JP2867172B2 - 梁鉄骨に対する折版の取付け構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、梁鉄骨に対する折版の取付け構造に関する
ものである。

〔従来の技術〕

例えば、屋根を折版で構成する建物の場合、従来で
は、鉄骨建方後、折版の断面形状に対応したジグザグ状
の折版取付け用金物を梁鉄骨の上フランジに溶接し、該
折版取付け用金物に折版を取り付けていた。従って、高
所での溶接作業が必要となり、作業性および安全性の両
面で問題があった。

また、既存建物において、下階での業務、営業等を継
続しつつ、上階側の改修、改装工事を行う場合、強度が
高い折版製の仮設天井を梁鉄骨の下フランジに取り付け
て、落下養生を行うことが望ましいのであるが、この場
合、上記の従来技術を応用して、梁鉄骨の下フランジに
折版取付け用金物を溶接すると、高所での上向きの溶接
作業となって、作業性および安全性が一層低下すること
になり、しかも、溶接火花の下階への飛散を完璧に防止
できる火花養生手段が必要となる。

〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、仮設天井を折版で構成する場合の梁鉄骨に対する折
版の取付け作業を容易かつ安全に行えるようにすること
を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的
手段は、次の通りである。即ち、本発明による梁鉄骨に
対する折版の取付け構造は、折版取付け用金物を下地フ
レームに溶接して折版取付け下地を構成し、該折版取付
け下地の下地フレームを梁鉄骨に連結金物で連結し、前
記折版取付け用金物に折版を取り付けてある梁鉄骨に対
する折版の取付け構造であって、前記折版が仮設天井で
あり、前記折版取付け下地の下地フレームが梁鉄骨の下
フランジに連結金物で連結されている点に特徴がある。

〔作用〕

上記の構成によれば、既存建物において、下階での業
務、営業等を継続しつつ、上階側の改修、改装工事を行
う場合、折版製の仮設天井を梁鉄骨の下フランジに取り
付けて、落下養生を行うにあたり、予め、工場あるいは
建築現場の床面上で折版取付け下地を製作しておき、こ
れを揚重して梁鉄骨の下フランジに連結金物で連結する
ことが可能であり、高所での上向きの溶接作業や溶接火
花の下階への飛散を防止する火花養生手段を省略するこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第３図は本発明の一実施例を示す。この実施
例は、既存建物において、下階での業務、営業等を継続
しつつ、上階側の改修、改装工事を行う場合に、本発明
を適用したものである。図において、Ａは折版取付け下
地、Ｂは屋根を構成する折版、Ｃは上，下フランジ1a,1
bとウエブ1cとから成る梁鉄骨であり、柱鉄骨Ｄ間にわ
たって架設されている。

図示の折版取付け下地Ａは、折版Ｂの断面形状に対応
してジグザグ状に屈曲させ且つ各頂部に折版取付け用ボ
ルト２…が立設された折版取付け用金物３を断面Ｃ型の
軽量型鋼や角形パイプ等の軽量鉄骨より成る直線的な下
地フレーム４の下面に溶接し、下地フレーム上の下面に
操作ハンドル付きのねじ軸9aと該ねじ軸9aを螺装するＣ
字状金具9bとから成るクランプ式の連結金物９を所要個
数溶接することによって構成されている。前記折版取付
け下地Ａにおける下地フレーム４は梁鉄骨Ｃの下フラン
ジ1bに前記連結金物９…を介して着脱自在に連結されて
いる。折版Ｂは、上階側の改修，改装工事中、下階への
落下養生を司る架設天井を構成しており、前記折版取付
け用金物３に前記折版取付け用ボルト２…とそれに螺合
するナット部材８…とを介して取り付けられている。

上記の折版取付け構造の施工手順は、次の通りであ
る。

即ち、予め、工場あるいは建築現場の床面上で溶接作
業を行って、前記折版取付け下地Ａを製作しておき、第
３図に示すように、前記折版取付け下地Ａを揚重して、
梁鉄骨Ｃの下フランジ1bに前記連結金物９で連結し、し
かる後、折版Ｂを揚重して、折版取付け下地Ａの折版取
付け用金物３に取り付けるのである。

この実施例によれば、梁鉄骨Ｃの下フランジ1bに折版
Ｂを取り付けて、落下養生のための仮設天井を構成する
にあたって、高所での上向きの溶接作業が不要であり、
作業性が良く、安全性が高く、溶接火花が下階へ飛散し
ないようにするための火花養生手段も不要である。

第４図は本発明の別実施例を示す。この実施例は、折
版Ｂと折版取付け用金物３を折版Ｂの山部においてボル
ト連結した点に特徴がある。その他の構成、施工手順は
第１図〜第３図の実施例と同じであるため、同一構成部
材に同一符号を付し、説明を省略する。

第５図〜第７図は本発明の別実施例を示す。この実施
例は、折版取付け下地Ａにおける折版取付け用金物３
を、先端に折版取付け用ボルト２が立設された複数個の
鍔部3a付き軸体3bによって構成した点に特徴がある。そ
の他の構成、施工手順は、第４図の実施例と同じである
ため、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略す
る。

〔発明の効果〕

本発明は、上述した構成よりなるから、予め、工場あ
るいは建築現場の床面上で折版取付け下地を製作してお
き、これを揚重して梁鉄骨に連結金物で連結することが
可能であり、梁鉄骨の下フランジに折版を取り付けて、
落下養生のための仮設天井を構成するにあたって、高所
での上向きの溶接作業が不要であり、作業性が良く、安
全性が高く、溶接火花が下階へ飛散しないようにするた
めの火花養生手段も不要である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示し、第１図は
梁鉄骨に対する折版の取付け構造を示す概略縦断正面
図、第２図は要部の縦断側面図、第３図は施工手順を説
明する斜視図である。 第４図は本発明の別実施例を示す梁鉄骨に対する折版の
取付け構造の概略縦断正面図である。 第５図乃至第７図は本発明の別実施例を示し、第５図は
梁鉄骨に対する折版の取付け構造を示す概略縦断正面
図、第６図は要部の縦断側面図、第７図は折版取付け下
地の正面図である。 Ａ……折版取付け下地、Ｂ……折版、Ｃ……梁鉄骨、1b
……下フランジ、３……折版取付け用金物、４……下地
フレーム、９……連結金物。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】折版取付け用金物を下地フレームに溶接し
   て折版取付け下地を構成し、該折版取付け下地の下地フ
   レームを梁鉄骨に連結金物で連結し、前述折版取付け用
   金物に折版を取り付けてある梁鉄骨に対する折版の取付
   け構造であって、前記折版が仮設天井であり、前記折版
   取付け下地の下地フレームが梁鉄骨の下フランジに連結
   金物で連結されていることを特徴とする梁鉄骨に対する
   折版の取付け構造。