JP4497685B2 - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動体における振動を共振効果により低減するダイナミックダンパに関し、例えばエンジン振動が伝達される車体のメンバ類やボディパネル等の振動を低減するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の車体を構成するメンバ類には、メンバ類の共振振動数と同じ固有振動数を有するダイナミックダンパが配設されていて、車両のエンジンが発生する振動をこのダイナミックダンパが吸収し、メンバ類の振動を低減して、車両騒音を低下させていた。このような従来のダイナミックダンパの一例として、図7に示されるようなダイナミックダンパ80が知られている。このダイナミックダンパ80はねじ止め等によりメンバ類へ固定される金属製の取付・支持プレート82と、この支持プレート82上へ配置されるマス部材84とを備えており、これらの支持プレート82とマス部材84とにゴム製の弾性部材86がそれぞれ加硫接着され、この弾性部材86により支持プレート82に所定の質量を有するマス部材84が連結されている。このようなダイナミックダンパ80は、車体におけるエンジンからの振動が伝えられる各種のメンバ類、例えば、防振マウントを介してエンジンを支持するブラケットに固定される。
【0003】
一方、自動車では、振動発生部となるエンジンからの振動が振動受部となる車体へ伝達されるが、エンジンと車体との間には防振マウントが配置され、この防振マウントによりエンジンが弾性的に支持されている。ここで、エンジンにより発生される振動は、一般的に略上下方向(重力方向)に沿った振動である縦揺れ及び略水平方向に沿った振動である横揺れが合成されたものと考えることができ、エンジン回転数やエンジンへの負荷の大きさ等に応じて縦揺れ及び横揺れの周波数及び振動レベルがそれぞれ変化する。
【0004】
従って、自動車では、通常、エンジンを質量体と考えた場合の縦揺れに対する共振振動数と横揺れに対する共振振動数がそれぞれ異なる値になる。このため、図7に示されるダイナミックダンパ80でも、エンジンから車体へ伝えられる振動を効果的に低減するには、自動車における縦揺れの共振振動数及び横揺れの共振振動数にそれぞれ対応させてマス部材84の縦揺れに対する共振振動数と横揺れに対する共振振動数をそれぞれ異なる値にチューニングする必要がある。ここで、上下方向(矢印V方向)に沿った縦揺れは弾性部材86へ主として垂直荷重(圧縮及び引張荷重)を作用させ、また水平方向(矢印H方向)に沿った横揺れは主として弾性部材88へ剪断荷重を作用させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示されるようなダイナミックダンパ80では、弾性部材88の剪断荷重に対する剛性を一定に保ちつつ、垂直荷重に対する剛性、すなわちバネ定数のみを低下させることが困難である。すなわち、ダイナミックダンパ80の縦揺れの共振振動数をF1とし、横揺れの共振振動数をF2とし、これらの周波数比を(F2/F1)=Rとすると、この周波数比Rを小さくすることが困難になる。具体的には、ゴム硬度が40〜70程度のゴムにより弾性部材86を形成した場合、周波数比Rを4より小さくすることは困難である。このため、例えば、共振振動数F1が400Hz、共振振動数F2が200Hz(周波数比R=2)であるようなダイナミックダンパ80を実現することが困難であった。
【0006】
例えば、ダイナミックダンパ80における弾性部材の形状のみを変更し、周波数比Rを4より小さくしようとすると、図8に示されるように弾性部材88の形状を細長くすると共に、弾性部材88のマス部材84及び支持プレート82への接着面積をそれぞれ小さくしなければならない。しかし、このような形状の弾性部材88を用いると、車体の横揺れ時には弾性部材88には、剪断変形と同時に過大な撓み変形が生じ、この過大な撓み変形により横揺れに対するダイナミックダンパ効果(制振効果)が低下してしまう。
【0007】
そこで、上記のような構成のダイナミックダンパにおいて、マス部材の底面と取付・支持プレートとを連結する弾性部材の撓み変形を抑制するために、マス部材の側面両端部をそれぞれ一対の弾性部材により支持プレートに連結することが考えられるが、このような構造を採用すると、支持プレートの形状及び構造が複雑になって部品点数が増加するという問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、上記事実を考慮し、互いに略直交する第1の振幅方向及び第2の振幅方向にそれぞれ沿った振動の共振振動数の比を広い範囲で任意の値に設定でき、しかも部品点数の増加及び構造の複雑化を抑制できるダイナミックダンパを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイナミックダンパは、互いに略直交する第1及び第2の振幅方向に沿って振動し得る振動体の円筒状のホルダ部の外周面に連結固定される取付部材と、前記取付部材に固定されると共に、前記第1の振幅方向へ面する底板部及び該底板部を挟んで前記第2の振幅方向へそれぞれ面する一対の側板部が設けられた支持部材と、振動体の振動を低減するのに十分な質量を有し、一対の前記側板部の間に支持されるマス部材と、前記マス部材を前記底板部へ連結し、前記第1の振幅方向に沿った荷重を受けて圧縮・引張方向へ弾性変形し、かつ前記第2の振幅方向に沿った荷重を受けて剪断方向へ弾性変形する第1の弾性部材と、前記マス部材を一対の前記側板部へそれぞれ連結し、前記第1及び第2の振幅方向に沿った荷重を受けて剪断方向へ弾性変形する一対の第2の弾性部材とを有し、前記取付部材及び前記支持部材は、1枚の金属板を素材として一体的に成形され、前記取付部材は、平面視で前記底板部の前記第2の振幅方向の両端部から前記第2の振幅方向へ延びると共に、側面視で前記側板部と反対側へ延びる一対の取付フランジ部であり、前記取付フランジ部の先端側は、前記側板部と反対側の面が前記取付フランジの延在方向に沿って凹状曲面となるように湾曲していることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成のダイナミックダンパでは、振動体が第1の振幅方向に沿って振動する場合、第1の弾性部材には圧縮・引張方向に沿って弾性変形(圧縮・引張変形)が生じると共に、第2の弾性部材には剪断方向に沿って弾性変形(剪断変形)が生じることから、マス部材の第1の振幅方向に沿った共振振動数は、第1の弾性部材の圧縮・引張方向に沿ったバネ定数と第2の弾性部材の剪断方向に沿ったバネ定数との合成バネ定数によって定まる。
【0011】
また振動体が第2の振幅方向に沿って振動する場合、第1の弾性部材及び第2の弾性部材にはそれぞれ剪断方向に沿って弾性変形(剪断変形)が生じることから、マス部材の第2の振幅方向に沿った共振振動数は、第1の弾性部材の剪断方向に沿ったバネ定数と第2の弾性部材の剪断方向に沿ったバネ定数とが合成された合成バネ定数によって定まる。
【0012】
このとき、第2の振幅方向に沿った第1の弾性部材の断面積を小さくしても、マス部材が一対の第2の弾性部材により一対の側板部にそれぞれ連結されていることから、振動体が第2の振幅方向に沿って振動した際に、第1の弾性部材に過大な撓み変形が生じることを防止できるので、第2の振幅方向に沿った振動に対するダイナミックダンパ効果(制振効果)の低下を防止できる。この結果、上記構成のダイナミックダンパによれば、第1の弾性部材の形状が制約されなくなり、第1の弾性部材の圧縮・引張方向に沿ったバネ定数及び剪断方向に沿ったバネ定数の設定範囲を拡大できる。具体的には、例えば、マス部材の第2の振幅方向における共振振動数を一定に保ちつつ、第1の弾性部材の圧縮・引張方向に沿ったバネ定数を減少させて、マス部材の第1の振幅方向における共振振動数を十分小さい値に設定することが可能になるので、マス部材の第1の振幅方向に沿った振動の共振振動数(F1)と第2の振幅方向に沿った振動の共振振動数(F2)との周波数比(F1/F2)を4よりも小さくすることも容易になる。
【0013】
また、上記構成のダイナミックダンパでは、振動体の円筒状のホルダ部の外周面へ連結固定される取付部材及び第1及び第2の弾性部材を介してマス部材を支持する支持部材が1枚の金属板を素材として一体的に成形されていることにより、従来のダイナミックダンパには存在しない一対の側板部が支持部材に追加されても、支持部材を構成する部品の数が増加せず、かつ取付部材及び支持部材を一体構造の一部品として構成できるので、ダイナミックダンパ全体としての部品点数の増加も抑制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るダイナミックダンパについて図面を参照して説明する。
【0015】
(実施形態の構成)
図1には本発明の第1の実施形態に係るダイナミックダンパが示されており、図2には本実施形態に係るダイナミックダンパを車体へ搭載した状態の一例が模式的に示されている。
【0016】
ダイナミックダンパ10には、その下部側に1枚の金属板からなる支持プレート12が配置され、この支持プレート12には、図1(B)に示されるように上部側に上方へ向かって開いたコ字状の断面を有する支持枠14が設けられている。この支持枠14には平板状の底板部16が形成され、この底板部16はダイナミックダンパ10の幅方向(矢印W方向)に沿って長い略長方形とされている。支持枠14には、底板部16の幅方向両端部からそれぞれ上方へ向かって直角に屈曲された一対の側板部18が一体的に形成され、これら一対の側板部18は互いに平行とされている。
【0017】
また支持プレート12には、図1(B)に示されるように幅方向の両端部にそれぞれそれぞれ取付フランジ20が設けられている。これら一対の取付フランジ20は、れぞれ基端側が底板部16の両端部から下方へ突出しており、先端側がテーパ状に斜め下方へ広がっている。この取付フランジ20の先端側は、その下面が長手方向に沿って緩やかな凹状曲面となるように湾曲している。
【0018】
次に、支持プレート12の製造方法について説明する。支持プレート12は、図3に示されるような略長方形の金属板21を素材として構成されており、この金属板21は鉄、アルミニウム、ステンレス等の塑性加工が可能な金属材料からなる。金属板21には、その長手方向中央部に2点鎖線で示されるように支持枠14の底板部16とされる領域22が設けられ、この領域22の両側端部の外側にはそれぞれ支持枠14の側板部18とされるの領域23が設けられる。
【0019】
金属板21には、領域22との接合部を除いた領域23の外周縁に沿って略コ字状のスリット26が形成されている。金属板21では、スリット26により囲まれた領域23が領域22との接合部から上方へ折り曲げられて側板部18が設けられる。また金属板21では、スリット26と金属板21との間に挟まれた領域24が領域22との接合部から下方へ屈曲されると共に、その先端側が所定の曲率で湾曲されて取付フランジ20が設けられる。
【0020】
金属板21には、スリット26の両端部にそれぞれ円形の貫通穴であるノッチ28が打抜かれており、このノッチ28は金属板21にスリットを形成する際の切断の開始部及び終了部とされると共に、領域23及び領域24の折曲加工を容易にするための切欠部となっている。
【0021】
支持枠14における一対の側板部18の間には、図1(B)に示されるように直方体状のマス部材30が配置されている。ここで、マス部材30の底面と底板部16との間にはゴム製の第1弾性部材32が配置されている、この第1弾性部材32は、ダイナミックダンパ10の高さ方向(矢印T方向)を厚さ方向とする肉厚一定の平板状とされており、その下面が底板部16の上面に加硫接着されると共に、上面がマス部材30の下面に加硫接着されている。また、マス部材30の両側面と支持枠14の一対の側板部18との間にも、それぞれゴム製の第2弾性部材34が配置されている、この第2弾性部材34は幅方向を厚さ方向とする肉厚一定の平板状とされており、その一方の側面が側板部18に加硫接着されると共に、他方の側面がマス部材30の側面に加硫接着されている。これにより、マス部材30は第1弾性部材32及び一対の第2弾性部材34により支持枠14へ連結され、これらの弾性部材32,34を介して支持枠14により弾性的に支持される。
【0022】
従って、マス部材30は支持枠14に対して変位可能となり、第1弾性部材32及び第2弾性部材34には、それぞれマス部材30の変位量及び変位方向に応じた弾性変形が生じる。具体的には、マス部材30が高さ方向に沿って変位すると、第1弾性部材32には垂直荷重(圧縮・引張荷重)が作用し圧縮・引張変形が生じ、これと同時に、第2弾性部材34には剪断荷重が作用し剪断変形が生じる。またマス部材30がダイナミックダンパ10の幅方向及び奥行方向(矢印D方向)に沿って変位すると、第1弾性部材32及び第2弾性部材34にはそれぞれ剪断荷重が作用し剪断変形が生じる。
【0023】
第1弾性部材32は、マス部材30の下面中央部及び底板部16の上面中央部にそれぞれ加硫接着されている。また一対の第2弾性部材34の厚さはそれぞれ等しくなっており、これら一対の第2弾性部材34が振動を受けて弾性変形していない状態では、マス部材30の両側面と一対の側板部18との間隔もそれぞれ等しくなっている。
【0024】
一方、図2に示されるように車体36上には、振動発生源となるエンジン38を支持するために複数のブラケット40が設けられている。ブラケット40には、一対の連結板42及び円筒状のホルダ部44が設けられており、一対の連結板42は、その下端部がそれぞれ溶接等により車体36へ固着され、上端部がホルダ部44の外周面に溶接等により固着され、これにより、ホルダ部44を車体36の上方へ支持している。ホルダ部44内には、略円柱状とされたブッシュタイプの防振マウント46が挿入されている。この防振マウント46には、図2(B)に示されるように軸方向両端面にそれぞれ軸心Sに沿って突出するねじ軸状の連結ロッド48が設けられている。
【0025】
またエンジン38には、その側面の下部から側方へ突出する一対の連結ステー50が設けられており、これら一対の連結ステー50は、それぞれ連結ロッド48及びナット52により防振マウント46の両端部へ締結固定されている。これにより、エンジン38は防振マウント46を介して車体36により弾性的に支持される。
【0026】
防振マウント46の内部には、防振主体としてのゴム弾性体等が配置されており、防振マウント46は、連結ロッド48を介して伝えられるエンジン38からの振動を減衰し車体36へ伝達するようになっている。
【0027】
ダイナミックダンパ10は、図2に示されるようにブラケット40のホルダ部44の外周面へ取り付けられている。このダイナミックダンパ10は、取付フランジ20がホルダ部44外周面の頂部付近に密着するように取り付けられ、取付フランジ20が溶接、ねじ止等によってホルダ部44に固定されている。このとき、ダイナミックダンパ10は、その奥行方向(矢印D方向)が防振マウント46の軸心Sと平行となるように配置されている。
【0028】
(実施の形態の作用)
次に、第1の実施形態に係るダイナミックダンパ10の作用を説明する。
【0029】
エンジン38が作動すると、このエンジン38からは振動が発生して防振マウント46へ伝えられる。エンジン38からの振動は、複数の方向(振幅方向)に沿って振幅する複数種類の振動が合成された振動と考えることができ、主要な振動としては、例えば、ピストンの上下運動等により生じる縦揺れ及び、クランクシャフトの回転運動等により生じる横揺れがある。ここで、車両には、エンジン38を質量体とする振動系(主振動系)が構成されていると考えることができ、この主振動系では、縦揺れの共振振動数及び横揺れの共振振動数がそれぞれ異なる値になっている。
【0030】
エンジン38からの振動は、前述したように防振マウント46により減衰され、ブラケット40を介して車体36へ伝えられる。このとき、ブラケット40は、その構造上、防振マウント46の軸方向と略一致する車両前後方向(矢印FR方向)に沿って撓み変形しやすくなっており、これにより、ブラケット40には、エンジン38からの振動入力時に車両前後方向を振幅方向とする振動が生じ易くなっている。従って、ダイナミックダンパ10が搭載されていない場合には、エンジン38からの横揺れの振動数が共振振動数になると、ブラケット40により横揺れが増幅されて車体36へ伝えられる。
【0031】
一方、ダイナミックダンパ10には、マス部材30を質量体とした振動系(副振動系)が構成されている。この副振動系は、高さ方向に沿った振動の共振振動数は、主振動系の縦揺れの共振振動数と略一致し、かつ短手方向に沿った振動の共振振動数は主振動系の横揺れの共振振動数と略一致するように構成されている。
【0032】
従って、エンジン38からブラケット40へ伝えられる縦揺れの振動数が共振振動数になると、ダイナミックダンパ10では、共振効果により高さ方向(矢印T方向)に沿ったマス部材30の振動が増幅される。これにより、ダイナミックダンパ10からブラケット40へ伝えられる慣性力によって車体36における縦揺れが低減される。
【0033】
またエンジン38からの振動によりブラケット40が車両前後方向に沿って振動し、この時の振動数が共振振動数になると、ダイナミックダンパ10では、共振効果によりマス部材30の奥行方向(矢印D方向)に沿った振動が増幅される。これにより、ダイナミックダンパ10からブラケット40へ伝えられる慣性力によってブラケット40の振動が低減される。すなわち、車体36における横揺れが低減される。
【0034】
以上説明した本実施形態に係るダイナミックダンパ10では、車体36及びエンジン38に連結されたブラケット40が上下方向に沿って振動(縦揺れ)する場合、第2弾性部材32には圧縮・引張変形が生じると共に、第2弾性部材34には剪断変形が生じることから、マス部材30の上下方向に沿った振動の共振振動数は、第2弾性部材32の圧縮・引張方向に沿ったバネ定数と第2弾性部材34の剪断方向に沿ったバネ定数との合成バネ定数によって定まる。
【0035】
また、車体36及びエンジン38に連結されたブラケット40が車両前後方向に沿って振動(横揺れ)する場合、第2弾性部材32及び第2弾性部材34にはそれぞれ剪断変形が生じることから、マス部材30の車両前後方向に沿った振動の共振振動数は、第2弾性部材32の剪断方向に沿ったバネ定数と第2弾性部材34の剪断方向に沿ったバネ定数とが合成された合成バネ定数によって定まる。
【0036】
このとき、第2弾性部材32の水平方向に沿った断面積を小さくしても、マス部材30が一対の第2弾性部材34により一対の側板部18にそれぞれ連結されていることから、ブラケット40が車両前後方向に沿って振動した際にも、第2弾性部材32に過大な撓み変形が生じることを防止できるので、車両前後方向に沿った振動に対するダイナミックダンパ効果の低下を防止できる。
【0037】
従って、本実施形態に係るダイナミックダンパ10によれば、第2弾性部材32の形状が制約されなくなり、図7に示されるような従来のダイナミックダンパ80と比較し、第2弾性部材32の圧縮・引張方向に沿ったバネ定数及び剪断方向に沿ったバネ定数の設定可能となる範囲を拡大できる。
【0038】
具体的には、例えば、第2弾性部材32の水平方向に沿った断面積を小さくして第2弾性部材32の圧縮・引張方向に沿ったバネ定数を減少させれば、マス部材30の車両前後方向における共振振動数を略一定に保ちつつ、マス部材30の上下方向における共振振動数を十分小さい値に設定することが可能になるので、マス部材30の高さ方向に沿った振動の共振振動数(F1)と奥行方向に沿った振動の共振振動数(F2)との周波数比(F1/F2)を4よりも小さくすることも(例えば、2程度とすることも)容易となる。
【0039】
また、ダイナミックダンパ10では、ブラケット40へ連結固定される取付フランジ20及び支持枠14がそれぞれ1枚の金属板21を素材として一体的に成形されていることにより、従来のダイナミックダンパ80には存在しない一対の側板部18が支持枠14に追加されても、支持枠14を構成する部品の数が増加せず、かつ取付フランジ20及び支持枠14を一体構造の一部品として構成できるので、ダイナミックダンパ10全体としての部品点数の増加も抑制できる。
【0040】
(実施形態の変形例)
図4〜6には、本発明の実施形態に係るダイナミックダンパにおける支持プレートの変形例がそれぞれ示されている。図4に示される支持プレート54は、図1に示される支持プレート12とは底板部56及び一対の取付フランジ58の形状が異なっており、他の点については支持プレート12と基本的に同一構成となっている。この支持プレート54では、底板部56及び一対の取付フランジ58が幅方向に沿って所定の曲率半径で湾曲している。これにより、ダイナミックダンパ10がブラケット40へ連結固定された状態では、底板部56及び取付フランジ58の全体がホルダ部44の外周面に密着するようになっている。
【0041】
従って、支持プレート54をダイナミックダンパ10へ適用した場合には、ダイナミックダンパ10の支持プレート54とブラケット40のホルダ部44との間に隙間ができ難くなるので、エンジン38からブラケット40への振動入力時に、ダイナミックダンパ10とブラケット40との間にビビリ現象が生じることを防止し、ダイナミックダンパ10をブラケット40と一体的に振動させることができるので、ビビリ現象によるダイナミックダンパ効果の低下を防止できる。
【0042】
また図5に示される支持プレート60は、図1に示される支持プレート12とは支持プレートの素材となる金属板における側板部62と取付フランジ64との位置関係が逆になっている。具体的には、この支持プレート60を製造する際には、その素材となる金属板に支持プレート12の場合と同様の形状のスリットが形成される。このとき、側板部62は、金属板におけるスリットと金属板の外周縁とに挟まれた略コ字状の領域が底板部16に対して上方へ屈曲されて設けられる。また取付フランジ64、ブラケット40の連結板42の形状に対応して平板状とされ、図5に示される支持プレート60は、取付フランジ64を介して連結板42上へ固定されるようになっている。
【0043】
従って、支持プレート60をダイナミックダンパ10へ適用した場合には、図1に示される支持プレート12を適用した場合と比較し、底板部16に対して側板部62が十分高い位置まで突出するので、第2弾性部材34よりマス部材30と側板部62とを高い位置で連結することができ、エンジン38からブラケット40への振動入力時の第1弾性部材32の撓み変形をより効果的に抑制できる。
【0044】
また図6に示される支持プレート66は、図1に示される支持プレート12とは側板部68の構造が異なっている。具体的には、この支持プレート66を製造する際には、支持プレート66の素材となる長方形の金属板に短手方向に沿った両側端からそれぞれ略L字状に切り込まれた2本のスリットが形成されると共に、これらのスリットに対して対称的な形状の2本のスリットが形成される。これら4本のスリットと金属板の両側端とにより囲まれた領域がそれぞれ底板部16に対して上方へ屈曲されて、支持プレート66には2枚1組の側板部68が2組設けられる。
【0045】
ここで、一方の1組の側板部68は、2個の第2弾性部材34によってマス部材30の一方の側面両端部へそれぞれ連結され、他方の1組の側板部68も、2個の第2弾性部材34によってマス部材30の他方の側面両端部へそれぞれ連結されている。また取付フランジ70はブラケット40の連結板42の形状に対応して平板状とされ、図6に示される支持プレート66は、取付フランジ70を介して連結板42上へ固定されるようになっている。
【0046】
従って、支持プレート66をダイナミックダンパ10へ適用した場合には、マス部材30の側面両端部がそれぞれ2個の第2弾性部材34により2枚の側板部68と連結されることにより、図1に示される支持プレート12をダイナミックダンパ10へ適用した場合と比較し、エンジン38からブラケット40への振動入力時のマス部材30の奥行方向(矢印D方向)に沿った傾きを抑制できるので、第1弾性部材32の撓み変形をより効果的に抑制できる。
【0047】
尚、本実施形態に係るダイナミックダンパ10は、以上説明した車両のエンジンからの振動の防振に適用されるだけでなく、発電機セット、コンプレッサ−、モータなどを対象とした他の用途にも用いられることはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のダイナミックダンパによれば、互いに略直交する第1の振幅方向及び第2の振幅方向にそれぞれ沿った振動の共振振動数の比を広い範囲で任意の値に設定でき、しかも部品点数の増加及び構造の複雑化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るダイナミックダンパの構成を示す平面図及び側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態にダイナミックダンパが車両に搭載された状態を模式的に示す側面図及び平面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るダイナミックダンパにおける支持プレートの素材となる金属板を示す平面図である。
【図4】 本発明の実施形態に係るダイナミックダンパにおける支持プレートの変形例を示す斜視図及び側面図である。
【図5】 本発明の実施形態に係るダイナミックダンパにおける支持プレートの変形例を示す斜視図及び側面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係るダイナミックダンパにおける支持プレートの変形例を示す斜視図及び側面図である。
【図7】 従来のダイナミックダンパの一例を示す平面図及び側面図である。
【図8】 図7に示されるダイナミックダンパに対して縦横の剛性比を変化させた従来のダイナミックダンパを示す側面図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパ
12 支持プレート(取付部材、支持部材)
14 支持枠(支持部材)
16 底板部
18 側板部
20 取付フランジ(取付部材)
21 金属板
26 スリット
30 マス部材
32 第1弾性部材
34 第2弾性部材
40 ブラケット(振動体)
54 支持プレート(支持部材)
58 取付フランジ(取付部材)
60 支持プレート(支持部材)
62 側板部
64 取付フランジ(取付部材)
66 支持プレート(支持部材)
68 側板部
70 第2弾性部材

Claims (5)

  1. 互いに略直交する第1及び第2の振幅方向に沿って振動し得る振動体の円筒状のホルダ部の外周面に連結固定される取付部材と、
    前記取付部材に固定されると共に、前記第1の振幅方向へ面する底板部及び該底板部を挟んで前記第2の振幅方向へそれぞれ面する一対の側板部が設けられた支持部材と、
    振動体の振動を低減するのに十分な質量を有し、一対の前記側板部の間に支持されるマス部材と、
    前記マス部材を前記底板部へ連結し、前記第1の振幅方向に沿った荷重を受けて圧縮・引張方向へ弾性変形し、かつ前記第2の振幅方向に沿った荷重を受けて剪断方向へ弾性変形する第1の弾性部材と、
    前記マス部材を一対の前記側板部へそれぞれ連結し、前記第1及び第2の振幅方向に沿った荷重を受けて剪断方向へ弾性変形する一対の第2の弾性部材とを有し、
    前記取付部材及び前記支持部材は、1枚の金属板を素材として成形され
    前記取付部材は、平面視で前記底板部の前記第2の振幅方向の両端部から前記第2の振幅方向へ延びると共に側面視で前記側板部と反対側へ延びる一対の取付フランジ部であり、
    前記取付フランジ部の先端側は、前記側板部と反対側の面が前記取付フランジの延在方向に沿って凹状曲面となるように湾曲していることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記側板部は、金属板に略コ字状のスリットが形成され、該スリットにより囲まれた領域が前記底板部に対して屈曲されて設けられたことを特徴とする請求項1記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記側板部は、金属板に略コ字状のスリットが形成され、該スリットと金属板の外周縁とに挟まれた領域が前記底板部に対して屈曲されて設けられたことを特徴とする請求項1記載のダイナミックダンパ。
  4. 前記側板部は、金属板にその外周縁から略L字状に切り込まれたスリットが形成され、該スリットと金属板の外周縁とにより囲まれた領域が前記底板部に対して屈曲されて設けられたことを特徴とする請求項1記載のダイナミックダンパ。
  5. 前記第1の振幅方向に沿った前記マス部材の共振振動数F1と前記第2の振幅方向に沿った前記マス部材の共振振動数F2とを、(F1/F2)<4となるようにそれぞれ設定したことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のダイナミックダンパ。
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