JPH0859160A

JPH0859160A - エスカレータ

Info

Publication number: JPH0859160A
Application number: JP20207394A
Authority: JP
Inventors: Tomoki Iijima; 智樹飯島; Masami Kaminaga; 正美神長
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1994-08-26
Filing date: 1994-08-26
Publication date: 1996-03-05

Abstract

(57)【要約】【目的】トラスの接続部におけるオイルパン２の取付を
容易にする。【構成】上トラス２Ａのトラス下弦材７の下端上面と、
中トラス２Ｂのトラス下弦材７の上端上面に山形鋼をそ
れぞれ溶接で固定する。同様に、中トラス２Ｂのトラス
下弦材７の下端上面と、下トラス２Ｃの上端上面に山形
鋼をそれぞれ溶接で固定する。これらの山形鋼の間に上
下方向の幅が狭いオイルパン１Ａを挿入し、ボルトで山
形鋼に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エスカレータに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のエスカレータの右側面図の一例を
図３に示す。図３において、右側の図示しない上階と左
側の図示しない下階に据え付けられたトラス２の斜行部
の下端には、山形鋼で製作された一対のトラス下弦材７
が溶接で固定されている。これらのトラス下弦材７の間
には、形格の小さい山形鋼で製作された下梁３が等間隔
に紙面直交方向に設けられ、トラス下弦材７の下面に溶
接されている。

【０００３】トラス２は、上階側の中間部が 150°に折
曲した上トラス２Ａと、この上トラス２Ａと対称形の下
階側の下トラス２Ｃ及びこれらの上トラス２Ａ，下トラ
ス２Ｃの間に設けられ、これらの上トラス２Ａと下トラ
ス２Ｃに接続される中トラス２Ｂで構成されている。

【０００４】このうち、上トラス２Ａの上階側には、踏
段駆動輪と図示しない減速機に駆動チェーンを介して連
結されたスプロケット９Ａが収納され、下トラス２Ｃの
下階側には、スプロケット９Ｂが収納されている。これ
らのスプロケット９Ａ，９Ｂには、踏段チェーン４が巻
装され、この踏段チェーン４は、図示しない減速機を駆
動する電動機によって駆動される。一対の踏段チェーン
４の間を連結する各踏段前輪軸５には、図示しない踏段
の前輪がそれぞれ連結されている。

【０００５】前述した下梁３の上面には、詳細を図４の
斜視図で示す軟鋼板製のオイルパン１Ｃ，１Ｄの図１に
おいて右上方側が載置され、下面が下梁３に溶接されて
いる。ただし、このオイルパン１Ｃ，１Ｄのうち、図３
（ｂ）において、上トラス２Ａと中トラス２Ｂの間の接
続部分に位置するオイルパン１Ｄと、中トラス２Ｂと下
トラス２Ｃの接続部分に位置するオイルパン１Ｄは、据
付現地における据付工事で溶接される。

【０００６】このオイルパン１Ｃ，１Ｄは、図４に示す
ように上階側の幅Ｗ１が下階側の幅Ｗ２と比べて僅かに
広く製作され台形状となっている。このオイルパン１
Ｃ，１Ｄは、上階側に取り付けられたオイルパン１Ｃ，
１Ｄの下階側の端部の下側に、この下階側に取り付けら
れるオイルパン１Ｃ，１Ｄの上階側の端部が図３に示す
ように重なるように取り付けられている。

【０００７】また、これらのオイルパン１Ｃ，１Ｄは、
踏段チェーン４に注油される潤滑油の滴下を受けるため
に取り付けられ、そのため、これらのオイルパン１Ｃ，
１Ｄの幅は、一対のトラス下弦材７の内側に対向した辺
の間隔と比べて僅かに狭い幅となっている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
構成されたエスカレータにおいては、オイルパン１Ｄの
取付作業に労力を要する。これらのオイルパン１Ｄは、
前述したように幅がトラスの幅と比べて僅かに狭い幅で
左右が折り曲げられ、上下方向の幅も、上下のオイルパ
ン１Ｃと重ねる必要上長くなっているので、約22Kgを超
える。

【０００９】このオイルパン１Ｄは、前述したように幅
が広く重量も重いので、トラス２の内部や側面に取り付
けられた梁の間から所定の場所に搬入する作業に労力を
要する。

【００１０】したがって、重量上一人作業では無理とな
り、二人作業となるが、この作業も、足場の悪いトラス
上を呼吸を合わせて運ばなければならないので、細心の
注意を要する。

【００１１】また、下梁３に対して溶接するためには、
重い溶接機を搬入し、下梁３の下方から上向きとなって
溶接棒を当てる上向きの溶接となるので、作業性が悪
く、溶接の信頼が低下するおそれもある。

【００１２】さらに、踏段チェーン４や、この踏段チェ
ーン４に取り付けられる踏段は、従来は現地でトラスを
組み立てた後組み込む方法が採られてきたが、最近では
据付工期上の制約から、上中下の各トラスに踏段チェー
ン４をそれぞれ分割した状態で組み込み、同じく踏段も
同じく踏段も各トラス毎に組み込んでビルに搬入する方
法が採用されつつある。

【００１３】この方法は、据付現地で各トラスと踏段チ
ェーンを接続するだけで、トラス全体の組み立てを完了
することができるので、据付工期の短縮が可能で、建屋
全体の工程上、今後はこの方法で据え付けることが、建
屋全体の施工管理者側から要請される趨勢にある。

【００１４】すると、前述したオイルパン１Ｄの取付作
業は、踏段チェーンと踏段のために上方から搬入するこ
とはできなくなって、下側の下梁の間から挿入し、上方
に隣接されたオイルパン１Ｃへの嵌合作業も、トラスの
下側から上向きの姿勢で行わなければならなくなる。

【００１５】したがって、この取付作業の作業性はます
ます低下し、且つ、安全上も問題となるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、トラスの組立方式の如何にか
かわらず、トラス間のオイルパンの取付を容易且つ安全
に行うことのできるエスカレータを得ることである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、複数の分割トラスで構成されたトラスの下部に複数
のオイルパンが連続して取り付けられるエスカレータに
おいて、分割トラスの接続部に締結固定される第１のオ
イルパンと、この第１のオイルパンに連続して設けられ
上下方向の幅が第１のオイルパンよりも大なる第２のオ
イルパンを備えたことを特徴とする。

【００１７】また、請求項２に記載の発明は、第１のオ
イルパンを分割トラスの接続部に設けられた取付支えを
介してトラスの下弦材に固定したことを特徴とする。

【００１８】

【作用】このような手段によるエスカレータにおいて
は、分割トラスの接続部における第１のオイルパンの取
付作業の作業性は、踏段チェーンや踏段の有無と無関係
となる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明のエスカレータの一実施例を図
１及び図２を参照して説明する。図１（ｂ）は、本発明
のエスカレータの右側面図を示す図で、従来の技術で示
した図３（ｂ）に対応する図、図１（ａ）は、図１
（ｂ）のＡ−Ａ矢視図を示し、同じく従来の技術で示し
た図３（ａ）に対応する図である。また、図２は、図１
（ｂ）のＢ−Ｂ断面拡大詳細図である。

【００２０】図１及び図２において、従来の技術で示し
た図３及び図４と異なるところは、上トラス２Ａと中ト
ラス２Ｂの接続部に取り付けられるオイルパン１Ａと、
中トラス２Ｂと下トラス２Ｃの接続部に取り付けられる
オイルパン１Ａの大きさと取付構造を、従来と変えたこ
とである。したがって、他の部分は、図３と同一となる
ので、同一符号を付して説明を省略する。

【００２１】図１（ａ），（ｂ）及び図２において、中
トラス２Ｂの下部に取り付けられたオイルパン１は、図
３及び図４で示す従来の技術で述べたオイルパン１Ｃ，
１Ｄと比べて上下方向の幅が僅かに広い間隔で従来と同
様に下梁３にそれぞれあらかじめ溶接されている。

【００２２】一方、上トラス２Ａと中トラス２Ｂの間の
接続部の下部に取り付けられたオイルパン１Ａと、中ト
ラス２Ｂと下トラス２Ｃの間の接続部の下部に取り付け
られたオイルパン１Ａの上下方向の幅は、オイルパン１
の約２分の１となっている。このオイルパン１Ａの左右
には、従来と同様に上方に折曲された曲げ部１ａが形成
されている。

【００２３】さらに、オイルパン１Ａの取付は、図２に
示すように、溶接ではなく、ボルト９による締付構造と
なっている。すなわち、図２においては、上トラス２Ａ
のトラス下弦材７の下端の内側の上面に、小形の山形鋼
８の片側があらかじめそれぞれ載置された後隅肉溶接８
ａ，８ｂで溶接されている。同様に、中トラス２Ｂのト
ラス下弦材７の上端の上面にも、山形鋼８が対称的に溶
接されている。

【００２４】さらに、中トラス２Ｂのトラス下弦材７の
下端の内側の上面にも、山形鋼８の片側がそれぞれ対称
的に載置された後隅肉溶接８ａ，８ｂであらかじめ溶接
されている。同様に、下トラス２Ｃの下端のトラス下弦
材７の上端の内側の上面にも、小形の山形鋼８の片側が
対称的にそれぞれ載置された後、隅肉溶接８ａ，８ｂで
トラス下弦材７に溶接されている。これらの山形鋼８の
他側の中間部には、複数のボルト穴８ｃが溶接前にあら
かじめ形成されている。

【００２５】左右の山形鋼８の間には、図４と同様にＵ
字形に折曲形成され、上下方向の幅が図１（ｂ）に示す
ように踏段前輪軸５の間隔６よりも狭いオイルパン１Ａ
が、山形鋼８の外側から挿入されたボルト９やナット９
ａなどで締め付けられている。

【００２６】このオイルパン１Ａの上下端の下面は、上
トラス２Ａの下面及び中トラス２Ｂの下面と下トラス２
Ｃの下面に溶接された下梁３の上端面にそれぞれ載置さ
れている。また、中トラス２Ｂの下端と下トラス２Ｃの
上端に取り付けられたオイルパン１Ａの上端は、従来と
同様にその上部に隣接して下梁３にあらかじめ溶接され
たオイルパン１の下端の下側に挿入されている。

【００２７】このように構成されたエスカレータにおい
ては、据付現地で取り付けられるオイルパン１Ａは、上
下方向の幅が従来のオイルパンと比べて約２分の１とな
るので、搬入の労力を大幅に減らすことができ、従来の
二人作業を一人作業で済ませることができるだけでな
く、トラスの上端に配設される踏段チェーン４の踏段前
輪軸の間から容易に下ろすことができるので下梁３の上
面への載置が容易となり、山形鋼８に仮止めした状態で
ボルト９の挿入や締付作業を行う。

【００２８】また、前述したように踏段チェーンや踏段
を組み込んだトラスを現地で接続する据付工法を採用し
たエスカレータにおいても、上下方向の幅が狭いオイル
パン１Ａは、トラスの下側から下梁３の上面に容易に挿
入し載置することができるので、これまた容易に対応す
ることができる。

【００２９】なお、上記実施例では、オイルパン１Ａ
は、山形鋼８を介してトラス下弦材７に固定した例で説
明したが、図２において左右端の曲げ部１ａの下方から
外側に二段に曲げて、上の二段曲げ部をトラス下弦材７
の内側上面に載置させ、このトラス下弦材７にボルトで
固定してもよい。この場合には、山形鋼８が不要となる
ので上トラス２Ａ，中トラス２Ｂ及び下トラス２Ｃの製
作が容易となる利点がある。

【００３０】また、オイルパン１Ａは、材料を従来と同
様に軟鋼板製としたが、溶接でなく、ねじ締めとしたの
で、例えばガラス繊維入りのポリエステル板（ＦＲＰ
板）としてもよい。この場合には、更に軽量化を図るこ
とができるので、取付作業が容易となる利点がある。

【００３１】

【発明の効果】以上、請求項１に記載の発明によれば、
複数の分割トラスで構成されたトラスの下部に複数のオ
イルパンが連続して取り付けられるエスカレータにおい
て、分割トラスの接続部に締結固定される第１のオイル
パンと、この第１のオイルパンに連続して設けられ上下
方向の幅が第１のオイルパンよりも大なる第２のオイル
パンを備えることで、分割トラスの接続部における第１
のオイルパンの取付作業の作業性を踏段チェーンや踏段
の有無と無関係としたので、トラスの組立方式の如何に
かかわらず、容易且つ安全にオイルパンを取り付けるこ
とのできるエスカレータを得ることができる。

【００３２】また、請求項２に記載の発明によれば、第
１のオイルパンを分割トラスの接続部に設けられた取付
支えを介してトラスの下弦材に固定することで、分割ト
ラスの接続部における第１のオイルパンの取付作業の作
業性を踏段チェーンや踏段の有無と無関係としたので、
トラスの組立方式の如何にかかわらず、容易且つ安全に
オイルパンを取り付けることのできるエスカレータを得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエスカレータの一実施例を示す図で、
（ｂ）は右側断面図、（ａ）は（ｂ）のＡ−Ａ矢視図。

【図２】図１（ｂ）のＢ−Ｂ断面拡大詳細図。

【図３】従来のエスカレータの一例を示す図で、（ｂ）
は右側面図、（ａ）は（ｂ）のＣ−Ｃ矢視図。

【図４】図１の要部を示す拡大斜視図。

【符号の説明】

１，１Ａ…オイルパン、２…トラス、２Ａ…上トラス、
２Ｂ…中トラス、２Ｃ…下トラス、３…下梁、４…踏段
チェーン、５…踏段前輪軸、６…踏段前輪軸ピッチ、７
…トラス下弦材、８…山形鋼、９…ボルト。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の分割トラスで構成されたトラスの
下部に複数のオイルパンが連続して取り付けられるエス
カレータにおいて、前記分割トラスの接続部に締結固定
される第１のオイルパンと、この第１のオイルパンに連
続して設けられ上下方向の幅が前記第１のオイルパンよ
りも大なる第２のオイルパンを備えたことを特徴とする
エスカレータ。
【請求項２】第１のオイルパンを分割トラスの接続部
に設けられた取付支えを介してトラスの下弦材に固定し
たことを特徴とする請求項１に記載のエスカレータ。