JPH0886356A - 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置

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JPH0886356A
JPH0886356A JP7177354A JP17735495A JPH0886356A JP H0886356 A JPH0886356 A JP H0886356A JP 7177354 A JP7177354 A JP 7177354A JP 17735495 A JP17735495 A JP 17735495A JP H0886356 A JPH0886356 A JP H0886356A
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slip control
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clutch
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリップ制御手段によるスリップ制御のフェ
イルを確実に判定できる車両用ロックアップクラッチの
スリップ制御装置を提供する。 【構成】 スリップ制御手段196によるスリップ制御
中において、ロックアップクラッチ32のスリップ回転
速度NSLPおよび制御偏差DNSLPがスリップ状態
量検出手段198により検出されると、そのロックアッ
プクラッチ32のスリップ回転速度NSLPまたは制御
偏差DNSLPの積算値SNSLPおよびSDNSLP
が積算値算出手段200により算出される。そして、フ
ェイル判定手段202では、積算値SNSLPが予め設
定された判断基準範値SNSLPKよりも小さいことに
基づいて係合側フェイルが判定され、また、フェイル判
定手段202では、上記積算値SDNSLPが予め設定
された判断基準範値SDNSLPKを超えたことに基づ
いて解放側フェイルが判定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ロックアッ
プクラッチのスリップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロックアップクラッチ付トルクコンバー
タやロックアップクラッチ付フルードカップリングなど
のようなロックアップクラッチ付流体式伝動装置を備え
た車両においては、ロックアップクラッチの回転損失を
一層少なくして車両の燃費を改善することを目的とし
て、ロックアップクラッチの解放領域と係合領域との間
にスリップ領域を設け、そのスリップ領域においてロッ
クアップクラッチを半係合状態とするように実際のスリ
ップ量すなわちポンプ翼車の回転速度とタービン翼車の
回転速度との差を、予め定められた目標スリップ回転速
度に追従するように制御するスリップ制御装置が提案さ
れている。
【0003】一般に、上記のスリップ制御では、ロック
アップクラッチの完全係合を保証できる油圧系を利用し
て、そのロックアップクラッチの前後の油圧の圧力差を
制御することにより、その圧力差に基づく押圧力により
摩擦力を変化させてスリップ量が調節されることから、
僅かな圧力差の変化すなわち僅かな制御操作量によって
ロックアップクラッチのスリップ量が敏感に変化させら
れるので、比較的不安定なフィードバック制御系となっ
ている。このため、スリップ制御に用いる制御式は、フ
ィードフォワード制御値、フィードバック制御値、或い
は学習制御値などによって制御出力が決定されるように
構成されている。
【0004】しかし、上記のようなスリップ制御装置で
は、スリップ制御がうまく実行されないフェイル状態を
判定してスリップ制御を停止させるために、トルクコン
バータの入力軸回転速度および出力軸回転速度の差すな
わちスリップ回転速度が予め設定された値以上であり且
つその状態が一定時間継続したことに基づいてスリップ
制御のフェイルを判定してロックアップクラッチを解放
することが提案されている。たとえば、特公昭62−7
430号公報に記載されたスリップ制御装置がそれであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスリップ制御装置では、スリップ制御のフェイル時
においては、スリップ回転速度が所定の値以上であるこ
とが必ずしも一定時間継続せず、スリップ回転速度がう
ねり状に変動する場合もあるので、スリップ制御のフェ
イルを確実に判定することができない欠点があった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、スリップ制御手
段によるスリップ制御のフェイルを確実に判定できる車
両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】斯る目的を達成す
るための、本発明の要旨とするところは、ポンプ翼車と
タービン翼車との間に設けられたロックアップクラッチ
のスリップ回転速度が所定の目標スリップ回転速度と一
致するように制御するスリップ制御手段を備えた車両用
ロックアップクラッチのスリップ制御装置であって、
(a) 前記スリップ制御手段によるスリップ制御中におい
て、前記ロックアップクラッチのスリップ回転速度また
は制御偏差を検出するスリップ状態量検出手段と、(b)
そのロックアップクラッチのスリップ回転速度または制
御偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、(c) その
積算値算出手段により算出された積算値が予め設定され
た判断基準範囲を超えたことに基づいて前記スリップ制
御のフェイルを判定するフェイル判定手段とを、含むこ
とにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、前記スリップ制
御手段によるスリップ制御中において、前記ロックアッ
プクラッチのスリップ回転速度または制御偏差がスリッ
プ状態量検出手段により検出されると、そのロックアッ
プクラッチのスリップ回転速度または制御偏差の積算値
が積算値算出手段により算出される。そして、フェイル
判定手段は、積算値算出手段により算出された積算値が
予め設定された判断基準範囲を超えたことに基づいて上
記スリップ制御のフェイルを判定する。
【0009】上記のように、そのスリップ回転速度或い
は制御偏差の積算値が予め設定された判断基準範囲を超
えたことに基づいてスリップ制御のフェイルが判定され
ることから、スリップ回転速度のうねり変動などによ
り、スリップ回転速度が所定の値以上であることが一定
時間継続しなくても、スリップ制御のフェイルが確実に
判定され得るのである。
【0010】ここで、好適には、(d) 前記スリップ制御
手段の制御出力値が予め設定された範囲内であるときに
前記フェイル判定手段の判定作動を許可するフェイル判
定許可手段が、さらに含まれる。このようにすれば、制
御出力値が予め設定された範囲内であるときにのみ、前
記フェイル判定手段によるフェイル判定が許可されるの
で、フェイル判定の信頼性が一層高められる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための他の発明の要旨とするところは、ポンプ
翼車とタービン翼車との間に設けられたロックアップク
ラッチのスリップ回転速度が所定の目標スリップ回転速
度と一致するように制御するスリップ制御手段を備えた
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置であっ
て、(e) 前記スリップ制御手段によるスリップ制御中に
おいて、スリップ制御のハンチングに関連して変動する
回転速度を検出する回転速度検出手段と、(f) その回転
速度検出手段により検出された回転速度のなまし値を算
出するなまし値算出手段と、(g) そのなまし値を中心と
する前記回転速度の振動に基づいて前記スリップ制御の
ハンチングを判定するハンチング判定手段とを、含むこ
とにある。
【0012】
【第2発明の効果】このようにすれば、前記スリップ制
御手段によるスリップ制御中において、スリップ制御の
ハンチングに関連して変動する回転速度が回転速度検出
手段により検出され、その回転速度のなまし値がなまし
値算出手段により算出される。そして、ハンチング判定
手段によって、そのなまし値を中心とする前記回転速度
の振動に基づいて前記スリップ制御のハンチングが判定
される。
【0013】この結果、上記なまし値を中心とする前記
回転速度の振動に基づいて前記スリップ制御のハンチン
グが判定されるので、スリップ回転速度のうねり変動な
どにより、スリップ回転速度が所定の値以上であること
が一定時間継続しなくても、スリップ制御のフェイルが
確実に判定され得るのである。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記目的を
達成するための他の発明の要旨とするところは、ポンプ
翼車とタービン翼車との間に設けられたロックアップク
ラッチのスリップ回転速度が所定の目標スリップ回転速
度と一致するように制御するスリップ制御手段を備えた
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置であっ
て、(h) エンジン回転速度が所定値以上の振幅で変動し
ているか否かを判定するエンジン回転速度変動判定手段
と、(i) 前記タービン翼車の回転速度が所定値以上の振
幅で変動しているか否かを判定するタービン回転速度変
動判定手段と、(j) そのタービン翼車の回転速度の変動
が判定されていないときに前記エンジン回転速度の変動
が判定されたことに基づいて前記スリップ制御のハンチ
ングを判定するハンチング判定手段とを、含むことにあ
る。
【0015】
【第3発明の効果】このようにすれば、前記タービン回
転速度変動判定手段によりタービン翼車の回転速度の変
動が発生していないと判定されているときに前記エンジ
ン回転速度変動判定手段によりエンジン回転速度の変動
が判定されたことに基づいて、ハンチング判定手段によ
り、前記スリップ制御のハンチングが判定される。
【0016】この結果、タービン翼車の回転速度の変動
が発生していないと判定されているときにエンジン回転
速度の変動が判定されたことに基づいて、前記スリップ
制御のハンチングが判定されるので、スリップ回転速度
のうねり変動などにより、スリップ回転速度が所定の値
以上であることが一定時間継続しなくても、スリップ制
御のフェイルが確実に判定され得るのである。
【0017】ここで、好適には、前記タービン回転速度
変動判定手段は、タービン翼車の回転速度に目標スリッ
プ回転速度を加算した回転速度が所定値以上の振幅で変
動しているか否かを判定し、前記ハンチング判定手段
は、その加算した回転速度の変動が判定されていないと
きに前記エンジン回転速度の変動が判定されたことに基
づいて前記スリップ制御のハンチングを判定する。この
ようにすれば、スリップ制御中において目標スリップ回
転速度を車両状態に応じて逐次変更したことに起因する
誤判定が全く解消される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施例が適用された車
両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エンジ
ン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバー
タ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有
段式自動変速機14を経て、図示しない差動歯車装置お
よび駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0020】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結され、外周部において断面U
字状に曲成されるとともにエンジン10側へ向かう方向
成分を有する作動油の流れを発生させる羽根を有するポ
ンプ翼車18と、上記自動変速機14の入力軸20に固
定され、ポンプ翼車18の羽根に対向する羽根を有し、
そのポンプ翼車18の羽根からのオイルを受けて回転さ
せられるタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介
して非回転部材であるハウジング26に固定されたステ
ータ翼車28と、軸方向に移動可能且つ軸まわりに相対
回転不能にタービン翼車22のハブ部に嵌合されたピス
トン30を介して上記入力軸20に連結されたロックア
ップクラッチ32とを備えている。
【0021】トルクコンバータ12内においては、ピス
トン30により分割された係合側油室35および解放側
油室33のうちの解放側油室33内の油圧が高められ且
つ係合側油室35内の油圧が解放されると、ピストン3
0が後退させられてロックアップクラッチ32が非係合
状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回転
速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しかし、
係合側油室35内の油圧が高められ且つ解放側油室33
内の油圧が最低圧となると、上記ピストン30が前進さ
せられてロックアップクラッチ32がポンプ翼車18に
押圧されて係合状態とされるので、トルクコンバータ1
2の入出力部材、すなわちクランク軸16および入力軸
20が直結状態とされる。
【0022】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,38
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリングギヤ
とともに回転する出力歯車39と図示しない差動歯車装
置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40と
を備えている。それら遊星歯車装置34,36,38の
構成要素の一部は互いに一体的に連結されるだけでな
く、3つのクラッチC0,C1 ,C2 によって互いに選
択的に連結されている。また、上記遊星歯車装置34,
36,38の構成要素の一部は、4つのブレーキB0
1 ,B2 ,B3によってハウジング26に選択的に連
結されるとともに、さらに、構成要素の一部は3つの一
方向クラッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向に
より相互に若しくはハウジング26と係合させられるよ
うになっている。
【0023】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、後述の
変速用電子制御装置184によりそれ等の油圧アクチュ
エータの作動がそれぞれ制御されることにより、図2に
示されているように変速比I(=入力軸20の回転速度
/カウンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4
段・後進1段の変速段が得られる。図2において、「1
st」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」
は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第
3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は
第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小
さくなる。なお、上記トルクコンバータ12および自動
変速機14は、軸線に対して対称的に構成されているた
め、図1においては入力軸20の回転軸線の下側および
カウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してあ
る。
【0024】図3は、車両の制御装置の構成を説明する
図である。図において、油圧制御回路44には、上記自
動変速機14のギヤ段を制御するための変速制御用油圧
制御回路と、ロックアップクラッチ32の係合を制御す
るためのロックアップクラッチ制御用油圧制御回路とが
設けられている。変速制御用油圧制御回路は、よく知ら
れているようにソレノイドNo.1およびソレノイドNo.2に
よってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁S1およ
び第2電磁弁S2を備えており、それら第1電磁弁S1
および第2電磁弁S2の作動の組み合わせによって図2
に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に作動さ
せられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のうちのい
ずれかが成立させられるようになっている。
【0025】また、上記ロックアップクラッチ制御用油
圧制御回路は、たとえば図4に示すように、ソレノイド
48によりオンオフ作動させられて切換用信号圧Psw
発生する第3電磁弁S3と、その切換用信号圧Pswに従
ってロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側
位置とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合
側位置とに切り換えられるロックアップリレー弁52
と、変速用電子制御装置184から供給される駆動電流
SLU に対応したスリップ制御用信号圧PSLU を発生す
るリニアソレノイド弁SLUと、リニアソレノイド弁S
LUから出力されるスリップ制御用信号圧PSLU に従っ
て係合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを
調節し、ロックアップクラッチ32のスリップ量を制御
するロックアップコントロール弁56とを備えている。
【0026】上記図4において、図示しないタンクに還
流した作動油をストレーナ58を介して吸引して圧送す
るためのポンプ60はエンジン10によって回転駆動さ
れるようになっている。ポンプ60から圧送された作動
油圧は、オーバフロー形式の第1調圧弁62により第1
ライン圧Pl1に調圧されるようになっている。この第1
調圧弁62は、図示しないスロットル弁開度検知弁から
出力されたスロットル圧に対応して大きくなる第1ライ
ン圧Pl1を発生させ、第1ライン油路64を介して出力
する。第2調圧弁66は、オーバフロー形式の調圧弁で
あって、第1調圧弁62から流出させられた作動油を上
記スロットル圧に基づいて調圧することにより、エンジ
ン10の出力トルクに対応した第2ライン圧Pl2を発生
させる。第3調圧弁68は、上記第1ライン圧Pl1を元
圧とする減圧弁であって、一定の第3ライン圧Pl3を発
生させる。また、マニュアル弁70は、シフト操作レバ
ー174がRレンジであるときには、Rレンジ圧PR
発生する。そして、OR弁72は、第2速ギヤ段以上で
あるときに係合する前記ブレーキB2 を作動させる圧P
B2および上記Rレンジ圧PR のうちのいずれか高い側を
選択して出力する。
【0027】上記ロックアップリレー弁52は、解放側
油室33と連通する解放側ポート80、係合側油室35
と連通する係合側ポート82、第2ライン圧Pl2が供給
される入力ポート84、ロックアップクラッチ32の解
放時に係合側油室35内の作動油が排出される第1排出
ポート86、ロックアップクラッチ32の係合時に解放
側油室33内の作動油が排出される第2排出ポート8
8、第2調圧弁66から排出される作動油の一部がロッ
クアップクラッチ32の係合期間に冷却のために供給さ
れる供給ポート90と、それらのポートの接続状態を切
り換えるスプール弁子92と、そのスプール弁子92を
オフ側位置に向かって付勢するスプリング94と、スプ
ール弁子92のスプリング94側端部に当接可能に配置
されたプランジャ96と、それらスプール弁子92とプ
ランジャ96との端面にRレンジ圧PR を作用させるた
めにそれらの間に設けられた油室98と、プランジャ9
6の端面に作用させる第1ライン圧Pl1を受け入れる油
室100と、スプール弁子92の端面に第3電磁弁S3
からの切換用信号圧Pswを作用させてオン側位置へ向か
う推力を発生させるためにその切換用信号圧Pswを受け
入れる油室102とを備えている。
【0028】第3電磁弁S3は、非励磁状態(オフ状
態)では油室102とOR弁72との連通をその球状弁
子が遮断し且つ油室102をドレン圧とするが、励磁状
態(オン状態)では油室102とOR弁72とを連通さ
せて切換用信号圧Pswを油室102に作用させる。この
ため、第3電磁弁S3がオフ状態であるときには、油室
102には第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが作
用させられず、スプール弁子92はスプリング94の付
勢力と油室100に作用する第1ライン圧Pl1とにした
がってオフ側位置に位置させられることから、入力ポー
ト84と解放側ポート80、係合側ポート82と第1排
出ポート86がそれぞれ連通させられるので、解放側油
室33内の油圧Poff は係合側油室35内の油圧Pon
りも高められてロックアップクラッチ32が解放される
と同時に、係合側油室35内の作動油は上記第1排出ポ
ート86、オイルクーラ104、および逆止弁106を
介してドレンへ排出される。
【0029】反対に、第3電磁弁S3がオン状態である
ときには、第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが油
室102に作用させられてスプール弁子92はスプリン
グ94の付勢力と油室100に作用する第1ライン圧P
l1とに抗してオン側位置に位置させられることから、入
力ポート84と係合側ポート82、解放側ポート80と
第2排出ポート88、供給ポート90と第1排出ポート
86がそれぞれ連通させられるので、係合側油室35内
の油圧Ponは解放側油室33内の油圧Poff よりも高め
られてロックアップクラッチ32が係合されると同時
に、解放側油室33内の作動油は上記第2排出ポート8
8およびロックアップコントロール弁56を介してドレ
ンへ排出される。
【0030】前記リニアソレノイド弁SLUは、第3調
圧弁68で発生させられる一定の第3ライン圧Pl3を元
圧とする減圧弁であって、図5に示すように変速用電子
制御装置184からの駆動電流ISLU (すなわち駆動デ
ューティ比DSLU)に伴って大きくなるスリップ制御
用信号圧PSLU を発生させ、このスリップ制御用信号圧
SLU をロックアップコントロール弁56へ作用させ
る。リニアソレノイド弁SLUは、第3ライン圧Pl3
供給される供給ポート110およびスリップ制御用信号
圧PSLU を出力する出力ポート112と、それらを開閉
するスプール弁子114と、そのスプール弁子114を
閉弁方向へ付勢するスプリング115と、スプール弁子
114をスプリング115よりも小さい推力で開弁方向
へ付勢するスプリング116と、駆動電流ISLU に従っ
てスプール弁子114を開弁方向へ付勢するスリップ制
御用電磁ソレノイド118と、スプール弁子114に閉
弁方向の推力を発生させるためのフィードバック圧(ス
リップ制御用信号圧PSLU )を受け入れる油室120と
を備えており、スプール弁子114は電磁ソレノイド1
18およびスプリング116による開弁方向の付勢力と
スプリング115およびフィードバック圧による閉弁方
向の付勢力とが平衡するように作動させられる。
【0031】ロックアップコントロール弁56は、前記
第2ライン圧Pl2が供給されるライン圧ポート130、
前記第2排出ポート88から排出される解放側油室33
内の作動油を受け入れる受入ポート132、その受入ポ
ート132に受け入れられた作動油を排出するためのド
レンポート134と、受入ポート132とドレンポート
134との間を連通させて解放側油室33内の作動油を
排出させることにより係合側油室35および解放側油室
33の圧力差ΔP(=Pon−Poff )を増加させる第1
位置(図4の左側位置)へ向かう方向と受入ポート13
2とライン圧ポート130との間を連通させて解放側油
室33内に第2ライン圧Pl2を供給することにより上記
ΔPを減少させる第2位置(図4の右側位置)へ向かう
方向に向かって移動可能に設けられたスプール弁子13
6と、そのスプール弁子136を第1位置に向かって付
勢するためにそのスプール弁子136に当接可能に配置
されたプランジャ138と、そのプランジャ138にス
リップ制御用信号圧PSLUを作用させて第1位置に向か
う方向の推力を発生させるためにスリップ制御用信号圧
SLU を受け入れる信号圧油室140と、プランジャ1
38に解放側油室33内の油圧Poff を作用させてプラ
ンジャ138にスプール弁子136をその第1位置へ向
かう方向の推力を発生させるためにその油圧Poff を受
け入れる油室142と、スプール弁子136に係合側油
室35内の油圧Ponを作用させてスプール弁子136に
その第2位置へ向かう方向の推力を発生させるために油
圧Ponを受け入れる油室144と、この油室144内に
収容されてスプール弁子136をその第2位置へ向かう
方向へ付勢するスプリング146とを、備えている。
【0032】ここで、上記プランジャ138には、油室
142側から順に大きくなる断面積A1 およびA2 を有
する第1ランド148および第2ランド150が形成さ
れており、また、スプール弁子136には、信号圧油室
140側から断面積A3 である第3ランド152および
第4ランド154が形成されている。したがって、プラ
ンジャ138はスプール弁子136と当接して相互に一
体的に作動し、ピストン30の両側にスリップ制御用信
号圧PSLU に対応した大きさの圧力差ΔP(=Pon−P
off )が形成される。すなわち、A1 =A3 であるとす
ると、圧力差ΔPはスリップ制御用信号圧PSLU に対し
て数式1により傾き〔(A2 −A1 )/A1 〕に従って
変化する。なお、数式1において、Fs はスプリング1
46の付勢力である。
【0033】
【数1】
【0034】図6は、上記のように構成されているロッ
クアップコントロール弁56の作動により得られる圧力
差ΔPのスリップ制御用信号圧PSLU に対する変化特性
を示している。したがって、ロックアップリレー弁52
がオン状態にあるときは、スリップ制御用信号圧PSLU
が大きくなるに伴って係合側油室35と解放側油室33
との圧力差ΔPが大きくなるので、ロックアップクラッ
チ32のスリップ回転速度NSLPが小さくされるが、
反対に、スリップ制御用信号圧PSLU が小さくなるに伴
って係合側油室35と解放側油室33との圧力差ΔPが
小さくなるので、ロックアップクラッチ32のスリップ
回転速度NSLPが大きくされる。
【0035】図3に戻って、車両には、エンジン10の
回転速度NE すなわちポンプ翼車18の回転速度NP
検出するエンジン回転速度センサ160、吸気配管を通
してエンジン10へ吸気される吸入空気量Qを検出する
吸入空気量センサ162、吸気配管を通してエンジン1
0へ吸気される吸入空気の温度TAIR を検出する吸入空
気温度センサ164、アクセルペダル165の操作によ
り開閉されるスロットル弁166の全閉状態および開度
θ1 を検出するアイドルスイッチ付スロットルセンサ1
67、自動変速機14の出力軸の回転速度すなわち車速
Vを検出する車速センサ168、エンジン10の冷却水
温TWAを検出する冷却水温センサ170、ブレーキペダ
ルが操作されたことを検出するブレーキセンサ172、
シフト操作レバー174の操作位置Ps すなわちL、
S、D、N、R、Pレンジのいずれかを検出するための
操作位置センサ176、タービン翼車22の回転速度N
T すなわち自動変速機14の入力軸20の回転速度を検
出するタービン回転速度センサ178、油圧制御回路4
4の作動油の温度TOIL を検出する油温センサ180が
設けられている。そして、上記各センサから出力された
信号は、エンジン用の電子制御装置182および変速用
の電子制御装置184にそれぞれ直接または間接的に供
給されるようになっている。エンジン用の電子制御装置
182と変速用の電子制御装置184とは通信インター
フェイスを介して相互連結されており、入力信号などが
必要に応じて相互に供給されるようになっている。
【0036】変速用の電子制御装置184はCPU、R
OM、RAM、インターフェースなどから成る所謂マイ
クロコンピュータであって、そのCPUは、RAMの一
時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログ
ラムに従って入力信号を処理し、自動変速機14の変速
制御およびロックアップクラッチ32の係合制御を図示
しないメインルーチンに従って実行して、第1電磁弁S
1、第2電磁弁S2、第3電磁弁S3、およびリニアソ
レノイド弁SLUをそれぞれ制御する。
【0037】上記変速制御では、予めROMに記憶され
た複数種類の変速線図から実際の変速ギヤ段に対応した
変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行状
態、たとえばスロットル弁開度θ1 と車速Vとに基づい
て変速ギヤ段が決定され、その変速ギヤ段が得られるよ
うに第1電磁弁S1、第2電磁弁S2が駆動されること
により、自動変速機14のクラッチC0 ,C1 ,C2
およびブレーキB0 ,B 1 ,B2 ,B3 の作動が制御さ
れて前進4段のうちのいずれかのギヤ段が成立させられ
る。
【0038】上記ロックアップクラッチ32の係合制御
は、たとえば第3速ギヤ段および第4速ギヤ段での走行
中に実行されるものであり、その係合制御においては、
予めROMに記憶された図7に示す関係から、車両の走
行状態たとえば出力軸回転速度(車速)Nout およびス
ロットル弁開度TAPに基づいてロックアップクラッチ
32の解放領域、スリップ制御領域、係合領域のいずれ
であるかが判断される。このスリップ制御領域は、運転
性を損なうことなく燃費を可及的によくすることを目的
としてエンジン10のトルク変動を吸収しつつ連結させ
るようにロックアップクラッチ32がスリップ状態に維
持される。図7は車両の加速走行中において用いられる
ものである。また、車両の減速惰行走行中でも、フュー
エルカット制御の制御域を拡大することを目的としてロ
ックアップクラッチ32のスリップ制御が実行される。
この場合には、スロットル弁開度TAPが零である惰行
走行状態であるので、専ら車速Vにより特定されるスリ
ップ領域が用いられる。
【0039】上記車両の走行状態が上記係合領域内にあ
ると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されてロック
アップリレー弁52がオン状態とされると同時にリニア
ソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU が最小駆動
電流(定格値)に設定されるので、ロックアップクラッ
チ32が係合させられる。また、車両の走行状態が上記
解放領域内にあると判断されると、第3電磁弁S3が非
励磁とされてロックアップリレー弁52がオフ状態とさ
れるので、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流
SLU に拘わらず、ロックアップクラッチ32が解放さ
れる。そして、車両の走行状態が上記スリップ制御領域
内にあると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されて
ロックアップリレー弁52がオン状態とされると同時
に、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU
がたとえば数式2に従って調節される。すなわち、たと
えば目標スリップ回転速度TNSLPと実際のスリップ
回転速度NSLP(=NE −NT )との偏差ΔE(=N
SLP−TNSLP)が解消されるように駆動電流I
SLU すなわち駆動デューティ比DSLUが算出されて出
力される。
【0040】
【数2】
【0041】上記数式2の右辺のDFWDは、たとえば
エンジン10の出力トルクの函数であるフィードフォワ
ード値であり、KGDは機械毎の特性などに対応して形
成される学習制御値であり、DFBはたとえば数式3に
示すように偏差ΔEの比例値、微分値、積分値を加えた
フィードバック制御値である。
【0042】
【数3】
【0043】また、エンジン用の電子制御装置182
も、変速用の電子制御装置184と同様のマイクロコン
ピュータであって、そのCPUは予めROMに記憶され
たプログラムに従って入力信号を処理することにより種
々のエンジン制御を実行する。たとえば、燃料噴射量制
御では燃焼状態を最適とするために燃料噴射弁186を
制御し、点火時期制御では、遅角量を適切とするために
イグナイタ188を制御し、トラクション制御では、駆
動輪のスリップを防止して有効な駆動力および車両の安
定性を確保するためにスロットルアクチュエータ190
により第2スロットル弁192を制御し、フューエルカ
ット制御では、燃費を高めるために惰行走行においてエ
ンジン回転速度NE が予め設定されたフューエルカット
回転速度N CUT を上まわる期間だけ燃料噴射弁186を
閉じる。
【0044】図8は、上記変速用電子制御装置184の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図
8において、車両の走行状態がたとえば図7に示す予め
設定されたスリップ制御領域内に入ると、スリップ制御
手段196が、ロックアップクラッチ32の実際のスリ
ップ回転速度NSLP(=NE −NT )と、たとえば図
9に示す関係からスロットル弁開度TAPおよび出力軸
回転速度Nout (車速V)に基づいて決定された目標ス
リップ回転速度TNSLPとが一致するように、数式2
の制御式により算出された制御値DSLUを出力する。
スリップ状態量検出手段198は、スリップ制御手段1
96によるスリップ制御中において、ロックアップクラ
ッチ32のスリップ回転速度NSLPまたは制御偏差Δ
Eを検出する。積算値算出手段200は、そのロックア
ップクラッチ32のスリップ回転速度NSLPまたは制
御偏差ΔEの積算値SNSLPまたはSΔEを算出す
る。そして、フェイル判定手段202は、その積算値算
出手段200により算出された積算値SNSLPまたは
SΔEが予め設定された判断基準範囲を超えたことに基
づいて上記スリップ制御のフェイルを判定する。フェイ
ル判定許可手段206は、スリップ制御手段196の制
御出力値DSLUが予め設定された範囲内であるときに
上記フェイル判定手段202の判定作動を許可する。
【0045】また、回転速度検出手段208は、スリッ
プ制御手段196によるスリップ制御中において、その
スリップ制御のハンチングに関連して変動する回転速度
を検出する。なまし値算出手段210は、その回転速度
検出手段208により検出された回転速度のなまし値を
算出する。ハンチング判定手段212は、そのなまし値
を中心とする上記回転速度の所定期間の振動に基づいて
上記スリップ制御のハンチングを判定する。上記スリッ
プ制御のハンチングに関連して振動する回転速度とは、
エンジン回転速度NE 、スリップ回転速度NSLP、制
御偏差DNSLP(=ΔE)の変動である。タービン回
転速度NT は、所謂ジャダに関連して振動するが、スリ
ップ制御のハンチングに関連しては変動しないので、そ
れには含まれない。
【0046】また、エンジン回転速度変動判定手段21
4は、エンジン回転速度NE が所定値以上の振幅で変動
しているか否かを判定する。タービン回転速度変動判定
手段216は、タービン翼車22の回転速度NT 、好適
にはそれに目標スリップ回転速度TNSLPを加算した
回転速度(NT +TNSLP)が所定値以上の振幅で変
動しているか否かを判定する。そして、ハンチング判定
手段218は、そのタービン回転速度変動判定手段21
6によりタービン翼車22の回転速度NT 、好適にはそ
れに目標スリップ回転速度TNSLPを加算した回転速
度(NT +TNSLP)の変動が判定されていないとき
にエンジン回転速度変動判定手段214によりエンジン
回転速度NE の変動が判定されたことに基づいて前記ス
リップ制御のハンチングを判定する。
【0047】図10は、その変速用電子制御装置184
の制御作動の要部、すなわちスリップ制御中に実行され
るフェイル判定ルーチンを説明するフローチャートであ
る。図において、ステップSK1(以下、ステップを省
略する)乃至SK7は係合側フェイル判定ルーチンであ
り、SK8乃至SK14は解放側フェイル判定ルーチン
を示している。
【0048】図10のSK1では、判定許可条件1が満
足されたか否かが判断される。この判定許可条件1に
は、制御出力値DSLUがロックアップクラッチ32の
係合力が小さい領域を示す設定値以上たとえば80%以
上であることが含まれる。このSK1は、制御出力値D
SLUが80%以上のロックアップクラッチ32の係合
力が小さいために係合側フェイルを確実に判定できる領
域で係合側フェイル判定を実行させるためのものであ
り、前記フェイル判定許可手段206に対応している。
【0049】上記SK1の判断が否定された場合は、S
K7において積算値SNSLPの内容、およびタイマカ
ウンタCT1 の内容がそれぞれ「0」にクリアされてか
らSK8以下が実行されるが、肯定された場合は、前記
スリップ状態量検出手段198および積算値算出手段2
00に対応するSK2において、実際のスリップ回転速
度NSLPが算出されると共に、そのスリップ回転速度
NSLPの積算値SNSLPが数式4に従って逐次算出
される。
【0050】
【数4】
【0051】次いで、SK3では、タイマカウンタCT
1 の内容が予め設定された判断基準値T1 以上となった
か否かが判断される。当初はこのSK3の判断が否定さ
れるので、SK4においてタイマカウンタCT1 の内容
に「1」が加算された後にSK8以下が実行される。上
記判断基準値T1 は、SK2における積算期間を設定す
る一定の値であり、たとえば3秒程度に相当する値であ
る。
【0052】以上のステップが繰り返し実行されるうち
に3秒程度の積算期間が経過してSK3の判断が肯定さ
れると、前記フェイル判定手段202に対応するSK5
において、積算値SNSLPが予め設定されたフェイル
判定基準値SNSLPKより小さいか否かが判断され
る。このフェイル判定基準値SNSLPKは、スリップ
制御中におけるロックアップクラッチ32の係合側フェ
イルすなわちスリップ回転速度NSLPが異常に小さく
なる過剰係合状態を判定するために設定された正常な変
化範囲の下限値であり、たとえば10×T1 r.p.m.程度
に設定される。
【0053】スリップ制御が正常に作動していれば上記
SK5の判断が否定されるので、SK7において積算値
SNSLPの内容、およびタイマカウンタCT1 の内容
がそれぞれ「0」にクリアされてからSK8以下が実行
される。しかし、スリップ制御に何らかの不都合が発生
してロックアップクラッチ32が過剰係合状態となり、
スリップ回転速度NSLPがその正常の変化範囲の下限
値を下まわると、上記SK5の判断が肯定されるので、
SK6においてスリップ制御の係合側フェイルと判定さ
れてそれが記憶されるとともに、上記SK7が実行され
てから、SK8以下の解放側フェイル判定ルーチンが実
行される。
【0054】SK8では、判定許可条件2が満足された
か否かが判断される。この判定許可条件2には、制御出
力値DSLUがロックアップクラッチ32の係合力が大
きい領域を示す設定値以下たとえば40%以下であるこ
とが含まれる。このSK8は、制御出力値DSLUが4
0%以下のロックアップクラッチ32の係合力が大きい
ために解放側フェイルを確実に判定できる領域で解放側
フェイル判定を実行させるためのものであり、前記フェ
イル判定許可手段206に対応している。
【0055】上記SK8の判断が否定された場合は、S
K14において積算値SDNSLPの内容、およびタイ
マカウンタCT2 の内容がそれぞれ「0」にクリアされ
てから本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合
は、前記スリップ状態量検出手段198および積算値算
出手段200に対応するSK9において、実際の制御偏
差DNSLP(=ΔE)が算出されると共に、その制御
偏差DNSLPの積算値SDNSLPが数式5に従って
逐次算出される。
【0056】
【数5】
【0057】次いで、SK10では、タイマカウンタC
2 の内容が予め設定された判断基準値T2 以上となっ
たか否かが判断される。当初はこのSK10の判断が否
定されるので、SK11においてタイマカウンタCT2
の内容に「1」が加算された後に本ルーチンが終了させ
られる。上記判断基準値T2 は、SK9における積算期
間を設定する一定の値であり、たとえば3秒程度に相当
する値である。
【0058】以上のステップが繰り返し実行されるうち
に3秒程度の積算期間が経過してSK10の判断が肯定
されると、前記フェイル判定手段202に対応するSK
12において、積算値SDNSLPが予め設定されたフ
ェイル判定基準値SDNSLPKより大きいか否かが判
断される。このフェイル判定基準値SDNSLPKは、
スリップ制御中におけるロックアップクラッチ32の解
放側フェイルすなわち制御偏差DNSLPが異常に大き
くなる過剰解放状態であることを判定するために設定さ
れた正常な制御における変化範囲の上限値であり、たと
えば100×T 2 r.p.m.程度に設定される。
【0059】スリップ制御が正常に作動していれば上記
SK12の判断が否定されるので、SK14において積
算値SDNSLPの内容、およびタイマカウンタCT2
の内容がそれぞれ「0」にクリアされてから本ルーチン
が終了させられる。しかし、スリップ制御に何らかの不
都合が発生してロックアップクラッチ32が過剰解放状
態となることにより、制御偏差DNSLPがその正常の
制御における変化範囲を越えると、上記SK12の判断
が肯定されるので、SK13においてスリップ制御の解
放側フェイルと判定されてそれが記憶されるとともに、
上記SK14が実行されてから本ルーチンが終了させら
れる。このようにして、フェイルが判定されると、図示
しないステップにおいてロックアップリレー弁52がオ
フ状態に切り換えられてスリップ制御が中止させられ
る。
【0060】上述のように、本実施例によれば、スリッ
プ制御手段196によるスリップ制御中において、ロッ
クアップクラッチ32のスリップ回転速度NSLPおよ
び制御偏差DNSLPがスリップ状態量検出手段198
に対応するSK2およびSK9により検出されると、そ
のロックアップクラッチ32のスリップ回転速度NSL
Pおよび制御偏差DNSLPの積算値SNSLPおよび
SDNSLPが積算値算出手段200に対応するSK2
およびSK9により算出される。そして、フェイル判定
手段202に対応するSK5では、積算値SNSLPが
予め設定された判断基準範値SNSLPKよりも小さい
ことに基づいて係合側フェイルが判定され、フェイル判
定手段202に対応するSK12では、上記積算値SD
NSLPが予め設定された判断基準範値SDNSLPK
を超えたことに基づいて解放側フェイルが判定される。
このように、スリップ回転速度NSLP或いは制御偏差
DNSLPの積算値SNSLP或いはSDNSLPが予
め設定された判断基準範囲を下または上へ超えたことに
基づいてスリップ制御のフェイルが判定されることか
ら、スリップ回転速度NSLPのうねり変動などによ
り、スリップ回転速度NSLPが所定の値以上であるこ
とが一定時間継続しなくても、スリップ制御のフェイル
が確実に判定され得る。
【0061】また、本実施例では、フェイル判定許可手
段206に対応するSK1およびSK8によって、SK
2乃至SK6の係合側フェイル判定およびSK9乃至S
K13の解放側フェイル判定の実行が制御出力値DSL
Uがロックアップクラッチ32の係合力が小さい領域お
よび大きい領域に限定されるので、フェイル判定の信頼
性が一層高められる。因みに、図11は、スリップ制御
の目標スリップ回転速度TNSLPが連続的に減少させ
られてから一定の値へ変化させられた場合のエンジン回
転速度NE の変化を示している。図において、正常なス
リップ制御作動でも、過渡的にはエンジン回転速度NE
の追従が一時的にオーバシュート状態となるので、前記
積算値SNSLPだけでは係合側フェイルと誤判定され
る傾向があったが、上記のように制御出力値DSLUが
ロックアップクラッチ32の係合力が小さい領域に限定
されているので、このような誤判定が防止されるのであ
る。
【0062】また、本実施例によれば、フェイルが判定
されたときには、ロックアップリレー弁52がオフ状態
に切り換えられてスリップ制御が中止させられるので、
ロックアップコントロール弁56のスプール弁子136
のストローク途中で固着が発生したとしても、ロックア
ップクラッチ32が確実に解放される利点がある。
【0063】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】図12は、変速用電子制御装置184の他
の制御作動の要部、すなわちスリップ制御中に実行され
るハンチングフェイル判定ルーチンを説明するフローチ
ャートである。図において、回転速度検出手段208に
対応するステップSL1では、ハンチングに関連して変
動する回転速度の1つである制御偏差DNSLPが検出
される。次いで、なまし値算出手段210に対応するS
L2では、上記制御偏差DNSLPのなまし値DNSL
PSMが数式6に従って逐次算出される。
【0065】
【数6】
【0066】続くSL3では、なまし値DNSLPSM
に対する実際の制御偏差DNSLPの差分値DDNSL
Pが数式7に従って逐次算出され、さらに、SL4で
は、差分値DDNSLPが一定振幅値tKDNSまたは
−tKDNS以上である期間CHGPおよびCHGMが
それぞれ計数される。そして、SL5では、その期間C
HGPまたはCHGMが予め設定された判断基準値tK
HG1〜tKHG2の範囲内か否かが判断される。CH
GP,CHGMは、ハンチングの半周期に相当するもの
であり、tKHG1,tKHG2により検出ハンチング
周期を設定している。本実施例では、上記SL3乃至S
L5が、スリップ制御のハンチングに関連して変動する
制御偏差DNSLPのなまし値DNSLPSMを中心と
する振動に基づいてハンチングフェイルを判定するハン
チング判定手段212に対応している。図13は、上記
制御偏差DNSLP、なまし値DNSLPSM、期間C
HGPおよびCHGMなどの一例を示している。
【0067】
【数7】
【0068】上記SL5の判断が否定された場合は、S
L7においてカウンターCT3の内容がクリアされる
が、肯定された場合は、SL8においてカウンターCT
3の内容が予め設定された判断基準期間T3 以上となっ
たか否かが判定される。このSL8の判断が否定された
場合は上記のステップが繰り返し実行されるが、肯定さ
れると、SL6においてハンチングフェイルと判定され
且つ記憶される。すなわち、SL5の判断が肯定されて
いる状態がT3 期間以上継続したときにフェイルと判定
されるのである。そして、図示しないステップにおいて
ロックアップリレー弁52がオフ状態に切り換えられる
ことにより、前記スリップ制御手段196によるスリッ
プ制御が中止させられると共に、ロックアップクラッチ
32が確実に解放される。
【0069】本実施例によれば、スリップ制御手段19
6によるスリップ制御中において、そのスリップ制御の
ハンチングに関連して回転変動が発生する回転速度すな
わち制御偏差DNSLPが前記回転速度検出手段208
に対応するSL1により検出され、その制御偏差DNS
LPのなまし値DNSLPSMが前記なまし値算出手段
210に対応するSL2により算出される。そして、ハ
ンチング判定手段212に対応するSL3乃至SL5に
よって、そのなまし値DNSLPSMを中心とする制御
偏差DNSLPの振動に基づいてスリップ制御のハンチ
ングが判定される。このため、スリップ回転速度NSL
Pが所定の値以上であることが一定時間継続しなくて
も、スリップ制御のハンチングフェイルが確実に判定さ
れ得るのである。
【0070】図14は、変速用電子制御装置184の他
の制御作動の要部、すなわちスリップ制御中に実行され
るハンチングフェイル判定ルーチンを説明するフローチ
ャートである。図において、SM1では、実際のエンジ
ン回転速度NE 、タービン翼車22の回転速度NT 、目
標スリップ回転速度TNSLPが読み込まれる。次い
で、エンジン回転速度変動判定手段214に対応するS
M2では、エンジン回転速度NE が所定値以上の振幅で
変動しているか否かが判定される。次いで、タービン回
転速度変動判定手段216に対応するSM3では、ター
ビン翼車22の回転速度NT に目標スリップ回転速度T
NSLPを加算した回転速度(NT +TNSLP)が所
定値以上の振幅で変動しているか否かが判定される。そ
して、SM2の判断が肯定され且つSM3の判断が否定
された場合、すなわち、タービン翼車22の回転速度N
T に目標スリップ回転速度TNSLPを加算した回転速
度(NT +TNSLP)の変動が判定されていないとき
にエンジン回転速度NE の変動が判定された場合におい
て、ハンチング判定手段218に対応するSM4では、
スリップ制御のハンチングが判定される。そして、図示
しないステップにおいてロックアップリレー弁52がオ
フ状態に切り換えられることにより、スリップ制御が停
止させられるとともに、ロックアップクラッチ32が確
実に解放される。なお、エンジン回転変動の検出方法
は、たとえばエンジン回転速度NE や(N T +TNSL
P)を前述のなまし値と比較する方法がある。
【0071】本実施例によれば、タービン翼車22の回
転速度NT に目標スリップ回転速度TNSLPを加算し
た回転速度(NT +TNSLP)の変動が発生していな
いと判定されているときにエンジン回転速度NE の変動
が判定されたことに基づいて、スリップ制御のハンチン
グが判定されるので、路面からの入力によりタービン回
転速度NT が周期的に変化しても、この場合にはフェイ
ルと判定されないため、スリップ制御のフェイルが確実
に判定され得る。図15に示すように、スリップ制御の
ハンチングが発生している状態では、エンジン回転速度
E は変動するがタービン回転速度NT は殆ど変動しな
いのである。
【0072】また、本実施例では、タービン翼車22の
回転速度NT に目標スリップ回転速度TNSLPを加算
した回転速度(NT +TNSLP)が所定値以上の振幅
で変動しているか否かが判定され、その加算した回転速
度(NT +TNSLP)の変動が判定されていないとき
にエンジン回転速度NE の変動が判定されたことに基づ
いてスリップ制御のハンチングが判定されるので、スリ
ップ制御中において目標スリップ回転速度TNSLPを
車両状態に応じて逐次変更したことに起因する誤判定が
好適に解消される。
【0073】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0074】たとえば、前述の図10の実施例では、S
K1或いはSK8により、制御出力値DSLUが所定の
範囲内にあるときのみ、係合側或いは解放側のフェイル
判定が許容されていたが、そのSK1或いはSK8が設
けられていなくても差し支えない。
【0075】また、前述の図10の実施例では、係合側
フェイル判定と解放側フェイル判定とでは、異なる積算
期間T1 およびT2 が用いられていたが、共通であって
もよいし、係合側および解放側の積算値SNSLPの絶
対値が共通の判断基準値を越えたことによりフェイルが
判定されてもよい。
【0076】また、前述の図10の実施例では、係合側
フェイルがスリップ回転速度NSLPの積算値SNSL
Pに基づいて判定され、解放側フェイルが偏差DNSL
Pの積算値SDNSLPに基づいて判定されていたが、
係合側フェイルおよび解放側フェイルは、スリップ回転
速度NSLPの積算値SNSLPに基づいて判定されて
もよいし、偏差DNSLPの積算値SDNSLPに基づ
いて判定されてもよい。
【0077】また、前述の図12の実施例では、偏差D
NSLPおよびそのなまし値DNSLPSMが用いられ
ていたが、それに代えて、エンジン回転速度NE および
そのなまし値NE SMや、スリップ回転速度NSLPや
そのなまし値NSLPSMが用いられてもよい。
【0078】また、前述の図14の実施例では、SM3
において、タービン翼車22の回転速度NT に目標スリ
ップ回転速度TNSLPを加算した回転速度(NT +T
NSLP)が所定値以上の振幅で変動しているか否かが
判定されていたが、タービン翼車22の回転速度NT
所定値以上の振幅で変動しているか否かが判定されても
差し支えない。
【0079】また、前述の実施例においては、タービン
回転速度変動判定手段216によってタービン翼車22
の回転速度NT 或いはそれに目標スリップ回転速度TN
SLPを加算した回転速度(NT +TNSLP)が所定
値以上の振幅で変動しているか否かを判定するために、
そのタービン翼車22の回転速度NT すなわち自動変速
機14の入力軸20の回転速度をタービン回転速度セン
サ178によって直接的に検出していたが、回転速度N
T を間接的に検出することもできる。例えば、車速セン
サ168で検出されたカウンタ軸(出力軸)40の回転
速度Nout に、実際に選択されている自動変速機14の
ギヤ段に対応する変速比Iを乗ずれば回転速度NT が得
られ、或いは、車輪に回転速度センサが設けられている
場合には、その回転速度に終減速機の減速比および変速
比Iを乗ずれば回転速度NT が得られることから、何れ
にしても、タービン翼車22の回転速度NT が実質的に
検出されることになるため、必ずしも直接的に検出する
必要はないのである。なお、上記のように間接的に検出
する場合には、タービン回転速度センサ178は設けら
れなくとも良い。
【0080】また、上記のようにタービン翼車22の回
転速度NT を間接的に検出する場合には、検出したカウ
ンタ軸(出力軸)40の回転速度Nout や車輪の回転速
度をそのまま回転速度NT に代えて用いて、上記タービ
ン回転速度変動判定手段216によってタービン翼車2
2の回転速度NT 等が所定値以上の振幅で変動している
か否かを判定しても良い。すなわち、実質的にタービン
翼車22の回転速度N T の変動が判定されれば差し支え
ないのである。但し、その場合には、図14に示される
実施例において、SM3におけるタービン翼車22の回
転速度NT の変動の判断基準値は、実際に選択されてい
る自動変速機14のギヤ段に対応する変速比I等に応じ
て異なる値が選択される必要がある。
【0081】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスリップ制御装置が適用さ
れた車両用動力伝達装置を示す図である。
【図2】図1のロックアップクラッチ付トルクコンバー
タを備えた自動変速機において、第1電磁弁および第2
電磁弁の作動の組み合わせとそれにより得られる変速段
との関係を説明する図表である。
【図3】図1の車両に備えられている制御装置の構成を
説明するブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路の要部構成を説明する図で
ある。
【図5】図4のリニアソレノイド弁の出力特性を示す図
である。
【図6】図4の油圧制御回路に設けられたスリップ制御
弁の特性であって、係合用油室および解放用油室との圧
力差ΔPとスリップ制御用信号圧PSLU との関係を説明
する図である。
【図7】図3の変速用電子制御装置に記憶されている、
車両の走行状態とロックアップクラッチの係合状態との
関係を示す図である。
【図8】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図9】目標スリップ回転速度TNSLPを求めるため
に用いられる関係を示す図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【図11】スリップ制御中において、フェイル誤判定の
原因となる、目標スリップ回転速度TNSLPを変化さ
せたときのエンジン回転速度NE のオーバシュートを示
す図である。
【図12】本発明の他の実施例における変速用電子制御
装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。
【図13】図12の作動においてなまし値を中心とする
振動を説明する図である。
【図14】本発明の他の実施例における変速用電子制御
装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。
【図15】図14の実施例においてハンチング状態のエ
ンジン回転速度NE などを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
18:ポンプ翼車 22:タービン翼車 32:ロックアップクラッチ 196:スリップ制御手段 198:スリップ状態量検出手段 200:積算値算出手段 202:フェイル判定手段 206:フェイル判定許可手段 208:回転速度検出手段 210:なまし値算出手段 212:ハンチング判定手段 214:エンジン回転速度変動判定手段 216:タービン回転速度変動判定手段 218:ハンチング判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:46 59:48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ翼車とタービン翼車との間に設け
    られたロックアップクラッチのスリップ回転速度が所定
    の目標スリップ回転速度と一致するように制御するスリ
    ップ制御手段を備えた車両用ロックアップクラッチのス
    リップ制御装置であって、 前記スリップ制御手段によるスリップ制御中において、
    前記ロックアップクラッチのスリップ回転速度または制
    御偏差を検出するスリップ状態量検出手段と、 該ロックアップクラッチのスリップ回転速度または制御
    偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、 該積算値算出手段により算出された積算値が予め設定さ
    れた判断基準範囲を超えたことに基づいて前記スリップ
    制御のフェイルを判定するフェイル判定手段とを、含む
    ことを特徴とする車両用ロックアップクラッチのスリッ
    プ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スリップ制御手段の制御出力値が予
    め設定された範囲内であるときに前記フェイル判定手段
    の判定作動を許可するフェイル判定許可手段を、さらに
    含むものである請求項1の車両用ロックアップクラッチ
    のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 ポンプ翼車とタービン翼車との間に設け
    られたロックアップクラッチのスリップ回転速度が所定
    の目標スリップ回転速度と一致するように制御するスリ
    ップ制御手段を備えた車両用ロックアップクラッチのス
    リップ制御装置であって、 前記スリップ制御手段によるスリップ制御中において、
    該スリップ制御のハンチングに関連して変動する回転速
    度を検出する回転速度検出手段と、 該回転速度検出手段により検出された回転速度のなまし
    値を算出するなまし値算出手段と、 該なまし値を中心とする前記回転速度の振動に基づいて
    前記スリップ制御のハンチングを判定するハンチング判
    定手段とを、含むことを特徴とする車両用ロックアップ
    クラッチのスリップ制御装置。
  4. 【請求項4】 ポンプ翼車とタービン翼車との間に設け
    られたロックアップクラッチのスリップ回転速度が所定
    の目標スリップ回転速度と一致するように制御するスリ
    ップ制御手段を備えた車両用ロックアップクラッチのス
    リップ制御装置であって、 エンジン回転速度が所定値以上の振幅で変動しているか
    否かを判定するエンジン回転速度変動判定手段と、 前記タービン翼車の回転速度が所定値以上の振幅で変動
    しているか否かを判定するタービン回転速度変動判定手
    段と、 該タービン回転速度変動判定手段によりタービン翼車の
    回転速度の変動が判定されていないときに前記エンジン
    回転速度変動判定手段によりエンジン回転速度の変動が
    判定されたことに基づいて前記スリップ制御のハンチン
    グを判定するハンチング判定手段とを、含むことを特徴
    とする車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装
    置。
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