JPH083660B2 - 静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法

Info

Publication number
JPH083660B2
JPH083660B2 JP61141283A JP14128386A JPH083660B2 JP H083660 B2 JPH083660 B2 JP H083660B2 JP 61141283 A JP61141283 A JP 61141283A JP 14128386 A JP14128386 A JP 14128386A JP H083660 B2 JPH083660 B2 JP H083660B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
polymer block
acid
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61141283A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62299859A (ja
Inventor
国夫 秋本
覚 池内
昭年 松原
喜夫 滝沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP61141283A priority Critical patent/JPH083660B2/ja
Publication of JPS62299859A publication Critical patent/JPS62299859A/ja
Publication of JPH083660B2 publication Critical patent/JPH083660B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08788Block polymers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08786Graft polymers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法など
において形成される静電潜像の現像に用いられる静電像
現像用トナーおよびそれを用いる画像形成方法に関する
ものである。
〔技術的背景〕
例えば電子写真法においては、通常、光導電性感光体
よりなる静電像担持体に帯電、露光により静電潜像を形
成し、次いでこの静電潜像を、樹脂よりなるバインダー
中に着色剤などを含有せしめて微粒子状に形成してなる
トナーによって現像し、得られたトナー像を転写紙など
の支持体に転写し定着して可視画像を形成する。
このように可視画像を得るためにはトナー像を定着す
ることが必要であり、従来においては熱効率が高くて高
速定着が可能な熱ローラ定着方式が広く採用されてい
る。
しかるに最近においては、(イ)複写機の過熱劣化を
抑制すること、(ロ)感光体の熱劣化を防止すること、
(ハ)定着器を作動せしめてから熱ローラが定着可能な
温度にまで上昇するのに要するウオームアップタイムを
短くすること、(ニ)転写紙へ熱が吸収されることによ
る熱ローラの温度低下を小さくして多数回に亘る連続コ
ピーを可能にすること、(ホ)熱的な安全性を高くする
こと、などの要請から、定着用ヒーターの消費電力を低
減させて熱ローラの温度をより低くした状態で定着処理
を可能にすることが強く要求されている。従ってトナー
においても低温で良好に定着し得るものであることが必
要とされる。
しかもトナーにおいては、使用もしくは貯蔵環境条件
下において凝集せずに粉体として安定に存在し得るこ
と、即ち耐ブロッキング性に優れていることが必要であ
り、更に定着法として好ましい熱ローラ定着方式におい
ては、オフセット現象即ち定着時に像を構成するトナー
の一部が熱ローラの表面に転移し、これが次に送られて
来る転写紙に再転移して画像を汚すという現象が発生し
易いのでトナーにオフセット現象の発生を防止する性能
即ち耐オフセット性を付与せしめることが必要とされ
る。
このようなことから、従来においては、例えば特開昭
50-87032号に開示されているように、トナーを構成する
バインダー樹脂として、融点が45〜150℃の少なくとも
1つの結晶性重合体部分を、ガラス転移点が0℃以下の
非晶質重合体部分に化学的に連結してなる重合体を用い
る技術、或いは特開昭59-3446号に開示されているよう
に、トナーを構成するバインダー樹脂として、融点が45
〜90℃の結晶質ブロックおよびガラス転移点が前記結晶
質ブロックの融点より少なくとも10℃高い非晶質ブロッ
クを分子中に含有し、前記結晶質ブロックの含有量が70
〜95重量%である熱可塑性重合体を用いる技術が提案さ
れている。
また、特開昭57-8549号にはエチレン、プロピレンお
よび酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種の単量体か
ら成る結晶性幹重合体部分と不飽和ポリエステル幹重合
体部分とビニル系枝重合体部分とから成るグラフト共重
合体を含有するトナーが開示されている。
しかしながら、前記特開昭50-87032号に開示されたト
ナーは、軟質な結晶性重合体部分と、ガラス転移点が0
℃以下であることにより粘着性かつ軟質である非晶質重
合体部分とが化学的に結合された共重合体によって構成
されたトナーであるため、常温においても、現像器等に
おいてブロッキング現象を起こすという欠点がある。ま
た摩擦帯電性および流動性が悪いために現像性が悪く、
得られる画像はカブリの多い不鮮明な画質のものとな
る。またトナーが軟質であるため、多数回の複写によっ
てキャリア粒子や感光体表面へ付着するというフィルミ
ング現象が発生し、更に、クリーニングブレード等のク
リーニング部材へ融着することとなり、得られる画像も
カブリが多く、濃度の低い不鮮明なものとなってしま
う。また軟質であることにより、常温での粉砕に際して
粉砕機中で塊状化し易く、あるいは粉砕が困難であった
りして、所望の粒径のトナーが得られず、生産効率が悪
く、コストの高いものになってしまうという欠点を有す
る。さらにこのトナーは粘着性が高いため、オイルを塗
布しない熱ローラ定着器においては、オフセット現象が
発生しやすいものである。
また特開昭59-3446号に開示された技術においては、
非晶質ブロックとしてガラス転移点が100℃以上と高い
ものを使用しているため、低温での溶融性を満たす方法
として結晶質ブロックを70〜95重量%と多量に使用しな
ければならず、ここのために常温にて塑性変形性を有す
る軟質な結晶質ブロックの性質がトナーに反映されるこ
ととなる。即ち、軟質であるために摩擦帯電性および流
動性が悪いことにより現像性が悪く、画像はカブリの多
い不鮮明なものとなる。また、多数回に亘る複写によ
り、トナーがキャリア粒子や感光体表面へ付着するとい
うフィルミング現象が発生し、且つ摩擦帯電性が更に不
良になり、クリーニングブレード等のクリーニング部材
に融着することも生ずるようになり、画像はカブリが多
く濃度の低い不鮮明なものとなってしまう。更にオイル
を多量に塗布しない熱ローラ定着器のように短時間での
加熱による定着方法においては、上記非晶質ブロックの
ガラス転移点が100℃と高いために定着可能温度が高く
なると共に、結晶質ブロックが70〜95重量%と多いため
に、オフセット現象が発生し易い。
更にまた、特開昭57-8549号に開示されたトナーは流
動性が悪く、そのためトナーがキャリアに均一に分散さ
れた現像剤が得られず、結局トナーに十分な摩擦帯電性
および現像性が得られないため、画像ヌケ等が発生して
画像は不鮮明なものとなってしまう。更に多数回に亘る
複写においてはトナーの流動性が悪いために、トナーが
補給されても現像剤中へ均一にトナーが分散されず、画
像は不鮮明なものとなってしまう。
従来においては、以上のように、これらすべての欠点
を解消したトナーが実用化されていないのが実情であっ
た。
〔発明の目的〕
本発明は以上の如き事情に基いてなされたものであっ
てその第1の目的は、定着温度が低く、耐オフセット性
が良好で定着可能温度範囲の広い静電像現像用トナーを
提供することである。
本発明の第2の目的は、オイルを塗布しない熱ローラ
定着方式においてもオフセット現象を発生しないトナー
を提供することである。
本発明の第3の目的は、耐ブロッキング性の良好なト
ナーを提供することである。
本発明の第4の目的は、流動性、摩擦帯電の安定性、
現像性が良好でカブリのない鮮明な画像の得られるトナ
ーを提供することである。
本発明の第5の目的は、キャリア粒子や感光体表面あ
るいはクリーニング部材へのフィルミングを発生せず、
クリーニング性が良好で、カブリのない鮮明な画像を形
成することのできるトナーを提供することである。
本発明の第6の目的は、画像濃度の高い画像の得られ
るトナーを提供することである。
本発明の第7の目的は、多数回の使用においても耐フ
ィルミング性、クリーニング性、現像剤へのトナーの均
一分散性、現像性が良好であり、カブリのない画像濃度
の高い鮮明な画像を形成することのできる耐久性に優れ
たトナーを提供することである。
本発明の第8の目的は、上記静電像現像用トナーを用
いる画像形成方法を提供することである。
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、三官能以上の多
官能単量体成分を1〜50モル%含む、ガラス転移点が50
〜100℃の芳香族ポリエステルよりなる無定形重合体ブ
ロックの40〜99重量%と、ポリエステルよりなる結晶性
重合体ブロックの1〜60重量%とを分子中に含有するブ
ロック共重合体またはグラフト共重合体をバインダー樹
脂として用いたことを特徴とする静電像現像用トナーに
より前記の目的が達成されることを見出し、本発明を完
成した。
本発明の静電像現像用トナーにおいては、 (1)無定形重合体ブロックと結晶性重合体ブロックと
が特定の割合で化学的に結合してなる共重合体をバイン
ダーとして用い、 (2)前記無定形重合体ブロックおよび結晶性重合体ブ
ロックはいずれもポリエステルよりなり、かつ、前記無
定形重合体ブロックは特定の割合の多官能単量体成分を
有すると共に、特定のガラス転移点を有する芳香族ポリ
エステルである、 という条件が必要であり、これらの条件がすべて満たさ
れることによって本発明の目的が達成される。
なお、ここで「結晶性重合体ブロック」とは融点を有
する重合体部分を、また「無定形重合体ブロック」とは
融点を有さない、非晶性の重合体部分を意味するもので
ある。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーにおいては、 (1)無定形重合体ブロックおよび結晶性重合体ブロッ
クを、それぞれ40〜99重量%および1〜60重量%となる
割合で化学的に結合してなるブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体であって、 (2)前記無定形重合体ブロックおよび結晶性重合体ブ
ロックはいずれもポリエステルよりなり、かつ、前記無
定形重合体ブロックは三官能以上の多官能単量体成分を
1〜50モル%含む、ガラス転移点が50〜100℃の芳香族
ポリエステルよりなるものをバインダーとして用いて構
成する。
斯かる条件を満足する本発明トナーは、耐ブロッキン
グ性、耐オフセット性、流動性、低温定着性が良好であ
り、優れた可視画像を形成することができる。
前記無定形重合体ブロックは、カルボン酸単量体とア
ルコール単量体とより得られる芳香族ポリエステルであ
って、その単量体として用いられるカルボン酸またはア
ルコールの少なくとも一方が三官能以上の多官能単量体
成分を含む重合性組成物から得られる架橋性のものであ
ることが必要である。当該重合性組成物における3官能
以上の多官能単量体成分の割合は、1〜50モル%である
ことが必要であり、特に5〜40モル%であることが好ま
しい。そして斯かる架橋された無定形重合体ブロックの
40〜99重量%に対して、結晶性重合体ブロックが1〜60
重量%の割合で化学的に結合され、全体としてブロック
共重合体またはグラフト共重合体とされ、この共重合体
がバインダーとして用いられる。
このように、架橋された無定形重合体ブロックに結晶
性重合体ブロックが結合された共重合体をバインダーと
することによって、基本的に、得られるトナーは、その
軟化点が結晶性重合体ブロックの融点によって支配的に
定まるため、当該結晶性重合体ブロックのポリエステル
として融点の低いものを用いることにより最低定着温度
の低いものとなると共に、無定形重合体ブロックが架橋
されたものであるため熔融時の大きな粘弾性が得られ、
この結果、低温定着性を確保しながら優れた耐オフセッ
ト性が得られる。
前記共重合体を構成する無定形重合体ブロックと結晶
性重合体ブロックとの割合は、重量で40〜99:1〜60とさ
れることが必要であり、特に50〜90:10〜50であること
が好ましい。結晶性重合体ブロックの割合が1重量%未
満の場合は低温定着性に対する効果が少なく、無定形重
合体ブロックの割合が40重量%未満では、得られるトナ
ーの流動性、現像性、耐フィルミング性、耐オフセット
性、耐久性が損なわれるようになる。
本発明においてバインダーとして用いられる上記共重
合体を構成する結晶性重合体ブロックはポリエステルと
され、その構造は特に限定されるものではないが、特に
ポリアルキレンポリエステルが好ましい。斯かるポリア
ルキレンポリエステルの具体例としては、例えばポリト
リメチレンオクザレート、ポリテトラメチレンオクザレ
ート、ポリヘキサメチレンオクザレート、ポリヘプタメ
チレンオクザレート、ポリデカメチレンオクザレート、
ポリエチレンサクシネート、ポリトリメチレンサクシネ
ート、ポリテトラメチレンサクシネート、ポリヘキサメ
チレンサクシネート、ポリデカメチレンサクシネート、
ポリトリメチレングルタレート、ポリエチレンアジペー
ト、ポリトリメチレンアジペート、ポリテトラメチレン
アジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリデカ
メチレンアジペート、ポリトリメチレンピメレート、ポ
リテトラメチレンピメレート、ポリペンタメチレンピメ
レート、ポリヘキサメチレンピメレート、ポリエチレン
スベレート、ポリトリメチレンスベレート、ポリテトラ
メチレンスベレート、ポリヘキサメチレンスベレート、
ポリトリメチレンアゼレート、ポリテトラメチレンアゼ
レート、ポリヘキサメチレンアゼレート、ポリエチレン
セバケート、ポリトリメチレンセバケート、ポリテトラ
メチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、
ポリデカメチレンセバケート、ポリ−10−ヒドロキシカ
プリル酸、ポリ−6−ヒドロキシカプロン酸、ポリ−3
−ヒドロキシプロピオン酸、その他を挙げることができ
る。
以上の如きポリアルキレンポリエステル類を結晶性重
合体ブロックとして用いた場合に、トナーの低温定着性
に有効でありかつその流動性を良好にすることができる
のは、次のような理由によるものと思われる。すなわ
ち、ポリエステル樹脂のような縮合系の樹脂では低分子
量のものを容易に得ることができ、更にスチレン等のビ
ニル系樹脂に比較して、溶融した際転写紙等の支持体に
対する「濡れ」が良く、同等の軟化点を持つ他の樹脂を
バインダーとして含有するトナーに比較して、低い温度
で十分な定着を行うことができるためである。
以上において、前記結晶性重合体ブロックは、その融
点が50〜120℃であること、特に55〜110℃であることが
好ましい。用いる結晶性重合体ブロックの融点が50℃未
満の場合には得られるトナーの耐ブロッキング性が不良
となり、また120℃を超える場合にはトナーの低温にお
ける熔融流動性が低下して定着性が悪くなるおそれがあ
る。
ここに、結晶性重合体ブロックの融点は、無定形重合
体ブロックと結合されていない状態における結晶性重合
体ブロックの融点を意味する。
また前記結晶性重合体ブロックの分子量は、数平均分
子量Mnが1,000〜20,000、重量平均分子量Mwが2,000〜10
0,000のものが好ましい。分子量がこの範囲にある場合
には、トナーの耐オフセット性およびトナーの製造にお
ける粉砕効率が更に良好となる。
本発明においてバインダーとして用いられる上記共重
合体を構成する無定形重合体ブロックとしては、その構
造は特に限定されるものではないが、芳香族ポリエステ
ルが用いられる。これにより、得られるトナーは摩擦帯
電性が良好で多数回に亘る使用においても安定な帯電性
を示し、かつ硬質であることからトナーの流動性および
耐久性が良好であり、鮮明な画像を形成することができ
る。これは結晶性重合体部分においてポリアルキレンポ
リエステルが好ましく用いられるのと同様の理由であ
る。斯かる芳香族ポリエステルとしては、多価カルボン
酸もしくは多価アルコールの少なくとも1つが芳香族系
単量体であればよい。
前記無定形重合体ブロックを得るためには、少なくと
も一方が三官能以上の多官能性単量体を既述の範囲の割
合で含有するアルコール単量体およびカルボン酸単量体
が用いられる。
本発明において、アルコール単量体としては、例えば
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール
類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、
およびビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプ
ロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノ
ールA類、その他の二価のアルコール単量体を挙げるこ
とができる。
またカルボン酸単量体としては、例えばマレイン酸、
フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、
グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級
アルキルエステルとリノレン酸の二量体、その他の二価
の有機酸単量体を挙げることができる。
前記無定形重合体ブロックを架橋性とするために必要
なる三官能以上の多官能性単量体は、アルコール単量体
であっても、あるいはカルボン酸単量体であってもよ
い。このような多官能性単量体である三価以上の多価ア
ルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,
6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリ
スリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−
ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパ
ントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げ
ることができる。
また三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例え
ば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼント
リカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン
酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−
2−メチルカルボキシプロペン、1,3−ジカルボキシ−
2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテ
トラカルボン酸、エンポール三量体酸、およびこれらの
酸無水物、その他を挙げることができる。
前記無定形重合体ブロックは、そのガラス転移点が50
〜100℃のものであって、特に50〜85℃であることが好
ましく、50℃未満の場合には得られるトナーの流動性、
耐オフセット性、粉砕性、耐ブロッキング性、耐フィル
ミング性、耐久性が不良となり、100℃を超える場合に
は得られるトナーの低温定着性が悪くなるおそれがあ
る。ここに、無定形重合体ブロックのガラス転移点は、
結晶性重合体ブロックと結合されていない状態における
無定形重合体ブロックのガラス転移点を意味する。
前記無定形重合体ブロックの分子量は、数平均分子量
Mnが500〜20,000、重量平均分子量Mwが1,000〜100,000
であることが好ましい。分子量がこの範囲にある場合
は、トナーの耐ブロッキング性、粉砕効率、低温定着性
が更に良好となる。
前記結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロック
は、互いに相溶性であっても非相溶性であってもよい
が、非相溶性であることが好ましい。これは、互いに相
溶性の結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロックと
を用いた場合には、結晶質部分と非晶質部分とが互いに
混ざり易いため、得られる共重合体のガラス転移点が低
下したり結晶化度の低下が生ずるからである。そしてガ
ラス転移点の低い無定形重合体ブロックを用いたときに
は、上記の原因によって、トナーはブロッキングが生じ
易いものとなったり、粉砕性が低下する。ここに「非相
溶性」とは、両者の化学構造が同一または類似しあるい
は官能基の作用により両者が十分に分散する性質のない
ことをいい、溶解性パラメーター例えば、フェドースの
方法によるS.P.値(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14
(2)147(1974))の差が0.5より大きいものである。
本発明においてバインダーとして用いる共重合体は、
上述の如き互いに異なるブロック部分よりなる共重合体
であり、少なくとも1つの結晶性重合体ブロックと少な
くとも1つの無定形重合体ブロックとが化学的に連結さ
れてなるものである。構造的には、ブロック共重合体で
あってもよいしあるいは主鎖以外に側鎖にグラフト化さ
れたブロック部分を有するグラフト共重合体であっても
よい。また分子は全体が直鎖状であってもよいし、分岐
を有していてもよい。このうち特にブロック共重合体で
あることが好ましい。
前記共重合体の分子量は、結晶性重合体ブロックと無
定形重合体ブロックの組成・比率その他の要因により異
なるので一概にはいえないが、概ねその数平均分子量Mn
が1,000以上、重量平均分子量Mwが5,000以上であればよ
く、とりわけ数平均分子量Mnが1,000〜30,000および重
量平均分子量Mwが5,000〜300,000であると耐オフセット
性、耐久性、粉砕効率の観点から好ましい。また当該共
重合体はクロロホルム不溶分を3%以上の割合で含有す
ることが好ましい。
前記共重合体の軟化点は、各ブロックとして用いるポ
リエステルの種類によっても異なり、特に限定されるも
のではないが、50〜150℃の範囲、特に50〜120℃の範囲
にあることが好ましい。共重合体の軟化点がこの範囲に
あると、得られるトナーの耐オフセット性、耐フィルミ
ング性、低温定着性が更に良好となる。
なお前記共重合体のガラス転移点は、無定形重合体ブ
ロックのガラス転移点と相関関係があり、結晶性重合体
ブロックと無定形重合体ブロックが互いに非相溶性の場
合には、共重合体のガラス転移点は無定形重合体ブロッ
クのそれとほぼ等しくなるが、具体的には50〜85℃であ
ることが好ましい。
本発明においては、バインダー中に以上のような特定
の共重合体が少なくとも10重量%以上、好ましくは30〜
100重量%の範囲で含有されることが必要である。併用
される他の樹脂としては、例えばスチレン−アクリル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、そ
の他を挙げることができる。このうち特にポリエステル
樹脂が好ましい。
本発明トナーは、その動的弾性率G′が70〜140℃の
温度域において2.0×103〜1.0×105dyn/cm2の範囲内に
あること、並びにその動的粘性率η′が70〜140℃の温
度域において1×106ポイズ以下であることが好まし
い。
本発明における結晶性重合体ブロックの融点、無定形
重合体ブロックのガラス転移点、本発明のトナーの動的
弾性率G′および動的粘性率η′は次のようにして測定
することができる。
結晶性重合体ブロックの融点の測定 示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば「DSC-2
0」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、測定
条件は、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加
熱したときの融解ピーク値を融点とする。
無定形重合体ブロックのガラス転移点の測定 示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば「DSC-2
0」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、具体
的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加
熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガ
ラス転移点を得る。
トナーの動的弾性率G′およびの動的粘性率η′の測定 例えば、「島津レオメータRM-1」(島津製作所製)に
より測定でき、具体的には、試料をある一定の温度で溶
融し、この溶融状態の試料に正弦波振動を加え、ねじれ
の振幅比と位相差から動的弾性率G′および動的粘性率
η′を得る。
共重合体の軟化点の測定 共重合体の軟化点は、高架式フローテスター(島津製
作所製)を用いて、測定条件を、荷重20kg/cm2、ノズル
の直径1mm、ノズルの長さ1mm、予備加熱50℃で10分間、
昇温速度6℃/minとし、サンプル量1cm3(真性比重×
1cm3で表される重量)を測定記録したとき、フローテ
スターのプランジャー降下量−温度曲線(軟化流動曲
線)におけるS字曲線の高さをhとしたとき、h/2にお
ける温度として測定する。
重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnの測定 重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnの値は種々の
方法により求めることができ、測定方法の相異によって
若干の差異があるが、本発明においては下記の測定法に
よって求めたものである。
すなわち、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラ
フィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量M
wおよび数平均分子量Mnを測定する。温度40℃におい
て、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で
流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を
試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測
定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分
散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分
子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含され
る測定条件を選択する。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行った
NBS706ポリスチレン標準試料が、 重量平均分子量Mw=28.8×104 数平均分子量Mn=13.7×104 となることにより確認することができる。
また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足
するものであるならばいかなるカラムを採用してもよ
い。具体的には、例えばTSK-GEL、GMH(東洋曹達社製)
等を用いることができる。
なお、溶媒および測定温度は記載した条件に限定され
るものではなく適当な条件に変更してもよい。
前記結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロックを
化学的に連結してなる共重合体を得るためには、例えば
各重合体に存在する末端官能基間のカップリング反応に
より頭−尾様式で互いに直接に結合させることができ
る。あるいは、各重合体の末端官能基と二官能性カップ
リング剤によって結合することができ、例えば、末端基
がヒドロキシルである重合体とジイソシアネートとの反
応により形成されるウレタン結合または末端基がヒドロ
キシルである重合体とジカルボン酸との反応または末端
基がカルボキシである重合体とグリコールとの反応によ
り形成されるエステル結合または末端基がヒドロキシで
ある重合体とホスゲン、ジクロルジメチルシランとの反
応により形成される他の結合によっ0結合することがで
きる。
前記カップリング剤の具体例としては、例えばヘキサ
メチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソ
シアネート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの
二官能性イソシアネート;例えばエチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、フェニレンジアミンなどの二官
能性アミン;例えばシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの二官能
性カルボン酸;例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタノール、p−キシ
リレングリコールなどの二官能性アルコール;例えばテ
レフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、アジピン
酸クロリド、セバシン酸クロリドなどの二官能性酸塩化
物;例えばジイソチオシアナート、ビスケテン、ビスカ
ルボジイミドなどの他の二官能性カップリング剤等を挙
げることができる。
カップリング剤は、前記結晶性重合体と無定形重合体
との総重量に対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重
量%の割合で使用すればよい。10重量%を超えると、得
られる共重合体が高分子量化しすぎるためにその軟化点
が高くなり、これによるトナーは低温定着性の劣ったも
のとなり、1重量%未満の場合は共重合体の分子量が小
さいためにトナーの耐オフセット性、耐フィルミング
性、耐久性が損なわれる傾向がある。
本発明においては、特に次のようにして共重合体を得
ることが好ましい。すなわち、結晶性重合体を通常の方
法で合成する一方、無定形重合体を形成するための重合
性組成物を反応させてある程度重合させ、これに前記の
結晶性重合体を添加して、無定形重合体および結晶性重
合体の未反応の基を反応させて共重合体を合成する。こ
のような方法によれば、反応の進行を適宜の方法で追跡
することによって、所要の特性の共重合体を製造するこ
とができる。
本発明静電像現像用トナーは、以上のような特定の共
重合体よりなるバインダー中に着色剤を含有して成るも
のであるが、さらに必要に応じて樹脂中に磁性体、特性
改良剤を含有してもよい。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニ
グロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.
I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blu
e3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリ
ンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.
I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メ
チレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシア
ニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオク
サレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.7
7266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混
合物などを用いることができる。着色剤の使用量は、ト
ナー100重量部に対して通常0.1〜20重量部であり、特に
0.5〜10重量部が好ましい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始
めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属若しくは合金またはこれらの元素を含む化合物、ある
いは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことに
よって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−
銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと
銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、また
は二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば
黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であ
り着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に
好ましく用いることができる。またカラートナーを得る
場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないもの
が好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤とし
ての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤と
して兼用してもよい。これらの磁性体は、例えば平均粒
径が0.1〜1μmの微粉末の形で樹脂中に均一に分散さ
れる。そしてその含有量は、磁性トナーとする場合には
トナー100重量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70
重量部である。
前記特性改良剤としては、定着性向上剤、荷電制御
剤、その他がある。
定着性向上剤としては、例えばポリオレフィン、脂肪
酸金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステル系ワッ
クス、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級ア
ルコール、流動または固形のパラフィンワックス、ポリ
アミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコン
ワニス、脂肪族フロロカーボンなどを用いることができ
る。特に軟化点(環球法JIS K2531)が60〜150℃のワッ
クスが好ましい。
荷電制御剤としては、従来から知られているものを用
いることができ、例えば、ニグロシン系染料、含金属染
料等が挙げられる。
更に本発明のトナーは、流動性向上剤等の無機微粒子
を混合して用いることが好ましい。
本発明において用いられる前無機微粒子としては、一
次粒子径が5mμ〜2μmであり、好ましくは5mμ〜500
μmである粒子である。またBET法による比表面積は20
〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される
割合は0.01〜5重量%であり、好ましくは0.01〜2.0重
量%である。このような無機微粉末としては例えば、シ
リカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウ
ム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲
母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウ
ム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、
シリカ微粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ微粉末はSi-O-Si結合を有する微粉
末であり、乾式法および湿式法で製造されたもののいず
れも含まれる。また、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ
酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれでもよいが、Si
O2を85重量%以上含むものが好ましい。
これらシリカ微粉末の具体例としては種々の市販のシ
リカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好まし
く、例えばAEROSIL R-972、R-974、R-805、R-812(以上
アエロジル社製)、タラックス500(タルコ社製)等を
挙げることができる。その他シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを
有するシリコンオイル等で処理されたシリカ微粉末など
が使用可能である。
本発明のトナーの好適な製造方法の一例を挙げると、
まずバインダーの材料樹脂もしくはこれに必要に応じて
着色剤等のトナー成分を添加したものを、例えばエクス
トルーダーにより熔融混練し、冷却後ジェットミル等に
より微粉砕し、これを分級して、望ましい粒径のトナー
を得ることができる。あるいはエクストルーダーにより
熔融混練したものを熔融状態のままスプレードライヤー
等により噴霧もしくは液体中に分散させることにより望
ましい粒径のトナーを得ることができる。
本発明の画像形成方法としては、上記のような特定の
トナーを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電
子写真複写機により静電像の形成および現像を行い、得
られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラ
の温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定
着して複写画像を形成する。
本発明画像形成方法は、転写紙上のトナーと加熱ロー
ラとの接触時間が1秒間以内、特に0.5秒間以内である
ような高速定着を行う際に特に好ましく用いられる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について詳細に説明するがこれら
の実施例に本発明が限定されるものではない。
実施例1 合成例1(結晶性重合体の合成) セバシン酸1500gとヘキサメチレングリコール964gと
を、温度計、ステンレススチール製攪拌器、ガラス製窒
素導入管および流下式コンデンサーを備えた容量5lの丸
底フラスコに入れ、次いでこのフラスコをマントルヒー
ター中に置き、ガラス製窒素導入管より窒素ガスを導入
して反応器内を不活性雰囲気に保った状態で昇温させ
た。そして13.2gのp−トルエンスルホン酸を加えて温
度150℃で反応させた。水が250ml留出した時に反応を停
止させ、反応系を室温に冷却して結晶性ポリエステルで
あるポリヘキサメチレンセバケートを得た。この結晶性
ポリエステルの融点(示差走査熱量計「DSC-20」(セイ
コー電子工業社製)で測定した値。以下において同じ)
は、64℃であった。
合成例2(共重合体の合成) イソフタル酸498gと、トリメリット酸420gと、プロピ
レングリコール456gとを、合成例1において用いたもの
と同様の反応装置に入れ、更にジブチル錫オキサイド1.
2gを加えて温度220℃で反応させて、無定形ポリエステ
ルを生成させた。そしてこの重合反応の進行を反応生成
物の環球式軟化点測定法によって追跡し、軟化点が110
℃に達した時に反応生成物をサンプリングしてそのガラ
ス転移点を示差熱量計で測定したところ、60℃であっ
た。
この反応系に、合成例1で得られたポリヘキサメチレ
ンセバケート568gを加え、均一に混合した後更に反応さ
せ、生成物の軟化点が100℃に達した時に反応を終了さ
せ、反応系を室温に冷却して白色の共重合体樹脂を得
た。この共重合体樹脂は粉末化され易い固体であった。
トナーの製造 合成例2によって得られた共重合体樹脂100重量部
と、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社
製)10重量部と、ポリプロピレン「ビスコール660P」
(三洋化成工業社製)3重量部とを混合し、加熱ロール
により混練し、冷却した後粉砕し、得られた着色微粒子
100重量部に対して疎水性シリカ微粉末「アエロジルR-9
72」(アエロジル社製)0.8重量部をV型混合器で混合
することにより、本発明のトナーを製造した。これをト
ナー1とする。
このトナー1における組成および特性は次のとおりで
ある。
〔結晶性ブロック〕
ポリヘキサメチレンセバケート 軟化点64℃、S.P.値10.2 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:イソフタル酸(60モル%) トリメリット酸(40モル%) アルコール成分:プロピレングリコール ガラス転移点60℃、S.P.値13.0 〔共重合体〕 結晶性ポリエステルと無定形ポリエステルとの割合
(C/A):30/70 実施例2〜7 結晶性ポリエステルおよび無定形ポリエステルを下記
によるものとしたほかは実施例1に準ずる方法に従っ
て、合計6種の本発明トナーを製造した。これをトナー
2〜トナー7とする。
トナー2 〔結晶性ブロック〕 トナー1と同様のポリヘキサメチレンセバケート 軟
化点64℃、S.P.値10.2 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:イソフタル酸(90モル%) トリメリット酸(10モル%) アルコール成分:プロピレングリコール ガラス転移点58℃、S.P.値13.1 〔共重合体〕 C/A:30/70 トナー3 〔結晶性ブロック〕 トナー1と同様のポリヘキサメチレンセバケート 軟
化点64℃、S.P.値10.2 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:イソフタル酸(20モル%) トリメリット酸(80モル%) アルコール成分:プロピレングリコール ガラス転移点60℃、S.P.値13.2 〔共重合体〕 C/A:30/70 トナー4 〔結晶性ブロック〕 トナー1と同様にして得たポリデカメチレンサクシネ
ート 軟化点71.5℃、S.P.値9.7 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:テレフタル酸(40モル%) トリメリット酸(60モル%) アルコール成分:ポリオキシプロピレン−(2,2)−
ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン ガラス転移点65℃、S.P.値15.7 〔共重合体〕 C/A:10/90 トナー5 〔結晶性ブロック〕 トナー4と同様のポリデカメチレンサクシネート 軟
化点71.5℃、S.P.値9.7 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:テレフタル酸(40モル%) トリメリット酸(60モル%) アルコール成分:ポリオキシプロピレン−(2,2)−
ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン ガラス転移点65℃、S.P.値15.7 〔共重合体〕 C/A:50/50 トナー6 〔結晶性ブロック〕 トナー1と同様にして得たポリデカメチレンアジペー
ト 軟化点71.5℃、S.P.値9.7 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:フマル酸(60モル%) トリメリット酸(40モル%) アルコール成分:ポリオキシプロピレン−(2,2)−
ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン ガラス転移点63℃、S.P.値12.9 〔共重合体〕 C/A:20/80 トナー7 〔結晶性ブロック〕 トナー1と同様にして得たポリエチレンセバケート
軟化点72.0℃、S.P.値10.7 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:フマル酸(60モル%) トリメリット酸(40モル%) アルコール成分:ポリオキシプロピレン−(2,2)−
ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン ガラス転移点63℃、S.P.値12.9 〔共重合体〕 C/A:40/60 実施例8 実施例1と同様にして得た共重合体樹脂100重量部
と、磁性体「BL-500」(チタン工業社製)60重量部と、
ポリプロピレン「ビスコール660P」(三洋化成工業社
製)3重量部と、荷電制御剤「ニグロシンSO」(オリエ
ント化学社製)1.5重量部とを用いたほかは実施例1と
同様にして一成分磁性トナーを製造した。これをトナー
8とする。
このトナー8における組成および特性は次のとおりで
ある。
〔結晶性ブロック〕
ポリヘキサメチレンセバケート 軟化点64℃、S.P.値10.2 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:イソフタル酸 アルコール成分: プロピレングリコール(60モル%) ペンタエリスリトール(40モル%) ガラス転移点56℃、S.P.値11.9 〔共重合体〕 C/A:30/70 比較例1 トナー1と同様のポリヘキサメチレンセバケート300g
と、合成例1と同様にして得たポリプロピレンイソフタ
レート700gとを、合成例1において用いたものと同様の
反応装置に入れて温度200℃に加熱し、ヘキサメチレン
ジイソシアナート40gを滴下して30分間反応させた後、
室温に冷却して、共重合体を製造した。この共重合体は
その無定形ポリエステルが架橋型ではないものである。
この共重合体樹脂を用いたほかは実施例1と同様にし
てトナーを製造した。これを比較トナー1とする。
この比較トナー1における組成および特性は次のとお
りである。
〔結晶性ブロック〕
ポリヘキサメチレンセバケート 軟化点64℃、S.P.値10.2 〔無定形ブロック〕 酸 成 分:イソフタル酸 アルコール成分:プロピレングリコール ガラス転移点54.5℃、S.P.値11.2 〔共重合体〕 C/A:30/70 比較例2 結晶性ポリエステルを用いないほかは実施例4と同様
にしてトナーを製造した。これを比較トナー2とする。
比較例3 共重合体における結晶性ポリエステルと無定形ポリエ
ステルとの割合(C/A)を70/30としたほかは実施例1と
同様にしてトナーを製造した。これを比較トナー3とす
る。
以上のトナー1〜トナー8並びに比較トナー1〜比較
トナー3の各々について、下記のテストを行った。すな
わち、各トナーの3重量部と、平均粒径100μmのスチ
レン−メチルメタクリレート共重合体樹脂を被覆したキ
ャリア97重量部とを混合して現像剤を調製した。この現
像剤を用いて電子写真複写機「U-Bix 1600」(小西六写
真工業社製)により静電像の形成および現像を行ない、
得られたトナー像を転写紙上に転写したうえ加熱ローラ
定着器により定着して複写画像を形成する実写テストを
行ない、下記の方法により最低定着温度(定着可能な加
熱ローラの最低温度)、オフセット発生温度(オフセッ
ト現象が生ずる最低温度)を測定し、併せて定着可能範
囲を求めた。
最低定着温度: 上記複写機にて未定着画像を作成した後、表層がテフ
ロン(デュポン社製ポリテトラフルオロエチレン)で形
成された直径30mmの熱ローラと、表層がシリコーンゴム
「KE-1300RTV」(信越化学工業社製)で形成された圧着
ローラとよりなる定着器により、64g/m2の転写紙に転写
せしめた試料トナーによるトナー像を線速度70mm/秒、
線圧0.8kg/cm、ニップ幅4.9mmで定着せしめる操作を、
熱ローラの設定温度を80〜240℃の範囲内で5℃づつ段
階的に高くして各温度において繰り返し、形成された定
着画像に対してキムワイプ摺擦を施し、十分な耐摺擦性
を示す定着画像に係る最低の設定温度をもって最低定着
温度とした。なおここに用いた定着器はシリコーンオイ
ル供給機構を有さぬものである。
オフセット発生温度: オフセット発生温度の測定は、最低定着温度の測定に
準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、ト
ナー像を転写して上述の定着器により定着処理を行い、
次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送ってこ
れにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、
前記定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態
で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度
をもってオフセット発生温度とした。
定着可能範囲: オフセット発生温度と最低定着温度との差を定着可能
範囲とした。
結果を第1表に示した。
更に上記トナーの各々について、耐ブロッキング性、
粉砕効率、フィルミング性、クリーニング性および帯電
量(Q/M)並びに当該トナーを用いて調製された現像剤
の流動性を次のようにして測定した。
耐ブロッキング性: 耐ブロッキング性テストは、温度45℃、相対湿度43%
の環境条件下に2時間放置して凝集塊が生ずるか否かに
よって調べた。
粉砕効率: 圧力5.4kg/cm2の条件で超音速ジェットミルにより微
粉砕した時のフィード量により判断した。
フィルミング性: フィルミング性は、キャリアや感光体表面を観察し、
付着物の有無により判定した。
クリーニング性: クリーニング性は、クリーニング部材により感光体の
表面をクリーニングした後の感光体表面を観察し、付着
物の有無により判定した。
現像剤の流動性: 現像剤の流動性は、現像器内の現像剤を目視にて判定
し、実用レベルにあるものを良好とした。
帯電量(Q/M): 帯電量は公知のブローオフ法により測定したトナー1g
当りの摩擦帯電電荷量の値である。
結果は、第1表に併せて示した。
更に上記トナーの各々を用いて得られた画像につい
て、カブリ、最高画像濃度(Dmax)、鮮鋭性を次のよう
にして測定評価した。
カブリ: 原稿濃度0.0の白地部分の現像画像に対する相対濃度
によって示した。すなわち白地反射濃度を0.0とし、下
記に従って評価した。
○ 0.01未満 △ 0.01〜0.03未満 × 0.03以上 最高画像濃度(Dmax): 原画の画像濃度を1.3としたときの現像画像の相対濃
度によって示した。測定はサクラデンシトメーター(小
西六写真工業社製)により行った。
鮮鋭性: 原稿の線画チャートをオリジナルとして、その再現性
を拡大し視覚的に判定した。
得られた結果は併せて第1表に示した。
更に上記トナーの各々を用いて耐久試験を行った。す
なわち、3万回の現像プロセスを繰り返した後に、トナ
ーの帯電量(Q/M)、帯電量の変化量(ΔQ/M)、現像剤
の流動性、フィルミング性およびクリーニング性並びに
得られた画像のカブリ、最高画像濃度(Dmax)、鮮鋭性
を前記と同様にして測定評価した。結果は第2表に示し
たとおりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 喜夫 東京都八王子市石川町2970番地 小西六写 真工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−87032(JP,A) 特開 昭59−90866(JP,A) 特開 昭59−93455(JP,A) 特開 昭59−29257(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三官能以上の多官能単量体成分を1〜50モ
    ル%含む、ガラス転移点が50〜100℃の芳香族ポリエス
    テルよりなる無定形重合体ブロックの40〜99重量%と、
    ポリエステルよりなる結晶性重合体ブロックの1〜60重
    量%とを分子中に含有するブロック共重合体またはグラ
    フト共重合体をバインダー樹脂として用いたことを特徴
    とする静電像現像用トナー。
  2. 【請求項2】三官能以上の多官能単量体成分を1〜50モ
    ル%含む、ガラス転移点が50〜100℃の芳香族ポリエス
    テルよりなる無定形重合体ブロックの40〜99重量%と、
    ポリエステルよりなる結晶性重合体ブロックの1〜60重
    量%とを分子中に含有するブロック共重合体またはグラ
    フト共重合体をバインダー樹脂として用いた静電像現像
    用トナーにより、感光体上に形成された静電像を現像
    し、形成されたトナー像を転写体上に転写し、熱ローラ
    定着を行って定着画像を形成することを特徴とする画像
    形成方法。
JP61141283A 1986-06-19 1986-06-19 静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法 Expired - Lifetime JPH083660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61141283A JPH083660B2 (ja) 1986-06-19 1986-06-19 静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61141283A JPH083660B2 (ja) 1986-06-19 1986-06-19 静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62299859A JPS62299859A (ja) 1987-12-26
JPH083660B2 true JPH083660B2 (ja) 1996-01-17

Family

ID=15288288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61141283A Expired - Lifetime JPH083660B2 (ja) 1986-06-19 1986-06-19 静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH083660B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5156937A (en) * 1991-06-10 1992-10-20 Eastman Kodak Company Reduced viscosity polyester composition for toner powders
JP3310253B2 (ja) * 2000-02-10 2002-08-05 花王株式会社 電子写真用トナー
JP4218303B2 (ja) * 2002-10-18 2009-02-04 セイコーエプソン株式会社 画像形成方法および画像形成装置
JP5954218B2 (ja) * 2013-02-25 2016-07-20 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6273726B2 (ja) * 2013-09-06 2018-02-07 株式会社リコー トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP6485155B2 (ja) * 2015-03-25 2019-03-20 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JP6481493B2 (ja) * 2015-05-01 2019-03-13 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1054421A (en) * 1973-07-18 1979-05-15 Thomas A. Jadwin Electrographic developing composition and process
DE2440348A1 (de) * 1973-11-23 1975-05-28 Xerox Corp Elektrostatographische tonermischungen
JPS5929257A (ja) * 1982-08-12 1984-02-16 Canon Inc 熱定着性乾式トナ−
JPS5993455A (ja) * 1982-11-19 1984-05-29 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 静電荷像現像用トナ−

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62299859A (ja) 1987-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0220319B1 (en) Toner for electrostatic image developement and process for forming an image by using it
US4931375A (en) Powdered electrostatic image developing toner
US4795689A (en) Electrostatic image developing toner for use in heat-roller fixing
JPH01238672A (ja) 静電荷像現像トナー
US5116713A (en) Toner for developing latent electrostatic image
JPS6327855A (ja) 静電像現像用トナ−
JPS6338955A (ja) 熱ロ−ラ定着用静電像現像用トナ−
JPH083660B2 (ja) 静電像現像用トナ−およびそれを用いる画像形成方法
JPS63128362A (ja) 熱ロ−ラ定着用カプセルトナ−
JPS63128359A (ja) 熱ロ−ラ定着用カプセルトナ−
JP2708438B2 (ja) 電子写真現像用トナー
JPS6338951A (ja) 熱ロ−ラ定着用静電像現像用トナ−
JP3006054B2 (ja) フルカラー用乾式カラートナー
JPH0697348B2 (ja) トナ−
JPH02308261A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造法および静電像現像用トナー
JPS63128358A (ja) 熱ロ−ラ定着用カプセルトナ−
JPS62276565A (ja) 熱ローラ定着用静電像現像用トナー
JPH01289971A (ja) 静電像現像トナー
JP2702116B2 (ja) 静電像現像用トナー及びそれを用いる画像形成方法
JPH01289972A (ja) 静電像現像トナー
JPS62289851A (ja) 静電像現像用トナ−
JPH0511495A (ja) 静電像現像剤
JPS62289850A (ja) 静電像現像用トナ−
JPS6338956A (ja) 熱ロ−ラ定着用静電像現像用トナ−
JPS6338952A (ja) 熱ロ−ラ定着用静電像現像用トナ−

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term