JP2605897B2 - 車両用無段変速機の速度比制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の速度比制御装置

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JP2605897B2 JP31819089A JP31819089A JP2605897B2 JP 2605897 B2 JP2605897 B2 JP 2605897B2 JP 31819089 A JP31819089 A JP 31819089A JP 31819089 A JP31819089 A JP 31819089A JP 2605897 B2 JP2605897 B2 JP 2605897B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用無段変速機の速度比制御装置に関す
るものである。
従来の技術 エンジンの回転を無段階に変速して駆動輪へ伝達する
無段変速機は、通常、アクセルぺダル操作量(スロット
ル弁開度)および車速に基づいて決定された目標値が達
成されるように速度比が制御されるため、車両の急制動
時などにおいては速度比が充分に最減速側へ変更され得
ない。これに対し、特開昭58−170958号公報に記載され
ているように、制動時でも確実に最減速側まで速度比を
変化させるために、ブレーキの作動信号が入力されたと
きに無段変速機のダウンシフトを開始させるようにする
装置が提供されている。この速度比制御装置では、ブレ
ーキの操作からエンジンブレーキの必要を予見して直ち
に速度比を最減速側へ変化させるので、軽い制動操作の
ように運転者が望まないときにも速度比が最減速側へ変
化させられることになり、違和感が生じる欠点があっ
た。
上記に対し、特開昭62−122834号に記載されているよ
うに、車両のブレーキが作用して大きな減速度が発生す
ると、その車両減速度に応じて通常の場合よりも目標回
転速度または目標速度比を大幅に変更することが提案さ
れている。これによれば、速度比制御の目標値と実際値
との偏差が大きくなって速度比が速やかに最減速側へ変
化させられる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の速度比制御装置では、たとえば
目標回転速度をそれまでよりも大幅に高めて積極的に偏
差を拡大することにより速度比を速やかに最減速側へ変
化させるように構成されているため、エンジンブレーキ
感を生じることになって運転性が損なわれる不都合があ
った。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、車両のブレーキ操作時に
おいて無段変速機の速度比を速やかに最減速側へ変化さ
せ且つエンジンブレーキ感を生じない速度比制御装置を
提供することにある。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、エンジンの回転を無段階に変速して駆動輪へ伝達す
る車両用無段変速機において、車両の制動操作時におい
て前記無断変速機の速度比を速やかに最減速側へ変化さ
せる速度比制御装置であって、(a)前記車両の車速を
検出する車速検出手段と、(b)前記車両の減速度を検
出する減速度検出手段と、(c)車速が大きいほど判断
基準値が大きな値とされた予め求められた車速と判断基
準値との関係から前記車速に基づいて判断基準値を決定
し、前記減速度がその判断基準値を超えると、前記速度
比を速やかに最減速側へ変化させる制御手段とを、含む
ことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、たとえば、車両の制動時において
最大速度で速度比を最減速側へ変化させても不要なエン
ジンブレーキを発生させない最大減速度に対応した判断
基準値を各車速毎に求めることにより構成され、車速が
大きいほど判断基準値が大きな値とされた予め求められ
た車速と判断基準値との関係を用い、その関係から実際
の車速に基づいて判断基準値が決定され、実際の減速度
がその判断基準値を超えると速度比が最大変化速度で最
減速側へ変化させられる。このため、制動時には、その
ときの車速と減速度に応じて無段変速機の速度比が速や
かに最減速側へ変化させられるとともに、エンジンブレ
ーキ感の発生が解消されて運転性が損なわれない。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、エンジン10の動力は、ロックアップ
クラッチ付流体継手12、ベルト式無段変速機(以下、CV
Tという)14、前後進切換装置16、中間ギヤ装置18、お
よび差動歯車装置20を経て駆動軸22に連結された駆動輪
24へ伝達されるようになっている。
流体継手12は、エンジン10のクランク軸26と接続され
ているポンプ羽根車28と、CVT14の入力軸30に固定され
ポンプ羽根車28からのオイルにより回転させられるター
ビン羽根車32と、ダンパ34を介して入力軸30に固定され
たロックアップクラッチ36と、係合側油路322に接続さ
れた係合側油室33および解放側油路324に接続された解
放側油室35とを備えている。流体継手12内は常時作動軸
で満たされており、たとえば車速、エンジン回転速度、
またはタービン羽根車32の回転速度が所定値以上になる
と係合側油室33へ作動油が供給されるとともに解放側油
室35から作動油が流出されることにより、ロックアップ
クラッチ36が係合して、クランク軸26と入力軸30とが直
結状態にされる。反対に、上記車速等が所定値以下にな
ると、解放側油室35へ作動油が供給されるとともに係合
側油室33から作動油が流出されることにより、ロックア
ップクラッチ36が解放される。
CVT14は、その入力軸30および出力軸38にそれぞれ設
けられた同径の可変プーリ40および42と、それら可変プ
ーリ40および42に巻き掛けられた伝動ベルト44とを備え
ている。可変プーリ40および42は、入力軸30および出力
軸38にそれぞれ固定された固定回転体46および48と、入
力軸30および出力軸38にそれぞれ軸方向の移動可能かつ
軸回りの相対回転不能に設けられた可動回転体50および
52とから成り、可動回転体50および52が油圧アクチュエ
ータとして機能する一次側油圧シリンダ54および二次側
油圧シリンダ56によって移動させられることによりV溝
幅すなわち伝動ベルト44の掛り径(有効径)が変更され
て、CVT14の速度比e(=出力軸38の回転速度Nout/入力
軸30の回転速度Nin)が変更されるようになっている。
可変プーリ40および42は同径であるため、上記油圧シリ
ンダ54および56は同様と受圧面積を備えている。通常、
油圧シリンダ54および56のうちの従動側に位置するもの
の圧力は伝動ベルト44の張力と関連させられており、後
述と第2調圧弁102によって調圧される第2ライン油圧P
l2が従動側油圧シリンダに供給されることにより、伝動
ベルト44が、その滑りが発生しない範囲で最適なベルト
張力に維持される。
前後進切換装置16は、よく知られたダブルピニオン型
遊星歯車機構であって、その出力軸58に固定されたキャ
リア60により回転可能に支持され且つ互いに噛み合う一
対の遊星ギア62および64と、前後進切換装置16の入力軸
(CVT14の出力軸)38に固定され且つ内周側の遊星ギヤ6
2と噛み合うサンギヤ66と、外周側の遊星ギヤ64と噛み
合うリングギア68と、リングギヤ68の回転を停止するた
めの後進用ブレーキ70と、上記キャリア60と前後進切換
装置16の入力軸38とを連結する前進用クラッチ72とを備
えている。後進用ブレーキ70および前進用クラッチ72は
油圧により作動させられる形式の摩擦係合装置であっ
て、それらが共に係合しない状態では前後進切換装置16
が中立状態とされて動力伝達が遮断される。しかし、前
進用クラッチ72係合させられると、CVT14の出力軸38と
前後進切換装置16の出力軸58とが直結されて車両前進方
向の動力が伝達される。また、後進用ブレーキ70が係合
させられると、CVT14の出力軸38と前後進切換装置16の
出力軸58との間で回転方向が反転されるので、車両後進
方向の動力が伝達される。
第2図に示す油圧制御回路は、上記車両用動力伝達装
置を制御するためのものであり、特願平1−33141号に
記載された油圧制御回路と同様に構成されている。第3
図は第2図の車両用動力伝達装置を制御するための油圧
制御回路のうち、CVT14の速度比eを制御する変速制御
弁装置260を主として示している。図において、第1調
圧弁100により調圧された第1ライン油圧Pl1、および第
2調圧弁102により第1ライン油圧Pl1よりも所定圧低く
調圧された第2ライン油圧Pl2は、CVT14の速度比eを調
節するために、変速制御弁装置260により一次側油圧シ
リンダ54および二次側油圧シリンダ56の一方または他方
へ選択的に供給されるようになっている。上記変速制御
弁装置260は変速方向切換弁262および流量制御弁(変速
速度切換弁)264から構成されている。なお、それら変
速方向切換弁262および流量制御弁264を駆動するための
第4ライン油圧Pl4は第4調圧弁170により第1ライン油
圧Pl1に基づいて発生させられるようになっている。
変速方向切換弁262は、第1電磁弁266によって制御さ
れるスプール弁であって、流量制御弁264との間を接続
する第1接続路270、第1絞り271を有する第2接続路27
2、第3接続路274、第4接続路276の4本にそれぞれ連
通するポート278a,278c,278e,278gと、ドレンに連通す
るドレンポート278bと、第1ライン油圧Pl1が供給され
るポート278dと、第2ライン油圧Pl2が供給されるポー
ト278fと、移動ストロークの一端(第3図の上端)であ
る第1位置と移動ストロークの他端(第3図の下端)で
ある第2位置との間において摺動可能に配置されたスプ
ール弁子280と、このスプール弁子280を第2位置に向か
って付勢するスプリング282とを備えている。上記スプ
ール弁子280には、各ポート間を開閉するための4つの
ランド279a,279b,279c,279dが設けられている。上記ス
プール弁子280のスプリング282側の端面は大気に開放さ
れているために油圧が作用されていない。しかし、スプ
ール弁子280の下端側の端面には、第1電磁弁266のオフ
状態、すなわち閉状態では第4調圧弁170により調圧さ
れた第4ライン油圧Pl4が作用させられるが、オン状
態、すなわち開状態では絞り284よりも下流側が排圧さ
れて第4ライン油圧Pl4が作用しない状態となる。この
ため、第1電磁弁266がオン状態である期間は、スプー
ル弁子280が第2位置に位置させられてポート278aとポ
ート278bとの間、ポート278dとポート278eとの曲がそれ
ぞれ開かれるとともに、ポート278dと278cとの間および
ポート278fと278gとの間が閉じれられるが、第1電磁弁
266がオフ状態である期間はスプール弁子280が第1位置
に位置させられて上記と逆の切換え状態となる。
前記流量制御弁264は、第2電磁弁268によって制御さ
れるスプール弁であって、前記第1接続路270、第2接
続路272、第3接続路274、第4接続路276の4本にそれ
ぞれ連通するポート286a,286c,286d,286fと、一次側油
圧シリンダ54に連通するポート286bと、二次側油圧シリ
ンダ56に連通するポート286eと、移動ストロークの一端
(第3図の上端)である第1位置と移動ストロークの他
端(第3図の下端)である第2位置との間において摺動
可能に配設されたスプール弁子288と、このスプール弁
子288を第2位置に向かって付勢するスプリング290とを
備えている。上記スプール弁子288には、各ポート間を
開閉するための4つのランド287a,287b,287c,287dが設
けられている。このうち、ランド287bとランド287cの2
つのランドは、機能的には1つのランドであるものが、
絞り294を設けるために分割して構成されたものであ
る。したがって、実質的には3つのランド(287aと287b
および287cと287dと)がスプール弁子288に設けられて
いることになる。変速方向切換弁262と同様に上記スプ
ール弁子288のスプリング290側の端面は大気に開放され
ているために油圧が作用されていない。しかし、スプー
ル弁子288の下端側の端面には、第2電磁弁268のオフ状
態、すなわち閉状態では第4調圧弁170により調圧され
た第4ライン油圧Pl4が作用させられるが、オン状態、
すなわち開状態では絞り292よりも下流側が排圧されて
第4ライン油圧Pl4が作用しない状態となる。このた
め、第2電磁弁268がオン状態(デューティ比が100%)
である期間は、スプール弁子288が第2位置に位置させ
られてポート286cとポート286bとの間、ポート286fと28
6eとの間がそれぞれ開かれるとともに、ポート286aと28
6bとの間およびポート286dと286eとの間が閉じられる
が、第2電磁弁268がオフ状態(デューティ比が0%)
である期間はスプール弁子288が第1位置に位置させら
れて上記と逆の切換え状態となる。なお、第2電磁弁26
8がオフ状態である期間においてポート286cと286bが絞
り294を通して僅かに連通させられている。そして、二
次側油圧シリンダ56は互いに並列な絞り296およびチェ
ック弁298を備えたバイパス油路295を介して第2ライン
油路82と接続されている。なお、このチェック弁298
は、弁座299の開口を開閉する弁子301と、この弁子301
を弁座299に向かって付勢するスプリング303とを備えて
おり、第2ライン油路82側へ向かう流通は阻止するが、
二次側油圧シリンダ56側へ向かう流通は許容する機能を
備えている。上記の互いに並列な絞り296およびチェッ
ク弁298は、二次側油圧シリンダ56内を相対的に高圧側
とする減速変速のときや、エンジンブレーキ走行時にお
いて、二次側油圧シリンダ56へ第1ライン油圧Pl1が供
給されたとき、二次側油圧シリンダ56内油圧Pout(=Pl
1)が第2ライン油路82へ大量に流出して低下しないよ
うにするためのものである。
したがって、第1電磁弁266がオンである状態では、
第3図の実線の矢印に示すように、第1ライン油路80内
の作動油は、ポート278d、ポート278e、第3接続路27
4、ポート286d、ポート286e、二次側油路302を通して二
次側油圧シリンダ56へ流入させられる一方、一次側油圧
シリンダ54内の作動油は、一次側油路300、ポート286
b、ポート286a、第1接続路270、ポート278a、ポート27
8bを通してドレンへ排出される。このことから、第1電
磁弁266がオンであるとCVT14の速度比eは減速方向へ変
化させられ、第2電磁弁268がオンであると緩やかな減
速変速、第2電磁弁268がオフであると速やかな減速変
速となる。
反対に、第1電磁弁266がオフである状態では、第3
図の破線の矢印に示すように、第1ライン油路80内の作
動油は、ポート278d、ポート278c、第2接続路272、ポ
ート286c、ポート286b、一次側油路300を通して一次側
油圧シリンダ54へ流入させられる一方、二次側油圧シリ
ンダ56内の作動油は、二次側油路302、ポート286e、ポ
ート286f、第4接続路276、ポート278g、ポート278fを
通して第2ライン油路82へ排出される。このことから、
CVT14の速度比eは増速方向へ変化させられ、第2電磁
弁268がオフであると緩やかな増速変速、第2電磁弁268
がオンであると速やかな増速変速となる。なお、一次側
油路300において、第1調圧弁100へ向かう分岐油路305
の分岐点と流量制御弁264のポート286bとの間には、第
2絞り273が設けられている。
第2図において、電子制御装置460は、本実施例の制
御手段として機能するものであって、図中の油圧制御回
路における前記第1電磁弁266および第2電磁弁268や、
ロックアップクラッチ36の係合制御のための第3電磁弁
330、第4電磁弁346を駆動することにより、CVT14の速
度比eおよび流体継手12のロックアップクラッチ36など
を制御する。電子制御装置460は、CPU、RAM、ROM等から
成る所謂マイクロコンピュータを備えており、それに
は、駆動輪24の回転速度を検出する車速センサ462、CVT
14の入力軸30および出力軸38の回転速度をそれぞれ検出
する入力軸回転センサ464および出力軸回転センサ466、
エンジン10の吸気配管に設けられたスロットル弁の開度
を検出するスロットル弁開度センサ468、シフトレバー2
52の操作位置を検出するための操作位置センサ470、ブ
レーキペダルの操作を検出するためのブレーキスイッィ
472から、車速vを表す信号、入力軸回転速度Ninを表す
信号、出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットル弁開
度θthを表す信号、シフトレバー252の操作位置Psを表
す信号、ブレーキ操作を表す信号がそれぞれ供給され
る。電子制御位置460内のCPUはRAMの一時記憶機能を利
用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って入力
信号を処理し、前記第1電磁弁266、第2電磁弁268、第
3電磁弁330、第4電磁弁346を駆動するための信号を出
力する。
電子制御装置460においては、たとえば第4図のメイ
ンルーチンに従い、ステップS1にて先ず初期化が実行さ
れ、次いでステップS2にて各センサからの入力信号等が
読み込まれる一方、その読み込まれた信号に基づいて車
速(所謂駆動輪車速)v、入力軸30の回転速度Nin、出
力軸38の回転速度Noutが算出されるとともに、それらN
inおよびNoutからCVT14の速度比eが算出される。本実
施例では、上記ステップS2が車速検出手段に対応する。
そして、ステップS3において、上記の入力信号条件に従
って、フェイルセーフ制御、ロックアップクラッチ36の
ロックアップ制御、CVT14の通常の変速制御(速度比フ
ィードバック制御)、車両制動時の急停止制御などのい
ずれを実行するかが判断され、続くステップS4、S5、S
6、S7においてフェイルセーフ制御、ロックアップクラ
ッチ36のロックアップ制御、CVT14の変速制御、車両制
動時などのための急停止制御が順次あるいは選択的に実
行されるとともに、上記の制御を実行するためにステッ
プS8において制御値が出力されて前記第1電磁弁266、
第2電磁弁268、第3電磁弁330、第4電磁弁346がそれ
ぞれ駆動される。
上記フェイルセーフ制御は、入力信号などの異常が検
出されたときに実行される。上記ロックアップ制御で
は、シフトレバー252がPまたはNレンジへ操作された
とき、車速vが予め定められた値よりも低くなったとき
などにおいてロックアップクラッチ36を解放する。上記
CVT14の変速制御では、たとえば燃費率および運転性を
両立させるための最適曲線に沿ってエンジン10が作動す
るように予め求められた関係から、実際のスロットル弁
開度θthおよび車速vに基づいて目標入力軸回転速度N
in を決定し、実際の入力軸30の回転速度Ninがその目
標入力軸回転速度in と一致するように、前記第1電磁
弁266および第2電磁弁268を駆動して速度比eをフィー
ドバック制御する。
また、上記急停止制御は、車両の急制動の後において
円滑な再発進を可能とするために車両の停止に先立って
CVT14の速度比eを最大速度にて最減速側へ変化させる
ものであり、たとえば第1図に示すように実行される。
すなわち、先ず、ステップSS1において車両の減速度
が次式(1)に従って前回のサイクルにおいて求められ
た車速vi-1から今回のサイクルにおいて求められた車速
viを差し引くことにより算出される。この場合の減速度
は減速時において正の値となる。本実施例では、上記
ステップSS1が減速度検出手段に対応する。
=vi-1−vi ……(1) 次いで、ステップSS2においては、ブレーキ操作中で
あるか否かがブレーキスイチ472からの信号に従って判
断される。ステップSS2においてブレーキ操作中ではな
いと判断された場合には、ステップSS9において急停止
制御が解除され、且つステップSS10にてフラグFが
「0」にリセットされた後、本急停止制御のサブルーチ
ンが終了させられるが、ブレーキ操作中であると判断さ
れた場合には、ステップSS3において車速vが予め記憶
された判断基準値v1以下であるか否かが判断される。こ
の判断基準値v1は、急停止制御を実行しなくても速度比
eが充分に最減速側へ変化させられる車速領域の下限値
を示すものであり、たとてば50km/h程度の値が採用され
る。
上記ステップSS3において、車速vが判断基準値v1
り大であると判断された場合には、前記ステップSS9以
下が実行されるが、車速vが判断基準値v1以下であると
判断された場合には、ステップSS4において、予めROMに
記憶された関係〔A=MAP(v)〕から実際の車速vに
基づいて判断基準値Aが決定される。この関係は、車両
の制動時において最大速度で速度比を最減速側へ変化さ
せてもエンジンブレーキ感を発生させない最大減速度に
対応した判断基準値を各車速毎に求めることにより予め
実験的に構成されたものであり、たとえば第5図の曲線
により表されるように、車速vが大きいほど判断基準値
Aは大きな値となる。本実施例では、第5図の関係がデ
ータマップの形態で記憶されている。
続くステップSS5では、急停止制御継続中であるか否
かがフラグFが「1」にセットされているか否かにより
判断される。このステップSS5において急停止制御継続
中でないと判断された場合には、ステップSS6におい
て、実際の減速度が判断基準値Aを超えたか否かが判
断される。しかし、ステップSS5において急停止制御継
続中であると判断された場合には、ステップSS11におい
てヒステリシスαが判断基準値Aに付与された後、ステ
ップSS12において、ヒステリシス付与後の判断基準値A
が負であるか否かが判断される。負でないと判断された
場合にはステップSS6が実行されるが、負であると判断
された場合にはステップSS6が実行されることなくステ
ップSS7の急停止制御が実行される。
上記ステップSS6において、実際の減速度が判断基
準値Aを超えていないと判断された場合には、前記ステ
ップSS9以下が実行されるが、実際の減速度が判断基
準値Aを超えたと判断された場合には、ステップSS7の
急停止制御が実行されるとともに、ステップSS8にてフ
ラグFが「1」にセットされる。この急停止制御では、
速度比制御に拘わらず優先的に前記第1電磁弁266がオ
ン且つ第2電磁弁268がオフとされて、速度比eが最大
速度で最減速側へ変化させられる。
上述のように、本実施例によれば、車両の制動時にお
いて最大速度で速度比eを最減速側へ変化させてもエン
ジンブレーキ感を発生させない最大減速度に対応した判
断基準値Aを各車速毎に求めることにより構成され、車
速vが大きいほど判断基準値Aが大きな値とされた予め
求められた車速vと判断基準値Aとの関係〔A=MAP
(v)〕を用い、その関係から実際の車速vに対応した
判断基準値Aが決定され、実際の減速度がその判断基
準値Aを超えると速度比eが最大速度で最減速側へ変化
させられる。このため、車両の制動時にはCVT14の減速
比eが速やかに最減速側へ変化させられるとともに、不
要なエンジンブレーキの発生が解消されて運転性が損な
われないのである。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の
説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符
号を付して説明を省略する。
第6図は、所謂アンチロックブレーキ装置、すなわち
ABS装置が第2図の車両に設けられた場合における電子
制御装置460の作動を説明するフローチャートである。
上記ABS装置は、マイクロコンピュータから構成されたA
BS用電子制御装置と、ポンプ、ダンパ、リザーバ、制御
弁などを有してマスタシリンダとホイールシリンダとの
間に設けられたABS用油圧制御回路とを備えており、上
記ABS用電子制御装置は、予め記憶されたプログラムに
従って各車輪の回転速度信号を処理して推定車体速度を
算出するとともに、その推定車体速度に対応する車輪回
転速度と制御時の各車輪の実際の回転速度とからスリッ
プ率を算出し、そのスリップ率が所定の範囲内となるよ
うに、ABS用油圧制御回路に制動液圧を維持または減圧
させる。上記所定の範囲とは、通常、路面摩擦抵抗μが
大きく且つコーナリングフォースも確保できる予め定め
られたスリップ領域である。そして、上記ABS用電子制
御装置は、上記ABS制御を実行している期間においてそ
のABS制御を表すABS信号を電子制御装置460に出力する
ようになっている。
以上のように構成された車両において、第6図に示す
ように、第1図のステップSS3とSS4との間に、ABS制御
の作動中であるか否かを上記ABS信号に基づいて判断す
るステップSS13が設けられている。このステップSS13に
おいてABS制御の作動中ではないと判断された場合には
ステップSS4以下が実行されるが、ステップSS13におい
てABS制御の作動中であると判断された場合にはステッ
プSS9以下が実行されて急停止制御が解除される。
したがって、本実施例では、ABS制御の作動中ではな
い状態では、ステップSS7の急停止制御が行われて前述
の実施例と同様の作用効果が得られる。しかも、それに
加えて、ABS制御が実行されている間は、駆動輪の回転
速度に基づいて検出される車両減速度に拘わらず、速
度比eが最大速度で最減速側へ変化させられる急停止制
御の実行が阻止されるので、ABS制御中に車輪のスリッ
プを防止するためにホイールシリンダの制動液圧を減圧
したときにステップSS7の急停止制御によるエンジンブ
レーキ作用により車輪のスリップが充分に解消されない
状態が好適に防止されて、ABS性能の低下が阻止され
る。
なお、ABS制御中には車輪が断続的に回転して回転停
止までに時間的な余裕ができるので、CVT14の速度比e
の減速側への戻りはそれほど問題とならない。また、上
記速度比eが減速側へ完全に戻らなくても、低摩擦路面
での発進時にはそれほど問題とはならない。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例では、減速度が判断基準値
Aを超えたか否かに基づいて急停止制御が実行されてい
たが、上記減速度に替えて、たとえば加速度計からの
出力値や、制動液圧値、ブレーキペダルの踏力値などの
実質的に車両の減速度を表すことができる他の変数が用
いられてもよい。
また、前述の実施例においては、変速制御弁装置260
により第1ライン油圧Pl1および第2ライン油圧Pl2を一
次側油圧シリンダ54および二次側油圧シリンダ56の一方
または他方へ選択的に作用させる形式の車両について説
明されていたが、特開昭60−95262号に記載されている
ように、二次側油圧シリンダにはライン油圧が常時作用
させられ、変速制御弁が一次側油圧シリンダ内へ作動油
を供給しあるいはその一次側油圧シリンダ内の作動油を
排出することによりCVT14の速度比を制御する形式の車
両であってもよいのである。
また、前述の実施例では、目標値Nin に実際の入力
回転速度Ninを一致させることにより速度比のフィード
バック制御が実行されていたが、e=Nout/Nin であ
るから、目標速度比eに実際の速度比eを一致させる
制御でも、実質的に全く同じである。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第4図の制御作動の要部を説明するフローチ
ャートである。第2図は、本発明の一実施例の速度比制
御装置が備えられた車両用動力伝達装置を示す図であ
る。第3図は、第2図の装置における油圧制御回路図の
一部であって、変速制御弁装置の構成を詳しく示す図で
ある。第4図は、第2図の実施例の制御動作を説明する
フローチャートである。第5図は、第1図の作動説明に
おいて用いられる関係を示す図である。第6図は、本発
明の他の実施例を示す第1図に相当する図である。 14:CVT(ベルト式無段変速機) 460:電子制御装置(制御手段) ステップS2:車速検出手段 ステップSS1:減速度検出手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの回転を無段階に変速して駆動輪
    へ伝達する車両用無段変速機において、車両の制動操作
    時において前記無段変速機の速度比を速やかに最減速側
    へ変化させる速度比制御装置であって、 前記車両の車速を検出する車速検出手段と、 車速が大きいほど判断基準値が大きな値とされた予め求
    められた車速と判断基準値との関係から前記車速に基づ
    いて判断基準値を決定し、前記減速度が該判断基準値を
    越えると、前記速度比を速やかに最減速側へ変化させる
    制御手段と、 を含むことを特徴とする車両用無段変速機の速度比制御
    装置。
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