JP3191619B2 - 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置Info
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- JP3191619B2 JP3191619B2 JP14700095A JP14700095A JP3191619B2 JP 3191619 B2 JP3191619 B2 JP 3191619B2 JP 14700095 A JP14700095 A JP 14700095A JP 14700095 A JP14700095 A JP 14700095A JP 3191619 B2 JP3191619 B2 JP 3191619B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ロックアップク
ラッチのスリップ制御装置に関するものである。
ラッチのスリップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロックアップクラッチ付トルクコンバー
タやロックアップクラッチ付フルードカップリングなど
のようなロックアップクラッチ付流体式伝動装置を備え
た車両においては、加速走行時におけるロックアップク
ラッチの回転損失を一層少なくして車両の燃費を改善す
ることを目的として、ロックアップクラッチの解放領域
と係合領域との間にスリップ領域を設け、そのスリップ
領域においてロックアップクラッチを半係合状態とする
ように実際のスリップ量すなわちポンプ翼車の回転速度
とタービン翼車の回転速度との差を、所定の目標スリッ
プ回転速度に追従するようにスリップ制御を実行するこ
とが提案されている。また、減速走行中においてエンジ
ン回転速度が予め設定されたフューエルカット回転速度
よりも高い領域ではそのエンジンに対する燃料を遮断す
るフューエルカット装置を備えた車両においては、エン
ジン回転速度を引き上げてフューエルカット範囲を拡大
するために、その減速走行時においても上記と同様のス
リップ制御を実行することが提案されている。
タやロックアップクラッチ付フルードカップリングなど
のようなロックアップクラッチ付流体式伝動装置を備え
た車両においては、加速走行時におけるロックアップク
ラッチの回転損失を一層少なくして車両の燃費を改善す
ることを目的として、ロックアップクラッチの解放領域
と係合領域との間にスリップ領域を設け、そのスリップ
領域においてロックアップクラッチを半係合状態とする
ように実際のスリップ量すなわちポンプ翼車の回転速度
とタービン翼車の回転速度との差を、所定の目標スリッ
プ回転速度に追従するようにスリップ制御を実行するこ
とが提案されている。また、減速走行中においてエンジ
ン回転速度が予め設定されたフューエルカット回転速度
よりも高い領域ではそのエンジンに対する燃料を遮断す
るフューエルカット装置を備えた車両においては、エン
ジン回転速度を引き上げてフューエルカット範囲を拡大
するために、その減速走行時においても上記と同様のス
リップ制御を実行することが提案されている。
【0003】ところで、上記ロックアップクラッチのス
リップ制御中では、作動油の劣化やロックアップクラッ
チの表面状態の変化によってロックアップクラッチの摩
擦状態が不安定となり、スリップ回転速度が不連続に変
化する所謂ジャダ現象が発生することがある。このジャ
ダ現象は、流体伝動装置の出力軸回転速度の変動すなわ
ちタービン回転速度の変動に基づいて検出され得るが、
車両の走行路面に凹凸が存在するときにもタービン回転
速度の変動が発生する。このため、タービン回転速度の
変動に基づいて上記ジャダが検出されたときにはスリッ
プ制御を中止し、この中止期間内においてもタービン回
転速度の変動が継続する場合には、ジャダではなくてそ
のタービン回転速度の変動が路面状態に由来したもので
あると考えて、スリップ制御を再開させるスリップ制御
装置が提案されている。たとえば、特開平4−2243
63号公報に記載されたスリップ制御装置がそれであ
る。
リップ制御中では、作動油の劣化やロックアップクラッ
チの表面状態の変化によってロックアップクラッチの摩
擦状態が不安定となり、スリップ回転速度が不連続に変
化する所謂ジャダ現象が発生することがある。このジャ
ダ現象は、流体伝動装置の出力軸回転速度の変動すなわ
ちタービン回転速度の変動に基づいて検出され得るが、
車両の走行路面に凹凸が存在するときにもタービン回転
速度の変動が発生する。このため、タービン回転速度の
変動に基づいて上記ジャダが検出されたときにはスリッ
プ制御を中止し、この中止期間内においてもタービン回
転速度の変動が継続する場合には、ジャダではなくてそ
のタービン回転速度の変動が路面状態に由来したもので
あると考えて、スリップ制御を再開させるスリップ制御
装置が提案されている。たとえば、特開平4−2243
63号公報に記載されたスリップ制御装置がそれであ
る。
【0004】しかしながら、路面に局所的に形成された
突起或いは穴を車輪が通過したような場合は、タービン
回転速度の変動が持続せず、極く短期間で減衰する。こ
のような場合では、スリップ制御を中止させた中止期間
内においてタービン回転速度の変動が継続しないため、
上記従来のスリップ制御装置では、上記路面の突起或い
は穴に起因する振動に基づいてジャダが発生したという
誤判定が行われるおそれがあった。
突起或いは穴を車輪が通過したような場合は、タービン
回転速度の変動が持続せず、極く短期間で減衰する。こ
のような場合では、スリップ制御を中止させた中止期間
内においてタービン回転速度の変動が継続しないため、
上記従来のスリップ制御装置では、上記路面の突起或い
は穴に起因する振動に基づいてジャダが発生したという
誤判定が行われるおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、たとえ
ば、特開平5−172240号公報に記載されているよ
うに、車輪からサスペンションなどを介して伝達される
振動がジャダ判定に影響を与えるような大きさであると
判断された場合にはジャダ判定手段によるジャダ判定を
回避させるようにしたジャダ検出装置が提案されてい
る。これによれば、路面の凹凸に起因するジャダ判定の
誤りが比較的防止される利点があるが、路面の凹凸に起
因する振動を検出するための振動センサを設ける必要が
あるので、装置の構造が複雑化するという問題があっ
た。また、サスペンションや車体に発生する振動は車体
の重量、寸法、および車輪の空気圧などによって大きく
影響されることから、ジャダ判定に影響を与えるような
振動ではないという判断やそれに基づいて許容されるジ
ャダ判定には必ずしも充分な信頼性が得られなかった。
ば、特開平5−172240号公報に記載されているよ
うに、車輪からサスペンションなどを介して伝達される
振動がジャダ判定に影響を与えるような大きさであると
判断された場合にはジャダ判定手段によるジャダ判定を
回避させるようにしたジャダ検出装置が提案されてい
る。これによれば、路面の凹凸に起因するジャダ判定の
誤りが比較的防止される利点があるが、路面の凹凸に起
因する振動を検出するための振動センサを設ける必要が
あるので、装置の構造が複雑化するという問題があっ
た。また、サスペンションや車体に発生する振動は車体
の重量、寸法、および車輪の空気圧などによって大きく
影響されることから、ジャダ判定に影響を与えるような
振動ではないという判断やそれに基づいて許容されるジ
ャダ判定には必ずしも充分な信頼性が得られなかった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、構造が簡単であ
りしかも信頼性の高いジャダ検出機能を備えた車両用ロ
ックアップクラッチのスリップ制御装置を提供すること
にある。
ものであり、その目的とするところは、構造が簡単であ
りしかも信頼性の高いジャダ検出機能を備えた車両用ロ
ックアップクラッチのスリップ制御装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】斯る目的を達成す
るための、第1発明の要旨とするところは、ポンプ翼車
とタービン翼車との間に設けられたロックアップクラッ
チと、そのロックアップクラッチを介してエンジンの出
力トルクが入力される自動変速機とを有する車両におい
て、前記ロックアップクラッチのスリップ回転速度が所
定の値となるように制御するスリップ制御手段を備えた
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置であっ
て、(a) 前記タービン翼車の回転速度変動の振幅を検出
するタービン回転変動振幅検出手段と、(b) 前記自動変
速機の出力軸の回転速度変動の振幅を検出する出力軸回
転変動振幅検出手段と、(c) 前記自動変速機の実際の変
速比を検出する変速比検出手段と、(d) 前記タービン翼
車の回転速度変動の振幅が、前記自動変速機の出力軸の
回転速度変動の振幅と前記自動変速機の実際の変速比と
の積よりも大きいことに基づいて前記ロックアップクラ
ッチのジャダを判定するジャダ判定手段とを、含むこと
にある。
るための、第1発明の要旨とするところは、ポンプ翼車
とタービン翼車との間に設けられたロックアップクラッ
チと、そのロックアップクラッチを介してエンジンの出
力トルクが入力される自動変速機とを有する車両におい
て、前記ロックアップクラッチのスリップ回転速度が所
定の値となるように制御するスリップ制御手段を備えた
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置であっ
て、(a) 前記タービン翼車の回転速度変動の振幅を検出
するタービン回転変動振幅検出手段と、(b) 前記自動変
速機の出力軸の回転速度変動の振幅を検出する出力軸回
転変動振幅検出手段と、(c) 前記自動変速機の実際の変
速比を検出する変速比検出手段と、(d) 前記タービン翼
車の回転速度変動の振幅が、前記自動変速機の出力軸の
回転速度変動の振幅と前記自動変速機の実際の変速比と
の積よりも大きいことに基づいて前記ロックアップクラ
ッチのジャダを判定するジャダ判定手段とを、含むこと
にある。
【0008】
【作用】このようにすれば、タービン回転変動振幅検出
手段により前記タービン翼車の回転速度変動の振幅が検
出され、出力軸回転変動振幅検出手段により自動変速機
の出力軸の回転速度変動の振幅が検出され、変速比検出
手段により自動変速機の実際の変速比が検出される。そ
して、ジャダ判定手段によって、タービン翼車の回転速
度変動の振幅が、自動変速機の出力軸の回転速度変動の
振幅とその自動変速機の実際の変速比との積よりも大き
いことに基づいてロックアップクラッチのジャダが判定
される。
手段により前記タービン翼車の回転速度変動の振幅が検
出され、出力軸回転変動振幅検出手段により自動変速機
の出力軸の回転速度変動の振幅が検出され、変速比検出
手段により自動変速機の実際の変速比が検出される。そ
して、ジャダ判定手段によって、タービン翼車の回転速
度変動の振幅が、自動変速機の出力軸の回転速度変動の
振幅とその自動変速機の実際の変速比との積よりも大き
いことに基づいてロックアップクラッチのジャダが判定
される。
【0009】
【第1発明の効果】したがって、本発明によれば、サス
ペンションや車体の振動を検出するための振動センサを
設ける必要がなく、変速制御などのために自動変速機に
設けられる回転センサからの回転速度信号を利用できる
ので、装置の構造が簡単となる。また、本発明によれ
ば、路面からサスペンションを介して伝達される振動を
用いることがなく、自動変速機のタービン翼車の回転速
度変動および出力軸の回転速度変動のそれぞれの振幅が
用いられるので、車体の重量、寸法、車輪の空気圧の影
響を受けることがなく、ジャダ判定手段によるジャダ判
定の精度が大幅に高められる。
ペンションや車体の振動を検出するための振動センサを
設ける必要がなく、変速制御などのために自動変速機に
設けられる回転センサからの回転速度信号を利用できる
ので、装置の構造が簡単となる。また、本発明によれ
ば、路面からサスペンションを介して伝達される振動を
用いることがなく、自動変速機のタービン翼車の回転速
度変動および出力軸の回転速度変動のそれぞれの振幅が
用いられるので、車体の重量、寸法、車輪の空気圧の影
響を受けることがなく、ジャダ判定手段によるジャダ判
定の精度が大幅に高められる。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、ポンプ
翼車とタービン翼車との間に設けられたロックアップク
ラッチと、そのロックアップクラッチを介してエンジン
の出力トルクが入力される自動変速機とを有する車両に
おいて、前記ロックアップクラッチのスリップ回転速度
が所定の値となるように制御するスリップ制御手段を備
えた車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置で
あって、(a) 前記タービン翼車の回転速度を検出するタ
ービン回転速度センサと、(b) 前記自動変速機の出力軸
の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、(c) 前
記タービン翼車の回転速度の変動と前記自動変速機の出
力軸の回転速度変動との間の位相差を検出する位相差検
出手段と、(d) その位相差検出手段により検出された位
相差が所定の判断基準値を超えたことに基づいて前記ロ
ックアップクラッチのジャダを判定するジャダ判定手段
とを、含むことにある。
達成するための第2発明の要旨とするところは、ポンプ
翼車とタービン翼車との間に設けられたロックアップク
ラッチと、そのロックアップクラッチを介してエンジン
の出力トルクが入力される自動変速機とを有する車両に
おいて、前記ロックアップクラッチのスリップ回転速度
が所定の値となるように制御するスリップ制御手段を備
えた車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置で
あって、(a) 前記タービン翼車の回転速度を検出するタ
ービン回転速度センサと、(b) 前記自動変速機の出力軸
の回転速度を検出する出力軸回転速度センサと、(c) 前
記タービン翼車の回転速度の変動と前記自動変速機の出
力軸の回転速度変動との間の位相差を検出する位相差検
出手段と、(d) その位相差検出手段により検出された位
相差が所定の判断基準値を超えたことに基づいて前記ロ
ックアップクラッチのジャダを判定するジャダ判定手段
とを、含むことにある。
【0011】
【作用】このようにすれば、タービン回転速度センサに
より検出されたタービン翼車の回転速度の変動と出力軸
回転速度センサにより検出された自動変速機の出力軸の
回転速度の変動との間の位相差が、位相差検出手段によ
り検出される。そして、ジャダ判定手段により、その位
相差が所定の判断基準値を超えたことに基づいて前記ロ
ックアップクラッチのジャダが判定される。
より検出されたタービン翼車の回転速度の変動と出力軸
回転速度センサにより検出された自動変速機の出力軸の
回転速度の変動との間の位相差が、位相差検出手段によ
り検出される。そして、ジャダ判定手段により、その位
相差が所定の判断基準値を超えたことに基づいて前記ロ
ックアップクラッチのジャダが判定される。
【0012】
【第2発明の効果】したがって、本発明によれば、サス
ペンションや車体の振動を検出するための振動センサを
設ける必要がなく、変速制御などのために自動変速機に
設けられる回転センサからの信号を利用できるので、装
置の構造が簡単となる。また、本発明によれば、路面か
らサスペンションを介して伝達される振動を用いること
がなく、自動変速機のタービン翼車の回転速度変動およ
び出力軸の回転速度変動が用いられるので、車体の重
量、寸法、車輪の空気圧の影響を受けることがなく、ジ
ャダ判定手段によるジャダ判定の精度が大幅に高められ
る。
ペンションや車体の振動を検出するための振動センサを
設ける必要がなく、変速制御などのために自動変速機に
設けられる回転センサからの信号を利用できるので、装
置の構造が簡単となる。また、本発明によれば、路面か
らサスペンションを介して伝達される振動を用いること
がなく、自動変速機のタービン翼車の回転速度変動およ
び出力軸の回転速度変動が用いられるので、車体の重
量、寸法、車輪の空気圧の影響を受けることがなく、ジ
ャダ判定手段によるジャダ判定の精度が大幅に高められ
る。
【0013】ここで、好適には、上記第1発明および第
2発明において、前記ジャダ判定手段によりロックアッ
プクラッチのジャダの発生が判定された場合は、前記ス
リップ制御手段によるスリップ制御を停止させるスリッ
プ制御停止手段が含まれる。ジャダが発生したときに
は、このスリップ制御停止手段は、好適には、ロックア
ップクラッチの摩擦条件の回復が期待できる車両状態す
なわち一旦エンジンが停止させられた後に再始動される
ときまで、スリップ制御を継続的に停止させる。
2発明において、前記ジャダ判定手段によりロックアッ
プクラッチのジャダの発生が判定された場合は、前記ス
リップ制御手段によるスリップ制御を停止させるスリッ
プ制御停止手段が含まれる。ジャダが発生したときに
は、このスリップ制御停止手段は、好適には、ロックア
ップクラッチの摩擦条件の回復が期待できる車両状態す
なわち一旦エンジンが停止させられた後に再始動される
ときまで、スリップ制御を継続的に停止させる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例が適用された車
両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エンジ
ン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバー
タ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有
段式自動変速機14を経て、図示しない差動歯車装置お
よび駆動輪へ伝達されるようになっている。
両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エンジ
ン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバー
タ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有
段式自動変速機14を経て、図示しない差動歯車装置お
よび駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0016】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結され、外周部において断面U
字状に曲成されるとともにエンジン10側へ向かう方向
成分を有する作動油の流れを発生させる羽根を有するポ
ンプ翼車18と、上記自動変速機14の入力軸20に固
定され、ポンプ翼車18の羽根に対向する羽根を有し、
そのポンプ翼車18の羽根からのオイルを受けて回転さ
せられるタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介
して非回転部材であるハウジング26に固定されたステ
ータ翼車28と、軸方向に移動可能且つ軸まわりに相対
回転不能にタービン翼車22のハブ部に嵌合されたピス
トン30を介して上記入力軸20に連結されたロックア
ップクラッチ32とを備えている。
0のクランク軸16と連結され、外周部において断面U
字状に曲成されるとともにエンジン10側へ向かう方向
成分を有する作動油の流れを発生させる羽根を有するポ
ンプ翼車18と、上記自動変速機14の入力軸20に固
定され、ポンプ翼車18の羽根に対向する羽根を有し、
そのポンプ翼車18の羽根からのオイルを受けて回転さ
せられるタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介
して非回転部材であるハウジング26に固定されたステ
ータ翼車28と、軸方向に移動可能且つ軸まわりに相対
回転不能にタービン翼車22のハブ部に嵌合されたピス
トン30を介して上記入力軸20に連結されたロックア
ップクラッチ32とを備えている。
【0017】トルクコンバータ12内においては、ピス
トン30により分割された係合側油室35および解放側
油室33のうちの解放側油室33内の油圧が高められ且
つ係合側油室35内の油圧が解放されると、ピストン3
0が後退させられてロックアップクラッチ32が非係合
状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回転
速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しかし、
係合側油室35内の油圧が高められ且つ解放側油室33
内の油圧が最低圧となると、上記ピストン30が前進さ
せられてロックアップクラッチ32がポンプ翼車18に
押圧されて係合状態とされるので、トルクコンバータ1
2の入出力部材、すなわちクランク軸16および入力軸
20が直結状態とされる。
トン30により分割された係合側油室35および解放側
油室33のうちの解放側油室33内の油圧が高められ且
つ係合側油室35内の油圧が解放されると、ピストン3
0が後退させられてロックアップクラッチ32が非係合
状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回転
速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しかし、
係合側油室35内の油圧が高められ且つ解放側油室33
内の油圧が最低圧となると、上記ピストン30が前進さ
せられてロックアップクラッチ32がポンプ翼車18に
押圧されて係合状態とされるので、トルクコンバータ1
2の入出力部材、すなわちクランク軸16および入力軸
20が直結状態とされる。
【0018】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車ユニット34,36,
38と、前記入力軸20と、遊星歯車ユニット38のリ
ングギヤとともに回転する出力歯車39と図示しない差
動歯車装置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出力
軸)40とを備えている。それら遊星歯車ユニット3
4,36,38の構成要素の一部は互いに一体的に連結
されるだけでなく、3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 に
よって互いに選択的に連結されている。また、上記遊星
歯車ユニット34,36,38の構成要素の一部は、4
つのブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジン
グ26に選択的に連結されるとともに、さらに、構成要
素の一部は3つの一方向クラッチF0 ,F1 ,F2 によ
ってその回転方向により相互に若しくはハウジング26
と係合させられるようになっている。
組のシングルピニオン型遊星歯車ユニット34,36,
38と、前記入力軸20と、遊星歯車ユニット38のリ
ングギヤとともに回転する出力歯車39と図示しない差
動歯車装置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出力
軸)40とを備えている。それら遊星歯車ユニット3
4,36,38の構成要素の一部は互いに一体的に連結
されるだけでなく、3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 に
よって互いに選択的に連結されている。また、上記遊星
歯車ユニット34,36,38の構成要素の一部は、4
つのブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジン
グ26に選択的に連結されるとともに、さらに、構成要
素の一部は3つの一方向クラッチF0 ,F1 ,F2 によ
ってその回転方向により相互に若しくはハウジング26
と係合させられるようになっている。
【0019】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
B0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、後述の
変速用電子制御装置184によりそれ等の油圧アクチュ
エータの作動がそれぞれ制御されることにより、図2に
示されているように変速比I(=入力軸20の回転速度
/カウンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4
段・後進1段の変速段が得られる。図2において、「1
st」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」
は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第
3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は
第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小
さくなる。なお、上記トルクコンバータ12および自動
変速機14は、軸線に対して対称的に構成されているた
め、図1においては入力軸20の回転軸線の下側および
カウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してあ
る。
B0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、後述の
変速用電子制御装置184によりそれ等の油圧アクチュ
エータの作動がそれぞれ制御されることにより、図2に
示されているように変速比I(=入力軸20の回転速度
/カウンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4
段・後進1段の変速段が得られる。図2において、「1
st」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」
は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第
3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は
第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小
さくなる。なお、上記トルクコンバータ12および自動
変速機14は、軸線に対して対称的に構成されているた
め、図1においては入力軸20の回転軸線の下側および
カウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してあ
る。
【0020】図3は、車両の制御装置の構成を説明する
図である。図において、油圧制御回路44には、上記自
動変速機14のギヤ段を制御するための変速制御用油圧
制御回路と、ロックアップクラッチ32の係合を制御す
るためのロックアップクラッチ制御用油圧制御回路とが
設けられている。変速制御用油圧制御回路は、よく知ら
れているようにソレノイドNo.1およびソレノイドNo.2に
よってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁S1およ
び第2電磁弁S2を備えており、それら第1電磁弁S1
および第2電磁弁S2の作動の組み合わせによって図2
に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に作動さ
せられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のうちのい
ずれかが成立させられるようになっている。
図である。図において、油圧制御回路44には、上記自
動変速機14のギヤ段を制御するための変速制御用油圧
制御回路と、ロックアップクラッチ32の係合を制御す
るためのロックアップクラッチ制御用油圧制御回路とが
設けられている。変速制御用油圧制御回路は、よく知ら
れているようにソレノイドNo.1およびソレノイドNo.2に
よってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁S1およ
び第2電磁弁S2を備えており、それら第1電磁弁S1
および第2電磁弁S2の作動の組み合わせによって図2
に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に作動さ
せられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のうちのい
ずれかが成立させられるようになっている。
【0021】また、上記ロックアップクラッチ制御用油
圧制御回路は、たとえば図4に示すように、ソレノイド
48によりオンオフ作動させられて切換用信号圧Pswを
発生する第3電磁弁S3と、その切換用信号圧Pswに従
ってロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側
位置とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合
側位置とに切り換えられるロックアップリレー弁52
と、変速用電子制御装置184から供給される駆動電流
ISLU に対応したスリップ制御用信号圧PSLU を発生す
るリニアソレノイド弁SLUと、リニアソレノイド弁S
LUから出力されるスリップ制御用信号圧PSLU に従っ
て係合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを
調節し、ロックアップクラッチ32のスリップ量を制御
するロックアップコントロール弁56とを備えている。
圧制御回路は、たとえば図4に示すように、ソレノイド
48によりオンオフ作動させられて切換用信号圧Pswを
発生する第3電磁弁S3と、その切換用信号圧Pswに従
ってロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側
位置とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合
側位置とに切り換えられるロックアップリレー弁52
と、変速用電子制御装置184から供給される駆動電流
ISLU に対応したスリップ制御用信号圧PSLU を発生す
るリニアソレノイド弁SLUと、リニアソレノイド弁S
LUから出力されるスリップ制御用信号圧PSLU に従っ
て係合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを
調節し、ロックアップクラッチ32のスリップ量を制御
するロックアップコントロール弁56とを備えている。
【0022】上記図4において、図示しないタンクに還
流した作動油をストレーナ58を介して吸引して圧送す
るためのポンプ60はエンジン10によって回転駆動さ
れるようになっている。ポンプ60から圧送された作動
油圧は、オーバフロー形式の第1調圧弁62により第1
ライン圧Pl1に調圧されるようになっている。この第1
調圧弁62は、図示しないスロットル弁開度検知弁から
出力されたスロットル圧に対応して大きくなる第1ライ
ン圧Pl1を発生させ、第1ライン油路64を介して出力
する。第2調圧弁66は、オーバフロー形式の調圧弁で
あって、第1調圧弁62から流出させられた作動油を上
記スロットル圧に基づいて調圧することにより、エンジ
ン10の出力トルクに対応した第2ライン圧Pl2を発生
させる。第3調圧弁68は、上記第1ライン圧Pl1を元
圧とする減圧弁であって、一定の第3ライン圧Pl3を発
生させる。また、マニュアル弁70は、シフト操作レバ
ー174がRレンジであるときには、Rレンジ圧PR を
発生する。そして、OR弁72は、第2速ギヤ段以上で
あるときに係合する前記ブレーキB2 を作動させる圧P
B2および上記Rレンジ圧PR のうちのいずれか高い側を
選択して出力する。
流した作動油をストレーナ58を介して吸引して圧送す
るためのポンプ60はエンジン10によって回転駆動さ
れるようになっている。ポンプ60から圧送された作動
油圧は、オーバフロー形式の第1調圧弁62により第1
ライン圧Pl1に調圧されるようになっている。この第1
調圧弁62は、図示しないスロットル弁開度検知弁から
出力されたスロットル圧に対応して大きくなる第1ライ
ン圧Pl1を発生させ、第1ライン油路64を介して出力
する。第2調圧弁66は、オーバフロー形式の調圧弁で
あって、第1調圧弁62から流出させられた作動油を上
記スロットル圧に基づいて調圧することにより、エンジ
ン10の出力トルクに対応した第2ライン圧Pl2を発生
させる。第3調圧弁68は、上記第1ライン圧Pl1を元
圧とする減圧弁であって、一定の第3ライン圧Pl3を発
生させる。また、マニュアル弁70は、シフト操作レバ
ー174がRレンジであるときには、Rレンジ圧PR を
発生する。そして、OR弁72は、第2速ギヤ段以上で
あるときに係合する前記ブレーキB2 を作動させる圧P
B2および上記Rレンジ圧PR のうちのいずれか高い側を
選択して出力する。
【0023】上記ロックアップリレー弁52は、解放側
油室33と連通する解放側ポート80、係合側油室35
と連通する係合側ポート82、第2ライン圧Pl2が供給
される入力ポート84、ロックアップクラッチ32の解
放時に係合側油室35内の作動油が排出される第1排出
ポート86、ロックアップクラッチ32の係合時に解放
側油室33内の作動油が排出される第2排出ポート8
8、第2調圧弁66から排出される作動油の一部がロッ
クアップクラッチ32の係合期間に冷却のために供給さ
れる供給ポート90と、それらのポートの接続状態を切
り換えるスプール弁子92と、そのスプール弁子92を
オフ側位置に向かって付勢するスプリング94と、スプ
ール弁子92のスプリング94側端部に当接可能に配置
されたプランジャ96と、それらスプール弁子92とプ
ランジャ96との端面にRレンジ圧PR を作用させるた
めにそれらの間に設けられた油室98と、プランジャ9
6の端面に作用させる第1ライン圧Pl1を受け入れる油
室100と、スプール弁子92の端面に第3電磁弁S3
からの切換用信号圧Pswを作用させてオン側位置へ向か
う推力を発生させるためにその切換用信号圧Pswを受け
入れる油室102とを備えている。
油室33と連通する解放側ポート80、係合側油室35
と連通する係合側ポート82、第2ライン圧Pl2が供給
される入力ポート84、ロックアップクラッチ32の解
放時に係合側油室35内の作動油が排出される第1排出
ポート86、ロックアップクラッチ32の係合時に解放
側油室33内の作動油が排出される第2排出ポート8
8、第2調圧弁66から排出される作動油の一部がロッ
クアップクラッチ32の係合期間に冷却のために供給さ
れる供給ポート90と、それらのポートの接続状態を切
り換えるスプール弁子92と、そのスプール弁子92を
オフ側位置に向かって付勢するスプリング94と、スプ
ール弁子92のスプリング94側端部に当接可能に配置
されたプランジャ96と、それらスプール弁子92とプ
ランジャ96との端面にRレンジ圧PR を作用させるた
めにそれらの間に設けられた油室98と、プランジャ9
6の端面に作用させる第1ライン圧Pl1を受け入れる油
室100と、スプール弁子92の端面に第3電磁弁S3
からの切換用信号圧Pswを作用させてオン側位置へ向か
う推力を発生させるためにその切換用信号圧Pswを受け
入れる油室102とを備えている。
【0024】第3電磁弁S3は、非励磁状態(オフ状
態)では油室102とOR弁72との連通をその球状弁
子が遮断し且つ油室102をドレン圧とするが、励磁状
態(オン状態)では油室102とOR弁72とを連通さ
せて切換用信号圧Pswを油室102に作用させる。この
ため、第3電磁弁S3がオフ状態であるときには、油室
102には第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが作
用させられず、スプール弁子92はスプリング94の付
勢力と油室100に作用する第1ライン圧Pl1とにした
がってオフ側位置に位置させられることから、入力ポー
ト84と解放側ポート80、係合側ポート82と第1排
出ポート86がそれぞれ連通させられるので、解放側油
室33内の油圧Poff は係合側油室35内の油圧Ponよ
りも高められてロックアップクラッチ32が解放される
と同時に、係合側油室35内の作動油は上記第1排出ポ
ート86、オイルクーラ104、および逆止弁106を
介してドレンへ排出される。
態)では油室102とOR弁72との連通をその球状弁
子が遮断し且つ油室102をドレン圧とするが、励磁状
態(オン状態)では油室102とOR弁72とを連通さ
せて切換用信号圧Pswを油室102に作用させる。この
ため、第3電磁弁S3がオフ状態であるときには、油室
102には第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが作
用させられず、スプール弁子92はスプリング94の付
勢力と油室100に作用する第1ライン圧Pl1とにした
がってオフ側位置に位置させられることから、入力ポー
ト84と解放側ポート80、係合側ポート82と第1排
出ポート86がそれぞれ連通させられるので、解放側油
室33内の油圧Poff は係合側油室35内の油圧Ponよ
りも高められてロックアップクラッチ32が解放される
と同時に、係合側油室35内の作動油は上記第1排出ポ
ート86、オイルクーラ104、および逆止弁106を
介してドレンへ排出される。
【0025】反対に、第3電磁弁S3がオン状態である
ときには、第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが油
室102に作用させられてスプール弁子92はスプリン
グ94の付勢力と油室100に作用する第1ライン圧P
l1とに抗してオン側位置に位置させられることから、入
力ポート84と係合側ポート82、解放側ポート80と
第2排出ポート88、供給ポート90と第1排出ポート
86がそれぞれ連通させられるので、係合側油室35内
の油圧Ponは解放側油室33内の油圧Poff よりも高め
られてロックアップクラッチ32が係合されると同時
に、解放側油室33内の作動油は上記第2排出ポート8
8およびロックアップコントロール弁56を介してドレ
ンへ排出される。
ときには、第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが油
室102に作用させられてスプール弁子92はスプリン
グ94の付勢力と油室100に作用する第1ライン圧P
l1とに抗してオン側位置に位置させられることから、入
力ポート84と係合側ポート82、解放側ポート80と
第2排出ポート88、供給ポート90と第1排出ポート
86がそれぞれ連通させられるので、係合側油室35内
の油圧Ponは解放側油室33内の油圧Poff よりも高め
られてロックアップクラッチ32が係合されると同時
に、解放側油室33内の作動油は上記第2排出ポート8
8およびロックアップコントロール弁56を介してドレ
ンへ排出される。
【0026】前記リニアソレノイド弁SLUは、第3調
圧弁68で発生させられる一定の第3ライン圧Pl3を元
圧とする減圧弁であって、図5に示すように変速用電子
制御装置184からの駆動電流ISLU (すなわち駆動デ
ューティ比DSLU)に伴って小さくなるスリップ制御
用信号圧PSLU を発生させ、このスリップ制御用信号圧
PSLU をロックアップコントロール弁56へ作用させ
る。リニアソレノイド弁SLUは、第3ライン圧Pl3が
供給される供給ポート110およびスリップ制御用信号
圧PSLU を出力する出力ポート112と、それらを開閉
するスプール弁子114と、そのスプール弁子114を
閉弁方向へ付勢するスプリング115と、スプール弁子
114をスプリング115よりも大きい推力で開弁方向
へ付勢するスプリング116と、駆動電流ISLU に従っ
てスプール弁子114を閉弁方向へ付勢するスリップ制
御用電磁ソレノイド118と、スプール弁子114に閉
弁方向の推力を発生させるためのフィードバック圧(ス
リップ制御用信号圧PSLU )を受け入れる油室120と
を備えており、スプール弁子114はスプリング116
による開弁方向の付勢力、電磁ソレノイド118、スプ
リング115およびフィードバック圧による閉弁方向の
付勢力とが平衡するように作動させられる。
圧弁68で発生させられる一定の第3ライン圧Pl3を元
圧とする減圧弁であって、図5に示すように変速用電子
制御装置184からの駆動電流ISLU (すなわち駆動デ
ューティ比DSLU)に伴って小さくなるスリップ制御
用信号圧PSLU を発生させ、このスリップ制御用信号圧
PSLU をロックアップコントロール弁56へ作用させ
る。リニアソレノイド弁SLUは、第3ライン圧Pl3が
供給される供給ポート110およびスリップ制御用信号
圧PSLU を出力する出力ポート112と、それらを開閉
するスプール弁子114と、そのスプール弁子114を
閉弁方向へ付勢するスプリング115と、スプール弁子
114をスプリング115よりも大きい推力で開弁方向
へ付勢するスプリング116と、駆動電流ISLU に従っ
てスプール弁子114を閉弁方向へ付勢するスリップ制
御用電磁ソレノイド118と、スプール弁子114に閉
弁方向の推力を発生させるためのフィードバック圧(ス
リップ制御用信号圧PSLU )を受け入れる油室120と
を備えており、スプール弁子114はスプリング116
による開弁方向の付勢力、電磁ソレノイド118、スプ
リング115およびフィードバック圧による閉弁方向の
付勢力とが平衡するように作動させられる。
【0027】ロックアップコントロール弁56は、前記
第2ライン圧Pl2が供給されるライン圧ポート130、
前記第2排出ポート88から排出される解放側油室33
内の作動油を受け入れる受入ポート132、その受入ポ
ート132に受け入れられた作動油を排出するためのド
レンポート134と、受入ポート132とドレンポート
134との間を連通させて解放側油室33内の作動油を
排出させることにより係合側油室35および解放側油室
33の圧力差ΔP(=Pon−Poff )を増加させる第1
位置(図4の左側位置)へ向かう方向と受入ポート13
2とライン圧ポート130との間を連通させて解放側油
室33内に第2ライン圧Pl2を供給することにより上記
ΔPを減少させる第2位置(図4の右側位置)へ向かう
方向に向かって移動可能に設けられたスプール弁子13
6と、そのスプール弁子136を第1位置に向かって付
勢するためにそのスプール弁子136に当接可能に配置
されたプランジャ138と、そのプランジャ138にス
リップ制御用信号圧PSLUを作用させて第1位置に向か
う方向の推力を発生させるためにスリップ制御用信号圧
PSLU を受け入れる信号圧油室140と、プランジャ1
38に解放側油室33内の油圧Poff を作用させてプラ
ンジャ138にスプール弁子136をその第1位置へ向
かう方向の推力を発生させるためにその油圧Poff を受
け入れる油室142と、スプール弁子136に係合側油
室35内の油圧Ponを作用させてスプール弁子136に
その第2位置へ向かう方向の推力を発生させるために油
圧Ponを受け入れる油室144と、この油室144内に
収容されてスプール弁子136をその第2位置へ向かう
方向へ付勢するスプリング146とを、備えている。
第2ライン圧Pl2が供給されるライン圧ポート130、
前記第2排出ポート88から排出される解放側油室33
内の作動油を受け入れる受入ポート132、その受入ポ
ート132に受け入れられた作動油を排出するためのド
レンポート134と、受入ポート132とドレンポート
134との間を連通させて解放側油室33内の作動油を
排出させることにより係合側油室35および解放側油室
33の圧力差ΔP(=Pon−Poff )を増加させる第1
位置(図4の左側位置)へ向かう方向と受入ポート13
2とライン圧ポート130との間を連通させて解放側油
室33内に第2ライン圧Pl2を供給することにより上記
ΔPを減少させる第2位置(図4の右側位置)へ向かう
方向に向かって移動可能に設けられたスプール弁子13
6と、そのスプール弁子136を第1位置に向かって付
勢するためにそのスプール弁子136に当接可能に配置
されたプランジャ138と、そのプランジャ138にス
リップ制御用信号圧PSLUを作用させて第1位置に向か
う方向の推力を発生させるためにスリップ制御用信号圧
PSLU を受け入れる信号圧油室140と、プランジャ1
38に解放側油室33内の油圧Poff を作用させてプラ
ンジャ138にスプール弁子136をその第1位置へ向
かう方向の推力を発生させるためにその油圧Poff を受
け入れる油室142と、スプール弁子136に係合側油
室35内の油圧Ponを作用させてスプール弁子136に
その第2位置へ向かう方向の推力を発生させるために油
圧Ponを受け入れる油室144と、この油室144内に
収容されてスプール弁子136をその第2位置へ向かう
方向へ付勢するスプリング146とを、備えている。
【0028】ここで、上記プランジャ138には、油室
142側から順に大きくなる断面積A1 およびA2 を有
する第1ランド148および第2ランド150が形成さ
れており、また、スプール弁子136には、信号圧油室
140側から断面積A3 である第3ランド152および
第4ランド154が形成されている。したがって、プラ
ンジャ138はスプール弁子136と当接して相互に一
体的に作動し、ピストン30の両側にスリップ制御用信
号圧PSLU に対応した大きさの圧力差ΔP(=Pon−P
off )が形成される。すなわち、A1 =A3 であるとす
ると、圧力差ΔPは、スリップ制御用信号圧PSLU に対
して式(ΔP=〔(A2 −A1 )/A1〕PSLU −Fs
/A1 ・・・(1) )に従って変化する。但し、Fs はス
プリング146の付勢力である。
142側から順に大きくなる断面積A1 およびA2 を有
する第1ランド148および第2ランド150が形成さ
れており、また、スプール弁子136には、信号圧油室
140側から断面積A3 である第3ランド152および
第4ランド154が形成されている。したがって、プラ
ンジャ138はスプール弁子136と当接して相互に一
体的に作動し、ピストン30の両側にスリップ制御用信
号圧PSLU に対応した大きさの圧力差ΔP(=Pon−P
off )が形成される。すなわち、A1 =A3 であるとす
ると、圧力差ΔPは、スリップ制御用信号圧PSLU に対
して式(ΔP=〔(A2 −A1 )/A1〕PSLU −Fs
/A1 ・・・(1) )に従って変化する。但し、Fs はス
プリング146の付勢力である。
【0029】図6は、上記のように構成されているロッ
クアップコントロール弁56の作動により得られる圧力
差ΔPのスリップ制御用信号圧PSLU に対する変化特性
を示している。したがって、ロックアップリレー弁52
がオン状態にあるときは、スリップ制御用信号圧PSLU
が大きくなるに伴って係合側油室35と解放側油室33
との圧力差ΔPが大きくなるので、ロックアップクラッ
チ32のスリップ回転速度NSLPが小さくされるが、
反対に、スリップ制御用信号圧PSLU が小さくなるに伴
って係合側油室35と解放側油室33との圧力差ΔPが
小さくなるので、ロックアップクラッチ32のスリップ
回転速度NSLPが大きくされる。
クアップコントロール弁56の作動により得られる圧力
差ΔPのスリップ制御用信号圧PSLU に対する変化特性
を示している。したがって、ロックアップリレー弁52
がオン状態にあるときは、スリップ制御用信号圧PSLU
が大きくなるに伴って係合側油室35と解放側油室33
との圧力差ΔPが大きくなるので、ロックアップクラッ
チ32のスリップ回転速度NSLPが小さくされるが、
反対に、スリップ制御用信号圧PSLU が小さくなるに伴
って係合側油室35と解放側油室33との圧力差ΔPが
小さくなるので、ロックアップクラッチ32のスリップ
回転速度NSLPが大きくされる。
【0030】図3に戻って、車両には、エンジン10の
回転速度NE すなわちポンプ翼車18の回転速度NP を
検出するエンジン回転速度センサ160、吸気配管を通
してエンジン10へ吸気される吸入空気量Qを検出する
吸入空気量センサ162、吸気配管を通してエンジン1
0へ吸気される吸入空気の温度TAIR を検出する吸入空
気温度センサ164、アクセルペダル165の操作によ
り開閉されるスロットル弁166の全閉状態および開度
θ1 を検出するアイドルスイッチ付スロットルセンサ1
67、自動変速機14のカウンタ軸(出力軸)40の回
転速度NOUT すなわち車速Vを検出する車速センサ16
8、エンジン10の冷却水温TWAを検出する冷却水温セ
ンサ170、ブレーキペダルが操作されたことを検出す
るブレーキセンサ172、シフト操作レバー174の操
作位置Ps すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのい
ずれかを検出するための操作位置センサ176、タービ
ン翼車22の回転速度(タービン回転速度)NT すなわ
ち自動変速機14の入力軸20の回転速度を検出するタ
ービン回転速度センサ178、油圧制御回路44の作動
油の温度TOIL を検出する油温センサ180が設けられ
ている。そして、上記各センサから出力された信号は、
エンジン用の電子制御装置182および変速用の電子制
御装置184にそれぞれ直接または間接的に供給される
ようになっている。エンジン用の電子制御装置182と
変速用の電子制御装置184とは通信インターフェイス
を介して相互連結されており、入力信号などが必要に応
じて相互に供給されるようになっている。
回転速度NE すなわちポンプ翼車18の回転速度NP を
検出するエンジン回転速度センサ160、吸気配管を通
してエンジン10へ吸気される吸入空気量Qを検出する
吸入空気量センサ162、吸気配管を通してエンジン1
0へ吸気される吸入空気の温度TAIR を検出する吸入空
気温度センサ164、アクセルペダル165の操作によ
り開閉されるスロットル弁166の全閉状態および開度
θ1 を検出するアイドルスイッチ付スロットルセンサ1
67、自動変速機14のカウンタ軸(出力軸)40の回
転速度NOUT すなわち車速Vを検出する車速センサ16
8、エンジン10の冷却水温TWAを検出する冷却水温セ
ンサ170、ブレーキペダルが操作されたことを検出す
るブレーキセンサ172、シフト操作レバー174の操
作位置Ps すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのい
ずれかを検出するための操作位置センサ176、タービ
ン翼車22の回転速度(タービン回転速度)NT すなわ
ち自動変速機14の入力軸20の回転速度を検出するタ
ービン回転速度センサ178、油圧制御回路44の作動
油の温度TOIL を検出する油温センサ180が設けられ
ている。そして、上記各センサから出力された信号は、
エンジン用の電子制御装置182および変速用の電子制
御装置184にそれぞれ直接または間接的に供給される
ようになっている。エンジン用の電子制御装置182と
変速用の電子制御装置184とは通信インターフェイス
を介して相互連結されており、入力信号などが必要に応
じて相互に供給されるようになっている。
【0031】変速用の電子制御装置184はCPU、R
OM、RAM、インターフェースなどから成る所謂マイ
クロコンピュータであって、そのCPUは、RAMの一
時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログ
ラムに従って入力信号を処理し、自動変速機14の変速
制御およびロックアップクラッチ32の係合制御を図示
しないメインルーチンに従って実行して、第1電磁弁S
1、第2電磁弁S2、第3電磁弁S3、およびリニアソ
レノイド弁SLUをそれぞれ制御する。
OM、RAM、インターフェースなどから成る所謂マイ
クロコンピュータであって、そのCPUは、RAMの一
時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログ
ラムに従って入力信号を処理し、自動変速機14の変速
制御およびロックアップクラッチ32の係合制御を図示
しないメインルーチンに従って実行して、第1電磁弁S
1、第2電磁弁S2、第3電磁弁S3、およびリニアソ
レノイド弁SLUをそれぞれ制御する。
【0032】上記変速制御では、予めROMに記憶され
た複数種類の変速線図から実際の変速ギヤ段に対応した
変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行状
態、たとえばスロットル弁開度θ1 と車速Vとに基づい
て変速ギヤ段が決定され、その変速ギヤ段が得られるよ
うに第1電磁弁S1、第2電磁弁S2が駆動されること
により、自動変速機14のクラッチC0 ,C1 ,C2 、
およびブレーキB0 ,B 1 ,B2 ,B3 の作動が制御さ
れて前進4段のうちのいずれかのギヤ段が成立させられ
る。
た複数種類の変速線図から実際の変速ギヤ段に対応した
変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行状
態、たとえばスロットル弁開度θ1 と車速Vとに基づい
て変速ギヤ段が決定され、その変速ギヤ段が得られるよ
うに第1電磁弁S1、第2電磁弁S2が駆動されること
により、自動変速機14のクラッチC0 ,C1 ,C2 、
およびブレーキB0 ,B 1 ,B2 ,B3 の作動が制御さ
れて前進4段のうちのいずれかのギヤ段が成立させられ
る。
【0033】上記ロックアップクラッチ32の係合制御
は、たとえば第3速ギヤ段、および第4速ギヤ段での走
行中に実行されるものであり、その係合制御において
は、予めROMに記憶された図7に示す関係から、車両
の走行状態たとえば出力軸回転速度(車速)Nout およ
びスロットル弁開度θ1 に基づいてロックアップクラッ
チ32の解放領域、スリップ制御領域、係合領域のいず
れであるかが判断される。このスリップ制御領域は、運
転性を損なうことなく燃費を可及的によくすることを目
的としてエンジン10のトルク変動を吸収しつつ連結さ
せるようにロックアップクラッチ32がスリップ状態に
維持される。図7は車両の加速走行中において用いられ
るものである。また、車両の減速惰行走行中でも、フュ
ーエルカット制御の制御域を拡大することを目的として
ロックアップクラッチ32のスリップ制御が実行され
る。すなわち、スロットル弁開度θ1 が零である惰行走
行状態においてフューエルカット装置による燃料遮断作
動が終了させられるまでスリップ制御が実行される。
は、たとえば第3速ギヤ段、および第4速ギヤ段での走
行中に実行されるものであり、その係合制御において
は、予めROMに記憶された図7に示す関係から、車両
の走行状態たとえば出力軸回転速度(車速)Nout およ
びスロットル弁開度θ1 に基づいてロックアップクラッ
チ32の解放領域、スリップ制御領域、係合領域のいず
れであるかが判断される。このスリップ制御領域は、運
転性を損なうことなく燃費を可及的によくすることを目
的としてエンジン10のトルク変動を吸収しつつ連結さ
せるようにロックアップクラッチ32がスリップ状態に
維持される。図7は車両の加速走行中において用いられ
るものである。また、車両の減速惰行走行中でも、フュ
ーエルカット制御の制御域を拡大することを目的として
ロックアップクラッチ32のスリップ制御が実行され
る。すなわち、スロットル弁開度θ1 が零である惰行走
行状態においてフューエルカット装置による燃料遮断作
動が終了させられるまでスリップ制御が実行される。
【0034】上記車両の走行状態が上記係合領域内にあ
ると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されてロック
アップリレー弁52がオン状態とされると同時にリニア
ソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU が最小駆動
電流(定格値)に設定されるので、ロックアップクラッ
チ32が係合させられる。また、車両の走行状態が上記
解放領域内にあると判断されると、第3電磁弁S3が非
励磁とされてロックアップリレー弁52がオフ状態とさ
れるので、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流
ISLU に拘わらず、ロックアップクラッチ32が解放さ
れる。そして、車両の走行状態が上記スリップ制御領域
内にあると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されて
ロックアップリレー弁52がオン状態とされると同時
に、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU
がたとえば式(DSLU=DFWD+KGD+DFB・
・・(2) )に従って調節される。すなわち、たとえば目
標スリップ回転速度TNSLPと実際のスリップ回転速
度NSLP(=NE −NT )との偏差ΔE(=NSLP
−TNSLP)が解消されるように駆動電流ISLU すな
わち駆動デューティ比DSLUが算出されて出力され
る。
ると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されてロック
アップリレー弁52がオン状態とされると同時にリニア
ソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU が最小駆動
電流(定格値)に設定されるので、ロックアップクラッ
チ32が係合させられる。また、車両の走行状態が上記
解放領域内にあると判断されると、第3電磁弁S3が非
励磁とされてロックアップリレー弁52がオフ状態とさ
れるので、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流
ISLU に拘わらず、ロックアップクラッチ32が解放さ
れる。そして、車両の走行状態が上記スリップ制御領域
内にあると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されて
ロックアップリレー弁52がオン状態とされると同時
に、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU
がたとえば式(DSLU=DFWD+KGD+DFB・
・・(2) )に従って調節される。すなわち、たとえば目
標スリップ回転速度TNSLPと実際のスリップ回転速
度NSLP(=NE −NT )との偏差ΔE(=NSLP
−TNSLP)が解消されるように駆動電流ISLU すな
わち駆動デューティ比DSLUが算出されて出力され
る。
【0035】上式(2) の右辺のDFWDは、たとえばエ
ンジン10の出力トルクの函数であるフィードフォワー
ド値であり、KGDは機械毎の特性などに対応して形成
される学習制御値であり、DFBはたとえば偏差ΔEの
比例値、微分値、積分値を加えたよく知られたフィード
バック制御値である。
ンジン10の出力トルクの函数であるフィードフォワー
ド値であり、KGDは機械毎の特性などに対応して形成
される学習制御値であり、DFBはたとえば偏差ΔEの
比例値、微分値、積分値を加えたよく知られたフィード
バック制御値である。
【0036】また、エンジン用の電子制御装置182
も、変速用の電子制御装置184と同様のマイクロコン
ピュータであって、そのCPUは予めROMに記憶され
たプログラムに従って入力信号を処理することにより種
々のエンジン制御を実行する。たとえば、燃料噴射量制
御では燃焼状態を最適とするために燃料噴射弁186を
制御し、点火時期制御では、遅角量を適切とするために
イグナイタ188を制御し、トラクション制御では、駆
動輪のスリップを防止して有効な駆動力および車両の安
定性を確保するためにスロットルアクチュエータ190
により第2スロットル弁192を制御し、フューエルカ
ット制御では、燃費を良くするために、惰行走行におい
てエンジン回転速度NE が予め設定されたフューエルカ
ット回転速度NCUT を上まわる期間だけ燃料噴射弁18
6を閉じる。
も、変速用の電子制御装置184と同様のマイクロコン
ピュータであって、そのCPUは予めROMに記憶され
たプログラムに従って入力信号を処理することにより種
々のエンジン制御を実行する。たとえば、燃料噴射量制
御では燃焼状態を最適とするために燃料噴射弁186を
制御し、点火時期制御では、遅角量を適切とするために
イグナイタ188を制御し、トラクション制御では、駆
動輪のスリップを防止して有効な駆動力および車両の安
定性を確保するためにスロットルアクチュエータ190
により第2スロットル弁192を制御し、フューエルカ
ット制御では、燃費を良くするために、惰行走行におい
てエンジン回転速度NE が予め設定されたフューエルカ
ット回転速度NCUT を上まわる期間だけ燃料噴射弁18
6を閉じる。
【0037】図8は、上記変速用電子制御装置184の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図
8において、車両がたとえば図7のスリップ制御領域内
の走行状態或いは減速走行状態となると、スリップ制御
手段196が、ロックアップクラッチ32の実際のスリ
ップ回転速度NSLP(=NE −NT )と、予め設定さ
れた目標スリップ回転速度TNSLPとが一致するよう
に、前式(2) の制御式により算出された制御値DSLU
を出力する。タービン回転変動振幅検出手段198は、
タービン回転速度センサ178により検出されたタービ
ン回転速度NTの変動の振幅SNT を逐次検出する。ま
た、出力軸回転変動振幅検出手段200は、出力軸回転
速度センサとして機能する車速センサ168により検出
された自動変速機14のカウンタ軸回転速度すなわち出
力軸回転速度NOUT の変動すなわち脈動の振幅SNOUT
を逐次検出する。上記タービン回転速度NT はたとえば
図13或いは図14の実線に示すものであり、上記出力
軸回転速度NOUT はたとえば図13或いは図14の破線
に示すものである。
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図
8において、車両がたとえば図7のスリップ制御領域内
の走行状態或いは減速走行状態となると、スリップ制御
手段196が、ロックアップクラッチ32の実際のスリ
ップ回転速度NSLP(=NE −NT )と、予め設定さ
れた目標スリップ回転速度TNSLPとが一致するよう
に、前式(2) の制御式により算出された制御値DSLU
を出力する。タービン回転変動振幅検出手段198は、
タービン回転速度センサ178により検出されたタービ
ン回転速度NTの変動の振幅SNT を逐次検出する。ま
た、出力軸回転変動振幅検出手段200は、出力軸回転
速度センサとして機能する車速センサ168により検出
された自動変速機14のカウンタ軸回転速度すなわち出
力軸回転速度NOUT の変動すなわち脈動の振幅SNOUT
を逐次検出する。上記タービン回転速度NT はたとえば
図13或いは図14の実線に示すものであり、上記出力
軸回転速度NOUT はたとえば図13或いは図14の破線
に示すものである。
【0038】また、変速比検出手段202は、自動変速
機14の実際の変速比iを、変速用電子制御装置184
からの変速出力、或いは自動変速機14の入力軸回転速
度(タービン回転速度)NT と出力軸回転速度NOUT と
から算出される比(NT /N OUT )などに基づいて検出
する。位相差検出手段204は、上記タービン回転速度
センサ178により検出されたタービン回転速度NT と
車速センサ168により検出されたカウンタ軸(自動変
速機14の出力軸)40の回転速度NOUT との間の位相
差Dを検出する。
機14の実際の変速比iを、変速用電子制御装置184
からの変速出力、或いは自動変速機14の入力軸回転速
度(タービン回転速度)NT と出力軸回転速度NOUT と
から算出される比(NT /N OUT )などに基づいて検出
する。位相差検出手段204は、上記タービン回転速度
センサ178により検出されたタービン回転速度NT と
車速センサ168により検出されたカウンタ軸(自動変
速機14の出力軸)40の回転速度NOUT との間の位相
差Dを検出する。
【0039】ジャダ判定手段206は、上記タービン回
転速度NT の変動の振幅SNT が、上記カウンタ軸(出
力軸)40の回転速度NOUT の変動すなわち脈動の振幅
SN OUT とそのときの自動変速機14の変速比iとの積
(SNOUT ×i)よりも大きいか否かに基づいて、スリ
ップ制御中におけるロックアップクラッチ32のジャダ
の発生を判定する。また、このジャダ判定手段206
は、前記位相差Dが予め設定された判断基準値CPHを超
えたことに基づいても、スリップ制御中におけるロック
アップクラッチ32のジャダの発生を判定する。そし
て、ジャダ判定手段206は、上記振幅SNT が積(S
NOUT ×i)よりも大きいことに基づくジャダ判定、お
よび上記位相差Dが判断基準値CPHを超えたことに基づ
くジャダ判定の一方が行われたとき、あるいは両方が行
われたときにジャダ判定出力をする。
転速度NT の変動の振幅SNT が、上記カウンタ軸(出
力軸)40の回転速度NOUT の変動すなわち脈動の振幅
SN OUT とそのときの自動変速機14の変速比iとの積
(SNOUT ×i)よりも大きいか否かに基づいて、スリ
ップ制御中におけるロックアップクラッチ32のジャダ
の発生を判定する。また、このジャダ判定手段206
は、前記位相差Dが予め設定された判断基準値CPHを超
えたことに基づいても、スリップ制御中におけるロック
アップクラッチ32のジャダの発生を判定する。そし
て、ジャダ判定手段206は、上記振幅SNT が積(S
NOUT ×i)よりも大きいことに基づくジャダ判定、お
よび上記位相差Dが判断基準値CPHを超えたことに基づ
くジャダ判定の一方が行われたとき、あるいは両方が行
われたときにジャダ判定出力をする。
【0040】スリップ制御停止手段208は、上記ジャ
ダ判定手段206によりロックアップクラッチ32のジ
ャダの発生が判定された場合は、スリップ制御手段19
6によるスリップ制御を停止させる。このスリップ制御
停止手段208は、予め設定された期間だけ上記スリッ
プ制御を停止させる。しかし、好適には、スリップ制御
停止手段208は、ロックアップクラッチ32の摩擦条
件の回復が期待できる車両状態すなわち一旦エンジンが
停止させられた後に再始動されるときまで、上記スリッ
プ制御の停止を継続させる。
ダ判定手段206によりロックアップクラッチ32のジ
ャダの発生が判定された場合は、スリップ制御手段19
6によるスリップ制御を停止させる。このスリップ制御
停止手段208は、予め設定された期間だけ上記スリッ
プ制御を停止させる。しかし、好適には、スリップ制御
停止手段208は、ロックアップクラッチ32の摩擦条
件の回復が期待できる車両状態すなわち一旦エンジンが
停止させられた後に再始動されるときまで、上記スリッ
プ制御の停止を継続させる。
【0041】図9および図10は、その変速用電子制御
装置184の制御作動の要部、すなわちスリップ制御ル
ーチンおよびフラグ切換ルーチンをそれぞれ示してお
り、それらのルーチンは相互に並列的或いは直列的に繰
り返し実行される。
装置184の制御作動の要部、すなわちスリップ制御ル
ーチンおよびフラグ切換ルーチンをそれぞれ示してお
り、それらのルーチンは相互に並列的或いは直列的に繰
り返し実行される。
【0042】図9のスリップ制御ルーチンのステップS
N1(以下、ステップを省略する)では、スリップ制御
禁止フラグXJLB1の内容が「1」にセットされてい
るか否かが判断される。このフラグXJLB1は、その
内容が「1」にセットされているときに、作動油の劣化
或いはロックアップクラッチ32の表面状態の悪化など
によってジャダが発生してスリップ制御がうまく実行さ
れない状態であることを示し、たとえば図示しないイグ
ニッションスイッチが操作されることによりクリアされ
るようになっている。
N1(以下、ステップを省略する)では、スリップ制御
禁止フラグXJLB1の内容が「1」にセットされてい
るか否かが判断される。このフラグXJLB1は、その
内容が「1」にセットされているときに、作動油の劣化
或いはロックアップクラッチ32の表面状態の悪化など
によってジャダが発生してスリップ制御がうまく実行さ
れない状態であることを示し、たとえば図示しないイグ
ニッションスイッチが操作されることによりクリアされ
るようになっている。
【0043】上記SN1の判断が肯定された場合は、前
記スリップ制御停止手段208に対応するSN8におい
て、スリップ制御中を表すためのフラグXEXEの内容
が「0」にクリアされるとともにスリップ制御が中止さ
れた後、SN9においてロックアップリレー弁52がオ
フ状態とされることにより、ロックアップクラッチ32
が解放状態とされ、スリップ制御の実行が阻止される。
しかし、上記SN1の判断が否定された場合は、SN2
においてスリップ制御が実行中であるか否かがフラグX
EXEの内容に基づいて判断される。
記スリップ制御停止手段208に対応するSN8におい
て、スリップ制御中を表すためのフラグXEXEの内容
が「0」にクリアされるとともにスリップ制御が中止さ
れた後、SN9においてロックアップリレー弁52がオ
フ状態とされることにより、ロックアップクラッチ32
が解放状態とされ、スリップ制御の実行が阻止される。
しかし、上記SN1の判断が否定された場合は、SN2
においてスリップ制御が実行中であるか否かがフラグX
EXEの内容に基づいて判断される。
【0044】当初は上記SN2の判断が否定されるの
で、SN3においてスリップ制御開始条件が満足された
か否かが判断される。このスリップ制御開始条件には、
図7のスリップ制御領域内であること或いは減速走行で
あること、およびスロットル弁開度θ1 の変化が小さい
定常状態であることなどが含まれる。このSN3の判断
が否定された場合は前記SN8以下が実行されるが、肯
定された場合は、前記スリップ制御手段196に対応す
るSN4においてスリップ制御が実行されるとともに前
記フラグXEXEの内容が「1」にセットされる。この
スリップ制御では、前式(2) から実際の制御偏差ΔEが
解消されるように制御出力値DSLUが決定され且つ出
力される。
で、SN3においてスリップ制御開始条件が満足された
か否かが判断される。このスリップ制御開始条件には、
図7のスリップ制御領域内であること或いは減速走行で
あること、およびスロットル弁開度θ1 の変化が小さい
定常状態であることなどが含まれる。このSN3の判断
が否定された場合は前記SN8以下が実行されるが、肯
定された場合は、前記スリップ制御手段196に対応す
るSN4においてスリップ制御が実行されるとともに前
記フラグXEXEの内容が「1」にセットされる。この
スリップ制御では、前式(2) から実際の制御偏差ΔEが
解消されるように制御出力値DSLUが決定され且つ出
力される。
【0045】次いで、SN5において、ジャダ判定準備
フラグXJRDYの内容が「1」にセットされているか
否かが判断される。このSN5の判断が否定された場合
は、SN6においてロックアップリレー弁52がオン状
態に切り換えられるので、上記制御出力値DSLUに従
ってスリップ制御が実行される。しかし、SN5の判断
が肯定された場合は、SN9においてロックアップリレ
ー弁52がオフ状態に切り換えられるので、スリップ制
御中モードであってもロックアップクラッチ32が解放
状態とされて、上記制御出力値DSLUの出力に拘わら
ずスリップ制御が中止される。
フラグXJRDYの内容が「1」にセットされているか
否かが判断される。このSN5の判断が否定された場合
は、SN6においてロックアップリレー弁52がオン状
態に切り換えられるので、上記制御出力値DSLUに従
ってスリップ制御が実行される。しかし、SN5の判断
が肯定された場合は、SN9においてロックアップリレ
ー弁52がオフ状態に切り換えられるので、スリップ制
御中モードであってもロックアップクラッチ32が解放
状態とされて、上記制御出力値DSLUの出力に拘わら
ずスリップ制御が中止される。
【0046】上記のようにしてフラグXEXEの内容が
一旦「1」にセットされると、次の制御サイクルにおい
てSN2の判断が肯定されるので、SN7においてスリ
ップ制御の終了条件が満足されたか否かが判断される。
このスリップ制御の終了条件には、図7のスリップ制御
領域外であること或いは減速走行でないこと、およびス
ロットル弁開度θ1 の変化が大きく過渡状態であること
などが含まれる。そして、このSN7の判断が否定され
た場合は、前記SN4以下が実行されてスリップ制御状
態が継続されるが、SN7の判断が肯定された場合は、
前記SN8以下が実行されてスリップ制御が終了させら
れる。
一旦「1」にセットされると、次の制御サイクルにおい
てSN2の判断が肯定されるので、SN7においてスリ
ップ制御の終了条件が満足されたか否かが判断される。
このスリップ制御の終了条件には、図7のスリップ制御
領域外であること或いは減速走行でないこと、およびス
ロットル弁開度θ1 の変化が大きく過渡状態であること
などが含まれる。そして、このSN7の判断が否定され
た場合は、前記SN4以下が実行されてスリップ制御状
態が継続されるが、SN7の判断が肯定された場合は、
前記SN8以下が実行されてスリップ制御が終了させら
れる。
【0047】図10のフラグ切換ルーチンにおいて、S
O1では、スリップ制御中であるか否かがフラグXEX
Eの内容に基づいて判断される。スリップ制御中でない
ときはこのSO1の判断が否定されるので、SO2にお
いてジャダ判定カウンタCJADAの内容が「0」にク
リアされた後に本ルーチンが終了させられ、上記SO1
以下の実行が繰り返される。スリップ制御中であるとき
は上記SO1の判断が肯定されるので、続くSO3にお
いてジャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」で
あるか否かが判断される。
O1では、スリップ制御中であるか否かがフラグXEX
Eの内容に基づいて判断される。スリップ制御中でない
ときはこのSO1の判断が否定されるので、SO2にお
いてジャダ判定カウンタCJADAの内容が「0」にク
リアされた後に本ルーチンが終了させられ、上記SO1
以下の実行が繰り返される。スリップ制御中であるとき
は上記SO1の判断が肯定されるので、続くSO3にお
いてジャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」で
あるか否かが判断される。
【0048】上記SO3の判断が否定された場合、すな
わちロックアップクラッチ32のスリップ制御中の場合
は、SO4、SO5、SO6において悪路判定カウンタ
CAKURO、経過時間タイマCTJDC、良路判定タ
イマCTJDC3の内容が「0」にクリアされ、続くS
O7において、図11に示すジャダ判定カウンタCJA
DAのカウントアップルーチンが実行される。このジャ
ダ判定カウンタCJADAは、予め設定された一定の時
間間隔毎にクリアされ、その時間間隔内でタービン回転
速度NT の回転変動の数、たとえば回転変動の屈曲点と
なる上ピーク点および下ピーク点を繰り返し計数するも
のであり、その一定の時間間隔が相互にずらされて並列
的に作動する複数個のジャダ判定カウンタが用意されて
いる。
わちロックアップクラッチ32のスリップ制御中の場合
は、SO4、SO5、SO6において悪路判定カウンタ
CAKURO、経過時間タイマCTJDC、良路判定タ
イマCTJDC3の内容が「0」にクリアされ、続くS
O7において、図11に示すジャダ判定カウンタCJA
DAのカウントアップルーチンが実行される。このジャ
ダ判定カウンタCJADAは、予め設定された一定の時
間間隔毎にクリアされ、その時間間隔内でタービン回転
速度NT の回転変動の数、たとえば回転変動の屈曲点と
なる上ピーク点および下ピーク点を繰り返し計数するも
のであり、その一定の時間間隔が相互にずらされて並列
的に作動する複数個のジャダ判定カウンタが用意されて
いる。
【0049】図12は、上記図11のカウントアップル
ーチンにおけるジャダ判定カウンタCJADAの計数作
動の対象となるタービン回転速度NT の回転変動などを
検出するために一定の周期たとえば4ms程度の割り込
み周期で繰り返し実行されるタービン回転変動検出ルー
チンを示している。図12のSW1においてタービン回
転速度センサ178により検出されたタービン回転速度
NT が読み込まれる。続くSW2では、よく知られたピ
ーク判定アルゴリズムに従ってタービン回転速度NT の
屈曲点(上ピーク点および下ピーク点)PT が検出され
たか否かが判断される。このSW2の判断が否定された
場合は後述のSW5以下が実行されるが、肯定された場
合は、時間軸に沿って隣接する屈曲点PT 間の時間間隔
すなわち回転変動の半周期DTJがSW3において算出
される。そして、前記タービン回転変動振幅検出手段1
98に対応するSW4において、時間軸に沿って隣接す
る屈曲点PT 間における回転速度値の差分すなわち振幅
SNT が算出される。すなわち、タービン回転速度NT
の回転変動すなわち屈曲点PT の検出、回転変動の半周
期DTJおよび回転変動の振幅SNT の算出がたとえば
4ms周期で逐次行われるのである。
ーチンにおけるジャダ判定カウンタCJADAの計数作
動の対象となるタービン回転速度NT の回転変動などを
検出するために一定の周期たとえば4ms程度の割り込
み周期で繰り返し実行されるタービン回転変動検出ルー
チンを示している。図12のSW1においてタービン回
転速度センサ178により検出されたタービン回転速度
NT が読み込まれる。続くSW2では、よく知られたピ
ーク判定アルゴリズムに従ってタービン回転速度NT の
屈曲点(上ピーク点および下ピーク点)PT が検出され
たか否かが判断される。このSW2の判断が否定された
場合は後述のSW5以下が実行されるが、肯定された場
合は、時間軸に沿って隣接する屈曲点PT 間の時間間隔
すなわち回転変動の半周期DTJがSW3において算出
される。そして、前記タービン回転変動振幅検出手段1
98に対応するSW4において、時間軸に沿って隣接す
る屈曲点PT 間における回転速度値の差分すなわち振幅
SNT が算出される。すなわち、タービン回転速度NT
の回転変動すなわち屈曲点PT の検出、回転変動の半周
期DTJおよび回転変動の振幅SNT の算出がたとえば
4ms周期で逐次行われるのである。
【0050】次いで、SW5では、車速センサ168に
より検出された出力軸回転速度NOU T が読み込まれると
ともに、続くSW6では、よく知られたピーク判定アル
ゴリズムに従って出力軸回転速度NOUT の屈曲点(上ピ
ーク点および下ピーク点)P OUT が検出されたか否かが
判断される。このSW6の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、前記出
力軸回転変動振幅検出手段200に対応するSW7にお
いて、時間軸に沿って隣接する屈曲点POUT 間における
回転速度値の差分すなわち振幅SNOUT が算出される。
より検出された出力軸回転速度NOU T が読み込まれると
ともに、続くSW6では、よく知られたピーク判定アル
ゴリズムに従って出力軸回転速度NOUT の屈曲点(上ピ
ーク点および下ピーク点)P OUT が検出されたか否かが
判断される。このSW6の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、前記出
力軸回転変動振幅検出手段200に対応するSW7にお
いて、時間軸に沿って隣接する屈曲点POUT 間における
回転速度値の差分すなわち振幅SNOUT が算出される。
【0051】次いで、前記位相差検出手段204に対応
するSW8において、タービン回転速度センサ178に
より検出されたタービン回転速度NT と車速センサ16
8により検出されたカウンタ軸(自動変速機14の出力
軸)40の回転速度NOUT との間の位相差Dを検出す
る。たとえば、タービン回転速度NT の屈曲点PT の発
生時刻をtT とし、その屈曲点PT に最も近い出力軸回
転速度NOUT の屈曲点P OUT の発生時刻をtOUT とする
と、上記位相差Dは屈曲点PT の発生時刻tT と屈曲点
POUT の発生時刻tOUT との時間差(tOUT −tT )を
求めることにより決定される。そして、前記変速比検出
手段202に対応するSW9において、自動変速機14
の実際の変速比i(=NT /NOUT )が算出される。こ
の実際の変速比iは、自動変速機14の入力軸回転速度
(タービン回転速度)NT と出力軸回転速度NOUT とか
ら算出されてもよいが、変速用電子制御装置184から
の変速出力に基づいて検出されてもよい。
するSW8において、タービン回転速度センサ178に
より検出されたタービン回転速度NT と車速センサ16
8により検出されたカウンタ軸(自動変速機14の出力
軸)40の回転速度NOUT との間の位相差Dを検出す
る。たとえば、タービン回転速度NT の屈曲点PT の発
生時刻をtT とし、その屈曲点PT に最も近い出力軸回
転速度NOUT の屈曲点P OUT の発生時刻をtOUT とする
と、上記位相差Dは屈曲点PT の発生時刻tT と屈曲点
POUT の発生時刻tOUT との時間差(tOUT −tT )を
求めることにより決定される。そして、前記変速比検出
手段202に対応するSW9において、自動変速機14
の実際の変速比i(=NT /NOUT )が算出される。こ
の実際の変速比iは、自動変速機14の入力軸回転速度
(タービン回転速度)NT と出力軸回転速度NOUT とか
ら算出されてもよいが、変速用電子制御装置184から
の変速出力に基づいて検出されてもよい。
【0052】図11に示すカウントアップルーチンで
は、SO72乃至SO75における5つの判断が肯定さ
れることを条件として、タービン回転速度NT の回転変
動すなわちその屈曲点PT の発生毎にジャダ判定カウン
タCJADAが計数されるようになっている。すなわ
ち、SO71ではタービン回転速度NT の屈曲点PT が
発生したか否かが判断される。このSO71の判断が否
定された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定さ
れた場合はSO72において、今回のサイクルで検出さ
れたタービン回転速度NT の回転変動の振幅SNT が予
め設定された振幅範囲SNT ≧tKDNTJAを満足す
るものであるか否かが判断される。この振幅範囲を定め
る判断基準値tKDNTJAは、ジャダに起因する回転
変動を確実に検出するために予め実験的に求められた値
であり、たとえば30rpm程度の値が用いられる。
は、SO72乃至SO75における5つの判断が肯定さ
れることを条件として、タービン回転速度NT の回転変
動すなわちその屈曲点PT の発生毎にジャダ判定カウン
タCJADAが計数されるようになっている。すなわ
ち、SO71ではタービン回転速度NT の屈曲点PT が
発生したか否かが判断される。このSO71の判断が否
定された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定さ
れた場合はSO72において、今回のサイクルで検出さ
れたタービン回転速度NT の回転変動の振幅SNT が予
め設定された振幅範囲SNT ≧tKDNTJAを満足す
るものであるか否かが判断される。この振幅範囲を定め
る判断基準値tKDNTJAは、ジャダに起因する回転
変動を確実に検出するために予め実験的に求められた値
であり、たとえば30rpm程度の値が用いられる。
【0053】上記SO72の判断が否定された場合は本
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSO7
3において、今回のサイクルで検出されたタービン回転
速度NT の回転変動の振幅変化値|SNT −SNT -1|
が予め設定された振幅変化範囲|SNT −SNT -1|<
ΔSNAを満足するか否か、すなわち判断基準値ΔSN
Aより小さいか否かが判断される。この判断基準値ΔS
NAは、路面の凹凸による回転変動が振幅変化を伴うも
のであることを利用してそれによる回転変動を除外する
ために予め実験的に求められた値であり、たとえば9r
pm程度の値が用いられる。
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSO7
3において、今回のサイクルで検出されたタービン回転
速度NT の回転変動の振幅変化値|SNT −SNT -1|
が予め設定された振幅変化範囲|SNT −SNT -1|<
ΔSNAを満足するか否か、すなわち判断基準値ΔSN
Aより小さいか否かが判断される。この判断基準値ΔS
NAは、路面の凹凸による回転変動が振幅変化を伴うも
のであることを利用してそれによる回転変動を除外する
ために予め実験的に求められた値であり、たとえば9r
pm程度の値が用いられる。
【0054】上記SO73の判断が否定された場合は本
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSO7
4において、今回のサイクルで検出されたタービン回転
速度NT の回転変動の半周期DTJが予め設定された周
期変化範囲tKDTJA≦DTJ≦tKDTJBを満足
するか否かが判断される。この周期範囲を定める判断基
準値tKDTJAおよびtKDTJBは、ジャダが固有
の回転変動周期を有するものであることを利用してその
ジャダにより回転変動を確実に検出するために予め実験
的に求められた値であり、たとえば4ms程度の値およ
び20ms程度の値がそれぞれ用いられる。
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSO7
4において、今回のサイクルで検出されたタービン回転
速度NT の回転変動の半周期DTJが予め設定された周
期変化範囲tKDTJA≦DTJ≦tKDTJBを満足
するか否かが判断される。この周期範囲を定める判断基
準値tKDTJAおよびtKDTJBは、ジャダが固有
の回転変動周期を有するものであることを利用してその
ジャダにより回転変動を確実に検出するために予め実験
的に求められた値であり、たとえば4ms程度の値およ
び20ms程度の値がそれぞれ用いられる。
【0055】上記SO74の判断が否定された場合は本
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSO7
5において、回転変動が自動変速機14の入力側から出
力側へ伝達されている状態であるか否かが判断される。
すなわち、前記タービン回転速度NT の変動の振幅SN
T が、前記出力軸回転速度NOUT の変動の振幅SNOU T
とそのときの自動変速機14の実際の変速比iとの積
(SNOUT ×i)よりも大きいか否かという第1の判断
と、タービン回転速度NT の変動と出力軸回転速度N
OUT の変動との間の位相差Dが予め設定された判断基準
値CPHを超えたか否かという第2の判断とが実行され
る。このSO75の第1の判断および第2の判断の少な
くとも一方が肯定されたときに、続くSO76が実行さ
れる。
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSO7
5において、回転変動が自動変速機14の入力側から出
力側へ伝達されている状態であるか否かが判断される。
すなわち、前記タービン回転速度NT の変動の振幅SN
T が、前記出力軸回転速度NOUT の変動の振幅SNOU T
とそのときの自動変速機14の実際の変速比iとの積
(SNOUT ×i)よりも大きいか否かという第1の判断
と、タービン回転速度NT の変動と出力軸回転速度N
OUT の変動との間の位相差Dが予め設定された判断基準
値CPHを超えたか否かという第2の判断とが実行され
る。このSO75の第1の判断および第2の判断の少な
くとも一方が肯定されたときに、続くSO76が実行さ
れる。
【0056】自動変速機14の伝達要素の捩じれ、回転
要素の慣性、作動油の粘性、歯車のバックラッシュなど
の影響により、自動変速機14の入力側および出力側の
一方から他方へ伝播する周期的な回転速度変動は減衰す
ると同時に位相遅れが発生する性質があることから、ロ
ックアップクラッチ32のスリップ制御中において、路
面の凹凸に起因する回転変動は自動変速機14の出力側
から入力側へ伝達されるため、図13の実線に示すよう
にタービン回転速度NT が変動し、破線に示すように出
力軸回転速度NOUT ×iが変動する一方、ロックアップ
クラッチ32のジャダに起因する回転変動は自動変速機
14の入力側から出力側へ伝達されるため、図14の実
線に示すようにタービン回転速度NT が変動し、破線に
示すように出力軸回転速度NOUT ×iが変動する。すな
わち、回転変動が自動変速機14の入力側から出力側へ
伝達される場合は、逆方向のときと比較して、SNT が
(SNOUT ×i)よりも大きくなるとともに、位相差D
(=tOUT −tT )が正となるのである。したがって、
上記SO75は、そのような性質を利用して、回転変動
が自動変速機14の入力側から出力側へ伝達されている
状態、すなわちジャダに起因する回転変動が発生してい
る状態を、タービン回転速度NT の振幅SN T と出力軸
回転速度NOUT の修正振幅(SNOUT ×i)との相互関
係、およびそれら回転速度NT とNOUT との間の位相差
Dに基づいて判定しているのである。
要素の慣性、作動油の粘性、歯車のバックラッシュなど
の影響により、自動変速機14の入力側および出力側の
一方から他方へ伝播する周期的な回転速度変動は減衰す
ると同時に位相遅れが発生する性質があることから、ロ
ックアップクラッチ32のスリップ制御中において、路
面の凹凸に起因する回転変動は自動変速機14の出力側
から入力側へ伝達されるため、図13の実線に示すよう
にタービン回転速度NT が変動し、破線に示すように出
力軸回転速度NOUT ×iが変動する一方、ロックアップ
クラッチ32のジャダに起因する回転変動は自動変速機
14の入力側から出力側へ伝達されるため、図14の実
線に示すようにタービン回転速度NT が変動し、破線に
示すように出力軸回転速度NOUT ×iが変動する。すな
わち、回転変動が自動変速機14の入力側から出力側へ
伝達される場合は、逆方向のときと比較して、SNT が
(SNOUT ×i)よりも大きくなるとともに、位相差D
(=tOUT −tT )が正となるのである。したがって、
上記SO75は、そのような性質を利用して、回転変動
が自動変速機14の入力側から出力側へ伝達されている
状態、すなわちジャダに起因する回転変動が発生してい
る状態を、タービン回転速度NT の振幅SN T と出力軸
回転速度NOUT の修正振幅(SNOUT ×i)との相互関
係、およびそれら回転速度NT とNOUT との間の位相差
Dに基づいて判定しているのである。
【0057】そして、上記SO75の判断が否定される
と本ルーチンが終了させられるが、肯定されると、SO
76においてジャダ判定カウンタCJADAの内容に
「1」が加算されるのである。
と本ルーチンが終了させられるが、肯定されると、SO
76においてジャダ判定カウンタCJADAの内容に
「1」が加算されるのである。
【0058】図10に戻って、上記において詳しく説明
したSO7のカウントアップルーチンに続くSO8で
は、ジャダ判定カウンタCJADAの内容が予め設定さ
れた判断基準値tKNJADAに到達したか否かが判断
される。この判断基準値tKNJADAは、運転性或い
はスリップ制御に影響する程度の回転変動すなわちジャ
ダを予備判定するために予め実験的に求められた値であ
る。本実施例では、上記SO7およびSO8が前記ジャ
ダ判定手段206に実質的に対応している。
したSO7のカウントアップルーチンに続くSO8で
は、ジャダ判定カウンタCJADAの内容が予め設定さ
れた判断基準値tKNJADAに到達したか否かが判断
される。この判断基準値tKNJADAは、運転性或い
はスリップ制御に影響する程度の回転変動すなわちジャ
ダを予備判定するために予め実験的に求められた値であ
る。本実施例では、上記SO7およびSO8が前記ジャ
ダ判定手段206に実質的に対応している。
【0059】このSO8の判断が否定された場合は未だ
ジャダが確実に判定されない状態であるので本ルーチン
が終了させられるが、肯定された場合は、SO9におい
てジャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」にセ
ットされた後、本ルーチンが終了させられる。このよう
にジャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」にセ
ットされると、前記SN5の判断が肯定されてロックア
ップリレー弁52がオフ状態に切り換えられ、実行中の
スリップ制御が停止させられる。図15および図16の
t1 時点はこの状態を示している。なお、図15は、悪
路判定が行われた場合の作動を示すタイムチャートであ
り、図16は、最終的にジャダ判定が行われた場合の作
動を示すタイムチャートである。
ジャダが確実に判定されない状態であるので本ルーチン
が終了させられるが、肯定された場合は、SO9におい
てジャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」にセ
ットされた後、本ルーチンが終了させられる。このよう
にジャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」にセ
ットされると、前記SN5の判断が肯定されてロックア
ップリレー弁52がオフ状態に切り換えられ、実行中の
スリップ制御が停止させられる。図15および図16の
t1 時点はこの状態を示している。なお、図15は、悪
路判定が行われた場合の作動を示すタイムチャートであ
り、図16は、最終的にジャダ判定が行われた場合の作
動を示すタイムチャートである。
【0060】上記のようにしてジャダ判定準備フラグX
JRDYの内容が「1」にセットされると、次の制御サ
イクルではSO3の判断が肯定されるので、続くSO1
0において、前記SO8においてジャダが予備的に判定
されてからの経過時間を計数する経過時間タイマCTJ
DCの内容に「1」が計数された後、SO11において
その経過時間タイマCTJDCの内容が予め設定された
第1経過時間tKTJDC1以上となったか否かが判断
される。この第1経過時間tKTJDC1は、スリップ
制御の中止が実行されてからロックアップクラッチ32
が確実に解放されるまでの遅れ時間に相当するように設
定された値であり、たとえば0.2秒程度の値が採用さ
れる。これにより、悪路判定カウンタCAKUROによ
り計数されるタービン回転速度の変動数に対するロック
アップクラッチ32の摩擦変動の影響が除去され、専ら
路面による影響でタービン回転速度NT が変動させられ
るようになる。
JRDYの内容が「1」にセットされると、次の制御サ
イクルではSO3の判断が肯定されるので、続くSO1
0において、前記SO8においてジャダが予備的に判定
されてからの経過時間を計数する経過時間タイマCTJ
DCの内容に「1」が計数された後、SO11において
その経過時間タイマCTJDCの内容が予め設定された
第1経過時間tKTJDC1以上となったか否かが判断
される。この第1経過時間tKTJDC1は、スリップ
制御の中止が実行されてからロックアップクラッチ32
が確実に解放されるまでの遅れ時間に相当するように設
定された値であり、たとえば0.2秒程度の値が採用さ
れる。これにより、悪路判定カウンタCAKUROによ
り計数されるタービン回転速度の変動数に対するロック
アップクラッチ32の摩擦変動の影響が除去され、専ら
路面による影響でタービン回転速度NT が変動させられ
るようになる。
【0061】当初は上記SO11の判断が否定されるの
で本ルーチンが終了させられるが、上記第1経過時間t
KTJDC1以上の時間が経過すると、それ以後の悪路
判定カウンタCAKUROの計数が許可されるので、S
O12において悪路判定カウンタCAKUROのカウン
トアップが行われる。図15および図16のt2 時点は
この状態を示す。この悪路判定カウンタCAKURO
は、ジャダ判定カウンタCJADAと同様にジャダ判定
時のタービン回転速度の変動数を計数するものである
が、クリアの操作があるまでは計数を継続する。次い
で、SO13では、前記経過時間タイマCTJDCの内
容が予め設定された第2経過時間tKTJDC2と同じ
値となったか否かが判断される。この第2経過時間tK
TJDC2は、路面の凹凸の影響を判定するために予め
設定された必要かつ充分な時間であり、たとえば0.7
秒程度の値が採用される。
で本ルーチンが終了させられるが、上記第1経過時間t
KTJDC1以上の時間が経過すると、それ以後の悪路
判定カウンタCAKUROの計数が許可されるので、S
O12において悪路判定カウンタCAKUROのカウン
トアップが行われる。図15および図16のt2 時点は
この状態を示す。この悪路判定カウンタCAKURO
は、ジャダ判定カウンタCJADAと同様にジャダ判定
時のタービン回転速度の変動数を計数するものである
が、クリアの操作があるまでは計数を継続する。次い
で、SO13では、前記経過時間タイマCTJDCの内
容が予め設定された第2経過時間tKTJDC2と同じ
値となったか否かが判断される。この第2経過時間tK
TJDC2は、路面の凹凸の影響を判定するために予め
設定された必要かつ充分な時間であり、たとえば0.7
秒程度の値が採用される。
【0062】当初は上記SO13の判断が否定されるの
で、SO14において経過時間タイマCTJDCの内容
が予め設定された第2経過時間tKTJDC2以上とな
ったか否かが判断される。当初はこのSO14の判断も
否定されるので、本ルーチンが終了させられる。
で、SO14において経過時間タイマCTJDCの内容
が予め設定された第2経過時間tKTJDC2以上とな
ったか否かが判断される。当初はこのSO14の判断も
否定されるので、本ルーチンが終了させられる。
【0063】上記のステップが繰り返し実行されるう
ち、経過時間タイマCTJDCの内容が予め設定された
第2経過時間tKTJDC2に到達すると、SO13の
判断が肯定されて、SO15において悪路判定カウンタ
CAKUROの内容が予め設定された悪路判断基準値t
KNAKURO以上であるか否かが判断される。悪路で
ある場合は路面に凹凸が多く存在するために上記SO1
5の判断が肯定されるので、SO16において悪路判定
カウンタCAKUROの内容がクリアされた後、本ルー
チンが終了させられる。図15のt3 時点はこの状態を
示している。
ち、経過時間タイマCTJDCの内容が予め設定された
第2経過時間tKTJDC2に到達すると、SO13の
判断が肯定されて、SO15において悪路判定カウンタ
CAKUROの内容が予め設定された悪路判断基準値t
KNAKURO以上であるか否かが判断される。悪路で
ある場合は路面に凹凸が多く存在するために上記SO1
5の判断が肯定されるので、SO16において悪路判定
カウンタCAKUROの内容がクリアされた後、本ルー
チンが終了させられる。図15のt3 時点はこの状態を
示している。
【0064】一方、ジャダ判定準備フラグXJRDYの
内容が「1」とされているスリップ制御中止期間におい
て上記悪路判定カウンタCAKUROの内容が悪路判断
基準値tKNAKUROに到達しない場合は、前記SO
15の判断が否定される。このような場合は、前記ジャ
ダ判定カウンタCJADAはロックアップクラッチ32
のジャダ現象による回転変動を計数したものであること
が明らかであるから、SO17においてスリップ制御禁
止フラグXJLB1の内容が「1」にセットされる。図
16のt3 時点はこの状態を示している。これにより、
前記SN1の判断が肯定されるので、それまでジャダ判
定準備フラグXJRDYの内容が「1」とされることに
より中止されていたスリップ制御が、スリップ制御禁止
フラグXJLB1の内容が「1」とされることにより更
に継続してスリップ制御が停止される。本実施例では、
上記SO17がスリップ制御停止手段208の主要部に
対応している。このスリップ制御停止手段208は、図
示しないステップによりイグニションキーが再びオン側
へ操作されたときに上記スリップ制御禁止フラグXJL
B1の内容を「0」にクリアする。すなわち、イグニシ
ョンキーが再びオン側へ操作されるまでスリップ制御を
継続的に停止させる。
内容が「1」とされているスリップ制御中止期間におい
て上記悪路判定カウンタCAKUROの内容が悪路判断
基準値tKNAKUROに到達しない場合は、前記SO
15の判断が否定される。このような場合は、前記ジャ
ダ判定カウンタCJADAはロックアップクラッチ32
のジャダ現象による回転変動を計数したものであること
が明らかであるから、SO17においてスリップ制御禁
止フラグXJLB1の内容が「1」にセットされる。図
16のt3 時点はこの状態を示している。これにより、
前記SN1の判断が肯定されるので、それまでジャダ判
定準備フラグXJRDYの内容が「1」とされることに
より中止されていたスリップ制御が、スリップ制御禁止
フラグXJLB1の内容が「1」とされることにより更
に継続してスリップ制御が停止される。本実施例では、
上記SO17がスリップ制御停止手段208の主要部に
対応している。このスリップ制御停止手段208は、図
示しないステップによりイグニションキーが再びオン側
へ操作されたときに上記スリップ制御禁止フラグXJL
B1の内容を「0」にクリアする。すなわち、イグニシ
ョンキーが再びオン側へ操作されるまでスリップ制御を
継続的に停止させる。
【0065】上記のようにSO13の判断が一旦肯定さ
れた以後では、SO14の判断条件が常に満足されるの
で、続くSO18において、悪路判定カウンタCAKU
ROの内容が予め設定された良路判断基準値tKNRY
ORO以上であるか否かが判断される。当初はこのSO
18の判断が否定されるので、SO19において良路判
定タイマCTJDC3の内容に「1」が加算された後、
SO20において良路判定タイマCTJDC3の内容が
予め設定された第3経過時間tKTJDC3以上となっ
たか否かが判断される。この第3経過時間tKTJDC
3は、路面の凹凸に関連したタービン回転速度NT の回
転変動数が良路と判定できる程度に少ない状態か否かを
判定できるように予め定められた時間幅である。当初
は、このSO20の判断も否定されるので本ルーチンが
終了させられる。
れた以後では、SO14の判断条件が常に満足されるの
で、続くSO18において、悪路判定カウンタCAKU
ROの内容が予め設定された良路判断基準値tKNRY
ORO以上であるか否かが判断される。当初はこのSO
18の判断が否定されるので、SO19において良路判
定タイマCTJDC3の内容に「1」が加算された後、
SO20において良路判定タイマCTJDC3の内容が
予め設定された第3経過時間tKTJDC3以上となっ
たか否かが判断される。この第3経過時間tKTJDC
3は、路面の凹凸に関連したタービン回転速度NT の回
転変動数が良路と判定できる程度に少ない状態か否かを
判定できるように予め定められた時間幅である。当初
は、このSO20の判断も否定されるので本ルーチンが
終了させられる。
【0066】上記のステップが繰り返し実行されるう
ち、悪路判定カウンタCAKUROの内容が予め設定さ
れた良路判断基準値tKNRYORO以上となると、S
O18の判断が肯定されるので、SO22およびSO2
3において悪路判定カウンタCAKUROの内容および
上記良路判定タイマCTJDC3の内容がクリアされた
後、本ルーチンが終了させられる。図15のt4 時点は
この状態を示す。
ち、悪路判定カウンタCAKUROの内容が予め設定さ
れた良路判断基準値tKNRYORO以上となると、S
O18の判断が肯定されるので、SO22およびSO2
3において悪路判定カウンタCAKUROの内容および
上記良路判定タイマCTJDC3の内容がクリアされた
後、本ルーチンが終了させられる。図15のt4 時点は
この状態を示す。
【0067】しかし、以上のステップが繰り返し実行さ
れるうち、良路判定タイマCTJDC3の内容が予め設
定された第3経過時間tKTJDC3以上となると前記
SO20の判断が肯定されるので、SO21においてジ
ャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「0」にクリア
される。これにより、前記SN5の判断が否定されてS
N6のスリップ制御が再開される。図15のt5 時点は
この状態を示す。
れるうち、良路判定タイマCTJDC3の内容が予め設
定された第3経過時間tKTJDC3以上となると前記
SO20の判断が肯定されるので、SO21においてジ
ャダ判定準備フラグXJRDYの内容が「0」にクリア
される。これにより、前記SN5の判断が否定されてS
N6のスリップ制御が再開される。図15のt5 時点は
この状態を示す。
【0068】上述のように、本実施例によれば、タービ
ン回転変動振幅検出手段198に対応するSW4により
タービン翼車22の回転速度NT の変動の振幅SNT が
検出され、出力軸回転変動振幅検出手段200に対応す
るSW7により自動変速機14のカウンタ軸(出力軸)
40の回転速度NOUT の変動の振幅SNOUT が検出さ
れ、変速比検出手段202に対応するSW9により自動
変速機14の実際の変速比iが検出される。そして、ジ
ャダ判定手段206に対応するSO75によって、ター
ビン回転速度NT の変動の振幅SNT が、自動変速機1
4の出力回転速度NOUT の変動の振幅SNOUT とその自
動変速機14の実際の変速比iとの積(SNOUT ×i)
よりも大きいことに基づいてロックアップクラッチ32
のジャダが判定される。したがって、本実施例によれ
ば、サスペンションや車体の振動を検出するための振動
センサを設ける必要がなく、変速制御などのために自動
変速機に設けられる回転センサからの回転速度信号を利
用できるので、装置の構造が簡単となる。また、路面か
らサスペンションを介して伝達される振動を用いること
がなく、自動変速機14のタービン回転速度NT の変動
および出力軸回転速度N OUT の変動のそれぞれの振幅S
NT およびSNOUT が用いられるので、車体の重量、寸
法、車輪の空気圧の影響を受けることがなく、ジャダ判
定手段206によるジャダ判定の精度が大幅に高められ
る。
ン回転変動振幅検出手段198に対応するSW4により
タービン翼車22の回転速度NT の変動の振幅SNT が
検出され、出力軸回転変動振幅検出手段200に対応す
るSW7により自動変速機14のカウンタ軸(出力軸)
40の回転速度NOUT の変動の振幅SNOUT が検出さ
れ、変速比検出手段202に対応するSW9により自動
変速機14の実際の変速比iが検出される。そして、ジ
ャダ判定手段206に対応するSO75によって、ター
ビン回転速度NT の変動の振幅SNT が、自動変速機1
4の出力回転速度NOUT の変動の振幅SNOUT とその自
動変速機14の実際の変速比iとの積(SNOUT ×i)
よりも大きいことに基づいてロックアップクラッチ32
のジャダが判定される。したがって、本実施例によれ
ば、サスペンションや車体の振動を検出するための振動
センサを設ける必要がなく、変速制御などのために自動
変速機に設けられる回転センサからの回転速度信号を利
用できるので、装置の構造が簡単となる。また、路面か
らサスペンションを介して伝達される振動を用いること
がなく、自動変速機14のタービン回転速度NT の変動
および出力軸回転速度N OUT の変動のそれぞれの振幅S
NT およびSNOUT が用いられるので、車体の重量、寸
法、車輪の空気圧の影響を受けることがなく、ジャダ判
定手段206によるジャダ判定の精度が大幅に高められ
る。
【0069】また、本実施例によれば、タービン回転速
度センサ178により検出されたタービン翼車22の回
転速度NT の変動と車速センサ(出力軸回転速度セン
サ)168により検出された自動変速機14のカウンタ
軸40の回転速度NOUT の変動との間の位相差Dが、位
相差検出手段204に対応するSW8により検出され
る。そして、ジャダ判定手段206に対応するSO75
により、その位相差Dが所定の判断基準値CPHを超えた
ことに基づいてロックアップクラッチ32のジャダが判
定される。したがって、この点においても、サスペンシ
ョンや車体の振動を検出するための振動センサを設ける
必要がなく、変速制御などのために自動変速機に設けら
れる回転センサからの信号を利用できるので、装置の構
造が簡単となるとともに、路面からサスペンションを介
して伝達される振動を用いることがなく、自動変速機1
4のタービン翼車22の回転速度変動および出力軸の回
転速度変動が用いられるので、車体の重量、寸法、車輪
の空気圧の影響を受けることがなく、ジャダ判定手段2
06によるジャダ判定の精度が大幅に高められる。
度センサ178により検出されたタービン翼車22の回
転速度NT の変動と車速センサ(出力軸回転速度セン
サ)168により検出された自動変速機14のカウンタ
軸40の回転速度NOUT の変動との間の位相差Dが、位
相差検出手段204に対応するSW8により検出され
る。そして、ジャダ判定手段206に対応するSO75
により、その位相差Dが所定の判断基準値CPHを超えた
ことに基づいてロックアップクラッチ32のジャダが判
定される。したがって、この点においても、サスペンシ
ョンや車体の振動を検出するための振動センサを設ける
必要がなく、変速制御などのために自動変速機に設けら
れる回転センサからの信号を利用できるので、装置の構
造が簡単となるとともに、路面からサスペンションを介
して伝達される振動を用いることがなく、自動変速機1
4のタービン翼車22の回転速度変動および出力軸の回
転速度変動が用いられるので、車体の重量、寸法、車輪
の空気圧の影響を受けることがなく、ジャダ判定手段2
06によるジャダ判定の精度が大幅に高められる。
【0070】また、本実施例では、ジャダ判定手段20
6に対応するSO8によりジャダが判定された場合は、
スリップ制御停止手段208が、それ以後においてロッ
クアップクラッチ32の摩擦条件の回復が期待できる車
両状態、たとえば一旦エンジンが停止させられてから再
始動されるときまでスリップ制御手段196によるスリ
ップ制御を継続して停止させることから、ジャダが一旦
発生したときには、ジャダの原因が解消されるまでロッ
クアップクラッチ32のジャダが繰り返し発生しない利
点がある。
6に対応するSO8によりジャダが判定された場合は、
スリップ制御停止手段208が、それ以後においてロッ
クアップクラッチ32の摩擦条件の回復が期待できる車
両状態、たとえば一旦エンジンが停止させられてから再
始動されるときまでスリップ制御手段196によるスリ
ップ制御を継続して停止させることから、ジャダが一旦
発生したときには、ジャダの原因が解消されるまでロッ
クアップクラッチ32のジャダが繰り返し発生しない利
点がある。
【0071】また、本実施例では、良路判定手段に対応
するSO20において、路面の凹凸による振動の少ない
良路であると判定されると、SO21によってスリップ
制御が復帰させられるので、連続した凹凸路面に起因し
たスリップ制御の中止および実施の繰り返しが防止さ
れ、車両の走行性が高められる。
するSO20において、路面の凹凸による振動の少ない
良路であると判定されると、SO21によってスリップ
制御が復帰させられるので、連続した凹凸路面に起因し
たスリップ制御の中止および実施の繰り返しが防止さ
れ、車両の走行性が高められる。
【0072】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0073】たとえば、前述の実施例では、ジャダ判定
手段206に含まれるSO75において、前記タービン
回転速度NT の変動の振幅SNT が、前記出力軸回転速
度N OUT の変動の振幅SNOUT とそのときの自動変速機
14の実際の変速比iとの積(SNOUT ×i)よりも大
きいか否かという第1の判断と、タービン回転速度N T
の変動と出力軸回転速度NOUT の変動との間の位相差D
が予め設定された判断基準値CPHを超えたか否かという
第2の判断との少なくとも一方が肯定されたときに、続
くSO76が実行されるように構成されていたが、それ
ら第1の判断および第2の判断の一方だけが実行されて
も差支えないし、それら第1の判断および第2の判断が
共に肯定されたときに続くSO76以降が実行されるよ
うにしてジャダ判定準備フラグXJRDYが「1」にセ
ットされるようにしてもよい。このようにすれば、ジャ
ダ判定の信頼性が一層高められる利点がある。
手段206に含まれるSO75において、前記タービン
回転速度NT の変動の振幅SNT が、前記出力軸回転速
度N OUT の変動の振幅SNOUT とそのときの自動変速機
14の実際の変速比iとの積(SNOUT ×i)よりも大
きいか否かという第1の判断と、タービン回転速度N T
の変動と出力軸回転速度NOUT の変動との間の位相差D
が予め設定された判断基準値CPHを超えたか否かという
第2の判断との少なくとも一方が肯定されたときに、続
くSO76が実行されるように構成されていたが、それ
ら第1の判断および第2の判断の一方だけが実行されて
も差支えないし、それら第1の判断および第2の判断が
共に肯定されたときに続くSO76以降が実行されるよ
うにしてジャダ判定準備フラグXJRDYが「1」にセ
ットされるようにしてもよい。このようにすれば、ジャ
ダ判定の信頼性が一層高められる利点がある。
【0074】また、前述の実施例のSO75において
は、SNT >(SNOUT ×i)という判断が実行されて
いたが、SNT /SNOUT >iであってもよい。実質的
に同じであるからである。
は、SNT >(SNOUT ×i)という判断が実行されて
いたが、SNT /SNOUT >iであってもよい。実質的
に同じであるからである。
【0075】また、前述の実施例のSO75において、
SNT >(SNOUT ×i)という判断に替えて、SNT
>(SNOUT ×i)+C1 (但し、C1 は余裕値などを
示す定数)であってもよく、また、SNT /SNOUT >
C2 (但し、C2 は余裕率などを含むiよりも大きい定
数)であってもよい。このようにしても、タービン回転
速度NT の変動の振幅SNT が前記出力軸回転速度N
OUT の変動の振幅SNOU T とそのときの自動変速機14
の実際の変速比iとの積(SNOUT ×i)よりも大きい
か否かという判断と実質的に同じである。
SNT >(SNOUT ×i)という判断に替えて、SNT
>(SNOUT ×i)+C1 (但し、C1 は余裕値などを
示す定数)であってもよく、また、SNT /SNOUT >
C2 (但し、C2 は余裕率などを含むiよりも大きい定
数)であってもよい。このようにしても、タービン回転
速度NT の変動の振幅SNT が前記出力軸回転速度N
OUT の変動の振幅SNOU T とそのときの自動変速機14
の実際の変速比iとの積(SNOUT ×i)よりも大きい
か否かという判断と実質的に同じである。
【0076】また、前述の実施例のSO75において、
タービン回転速度NT の変動と出力軸回転速度NOUT の
変動との間の位相差Dが予め設定された判断基準値CPH
を超えたか否かという判断が実行されていたが、タービ
ン回転速度NT の変動の屈曲点PT の発生時刻をtT と
し、出力軸回転速度NOUT の変動の屈曲点POUT の発生
時刻をtOUT としたとき、tOUT >tT +CPH(但し、
CPHは余裕値などを示す定数)が判断されてもよい。上
記位相差Dは(tOUT −tT )であるから、実質的にD
>CPHを判断していることになるのである。
タービン回転速度NT の変動と出力軸回転速度NOUT の
変動との間の位相差Dが予め設定された判断基準値CPH
を超えたか否かという判断が実行されていたが、タービ
ン回転速度NT の変動の屈曲点PT の発生時刻をtT と
し、出力軸回転速度NOUT の変動の屈曲点POUT の発生
時刻をtOUT としたとき、tOUT >tT +CPH(但し、
CPHは余裕値などを示す定数)が判断されてもよい。上
記位相差Dは(tOUT −tT )であるから、実質的にD
>CPHを判断していることになるのである。
【0077】また、前述の実施例のSO75では、上記
SNT /SNOUT >i、SNT >(SNOUT ×i)+C
1 、SNT /SNOUT >C2 、tOUT >tT +CPHの判
断がすべて肯定されたときにSO76以降を実行させる
ものであってもよい。このようにすれば、ジャダ判定に
関して一層高い信頼性が得られる。
SNT /SNOUT >i、SNT >(SNOUT ×i)+C
1 、SNT /SNOUT >C2 、tOUT >tT +CPHの判
断がすべて肯定されたときにSO76以降を実行させる
ものであってもよい。このようにすれば、ジャダ判定に
関して一層高い信頼性が得られる。
【0078】また、前述の実施例において、ジャダ判定
カウンタCJADAをカウントアップさせるために設け
られた図11のカウントアップルーチンにおいて、SO
72、SO73、SO74の判断条件は適宜除去されて
も差支えない。
カウンタCJADAをカウントアップさせるために設け
られた図11のカウントアップルーチンにおいて、SO
72、SO73、SO74の判断条件は適宜除去されて
も差支えない。
【0079】また、前述の実施例において、ジャダ判定
カウンタCJADAの計数内容が予め設定された値tK
NJADAに到達したと判断されると(SO8)、ジャ
ダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」にセットさ
れる(SO9)ことによりスリップ制御が中止され(S
N9)、その後、スリップ制御の中止期間におけるター
ビン回転速度NT の変動の数が予め設定された値tKN
RYOROを下まわったことが判定された(SO15)
場合は、スリップ制御中ではジャダに基づいて回転変動
が発生したことが明らかであることから、ジャダ判定フ
ラグXJLB1の内容が「1」にセットされて(SO1
7)、スリップ制御が継続的に停止されるようになって
いたが、SO75の判断の信頼性が得られる場合には、
SO76、SO8を除去することにより、SO75の判
断が肯定された場合にはSO9が直接的に実行されても
よい。
カウンタCJADAの計数内容が予め設定された値tK
NJADAに到達したと判断されると(SO8)、ジャ
ダ判定準備フラグXJRDYの内容が「1」にセットさ
れる(SO9)ことによりスリップ制御が中止され(S
N9)、その後、スリップ制御の中止期間におけるター
ビン回転速度NT の変動の数が予め設定された値tKN
RYOROを下まわったことが判定された(SO15)
場合は、スリップ制御中ではジャダに基づいて回転変動
が発生したことが明らかであることから、ジャダ判定フ
ラグXJLB1の内容が「1」にセットされて(SO1
7)、スリップ制御が継続的に停止されるようになって
いたが、SO75の判断の信頼性が得られる場合には、
SO76、SO8を除去することにより、SO75の判
断が肯定された場合にはSO9が直接的に実行されても
よい。
【0080】また、本実施例のSO9においては、ジャ
ダ判定準備フラグXJRDYの内容を「1」にセットす
る作動が実行されていたが、それに替えて、スリップ制
御禁止フラグXJLB1の内容を「1」にセットする作
動を直接的に実行させてもよい。このような場合には、
SO10乃至SO23が除去されても差支えない。
ダ判定準備フラグXJRDYの内容を「1」にセットす
る作動が実行されていたが、それに替えて、スリップ制
御禁止フラグXJLB1の内容を「1」にセットする作
動を直接的に実行させてもよい。このような場合には、
SO10乃至SO23が除去されても差支えない。
【0081】また、本実施例によれば、タービン回転速
度センサ178により検出されたタービン回転速度NT
が用いられていたが、たとえば、タービン翼車22に直
接若しくは間接的に連結されている回転部材、たとえば
自動変速機14の入力軸20の回転速度が用いられ得
る。要するに、実質的に、タービン回転速度NT の変動
が用いられればよいのである。同様に、自動変速機14
のカウンタ軸(出力軸)40の回転速度NOUT に替え
て、そのカウンタ軸40に直接若しくは間接的に連結さ
れている回転部材、たとえばプロペラシャフトの回転速
度、車軸の回転速度、車輪の回転速度などが用いられ得
る。要するに、実質的に、自動変速機14の出力軸回転
速度NOUT の変動が用いられればよいのである。
度センサ178により検出されたタービン回転速度NT
が用いられていたが、たとえば、タービン翼車22に直
接若しくは間接的に連結されている回転部材、たとえば
自動変速機14の入力軸20の回転速度が用いられ得
る。要するに、実質的に、タービン回転速度NT の変動
が用いられればよいのである。同様に、自動変速機14
のカウンタ軸(出力軸)40の回転速度NOUT に替え
て、そのカウンタ軸40に直接若しくは間接的に連結さ
れている回転部材、たとえばプロペラシャフトの回転速
度、車軸の回転速度、車輪の回転速度などが用いられ得
る。要するに、実質的に、自動変速機14の出力軸回転
速度NOUT の変動が用いられればよいのである。
【0082】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図1】本発明の一実施例のスリップ制御装置が適用さ
れた車両用動力伝達装置を示す図である。
れた車両用動力伝達装置を示す図である。
【図2】図1のロックアップクラッチ付トルクコンバー
タを備えた自動変速機において、第1電磁弁および第2
電磁弁の作動の組み合わせとそれにより得られる変速段
との関係を説明する図表である。
タを備えた自動変速機において、第1電磁弁および第2
電磁弁の作動の組み合わせとそれにより得られる変速段
との関係を説明する図表である。
【図3】図1の車両に備えられている制御装置の構成を
説明するブロック線図である。
説明するブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路の要部構成を説明する図で
ある。
ある。
【図5】図4のリニアソレノイド弁の出力特性を示す図
である。
である。
【図6】図4の油圧制御回路に設けられたスリップ制御
弁の特性であって、係合用油室および解放用油室との圧
力差ΔPとスリップ制御用信号圧PSLU との関係を説明
する図である。
弁の特性であって、係合用油室および解放用油室との圧
力差ΔPとスリップ制御用信号圧PSLU との関係を説明
する図である。
【図7】図3の変速用電子制御装置に記憶されている、
車両の走行状態とロックアップクラッチの係合状態との
関係を示す図である。
車両の走行状態とロックアップクラッチの係合状態との
関係を示す図である。
【図8】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
説明する機能ブロック線図である。
【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明するフローチャートであって、スリップ制御ルーチ
ンを示す図である。
説明するフローチャートであって、スリップ制御ルーチ
ンを示す図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部
を説明するフローチャートであって、フラグ切換ルーチ
ンを示す図である。
を説明するフローチャートであって、フラグ切換ルーチ
ンを示す図である。
【図11】図10のカウントアップルーチンを説明する
フローチャートである。
フローチャートである。
【図12】図11に用いられるタービン回転速度NT の
回転変動の屈曲点、振幅、振幅変化、周期を算出する割
り込みルーチンを説明するフローチャートである。
回転変動の屈曲点、振幅、振幅変化、周期を算出する割
り込みルーチンを説明するフローチャートである。
【図13】スリップ制御中において路面の凹凸に起因し
て発生する回転変動を示すタイムチャートであり、実線
はタービン回転速度NT を、破線は出力軸回転速度N
OUTと変速比iとの積をそれぞれ示している。
て発生する回転変動を示すタイムチャートであり、実線
はタービン回転速度NT を、破線は出力軸回転速度N
OUTと変速比iとの積をそれぞれ示している。
【図14】スリップ制御中においてロックアップクラッ
チのジャダに起因して発生する回転変動を示すタイムチ
ャートであり、実線はタービン回転速度NT を、破線は
出力軸回転速度NOUT と変速比iとの積をそれぞれ示し
ている。
チのジャダに起因して発生する回転変動を示すタイムチ
ャートであり、実線はタービン回転速度NT を、破線は
出力軸回転速度NOUT と変速比iとの積をそれぞれ示し
ている。
【図15】図10の各カウンタおよびフラグに関して、
悪路判定が行われる場合の作動を説明するタイムチャー
トである。
悪路判定が行われる場合の作動を説明するタイムチャー
トである。
【図16】図10の各カウンタおよびフラグに関して、
ジャダ判定が行われる場合の作動を説明するタイムチャ
ートである。
ジャダ判定が行われる場合の作動を説明するタイムチャ
ートである。
10:エンジン 14:自動変速機 22:タービン翼車 32:ロックアップクラッチ 168:車速センサ(出力軸回転速度センサ) 178:タービン回転速度センサ 196:スリップ制御手段 198:タービン回転変動振幅検出手段 200:出力軸回転変動振幅検出手段 202:変速比検出手段 204:位相差検出手段 206:ジャダ判定手段 208:スリップ制御停止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:48 59:70 (56)参考文献 特開 平7−42768(JP,A) 特開 平4−224363(JP,A) 特開 平5−172240(JP,A) 特開 昭60−151457(JP,A) 特開 昭63−303257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/14
Claims (2)
- 【請求項1】 ポンプ翼車とタービン翼車との間に設け
られたロックアップクラッチと、該ロックアップクラッ
チを介してエンジンの出力トルクが入力される自動変速
機とを有する車両において、前記ロックアップクラッチ
のスリップ回転速度が所定の値となるように制御するス
リップ制御手段を備えた車両用ロックアップクラッチの
スリップ制御装置であって、 前記タービン翼車の回転速度変動の振幅を検出するター
ビン回転変動振幅検出手段と、 前記自動変速機の出力軸の回転速度変動の振幅を検出す
る出力軸回転変動振幅検出手段と、 前記自動変速機の実際の変速比を検出する変速比検出手
段と、 前記タービン翼車の回転速度変動の振幅が、前記自動変
速機の出力軸の回転速度変動の振幅と前記自動変速機の
実際の変速比との積よりも大きいことに基づいて前記ロ
ックアップクラッチのジャダを判定するジャダ判定手段
とを、含むことを特徴とする車両用ロックアップクラッ
チのスリップ制御装置。 - 【請求項2】 ポンプ翼車とタービン翼車との間に設け
られたロックアップクラッチと、該ロックアップクラッ
チを介してエンジンの出力トルクが入力される自動変速
機とを有する車両において、前記ロックアップクラッチ
のスリップ回転速度が所定の値となるように制御するス
リップ制御手段を備えた車両用ロックアップクラッチの
スリップ制御装置であって、 前記タービン翼車の回転速度を検出するタービン回転速
度センサと、 前記自動変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回
転速度センサと、 前記タービン翼車の回転速度の変動と前記自動変速機の
出力軸の回転速度変動との間の位相差を検出する位相差
検出手段と、 該位相差検出手段により検出された位相差が所定の判断
基準値を超えたことに基づいて前記ロックアップクラッ
チのジャダを判定するジャダ判定手段とを、含むことを
特徴とする車両用ロックアップクラッチのスリップ制御
装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14700095A JP3191619B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 |
US08/539,070 US5620390A (en) | 1994-10-07 | 1995-10-04 | Motor vehicle lock-up clutch control apparatus, having means for detecting clutch judder with high accuracy |
EP95115799A EP0705997B1 (en) | 1994-10-07 | 1995-10-06 | Motor vehicle lock-up clutch control apparatus, having means for detecting clutch judder with high accuracy |
DE69501579T DE69501579T2 (de) | 1994-10-07 | 1995-10-06 | Kraftfahrzeug-Überbrückungskupplungssteuerung mit Einrichtungen zur hochgenauen Erfassung von Kupplungsrupfen |
KR1019950034618A KR0163376B1 (ko) | 1994-10-07 | 1995-10-07 | 고 정확도로 록크-업 클러치의 조더를 판정하는 수단을 가진 차량용 록크-업 클러치의 슬립 제어 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14700095A JP3191619B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08338524A JPH08338524A (ja) | 1996-12-24 |
JP3191619B2 true JP3191619B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=15420320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14700095A Expired - Fee Related JP3191619B2 (ja) | 1994-10-07 | 1995-06-14 | 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3191619B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6624723B2 (en) | 2001-07-10 | 2003-09-23 | Radio Frequency Systems, Inc. | Multi-channel frequency multiplexer with small dimension |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5297368B2 (ja) * | 2009-12-25 | 2013-09-25 | 本田技研工業株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
-
1995
- 1995-06-14 JP JP14700095A patent/JP3191619B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6624723B2 (en) | 2001-07-10 | 2003-09-23 | Radio Frequency Systems, Inc. | Multi-channel frequency multiplexer with small dimension |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08338524A (ja) | 1996-12-24 |
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---|---|---|---|
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