JP3006070B2 - 車両用無段変速機の変速比制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速比制御装置

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JP3006070B2 JP2295973A JP29597390A JP3006070B2 JP 3006070 B2 JP3006070 B2 JP 3006070B2 JP 2295973 A JP2295973 A JP 2295973A JP 29597390 A JP29597390 A JP 29597390A JP 3006070 B2 JP3006070 B2 JP 3006070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用無段変速機の変速比制御装置に関す
るものである。
従来の技術 エンジンの回転を無段階に変速し、摩擦係合装置を介
してて駆動輪へ伝達する形式の車両用無段変速機が知ら
れている。たとえば、前後進切換装置を出力側に備えた
ベルト式無段変速機がそれである。このような無段変速
機を備えた車両では、予め求められた関係から実際の要
求出力量(スロットル弁開度)および車速に基づいて目
標値を決定し、実際の入力軸回転速度或いはその変速比
がその目標値と一致するように変速比が調節されるよう
になっている。このため、車両の停止操作が行われる
と、車速の低下に伴って変速比が最減速側へ向かって変
化させられるが、車輪のロックが発生するような車両の
急停止操作が行われると、変速比が最減速側の値に到達
する前に車両が停止するため、再発進時の駆動力が得ら
れない場合があった。これに対し、実願昭63−4069号
(実開平1−108450号)のマイクロフィルムに記載され
ているように、無段変速機の出力軸と駆動輪との間にク
ラッチ手段を設け、車両の急停止操作により無段変速機
の変速比が最減速側の値に到達しないで車両が停止した
場合には、その停止期間中においてクラッチ手段を解放
させることにより無段変速機を回転させて、その変速比
を最減速側へ変化させるようにした技術が提案されてい
る。
発明が解決すべき課題 ところで、上記従来の車両によれば、車両の停止期間
中においてクラッチ手段が解放させられることにより無
段変速機の変速比が最減速側へ向かって変化させられる
ので、車両の急停止に続いて直ちに急発進操作が行われ
る場合には、変速比が充分に最減速側へ変化しない状態
で再び動力伝達が開始され、たとえば登坂路などにおい
て車両の発進が困難となる場合があった。また、そのよ
うな急停止後に続いて急発進操作が行われる場合におい
ては、クラッチ手段の係合が間に合わないため、エンジ
ンの吹上がりや車両の後ずさりが発生したり、或いは第
2のクラッチの係合による大きな係合ショックが発生す
るという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは車両の急停止に続いて直ち
に急発進操作が行われる場合でも、充分な駆動力が得ら
れ、しかもエンジンの吹上がり、車両の後ずさり、或い
は係合ショックの発生のない車両用無段変速機の変速比
制御装置を提供することにある。
課題を解決するための手段 期る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、駆動輪との間にクラッチ手段を備える形式の車両用
無段変速機において、予め求められた関係から決定され
る目標値が実現されるようにその無段変速機の変速比を
調節する形式の変速比制御装置であって、(a)車両の
発進操作時の実際の要求出力量が予め設定された判断基
準値以上であり且つ車速が予め設定された判断基準値以
下であることに基づいて、前記車両の発進操作時におけ
る駆動力不足状態を判定する駆動力不足状態判定手段
と、(b)その駆動力不足状態判定手段により駆動力不
足状態が判定されている間は、前記クラッチ手段を半係
合状態とすると同時に前記無段変速機の変速比を減速側
へ変化させる制御手段と、を含むことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、駆動力不足状態判定手段により、
車両の発進操作時の実際の要求出力量が予め設定された
判断基準値以上であり且つ車速が予め設定された判断基
準値以下であることに基づいて、前記車両の発進操作時
における駆動力不足状態が判定されている間は、制御手
段により、前記クラッチ手段が半係合状態とされると同
時に前記無段変速機の変速比が減速側へ変化させられる
ので、無段変速機の回転が許容されて変速比が最減速側
へ変化させられる。このため、車両の急停止に続いて直
ちに急発進操作が行われる場合でも、充分な車両駆動力
が得られることになり、たとえば登坂路などにおいても
車両の発進が可能となるとともに、エンジンの吹上が
り、車両の後ずさり、或いは大きな係合ショックが好適
に解消される。
好適には、前記駆動力不足状態判定手段は、前記車両
の実際の要求出力量が予め設定された判断基準値以上で
あり且つ車速が予め設定された判断基準値以下である状
態が所定時間持続したことに基づいて、前記車両の発進
操作時における駆動力不足状態を判定するものである。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、エンジン10の動力は、ロックアップ
クラッチ付流体継手12、ベルト式無段変速機(以下、CV
Tという)14、前後進切換装置16、中間ギヤ装置18、お
よび差動歯車装置20を経て駆動軸22に連結された駆動輪
24へ伝達されるようになっている。
流体継手12は、エンジン10のクランク軸26と接続され
ているポンプ羽根車28と、CVT14の入力軸30に固定され
ポンプ羽根車28からのオイルにより回転させられるター
ビン羽根車32と、ダンパ34を介して入力軸30に固定され
たロックアップクラッチ36と、後述の係合側油路322に
接続された係合側油室33および後述の解放側油路324に
接続された解放側油室35とを備えている。流体継手12内
は常時作動油で満たされており、たとえば車速が所定値
以上となったとき、或いはポンプ羽根車28とタービン羽
根車32との回転速度差が所定値以下になると係合側油室
33へ作動油が供給されるとともに解放側油室35から作動
油が流出されることにより、ロックアップクラッチ36が
係合して、クランク軸26と入力軸30とが直結状態とされ
る。反対に、上記車速が所定値以下になったとき、或い
は上記回転速度差が所定値以上になると、解放側油室35
へ作動油が供給されるとともに係合側油室33から作動油
が流出されることにより、ロックアップクラッチ36が解
放される。
CVT14は、その入力軸30および出力軸38にそれぞれ設
けられた同径の可変プーリ40および42と、それら可変プ
ーリ40および42に巻き掛けられた伝動ベルト4とを備え
ている。可変プーリ40および42は、入力軸30および出力
軸38にそれぞれ固定された固定回転体46および48と、入
力軸30および出力軸38にそれぞれ軸方向の移動可能かつ
軸回りの相対回転不能に設けられた可動回転体50および
52とから成り、可動回転体50および52が油圧アクチュエ
ータとして機能する一次側油圧シリンダ54および二次側
油圧シリンダ56によって移動させられることによりV溝
幅すなわち伝動ベルト44の掛り径(有効径)が変更され
て、CVT14の変速比γ(=入力軸30の回転速度Nin/出力
軸38の回転速度Nout)が変更されるようになっている。
可変プーリ40および42は同径であるため、上記油圧シリ
ンダ54および56は同様の受圧面積を備えている。通常、
油圧シリンダ54および56のうちの従動側に位置するもの
の圧力は伝動ベルト44の張力と関連させられる。
前後進切換装置16は、よく知られたダブルピニオン型
遊星歯車機構であって、その出力軸58に固定されたキャ
リヤ60により回転可能に支持され且つ互いに噛み合う一
対の遊星ギヤ62および64と、前後進切換装置16の入力軸
(CVT14の出力軸)38に固定され且つ内周側の遊星ギヤ6
2と噛み合うサンギヤ66と、外周側の遊星ギヤ64と噛み
合うリングギヤ68と、リングギヤ68の回転を停止するた
めの後進用ブレーキ70と、上記キャリヤ60と前後進切換
装置16の入力軸38とを連結する前進用クラッチ72とを備
えている。後進用ブレーキ70および前進用クラッチ72は
油圧により作動させられる形式の摩擦係合装置であっ
て、それらが共に係合しない状態では前後進切換装置16
が中立状態とされて動力伝達が遮断される。しかし、前
進用クラッチ72が係合させられると、CVT14の出力軸38
と前後進切換装置16の出力軸58とが直結されて車両前進
方向の動力が伝達される。また、後進用ブレーキ70が係
合させられると、CVT14の出力軸38と前後進切換装置16
の出力軸58との間で回転方向が反転されるので、車両後
進方向の動力が伝達される。
第3図は、車両用動力伝達装置を制御するための第2
図の油圧制御回路を詳しく示している。オイルポンプ74
は本油圧制御回路の油圧源を構成するものであって、流
体継手12のポンプ羽根車28とともに一体的に連結される
ことにより、クランク軸26によって常時回転駆動される
ようになっている。オイルポンプ74は図示しないオイル
タンク内へ還流した作動油をストレーナ76を介して吸入
し、また、戻し油路78を介して戻された作動油を吸入し
て第1ライン油路80へ圧送する。本実施例では、第1ラ
イン油路80内の作動油がオーバーフロー(リリーフ)型
式の第1調圧弁100によって戻し油路78およびロックア
ップクラッチ圧油路92へ漏出させられることにより、第
1ライン油路80内の第1ライン油圧Pl1が調圧されるよ
うになっている。また、減圧弁型式の第2調圧弁102に
よって第1ライン油圧Pl1が減圧されることにより第2
ライン油路82内の第2ライン油圧Pl2が調圧されるよう
になっている。この第2ライン油圧Pl2は、前記伝動ベ
ルト44の張力を制御するために調圧されるから、本実施
例の張力制御圧に対応する。
まず、第2調圧弁102の構成を説明する。第4図に示
すように、第2調圧弁102は、第1ライン油路80と第2
ライン油路82との間を開閉するスプール弁子110、スプ
リングシート112、リターンスプリング114、プランジャ
116を備えている。スプール弁子110の軸端には、順に径
が大きい第1ランド118、第2ランド120、第3ランド12
2が順次形成されている。第2ランド120と第3ランド12
2との間には第2ライン油圧Pl2がフィードバック圧とし
て絞り124を通して導入される126が設けられており、ス
プール弁子110が第2ライン油圧Pl2により閉弁方向へ付
勢されるようになっている。また、スプール弁子110の
第1ランド118の端面側には、絞り128を介して後述の変
速比圧Prが導かれる室130が設けられており、スプール
弁子110が変速比圧Prにより閉弁方向へ付勢されるよう
になっている。第2調圧弁102内においてはリターンス
プリング114の開弁方向の付勢力がスプリングシート112
を介してスプール弁子110に付与されている。また、プ
ランジャ116にはランド117とそれよりやや大径のランド
119とが形成されており、そのランド117の端面側には後
述のスロットル圧Pthを作用させるための室132が設けら
れて、スプール弁子110がこのスロットル圧Pthにより開
弁方向へ付勢されるようになっている。
したがって、第1ランド118の受圧面積をA1、第2ラ
ンド120の断面の面積をA2、第3ランド122の断面の面積
をA3、プランジャ116のランド117の受圧面積をA4、リタ
ーンスプリング114の付勢力をWとすると、スプール弁
子110は次式(1)が成立する位置において基本的に平
衡させられる。すなわち、スプール弁子110が式(1)
にしたがって移動させられることにより、ポート134aに
導かれている第1ライン油路80内の作動油がポート134b
を介して第2ライン油路82へ流入させられる状態と、ポ
ート134bに導かれている第2ライン油路82内の作動油が
ドレンに連通するドレンポート134cへ流される状態とが
繰り返されて、第2ライン油圧Pl2が発生させられるの
である。上記第2ライン油路82は比較的閉じられた系で
あるので、第2調圧弁102は上記のように相対的に高い
油圧である第1ライン油圧Pl1を減圧することにより第
2ライン油圧Pl2を第8図に示すように発生させるので
ある。
Pl2=(A4・Pth+W−A1・Pr)/(A3−A2) ・・・・(1) なお、上記スプール弁子110の第1ランド118と第2ラ
ンド120との間には、後述の第1リレー弁380を通して信
号圧PsolLが導入される室136が設けられており、スプー
ル弁子110がその信号圧PsolLにより閉弁方向へ付勢され
ると、その大きさに応じて第2ライン油圧Pl2が減圧さ
れるようになっている。また、前記プランジャ116のラ
ンド117とランド119との間には、上記第1リレー弁380
および後述の第2リレー弁440、絞り135を介して制御圧
PsolLを作用させて第2ライン油圧Pl2を昇圧させるため
の昇圧用油室133が設けられており、第2ライン油圧Pl2
が上記信号圧PsolLに応じて増圧されるようになってい
る。上記の場合における第2ライン油圧Pl2の特性につ
いては後で詳述する。
第1調圧弁100は、第5図に示すように、スプール弁
子140、スプリングシート142、リターンスプリング14
4、第1プランジャ146、およびその第1プランジャ146
の第2ランド155と同径の第2プランジャ148をそれぞれ
備えている。スプール弁子140は、第1ライン油路80に
連通するポート150aとドレンポート150bまたは150cとの
間を開閉するものであり、その第1ランド152の端面に
フィードバック圧としての第1ライン油圧Pl1を絞り151
を介して作用させるための室153が設けられており、こ
の第1ライン油圧Pl1によりスプール弁子140が開弁方向
へ付勢されるようになっている。スプール弁子140と同
軸に設けられた第1プランジャ146の第1ランド154と第
2ランド155との間にはスロットル圧Pthを導くための室
156が設けられており、また、第2ランド155と第2プラ
ンジャ148との間には一次側油圧シリンダ54内の油圧Pin
を分岐油路305を介して導くための室157が設けられてお
り、さらに第2プランジャ148の端面には第2ライン油
圧Pl2を導くための室158が設けられている。前記リター
ンスプリング144の付勢力は、スプリングシート142を介
してスプール弁子140に閉弁方向に付与されているの
で、スプール弁子140の第1ランド152の受圧面積をA5
第1プランジャ146の第1ランド154の断面積をA6、第2
ランド155および第2プランジャ148の断面積をA7、リタ
ーンスプリング144の付勢力をWとすると、スプール弁
子140は次式(2)が成立する位置において平衡させら
れ、第1ライン油圧Pl1が調圧される。
Pl1=〔(Pin or Pl2)・A7+Pth(A6−A7)+W〕/A5 ・・・・(2) 上記第1調圧弁100において、一次側油圧シリンダ54
内油圧Pinが第2ライン油圧Pl2(定常状態ではPl2=二
次側油圧シリンダ56内油圧Pout)よりも高い場合には、
第1プランジャ146と第2プランジャ148との間が離間し
て上記一次側油圧シリンダ54内油圧Pinによる推力がス
プール弁子140の閉弁方向に作用するが、一次側油圧シ
リンダ54内油圧Pinが第2ライン油圧Pl2よりも低い場合
には、第1プランジャ146と第2プランジャ148とが当接
することから、上記第2プランジャ148の端面に作用し
ている第2ライン油圧Pl2による推力がスプール弁子140
の閉弁方向に作用する。すなわち、一次側油圧シリンダ
54内油圧Pinと第2ライン油圧Pl2とを受ける第2プラン
ジャ148がそれらの油圧のうちの高い方の油圧に基づく
作用力をスプール弁子140の閉弁方向に作用させるので
ある。なお、スプール弁子140の第1ランド152と第2ラ
ンド159との間に設けられた室160はドレンへ開放されて
いる。
第3図に戻って、スロットル圧Pthはエンジン10にお
ける実際のスロットル弁開度θthを表すものであり、ス
ロットル弁開度検知弁180によって発生させられる。ま
た変速比圧PrはCVT14の実際の変速比を表すものであ
り、変速比検知弁182によって発生させられる。スロッ
トル弁開度検知弁180は、図示しないスロットル弁とと
もに回転させられるカム184と、このカム184のカム面に
係合し、このカム184の回動角度と関連して軸方向へ駆
動されるプランジャ186と、スプリング188を介して付与
されるプランジャ186からの推力と第1ライン油圧Pl1
よる推力とが平衡した位置に位置させられることにより
第1ライン油圧Pl1を減圧し、実際のスロットル弁開度
θthに対応したスロットル圧Pthを発生させるスプール
弁子190とを備えている。第6図は上記スロットル圧Pth
と実際のスロットル弁開度θthとの関係を示すものであ
り、スロットル圧Pthは油路84を通して第1調圧弁100、
第2調圧弁102、第3調圧弁220、およびロックアップク
ラッチ圧調圧弁310にそれぞれ供給される。
また、変速比検知弁182は、CVT14の入力側可動回転体
50に摺接してその軸線方向の変位量に等しい変位量だけ
軸線方向へ移動させられる検知棒192と、この検知棒192
の位置に対応して付勢力を伝達するスプリング194と、
このスプリング194からの付勢力を受ける一方、第2ラ
イン油圧Pl2を受けて両者の推力が平衡した位置に位置
させられることにより、ドレンへの排出流量を変化させ
るスプール弁子198とを備えている。したがって、たと
えば変速比γが小さくなってCVT14の入力側の固定回転
体46に対して可動回転体50が接近(V溝幅縮小)する
と、上記検知棒192が押し込まれる。このため、第2ラ
イン油路82からオリフィス196を通して供給され且つス
プール弁子198によりドレンへ排出される作動油の流量
が減少させられるので、オリフィス196よりも下流側の
作動油圧が高められる。この作動油圧が変速比圧Prであ
り、第7図に示すように、変速比γの減少(増速側への
変化)とともに増大させられる。そして、このようにし
て発生させられた変速比圧Prは、油路86を通して第2調
圧弁102および第3調圧弁220へそれぞれ供給される。
ここで、上記変速比検出弁182は、オリフィス196を通
して第2ライン油路82から供給される第2ライン油圧Pl
2の作動油が逃がし量を変化させることにより変速比圧P
rを発生させるものであるから、変速比圧Prは第2ライ
ン油圧Pl2以上の値となることが制限されている一応、
前記(1)式に従って作動する第2調圧弁102では変速
比圧Prの増加に伴って第2ライン油圧Pl2を減少させ
る。このため、変速比圧Prが所定値まで増加して第2ラ
イン油圧Pl2と等しくなると、それ以降は両者ともに飽
和して一定となる。第8図は、第2調圧弁102におい
て、上記の変速比圧Prに関連して前記(1)式に従って
調圧される基本出力圧(第2ライン油圧Pl2の最大値)P
mecの出力特性を示している。すなわち、変速比γに関
連して低圧側ライン油圧に求められる第9図に示す伝動
ベルト44の張力を最適値とするための最適制御圧、すな
わち理想圧Poptを示す曲線に比較的近似した特性が弁機
構のみによって得られるのである。上記第2調圧弁102
の弁機構により得られる第8図の基本出力圧Pmecは、第
2調圧弁102のスプール弁子110やプランジャ116の受圧
面積等に関連して機械的に定まる値であり、急変速時に
おいても充分な挟圧力が得られるように理想圧Poptより
高く設定されている。
前記第3調圧弁220は、前後進切換装置16の後進用ブ
レーキ70および前進用クラッチ72を作動させるための最
適な第3ライン油圧Pl3を発生させるものである。この
第3調圧弁220は、第1ライン油路80と第3ライン油路8
8との間を開閉するスプール弁子222、スプリングシート
224、リターンスプリング226、およびプランジャ228を
備えている。スプール弁子222には、断面積が順に大き
くなる第1ランド230、第2ランド231および第3ランド
232がその端から設けられており、その第2ランド231と
第3ランド232との間には第3ライン油圧Pl3がフィード
バック圧として絞り234を通して導入される室236が設け
られており、スプール弁子222が第3ライン油圧Pl3によ
り閉弁方向へ付勢されるようになっている。また、第1
ランド230と第2ランド231との間には、後述の第5電磁
弁374によって調節される第3ライン圧制御圧Psol5が供
給される室238が設けられている。また、スプール弁子2
22の第1ランド230側には変速比圧Prが導かれる室240が
設けられており、スプール弁子222が変速比圧Prにより
閉弁方向へ付勢されるようになっている。第3調圧弁22
0内においてはリターンスプリング226の開弁方向付勢力
がスプリングシート224を介してスプール弁子222に付与
されている。また、プランジャ228の端面にスロットル
圧Pthを作用させるための室242が設けられており、スプ
ール弁子222がこのスロットル圧Pthにより開弁方向へ付
勢されるようになっている。このため、第3ライン油圧
Pl3は、前記(1)式と同様な式から、変速比圧Prおよ
びスロットル圧Pthに基づいて最適な値に調圧されるの
である。この最適な値とは、前進用クラッチ72或いは後
進用ブレーキ70において滑りが発生することなく確実に
トルクを伝達できるようにするために必要かつ充分な値
である。しかし、プランジャ228の第1ランド244とそれ
より小径の第2ランド246との間には、後進時のみに第
3ライン油圧Pl3を導くための室248が設けられており、
後進時において上記室248内へ第3ライン油圧Pl3が導か
れると、スプール弁子222を開弁方向へ付勢する力が増
加させられて第3ライン油圧Pl3が高められる。これに
より、前進用クラッチ72および後進用ブレーキ70におい
て、前進時および後進時にそれぞれ適したトルク容量が
得られる。また、車両の再発進操作時における駆動力不
足状態では、前記室238に供給される第3ライン圧制御
圧Psol5が高められるに従って第3ライン油圧Pl3が低く
され、前進用クラッチ72が半係合状態とされるようにな
っている。
上記のように調圧された第3ライン油圧Pl3はマニュ
アルバルブ250によって前進用クラッチ72或いは後進用
ブレーキ70へ選択的に供給されるようになっている。す
なわち、マニュアルバルブ250は、車両のシフトレバー2
52の操作と関連して移動させられるスプール弁子254を
備えておりL(ロー)、S(セカンド)、D(ドライ
ブ)レンジのような前進レンジへ操作されている状態で
は、第3ライン油圧Pl3を専ら出力ポート258から出力し
て前進用クラッチ72へ供給すると同時に後進用ブレーキ
70からドレンへの排油を許容する。反対に、R(リバー
ス)レンジへ操作されている状態では第3ライン油圧Pl
3を出力ポート256からリバースインヒビット弁420のポ
ート422aおよび422bへ供給し、更に、そのリバースイン
ヒビット弁420を通して後進用ブレーキ70へ供給すると
同時に前進用クラッチ72からの排油を許容し、N(ニュ
ートラル)、P(パーキング)レンジへ操作されている
状態では、前進用クラッチ72および後進用ブレーキ70か
らの排油を共に許容する。なお、アキュムレータ342お
よび340は、緩やかに油圧を立ち上げて摩擦係合を滑ら
かに進行させるためのものであり、前進用クラッチ72お
よび後進用ブレーキ70にそれぞれ接続されている。ま
た、シフトタイミング弁210は、前進用クラッチ72の油
圧シリンダ内油圧の高まりに応じて絞り212を閉じるこ
とにより、過渡的な流入流量を調節する。
前記第1調圧弁100により調圧された第1ライン油圧P
l1および第2調圧弁102により調圧された第2ライン油
圧Pl2は、CVT14の変速比γを調節するために、変速制御
弁装置260により一次側油圧シリンダ54および二次側油
圧シリンダ56の一方および他方へ供給されている。上記
変速制御弁装置260は変速方向切換弁262および流量制御
弁264から構成されている。なお、それら変速方向切換
弁262および流量制御弁264を駆動するための第4ライン
油圧Pl4は第4調圧弁170により第1ライン油圧Pl1に基
づいて発生させられ、第4ライン油路370により導かれ
るようになっている。
上記第4調圧弁170は、第1ライン油路80と第4ライ
ン油路370との間を開閉するスプール弁子171と、そのス
プール弁子171を開弁方向に付勢するスプリング172とを
備えている。上記スプール弁子171の第1ランド173と第
2ランド174との間には、フィードバック圧として作用
させるために第4ライン油圧Pl4を導入する室176が設け
られる一方、スプール弁子171のスプリング172側端部に
当接するプランジャ175の端面側には、開弁方向に作用
させる後述の信号圧PsolLを導入する室177が設けられ、
スプール弁子171の非スプリング172側の端面は大気に開
放されている。このように構成された第4調圧弁170で
は、スプール弁子171が、第4ライン油圧Pl4に対応した
フィードバック圧に基づく閉弁方向の付勢力と、スプリ
ング172による開弁方向の付勢旅および信号圧PsolLに基
づく開弁方向の付勢力とが平衡するように作動させられ
る結果、第4ライン油圧Pl4が後述の信号圧PsolLの大き
さに対応した値に調圧される。上記第4ライン油圧Pl4
を導く第4ライン油路370は、絞り372を通じて前記第3
調圧弁220の室238に接続され、それら絞り372と室238と
の間に第5電磁弁374が設けられている。この第5電磁
弁374は、常時開放型(ノーマルオープン型)のオンオ
フ弁であって、非励磁状態(デューティ比0%)では絞
り372より下流側を大気圧に開放し、デューティ比の増
加に伴って室238に作用する圧力を増大させ、励磁状態
(デューティ比100%)では室238に第4ライン油圧Pl4
を作用させる。マニュアルバルル250が前進レンジに操
作されることにより前進用クラッチ72が係合させられて
いる状態では、上記のように室238に作用する圧力が増
大させられるに伴って、第3ライン油圧Pl3および前進
用クラッチ72の伝達トルクが低下させられる。すなわ
ち、上記第5電磁弁374により、室238に作用させられる
第3ライン圧制御圧Psol5が調節されるのである。
第10図に詳しく示すように、変速方向切換弁262は、
第1電磁弁266によって制御されるスプール弁であっ
て、ドレンに連通するドレンポート278aと、第1接続油
路270、第1絞り271を備えた第2接続油路272、および
第3接続油路274にそれぞれ連通するポート278b、278
d、および278fと、第1ライン油圧Pl1が絞り276を通し
て供給されるポート278cと、第1ライン油圧Pl1が供給
されるポート278eと、第2ライン油圧Pl2が供給される
ポート278gと、移動ストロークの一端(図の上端)であ
る減速側位置(オン側位置)と移動ストロークの他端
(図の下端)である増速側位置(オフ側位置)との間に
おいて摺動可能に配置されたスプール弁子280と、この
スプール弁子280を増速側位置に向かって付勢するスプ
リング282とを備えている。変速方向切換弁子として機
能する上記スプール弁子280には、4つのランド279a,27
9b,279c,279dが設けられている。上記スプール弁子280
のスプリング282側の端面は大気に開放されている。し
かし、スプール弁子280の下端側の端面には、第1電磁
弁266のオン状態、すなわち閉状態では第4調圧弁170に
より調圧された第4ライン油圧Pl4が作用させられる
が、第1電磁弁266のオフ状態、すなわち開状態では絞
り284よりも下流側が排圧されて第4ライン油圧Pl4が作
用させられない状態となる。第1弁電磁弁266が図のON
側に示す状態となると、変速方向切換弁262も図のON側
に示す位置となり、第1電磁弁266が図のOFF側に示す状
態となると、変速方向切換弁262も図のOFF側に示す位置
となるのである。このため、第1電磁弁266がオン状態
である期間は、スプール弁子280が減速側位置に位置さ
せられてドレンポート278aとポート278bとの間、ポート
278eとポート278fとの間がそれぞれ開かれるとともに、
ポート278bと278cとの間、ポート278dと278eとの間、お
よびポート278fと278gとの間がそれぞれ閉じられるが、
第1電磁弁266がオフ状態である期間はスプール弁子280
が増速側位置に位置させられて上記と逆の切換状態とな
る。
なお、上記変換方向切換弁262には、スプール弁子280
と同軸に配設されてそれに当接可能なプランジャ281
と、リニヤ弁390により発生させられる信号圧PsolLを油
路285を介して受け入れてスプール弁子280が減速側位置
に向かう方向の推力を発生させる減速用油室283とが設
けられている。この信号圧PsolLは、第1電磁弁266およ
び第2電磁弁268のソレノイドS1およびS2の故障時にお
いて変速方向切換弁262を減速側へ切り換えるためにも
用いられる。
前記流量制御弁264は第2電磁弁268によって制御され
るスプール弁であって、本実施例では変速速度制御弁と
して機能する。流量制御弁264は、一次側油圧シリンダ5
4に一次側油路300を介して連通し且つ第2接続油路272
に連通するポート286aと、第1接続油路270および第3
接続油路274にそれぞれ連通するポート286bおよび286d
と、二次側油路302を介して二次側油圧シリンダ56に連
通するポート286cと、移動ストロークの一端(図の上
端)である増速変速モードにおける流量非抑制側位置と
移動ストロークの他端(図の下端)である増速変速モー
ドにおける流量抑制側位置との間において摺動可能に配
設されたスプール弁子288と、このスプール弁子288を上
記流量抑制側位置に向かって付勢するスプリング290と
を備えている。流量制御弁子として機能する上記スプー
ル弁子288には、各ポート間を開閉するための3つのラ
ンド287a,287b,287cが設けられている。変速方向切換弁
262と同様に上記スプール弁子288のスプリング290側の
端面は大気に開放されているため油圧が作用されていな
い。しかし、スプール弁子288の下端側の端面には、第
2電磁弁268のオン状態、すなわち閉状態では第4調圧
弁170により調圧された第4ライン油圧Pl4が作用されら
れ、オフ状態、すなわち開状態では絞り292よりも下流
側が排圧されて第4ライン油圧Pl4が作用させられない
状態となる。第2電磁弁268が図のON側に示す状態とな
ると、流量制御弁264は図のON側に示す作動位置とな
り、第2電磁弁268が図のOFF側に示す状態となると、流
動制御弁264は図のOFF側に示す作動位置となるのであ
る。このため、第2電磁弁268がオン状態(デューティ
比が100%)である期間は、スプール弁子288が前記流量
非抑制側位置に位置させられてポート286aとポート286b
との間、ポート268cと286dとの間がそれぞれ開かれる
が、第2電磁弁268がオフ状態(デューティ比が0%)
である期間はスプール弁子288が前記流量抑制側位置に
位置させられて上記と逆の切換状態となる。
そして、二次側油圧シリンダ56は、互いに並列な絞り
296およびチェック弁298を備えたバイパス油路295を介
して第2ライン油路82と接続されている。そのチェック
弁298は、二次側油圧シリンダ56を相対的に高圧側とす
る減速変速のときやエンジンブレーキ走行時において、
二次側油圧シリンダ56へ第1ライン油圧Pl1が供給され
たとき、二次側油圧シリンダ56内の作動油が第2ライン
油路82へ大量に流出して二次側油圧シリンダ56内油圧P
out(=Pl1)が低下しないようにするとともに、緩やか
な減速変速のときに第2ライン油圧Pl2から二次側油圧
シリンダ56内へ作動油が供給されるようにするためのも
のである。また、絞り296およびチェック弁298により、
流量制御弁264のデューティ駆動に同期して二次側油圧
シリンダ内油圧Poutに生じる脈動が好適に緩和される。
すなわち、二次側油圧シリンダ内油圧Poutの脈動におい
てスパイク状の上ピークは絞り296により逃がされ、P
outの下ピークはチェック弁298を通して補填されるから
である。なお、チェック弁298は、平面状の座面を備え
た弁座299と、その座面に当接する平面状の当接面を備
えた弁子301、その弁子301を弁座299に向かって付勢す
るスプリング303とを備え、0.2kg/cm2程度の圧力差で開
かれるようになっている。また、一次側油路300におい
て、第2接続油路272の合流点と分岐油路305の分岐点と
の間には、第2絞り273が設けられている。ここで、絞
り273は、急減速変速時の速度を決定するものであり、
急減速変速時に伝動ベルト44のすべりが発生しない範囲
で最大速度となるように設定される。また、前記絞り27
1および絞り296は緩増速時の速度を決定するものであ
り、前記絞り276は急増速変速時の速度を決定するもの
である。
したがって、第1電磁弁266がオンである状態では、
第2電磁弁268の作動状態に拘わらず、CVT14の変速比γ
が減速方向へ変化させられる。たとえば、上記第2電磁
弁268がオン状態であるときには、第1ライン油路80内
の作動油はポート278e、ポート278f、第3接続油路27
4、ポート286d、ポート286c、二次側油路302を通して二
次側油圧シリンダ56へ流入させられる一方、一次側油圧
シリンダ54内の作動油は、一次側油路300、ポート286
a、ポート278b、第1接続油路270、ポート278b、ドレン
ポート278aを通してドレンへ排出される。これにより、
第11図の(イ)に示すように変速比γは減速方向へ急速
に変化させられる。
また、第1電磁弁266がオン状態であるときに第2電
磁弁268がオフ状態とされたときには、第2ライン油路8
2内の作動油はバイパス油路295において並列に設けられ
た絞り296およびチェック弁298を通して二次側油圧シリ
ンダ56内へ供給されるとともに、一次側油圧シリンダ54
内の作動油はそのピストンの摺動部分などに積極的に或
いは必然的に形成された僅かな隙間を通して徐々に排出
される。これにより、第11図の(ハ)に示すように変速
比γは減速方向へ緩やかに変化させられる。
そして、第1電磁弁266がオン状態であるときに第2
電磁弁268がデューティ駆動されるときには、上記い
(イ)と(ハ)の中間的な変速状態となるため、第2電
磁弁268のデューティ比に応じた速度で変速比γが減速
側へ変化させられる。第11図の(ロ)はこの状態を示し
ている。
反対に、第1電磁弁266がオフである状態では、第2
電磁弁268の作動状態に拘わらず、CVT14の変速比γは増
速報項(変速比γの減少方向)へ変化させられる。たと
えば、第1電磁弁266がオフである状態であるときに第
2電磁弁268がオン状態とされると、第1ライン油路80
内の作動油は、絞り276、ポート278c、ポート278b、第
1接続油路270、ポート286b、ポート286a、一次側油路3
00を通して一次側油圧シリンダ54内へ流入させられると
ともに、ポート278e、ポート278d、第2接続油路272、
一次側油路300を通して一次側油圧シリンダ54へ流入さ
せられる一方、二次側油圧シリンダ56内の作動油は、二
次側油路302、ポート286c、ポート286d、第3接続油路2
74、ポート278f、ポート278gを通して第2ライン油路82
へ排出される。これにより、第11図の(ヘ)に示すよう
に変速比γが速やかに増速方向へ変化させられる。
また、第1電磁弁266がオフである状態であるときに
第2電磁弁268がオフ状態とされると、第1接続油路270
が流量制御弁264によって閉じられるので、第1ライン
油路80内の作動油は専ら第1絞り271を備えた第2接続
油路272を通して一次側油圧シリンダ54へ供給されると
ともに、二次側油圧シリンダ56内の作動油は絞り296を
通して第2ライン油路82へ徐々に排出される。このた
め、上記第1絞り271および絞り296の作用により、第11
図の(ニ)に示すように変速比γが緩やかに増速方向へ
変化させられる。
そして、第1電磁弁266がオフ状態であるときに第2
電磁弁268がデューティ駆動されたときには、上記
(ヘ)と(ニ)の中間的な変速状態となるため、第2電
磁弁268のデューティ比に応じた速度で変速比γが増速
側へ変化させられる。第11図の(ホ)はこの状態を示し
ている。
ここで、CVT14における第1ライン油圧Pl1は、正駆動
走行時(駆動トルクTが正の時)には第12図に示すよう
な油圧値が望まれ、また、エンジンブレーキ走行時(駆
動トルクTが負の時)には第13図に示すような油圧値が
望まれる。第12図および第13図は、いずれも入力軸30が
一定の軸トルクで回転させられている状態で、変速比γ
を全範囲内で変化させたときに必要とされる油圧値を示
したものである。本実施例では、一次側油圧シリンダ54
と二次側油圧シリンダ56の受圧面積が等しいので、第12
図の正駆動走行時には一次側油圧シリンダ54内の油圧P
in>二次側油圧シリンダ56内の油圧Pout、第13図のエン
ジンブレーキ走行時にはPout>Pinであり、いずれも駆
動側油圧シリンダ内油圧>被駆動側油圧シリンダ内油圧
となる。正駆動走行時における上記Pinは駆動側の油圧
シリンダの推力を発生させるものであるので、その油圧
シリンダに目標とする変速比γを得るための推力が発生
し得るように、また動力損失を少なくするために、第1
ライン油圧Pl1は上記Pinに必要且つ充分な余裕油圧αを
加えた値に調圧されることが望まれる。しかし、上記第
12図および第13図に示す第1ライン油圧Pl1を一方の油
圧シリンダ内油圧に基づいて調圧することは不可能であ
り、このため、本実施例では、前記第1調圧弁100には
第2プランジャ148が設けられ、Pinおよび第2ライン油
圧Pl2のうちの何れかが高い油圧に基づく付勢力が第1
調圧弁100のスプール弁子140へ伝達されるようになって
いる。これにより、たとえば第14図に示すような、Pin
を示す曲線とPoutを示す曲線とが交差する無負荷走行時
においては、第ライン油圧Pl1がPinおよび第2ライン
油圧Pl2の何れか高い油圧値に余裕値αを加えた値に制
御される。これにより、第1ライン油圧Pl1は必要かつ
充分な値に制御され、動力損失が可及的に小さくされて
いる。因に、第14図の破線に示す第1ライン油圧Pl1
は第2プランジャ148が設けられていない場合のもので
あり、変速比γが小さい範囲では不要に大きな余裕油圧
が発生させられている。
前記余裕値αは、CVT14の変速比変化範囲全域内にお
いて所望の速度で変速比γを変化させて所望の変速比γ
を得るに足る必要かつ充分な値であり、(2)式から明
らかなように、スロットル圧Pthに関連して第1ライン
油圧Pl1が高められている。前記第1調圧弁100の各部の
受圧面積およびリターンスプリング144の付勢力がその
ように設定されているのである。このとき、第1調圧弁
100により調圧される第1ライン油圧Pl1は、第15図に示
すように、PinもしくはPoutとスロットル圧Pthとにした
がって増加するが、スロットル圧Pthに対応した最大値
において飽和させられるようになっている。これによ
り、変速比γが最小値となって一次側可変プーリ40のV
溝幅の減少が機械的に阻止された状態で一次側油圧シリ
ンダ54内の油圧Pinが増大しても、それよりも常に余裕
値αだけ高く制御される第1ライン油圧Pl1の過昇圧が
防止されるようになっている。
第3図に戻って、第1調圧弁100のポート150bから流
出させられた作動油は、ロックアップクラッチ圧油路92
に導かれ、ロックアップクラッチ圧調圧弁310により流
体継手12のロックアップクラッチ36を作動させるために
適した圧力をロックアップクラッチ油圧Pclに調圧され
るようになっている。すなわち、上記ロックアップクラ
ッチ圧調圧弁310は、フィードバック圧としてロックア
ップクラッチ油圧Pclを受けて開弁方向に付勢されるス
プール弁子312と、このスプール弁子312を閉弁方向に付
勢するスプリング314と、スロットル圧Pthが供給される
室316と、その室316の油圧を受けてスプール弁子312を
閉弁方向に付勢するプランジャ317とを備えており、ス
プール弁子312が上記フィードバック圧に基づく推力と
スプリング314の推力とが平衡するように作動させられ
てロックアップクラッチ圧油路92内の作動油を流出させ
ることにより、スロットル圧Pthに応じて高くなるロッ
クアップクラッチ油圧Pclを発生させる。これにより、
エンジン10の実際の出力トルクに応じた必要且つ充分な
係合力でロックアップクラッチ36が係合させられる。上
記ロックアップクラッチ圧調圧弁310から流出させられ
た作動油は、絞り318および潤滑油路94を通してトラン
スミッションの各部の潤滑のために送出されるととも
に、戻し油路78に還流させられる。
第3電磁弁330はそのオフ状態において絞り331よりも
下流側をドレンに排圧し且つオン状態において前記第4
ライン油路370の第4ライン油圧Pl4と同じ圧力の信号圧
Psol3を発生させる。第4電磁弁346はそのオフ状態にお
いて絞り344よりも下流側をドレンに排圧し且つそのオ
ン状態において第4ライン油圧Pl4と同じ圧力の信号圧P
sol4を発生させる。リニヤ弁390は、減圧弁形式の弁機
構を有しており、第16図に詳しく示すように、第4ライ
ン油圧Pl4を元圧として調圧することにより出力信号圧P
solLを発生させるためにバルブボデー397のシリンダボ
ア398内に摺動可能に嵌め入れられたスプール弁子391
と、電子制御装置460から供給される駆動電流IsolLによ
って励磁されるリニヤソレノイド392と、このリニヤソ
レノイド392の励磁状態に関連してスプール弁子391を昇
圧側へ付勢するコア393と、スプール弁子391を降圧側へ
付勢するスプリング394と、スプール弁子391を降圧側へ
付勢するために前記出力信号圧PsolLが導かれるフィー
ドバック油室395とを備えている。上記スプール弁子391
は、コア393から付与される昇圧側への付勢力とスプリ
ング394から付与される降圧側への付勢力とが平衡する
位置へ移動するように作動させられることにより、第17
図に示す出力特性に従い、電子制御装置460から供給さ
れる駆動信号(駆動電流IsolL)に基づいて出力信号圧P
solLを変化させる。このようにして第4ライン油圧Pl4
を元圧として調圧された信号圧PsolLは、リニヤ弁390の
出力ポート396から第1リレー弁380のポート382bへ供給
される。
本実施例では、上記各信号圧Psol3、Psol4、PsolL
組み合わせにより後述のロックアップクラッチの係合お
よび急解放制御、アキュムレータの背圧制御、Nレンジ
のライン油圧ダウン制御、高車速時のライン油圧ダウン
制御、リバースインヒビット制御など複数種類の制御が
実行されるようになっている。また、上記信号圧PsolL
は、第1電磁弁266および第2電磁弁268のソレノイド故
障時において変速方向切換弁262を減速側へ切り換える
ためにも使用されるようになっている。
ロックアップクラッチ36の係合および急解放制御に関
連するロックアップクラッチ制御弁320およびロックア
ップクラッチ急解放弁400について説明する。このロッ
クアップクラッチ制御弁320は、ロックアップクラッチ
油圧Pclに調圧された油路92内の作動油を、流体継手12
の係合側油路322および解放側油路324へ択一的に供給し
てロックアップクラッチ36を係合状態または解放状態と
するものであり、また、ロックアップクラッチ急解放弁
400はロックアップクラッチ36の解放時に流出する作動
油をオイルクーラ339を通さずにドレンさせることによ
り速やかにロックアップクラッチ36を解放させるもので
ある。
ロックアップクラッチ制御弁320は、2位置作動形式
のスプール弁であって、ロックアップクラッチ36を係合
させるとき(図のオン側)はロックアップクラッチ油圧
Pclが供給されるポート321cとポート321d、ポート321b
とドレンポート321a、ポート321eとポート321fを連通さ
せ、ロックアップクラッチ36を解放させるとき(図のオ
フ側)はポート321cとポート321b、ポート321dとポート
321e、ポート321fとドレンポート321gを連通させるスプ
ール弁子326と、スプール弁子326を解放側(オフ側)へ
付勢するスプリング328とを備えている。スプール弁子3
26の下端面側(非スプリング328側)には、第3電磁弁3
30がオン状態のときに発生させられる信号圧Psol3が導
入される室332が配設されている。
ロックアップクラッチ急解放弁400は、2位置作動形
式のスプール弁であって、絞り401を介してクラッチ圧
油路92と連通するポート402a、解放側油路324と連通す
るポート402b、ロックアップクラッチ制御弁320のポー
ト321bと連通するポート402c、ロックアップクラッチ制
御弁320のポート321fと連通するポート402d、係合側油
路322と連通するポート402e、ロックアップクラッチ制
御弁320のポート321dと連通するポート402fと、通常時
(図のオフ側)は上記ポート402bとポート402c、ポート
402eとポート402fを連通させ、急解放(図のオン側)は
上記ポート402aとポート402b、ポート402dとポート402e
を連通させるスプール弁子406と、このスプール弁子406
を急解放側位置へ向かって付勢するスプリング408とを
備えている。上記スプール弁子406の下端側の室410は、
第4電磁弁346がオン状態であるときに発生させられる
信号圧Psol4が導かれるようになっている。図に示すよ
うに、第3電磁弁330のオン側およびオフ側位置とロッ
クアップクラッチ制御弁320のオン側およびオフ側位置
とは作動的に対応させられており、また、第4電磁弁34
6のオン側およびオフ側位置とロックアップクラッチ急
解放弁400のオン側およびオフ側位置とは作動的に対応
させられている。
したがって、第4電磁弁346がオフ状態であるときに
第3電磁弁330がオン状態とされると、スプール弁子326
が図のオン側に示す位置とされてロックアップクラッチ
36を係合させるための第3油路が形成されるので、ロッ
クアップクラッチ圧油路92内の作動油がポート321c、ポ
ート321d、ポート402f、ポート402e、および係合側油路
322を通って流体継手12へ供給され、流体継手12から流
出する作動油は解放側油路324、ポート402b、ポート402
c、ポート321bを経て、ポート321aからドレンされる。
これにより、ロックアップクラッチ36が係合させられ
る。
反対に、第4電磁弁346がオフ状態であるときに第3
電磁弁330がオフ状態とされると、ロックアップクラッ
チ36を解放させるための第1油路が形成されるので、ロ
ックアップクラッチ圧油路92内の作動油がポート321c、
ポート321b、ポート402c、ポート402b、および解放側油
路324を通って流体継手12へ供給され、流体継手12から
流出する作動油は係合側油路322、ポート402e、ポート4
02f、ポート321d、ポート402e、およびオイルクーラ339
を経てドレンされる。これにより、第1の解放モードと
されて、ロックアップクラッチ36が解放させられる。
また、本実施例では、第3電磁弁330および第4電磁
弁346がオン状態とされると、ロックアップクラッチ36
を解放させるための第4油路が形成されるので、この第
2の解放モードでは、ロックアップクラッチ圧油路92内
の作動油がポート402a、ポート402b、および解放側油路
324を通って流体継手12へ供給され、流体継手12から流
出する作動油は係合側油路322、ポート402e、ポート402
d、ポート321f、ポート321e、およびオイルクーラ339を
経てドレンされ、ロックアップクラッチ36が解放させら
れるのである。これにより、たとえロックアップクラッ
チ制御弁320のスプール弁子326がオン側に固着したり或
いはロックアップクラッチ急解放弁400のスプール弁子4
06がオフ側に固着して、解放を目的として前記第1の解
放モード或いは前記第2の解放モードの一方のモードを
選択しても、ロックアップクラッチ36が係合状態に維持
される場合には、他方のモードに切り換えることにより
エンジンストールが防止され且つ車両の再発進が可能と
なる。また、ロックアップクラッチ制御弁320のスプー
ル弁子326がオフ側に固着したり或いはロックアップク
ラッチ急解放弁400のスプール弁子406がオン側に固着し
て、解放を目的として前記第1の解放モード或いは上記
第2の解放モードの一方のモードを選択しても、ロック
アップクラッチ36の急解放状態に維持される場合には、
他方のモードに切り換えることによりオイルクーラ339
を経て作動油をドレンさせることができ、オイルの過熱
が好適に防止され得る。
そして、上記のようなロックアップクラッチ36の解放
時において車両急制動の場合のように急な解放を要する
場合には、第3電磁弁330がオフ状態とされているとき
に第4電磁弁346がオン状態とされる。これにより、ロ
ックアップクラッチ36を急解放させるための第2油路が
形成されるので、ロックアップクラッチ圧油路92内の作
動油は専らポート402aからポート402bおよび解放側油路
324を経て流体継手12に流入し、流体継手12から流出す
る作動油は係合側油路322、ポート402e、ポート402d、
ポート321fを経てポート321gからドレンされる。これに
より、流通抵抗の大きいオイルクーラ339を経ないでド
レンされるので、速やかにロックアップクラッチ36が解
放される。第18図は、上記ロックアップクラッチ36のモ
ードと第3電磁弁330および第4電磁弁346の作動状態と
の関係を示している。
なお、係合時および解放時においてオイルクーラ339
を経て図示しないオイルタンクへ還流させられる作動油
は、オイルクーラ339の上流側に設けられたクーラ油圧
制御弁338によってリリーフされることにより一定値以
上に調圧されるようになっている。また、バイパス油路
334は、ロックアップクラッチ36の係合中においても作
動油をオイルクーラ339にて冷却するために作動油の一
部をオイルクーラ339へ導くものである。絞り336および
337は、ロックアップクラッチ36の係合中にオイルクー
ラ339へ導く作動油の割合を設定するためのものであ
る。
次に、アキュムレータの背圧制御、Nレンジでのライ
ン油圧ダウン制御、高車速時のライン油圧ダウン制御、
リバースインヒビット制御などに関連する第1リレー弁
380および第2リレー弁440について説明する。第1リレ
ー弁380は、第2リレー弁440のポート442cと連通するポ
ート382a、信号圧PsolLが供給されるポート382b、第2
調圧弁102の室136およびリバースインヒビット弁420の
室435と連通するポート382c、およびドレンポート382d
と、図のオン側状態においてポート382aとポート382b、
ポート382cとドレンポート382dを連通させ、図のオフ側
状態においてポート328aをドレンさせるとともにポート
382bとポート382cを連通させるスプール弁子384と、そ
のスプール弁子384をオフ側状態に向かって付勢するス
プリング386とを備え、スプール弁子384の非スプリング
側に設けられた室388に信号圧Psol4が作用されないとき
にはスプール弁子384がオフ側に示す位置とされて信号
圧PsolLが第2調圧弁102の室136およびリバースインヒ
ビット弁420の室435へ供給されるが、室388に信号圧P
solL4が作用されたときにはスプール弁子384がオン状態
に示す位置とされて信号PsolLが第2リレー弁440のポー
ト442cへ供給される。図中において、第1リレー弁380
において示されているオンおよびオフ状態は、第4電磁
弁346のオンおよびオフ状態と対応している。
第2リレー弁440は、第2調圧弁102の室133と絞り443
を介して連通し且つ互いに常時連通しているポート442b
および442c、第4調圧弁170と連通しているポート442
d、ドレンポート442eと、図のオン側状態においてポー
ト442dをドレンポート442eと連通させ、図のオフ側状態
においてポート442dとドレンポート442eとの間を遮断す
るスプール弁子444と、そのスプール弁子444をオフ側状
態に向かって付勢するスプリング446とを備え、スプー
ル弁子444の非スプリング側に設けられた室448に信号圧
Psol3が作用されないときにはスプール弁子444がオフ側
に示す位置とされ、室448に信号圧Psol3が作用されたと
きにはスプール弁子444がオン側に示す位置とされる。
これにより、ポート442cおよび442bを通して第2調圧弁
102の室133へ供給されている信号圧PsolLが、スプール
弁子444がオンからオフ位置へ切換えられることにより
分岐されて第4調圧弁170の室177にも供給される。図中
において、第2リレー弁440において示されているオン
およびオフ状態は、第3電磁弁330のオンおよびオフ状
態と対応している。
次に、前進用クラッチ72および後進用ブレーキ70にそ
れぞれ設けられたアキュムレータ342および340の背圧制
御を説明する。前記リニヤ弁390の駆動により出力され
る信号圧PsolLは、第17図に示すようにその駆動電流I
solLに対応して変化させられ、背圧制御のために第1リ
レー弁380がオン状態とされ且つ第2リレー弁440がオフ
状態とされると、油路348を介して第4調圧弁170へ供給
される。
ここで、アキュムレータ340、342の背圧制御は、N→
Dシフト或いはN→Rシフト時のシフトショック(係合
ショック)を軽減するために行うもので、クラッチ係合
時に油圧シリンダ内油圧の上昇を所定時間抑制してショ
ックを緩和する。そこで前進用クラッチ72用のアキュム
レータ342の背圧ポート366および後進用ブレーキ70用の
アキュムレータ340の背圧ポート368に供給されている第
4ライン油圧Pl4を第4調圧弁170により変化させ、アキ
ュムレータ342、340による緩和作用を制御する。
上記第4調圧弁170では、第4ライン油圧Pl4が信号圧
PsolLに対応した圧に調圧される。すなわち、N→Dシ
フトおよびN→Rシフト時において第1リレー弁380お
よび第2リレー弁440を通して信号圧PsolLが第4調圧弁
170の室177へ供給されている間は、第4ライン油圧Pl4
はリニヤ弁390の駆動電流IsolLに対応した値に制御され
るので、シフトショック(係合ショック)を軽減するた
めに適した背圧を発生させるようにリニヤ弁390が駆動
される。また、前進用クラッチ72内の油圧が第3ライン
油圧Pl3まで上昇することにより、第4調圧弁170へ供給
されている信号圧PsolLが第2リレー弁440により遮断さ
れて室177内が大気に開放されると、第4ライン油圧Pl4
は、スプリング172の開弁方向の付勢力に対応して比較
的低い4kg/cm2程度の一定の圧力に制御される。この一
定の圧力に調圧された第4ライン油圧Pl4は、専ら変速
方向切換弁262および流量制御弁264の駆動油圧(パイロ
ット油圧)として利用される。したがって、本実施例で
は、上記第4調圧弁170が変速方向切換弁262および流量
制御弁264を駆動するための弁駆動油圧を発生させる弁
駆動油圧発生装置として機能している。
次に、遠心油圧を補償するための第2ライン油圧Pl2
の低下制御に関連した部分を説明する。低圧側油圧シリ
ンダ内の遠心油圧により伝動ベルト44に過負荷が加えら
れることを防止するために、高車速状態において第4電
磁弁346および第1リレー弁380がオフ状態とされ且つリ
ニヤ弁390がオン状態とされると、第3電磁弁330および
第2リレー弁440の作動状態に関わらず、CVT14の出力軸
38が高速回転時において主として二次側油圧シリンダ56
へ供給する第2ライン油圧Pl2が低下させられる。すな
わち、第1リレー弁380のポート382bおよび382cを通し
て信号圧PsolL(=Pl4)が第2調圧弁102の室136へ供給
されると、次式(3)に従って第2ライン油圧Pl2が調
圧され、通常の第2ライン油圧に比較して低くされる。
これにより、二次側油圧シリンダ56内の遠心油圧の影響
が解消されて伝動ベルト44の耐久性が高められる。この
ような第2ライン油圧Pl2の低下制御は、後述のリバー
ス禁止制御や、シフトレバー252がNレンジへ操作され
たときにおいても実行される。なお、第4電磁弁346が
オン状態とされるか挙いはリニヤ弁390がオフ状態とさ
れれば、第2ライン油圧Pl2は前記(1)式に従って通
常通り制御される。
Pl2=〔A4・Pth+W −A1・Pr−(A2−A1)・PsolL〕/(A3−A2) ・・・(3) 前進走行中においてリバースを禁止するために設けら
れたリバースインビヒッド弁420は、マニュアルバルブ2
50がRレンジにあるときにその出力ポート256から第3
ライン油圧Pl3が供給されるポート422aおよび422b、後
進用ブレーキ70の油圧シリンダと油路423を介して連通
するポート422c、およびドレンポート422dと、移動スト
ロークの上端である第1位置(非阻止位置)と下端であ
る第2位置(阻止位置)との間で摺動可能に配設された
スプール弁子424と、このスプール弁子424を第1位置に
向かって開弁方向に付勢するスプリング426と、上記ス
プール弁子424の下端に当接し且つそれよりも小径のプ
ランジャ428とを備えている。上記スプール弁子424には
その上端部から小径の第1ランド430、それより大径の
第2ランド432、およびそれと同径の第3ランド434が形
成されており、上記第1ランド430の端面側に設けられ
た室435にはオフ状態の第1リレー弁380を通して信号圧
PsolLが供給されるようになっている。第1位置にある
スプール弁子424の第1ランド430と第2ランド432との
間に位置する室436と、同じく第1位置にあるスプール
弁子424の第2ランド432と第3ランド434との間に位置
する室437には、Rレンジに操作されたときだけマニュ
アルバルブ250から第3ライン油圧Pl3が作用されるよう
になっている一方、上記スプール弁子424とプランジャ4
28との間の室438には後進用ブレーキ70内の油圧が作用
されるとともに上記プランジャ428の端面に設けられた
室439には第3ライン油圧Pl3が常時供給されている。な
お、このプランジャ428の第3ライン油圧Pl3が作用する
受圧面積は、前記スプール弁子424の第1ランド430およ
び第2ランド432が室436内の油圧を受ける受圧面積差と
略同等されている。
このように構成された上記リバースインヒビット弁42
0は、スプリング426の付勢力、後進用ブレーキ70内の油
圧および第3ライン油圧Pl3に基づく開弁方向の推力よ
りも信号圧PsolLおよび第3ライン油圧Pl3に基づく閉弁
方向の推力が上まわると、スプール弁子434がスプリン
グ426の付勢力に抗して移動させられてポート422bとポ
ート422cとの間が遮断されてポート422cとドレンポート
422dとの間が連通させられるので、後進用ブレーキ70が
ドレンへ開放され、前後進切換装置16の後進ギヤ段の成
立が阻止される。すなわち、第4電磁弁346がオフ状態
であるときにリニヤ弁390がオン状態とされて信号圧P
solLが発生させられると、シフトレバー252がRレンジ
へ操作されていることを条件として前後進切換装置16の
後進ギヤ段の成立が阻止されるのである。しかし、上記
リバースインヒビット弁420は、上記第4電磁弁346がオ
ン状態とされること、リニヤ弁390がオフ状態とされる
こと、シフトレバー252がRレンジ以外のレンジへ操作
されることのいずれか1つが行われると、スプール弁子
434がスプリング426の付勢力に従って移動させられて後
進用ブレーキ70のマニュアルバルブ250のポート256と連
動させられる。したがって、後述の電子制御装置460に
よって第4電磁弁346がオフ状態且つリニヤ弁390がオン
状態とされている状態でシフトレバー252がDレンジか
らNレンジを通り越してRレンジへ誤作動された場合に
は、後進用ブレーキ70の係合が阻止されて前後進切換装
置16がニュートラル状態に維持される。
第1リレー弁380がオフ状態、すなわち第4電磁弁346
がオフ状態であるときには、信号圧PsolLが第1リレー
弁380を通して第2調圧弁102の室136へ供給されるの
で、第2ライン油圧Pl2が信号圧PsolLに応じて所定圧低
下させられる。これにより、Nレンジでは、伝動ベルト
44に対する挟圧力がすべりを発生しない範囲で可及的に
低くされ、ベルトの騒音レベルが低下させられるのに加
えて、伝動ベルト44の耐久性が高められる。
また、第1リレー弁380すなわち第4電磁弁346がオン
状態である場合には第2リレー弁440すなわち第3電磁
弁330の作動状態に拘わらず、信号圧PsolLが第1リレー
弁380および第2リレー弁440を通して第2調圧弁102の
室133へ供給されるので、第2ライン油圧Pl2は次式
(4)にしたがいリニヤ弁390から出力される信号圧P
solLに基づいて所定圧高められる。これにより、急制御
時などの急減速変速時、シフトレバー252のDレンジか
らLレンジへの操作による急減速変速時、シフトレバー
252のNレンジからDまたはRレンジへの操作によるア
キュムレータ背圧制御時において、第2ライン油圧Pl2
が高められる。したがって、上記のようなCVT14の伝動
ベルト44の滑りが発生するおそれがある状態において
は、伝動ベルト44の張力(伝動ベルト44に対する挟圧
力)が一時的に高められてトルク伝達容量が大きくされ
る。
Pl2=〔A4・Pth+(A4′−A4)PsolL+W −A・Pr〕/(A3−A2) ・・・(4) 第19図は、上述の第3電磁弁330、第4電磁弁346、リ
ニヤ弁390の作動の組合わせとそれによって得られる作
動モードとをそれぞれ示している。
第2図に戻って、電子制御装置460は、第3図の油圧
制御回路における第1電磁弁266、第2電磁弁268、第3
電磁弁330、第4電磁弁346、第5電磁弁374、リニヤ弁3
90を選択的に駆動することにより、CVT14の変速比γ、
流体継手12のロックアップクラッチ36の係合状態、第2
ライン油圧Pl2の上昇あるいは低下などを制御する。電
子制御装置460は、CPU、RAM、ROM等から成る所謂マイク
ロコンピュータを備えており、それには、駆動輪24の回
転速度を検出する車速センサ462、CVT14の入力軸30およ
び出力軸38の回転速度をそれぞれ検出する入力軸回転セ
ンサ464および出力軸回転センサ466、エンジン10の吸気
配管に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロッ
トル弁開度センサ468、シフトレバー252の操作位置を検
出するための操作位置センサ470、ブレーキペダルの操
作を検出するためのブレーキスイッチ472、エンジン10
の回転速度Neを検出するためのエンジン回転センサ474
から、車速SPDを表す信号、入力回転速度Ninを表す信
号、出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットル開度θ
thを表す信号、シフトレバー252の操作位置Psを表す信
号、ブレーキ操作を表す信号、エンジン回転数速度Ne
表す信号がそれぞれ供給される。電子制御装置460内のC
PUはRAMの一次記憶機能を利用しつつROMに予め記憶され
たプログラムに従って入力信号を処理し、前記第1電磁
弁266、第2電磁弁268、第3電磁弁330、第4電磁弁34
6、第5電磁弁374、リニヤ弁390を駆動するための信号
を出力する。
電子制御装置460においては、電源投入時において初
期化が実行され、その後図示しないメインルーチンが実
行されることにより、各センサからの入力信号等が読み
込まれる一方、その読み込まれた信号に基づいて入力軸
30の回転速度Nin、出力軸38の回転速度Nout、CVT14の変
速比γ、車速SPD等が算出され、且つ入力信号条件に従
って、ロックアップクラッチ36のロックアップクラッチ
係合制御および急解放制御、CVT14の変速制御、アキュ
ムレータ背圧制御、リバース禁止制御、第2ライン油圧
低下制御、第2ライン油圧上昇制御、ソレノイドフェイ
ル制御などが順次あるいは選択的に実行される。
第1図は、本実施例の主要な機能構成を示す機能ブロ
ック線図である。図において、駆動力不足状態判定手段
500において、車両のDレンジ状態における再発進時の
駆動力不足が判定されている間は、制御手段502は、CVT
14と駆動輪24との間に設けられたクラッチ手段504を半
係合状態とすることによりCVT14を回転させてその変速
比γが減速側へ変化することを許容するので、変速比γ
が最減速側へ到達する前に駆動輪24が停止する車両の急
停止後における再発進操作時でも、大きな駆動力が得ら
れて再発進が可能とされる。なお、上記クラッチ手段50
4は、前記前進用クラッチ72に対応している。
以下において、シフトレバー252がDレンジへ操作さ
れている走行時における電子制御装置460の作動を第20
図の駆動力不足状態判定ルーチン、第21図の変速制御ル
ーチン、第22図の半係合制御ルーチンをそれぞれ示すフ
ローチャートに従って説明する。それらのルーチンは、
並列処理或いは時分割処理に従ってたとえば数m秒程度
の短い周期で繰り返し実行される。なお、前記駆動力不
足状態判定手段500は上記第20図の駆動力不足状態判定
ルーチンに対応し、前記制御手段502は、上記第21図の
変速制御ルーチンおよび第22図の半係合制御ルーチンに
対応している。
フラグXSTRは、その内容が「1」であるときに車両の
駆動力不足状態を表すものであり、第20図の駆動力不足
状態判定ルーチンにおいてセットあるいはクリアされる
ようになっている。第20図のステップSD1においてフラ
グXSTRの内容が「1」にセットされているか否かが判断
される。通常の発進走行、定速走行、減速走行などで
は、上記の判断が否定されるので、ステップSD2におい
てスロットル弁開度θthが予め定められた判断基準値C
t1以上であるか否かが判断されるとともに、ステップSD
3において車速SPDが予め定められた判断基準値Cs1以下
であるか否かが判断される。それら判断基準値Ct1およ
び判断基準値Cs1は、車両の発進操作が行われたときに
駆動力が不足しているか否かを判断するためにそれぞれ
設定されたものであって、上記判断基準値Ct1にはたと
えば80%程度の値が採用され、判断基準値Cs1には1〜2
km/h程度の値が採用される。通常の走行状態では上記ス
テップSD2およびSD3の少なくとも一方が否定されるの
で、ステップSD7においてタイマカウンタCSTRの内容が
「0」にクリアされた後、本ルーチンが終了させられ
る。
上記の通常走行の場合には、第21図の変速制御ルーチ
ンでは、ステップSS1においてフラグXSTRの内容が
「1」ではないと判断されるので、ステップSS2以下が
実行される。ステップSS2では、車速SPDが予め定められ
た判断基準値Cv以下であるか否かが判断される。このス
テップSS2は車両の停止に先立ってステップSS4およびSS
5の所謂閉込制御を実行させるか否かを判断するために
設けられており、上記判断基準値Cvは、車両の停止直前
の車速値、たとえば数km/hに設定されている。上記ステ
ップSS2の判断が否定されるような通常走行では、ステ
ップSS3の通常の変速制御が実行される。この変速制御
では、よく知られているように、エンジン10を可及的に
最小燃費率曲線に沿って作動させ且つ運転性が得られる
ように予め求められた関係から実際の要求出力量θth
よび車速SPDに基づいて決定された目標値と入力軸回転
速度Ninとが一致するように前記第11図の変速モードの
いずれかが選択されることにより、変速比γが制御され
る。しかし、車両の停止直線の状態となると、上記ステ
ップSS2の判断が肯定されるので、ステップSS4において
第1電磁弁266がオン状態とされて変速方向切換弁262が
減速変速側に切り換えられるとともに、ステップSS5に
おいて第2電磁弁268がオフ状態(デューティ比0%)
とされて流量制御弁264が流量抑制状態(閉じた状態)
とされる。
また、上記の通常走行の場合には、第22図の半係合制
御ルーチンでは、ステップSV1においてフラグXSTRの内
容が「1」ではないと判断されるので、ステップSV2に
おいて変数DTYの内容がDI6に設定されるとともに、ステ
ップSV3において第5電磁弁374がオフ状態(駆動デュー
ティ比が0%)とされ、後進用ブレーキ70および前進用
クラッチ72へ供給される第3ライン油圧Pl3が通常の範
囲内で制御される。
車両の急制動操作による車輪のロックや登坂路におけ
る制動操作などにより、CVT14の変速比制御に拘わら
ず、最減速側の値γmaxに到達する前に車輪が停止した
場合には、再発進操作時において前記第20図のステップ
SD2およびSD3の判断が共に肯定されるので、ステップSD
4においてタイマカウンタCSTRの内容が予め定められた
判断基準値Tc以上となったか否かが判断される。当初は
前記ステップSD4の判断が否定されるので、ステップSD5
においてタイマカウンタCSTRの内容がそれまでの値に
「1」が加えられることにより更新されて本ルーチンが
終了させられる。以上のサイクルが繰り返し実行される
うち判断基準値Tcが経過すると、上記ステップS4の判断
が肯定されるので、ステップSD6においてフラグXSTRの
内容が「1」にセットされるとともに、ステップSD7に
おいてタイマカウンタCSTRの内容が「0」にクリアされ
る。このように、本実施例では、スロットル弁開度θth
がたとえば80%程度の判断基準値Ct1以上であり且つ車
速SPDがたとえば1〜2km/h程度の判断基準値Cs1以下で
ある状態が所定時間持続すると駆動力不足状態であると
判定されるのである。
以上のようにフラグXSTRの内容が「1」にセットされ
ると、続くサイクルにおけるステップSD1の判断が肯定
されるので、ステップSD8において変速比γが予め定め
られた判断基準値Cr以上であるか否かが判断される。こ
のステップSD8は、車両の駆動力不足状態の解除判断の
ために設けられており、上記判断基準値Crは、CVT14の
変速比γが車両の発進時に必要な充分に大きい駆動力を
発生させ得る領域内にあるか否かを判断するためのもの
であって、最減速側の値γmaxに近い値に設定されてい
る。このため、上記ステップSD8の判断が否定された場
合には本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合
にはステップSD9においてフラグXSTRの内容が「0」に
クリアされる。
第21図の変速制御ルーチンでは、前記のようにフラグ
XSTRの内容が「1」にセットされると、ステップSS1の
判断が肯定されるので、ステップSS6において入力回転
速度Ninが予め定められた判断基準値CNより大きいか否
かが判断される。この判断基準値CNは前進用クラッチ72
の滑りを開始するために予め定められた値であって、た
とえば10rpm程度に設定されている。フラグXSTRの内容
が「1」にセットされた直後には上記ステップSS6の判
断が否定されるので、前記ステップSS2、SS4、SS5が実
行されて緩減速変速状態とされるが、CVT14が回転して
いないので、変速比γは未だ変化しない。
第22図の半係合制御ルーチンでは、前記のようにフラ
グXSTRの内容が「1」にセットされると、ステップSV4
において入力軸回転速度Ninが予め定められた判断基準
値CNより大きいか否かが判断されるが、上記ステップSS
6と同様に当初は否定される。このため、ステップSV5に
おいて、変数DTYがそれまでの値に一定の加算値CY6が加
えられることにより更新され、続くステップSV6では、
上記の変数DTYの内容がデューティ比として採用され、
第5電磁弁374がそのデューティ比で駆動される。この
サイクルが繰り返し実行されると、上記変数DTYの内容
は、初期値DI6から一定の速度で増加するため、第5電
磁弁374の駆動デューティ比は、第23図に示すように増
加する。このため、第3ライン油圧Pl3は上記第5電磁
弁374の駆動デューティ比の増加に伴って減少させられ
ることから、前進用クラッチ72の伝達トルクが減少させ
られるので、前進用クラッチ72の滑りが発生させられ
る。第23図において前後進切換装置16の出力軸58の回転
速度Nfr(=SPD×ik、但しikは駆動輪24の径や中間ギヤ
装置18および作動歯車装置20の減速比を含む定数)と出
力軸回転速度Noutとの差が前進用クラッチ72の滑りを示
している。
上記前進用クラッチ72の滑りによりCVT14の入力軸回
転速度Ninが上昇し、判断基準値CNを超えると、ステッ
プSV4の判断が肯定されるので、そのステップSV4に続い
てステップSV6が実行される。すなわち、第5電磁弁374
の駆動デューティ比が一定に保持される。第23図のA点
はこの時点を示している。このようにしてCVT14の回転
が一旦開始されると、上記第5電磁弁374の駆動デュー
ティ比を増加させなくても、入力軸回転速度Ninおよび
出力軸回転速度Noutが継続的に上昇する。同時に、第21
図の変速制御ルーチンに示すステップSS6の判断が肯定
されるので、ステップSS7において変速方向切換弁262が
減速側へ切り換えられて減速変速モードとされるととも
に、ステップSS8において第2電磁弁268の駆動デューテ
ィ比がDI2とされ、急減速変速モードに近い速度で減速
変速される。このようにCVT14の変速比γが最減速比γ
maxに向かって変化させられことにより車両の駆動力が
高められるので、車両の前進が開始される。
上記のようにして、CVT14の変速比γが最減速比γmax
に向かって変化させられると、第20図の駆動力不足状態
判定ルーチンにおけるステップSD8の判断が肯定され
て、ステップSD9においてフラグXSTRの内容が「0」に
クリアされるので、第22図の半係合制御ルーチンにおけ
るステップSV2およびSV3により第5電磁弁374の駆動デ
ューティ比が0%とされて第3ライン油圧Pl3が通常の
値に戻されて前進用クラッチ72が半係合状態から係合状
態に切り換えられるとともに、第21図の変速制御ルーチ
ンにおけるステップSS3により通常の変速制御が実行さ
れる。
上述のように、本実施例によれば、駆動力不足状態判
定手段500により、車両の発進操作時の要求出力量、す
なわちスロットル弁開度θthおよび車速SPDに基づい
て、車両の発進操作時における駆動力不足状態が判定さ
れている間は、制御手段502により、前進用クラッチ72
が半係合状態とされると同時にCVT14の変速比γが減速
側へ変化させられるので、CVT14の回転が許容されて変
速比γが最減速側へ変化させられる。このため、車両の
急停止に続いて直ちに急発進操作が行われる場合でも、
充分な車両駆動力が得られることになり、たとえば登坂
路などにおいても車両の発進が可能となるとともに、エ
ンジンの吹上がり、車両の後ずさり、或いは大きな係合
ショックが好適に解消されるのである。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例においては、Dレンジ走行時
において駆動力不足状態が判定されると、前進用クラッ
チ72を半係合状態として変速比γをγmaxへ変化させて
いたが、Rレンジ走行時において駆動力不足状態が判定
された場合には、後進用ブレーキ70を半係合状態として
変速比γをγmaxへ変化させるようにしてもよい。
また、前述の実施例では、前進用クラッチ72の滑りに
よって入力軸回転速度NinがCNを超えた後、第5電磁弁3
74の駆動デューティ比がそのときの値に保持されている
が、僅かに増加させられるようにしてもよい。
また、前述の実施例では、前進用クラッチ72の滑りに
よるCVT14の回転が入力軸回転速度Ninに基づいて判断さ
れているが、出力軸回転速度Noutに基づいて判断されて
もよいのである。
また、前述の実施例では、CVT14と駆動輪24との間に
設けられた前後進切換装置16内の前進用クラッチ72が半
係合とされていたが、独立に設けられたクラッチであっ
てもよいし、その形式は摩擦式だけでなく磁粉式電磁ク
ラッチなどでもよいのである。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第2図の実施例の要部構成を説明する機能ブ
ロック線図である。第2図は本発明の一実施例の油圧制
御装置が備えられた車両用無段変速機を示す骨子図であ
る。第3図は第2図の装置を作動させるための油圧制御
装置を詳細に示す回路図である。第4図は第3図の第2
調圧弁を詳しく示す図である。第5図は第3図の第1調
圧弁を詳しく示す図である。第6図は第3図のスロット
ル弁開度検知弁の出力特性を示す図である。第7図は第
3図の変速比検知弁の出力特性を示す図である。第8図
は第4図の第2調圧弁の出力特性を示す図である。第9
図は第2ライン油圧の理想特性を示す図である。第10図
は、第3図の変速制御弁装置を詳しく説明する図であ
る。第11図は、第3図の変速制御弁装置における第1電
磁弁および第2電磁弁の作動状態と第2図のCVTのシフ
ト状態との関係を説明する図である。第12図、第13図、
第14図は、第2図のCVTの変速比と各部の油圧値との関
係を説明する図であって、第12図は正トルク走行状態、
第13図はエンジンブレーキ走行状態、第14図は無負荷走
行状態をそれぞれ示す図である。第15図は、第5図の第
1調圧弁における一次側油圧シリンダ内油圧または第2
ライン油圧に対する出力特性を示す図である。第16図
は、第3図のリニヤ弁の構成を詳しく説明する図であ
る。第17図は、第3図のリニヤ弁の出力特性を示す図で
ある。第18図は、第3図の油圧回路において第3電磁弁
および第4電磁弁の作動の組合わせとロックアップクラ
ッチの作動状態との対応関係を示す図である。第19図
は、第3図の油圧回路において第3電磁弁、第4電磁
弁、および第5電磁弁の作動状態の組合わせと各制御モ
ードとの対応関係を示す図である。第20図、第21図、お
よび第22図は、第2図の電子制御装置の作動を説明する
フローチャートであって、第20図は駆動力不足状態判定
ルーチン、第21図は変速制御ルーチン、第22図は半係合
制御ルーチンをそれぞれ示している。第23図は、上記第
20図乃至第22図の制御により得られる作動を示すタイム
チャートである。 14:CVT(車両用無段変速機) 24:駆動輪 500:駆動力不足状態判定手段 502:制御手段 504:クラッチ手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 9/00 - 9/26 F16H 61/00 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28 F16D 25/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪との間にクラッチ手段を備える形式
    の車両用無段変速機において、予め求められた関係から
    決定される目標値が実現されるように該無段変速機の変
    速比を調節する形式の変速比制御装置であって、 車両の発進操作時の実際の要求出力量が予め設定された
    判断基準値以上であり且つ車速が予め設定された判断基
    準値以下であることに基づいて、前記車両の発進操作時
    における駆動力不足状態を判定する駆動力不足状態判定
    手段と、 該駆動力不足状態判定手段により駆動力不足状態が判定
    されている間は、前記クラッチ手段を半係合状態とする
    と同時に前記無段変速機の変速比を減速側へ変化させる
    制御手段と、 を含むことを特徴とする車両用無段変速機の変速比制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記駆動力不足状態判定手段は、前記車両
    の実際の要求出力量が予め設定された判断基準値以上で
    あり且つ車速が予め設定された判断基準値以下である状
    態が所定時間持続したことに基づいて、前記車両の発進
    操作時における駆動力不足状態を判定するものである特
    許請求の範囲第1項に記載の車両用無段変速機の変速比
    制御装置。
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