JPS591849Y2 - エンジンリヤマウントの防振支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両車室内の騒音低下を図ったエンジンリ
ヤマウントの防振支持装置に関するものである。

車両のエクステンションを車体に支持させるには、従来
、第１図に示すように、エクステンション１をリヤサポ
ートメンバ２に直接固定されたエンジンリヤマウント３
にゴム材からなる弾性体４を介して支持させる方式をと
っていた。

しかし、この支持装置は、車両床下面とリヤサポートメ
ンバ２との間の極めて狭い室内に設けられるので、スペ
ース的に拘束されており、エクステンション１とエンジ
ンリヤマウント３間に介装される弾性体４も、振動の伝
達を十分に遮断する大きさのものを用いることができず
、車速に応じて車室内に無視できない騒音を発生させる
という問題があった。

この考案は、この問題を解梢したエンジンリヤマウント
の防振支持装置を提供するものである。

本考案の特徴は、エクステンションと該エクステンショ
ンの下側に設けたエンジンリヤマウントとの間に、第１
の弾性体を２個互いに離して並列に介装し、前記エンジ
ンリヤマウントと前記エンジンリヤマウント支持部との
間に支持用締結部品を螺着させ、該支持用締結部品の周
囲を環装し、前記エンジンリヤマウントと前記リヤサポ
ートメンバとの少なくとも一方を前記支持用締結部品か
ら遊離させる第２の弾性体を前記エンジンリヤマウント
と前記リヤサポートメンバとの間に介装させ、さらに前
記リヤサポートメンバのエンジンリヤマウント支持部に
エンジンリヤマウントに対して凹部を形成する凹状折曲
部を設けたことである。

本考案は上記構成により、車両床下面とリヤサポートメ
ンバとの間の限られたスペースにおける弾性体の遮音効
率の向上が、従来構造の要部を大幅に変更することなく
達成することができるようになる。

以下、この考案の一実施例を図に従って説明する。

第２図において、１０はエクステンションであり、この
エクステンション１０は、ゴム、＋ｔｃ樹脂等からなる
弾性体１１を介してエンジンリャマウント１２に支持さ
れている。

エンジンリヤマウント１２と下方のりャサポートメンバ
１３との間には、弾性体（以下、第１の弾性体と記述す
る）１１と直列に配設した第２の弾性体１４が介装され
ている。

エンジンリヤマウント１２には、緊締ボルト挿通用の孔
１２ ａが穿設されている。

エンジンリヤマウント１２の下側には、第２の弾性体１
４を挿通支持する短管１５が孔１２ ａと同心にしてリ
ヤサポートメンバ１３の方向に延びた状態で取り付けら
れている。

一方、リヤサポートメンバ１３は、エンジンリヤマウン
ト１２を支持する部分がエンジンリヤマウント１２に対
して凹部１３ ａを形成するように凹状に折曲されてい
る。

これによって、従来のエンジンリヤマウント１２の構造
をほとんど変えないで、防振効果を増すための第２の弾
性体１４をエンジンリヤマウント１２とリヤサポートメ
ンバ１３間に介装するスペースを確保しである。

また、凹部１３ａには、孔１２ ａの直下の位置にエン
ジンリヤマウント１２の短管１５の先端を挿通する孔１
３ ｂが穿設されている。

第２の弾性体１４は、リング状で、第１の弾性体１１と
同様にゴム、合成樹脂等の弾性部材からなり、エンジン
リヤマウント１２とリヤサポートメンバ１３間に両者の
直接接触を防止させて介装されている。

この直接接触を防止した介装は、たとえば２個の弾性部
材を短管１５に挿入するとともに、分離した２個の弾性
体１４間に凹部１３ ａの板を挾み込み支持させる構成
によってもよいし、また、単体の短筒状の弾性部材の外
周面にリヤサポートメンバ１３の板厚骨の溝を周方向に
切りこの溝にリヤサポートメンバ１３を嵌め込ませた構
成によってもよい。

１６は、緊締ボルトで、このボルト１６をエンジンリヤ
マウント１２の孔１２ａ、短管１５より凹部１３ａの孔
１３ ｂに挿通させ、座金板１７を介してナツト１８で
締付は固定することにより、エンジンリヤマウント１２
は第２の弾性体１４を介してリヤサポートメンバ１３に
固定されることとなる。

この状態では、第１の弾性体１１と第２の弾性体１４と
は互に直列に配設されており、エクステンション１０か
らの振動は第１の弾性体１１と第２の弾１生体１４の両
者を通してリヤサポートメンバ１３に云えられる構成と
なっている。

エンジンの運転中にあっては、エクステンション１０か
らの振動は、第１の弾性体１１．エンジンリヤマウント
１２を経由して第２の弾性体１４に伝わり、然る後、リ
ヤサポートメンバ１３に伝わるので、眼動系の綜合ばね
定数が低下する。

これを第１の弾性体１１のみを用いた従来と比較して第
３図に示したが、図から明らかなように、この考案の騒
音特性曲線Ｂは従来の特性曲線Ａと比較して全域におい
て低下しており、特に周波数１４０ Ｈｚ （これはエ
ンジンの高速回転域に対応した周波数である）付近で大
幅に低減することが分かる。

この考案のエンジンリヤマウントの防振支持装置による
ときは、支持装置を取付けるリヤサポートメンバを下方
に析出させて設けたスペースに第２の弾性体を介装し、
第１の弾性体と直列に配設したので、ばね定数を低減で
き、エクステンションからのリヤサポートメンバへの振
動伝達を大幅に低減でき、これにより、車室内のこもり
音あるいはギヤノイズ等による車室内の騒音を確実に低
減でき、快適な走行状態が得られる。

なお、この考案は、リヤサポートメンバを折曲させて第
２の弾性体を介装するだけで済むので、従来構造の要部
を変えることなく、かつ安価に製作することができるの
でその実用的価値は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のエンジンリヤマウントの支持装置を示
す側面図、第２図は、この考案のエンジンリヤマウント
の支持装置を一部断面にして示す側面図、第３図は、従
来とこの考案との騒音レベルを比較した特性曲線図であ
る。 １０・・・エクステンション、１１・・・第１の弾性体
、１２・・・エンジンリヤマウント、１２ａ・・・エン
ジンリヤマウントの孔、１３・・・リヤサポートメンバ
、１３ａ・・・凹部、１３ｂ・・・孔、１４・・・第２
の弾性体、１５・・・短管、１６・・・ボルト、１７・
・・座金板、１Ｂ・・・ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エクステンションと該エクステンションの下側に設けた
   エンジンリヤマウントとの間に、第１の弾性体を２個互
   いに離して並列に介装し、前記エンジンリヤマウントと
   前記エンジンリヤマウントの下側に設けたリヤサポート
   メンバのエンジンリヤマウント支持部との間に支持用締
   結部品を螺着させ、該支持用締結部品の周囲を環装し、
   前記エンジンリヤマウントと前記リヤサポートメンバと
   の少なくとも一方を前記支持用締結部品から遊離させる
   第２の弾性体を前記エンジンリヤマウントと前記リヤサ
   ポートメンバとの間に介装させ、さらに前記リヤサポー
   トメンバのエンジンリヤマウント支持部にエンジンリヤ
   マウントに対して凹部を形成する凹状折曲部を設けたこ
   とを特徴とするエンジンリヤマウントの防振支持装置。