JPH0848476A - エレベーター用フレキシブル連結機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベーター用フレキシブル連結機を提供す
る。 【構成】 ２：１ロープ配置によって釣止されているか
ごを有するエレベーターは、ローピングが掛け渡されて
おり、かつ回転可能に支持されている滑車を有する。フ
レキシブル部材は、かごに前記構造体を取り付けるため
に使用され、前記構造体からかごへと伝達される揺れを
低減する。加えて、緩衝材は、前記かごにフレキシブル
部材と、支持構造体とを取り付けるために使用され、振
動及び異音が低減される。スプリングはフレキシブル部
材の上部と下部に配設されており、低周波数の垂直方向
への振動を分離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータ用のフレキシ
ブル連結機（ｈｉｔｃｈ）に関し、より具体的にはエレ
ベーターのかごに伝達される揺れを低減し、かつ振動を
低減する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、エレベーター用かごは、第１の
端部がかごに取り付けられ、かつ駆動滑車に掛け渡さ
れ、さらに他端がつり合い重りに取り付けられた数本の
ワイヤーによって支持されている。２：１のローピング
配置においては、前記ワイヤロープは昇降路の最上部に
あるヒッチプレートに固定され、前記かご又はつり合い
重りに取り付けられた各ロープは回転可能な滑車手段に
掛け渡されている。

【０００３】２：１ローピング配置を使用し、かごの上
部にかご付き滑車を有するエレベーターでは、ロープの
垂直及び水平移動に伴って回転力と振動が伝えられる。
これらの揺れと振動は、滑車をかごに取り付ける構造体
を連結するために使用される剛性の高い部材を伝わるう
ちに、増幅されてかごに伝達されることがある。加えて
駆動機構によって生じるトルク振動は、剛性の高い部材
を通じてかごに伝達されて、異音を発生させることにな
る。かかる振動と異音の双方は、かごに支持構造体を連
結するための剛性の高い部材を一つだけ使用したもので
は分離することはできず、これらの問題を解決するに
は、高いコストが必要であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、滑車支持構
造体を介して伝達される揺れを低減することを目的とす
る。

【０００５】本発明はまた、滑車支持構造体を通して伝
達される振動を低減することを目的とする。

【０００６】本発明はさらにまた、かごに対する異音の
発生を低減することを目的とする。

【０００７】本発明によれば、ロープによって釣止され
たかごを有するエレベーターは、さらに該ロープが掛け
渡される滑車と、前記滑車を回転可能に支持する構造体
と、かごに前記構造体を取り付け、さらに前記構造体か
ら前記かごへの揺れ（ｍｏｍｅｎｔ）を伝達を低減させ
るためのフレキシブル部材と、を有する。

【０００８】さらに本発明によれば、前記支持構造体に
フレキシブル部材を取り付けるための支持手段は、前記
滑車支持構造体から前記かごへの振動と異音の伝達を低
減することができる緩衝材又は分離材を有してなる。

【０００９】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、フレ
キシブル部材の最上部と底部にそれぞれ連結機スプリン
グを配設し、垂直方向に発生する低周波の振動を低下さ
せることを特徴とする。

【００１０】本発明の別の実施例では、ロープから被支
持体を釣止するための装置は、滑車を回転可能に前記被
支持体に対して支持している。この装置はさらに支持体
が取り付られる第１の端部と、被支持体が取り付けられ
る第２の端部と、前記第１の端部と第２の端部とを連結
しているフレキシブル部材を有している。この部材の可
撓性によって、前記被支持体から前記構造体への揺れの
伝達が低減されることになる。

【００１１】これらの本発明の特徴及び効果は、明細書
及び請求項から明らかであるが、さらに図をもって本発
明の実施例を説明する。

【００１２】

【実施例】図１には、２つの主要な可動要素とであるエ
レベーターかご９と、つり合い重り１１を有するエレベ
ーター７示す。これらは所定の移動範囲の間において垂
直運動をガイドするべく建物の昇降路の中に配設されて
いる。駆動手段１３は、エレベーターかごとそのつり合
い重りを滑車とロープ配置によって駆動するべく配設さ
れており、当業界で良く知られているように駆動滑車１
５と、第２滑車１７と、１９で示す複数のワイヤロープ
とを有している。２：１ローピング配置は、図１に示す
ように、前記のロープが昇降路の上方に配設されたヒッ
チプレート２１に固定されており、該ロープは前記かご
又はつり合い重りに滑車構造体２３によって取り付けら
れている。滑車支持構造体は、２：１ローピング配置に
通常に使用される剛性の部材を有する型のものであり、
本発明においてもこれが使用されている。

【００１３】本発明の実施例を、図１から図４に記載す
る。図１及び図２に示すように、エレベーターかご９を
滑車支持構造体２３から釣止する装置は、複数のフレキ
シブル部材２５と、フレキシブル部材を前記滑車支持構
造体と、上わく３１とにそれぞれ取り付ける上部取り付
け装置２７と、下部取り付け装置２９とを有している。

【００１４】図２〜４では滑車支持構造体２３が、上わ
く３１に６個のフレキシブル部材２５を使用して連結さ
れている。各フレキシブル部材は、硬化鋼製のネジが設
けられた長い棒であるか、又はこれとは別の適切な強度
と柔軟性を有する材料製の、ネジが設けられた長い棒で
ある。フレキシブル部材の直径は、つり下げる荷重によ
って変動するが、通常では０．５インチ（１２．７ｍ
ｍ）から１．０インチ（２５．４ｍｍ）の範囲のものが
使用できる。加えて、フレキシブル部材は、当業者には
容易に理解されるように十分に柔軟なため、滑車支持構
造体で発生した揺れを吸収することができる。上記部材
の柔軟性は前記の細長い形状に起因するものであり、直
径がより太い単一の剛性の高い部材を使用する従来の設
計とは異なっている。

【００１５】図２と３に示すように、フレキシブル部材
２５の取り付け手段は、分離材または緩衝材３３と、ト
ップヒッチプレート３５と、下部分離プレート３７と、
底部のヒッチプレート３９と、スプリング４１と、第１
のロックナット４３と、第２のロックナット４５と、保
護用ナット４７と、球状面を有するワッシャー４９と、
取り付けボルト５１を有している。上部取り付け部材２
７においては、トップヒッチプレート３５と底部分離プ
レート３７によって、分離材又は緩衝材３３が面と面の
間に保持されている。底部分離プレートは滑車支持構造
体２３の最上部５７に取り付けボルト５１によって固定
されている。またかかる複数のボルトは分離材又はトッ
プヒッチプレートを貫通してはいない。前記ボルトの頭
部５３は溝５５の内部に配設されており、このため前記
ボルトと分離材又は緩衝材とが接触しないようになって
いる。スプリング４１は、フレキシブル部材２５の上側
に配設されており、トップヒッチプレートに対向するよ
うに設置されている。またかかるスプリングは第１のロ
ックナットの対４３によって前記フレキシブル部材の端
部にネジ止めされて固定されている。各スプリングは通
常では５００ポンド／インチ−１０００ポンド／インチ
（約８９．４ｋｇ／ｃｍ−約１７８．７ｋｇ／ｃｍ）の
耐久強度が要求されるが、これらは協動してかご荷重を
支持すればよいため、前記の数値は荷重と使用されるス
プリングの数によって変動する。

【００１６】下部取り付け装置２９では、底部ヒッチプ
レート３９と、上わく３１とによって、分離材３３が面
と面の間に保持されており、共に取り付けボルト５１を
使用して連結されている。分離材又は緩衝材は、ファブ
リーカインターナショナル社（Ｆａｂｒｅｅｋａ Ｉｎ
ｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ、ＩＮＣ．ソートン（Ｓｏｕｇ
ｈｔｏｎ）、マサチューセッツ）製のファブセル（登録
商標）（Ｆａｂｃｅｌ（登録商標））で製造されてお
り、２方向に溝が設けられたものである。この他にも、
振動を吸収し、異音を低減する適切な分離特性を有する
材料であればいかなる物でも使用することができる。加
えて、保護ナット４７は、第２のロックナット４５の対
により動かないように固定されており、これらはさらに
フレキシブル部材２５に装着されている。また保護ナッ
ト４７は底部ヒッチプレート３９の直上部に配設されて
おり、垂直上方に対して動かないようにされている。前
記フレキシブル部材は、前記底部ヒッチプレートに対し
て球面を有したワッシャー４９を介して第１のロックナ
ット４３の対によって固定されている。このため前記フ
レキシブル部材はある程度回転するための自由度があ
る。

【００１７】図２−４は本発明のシステムの効果を示し
たものである。本発明の第１の効果としては、低価格で
個別の実施例に対して適用できることを挙げることがで
きる。例えば、複数のフレキシブル部材を使用すること
によって、垂直方向への低周波数の振動を分離するた
め、前記フレキシブル部材の端部に複数のスプリング
を、いかなる組み合わせにおいても取り付けることがで
きることを挙げることができる。揺れを低減するために
使用されるフレキシブル部材の数は、実際上所定の実施
例において予測される荷重に応じて変更することができ
る。加えて、ネジが設けられたフレキシブル部材は、市
販のものが使用できる。かかるフレキシブル部材の径と
長さは、容易に個別の実施例に対して適合させることが
できる。また上述したネジを用いれば、通常のロックナ
ットを使用して安価な方法でどの部位においても前記の
フレキシブル部材を固定することができる。さらに、滑
車支持構造体をかごに連結する際に別の効果が生じる
が、これは複数のフレキシブル部材を使用することによ
って生ずるものである。その効果は、本配置では分離材
又は緩衝材をフレキシブル部材を取り付けると同時に使
用することができることである。単一の剛性のある連結
機を使用する従来配置では、分離材、又は緩衝材を配設
する余地がなかったことから、滑車支持構造体を通じて
の異音や、振動の分離が極めて困難かつ高価であった。
しかしながら本発明の配置によれば、上記問題を低減で
きる比較的簡単でかつ安価な方法が提供できることにな
る。分離材、又は緩衝材ははファブセル（登録商標）に
よって製造されている。ファブセル（登録商標）は２方
向の溝があるため、平板状のゴム等の他の材料よりも、
振動を吸収するためのフレキシビリティーがある。この
ため他の材料に比較して好適に使用できる。

【００１８】本発明をその最適な実施例を持って説明を
行ったが、本発明は２：１ローピングで釣止されるいか
なる支持構造体についても適用でき、本発明の趣旨及び
範囲内で当業者による種々の省略、変更、付加といった
変更を行うことは容易である。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、滑車支持構造体を通し
て伝達される揺れを低価格で低減することができるエレ
ベーター用フレキシブル連結機を提供することができ
る。本発明はまた、滑車構造体を介して伝達される振動
を低減することができるエレベーター用フレキシブル連
結機を提供することができる。本発明はさらにまた、か
ごに対する異音を低減することができるエレベーター用
フレキシブル連結機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】２：１ローピングのエレベーターの透視図であ
る。

【図２】図１に示した本発明の実施例の側面図である。

【図３】図２に示した本発明の実施例の正面図である。

【図４】図２に示した本発明の実施例の正面図である。

【符号の説明】

７…エレベーター ９…エレベーター用かご １１…つり合い重り １３…駆動手段 １５…駆動滑車 １７…第２滑車 １９…ワイヤーロープ ２１…ヒッチプレート ２３…滑車支持構造体 ２５…フレキシブル部材 ２７…上部取り付け部材 ２９…下部取り付け部材 ３１…上わく

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロープによって釣止されるかごを有する
   エレベーター用フレキシブル連結機において、 前記のロープが掛け渡されている滑車と、 前記滑車を回転可能に支持する構造体と、 前記のかごに前記構造体を取り付けるためのフレキシブ
   ル部材と、を有し、 前記部材が前記構造体から前記かごへの揺れの伝達を低
   減することを特徴とするエレベーター用フレキシブル連
   結機。
2. 【請求項２】 前記フレキシブル部材を前記構造体と前
   記のかごに取り付ける手段と、 前記フレキシブル部材を前記構造体と前記かごから分離
   して前記かごへの異音及び振動を低減するための手段
   と、を有することを特徴とする請求項１に記載のエレベ
   ーター用フレキシブル連結機。
3. 【請求項３】 前記取り付け部材が緩衝性材料を有する
   ことを特徴とする請求項２に記載のエレベーター用フレ
   キシブル連結機。
4. 【請求項４】 前記取り付け部材がスプリングを有する
   ことを特徴とする請求項２に記載のエレベーター用フレ
   キシブル連結機。
5. 【請求項５】 前記ロープが掛け渡されている滑車を回
   転可能に支持している支持体を、被支持体に取り付ける
   とともにロープから被支持体を釣止するための取り付け
   装置において、 前記支持体が取り付けられる第１の端部と、 前記被支持体が取り付けられる第２の端部と、 前記第１の端部を前記第２の端部を連結するフレキシブ
   ル部材と、を有し、 前記部材の可撓性により、前記構造体から被支持体へ揺
   れの伝達を低減することができることを特徴とする装
   置。