくすることにより該変位規制部材の固有振動数を高くして、例えば車体振動等の低周波振動による共振の発生を防止することができる。
請求項1の発明によれば、マウント本体部の前後にそれぞれ変位規制部材を設けて、該変位規制部材を上下方向に弾性変形可能な板ばねによって支持したため、マウント本体部の上下方向の振動減衰特性を悪化させることなく、パワープラントのロール方向の揺動を規制することができる。
請求項2の発明によれば、マウント本体部の前後に配置された変位規制部材をその上端で連結するとともに、中間部が前記マウント本体部の下端と車体サイドフレーム側との間に配設される板ばねの両端部を前記変位規制部材の下端部に連結したため、揺動規制部の前後方向の剛性を大きくすることができるとともに簡単な構成で請求項1の構成を実現することができる。
請求項3の発明によれば、変位規制部材を車体サイドフレームに対してスペーサーにより弾性的に支持したため、比較的柔らかな板ばねを採用する場合でも、前記変位規制部材の下方向への変位による他の構成部品との干渉や低周波振動の入力による共振の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る防振マウント装置を用いたエンジンマウントシステムの概略構成を示し、両図において符号Pは、エンジン1及び変速機2が直列に結合されてなるパワープラントである。このパワープラントPは、その長手方向(エンジン1のクランク軸の延びる方向)が車幅方向(車体の左右方向)となるように、図示しない自動車のエンジンルームに横置きに搭載されていて、その長手方向両端部、即ちエンジン1側及び変速機2側の各端部にそれぞれ配設されたマウント部材3,5を介して、車体サイドフレーム6,7に対し2点で弾性的に支持されている。また、パワープラントPの下端部は、前記マウント部材3,5とは独立のトルクロッド8によって後方の車体側部材9(サブフレーム等)に連結されている。
図1は、前記エンジン1の吸排気系や補機等を全て省略して、本体部のみを車体後方の斜め右側上方から見たものであり、エンジン1本体部は、概略、シリンダブロック10とその上部に配設されたシリンダヘッド11とからなり、変速機2とは反対の長手方向の端部(同図1おいて手前側に示す車体右端部)にベルトカバー12が配設され、シリンダヘッド11の上部にはヘッドカバー13が配設されるとともに、シリンダブロック10の下部にはオイルパン(図示せず)が配設されている。そして、前記シリンダヘッド11の右側壁にはベルトカバー12を貫通してエンジン側マウントブラケット15の下端側が締結され、そこから上方に向かって延びるマウントブラケット15(ブラケット)の上端部に、マウント部材3側から延びるフランジ板31b(連結部材)が上方から重ね合わされた状態で締結されている。このエンジン側マウント部材3が本願発明の防振マウント装置であり、その詳しい構成については後述する。
前記変速機2は、トルクコンバータや変速ギヤ列の他にディファレンシャルも一体となった自動変速機であり(手動変速機やCVTでもよい)、変速機ケース20のベルハウジング20aがエンジン1のクランク軸側端部にてシリンダブロック10に連結されるとともに、そのベルハウジング20aの後方に形成された膨出部20bから左右両側に向かって、それぞれ、自動車の前車輪を駆動するためのドライブシャフト22,22が延びている。そして、先すぼまりの変速機ケース20の先端部近傍をマウントブラケット23により車体左側のサイドフレーム7から吊り下げるようにして、変速機側マウント部材5が配設されている。この変速機側マウント部材5の詳しい構成についても後述する。
前記のようにエンジン1及び変速機2を直列に結合してなるパワープラントPでは、エンジン1の方が変速機2よりも背が高いことから、長手方向に延びるロール軸R(ロール慣性主軸)は、図に一点鎖線で示すように、エンジン1側の端部から変速機2側に向かって下向きに傾斜している。また、この実施形態では、パワープラントPの重量を受け持つ2つのマウント部材3,5がそれぞれロール軸Rから上方に離間しており、このことで、パワープラントPは、前記2つのマウント部材3,5の荷重の支持点を結ぶ線分L(揺動支軸:図2参照)の周りに振り子(ペンデュラム)のように揺動可能になっている。
そして、例えば自動車の急加速時や急減速時のように大きな駆動反力(トルク)が作用すると、パワープラントPは、図2に白抜きの矢印で模式的に示すように概ねロール軸Rの周りに回動(ローリング)しながら、全体としては上方の揺動軸Lを中心として振り子のように前後に揺れようとするが、そのようなローリングや全体的な揺れはパワープラントPの下端部に配設されたトルクロッド8によって規制される。すなわち、この実施形態のエンジンマウントシステムの基本的な構成は従来より公知の3点ペンデュラムマウント(特許文献1のもの)と同様である。
ところで、前記3点ペンデュラムマウントでは、一般的に、慣性主軸マウントに比べてパワープラントの荷重の支持点がロール軸から離れているため、前記図2のように駆動反力が作用したときにパワープラントPのローリングが左右のマウント部材3,5自体によっても規制されることになり、この点でパワープラントPの変位の規制に有利であることは上述した。しかしながら、例えば大排気量エンジン等のように出力が非常に大きいものの場合には、大きな駆動反力を単一のトルクロッド8のみで抑えることは難しく、また、そのように大きな駆動反力が左右のマウント部材3,5に作用することによる耐久性の問題も考慮しなくてはならない。
そこで、この実施形態では、前記独立のトルクロッド8の他に、マウント部材3,5にも、駆動反力によるパワープラントPのローリングを規制するための部材を設けて、パワープラントPのローリングをより確実に規制できるようにするとともに、その際に大きな水平方向荷重がマウント部材3,5に入力しても、この荷重を受け止め、マウント本体部30(マウント本体)におけるゴム部等の変形を抑えて、その耐久性を確保できるようにした。
次に、本願発明の特徴として、前記エンジン側マウント部材3の詳細な構造を図3及び図4に基づいて説明する。ここで、図3は、エンジン側マウント部材3の上面図であり、図4は、該マウント部材3の左側面から見て、且つその一部分を切り欠いてマウント本体部30の内部構造を示す部分断面図である。
前記図4に示すように、この実施形態ではエンジン側のマウント部材3はいわゆる液体封入式のものであり、パワープラントPの静荷重を受けるマウント本体部30は、該パワープラント側に連結される金属製ケーシング31と車体側の連結金具32とをゴム弾性体33により連結したものである。前記ケーシング31は、例えばアルミニウム合金製であり、上下方向に延びるように配置された厚肉円筒状のケーシング本体31aと、その上側外周から軸線Zに略直交する方向に延びるフランジ板31bとを鋳造等により一体に形成してなる。
前記連結金具32は、上すぼまりの略円錐形状とされ、その上端部が前記ケーシング本体31aの下端開口部の略中心に位置するように略同軸に配置されていて、上すぼまりの側面部とその外周に対向するケーシング本体31aの内周面との間にゴム弾性体33が介設されている一方、該連結金具32の下端面には、車両の前後方向に延びる板ばね42の中間部と、車体サイドフレーム6の上面に固定される取付部材44の上方隆起部44aとが上下に重ね合わされた状態で、ボルト35により締結されている。
前記ゴム弾性体33の下部内周側にはすり鉢状の凹部が形成されていて、この凹部の周面が前記連結金具32のテーパ状側面部に被着されており、ゴム弾性体33は該連結金具32の全周から外方に向かって放射状に拡がり、且つ斜め上方向に延びるように略円錐台状に形成されていて、その上側の部分の外周面がケーシング本体31aの内周面に接着されている。このようにケーシング本体31aの内周に接着固定されているゴム弾性体33の上側の部分は、上方に向かって開口する比較的厚肉の円筒状とされ、その上端部がケーシング本体31aの上端部よりも所定長さ、下方に位置付けられている。
そして、前記ゴム弾性体33の円筒状部分の上端部に円板状の仕切り板36の外周部が上方から重ね合わされ、さらに、その上方から該仕切り板36全体を覆うように概略ハット形状のゴム製ダイヤフラム37が配設されており、これにより、ゴム弾性体33の上端開口部が液密に閉塞されて、その内部に空洞部が形成されている。前記ダイヤフラム37は、ハット状本体部の外周側に、ケーシング本体31aの内径と略同径の外径を有する外筒部と、その下端に鍔部を介して連続する内筒部とが一体に形成されたもので、その外筒部から内筒部に亘って概略円筒状の補強板38が埋設されており、これにより補強された外筒部がケーシング本体31aの上端側内周に上方から圧入されて、内嵌合状態で固定されている。
前記のようにしてゴム弾性体33の内部に形成された空洞部にはエチレングリコール等の緩衝液が封入されていて、これがゴム弾性体33に入力するパワープラントPの振動を吸収、緩和するための液室Fとなっている。この液室Fの内部は前記の仕切り板36によって上下に仕切られていて、その下側が、ゴム弾性体33の変形に伴い容積が拡大又は縮小する受圧室になり、また、液室Fの上側は、ダイヤフラム37の変形によって容積が拡大又は縮小されて、前記受圧室における容積の変動を吸収する平衡室になる。すなわち、前記仕切り板36の外周部上方には、ケーシング本体31aとダイヤフラム37の鍔部及び内筒部とによって囲まれた円環状オリフィス通路39が周方向に延びるように形成され、このオリフィス通路39の一方の端が液室Fの下側の受圧室に臨んで開口する一方、オリフィス通路39の他方の端が液室Fの上側の平衡室に臨んで開口している。そして、それら受圧室及び平衡室の緩衝液がオリフィス通路39を介して相互に流通することによって、ゴム弾性体33から受圧室に作用する低周波の振動が減衰される。
前述の如き構造のマウント本体部30に加えて、車両左右方向で見て逆U字状に形成された規制部材41が前記マウント本体部30の車両前方、後方及び上方を囲むようにして配設されている。この規制部材41は、例えば鋼板等をプレス成形してなり、マウント本体部30の上端から所定距離上方に離間して略水平に前後方向に延びる上梁部41a(梁部材)と、その前後両端部からそれぞれ下方に折れ曲がって略真下に延びる前側板部41b、後側板部41c(変位規制部材)とを有している。そして、その前側板部41b、後側板部41cの各下端部がそれぞれ外方に折り曲げられてフランジ部41d,41dとなり、このフランジ部41d,41dに板ばね42の前後両端部をそれぞれ下方から重ね合わせた状態で、固定金具43によって外方から挟み込んで固定することにより、前記規制部材41の前側板部41b及び後側板部41cの下端部と板ばね42とがそれぞれ連結固定されて一体になっている。
前記板ばね42は、上下方向に見て車両の前後方向に長い略矩形状に形成されていて、その前後両端部がそれぞれ左右方向で見て略コの字状になるように上方に折り曲げられて、上述のとおり前記規制部材41のフランジ部41d,41dに連結されている。また、前記板ばね42の前後方向の略中央部は連結金具32と取付部材44の上方隆起部44aとの間に挟まれていて、前記略中央部に形成された貫通孔42aに前記ボルト35が挿通している。こうして、前記板ばね42は、前記マウント本体部30の連結金具32及び前記取付部材44の上方隆起部44aに連結固定される。
また、前記規制部材41に対応して、前記マウント本体部30のケーシング本体31aの外周には、ゴム層45が設けられ、このゴム層45におけるケーシング本体31aの前後両端部がそれぞれ上方に盛り上がって、上方膨出部45a,45aが形成されており、この各上方膨出部45aがそれぞれ前記規制部材41の上部41aに下方から当接することによって、ケーシング本体31aの上方への移動が規制されるようになっている。また、前記ゴム層45はその下部で主に前後方向に盛り上がって、側方膨出部45bが形成されており、この側方膨出部45bがそれぞれ前記規制部材41の前側板部41b、後側板部41cに当接することによって、ケーシング本体31aの車体前後方向への移動を規制するようになっている。
以上の構成により、マウント本体部30が車両前後方向に所定以上、変位した場合には、該マウント本体部30のゴム層45(側方膨出部45b)の表面が規制部材41の内面に当接し、該規制部材41の下端部と取付部材44とを連結する板ばね42に対してその長手方向に力が作用するため、該規制部材41の車両前後方向への移動が規制されて、これにより、該マウント本体部30の前後方向の変位が規制される。したがって、前記規制部材41及び板ばね42は、パワープラントのロール方向の揺動を規制するトルクロッドの役割を果たすことになる。
そして、前記規制部材41の下端部は、上下方向に弾性変形可能な板ばね42を介して取付部材44に連結されていて、該規制部材41が取付部材44に対して上下方向に移動可能になっているため、仮に前記マウント本体部30のゴム層45の表面が前記規制部材41の内面に当接した状態で、該マウント本体部30に上下方向の振動が入力された場合でも、前記規制部材41はマウント本体部30とともに上下方向に移動することができ、マウント本体部30の上下方向の振動減衰特性を阻害することがない。
また、前記規制部材41の下端部を1枚の板ばね42によって取付部材44に連結したため、簡単な構成で該規制部材41を車体サイドフレーム6側に対して上下方向に移動可能に支持することができる。さらに、前記規制部材41を左右方向で見て略コの字状に形成するとともに、該規制部材41の下端部を板ばね42の前後両端部にそれぞれ連結することで、該規制部材41及び板ばね42からなる変位規制部の前後方向の剛性を大きくすることができる。
次に、変速機側マウント部材5の構造は、例えば図5に拡大して示すようになっており、これは、変速機2の先端側から上方に延びるマウントブラケット23の上端部を、車体サイドフレーム7側に取り付けた金属製フレーム部材50によりゴムブロック51を介して吊り下げたものである。すなわち、前記フレーム部材50は、例えば鋼板等をプレス成形して、矩形枠状の本体部52とそこから車体後方側(図の左側)に向かって延びるステー部53とを一体に形成したもので、その本体部52の側方には別の鋼板片を溶接して側方及び下方それぞれに延びるフランジ部54,54が設けられ、このフランジ部54、54において図示しないボルトにより車体サイドフレーム7に締結されるようになっている。
また、前記フレーム部材50の本体部52には、開口部52aの周囲から上下軸線Zの四方を囲んで上方に延びるように、絞り加工等によって立壁部52bが一体形成されており、この立壁部52bに左右両端部を接着されたゴムブロック51によって、金属製連結パイプ55がその軸心を上下方向に向けて上下動可能に支持されている。すなわち、連結パイプ55は、例えば絞り加工によって下側の部分を相対的に小径とし、この小径部55aを除いた部分で前記ゴムブロック51の略中央部に埋設されるように一体に加硫成形してなる。そして、前記連結パイプ55の小径部55aに対して下側からマウントブラケット23のスタッドボルト24が挿入され、このスタッドボルト24に上方からナット25が螺合されて、マウントブラケット23と連結パイプ55とが締結されている。
さらに、この変速機側マウント部材5にはトルクロッド56が一体的に設けられている。すなわち、前記フレーム部材50の本体部52から車体後方に延びるステー部53の先端(後端)は下方に向かい略直角に折り曲げられていて、その折曲げ部53aは、前記のようにしてフレーム部材本体部52に対し連結された連結パイプ55の小径部55aの真後ろ、即ち車体後方に略水平に離れた位置にある。そして、このステー折曲げ部53aと連結パイプ55の小径部55aとの間に車体前後方向に延びるようにトルクロッド56が配設されている。
このトルクロッド56は、棒部材57の両端部にそれぞれゴムブッシュ58a,59cを介在させた連結部58,59が設けられたものであって、該連結部59は、棒部材57の前端に一体に設けられた外筒部59a及びこれと同軸に位置する内筒部59bが環状のゴムブッシュ59cによって弾性連結されたものであり、その内筒部59bが連結パイプ55の小径部55aに外挿されて、外嵌合状態で結合されている。一方、トルクロッド56の後端側の連結部58は、前記連結部59とは異なり、棒部材57の先端部で串刺しにした2つのリング状ゴムブッシュ58a,58aの間にステー折曲げ部53aを挟み込んで固定するようにしたものである。
すなわち、前記トルクロッド56の棒部材57の後端側には円形の鍔部58bが一体形成され、この鍔部58bよりも先端の部分がステー53の折曲げ部53aに形成された丸穴を貫通していて、その折曲げ部53a及び鍔部58bの間にゴムブッシュ58aが挟持されている。また、前記折曲げ部53aよりも車体後方に延びる棒部材57の先端側には別のゴムブッシュ58aとワッシャ58cとが配置され、さらに、その棒部材57の先端部には小径のネジ部57aが設けられていて、このネジ部57aに螺合されるナット58dによりワッシャ58cが棒部材57の先端に締結されることで、該ワッシャ58c及び折曲げ部53aの間にゴムブッシュ58aが挟持されている。
上述の如き構成の左右2つのマウント部材3,5によってパワープラントPの重量を支持するこの実施形態のエンジンマウントシステムにおいては、例えば自動車が停止していてエンジン1がアイドル運転状態にあるときに、トルク変動に起因する低周波の振動がロール軸Rの周りに発生すると、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30においてパワープラントP側のケーシング31が車体側の連結金具32に対し前後に微小に振動し、同様に、変速機側マウント部材5においてもパワープラントP側の連結パイプ55が車体側のフレーム部材50に対し前後に微小に振動することになる。しかし、その振動は低周波のもので且つ振幅が非常に小さいので、ゴム弾性体33やゴムブロック51により吸収され、車体への伝達は非常に少ない。また、規制部材41を有する前記マウント部材3では、上述のとおり、該規制部材41がマウント本体部30に対して離間して配設されているうえ、マウント本体部30とともに上下方向に移動可能なように板ばね42によって支持されているので、前記マウント部材3にアイドル振動が入力された場合、前記アイドル振動は規制部材41には伝達されないか、若しくは前記マウント本体部30が規制部材41に当接して振動が該規制部材41に伝達された場合でも前記板ばね42で吸収されるため、前記アイドル振動が前記規制部材41を介して車体側に伝達されることはない。さらに、トルクロッド56を有する前記マウント部材5にアイドル振動が入力された場合でもゴムブッシュ58a,59cの撓みによって吸収されるので、この振動が前記トルクロッド56から車体側に伝達されることもない。
また、例えば自動車の発進時や急加速時等のように大きな駆動反力(トルク)が作用すると、パワープラントPは、図2に白抜きの矢印で模式的に示すように概ねロール軸Rの周りに回動(ローリング)しながら、全体としては上方の揺動支軸Lを中心として振り子のように前後に揺れようとする。このときに、そのロール軸R周りの回動変位は、パワープラントP下端部の独立のトルクロッド8と、マウント部材3の規制部材41、板ばね42及びマウント部材5のトルクロッド56とからそれぞれ付与される反力によって効果的に抑えられ、これにより、駆動反力によるパワープラントPの変位が過度に大きくなることがない。
より具体的に、エンジン側のマウント部材3においては、略水平方向の荷重入力を受けてマウント本体部30が水平方向に変位して、規制部材41に当接すると、該規制部材41と車体サイドフレーム6側とを連結する板ばね42の長手方向に力が入力されるため、この板ばね42の長手方向の剛性により前記規制部材41の移動が規制され、これにより、入力荷重が受け止められる。一方、変速機側のマウント部材5では、トルクロッド56の連結部58,59にそれぞれ配設されたゴムブッシュ58a,59cが最大限に撓んだ後、トルクロッド56によって駆動反力による水平方向の大きな荷重入力が受け止められる。こうして、マウント部材3,5のゴム弾性体33やゴムブロック51に過大な変形が生じたり、それが剥がれたりすることが防止されて、十分な耐久性を確保することができる。
さらに、例えば自動車が不整路面を走行していて、これにより車体及びパワープラントPが相対的に上下に振動する場合、エンジン側のマウント部材3においてはゴム弾性体33が、また、変速機側のマウント部材5においてはゴムブロック51が、それぞれ上下に弾性変形して振動を吸収する。そして、前記マウント部材3においては、規制部材41がマウント本体部30に対して離間して配置されているので、該規制部材41に上下振動が伝達されることはなく、仮にパワープラントPのロール方向の揺動等によって前記マウント本体部30が車両前後方向に大きく変位して前記規制部材41に当接した状態でも、該規制部材41はマウント本体部30とともに上下方向に移動することができるため、上下方向の振動は前記マウント本体部30のゴム弾性体33によって吸収されることになる。
一方、前記マウント部材5においては、トルクロッド56が揺動することで、該トルクロッド56に伝達される上下振動を吸収する。すなわち、トルクロッド56の長さは十分に長く設定されているので、車体及びパワープラントPの相対的な上下変位に対するトルクロッド56の揺動角が小さくなり、上下方向の振動はゴムブッシュの撓みによって吸収されることになる。
したがって、この実施形態に係る防振マウント装置(エンジン側マウント部材3)によると、パワープラントPの下端部に独立のトルクロッド8を設けるだけでなく、左右のマウント部材3,5にもそれぞれ規制部材41及びトルクロッド56を設けたことで、パワープラントPに作用する駆動反力をしっかりと受け止めて、該パワープラントPの揺れを抑えることができるとともに、それらマウント部材3,5のゴム部の過大な変形を抑えて、耐久性を確保することができる。
そして、規制部材41を有するエンジン側のマウント部材3においては、該規制部材41を上下方向に弾性変形可能な板ばね42によって支持することで、前記規制部材41は、マウント本体部30が当接した状態でも、該マウント本体部30とともに上下方向に移動することができるため、防振マウント装置の上下方向の振動減衰特性を悪化させることなく、パワープラントPのロール方向の揺動を規制することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係る防振マウント装置(エンジン側マウント部材3)の構造を示し、この実施形態2のエンジン側マウント部材3は実施形態1のもの(図3及び図4参照)とほぼ同じ構成であり、マウント本体部30の下側にバンプストッパー46を設けているだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
具体的には、この実施形態2では、マウント本体部30の下端面と板ばね42との間に、該マウント本体部30のケーシング31aの下側への移動を規制するためのバンプストッパー46が設けられており、このバンプストッパー46に対応して、前記マウント本体部30のゴム層45には、下方に突出する下方膨出部45d,45dが設けられている。
前記バンプストッパー46は、上下方向で見て前後に長い略矩形状に形成されており、その前後両端部がそれぞれ折り曲げられて斜め上方に延びていて、前記ケーシング31aが下方向に大きく移動した場合には、その隆起部分に前記マウント本体部30の下方膨出部45d,45dが当接して、前記ケーシング31aの下方向への移動を規制するようになっている。
以上の構成により、マウント本体部30の下方向への大きな変位を規制することができるため、該マウント本体部30の下方への大変位によるゴム弾性体33の損傷を防止することができる。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係る防振マウント装置(エンジン側マウント部材3)の構造を示し、この実施形態3のエンジン側マウント部材3は実施形態1のもの(図3及び図4参照)とほぼ同じ構成であり、規制部材41を車体サイドフレーム6側に対して支持するスペーサー47を設けているだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
具体的には、この実施形態3では、規制部材41に板ばね42の両端部を連結するための固定金具43と車体サイドフレーム6に取付固定される取付部材44との間にスペーサー47が配設されている。このスペーサー47は、四角柱状に形成され、その長手方向が車両左右方向になるように横向きに配設された本体部47aと、該本体部47aから上方に向かって突出し、前記固定金具43を包み込むように長手方向に亘って前記本体部47aに一体成形された突出部47bとを有しており、該本体部47aには、上下方向のばね定数を小さくして前記規制部材41が上下方向に移動しやすいようにするためのすぐり47cが設けられている。
以上の構成により、規制部材41は車体サイドフレーム6側の取付部材44に対して下方から弾性的に支持されているため、該規制部材41が上下動しやすいように板ばね42を柔らかくした場合でも、該規制部材41がその自重によって下方に大きく変位して、マウント本体部30や取付部材44などの他の構成部品と干渉するのを防ぐことができる。また、前記規制部材41の支持剛性が大きくなるので、該規制部材41の固有振動数を高くすることができ、車体やエンジン等の低周波振動による共振の発生を防止することもできる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記各実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、本願発明に係るエンジン側マウント部材3(防振マウント装置)を液体封入式のものとしているが、これに限るものではない。すなわち、例えば図10に一例を示すように、前記各実施形態のマウント本体部30から仕切り板36やダイヤフラム37を取り去って、パワープラントPの静荷重をゴム弾性体33のみによって支持するようにしてもよい。こうすれば、コストの低減が図られる。
また、前記各実施形態では、1枚の板ばね42の長手方向の中間部をマウント本体部30と車体サイドフレーム6との間に固定し、その左右両端部を規制部材41の下端部に取り付けるようにしているが、これに限らず、2枚の板ばねで構成するようにしてもよいし、板ばねを車体サイドフレーム6側に連結するための別部材を設けて、一端側をその別部材に連結して、他端側を規制部材41に連結するようにしてもよい。すなわち、規制部材41が上下方向に弾性変形可能な板ばねを介して車体サイドフレーム6に連結されるような構造であればどのような構造でもよい。
さらに、前記各実施形態では、規制部材41を車両左右方向で見て略コの字状に形成しているが、この限りではなく、マウント本体部30の車両前後から所定距離の位置に該マウント本体部30の前後方向の変位を規制する部材が設けられていれば、どのような形状でもよい。
また、前記各実施形態では、本願発明に係るマウント部材3の構成をエンジン側のみに適用しているが、これに限らず、変速機側のマウント部材5に適用してもよい。
さらにまた、前記各実施形態のパワープラントPは、長手方向にエンジン1及び変速機2を直列に配置したものであるが、これに限るものではなく、パワープラントPは、例えばエンジンルームに横置きに搭載したエンジン1の後方に、入力側のシャフト等が車幅方向に延びるように並列に変速機を配置したものであってもよい。
以上説明したように、本発明の防振マウント装置は、マウント本体部の前後方向の変位を規制する規制部材を上下方向に弾性変形可能な板ばねによって支持するようにしたため、例えば大排気量エンジンを搭載した車両において、パワープラントエンジン側の端部を弾性支持するものにその振動減衰特性を悪化させることなく規制部材を設ける場合に特に有用である。
エンジンマウントシステムの概略構成を示す斜視図である。 パワープラントを車体左側から見て、駆動反力(トルク)の作用する様子を模式的に示す説明図である。 本発明の実施形態1に係るエンジン側マウント部材の上面図である。 エンジン側マウント部材の左側面図である。 変速機側マウント部材の構造を示す拡大図であり、(a)は上面図で、(b)は左側面図である。 本発明の実施形態2に係るエンジン側マウント部材の構造を示す図であり、(a)は上面図で、(b)は左側面図である。 本発明の実施形態3に係るエンジン側マウント部材についての図6相当図である。 実施形態1に係るエンジン側マウント部材について液体封入式でない他のマウント本体部の構成を示す図である。
1 エンジン
2 変速機
3 エンジン側マウント部材(防振マウント装置)
5 変速機側マウント部材
6、7 車体サイドフレーム
8 トルクロッド
30 マウント本体部
31b フランジ板(連結部材)
41 規制部材
41a 上梁部(梁部材)
41b 前側板部(変位規制部材)
41c 後側板部(変位規制部材)
42 板ばね
43 固定金具
44 取付部材
46 バンプストッパー
47 スペーサー
S エンジンマウントシステム
P パワープラント

Claims (3)

  1. 長手方向が車体の左右方向となるように車両に搭載されるパワープラントの左右少なくとも一方の端部を車体に対して弾性支持するとともに、該パワープラントのロール方向の揺動を規制するための揺動規制部を備えた防振マウント装置であって、
    前記パワープラントの荷重を弾性支持するマウント本体部の下側が車体サイドフレームに対して取り付けられる一方、該マウント本体部の上部にはパワープラント側の連結部材が取り付けられており、
    前記揺動規制部は、
    前記マウント本体部の車両前方及び後方にそれぞれ所定間隔を空けて配置された2つの変位規制部材と、
    前記2つの変位規制部材の間に長手方向が車両前後方向になるように配設されて、前記マウント本体部が前記変位規制部材に当接した状態でも該変位規制部材とともに前記車体サイドフレームに対して上下方向に変位可能なように、該変位規制部材を前記車体サイドフレームに対して上下方向に変位可能に弾性支持する板ばねとを備えていることを特徴とする防振マウント装置。
  2. 請求項1において、
    変位規制部材は、マウント本体部の車両前方及び後方でそれぞれ上下方向に延びるように配設されていて、該各変位規制部材の上端部同士が車両前後方向に延びる梁部材によって連結されており、
    板ばねは、その前後両端部がそれぞれ前記変位規制部材の下端部に連結されているとともに、その中間部が車体サイドフレーム側に固定されていることを特徴とする防振マウント装置。
  3. 請求項1または2のいずれか一つにおいて、
    変位規制部材は、その下端部が車体サイドフレームの上面から所定距離、上方に位置するように配置されていて、
    前記変位規制部材の下端部と車体サイドフレームの上面との間には、弾性体からなるスペーサーが配設されていることを特徴とする防振マウント装置。
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