JP2629337B2 - 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

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JP2629337B2
JP2629337B2 JP1033150A JP3315089A JP2629337B2 JP 2629337 B2 JP2629337 B2 JP 2629337B2 JP 1033150 A JP1033150 A JP 1033150A JP 3315089 A JP3315089 A JP 3315089A JP 2629337 B2 JP2629337 B2 JP 2629337B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
に関するものである。
従来の技術 一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けられ
た一対の可変プーリと、それら一対の可変プーリに巻き
掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、前記一対の可
変プーリの有効径をそれぞれ変更する一対の一次側油圧
アクチュエータおよび二次側油圧アクチュエータとを備
えた車両用ベルト式無段変速機において、第1ライン油
圧および第2ライン油圧を前記一次側油圧アクチュエー
タおよび二次側油圧アクチュエータの一方および他方に
作用させることにより速度比を変化させる変速制御弁装
置を備えた形式の油圧制御装置が知られている。たとえ
ば、特開昭62−196448号公報や特開昭62−196450号公報
に記載された装置がそれである。このような装置によれ
ば、二次側油圧アクチュエータと第2ライン油路との間
に、絞り或いは一方向弁を有するバイパス油路が設けら
れ、これにより二次側油圧アクチュエータなどからの漏
れに関連する二次側油圧アクチュエータ内油圧の不足お
よびそれに起因する伝動ベルトのすべりが解消される利
点がある。
発明が解決すべき課題 変速制御弁装置が2位置作動の変速方向切換弁および
流量制御弁により構成され、且つ流量制御弁のデューテ
ィ駆動によって連続的な流量制御が行われる場合があ
る。しかしながら、このような場合には、二次側油圧ア
クチュエータ内油圧には上記のデューティ駆動周期に同
期した脈動が発生する。この二次側油圧アクチュエータ
内油圧の脈動は伝動ベルトに対する二次側可変プーリの
挟圧力を脈動させるため、二次側可変プーリ内の油圧が
充分な圧力に調圧されていたとすると、脈動の上ピーク
付近では不要な挟圧力が発生するだけでなく、下ピーク
付近では挟圧力の不足が発生し、伝動ベルトの耐久性が
損なわれる場合があった。なお、前記特開昭62−196448
号公報に記載されているように、絞りを有するバイパス
油路を設ける場合には、二次側油圧アクチュエータから
の作動油の漏出を補う目的の大きさの絞りが用いられる
ため、脈動を抑制する効果が充分に得られない。また、
前記特開昭62−196450号公報に記載されているように、
一方向弁を有するバイパス油路を設ける場合では、順方
向では開かれて圧力を逃がすが逆方向では完全に閉じら
れるため、脈動抑制効果が充分に得られないのである。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、変速制御弁装置の流量制
御弁のデューティ駆動に関連して発生する二次側油圧ア
クチュエータ内油圧の脈動を抑制することができる車両
用ベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供することに
ある。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けら
れた一対の可変プーリと、その一対の可変プーリに巻き
掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、前記一対の可
変プーリの有効径をそれぞれ変更する一対の一次側油圧
アクチュエータおよび二次側油圧アクチュエータとを備
えた車両用ベルト式無段変速機において、2位置作動形
式の変則方向切換弁の切換え駆動と2位置作動形式の流
量制御弁のデューティ駆動とによって、第1ライン油圧
および第2ライン油圧を前記一次側油圧アクチュエータ
および二次側油圧アクチュエータの一方および他方に作
用させ且つ作動油流量を制御することにより速度比を変
化させる変速制御弁装置を備えた油圧制御装置であっ
て、(a)前記第2ライン油圧を導く第2ライン油路と
前記二次側油圧アクチュエータとの間を接続するバイパ
ス油路と、(b)そのバイパス油路に設けられ、流通方
向が前記二次側油圧アクチュエータへ向かう方向である
一方向弁と、(c)前記バイパス油路において前記一方
向弁と並列に設けられた絞りとを、含むことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、第2ライン油路と二次側油圧アク
チュエータとの間を接続するバイパス油路に、絞りと、
流通方向が前記二次側油圧アクチュエータへ向かう方向
である一方向弁とが並列に設けられているので、二次側
油圧アクチュエータ内油圧に変速制御弁装置のデューテ
ィ駆動に関連した脈動が発生しても、スパイク的に上昇
する上ピーク圧力が上記絞りにより逃がされるととも
に、下ピーク圧力は第2ライン油路から一方向弁を通し
て瞬間的に供給される作動油により補填されるので、二
次側油圧アクチュエータ内油圧の脈動が好適に緩和され
るのである。このため、脈動に起因して伝動ベルトの耐
久性が損なわれることが解消される。また、上記一方向
弁を通して作動油が大量に供給され得るので、二次側油
圧アクチュエータからの漏れによる二次側油圧アクチュ
エータ内油圧の低下が解消される。
ここで、上記一方向弁は、好適には、平面状の弁座
と、この弁座に当接する平面状の当接面を備えた弁子
と、この弁子を弁座へ向かって付勢するスプリングとに
より構成される。このように構成されると、デューティ
駆動周期に同期して弁子が弁座へ当接させられても、球
状弁子を用いる場合に比較して極めて高い耐久性が得ら
れる利点がある。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、エンジン10の動力は、ロックアップ
クラッチ付流体継手12、ベルト式無段変速機(以下、CV
Tという)14、前後進切換装置16、中間ギヤ装置18、お
よび差動歯車装置20を経て駆動軸22に連結された駆動輪
24へ伝達されるようになっている。
流体継手12は、エンジン10のクランク軸26と接続され
ているポンプ羽根車28と、CVT14の入力軸30に固定され
ポンプ羽根車28からのオイルにより回転させられるター
ビン羽根車32と、ダンパ34を介して入力軸30に固定され
たロックアップクラッチ36と、後述の係合側油路322に
接続された係合側油路33および後述の解放側油路324に
接続された解放側油室35とを備えている。流体継手12内
は常時作動油で満たされており、たとえば車速、エンジ
ン回転速度、またはタービン28の回転速度が所定値以上
になると係合側油室33へ作動油が供給されるとともに解
放側油室35から作動油が流出されることにより、ロック
アップクラッチ36が係合して、クランク軸26と入力軸30
とが直結状態にされる。反対に、上記車速等が所定値以
下になると、解放側油室35へ作動油が供給されるととも
に係合側油室33から作動油が流出されることにより、ロ
ックアップクラッチ36が解放される。
CVT14は、その入力軸30および出力軸38にそれぞれ設
けられた同径の可変プーリ40および42と、それら可変プ
ーリ40および42に巻き掛けられた伝動ベルト44とを備え
ている。可変プーリ40および42は、入力軸30および出力
軸38にそれぞれ固定された固定回転体46および48と、入
力軸30および出力軸38にそれぞれ軸方向の移動可能かつ
軸回りの相対回転不能に設けられた可動回転体50および
52とから成り、可動回転体50および52が油圧アクチュエ
ータとして機能する一次側油圧シリンダ54および二次側
油圧シリンダ56によって移動させられることによりV溝
幅すなわち伝導ベルト44の掛り径(有効径)が変更され
て、CVT14の速度比e(=出力軸38の回転速度Nout/入
力軸30の回転速度Nin)が変更されるようになってい
る。可変プーリ40および42は同径であるため、上記油圧
シリンダ54および56は同様の受圧面積を備えている。通
常、油圧シリンダ54および56のうちの従動側に位置する
ものの圧力は伝導ベルト44の張力と関連させられる。
前後進切換装置16は、よく知られたダブルピニオン型
遊星歯車機構であって、その出力軸58に固定されたキャ
リヤ60により回転可能に支持され且つ互いに噛み合う一
対の遊星ギヤ62および64と、前後進切換装置16の入力軸
(CVT14の出力軸)38に固定され且つ内周側の遊星ギヤ6
2と噛み合うサンギヤ66と、外周側の遊星ギヤ64と噛み
合うリングギヤ68と、リングギヤ68の回転を停止するた
めの後進用ブレーキ70と、上記キャリヤ60と前後進切換
装置16の入力軸38とを連結する前進用クラッチ72とを備
えている。後進用ブレーキ70および前進用クラッチ72は
油圧により作動させられる形式の摩擦係合装置であっ
て、それらが共に係合しない状態では前後進切換装置16
が中立状態とされて動力伝達が遮断される。しかし、前
進用クラッチ72が係合させられると、CVT14の出力軸38
と前後進切換装置16の出力軸58とが直結されて車両前進
方向の動力が伝達される。また、後進用ブレーキ70が係
合させられると、CVT14の出力軸38と前後進切換装置16
の出力軸58との間で回転方向が反転されるので、車両後
進方向の動力が伝達される。
第1図は第2図に示す車両用動力伝達装置を制御する
ための油圧制御回路を示している。オイルポンプ74は本
油圧制御回路の油圧源を構成するものであって、流体継
手12のポンプ羽根車28とともに一体的に連結されること
により、クランク軸26によって常時回転駆動されるよう
になっている。オイルポンプ74は図示しないオイルタン
ク内へ還流した作動油をストレーナ76を介して吸入し、
また、吸入油路78を介して戻された作動油を吸入して第
1ライン油路80へ圧送する。本実施例では、第1ライン
油路80内の作動油がオーバーフロー(リリーフ)型式の
第1調圧弁100によって吸入油路78およびロックアップ
クラッチ圧油路92へ漏出させられることにより、第1ラ
イン油路80内の第1ライン油圧Pl1が調圧されるように
なっている。また、減圧弁型式の第2調圧弁102によっ
て第1ライン油圧Pl1が減圧されることにより第2ライ
ン油路82内の第2ライン油圧Pl2が調圧されるようにな
っている。
まず、第2調圧弁102の構成を説明する。第3図に示
すように、第2調圧弁102は、第1ライン油路80と第2
ライン油路82との間を開閉するスプール弁子110、スプ
リングシート112、リターンスプリング114、プランジャ
116を備えている。また、スプール弁子110の軸端には、
順に径が大きくなる第1ランド118、第2ランド120、第
3ランド122が順次形成されている。第2ランド120と第
3ランド122との間には第2ライン油圧Pl2がフィードバ
ック圧として絞り124を通して導入される室126が設けら
れており、スプール弁110が第2ライン油圧Pl2により閉
弁方向へ付勢されるようになっている。また、スプール
弁子110の第1ランド118端面側には、絞り128を介して
後述の速度比圧Peが導かれる室130が設けられており、
スプール弁子110が速度比圧Peにより閉弁方向へ付勢さ
れるようになっている。第2調圧弁102内においてはリ
ターンスプリング114の開弁方向付勢力がスプリングシ
ート112を介してスプール弁子110に付与されている。ま
た、プランジャ116の端面側には後述のスロットル圧Pth
を作用させるための室132が設けられており、スプール
弁子110がこのスロットル圧Pthにより開弁方向へ付勢さ
れるようになっている。したがって、第1ランド118の
受圧面積をA1、第2ランド120の断面の面積をA2、第3
ランド122の断面の面積をA3、プランジャ116の受圧面積
をA4、リターンスプリング114の付勢力をWとすると、
スプール弁子110は次式(1)が成立する位置において
平衡させられる。すなわち、スプール弁子110が式
(1)にしたがって移動させられることにより、ポート
134aに導かれている第1ライン油路80内の作動油がポー
ト134bを介して第2ライン油路82へ流入させられる状態
とポート134bに導かれている第2ライン油路82内の作動
油がドレンに連通するドレンポート134cへ流される状態
とが繰り返されて、第2ライン油圧Pl2が発生させられ
るのである。上記第2ライン油路82は比較的閉じられた
系であるので、第2調圧弁102は上記のように相対的に
高い油圧である第1ライン油圧Pl1を減圧することによ
り第2ライン油圧Pl2を第7図に示すように発生させる
のである。
Pl2=(A4・Pth+W−A1・Pe)/(A3−A2) ・・・・
(1) なお、上記スプール弁子110の第1ランド118と第2ラ
ンド120との間には、後述の第2ライン油圧低下制御弁3
80を通して信号圧PSOL4が導入される室136が設けられて
おり、スプール弁子110がその信号圧PSOL4により閉弁方
向へ付勢されると、その大きさに応じて第2ライン油圧
Pl2が減圧されるようになっている。この場合における
第2ライン油圧特性については後で詳述する。
第1調圧弁100は、第4図に示すように、スプール弁
子140、スプリングシート142、リターンスプリング14
4、第1プランジャ146、およびその第1プランジャ146
の第2ランド155と同径の第2プランジャ148を備えてい
る。スプール弁子140は、第1ライン油路80に連通する
ポート150aとドレンポート150bまたは150cとの間を開閉
するものであり、その第1ランド152の端面にフィード
バック圧としての第1ライン油圧Pl1を絞り151を介して
作用させるための室153が設けられており、この第1ラ
イン油圧Pl1によりスプール弁子140が開弁方向へ付勢さ
れるようになっている。スプール弁子140と同軸に設け
られた第1プランジャ146の第1ランド154と第2ランド
155との間にはスロットル圧Pthを導くための室156が設
けられており、また、第2ランド155と第2プランジャ1
48との間には一次側油圧シリンダ54内の油圧Pinを分岐
油路305を介して導くための室157が設けられており、さ
らに第2プランジャ148の端面には第2ライン油圧Pl2
導くための室158が設けられている。前記リターンスプ
リング144の付勢力は、スプリングシート142を介して閉
弁方向にスプール弁子140に付与されているので、スプ
ール弁子140の第1ランド152の受圧面積をA5、第1プラ
ンジャ146の第1ランド154の断面積をA6、第2ランド15
5および第2プランジャ148の断面積をA7、リターンスプ
リング144の付勢力をWとすると、スプール弁子140は次
式(2)が成立する位置において平衡させられ、第1ラ
イン油圧Pl1が調圧される。
Pl1= 〔(PinorPl2)・A7+Pth(A6−A7)+W〕/A5 ・・・・(2) 上記第1調圧弁100においては、一次側油圧シリンダ5
4内油圧Pinが第2ライン油圧Pl2(定常状態ではPl2=二
次側油圧シリンダ56内油圧Pout)よりも高い場合には、
第1プランジャ146と第2プランジャ148との間が離間し
て上記一次側油圧シリンダ54内油圧Pinによる推力がス
プール弁子140の閉弁方向に作用するが、一次側油圧シ
リンダ54内油圧Pinが第2ライン油圧Pl2よりも低い場合
には、第1プランジャ146と第2プランジャ148とが当接
することから、上記第2プランジャ148の端面に作用し
ている第2ライン油圧Pl2による推力がスプール弁子140
の閉弁方向に作用する。すなわち、一次側油圧シリンダ
54内油圧Pinと第2ライン油圧Pl2とを受ける第2プラン
ジャ148がそれらの油圧のうちの高い方の油圧に基づく
作用力をスプール弁子140の閉弁方向に作用させるので
ある。なお、スプール弁子140の第1ランド152と第2ラ
ンド159との間には、後述の第1ライン油圧低下制御弁4
40から油路161を介して第2ライン油圧Pl2が供給される
室160が設けられている。この室160内に作用している第
2ライン油圧Pl2は、第1ライン油圧Pl1を低下させる方
向に作用しており、N,Pレンジのときに第1ライン油圧
低下制御弁440が作動して室160へ第2ライン油圧Pl2
供給されると第1ライン油圧Pl1が低下させられる。こ
の場合における第1ライン油圧特性については後に詳述
する。
第1図に戻って、スロットル圧Pthはエンジン10にお
ける実際のスロットル弁開度θthを表すものであり、ス
ロットル弁開度検知弁180によって発生させられる。ま
た、速度比圧PeはCVT16の実際の速度比を表すものであ
り、速度比検知弁182によって発生させられる。すなわ
ち、スロットル弁開度検知弁180は、図示しないスロッ
トル弁とともに回転させられるカム184と、このカム184
のカム面に係合し、このカム184の回動角度と関連して
軸方向へ駆動されるプランジャ186と、スプリング188を
介して付与されるプランジャ186からの推力と第1ライ
ン油圧Pl1による推力とが平衡した位置に位置させられ
ることにより第1ライン油圧Pl1を減圧し、実際のスロ
ットル弁開度θthに対応したスロットル圧Pthを発生さ
せるスプール弁子190とを備えている。第5図は上記ス
ロットル圧Pthとスロットル弁開度θthとの関係を示す
ものであり、油路84を通して第1調圧弁100、第2調圧
弁102、および第3調圧弁220へそれぞれ供給される。
また、速度比検出弁182は、CVT14の入力側可動回転体
50に摺接してその軸線方向の変位量に等しい変位量だけ
軸線方向へ移動させられる検知棒192と、この検知棒192
の位置に対応して付勢力を伝達するスプリング194と、
このスプリング194からの付勢力を受ける一方、第2ラ
イン油圧Pl2を受けて両者の推力が平衡した位置に位置
させられることにより、ドレンへの排出流量を変化させ
るスプール弁子198とを備えている。したがって、たと
えば速度比eが大きくなってCVT14の入力側の固定回転
体46に対して可動回転体50が接近(V溝幅縮小)する
と、上記検知棒192が押し込まれる。このため、第2ラ
イン油路82からオリフィス196を通して供給され且つス
プール弁子198によりドレンへ排出される作動油の流量
が減少させられるので、オリフィス196よりも下流側の
作動油圧が高められる。この作動油圧が速度比圧Peであ
り、第6図に示すように、速度比eの増大とともに増大
させられる。そして、このようにして発生させられた速
度比圧Peは、油路86を通して第2調圧弁102および第3
調圧弁220へそれぞれ供給される。
ここで、上記速度比検出弁182は、オリフィス196を通
して第2ライン油路86から供給される第2ライン油圧Pl
2の作動油の逃がし量を変化させることにより速度比圧P
eを発生させるものであるから、速度比圧Peは第2ライ
ン油圧Pl2以上の値となることが制限されている一方、
前記(1)式に従って作動する第2調圧弁102では速度
比圧Peの増加に伴って第2ライン油圧Pl2を減少させ
る。このため、速度比圧Peが所定値まで増加して第2ラ
イン油圧Pl2と等しくなると、それ以降は両者ともに飽
和して一定となる。第7図は、第2調圧弁102におい
て、上記の速度比圧Peに関連して調圧される第2ライン
油圧Pl2の出力特性を示している。すなわち、速度比e
に関連して低圧側ライン油圧に求められる第8図に示す
伝動ベルト44の張力を最適値とするための理想曲線に近
似した特性が油圧回路のみによって得られるのであり、
マイクロコンピュータによって制御される電磁式圧力制
御サーボ弁を用いて第2ライン油圧Pl2を発生させる場
合に比較して油圧回路が大幅に安価となる利点がある。
前記第3調圧弁220は、前後進切換装置16の後進用ブ
レーキ70および前進用クラッチ72を作動させるための最
適な第3ライン油圧Pl3を発生させるものである。すな
わち、第3調圧弁220は、第1ライン油路80と第3ライ
ン油路88との間を開閉するスプール弁子222、スプリン
グシート224、リターンスプリング226、プランジャ228
を備えている。スプール弁子222の第1ランド230と第2
ランド232との間には第3ライン油圧Pl3がフィードバッ
ク圧として絞り234を通して導入される室236が設けられ
ており、スプール弁子222が第3ライン油圧Pl3により閉
弁方向へ付勢されるようになっている。また、スプール
弁子222の第2ランド230側には、絞り238を介して速度
比圧Peが導かれる室240が設けられており、スプール弁
子222が速度比圧Peにより閉弁方向へ付勢されるように
なっている。第3調圧弁220内においてはリターンスプ
リング226の開弁方向付勢力がスプリングシート224を介
してスプール弁子222に付与されている。また、プラン
ジャ228の端面にスロットル圧Pthを作用させるための室
242が設けられており、スプール弁子222がこのスロット
ル圧Pthにより開弁方向へ付勢されるようになってい
る。また、プランジャ228の第1ランド244とそれより小
径の第2ランド246との間には、後進時のみに第3ライ
ン油圧Pl3を導くための室248が設けられている。このた
め、第3ライン油圧Pl3は、前記(1)式と同様な式か
ら、速度比圧Peおよびスロットル圧Pthに基づいて最適
な値に調圧されるのである。この最適な値とは、前進用
クラッチ52或いは後進用ブレーキ50において滑りが発生
することなく確実にトルクを伝達できるようにするため
に必要かつ充分な値である。また、後進時においては、
上記室248内へ第3ライン油圧Pl3が導かれるため、スプ
ール弁子222を開弁方向へ付勢する力が増加させられて
第3ライン油圧Pl3が高められる。これにより、前進ク
ラッチ72および後進ブレーキ70において、前進時および
後進時にそれぞれ適したトルク容量が得られる。
上記のように調圧された第3ライン油圧Pl3は、マニ
ュアルバルブ250によって前進用クラッチ72或いは後進
用ブレーキ70へ供給されるようになっている。すなわ
ち、マニュアルバルブ250は、車両のシフトレバー252の
操作と関連して移動させられるスプール弁子254を備え
ており、シフトレバー252がN(ニュートラル)レンジ
に操作されている状態では第3ライン油圧Pl3を出力し
ないが、L(ロー)、S(セカンド)、D(ドライブ)
レンジへ操作されている状態では第3ライン油圧Pl3
専ら出力ポート258から前進用クラッチ72、およびリバ
ースインヒビット弁420の室432へ供給すると同時に後進
用ブレーキ70から排油し、R(リバース)レンジへ操作
されている状態では第3ライン油圧Pl3を出力ポート256
から第3調圧弁220、ロックアップ制御弁320、第1ライ
ン油圧低下制御弁440の室452、およびリバースインヒビ
ット弁420のポート422aへ供給するとともに、そのリバ
ースインヒビット弁420を通して後進用ブレーキ70へ供
給し、同時に前進用クラッチ72から排油し、P(パーキ
ング)レンジへ操作されている状態では、前進用クラッ
チ72および後進用ブレーキ70から共に排油する。なお、
アキュムレータ342および340は、緩やかに油圧を立ち上
げて摩擦係合を滑らかに進行させるためのものであり、
前進用クラッチ72および後進用ブレーキ70にそれぞれ接
続されている。また、シフトタイミング弁210は、前進
用クラッチ72の油圧シリンダ内油圧の高まりに応じて絞
り212を閉じることより、過渡的な流入流量を調節す
る。
前記第1調圧弁100により調圧された第1ライン油圧P
l1および第2調圧弁102により調圧された第2ライン油
圧Pl2は、CVT14の速度比eを調節するために、変速制御
弁装置260により一次側油圧シリンダ54および二次側油
圧シリンダ56の一方および他方へ供給されている。上記
変速制御弁装置260は変速方向切換弁262および流量制御
弁264から構成されている。なお、それら変速方向切換
弁262および流量制御弁264を駆動するための第4ライン
油圧Pl4は第4調圧弁170により第1ライン油圧Pl1に基
づいて発生させられ、第4ライン油路370により導かれ
るようになっている。
第9図に詳しく示すように、変速方向切換弁262は、
第1電磁弁266によって制御されるスプール弁であっ
て、流量制御弁264との間を接続する4本の第1接続路2
70、第1絞り271を有する第2接続路272、第3接続路27
4、第4接続路276にそれぞれ連通するポート278a,278c,
278e,278gと、ドレンに連通するドレンポート278bと、
第1ライン油圧Pl1が供給されるポート278dと、第2ラ
イン油圧Pl2が供給されるポート278fと、移動ストロー
クの一端(第9図の上端)である第1位置と移動ストロ
ークの他端(第9図の下端)である第2位置との間にお
いて摺動可能に配置されたスプール弁子280と、このス
プール弁子280を第2位置に向かって付勢するスプリン
グ282とを備えている。上記スプール弁子280には、各ポ
ート間を開閉するための4つのランド279a,279b,279c,2
79dが設けられている。上記スプール弁子280のスプリン
グ282側の端面には大気に解放されているために油圧が
作用されていない。しかし、スプール弁子280の下端側
の端面には、第1電磁弁266のオフ状態、すなわち閉状
態では第4調圧弁170により調圧された第4ライン油圧P
l4が作用させられるが、オン状態、すなわち開状態では
絞り284よりも下流側が排圧されて第4ライン油圧Pl4
作用しない状態となる。このため、第1電磁弁266がオ
ン状態である期間は、スプール弁子280が第2位置に位
置させられてポート278aとポート278bとの間、ポート27
8dとポート278eとの間がそれぞれ開かれるとともに、ポ
ート278dと278cとの間およびポート278fと278gとの間が
閉じられるが、第1電磁弁266がオフ状態である期間は
スプール弁子280が第1位置に位置させられて上記と逆
の切換え状態となる。
前記流量制御弁264は、第2電磁弁268によって制御さ
れるスプール弁であって、前記4本の第1接続路270、
第2接続路272、第3接続路274、第4接続路276にそれ
ぞれ連通するポート286a,286c,286d,286fと、一次側油
圧シリンダ54に連通するポート286bと、二次側油圧シリ
ンダ56に連通するポート286eと、移動ストロークの一端
(第9図の上端)である第1位置と移動ストロークの他
端(第9図の下端)である第2位置との間において摺動
可能に配設されたスプール弁子288と、このスプール弁
子288を第2位置に向かって付勢するスプリング290とを
備えている。上記スプール弁子288には、各ポート間を
開閉するための4つのランド287a,287b,287c,287dが設
けられている。変速方向切換弁262と同様に上記スプー
ル弁子288のスプリング290側の端面には大気に解放され
ているために油圧が作用されていない。しかし、スプー
ル弁子288の下端側の端面には、第2電磁弁268のオフ状
態、すなわち閉状態では第4調圧弁170により調圧され
た第4ライン油圧Pl4が作用させられるが、オン状態、
すなわち開状態では絞り292よりも下流側が排圧されて
第4ライン油圧Pl4が作用しない状態となる。このた
め、第2電磁弁268がオン状態(デューティ比が100%)
である期間は、スプール弁子288が第2位置に位置させ
られてポート286cとポート286bとの間、ポート286fと28
6eとの間がそれぞれ開かれるとともに、ポート286aと28
6bとの間およびポート286dと286eとの間が閉じられる
が、第2電磁弁268がオフ状態(デューティ比が0%)
である期間はスプール弁子288が第1位置に位置させら
れて上記と逆の切換え状態となる。なお、第2電磁弁26
8がオフ状態である期間においてポート286cと286bが絞
り294を通して僅かに連通させられている。そして、二
次側油圧シリンダ56はバイパス油路295によって第2ラ
イン油路82と接続されており、そのバイパス油路295に
は互いに並列な絞り296およびチェック弁298が設けられ
ている。それらの互いに並列な絞り296およびチェック
弁298は、二次側油圧シリンダ56内を相対的に高圧側と
する減速変速のときや、エンジンブレーキ走行時におい
て、二次側油圧シリンダ56へ第1ライン油圧Pl1が供給
されたとき、二次側油圧シリンダ56内油圧Pout(=P
l1)が第2ライン油路82へ大量に流出して低下しないよ
うにするためのものである。
したがって、第1電磁弁266がオンである状態では、
第9図の実線に示すように、第1ライン油路80内の作動
油は、ポート278d、ポート278e、第3接続路274、ポー
ト286d、ポート286e、二次側油路302を通して二次側油
圧シリンダ56へ流入させられる一方、一次側油圧シリン
ダ54内の作動油は、一次側油路300、ポート286b、ポー
ト286a、第1接続路270、ポート278a、ポート278bを通
してドレンへ排出される。このことから、CVT14の速度
比eは減速方向へ変化させられる。
反対に、第1電磁弁266がオフである状態では、第9
図の破線に示すように、第1ライン油路80内の作動油
は、ポート278d、ポート278c、第2接続路272、ポート2
86c、ポート286b、一次側油路300を通して一次側油圧シ
リンダ54へ流入させられる一方、二次側油圧シリンダ56
内の作動油は、二次側油路302、ポート286e、ポート286
f、第4接続路276、ポート278g、ポート278fを通して第
2ライン油路82へ排出される。このことから、CVT14の
速度比eは増速方向へ変化させられる。なお、一次側油
路300の第1調圧弁100への分岐点と流量制御弁264のポ
ート286bとの間には、第2絞り273が設けられている。
第10図は、上記第1電磁弁266および第2電磁弁268の
駆動状態とCVT14の変速方向およひ速度比eの変化速度
との関係を示している。なお、第1電磁弁266および第
2電磁弁268が共にオフ状態である変速モード(ニ)の
場合には、第1ライン油路80内の作動油がスプール弁子
288の絞り穴294を通して一次側油圧シリンダ54へ供給さ
れるとともに、二次側油圧シリンダ56内の作動油は絞り
296を通して第2ライン油路82へ徐々に排出される。ま
た、第1電磁弁266および第2電磁弁268が共にオン状態
である変速モード(ハ)の場合には、第2ライン油路82
内の作動油はバイパス油路295において並列に設けられ
た絞り296およびチェック弁298を通して二次側油圧シリ
ンダ56内へ供給されるとともに、一次側油圧シリンダ54
内の作動油はそのピストンの摺動部分などに積極的に或
いは必然的に形成された僅かな隙間から徐々に排出され
るようになっている。
上記のように、二次側油圧シリンダ56と第2ライン油
路82との間にバイパス油路295が設けられているため、
流量制御弁264のデューティ駆動に同期して二次側油圧
シリンダ内油圧Poutに生じる脈動が好適に抑制される。
二次側油圧シリンダ内油圧Poutのスパイク状の上ピーク
は絞り296により逃がされ、Poutの下ピークはチェック
弁298を通して補填されるからである。なお、チェック
弁298は、平面状の座面を備えた弁座299と、その座面に
当接する平面状の当接面を備えた弁子301と、その弁子3
01を弁座299に向かって付勢するスプリング303とを備
え、0.2kg/m2程度の圧力差で開かれるようになってい
る。本実施例においては、上記チェック弁298が一方向
弁に対応している。
ここで、CVT14における第1ライン油圧Pl1には、正駆
動走行時(駆動トルクTが正の時)には第11図に示すよ
うな、また、エンジンブレーキ走行時(駆動トルクTが
負の時)には第12図に示すような油圧値が望まれる。第
11図および第12図は、いずれも入力軸30が一定の軸トル
クで回転させられている状態で速度比を全範囲内で変化
させたときに必要とされる油圧値を示したものである。
本実施例では、一次側油圧シリンダ54と二次側油圧シリ
ンダ56の受圧面積が等しいので、第11図の正駆動走行時
には一次側油圧シリンダ54内の油圧Pin>二次側油圧シ
リンダ56内の油圧Pout、第12図のエンジンブレーキ走行
時にはPout>Pinであり、いずれも駆動側油圧シリンダ
内油圧>被駆動側油圧シリンダ内油圧となる。正駆動走
行時における上記Pinは駆動側の油圧シリンダの推力を
発生させるものであるので、その油圧シリンダに目標と
する速度比を得るための推力が発生し得るように、また
動力損失を少なくするために、第1ライン油圧Pl1は上
記Pinに必要且つ充分な余裕油圧αを加えた値に調圧す
ることが望まれる。しかし、上記第11図および第12図に
示す第1ライン油圧Pl1を一方の油圧シリンダ内油圧に
基づいて調圧することは不可能であり、このため、本実
施例では、前記第1調圧弁100には第2プランジャ148が
設けられ、Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうちの何れか
高い油圧に基づく付勢力が第1調圧弁100のスプール弁
子140へ伝達されるようになっている。これにより、た
とえば第13図に示すような、Pinを示す曲線とPoutを示
す曲線とが交差する無負荷走行時において、第1ライン
油圧Pl1がPinおよび第2ライン油圧Pl2の何れか高い油
圧値に余裕値αを加えた値に制御される。これにより、
第1ライン油圧Pl1は必要かつ充分な値に制御され、動
力損失が可及的に小さくされている。因に、第13図の破
線に示す第1ライン油圧Pl1′は第2プランジャ148が設
けられていない場合のものであり、速度比eが大きい範
囲では不要に大きな余裕油圧が発生させられている。
前記余裕値αは、CVT14の速度比変化範囲全域内にお
いて所望の速度で速度比eを変化させて所望の速度比e
を得るに足る必要かつ充分な値であり、(2)式から明
らかなように、スロットル圧Pthに関連して第1ライン
油圧Pl1が高められている。前記第1調圧弁100の各部の
受圧面積およびスプリング144の付勢力がそのように設
定されているのである。このとき、第1調圧弁100によ
り調圧される第1ライン油圧Pl1は、第14図に示すよう
に、PinもしくはPoutとスロットル圧Pthとにしたがって
増加するが、スロットル圧Pthに対応した最大値におい
て飽和させられるようになっている。これにより、速度
比eが最大値となって一次側可変プーリ40のV溝幅の減
少が機械的に阻止された状態で、一次側油圧シリンダ54
内の油圧Pinが増大しても、それよりも常に余裕値αだ
け高く制御される第1ライン油圧Pl1の過昇圧が防止さ
れるようになっている。
前記第1調圧弁100において、ポート150bから流出さ
せられた作動油は、ロックアップクラッチ圧油路92に導
かれ、ロックアップクラッチ圧調圧弁310により流体継
手12のロックアップクラッチ36を作動させるために適し
た圧力のロックアップクラッチ油圧PCLに調圧されるよ
うになっている。すなわち、上記ロックアップクラッチ
圧調圧弁310は、フィードバック圧としてロックアップ
クラッチ油圧PCLを受けて開弁方向に付勢されるスプー
ル弁子312と、このスプール弁子312を閉弁方向に付勢す
るスプリング314と、急解放時に後述のロックアップ急
解放弁400を通してクラッチ油圧PCLが供給される室316
と、その室316の油圧を受けてスプール弁子312を閉弁方
向に付勢するプランジャ317とを備えており、スプール
弁子312が上記フィードバック圧に基づく推力とスプリ
ング314の推力とが平衡するように作動させられてロッ
クアップクラッチ圧油路92内の作動油を流出させること
により、一定のロックアップクラッチ油圧PCLが発生さ
せられる。また、急解放時にクラッチ油圧PCLが室316へ
供給されると、ロックアップクラッチ36を一層速やかに
解放させるためにクラッチ油圧PCLが高められる。ロッ
クアップクラッチ圧調圧弁310から流出させられた作動
油は、絞り318および潤滑油路94を通してトランスミッ
ションの各部の潤滑のための送出されるとともに、オイ
ルポンプ74の吸入油路78に還流させられる。
上記のようにして調圧されたロックアップクラッチ油
圧PCLは、ロックアップ制御弁320により流体継手12の係
合側油路322および解放側油路324へ択一的に供給され、
ロックアップクラッチ36が係合状態または解放状態とさ
れるようになっている。すなわち、ロックアップ制御弁
320は、ロックアップクラッチ圧油路92を上記係合側油
路322および解放側油路324と択一的に接続するスプール
弁子326と、スプール弁子326を解放側へ付勢するスプリ
ング328とを備えている。スプール弁子326の上端面側
(スプリング328側)には、Rレンジが選択されたとき
だけマニュアルバルブ250の出力ポート256から油路257
を介して第3ライン油圧Pl3が導入されるが、その他の
レンジではドレンされる室334が設けられる一方、スプ
ール弁子326の下端面側(非スプリング328側)には、ノ
ーマルオープン型の第3電磁弁330がオン状態のときに
信号圧PSOL3が導入される室332が配設されている。第3
電磁弁330がオン状態(閉状態)であるときには絞り331
よりも下流側はクラッチ油圧PCLと等しい信号圧PSOL3
発生させられるが、第3電磁弁330がオフ状態(開状
態)であるときには絞り331よりも下流側がドレンされ
て信号圧PSCL3が解消されるようになっている。それ等
絞り331および電磁弁330は信号圧PSOL3の発生手段を構
成しており、信号圧PSOL3は、前記ロックアップ制御弁3
20のほかに、第2ライン油圧低下制御弁380、ロックア
ップ急解放弁400、リバースインヒビット弁420へそれぞ
れ供給される。
したがって、Rレンジ以外のシフトレンジにおいて、
第3電磁弁330がオン状態の場合には、室332へ信号圧P
SOL3が導入されるが、室334は大気圧とされることか
ら、スプール弁子326はスプリング328側へ位置させられ
るので、ロックアップクラッチ圧油路92内の作動油が係
合側油路322へ供給されて、ロックアップクラッチ36が
係合状態とされる。反対に、第3電磁弁330がオフ状態
の場合には、室332は大気圧とされることから、スプー
ル弁子326はスプリング328の付勢力に従って第1図の下
側へ位置させられるので、ロックアップクラッチ圧油路
92内の作動油が解放側油路324へ供給されて、ロックア
ップクラッチ36が解放状態とされる。また、シフトポジ
ションがRレンジへ変更された場合には、室334へ第3
ライン油圧Pl3が供給されるので、信号圧PSOL3に基づく
スプール弁子326への付勢力よりも第3ライン油圧Pl3
よびスプリング328に基づく付勢力が大きくなり、第3
電磁弁330の開閉状態に関係なく、スプール弁子326が第
1図の下側に優先的に位置させられて、ロックアップク
ラッチ36が解放状態とされる。
なお、係合時において絞り336から流出させられる作
動油、および非係合時において係合側油路322を経てロ
ックアップクラッチ36から戻されることによりロックア
ップ制御弁320から流出させられる作動油は、クーラ油
圧制御弁338により一定値以下に調圧された後、オイル
クーラ339を経て図示しないオイルタンクへ還流させら
れるようになっている。
前記前進用クラッチ72および後進用ブレーキ70にそれ
ぞれ設けられたアキュムレータ342および340の背圧制御
を説明する。ロックアップクラッチ圧油路92から絞り34
4を介して流出した作動油は、ノーマルオープン型の第
4電磁弁346にて制御され、第15図に示すように、その
デューティ比DS4に対して油圧が変化させられる。すな
わち、絞り344および第4電磁弁346は、信号圧PSOL4
発生させる信号圧発生手段として機能している。このよ
うに第4電磁弁346の駆動デューティ比DS4により調圧さ
れる信号圧PSOL4は、油路348を介してソレノイド圧切換
弁350へ導かれる。このソレノイド圧切換弁350は、第16
図に詳しく示すように、ドレンポート352a、油路354と
連通するポート352b、油路348と連通するポート352c、
油路356と連通するポート352d、およびドレンポート352
eと、移動ストロークの一端(第16図の上端)である第
1位置と移動ストロークの他端(第16図の下端)である
第2位置との間において摺動可能に配置されたスプール
弁子358と、このスプール弁子358を第1位置へ向かって
付勢するスプリング360とを備えている。上記スプール
弁子358の一端(上端)側の室362には第3ライン油圧Pl
3が常時導かれている一方、スプール弁子358の他端側
(スプリング360側)の室364には前進用クラッチ72内の
油圧が導かれている。したがって、シフトポジションが
P、R、Nレンジである場合には、前進クラッチ72の油
圧シリンダはマニュアルバルブ250によりドレンされる
ので、上記室364内も排圧された状態となる。このた
め、スプール弁子358は室362へ導かれている第3ライン
油圧Pl3に従って第2位置に位置させられて、ポート352
cとポート352bとの間、ポート352dとポート352eとの間
がそれぞれ連通させられるので、信号圧PSOL4は油路354
を通り第4調圧弁170の室177へ付与されるとともに、油
路356内の油圧がドレンされる。しかし、Nレンジから
D、S、Lレンジへシフトした場合、前進用クラッチ72
の油圧シリンダ内油圧は初期時においてアキュムレータ
342の緩和作用により所定の函数に従って時間経過とと
もに上昇し、係合と同時に第3ライン油圧Pl3まで上昇
する。このことから、前進用クラッチ72の係合以前(室
364内が第3ライン油圧Pl3へ昇圧する前)には、油路34
8内の信号圧PSOL4はソレノイド圧切換弁350を通して第
4調圧弁170へ付与されるが、前進用クラッチ72が係合
状態(室364内が第3ライン油圧Pl3へ昇圧した状態)と
なると、スプール弁子358は前記第1位置に位置し、ポ
ート352bと352aとの間、ポート352cとポート352dとの間
がそれぞれ連通し、油路354内がドレンされるととも
に、油路348内の信号圧PSOL4はソレノイド圧切換弁350
および油路356を介して第2ライン油圧低下制御弁380お
よびロックアップ急解放弁400へ導かれる。
ここで、アキュムレータ340、342の背圧制御は、N→
DシフトおよびN→Rシフト時のシフトショック(係合
ショック)を軽減するために行うもので、クラッチ係合
時に油圧シリンダ内油圧の上昇を微小時間抑制してショ
ックを緩和する。そこで前進用クラッチ72用のアキュム
レータ342の背圧ポート366および後進用ブレーキ70用の
アキュムレータ340の背圧ポート368に、第4調圧弁170
により制御される第4ライン油圧Pl4を変化させて第4
ライン油路370を介して供給させ、アキュムレータ342、
340による油圧変化緩和作用を制御する。
上記第4調圧弁170は、第1ライン油路80と第4ライ
ン油路370との間を開閉するスプール弁子171と、そのス
プール弁子171を開弁方向に付勢するスプリング172とを
備えている。上記スプール弁子171の第1ランド173と第
2ランド174との間には、フィードバック圧として作用
させるために第4ライン油圧Pl4を絞り穴175を介して導
入する室176が設けられる一方、スプール弁子171のスプ
リング172側の端面には、開弁方向に作用させる信号圧P
SOL4を導入する室177が設けられ、スプール弁子171の非
スプリング172側の端面は大気に解放されている。この
ように構成された第4調圧弁170では、スプール弁子171
が、第4ライン油圧Pl4に対応したフィードバック圧に
基づく閉弁方向の付勢力と、スプリング172による開弁
方向の付勢力および信号圧PSOL4に基づく開弁方向の付
勢力とが平衡するように作動させられる結果、第4ライ
ン油圧Pl4は信号圧PSOL4に対応した圧に調圧される。す
なわち、N→DシフトおよびN→Rシフト時においてソ
レノイド圧切換弁350を通して信号圧PSOL4が第4調圧弁
170へ供給されている間は、第17図に示すように、第4
ライン油圧Pl4は第4電磁弁346のデューティ比DS4に対
応した値に制御されるので、シフトショック(係合ショ
ック)を軽減するために適した背圧を発生させるように
第4電磁弁346がデューティ駆動される。また、前進用
クラッチ72内の油圧が第3ライン油圧Pl3まで上昇する
ことにより、第4調圧弁170へ供給されている信号圧P
SOL4がソレノイド圧切換弁350により遮断されて室177内
が大気に解放されると、第4ライン油圧Pl4は、スプリ
ング172の開弁方向の付勢力に対応した比較的低い4kg/m
2程度の一定の圧力に制御される。この一定の圧力に調
圧された第4ライン油圧Pl4は、専ら変速方向切換弁262
および流量制御弁264の駆動油圧として利用される。な
お、油路354に設けられたアキュムレータ372は、第4電
磁弁346のデューティ駆動周波数に関連した信号圧PSOL4
の脈動を吸収させるためのものである。
第1図に戻って、第2ライン油圧低下制御弁380は、
低圧側油圧シリンダ内の遠心油圧により伝動ベルト44に
過負荷が加えられることを防止するために設けられたも
のであり、CVT14の出力軸38が高速回転時において主と
して二次側油圧シリンダ56へ供給する第2ライン油圧Pl
2を低下させる。第2ライン油圧低下制御弁380は、油路
356と連通するポート382a、油路384を介して第2調圧弁
102の油圧室136と連通するポート382b、およびドレンポ
ート382cと、移動ストロークの上端である第1位置と移
動ストロークの下端である第2位置との間において摺動
可能に配設されたスプール弁子386と、このスプール弁
子386を第2位置へ向かって付勢するスプリング388とを
備えている。このため、第3電磁弁330がオフ状態(開
状態)では室390内が排圧され、スプール弁子386は第2
位置に位置させられてポート382bと382cとが連通して第
2調圧弁102の油圧室136内がドレンされるので、第2ラ
イン油圧Pl2は(1)式に従って制御される。しかし、
第3電磁弁330がオン状態(閉状態)では、スプール弁
子386の下端側の室390に信号圧PSOL3(クラッチ圧PCL
が導入されて、スプール弁子386は第1位置に位置させ
られてポート382aと382bとが連通させられる。このと
き、第4電磁弁346もオン状態(閉状態)であり且つ前
進用クラッチ72が係合状態であると、油路356、ポート3
82a、382b、油路384を介して、クラッチ油圧PCLが第2
調圧弁102の油圧室136内へ供給される。このクラッチ油
圧PCLは第2調圧弁102のスプール弁子110を閉弁方向へ
付勢するから、次式(3)に従って第2ライン油圧Pl2
が調圧され、第18図の一点鎖線に示すように、実線に示
される通常の第2ライン油圧に比較して低くされる。上
記第3電磁弁330および第4電磁弁346は、車速が所定の
値を超えると共にオン状態とされることにより、二次側
油圧シリンダ56内の遠心油圧の影響が解消されて伝動ベ
ルト44の耐久性が高められる。なお、第3電磁弁330が
オン状態であっても、第4電磁弁346がオフ状態であれ
ば、第2ライン油圧Pl2は前記(1)式に従って通常通
り制御される。
Pl2=〔A4・Pth+W−A1・Pe −(A2−A1)・PCL〕/(A3−A2) ・・・(3) 次に、ロックアップクラッチ36の解放応答性を高める
ために設けられているロックアップ急解放弁400は、ロ
ックアップクラッチ圧油路92と連通するポート402a、ク
ラッチ圧調圧弁310のプランジャ317の端面の油圧室316
に油路404を介して連通するポート402b、ドレンポート4
02c、およびロックアップクラッチ36への係合側油路322
に連通するポート402dと、移動ストロークの上端である
第1位置と下端である第2位置との間で摺動可能に配設
されたスプール弁子406と、このスプール弁子406を第2
位置へ向かって付勢するスプリング408とを備えてい
る。上記スプール弁子406の下端側の室410は、前進用ク
ラッチ54の係合状態において、第4電磁弁346がオン状
態であるときにはクラッチ圧PCLが導かれ、オフ状態で
あるときには排圧される。また、スプール弁子406の上
端側(スプリング408側)の室412は、第3電磁弁330が
オン状態であるときには信号圧PSOL3(クラッチ圧PCL
が導かれ、オフ状態であるときには排圧される。ロック
アップ急解放弁400は、上記第3電磁弁330および第4電
磁弁346により制御されるのであるが、第3電磁弁330が
オフ状態且つ第4電磁弁346がオン状態のときのみ、ス
プール弁子406が第1位置に位置させられ、クラッチ圧P
CLがポート402a、ポート402b、油路404を介してロック
アップクラッチ圧調圧弁310の油圧室316へ導かれてクラ
ッチ圧PCLが上昇させられると同時に、係合側油路322を
通して流体継手12の係合側油室33から排出される作動油
がポート402dおよび402cを介してクーラ339の上流側か
らドレンされるので、ロックアップクラッチ36が急速に
解放される。なお、第3電磁弁330および第4電磁弁346
の他の状態のときは、スプール弁子406は第2位置に位
置させられている。このとき、ロックアップ急解放弁40
0により流体継手12の係合側油室33から排出される作動
油の流通抵抗が減少させられるだけでなく、ロックアッ
プクラッチ圧調圧弁310により流体継手12の解放側油室3
5へ供給されるクラッチ圧PCLが高められるので、ロック
アップクラッチ36の高い解放応答性が得られる。
前進走行中においてリバースを禁止するために設けら
れたリバースインヒビット弁420は、マニュアルバルブ2
50がRレンジにあるときにその出力ポート256から第3
ライン油圧Pl3が供給されるポート422a、後進用ブレー
キ70の油圧シリンダと油路423を介して連通するポート4
22b、およびドレンポート422cと、移動ストロークの上
端である第1位置と下端である第2位置との間で摺動可
能に配設されたスプール弁子424と、このスプール弁子4
24を第1位置に向かって付勢するスプリング426とを備
えている。上記スプール弁子424の上端側の室428には、
第3電磁弁330がオン状態であるときに油路430を介して
信号圧PSOL3(クラッチ圧PCL)が導かれ、オフ状態であ
るときには排圧される。スプール弁子424の他端側(ス
プリング426側)の室432には、マニュアルバルブ250が
D、S、Lレンジにあるときに第3ライン油圧Pl3がそ
の出力ポート258から導入される。このように構成され
たリバースインヒビット弁420においては、上記室432内
の第3ライン油圧Pl3が排圧され且つ上記室428に信号圧
PSOL3(クラッチ圧PCL)が導かれることによりスプール
弁子424が第2位置(下端)に位置させられると、ポー
ト422aおよびポート422b間の連通が断たれることにより
後進用ブレーキ70への作動油供給が遮断され且つポート
422cおよびポート422b間が連通させられることにより後
進用ブレーキ70の油圧シリンダ内の動油がドレンされる
ので、前後進切換装置16の後進への切換えが禁止され
る。したがって、車両前進走行中においてシフトレバー
252がDレンジからNレンジを通り越してRレンジへ誤
操作された場合には、後述の電子制御装置460によって
第3電磁弁330がオン状態とされることにより前後進切
換装置16がニュートラル状態とされる。
シフト位置がN若しくはPレンジであるときに第1ラ
イン油圧Pl1を所定圧低下させてベルト騒音を抑制する
ために設けられた第1ライン油圧低下制御弁440は、ド
レンポート442a、第1調圧弁100の第3ランド152と第2
ランド154との間の室160と油路161を介して連通するポ
ート442b、および第2ライン油路82と連通するポート44
2cと、プランジャ444と、第2ライン油路82と上記第1
調圧弁100の室160との間を開閉するスプール弁446と、
スプール弁446を開弁方向へ付勢するスプリング448とを
備えている。上記プランジャ444の下端面の室450は、前
進レンジのときに第3ライン油圧Pl3を出力するマニュ
アルバルブ250の出力ポート258と連通させられ、また、
プランジャ444とスプール弁446との間の室452は、Rレ
ンジのときに第3ライン油圧Pl3を出力するマニュアル
バルブ250の出力ポート256と連通させられている。した
がって、D、S、L、Rレンジでは、スプール弁446が
上端に位置させられて第1調圧弁100の室160内はドレン
ポート442aを通して大気圧とされ、第1ライン油圧Pl1
は前記(2)式に従って通常の値に調圧される。しか
し、N、Pレンジでは、スプール弁446が下端に位置さ
せられて第1調圧弁100の室160内には第2ライン油圧Pl
2が供給される。このため、第1調圧弁100のスプール弁
子140が上記室160内に作用する第2ライン油圧Pl2に基
づいて開弁方向へ付勢されるので、第1ライン油圧Pl1
が低下させられる。これにより、伝動ベルト44に対する
挟圧力がすべりを発生しない範囲で可及的に低くされ、
ベルトの騒音レベルが低下させられるのに加えて、伝動
ベルト44の耐久性が高められる。
第2図において、電子制御装置460は、本実施例の制
御手段として機能するものであって、第1図の油圧制御
回路における第1電磁弁266、第2電磁弁268、第3電磁
弁330、第4電磁弁346を駆動することにより、CVT14の
速度比eおよび流体継手12のロックアップクラッチ36な
どを制御する。電子制御装置460は、CPU、RAM、ROM等か
ら成る所謂マイクロコンピュータを備えており、それに
は、駆動輪24の回転速度を検出する車速センサ462、CVT
14の入力軸30および出力軸38の回転速度をそれぞれ検出
する入力軸回転センサ464および出力軸回転センサ466、
エンジン10の吸気配管に設けられたスロットル弁の開度
を検出するスロットル弁開度センサ468、シフトレバー2
52の操作位置を検出するための操作位置センサ470、ブ
レーキペダルの操作を検出するためのブレーキスイッチ
472から、車速Vを表す信号、入力軸回転速度Ninを表す
信号、出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットル弁開
度θthを表す信号、シフトレバー252の操作位置PSを表
す信号、ぶれーき操作を表す信号がそれぞれ供給され
る。電子制御装置460内のCPUはRAMの一時記憶機能を利
用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って入力
信号を処理し、前記第1電磁弁266、第2電磁弁268、第
3電磁弁330、第4電磁弁346を駆動するための信号を出
力する。
電子制御装置460においては、電源投入時において初
期化が実行され、その後図示しないメインルーチンが実
行されることにより、各センサからの入力信号等が読み
込まれる一方、その読み込まれた信号に基づいて入力軸
30の回転速度Nin、出力軸38の回転速度Nout、CVT14の速
度比e、車速v等が算出され、且つ入力信号条件に従っ
て、ロックアップクラッチ36のロックアップ制御、CVT1
4の変速制御などが順次あるいは選択的に実行される。
上記CVT14の変速制御では、たとえば第19図に示すフ
ローチャートにしたがって制御される。ステップS1にお
いては、各センサからの入力信号等が読み込まれるとと
もに、その読み込まれた信号に基づいて車速V、入力軸
38の回転速度Nin、出力軸54の回転速度Nout、スロット
ル弁開度θth、シフト操作位置PSが算出される。ステッ
プS2においては、予め求められた関係〔Nin *=f
(θth,V,PS)〕から上記シフト操作位置PS、スロット
ル弁開度θth、および車速vに基づいて入力軸30の目標
回転速度Nin *が決定される。この関係は、たとえばスロ
ットル弁開度θthが表す要求出力をエンジン10の最小燃
費率曲線上で発生させるためにD、S、Lレンジ毎に予
め複数組み決定されており、関数式またはデータマップ
の形態にてROM内に予め記憶されている。シフト操作位
置がSまたはLレンジである場合は、一層スポーティな
走行まはたエンジンブレーキ作用を高めることが求めら
れた状態であるから、それらSまたはLレンジにおいて
選択される関係では、Dレンジにおける走行よりも一層
減速側となるように目標回転速度Nin *が高めに設定され
ている。なお、走行用のシフト操作位置はD、S、Lレ
ンジの3位置に限らず、必要に応じて任意に設定され得
るものである。
続くステップS3では、CVT14の入力軸30の実際の回転
速度Ninと目標回転速度Nin *との間の制御偏差ΔNin(=
Nin *−Nin)が決定される。そして、ステップS4では、
上記ステップS3にて求められた制御偏差ΔNinの大きさ
に基づいて第10図に示す複数種類の変速モードの何れか
が選択される。この選択方法は、たとえば、第10図に示
す複数種類の変速モードに対応した斜線領域のうち、制
御偏差ΔNinが含まれる領域に対応した変速モードが選
択される。第10図の複数種類の斜線領域のうち、互いに
隣接する領域間にはオーバラップ部が設けられている
が、これは隣接する変速モードが交互に繰り返されて制
御が不安定となることを防止するためのものである。制
御偏差ΔNinがオーバラップ部内の値をとる場合には、
現在の変速モードに近いシフト状態が選択される。たと
えば、当初の制御偏差ΔNinが250rpmで変速モード
(ロ)が選択されている場合において、制御偏差ΔNin
が140rpmに低下して変速モード(ロ)と変速モード
(ハ)とのオーバラップ部内に含まれた場合には、変速
モード(ロ)が選択される。また、変速モード(ハ)が
選択されている状態から制御偏差ΔNinが変速モード
(ロ)と変速モード(ハ)とのオーバラップ部内に含ま
れた場合には、変速モード(ハ)が選択されるのであ
る。
そして、ステップS5において変速モード(ロ)が選択
されたか否かが判断されるとともに、ステップS6におい
て変速モード(ホ)が選択されたか否かが判断される。
ステップS4において変速モード(ロ)が選択されている
場合には上記ステップS5の判断が肯定されるので、ステ
ップS7において、第2電磁弁268のデューティ比DS2が次
式(4)に従って算出される。また、ステップS4におい
て変速モード(ホ)が選択されている場合には上記ステ
ップS6の判断が肯定されるので、ステップS8において、
第2電磁弁268のデューティ比DS2が次式(5)に従って
算出される。
DS2=100%−K1・ΔNin ・・・(4) DS2=−K2・ΔNin ・・・(5) 但し、K1およびK2は定数である。
ここで、第2電磁弁268のデューティ比DS2の決定に際
して、2種類の式(4)および(5)が用いられる理由
は、流量制御弁264の流量特性が異なるためである。第2
0図は、変速モード(ロ)が選択されている場合、すな
わち第1電磁弁266がオン状態(減速変速)であるとき
の流量制御弁264の流量特性を示し、第21図は、変速モ
ード(ホ)が選択されている場合、すなわち第1電磁弁
266がオフ状態(増速変速)であるときの流量制御弁264
の流量特性を示している。なお、第20図および第21図
は、供給油圧を一定とし且つ流量制御弁264の2つの出
力ポート286bと286eとを直接接続したとき、この直接接
続した油路を通過する流量を求めることにより得られた
特性である。
このように、第1電磁弁266がオン状態である場合に
は、第2電磁弁268がオン状態とされると流量制御弁264
は全閉状態となるから、第20図に示すようにデューティ
比DS2の増大に伴って流量が減少し、反対に、第1電磁
弁266がオフ状態である場合には、第2電磁弁268がオン
状態とされると流量制御弁264は全開状態となるから、
第21図に示すようにデューティ比DS2の増大に伴って流
量が増大する。第1電磁弁266および第2電磁弁268は、
後述のステップS9において、上記のようにして決定され
たデューティ比DS2或いは前記ステップS4において決定
されたオン或いはオフ状態にてそれぞれ駆動される。第
2電磁弁268のデューティ駆動は、たとえば一定の時間
(周期)TDの内、TD・DS2/100時間がオン状態とされ、T
D・(1−DS2/100)時間がオフ状態とされるように周期
的に実行される。ここで、前記(4)式および(5)式
により決定されるデューティ比DS2は、制御偏差ΔNin
大きさに比例して流量を大きくするものであり、これに
より制御偏差ΔNinが解消される方向に流量が制御され
るから、ステップS7またはS8により決定されたデューテ
ィ比DS2により流量制御弁264の駆動が実施(ステップS1
2)されることにより、目標回転速度Nin *と実際の回転
速度Ninとを一致させるフィードバック制御が実行され
るのである。
ステップS9では、第3電磁弁330および第4電磁弁346
により実行される各制御、すなわちロックアップクラッ
チの係合解放制御、ロックアップクラッチの急解放制
御、アキュムレータ背圧制御、リバース禁止制御、第2
ライン油圧低下制御のうちのいずれの制御モードを実行
するかを決定するための制御モード決定ルーチンが実行
される。この制御モード決定ルーチンは、たとえば第22
図に示すものである。
第22図に示すステップのうち、ステップSS1乃至SS7
は、リバース禁止制御に関する部分である。
ステップSS1では、車速Vが予めROMに記憶された一定
の車速値CV1以上であるか否かが判断される。この判断
基準値CV1は、前後進切換装置16がリバースへ切り換え
られることにより発生するショックによりCVT14の伝動
ベルト44の滑りを発生させないような車速であるかどう
かを判断するために予め設定されたものであり、たとえ
ば7乃至10km/h程度の値に決定されている。上記ステッ
プSS1において車速VがCV1未満であると判断されたとき
には、ステップSS2においてフラグXREVの内容が零(XRE
V=0)のされた後、ステップSS3においてシフトレバー
252がRレンジへ操作されているか否かが判断される。
操作されている場合には、ステップS7においてフラグXR
EVの内容が1(XREV=1)とされる。すなわち、Rレン
ジで走行が開始された場合にはXREV=0とされるが、R
レンジ以外で走行が開始された場合にはXREV=1とされ
るのである。
車速Xが前記一定の車速値CV1以上となると前記ステ
ップSS1の判断が肯定されるので、ステップSS4において
Rレンジへ操作されているか否かが判断される。Rレン
ジへ操作されていない場合にはリバース禁止制御を行う
必要がないので、ステップSS5においてNまたはPレン
ジであるか否かが判断され、NまたはPレンジである場
合にはロックアップクラッチ36を解放させる制御モード
(A)が選択される。第23図に示すように、制御モード
(A)は、第3電磁弁330および第4電磁弁346がともに
オフ状態であって、車速Vに拘わらずロックアップクラ
ッチ36が解放状態とされる。しかし、上記ステップSS5
においてNまたはPレンジ以外のレンジ、すなわち前進
レンジであると判断された場合にはステップSS9が実行
される。しかし、上記ステップSS4においてRレンジへ
操作されていると判断された場合には後進走行中である
ので、ステップSS6においてフラグXREVの内容が1であ
るか否かが判断される。XREV=1であれば継続的な後進
レンジ状態であるのでステップSS8が実行されるが、XRE
V=1でない場合には制御モード(D)が選択される。
すなわち、ステップSS1,SS4,SS6が、前進走行中にシフ
トレバー252が前進レンジからRレンジへ誤操作された
ことを検知する手段に対応する。
ここで、車速値CV1以上の比較的高車速にてDレンジ
で走行中にNレンジへ操作され且つRレンジへ操作され
た場合は、ステップSS6における判断が否定されるの
で、上記のようにリバース禁止制御モード(D)が選択
される。第23図に示すように、リバース禁止制御モード
(D)では第3電磁弁330がオン状態、第4電磁弁346が
オフ状態とされるモードであるから、このモードが実行
されることにより、Rレンジであっても後進用ブレーキ
70への作動油の供給がリバースインヒビット弁420によ
り阻止されて、前後進切換装置16の後進への切り換えが
禁止される。
また、Rレンジにて後進走行を始め、そのまま車速V
がCV1以上となったとき、または車速VがCV1以上でNレ
ンジへ一旦操作された後再度Rレンジへ操作された場合
には、XREV=1であるから、ステップSS6の判断が肯定
されるので、ステップSS8へ進み、最終的にはアキュム
レータ背圧制御モード(C)またはロックアップクラッ
チ解放制御モード(A)が選択される。この制御モード
(C)または(A)では第3電磁弁330がオフ状態とさ
れるから、前後進切換装置16の後進への切り換えが許容
される。
リバース禁止制御でもなく、またNまたはPレンジで
もない場合には、Rレンジのときには前記ステップSS8
が実行されることにより次式(6)式に従って前後進切
換装置16における入力軸(出力軸38)と出力軸58との回
転速度差Ndが算出され、D、S、Lレンジのような前進
レンジのときにはステップSS9が実行されることにより
次式(7)式に従って回転速度差Ndが算出される。
Nd=|Nout−ip・Npc| ・・・(6) Nd=|Nout−Npc| ・・・(7) ここで、NoutはCVT14の出力軸38の回転速度、Npcは前
後進切換装置16のキャリア60の回転速度、ipは後進時の
前後進切換装置16のギヤ比である。上記Npcは車速Vと
完全に一対一の対応関係にあるものであり、次式(8)
に従って得られる。また、上記ipは後進用ブレーキ70が
完全に係合状態である時のNoutおよびNpcから次式
(9)に従って得られる。
Npc=C/V ・・・(8) ip=Nout/Npc ・・・(9) 但し、Cは定数である。
上記のようにして求められた回転速度差Ndは、ステッ
プSS10において、予めROMに記憶された判断基準値CN
りも大きいか否かが判断される。この判断基準値CNは、
前進用クラッチ72または後進用ブレーキ70の係合が完了
したか否かを判断するための値であり、たとえば30rpm
程度の値が採用される。上記ステップSS10において、回
転速度差Ndが判断基準値CNよりも大きくないと判断され
た場合には係合完了状態であるのでステップSS12以下が
実行されるが、大きいと判断された場合には、ステップ
SS11において、NまたはPレンジからD、S、またはL
レンジへシフトしてからの経過時間が予めROMに記憶さ
れた判断基準値CTを超えたか否かが判断される。この判
断基準値CTは、前進用クラッチ72または後進用ブレーキ
70の係合時間が通常の時間を超えたことを判断するため
の値であり、通常係合が終了するのに必要な時間よりや
や大きな値に決定されている。ステップSS11において、
経過時間が判断基準値CTを超えていないと判断された場
合にはステップSS12以下が実行されるが、経過時間が判
断基準値CTを超えたと判断された場合には、アキュムレ
ータ背圧制御モード(C)が選択される。
上記ステップSS10またはSS11における判断が否定され
て制御モード(C)が選択されない場合には、ステップ
SS12においてRレンジであるか否かが判断され、Rレン
ジであればロックアップクラッチ解放制御モード(A)
が直ちに選択される。これにより、Rレンジ状態で第3
電磁弁330がオンとなってリバース禁止制御となること
により走行できなくなることが防止されている。
上記ステップSS12においてRレンジではないと判断さ
れた場合には、ステップSS13においてブレーキスイッチ
472がオン状態であるか否かが判断されるとともに、ス
テップSS14において車速Vが予めROMに記憶された判断
基準値CV2よりも低いか否かが判断される。この判断基
準値CV2は、ブレーキの操作状態においてロックアップ
クラッチ36の解放を判断するための値であり、たとえば
49km/h程度の値が採用される。
上記ステップSS13およびSS14においてブレーキスイッ
チ472がオン状態であり且つ車速VがCV2よりも低いと判
断された場合、すなわちロックアップクラッチ36の解放
条件が満たされた場合には、ロックアップクラッチ解放
制御モード(A)またはロックアップクラッチ急解放制
御モード(B)を選択するためのステップSS21以下が実
行される。ステップSS21では、現在の制御モードが急解
放を伴わないでロックアップクラッチ36を解放状態に維
持する制御モード(A)または(C)であるか否かが判
断される。その判断が肯定されれば通常のロックアップ
クラッチ解放制御モード(A)が選択されるが、否定さ
れればステップSS22において現在の制御モードが急解放
制御モード(B)であるか否かが判断される。現在の制
御モード(B)でないと判断されればステップSS24にお
いてタイマカウンタXLCの内容が零にクリアされた後に
急解放制御モード(B)が選択されるが、現在の制御モ
ードが急解放制御モード(B)であると判断されればス
テップSS23においてタイマカウンタXLCに1が計数され
た後、ステップSS25においてタイマカウンタXLCの計数
内容が予めROMに記憶された判断基準値CSに到達したか
否かが判断される。未だ到達しない場合には急解放制御
制御モード(B)が継続的に選択されることになるが、
到達した場合には制御モード(A)に切り換えられる。
このように、急解放制御制御モード(B)が判断基準値
CSに対応する短い時間だけ持続されるので、係合油路32
2を介して係合側油室33をロックアップ急解放弁400がド
レンすることにより流体継手12の内圧が低下して流体継
手12内に気泡が発生することが可及的に解消される。上
記判断基準値CSは、このように流体継手12内に気泡を発
生させる時間に対応する値よりも小さく定められてい
る。
前記ステップSS13およびSS14においてブレーキスイッ
チ472がオン状態ではないと判断された場合、或いはブ
レーキスイッチ472がオン状態であっても車速Vが判断
基準値CV2以上であると判断された場合には、ステップS
S15において現在の制御モードがロックアップクラッチ3
6を解放させる制御モード(A)、(B)、(C)のい
づれかであるか否かが判断される。このステップSS15乃
至SS19は、ロックアップクラッチ36の係合あるいは解放
を決定するためのものである。上記ステップSS15の判断
が肯定された場合には、ステップSS18において入力軸回
転速度Ninが所定の判断基準値ML2よりも大きいか否かが
判断される。大きいと判断された場合には、ステップSS
19において車速Vが予めROMに記憶された判断基準値CV4
よりも大きいか否かが判断される。大きいと判断された
場合には、ステップSS20において車速Vが予めROMに記
憶された判断基準値CV5より大きいか否かが判断され、
判断基準値CV5より大きい場合には第2ライン油圧低下
制御モード(E)が選択され、判断基準値CV5以下であ
ればリバース禁止制御モード(D)が選択される。それ
ら第2ライン油圧低下制御モード(E)およびリバース
禁止制御モード(D)は、第3電磁弁330がオン状態と
されるから、ロックアップクラッチ36を係合させる制御
モードである。また、上記ステップSS18およびSS19の判
断が否定された場合には、通常のロックアップクラッチ
解放制御モード(A)が選択されるため、ロックアップ
クラッチ36の解放状態が持続される。
一方、前記ステップSS15において現在の制御モードが
(A)、(B)、(C)のいづれでもないと判断された
場合には、ステップSS16において入力軸回転速度Nin
所定の判断基準値ML1よりも大きいか否かが判断される
とともに、ステップSS17において車速Vが予めROMに記
憶された判断基準値CV3よりも大きいか否かが判断され
る。上記ステップSS16またはSS17の判断が否定された場
合には通常のロックアップクラッチ解放制御モード
(A)が選択されるが、ステップSS16およびSS17の判断
が共に肯定された場合には、ステップSS20以下が実行さ
れ、車速Vが判断基準値CV5よりも大であるときには第
2ライン油圧低下制御モード(E)が選択されることか
ら、第3電磁弁330および第4電磁弁346がオン状態とさ
れて第2ライン油圧Pl2が低下させられる。しかし、ス
テップSS20において、車速Vが判断基準値CV5以下であ
るときにリバース禁止制御モード(D)が選択され、第
2ライン油圧Pl2は通常の値に制御される。
したがって、上記ステップSS15乃至SS19においては、
ロックアップクラッチ36が解放されている状態におい
て、Nin>ML2であり且つV>CV4であるという条件が成
立するとロックアップクラッチ36が係合させられる。ま
た、ロックアップクラッチ36が係合している状態におい
て、Nin<ML1またはV<CV3であればロックアップクラ
ッチ36が解放させられるのである。ここで、上記判断基
準値ML1およびML2は、予めROMに記憶された函数からス
ロットル弁開度θthに基づいて決定されるものであり、
スロットル弁開度θthの増大に応じて大きい値となる関
係とされている。また、同じスロットル弁開度θthであ
れば、制御のばたつきを防ぐためにML1>ML2とされてい
る。また、上記判断基準値CV3およびCV4は、20km/h程度
の値であり、それらについても同様にCV3>CV4とされて
いる。
第19図に戻って、ステップS9において上記のようにし
て、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)のいずれ
かの制御モードが決定されると、ステップS10において
制御モードが(C)であるか否かが判断される。制御モ
ードが(C)であると判断されると、ステップS11にお
いてデューティ比DS4が決定された後にステップS12が実
行されるが、制御モードが(C)ではないと判断される
と、ステップS12が直接実行される。上記デューティ比D
S4は、前進用クラッチ72または後進用ブレーキ70の係合
に際して、その係合が滑らかとするアキュムレータ342
および340の背圧が発生するように制御されるように決
定される。前進シフト時および後進シフト時のデューテ
ィ比DS4は、たとえば、シフト時に入力軸回転速度Nin
よびシフトからの経過時間tなどを変数とする予めROM
に記憶された前進シフト時および後進シフト時の函数に
それぞれ従って逐次決定される。第24図は、車速停止時
(NPC=0)においてN→Dシフトした時のデューティ
比DS4および出力軸回転速度Noutの経時的変化をそれぞ
れ示している。そして、ステップS12では、ステップS4
およびS9にて決定された各制御モードに対応する第1電
磁弁266、第2電磁弁268、第3電磁弁330、および第4
電磁弁346のオン状態或いはオフ状態が得られるように
駆動信号が出力される。
本実施例の油圧制御回路によれば、第2ライン油路82
と二次側油圧シリンダ56との間を接続するバイパス油路
295に、絞り296と、流通方向が前記油圧シリンダへ向か
う方向であるチェック弁(一方向弁)298とが並列に設
けられているので、二次側油圧シリンダ56内の油圧Pout
に変速制御弁装置260のデューティ駆動に関連した脈動
が発生しても、スパイク的に上昇する上ピーク圧力が上
記絞り296により逃がされるとともに、下ピーク圧力は
第2ライン油路82からチェック弁298を通して瞬間的に
供給される作動油により補填されるので、二次側油圧シ
リンダ56内の油圧Poutの脈動が好適に緩和されるのであ
る。また、上記チェック弁298を通して作動油が大量に
供給され得るので、二次側油圧シリンダ56からの漏れに
よる二次側油圧シリンダ56内の油圧Poutの低下が解消さ
れる。
また、本実施例によれば、上記チェック弁298は、平
面状の座面を備えた弁座299と、この弁座299に当接する
平面状の当接面を備えた弁子301と、この弁子301を弁座
299へ向かって付勢するスプリング303とにより構成され
ているため、流量制御弁264のデューティ駆動周期に同
期して弁子301が弁座299へ当接させられても、球状弁子
を用いる場合に比較して極めて高い耐久性が得られる利
点がある。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例の変速制御弁装置260は、変
速方向切換弁262および流量制御弁264などから構成され
ていたが、リニヤソレノイドを用いて連続的に流量制御
可能な四方弁により構成されてもよい。
また、前述の実施例では、スロットル弁開度検知弁18
0によって発生させられたスロットル圧Pthが用いられて
いたが、ディーゼルエンジンを搭載した車両などのよう
にスロットル弁を用いない形式の車両では、アクセルペ
ダル操作量に対応した油圧を用いればよい。このような
場合は、たとえば、前述の実施例のカム184をアクセル
ペダルの踏み込みに伴って回転させるようにアクセルペ
ダルと機械的に関連させればよい。
また、前述の実施例におけるCVT14の変速制御では、
目標回転速度Nin *に実際の入力軸回転速度Ninが一致す
るように制御されいたが、速度比e=Nout/Ninである
から、目標速度比e*に実際の速度比eが一致するよう
に速度比eを調節するように制御されていても実質的に
同じである。
また、前述の実施例では、CVT14の出力軸38と中間ギ
ア装置18との間に前後進切換装置16が設けられていた
が、流体継手12とCVT14の入力軸30との間に前後進切換
装置16が設けられていてもよいのである。また、上記前
後進切換装置16は、前進2段以上のギア段を備えていて
も差支えない。
また、前述の実施例の流体継手12に替えて、電磁クラ
ッチ、湿式クラッチなどの他の形式の継手が用いられ得
る。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2図の装置を作動させるための油圧制御装置
を詳細に示す回路図である。第2図は本発明の一実施例
の油圧制御装置が備えられた車両用動力伝達装置を示す
骨子図である。第3図は第1図の第2調圧弁を詳しく示
す図である。第4図は第1図の第1調圧弁を詳しく示す
図である。第5図は第1図のスロットル弁開度検知弁の
出力特性を示す図である。第6図は第1図の速度比検知
弁の出力特性を示す図である。第7図は第3図の第2調
圧弁の出力特性を示す図である。第8図は第2ライン油
圧の理想特性を示す図である。第9図は第1図の変速制
御弁装置の構成を詳しく示す図である。第10図は、第9
図の変速制御弁装置における第1電磁弁および第2電磁
弁の作動状態と第2図のCVTのシフト状態との関係を説
明する図である。第11図、第12図、第13図は、第2図の
CVTの速度比と各部の油圧値との関係を説明する図であ
って、第11図は正トルク走行状態、第12図はエンジンブ
レーキ走行状態、第13図は無負荷走行状態をそれぞれ示
す図である。第14図は、第4図の第1調圧弁における一
次側油圧シリンダ内油圧または第2ライン油圧に対する
出力特性を示す図である。第15図は、第1図の油圧回路
において第4電磁弁のデューティ比とそれに関連して連
続的に変化させられる油圧との変化特性を示す図であ
る。第16図は、第1図の油圧制御回路のソレノイド圧切
換弁、第4調圧弁等を詳しく説明する図である。第17図
は、第1図の油圧回路において第4電磁弁のデューティ
比とそれに関連して連続的に変化させられる第4ライン
油圧との変化特性を示す図である。第18図は、車速(遠
心油圧)に関連して変化する第2ライン油圧を説明する
図である。第19図は、第2図の制御装置の作動を説明す
るフローチャートである。第20図および第21図は、第2
電磁弁のデューティ比とそれに関連して連続的に変化さ
せられる流量との関係をそれぞれ示す図であって、第20
図はCVTの速度比が減速側方向へ変化させられる場合、
第21図はCVTの速度比が増速側方向へ変化させられる場
合の特性をそれぞれ示している。第22図は、第19図のス
テップS9を構成するルーチンを説明するフローチャート
である。第23図は、制御モード(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)における第3電磁弁および第4
電磁弁の作動状態を示す図である。第24図は、シフト時
における第4電磁弁のデューティ比とCVTの出力軸回転
速度とを示すタイムチャートである。 14:CVT(ベルト式無段変速機) 40,42:可変プーリ 44:伝動ベルト 54:一次側油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 56:二次側油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 80:第1ライン油路 82:第2ライン油路 260:変速制御弁装置 262:変速方向切換弁 264:流量制御弁 295:バイパス油路 296:絞り 298:チェック弁(一方向弁) 299:弁座 301:弁子 303:スプリング
フロントページの続き (72)発明者 森沢 邦夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 羽淵 良司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞ
    れ設けられた一対の可変プーリと、該一対の可変プーリ
    に巻き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、前記一
    対の可変プーリの有効径をそれぞれ変更する一対の一次
    側油圧アクチュエータおよび二次側油圧アクチュエータ
    とを備えた車両用ベルト式無段変速機において、2位置
    作動形式の変速方向切換弁の切換え駆動と2位置作動形
    式の流量制御弁のデューティ駆動とによって、第1ライ
    ン油圧および第2ライン油圧を前記一次側油圧アクチュ
    エータおよび二次側油圧アクチュエータの一方および他
    方に作用させ且つ作動油流量を制御することにより速度
    比を変化させる変速制御弁装置を備えた油圧制御装置で
    あって、 前記第2ライン油圧を導く第2ライン油路と前記二次側
    油圧アクチュエータとの間を接続するバイパス油路と、 該バイパス油路に設けられ、流通方向が前記二次側油圧
    アクチュエータへ向かう方向である一方向弁と、 前記バイパス油路において前記一方向弁と並列に設けら
    れた絞りと、 を含むことを特徴とする車両用ベルト式無段変速機の油
    圧制御装置。
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