JP2702116B2 - 静電像現像用トナー及びそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

静電像現像用トナー及びそれを用いる画像形成方法

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JP2702116B2
JP2702116B2 JP61501663A JP50166386A JP2702116B2 JP 2702116 B2 JP2702116 B2 JP 2702116B2 JP 61501663 A JP61501663 A JP 61501663A JP 50166386 A JP50166386 A JP 50166386A JP 2702116 B2 JP2702116 B2 JP 2702116B2
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copolymer
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昭年 松原
覚 池内
国夫 秋本
喜夫 滝沢
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Konica Minolta Inc
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【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法など
において形成される静電潜像の現像に用いられる静電像
現像用トナー及びそれを用いる画像形成方法に関するも
のである。 [背景技術] 例えば電子写真法においては、通常、光導電性感光体
よりなる静電像担持体に帯電、露光により静電潜像を形
成し、次いでこの静電潜像を、樹脂よりなるバインダー
中に着色剤などを含有せしめて微粒子状に形成してなる
トナーによって現像し、得られたトナー像を転写紙など
の支持体に転写し定着して可視画像を形成する。 このように可視画像を得るためにはトナー像を定着す
ることが必要であり、従来においては熱効率が高くて高
速定着が可能な熱ローラ定着方式が広く採用されてい
る。 しかるに最近においては、(イ)複写機の過熱劣化を
抑制すること、(ロ)感光体の熱劣化を防止すること、
(ハ)定着器を作動せしめてから熱ローラが定着可能な
温度にまで上昇するのに要するウオームアップタイムを
短くすること、(ニ)転写紙へ熱が吸収されることによ
る熱ローラの温度低下を小さくして多数回に亘る連続コ
ピーを可能にすること、(ホ)熱的な安全性を高くする
こと、などの要請から、定着用ヒーターの消費電力を低
減させて熱ローラの温度をより低くした状態で定着処理
を可能にすることが強く要求されている。従ってトナー
においても低温で良好に定着し得るものであることが必
要とされる。 しかもトナーにおいては、使用もしくは貯蔵環境条件
下において凝集せずに粉体として安定に存在し得るこ
と、即ち耐ブロッキング性に優れていることが必要であ
り、更に定着法として好ましい熱ローラ定着方法におい
ては、オフセット現象即ち定着時に像を構成するトナー
の一部が熱ローラの表面に転移し、これが次に送られて
来る転写紙に再転移して画像を汚すという現象が発生し
易いのでトナーにオフセット現象の発生を防止する性能
即ち耐オフセット性を付与せしめることが必要とされ
る。 このようなことから、従来においては、例えば特開昭
50-87032号に開示されているように、トナーを構成する
バインダー樹脂として、融点が45〜150℃の少なくとも
1つの結晶性重合体部分を、ガラス転移点が0℃以下の
非晶質重合体部分に化学的に締結してなる重合体を用い
る技術、或いは特開昭59-3446号に開示されているよう
に、トナーを構成するバインダー樹脂として、融点か50
〜70℃の結晶質ブロック及びガラス転移点が前記結晶質
ブロックの融点より少なくとも10℃高い非晶質ブロック
を分子中に含有し、前記結晶質ブロックの含有量が70〜
95重量%である熱可塑性重合体を用いる技術が提案され
ている。 また、特開昭57-8549号にはエチレン、プロピレン及
び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種の単量体から
成る結晶性幹重合体部分と不飽和ポリエステル幹重合体
部分とビニル系枝重合体部分とから成るグラフト共重合
体を含有するトナーが開示されている。 しかしながら、前記特開昭50-87032号に開示された技
術においては、常温において、軟質な結晶性重合体部分
とガラス転移点が0℃以下であることにより粘着性かつ
軟質である非晶質重合体部分が化学的に結合された共重
合体から構成されたトナーであるため、常温でも、現像
器等においてブロッキング現象を起こすという欠点があ
る。また摩擦帯電性および流動性が悪いことにより現像
性が悪く、カブリの多い不鮮明な画像となる。また、多
数回の複写により、軟質なトナーはキャリア粒子や感光
体表面へ付着するというフィルミング現象を発生し、更
に、クリーニングブレード等のクリーニング部材へ融着
することとなり、カブリが多く、濃度の低い不鮮明な画
像となってしまう。また軟質であることにより常温での
粉砕に際し、粉砕機中で塊状化しやすく、粉砕が困難で
あったりして、所望の粒径のトナーが得られず、生産効
率の悪い、コストの高いものになってしまうという欠点
を有する。更に粘着性が高いために多量のオイルを塗布
しない熱ローラ定着器では、オフセット現象が発生しや
すいものである。 また、特開昭59-3446号に開示された技術においては
非晶質ブロックとしてガラス転移点が100℃以上と高い
ものを使用しているために低温での溶融性を満たす方法
として、結晶質ブロックを70〜95重量%と多量に使用し
なければならず、このために常温にて塑性変形性を有す
る軟質な結晶質ブロックの性質がトナーに反映されると
となる。即ち、軟質であるために摩擦帯電性および流動
性が悪いことにより現像性が悪く、カブリの多い不鮮明
な画像となる。また、多数回にわたる複写によりトナー
はキャリア粒子や感光体表面へ付着するというフィルミ
ング現象を発生し、且つ摩擦帯電性が不要になり、更に
クリーニングブレード等のクリーニング部材へ融着する
こととなり、カブリが多く濃度の低い不鮮明な画像とな
ってしまう。更にオイルを多量に塗布しない熱ローラ定
着器のような短時間での加熱による定着方法においては
上記非晶性ブロックのガラス転移点が100℃と高いため
に定着可能温度が高くなるとともに、結晶質ブロックが
70〜95重量%と多いために、オフセット現象を発生しや
すい。 さらにまた、特開昭57-8549に開示されたトナーは流
動性が悪く、トナーがキャリアに均一に分散された現像
剤とならず摩擦帯電性が十分に得られず現像性を悪くし
てしまい画像ヌケ等が発生し不鮮明な画像となってしま
う。更に多数回に亘る複写においてはトナーの流動性が
悪いために、トナーが補給されても、現像剤中へ均一に
トナーが分散されず、不鮮明な画像となってしまう。 従来においては、前記したように、これらすべての欠
点を解消したトナーが実用化されていないのが実情であ
った。 [発明の開示] 本発明は以上の如き事情に基いてなされたものであっ
てその第一の目的は、定着温度が低く、耐オフセット性
が良好で定着可能温度範囲の広い静電像現像用トナーを
提供することである。 本発明の第二の目的は、オイルを塗布しない熱ローラ
定着方式においてもオフセット現象を発生しないトナー
を提供することである。 本発明の第三の目的は、耐ブロッキング性の良好なト
ナーを提供することである。 本発明の第四の目的は、流動性、摩擦帯電の安定性、
現像性が良好でカブリのない鮮明な画像の得られるトナ
ーを提供することである。 本発明の第五の目的はキャリア粒子や感光体表面ある
いはクリーニング部材へのフィルミングを発生せずクリ
ーニング性の良好なカブリのない鮮明な画像の得られる
トナーを提供することである。 本発明の第六の目的は、着色剤の分散性が良好で画像
濃度の高い画像の得られるトナーを提供することであ
る。 本発明の第七の目的は多数回の使用においても耐フィ
ルミング性、クリーニング性、現像剤へのトナーの均一
分散性、現像性が良好で、もってカブリのない画像濃度
の高い鮮明な画像の得られる耐久性に優れたトナーを提
供することである。 本発明の第八の目的は上記静電像現像用トナーを用い
る画像形成方法を提供することである。 本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、少なくとも樹脂
と着色剤により構成される静電像現像用トナーにおい
て、前記樹脂が、結晶性重合体ブロックと無定形重合体
ブロックとが化学的に結合してなる共重合体を主構成成
分とし、前記結晶性重合体ブロックは、結晶性ポリアル
キレンポリエステルであり、その融点が50〜120℃、数
平均分子量が1,000〜20,000、重量平均分子量が2,000〜
100,000、前記共重合体中に含有される割合が、共重合
体100重量部中5〜50重量部であり;前記無定形重合体
ブロックは、無定形芳香族ポリエステルであり、そのガ
ラス転移点が50〜100℃、数平均分子量が1,000〜50,00
0、重量平均分子量が5,000〜150,000であり;前記共重
合体の数平均分子量が1,000〜30,000、重量平均分子量
が5,000〜300,000であり;70〜140℃の少なくとも1点に
おいて、前記トナーの動的弾性率は2×103〜1×105dy
n/cm2であり、動的粘性率は1.6×104〜1×106ポイズで
あることを特徴とする静電像現像用トナーにより前記目
的が達成されることを見出し、発明を完成した。 本発明の静電像現像用トナーにおいては (1) 結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロック
とが化学的に結合してなる共重合体を用い、 (2) 結晶性重合体ブロックが特定の融点を有し、且
つ、無定形重合体ブロックが特定のガラス転移点を有
し、 (3) トナーの弾性率が特定の範囲の値を有するとい
う三つの条件がすべて満たされてはじめて本発明の目的
が達成されるものである。 なお、ここで「結晶性重合体ブロック」とは融点を有
する重合体部分のことであり「無定形重合体ブロック」
とは融点を有さない、非晶性の重合体部分のことを意味
するものである。 また、「結晶性重合体ブロックの融点」又は「無定形
重合体ブロックのガラス転移点」とは結晶性重合体ブロ
ック又は無定形重合体ブロックのそれぞれがカップリン
グされていない状態での融点又はガラス転移点を意味す
るものである。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明のトナーを構成する樹脂は(1)結晶性重合体
ブロックと無定形重合体ブロックとが化学的に結合して
なる共重合体を主構成成分とするものであり、(2)前
記結晶性重合体ブロックの融点Tmは50〜120℃、好まし
くは50〜100℃であり、且つ前記無定形重合体ブロック
のガラス転移点Tgは50〜100℃、好ましくは50〜85℃で
あり、(3)前記共重合体を含有するトナーの70〜140
℃での動的弾性率G′の少くとも一点が2×103dyn/cm2
以上、1×105dyn/cm2以下の値をとるものである。 上記3条件を満たさないものは耐ブロッキング性、耐
オフセット性、流動性、低温定着性が悪くなり定着可能
範囲もせばまることになる。 更に詳述すると、前記結晶性重合体ブロックの融点が
50℃未満の場合は得られるトナーの耐ブロッキング性が
不良となり、また融点が120℃を超える場合は低温にお
ける溶融流動性が低下し定着性が悪くなる。前記無定形
重合体ブロックのガラス転移点が50℃未満の場合は得ら
れるトナーの流動性、耐オフセット性、粉砕性、耐ブロ
ッキング性、耐フィルミング性、耐久性が不良となり、
100℃を超える場合はその低温定着性が悪くなる。 また、前記結晶性重合体ブロックの分子量は数平均分
子量が1,000〜20,000、重量平均分子量が2,000〜100,00
0のものが好ましい。分子量がこの範囲にあると耐オフ
セット性及びトナーの粉砕効率が更によくなる。前記無
定形重合体ブロックの分子量は数平均分子量が、1,000
〜50,000、重量平均分子量が5,000〜150,000であること
が好ましい。分子量がこの範囲にある場合は、トナーの
耐ブロッキング性、粉砕効率、低温定着性が更に良好と
なる。 前記結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロックは
互いに相溶性であっても非相溶性であってもよいが、ト
ナーの粉砕性、耐ブロッキング性等の観点から非相溶性
であることが好ましい。ここに「非相溶性」とは、両者
の化学構造が同一または類似しあるいは官能基の作用に
より両者が十分に分散する性質のないことをいい、溶解
性パラメーター、例えば、フェドースの方法によるS.P.
値(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,(2)147(197
4))の差が0.5より大きいものである。 本発明に用いる共重合体は、上述の如き異なる物性を
有するブロック部分を有する共重合体であり、少なくと
も1つの結晶性重合体ブロックと少なくとも1つの無定
形重合体ブロックとが化学的に連結されてなるものであ
る。斯かる共重合体は、ブロック共重合体或いは主鎖以
外に側鎖にグラフト化されたブロック部分を有するグラ
フト共重合体であってもよいし、また直鎖状であっても
よいし、分岐を有していてもよく、このうち特にブロッ
ク共重合体が好ましい。 前記共重合体の分子量は、結晶性重合体ブロックと無
定形重合体ブロックの組成・比率その他の要因により異
るので一概にはいえないが、概ねその数平均分子量Mnが
1000以上、重量平均分子量Mwが5000以上であればよく、
とりわけMnが1,000〜30,000及びMwが5,000〜300,000で
あると耐オフセット性、耐久性、粉砕効率の観点から好
ましい。 前記共重合体の軟化点Tspは、用いるポリマーの種類
によっても異り、特に限定されるものではないが70〜15
0℃の範囲にあり更に好ましくは90〜140℃の範囲にあ
る。軟化点がこの範囲にあると得られるトナーの耐オフ
セット性、耐フィルミング性、低温定着性が更に良好と
なる。 また前記共重合体のガラス転移点は、無定形重合体ブ
ロックのガラス転移点と相関関係があり、結晶性重合体
ブロックと無定形重合体ブロックが互いに非相溶性の場
合には、共重合体のガラス転移点は無定形重合体ブロッ
クのそれとほぼ等しくなる。 本発明のトナーは以上のような特定の共重合体を樹脂
として含有するものであるが、前記共重合体を少くとも
50重量%含有するものである。 また得られたトナーの動的弾性率G′は前述したよう
に70〜140℃の温度域においてその少なくとも一点が2
×103dyn/cm2以上、1×105dyn/cm2以下の値をとるもの
であり、その動的粘性率η′は特に限定されるものでは
ないが、70〜140℃の温度域においてその少なくともそ
の一点が1.6×104〜1×106ポイズ、好ましくは1.6×10
4〜1×105ポイズであると定着可能領域の観点から好ま
しい。 前記共重合体を構成する結晶性重合体ブロックの比率
は共重合体に対して1〜60重量%であることが好まし
く、更に好ましくは5〜50重量%、最も好ましくは5〜
40重量%である。1重量%未満の場合は低温定着性に対
する効果が少なく、60重量%を越えるとトナーの流動
性、現像性、耐フィルミング性、耐オフセット性、耐久
性が損われる傾向がある。 本発明に用いることができる結晶性重合体ブロックと
しては、結晶性重合体ならばいずれのものでもよく、そ
の構造は特に限定されないがポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリビニルエステル、ポリエーテル等を挙げるこ
とができる。具体例を挙げると次の通りである。 ポリエステル類: ポリエチレンセバケート、ポリエチレンアジペート、
ポリエチレンスベレート、ポリエチレンサクシネート、
ポリエチレン−p−(カルボフェノキシ)ウンデカエー
ト、ポリヘキサメチレンオキザレート、ポリヘキサメチ
レンセバケート、ポリヘキサメチレンデカンジオエー
ト、ポリオクタメチレンドデカンジオエート、ポリノナ
メチレンアゼレート、ポリデカメチレンアジペート、ポ
リデカメチレンアゼレート、ポリデカメチレンオキザレ
ート、ポリデカメチレンセバケート、ポリデカメチレン
サクシネート、ポリデカメチレンドデカンジオエート、
ポリデカメチレンオクタデカンジオエート、ポリテトラ
メチレンセバケート、ポリトリメチレンドデカンジオエ
ート、ポリトリメチレンオクタデカンジオエート、ポリ
トリメチレンオキザレート、ポリヘキサメチレン−デカ
メチレン−セバケート、ポリオキシデカメチレン−2−
メチル−1,3−プロパン−ドデカンジオエート、その他 ポリオレフィン類: ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチルブテン、ポリ−
1−ヘキサデセン、ポリ−1−オクダデセン、ポリ−1
−ペンテン、ポリ−4−メチルペンテン、その他 ポリビニルエステル類: ポリアクリル酸アリルエステル、ポリアクリル酸イソ
ブチルエステル、ポリアクリル酸デシルエステル、ポリ
アクリル酸オクタデシルエステル、ポリアクリル酸ドデ
シルエステル、その他 ポリエーテル類: ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエ
ーテル、ポリイソプロピルビニルエーテル、ポリエチル
ビニルエーテル、ポリ−2−メトキシエチルビニルエー
テル、その他 以上のうち、特にポリエステル類が好ましく、ポリア
ルキレンポリエステル類が更に好ましい。これらポリエ
ステル類、とりわけポリアルキレンポリエステル類を用
いるとトナーの低温定着性に効果をあげ流動性を良好に
することができるのは次のような理由によるものと思わ
れる。すなわち、ポリエステル樹脂のような縮合系の樹
脂では低分子量のものを容易に得ることができ、更にス
チレン等のビニル系樹脂に比較して、溶融した際転写紙
等の支持体への“流れ”が良く、ほぼ等しい軟化点を持
つビニル系樹脂を含有するトナーに比較して、低い温度
で十分な定着を行うことができるためである。 本発明に用いられる無定形重合体ブロックとしては、
特定の結晶構造を有しない非晶性高分子であれば、特に
限定されないが、ビニル系重合体、ポリエステル系重合
体その他から選ぶことができる。その中ではポリエステ
ル系重合体が特に好ましく、更に好ましくは芳香族ポリ
エステル重合体である。芳香族ポリエステル重合体を用
いると摩擦帯電性が良好で、多数回使用においても安定
な帯電性を示し、かつ、硬質であることから、トナーの
流動性及び耐久性が良好で、もって鮮明な画像を得られ
る。これは結晶性重合体部分においてポリエステル類が
好ましく用いられるのと同様の理由である。斯かる芳香
族ポリエステルとしては、多価カルボン酸もしくは多価
アルコールの少なくとも1つが芳香族系単量体であれば
よい。このような無定形重合体のモノマーとして、用い
られるアルコールとしては、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサン、およびビスフェノール
A、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化
ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノ
ールA等のエーテル化ビスフェノールA類、その他の二
価のアルコール単量体を挙げることができる。 またカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマー
ル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタ
コン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
チン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキル
エステルとリノレン酸の二量体、その他の二価の有機酸
単量体を挙げることができる。 本発明において無定形重合体ブロックとして用いるポ
リエステル重合体としては、以上の二官能性の単量体の
みによる重合体のみでなく、三官能以上の多官能性単量
体による成分を含有する重合体も好適なものとして挙げ
ることができる。このような多官能性単量体である三価
以上の多価アルコール単量体としては、例えば、ソルビ
トール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリ
オール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、
2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−
ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼ
ン、その他を挙げることができる。 また三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例え
ば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼント
リカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン
酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−
2−メチルカルボキシプロペン、1,3,−ジカルボキシ−
2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシ(メタン)、1,2,7,8−オクタン
テトラカルボン酸、エンポール三量体酸、およびこれら
の酸無水物、その他を挙げることができる。 無定形重合体部分として用いられるものの具体例とし
ては例えば、次のものが挙げられる。 本発明における結晶性重合体ブロックの融点Tm、無定
形重合体ブロックのガラス転移点Tg、本発明のトナーの
動的弾性率G′及び動的粘性率η′は次のようにして測
定することができる。 結晶性重合体ブロックの融点Tmの測定 示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば「DSC-2
0」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、測定
条件は、試料10mgのものを一定の昇温速度(10℃/min)
で加熱したときの融解ピーク値を融点Tmとする。 無定形重合体ブロックのガラス転移点Tgの測定 示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば「DSC-2
0」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、具体
的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加
熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガ
ラス転移点Tgを得る。 トナーの動的弾性率G′及び動的粘性率η′の測定 例えば、「島津レオメータRM−1」(島津製作所社
製)により測定でき、具体的には、試料をある一定の温
度で溶融し、この溶融状態の試料に正弦波振動を加え、
ねじれの振幅比と位相差から動的弾性率G′及び動的粘
性率η′を得る。 共重合体の軟化点の測定 本発明における軟化点Tspは、高架式フローテスター
(島津製作所社製)を用いて、測定条件を、荷重20kg/c
m2、ノズルの直径1mm、ノズルの長さ1mm、予備加熱50℃
で10分間、昇温速度6℃/minとし、サンプル量1cm
3(真性比重×1cm3で表される重量)を測定記録したと
き、フローテスターのプランジャー降下量−温度曲線
(軟化流動曲線)におけるS字曲線の高さをhとしたと
き、h/2における温度として測定する。 重量平均分子量及び数平均分子量の測定 本発明における重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mn
の値は、種々の方法により求めることができ、測定方法
の相異によって若干の差異があるが、本発明において
は、下記の測定法によって求めたものである。 すなわち、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラ
フィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量M
w及び数平均分子量Mnを測定する。温度40℃において、
溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流
し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試
料重量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測定
にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散
ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子
量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される
測定条件を選択する。 なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行った
NBS706ポリスチレン標準試料が、 重量平均分子量Mw=28.8×104 数平均分子量Mn=13.7×104 となることにより確認することができる。 また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足
するものであるならばいかなるカラムを採用してもよ
い。具体的には、例えばTSK-GEL、GMH(東洋曹達社製)
等を用いることができる。 なお、溶媒及び測定温度は記載した条件に限定される
ものではなく適当な条件に変更してもよい。 前記結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロックを
化学的に連結して成る共重合体を得るには、例えば、各
重合体に存在する末端官能基間のカップリング反応によ
り頭−尾様式で互いに直接に結合させることが出来る。
あるいは、各重合体の末端官能基と二官能性カップリン
グ剤によって結合することが出来、例えば、末端基がヒ
ドロキシルである重合体とジイソシアネートとの反応に
より形成されるウレタン結合または末端基がヒドロキシ
ルである重合体とジカルボン酸との反応または末端基が
カルボキシである重合体とグリコールとの反応により形
成されるエステル結合または末端基がヒドロキシである
重合体とホスゲン、ジクロルジメチルシランとの反応に
より形成される他の結合によって結合することが出来
る。 前記カップリング剤の具体例としては、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート、トリジンジイ
ソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなど
の二官能性イソシアネート;例えばエチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミンなどの二
官能性アミン;例えばシュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの二
官能性カルボン酸;例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、p−
キシリレングリコールなどの二官能性アルコール;例え
ばテレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、アジ
ピン酸クロリド、セバシン酸クロリドなどの二官能性酸
塩化物;例えばジイソチオシアナート、ビスケテン、ビ
スカルボジイミドなどの他の二官能性カップリング剤等
を挙げることができる。 カップリング剤の使用量は、前記結晶性重合体と無定
形重合体との総重量に対して1〜10重量%、好ましくは
2〜7重量%の割合で使用すればよい。10重量%をこえ
ると高分子量化しすぎるために、軟化点が高くなり定着
性が損われ、1重量%未満の場合は分子量が小さいため
に、耐オフセット性、耐フィルミング性、耐久性が損わ
れる傾向がある。 本発明の共重体を得るためには、又は、次のような方
法によることも可能である。すなわち、まず結晶性重合
体を通常の方法で合成し、次に無定形重合体を形成する
に要するモノマーを添加して、結晶性重合体の末端から
無定形重合体を伸ばして前記共重合体を合成する。逆に
無定形重合体の末端から結晶性重合体を伸ばして前記共
重合体を合成することも可能である。 本発明静電像現像用トナーは、以上のような特定の共
重合体によりなる樹脂中に着色剤を含有して成るもので
あるが、更に必要に応じて樹脂中に磁性体、特性改良剤
を含有してもよい。着色剤としては、カーボンブラッ
ク、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブル
ー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azo
ec Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルト
ラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッ
ド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.4700
5)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フ
ラロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリ
ーンオキザレート(C.I.No.42000)、ランプブラック
(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、
これらの混合物、その他を挙げることができる。これら
着色剤は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割
合で含有されることが必要であり、通常樹脂100重量部
に対して1〜20重量部程度である。 前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始
めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属若しくは合金又はこれらの元素を含む化合物、或いは
強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによっ
て強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅と
を含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸
化クロム、その他を挙げることができる。これらの磁性
体は平均粒径0.1〜1ミクロンの微粉末の形で樹脂中に
均一に分散される。そしてその含有量は、トナー100重
量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重量部であ
る。 前記特性改良剤としては、定着性向上剤、荷電制御
剤、その他がある。 定着性向上剤としては、例えばポリオレフィン、脂肪
酸金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステル系ワッ
クス、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級ア
ルコール、流動または固形のパラフィンワックス、ポリ
アミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコン
ワニス、脂肪族フロロカーボンなどを用いることができ
る。特に軟化点(環球法JIS K2531)が60〜150℃のワッ
クスが好ましい。 荷重制御剤としては、従来から知られているものを用
いることができ、例えば、ニグロシン系染料、含金属染
料等が挙げられる。 更に本発明のトナーは、流動性向上剤等の無機微粒子
を混合して用いることが好ましい。 本発明において用いられる前記無機微粒子としては、
一次粒子径が5mμ〜2μであり好ましくは、5mμ〜500m
μである粒子である。またBET法による比表面積は20〜5
00m2/gであることが好ましい。トナーへ混合される割合
は0.01〜5wt%であり好ましくは0.01〜2.0wt%である。
このような無機微粉末としては例えば、シリカ微粉末、
アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マ
グネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチ
ウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケ
イソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸
化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅
素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ微粉末が特に
好ましい。 ここでいうシリカ微粉末はSi−O−Si結合を有する微
粉末であり、乾式法及び湿式法で製造されたもののいず
れも含まれる。また、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ
酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれでもよいが、Si
O2を85重量%以上含むものが好ましい。 これらシリカ微粉末の具体例としては、種々の市販の
シリカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好まし
く例えばAEROSIL R−972,R−974,R−805,R−812(以上
アエロジル社製)、タラノックス500(タルコ社製)等
が挙げられる。その他シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有する
シリコンオイル等で処理されたシリカ微粉末などが使用
可能である。 本発明のトナーの好適な製造方法の一例を挙げると、
まず、バインダーの材料樹脂もしくはこれに必要に応じ
て着色剤等のトナー成分を添加したものを、例えば、エ
クストルーダーにより熔融混練し、冷却後ジェットミル
等により微粉砕し、これを分級して、望ましい粒径のト
ナーを得ることができる。あるいはエクストルーダーに
より熔融混練したものを熔融状態のままスプレードライ
ヤー等により噴霧もしくは液体中に分散させることによ
り望ましい粒径のトナーを得ることができる。 本発明の画像形成方法としては上記のような特定のト
ナーを用いて現像剤を調製しそれを用いて常用の電子写
真複写機により静電像の形成及び現像を行い、得られた
トナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度
を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して
複写画像を形成する。 本発明画像形成方法は、転写紙上のトナーと加熱ロー
ラとの接触時間が1秒以内特に0.5秒以内であるような
定着を行う際に特に好ましく用いられる。 [発明を実施するための最良の形態] 実施例1 下記第1表に示した結晶性重合体Aの30重量部と、下
記第2表に示した無定形重合体aの70重量部をヘキサメ
チレンジイソシアナートの4.0重量%によりカップリン
グして下記第3表に示した共重合体1を得た。 この共重合体1の100重量部,カーボンブラック「モ
ーガルーL」(キャボット社製)10重量部,ポリプロピ
レン「ビスコール660P」(三洋化成工業社製)3重量
部、「Wax−E」(ヘキスト社製)の2重量部,荷電制
御剤「ボントロン−E−81」(オリエント化学社製)2
重量部を混合し、加熱ロールにより混練し、冷却した
後、粗砕し更に超音速ジェットミルにて微粉砕し、風力
分級機により分級することにより着色微粒子を得た。 この着色微粒子100重量部に対して、疎水性シリカ微
粉末「アエロジルR−972」(アエロジル社製)0.8重量
部をV型混合器にて混合することにより体積平均粒径1
1.0μmの本発明のトナー1を得た。 共重合体を製造するために用いた結晶性重合体及び無
定形重合体とその重量部比、得られた共重合体の数平均
分子量Mn及び重量平均分子量Mwを第3表に示した。尚、
表中、A〜Fで示される結晶性重合体、その融点Tm、重
量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及び溶解性パラメータ
(S.P.値)は第1表に示した通りであり、a〜fで示さ
れる無定形重合体、そのガラス転移点、重量平均分子量
Mw、数平均分子量Mn及び溶解性パラメータ(S.P.値)は
第2表に示した通りである。 又、得られたトナーの動的弾性率G′、動的粘性率
η′等は第4表に示した通りである。 次に、トナー1の3重量部と、平均粒径100μmのス
チレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂を被覆した
キャリア97重量部とを混合して現像剤を調製した。この
現像剤を用いて電子写真複写機「U−Bix1600」(小西
六写真工業社製)により静電像の形成及び現像を行な
い、得られたトナー像を転写紙上に転写したうえ加熱ロ
ーラ定着器により定着して複写画像を形成する実写テス
トを行い、下記の方法により最低定着温度(定着可能な
加熱ローラの最低温度)、オフセット発生温度(オフセ
ット現象が生ずる最低温度)を測定し併せて定着可能範
囲を求めた。 最低定着温度: 上記複写機にて未定着画像を作成した後、表層がテフ
ロン(デュポン社製ポリテトラフルオロエチレン)で形
成された30φの熱ローラと、表層がシリコーンゴム「KE
-1300RTV」(信越化学工業社製)で形成された圧着ロー
ラとより成る定着器により、64g/m2の転写紙に転写せし
めた試料トナーによるトナー像を線速度70mm/秒、線圧
0.8kg/cm、ニップ幅4.9mmで定着せしめる操作を、熱ロ
ーラの設定温度を80〜240℃の範囲内で5℃ずつ段階的
に高くして各温度において繰り返し、形成された定着画
像に対してキムワイプ摺擦を施し、十分な耐摺擦性を示
す定着画像に係る最低の設定温度をもって最低定着温度
とした。なおここに用いた定着器はシリコンオイル供給
機構を有さぬものである。 オフセット発生温度: オフセット発生温度の測定は、最低定着温度の測定に
準じるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、ト
ナー像を転写して上述の定着器により定着処理を行な
い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送っ
てこれにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作
を、前記定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた
状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定
温度をもってオフセット発生温度とした。 定着可能範囲: オフセット発生温度と最低定着温度との差を定着可能
範囲とした。 結果を第4表に示した。 更にトナー1のブロッキング性、粉砕効率、フィルミ
ング性、クリーニング性及びの帯電量(Q/M)並びに上
記トナーを用いて調製された現像剤の流動性を次のよう
にして測定した。 耐ブロッキング性: 耐ブロッキング性テストは45℃、43%RHの環境条件下
に2時間放置して凝集塊が生ずるか否かによって調べ
た。 粉砕効率: 圧力5.4kg/cm2の条件で超音速ジェットミルにて微粉
砕した時のフィード量により判断した。 フィルミング性: フィルミング性は、キャリアや感光体表面を観察し付
着物の有無により判定した。 クリーニング性: クリーニング性は、クリーニング部材により感光体表
面をクリーニングした後の感光体表面を観察し、付着物
の有無により判定した。 現像剤の流動性: 現像剤の流動性は、現像器内の現像剤を目視にて判定
し、実用レベルにあるものを良好とした。 帯電量(Q/M): 帯電量は公知のブローオフ法により測定したトナー1g
当りの摩擦帯電電荷量の値である。 結果は第4表に併せて示した。 更にトナー1を用いて得られた画像について、カブ
リ、最高画像濃度(Dmax)、鮮鋭性を次のようにして
測定評価した。 カブリ: 原稿濃度0.0の白地部分の現像画像に対する相対濃度
によって示した(白地反射濃度を0.0とした)。 ○ 0.01未満 △ 0.01〜0.03未満 × 0.03以上 最高画像濃度(Dmax): 原画の画像濃度を1.3としたときの現像画像の相対濃
度によって示した。測定はサクラデンシトメーター(小
西六写真工業社製)により行なった。 鮮鋭性: 原稿の線画チャートをオリジナルとして、その再現性
を拡大し視角的に判定した。 得られた結果は併せて第4表に示した。 更にトナー1を用いて耐久性試験を行った。すなわ
ち、3万回の現像プロセスを繰り返した後に、トナーの
帯電量Q/M、帯電量の変化量ΔQ/M、現像剤の流動性、フ
ィルミング性及びクリーニング性並びに得られた画像の
カブリ、最高画像濃度(Dmax)、鮮鋭性を前記と同様
にして測定評価した。結果を第5表に示した。 実施例2〜3 第3表に示した所定重量部比の結晶性重合体及び無定
形重合体を用いた他は実施例1と同様にして共重合体2
及び3をそれぞれ調製し、更にトナー2及び3を得た。
得られたトナー2及び3の各物性値及び性能を実施例1
と同様に測定した。 トナー2及び3を用いて実施例1と同様にして実写テ
ストを行い各性能を測定評価した。 実施例4 第3表に示した所定重量部比の結晶性重合体及び無定
形重合体を用いた他は実施例1と同様にして共重合体4
を得た。 この共重合体4の100重量部、磁性体「BL-500」(チ
タン工業社製)の60重量部、ポリプロピレン「ピスコー
ル−660P」(三洋化成工業社製)の3重量部、荷電制御
剤「ニグロシンS.O.」(オリエント化学社製)の1.5重
量部を用いた他は実施例1と同様にして1成分磁性トナ
ーてあるトナー4を得た。得られたトナー4の各物性値
及び性能を実施例1と同様に測定した。 トナー4を用いて電子写真複写機「U−Bix-1200」
(小西六写真工業社製)にて実写テストを行い、実施例
1と同様にして各性能を測定評価した。 実施例5〜10 第3表に示した所定重量部比の結晶性重合体及び無定
形重合体を用いた他は実施例1と同様にして共重合体5
〜10をそれぞれ調製し、更にトナー5〜10を得た。得ら
れたトナーの各物性値及び性能を実施例1と同様にして
測定した。トナー5〜10を用いて実施例1と同様にして
実写テストを行い各性能を測定評価した。 比較例1 結晶性重合体Eの30重量部及び無定形重量体aの70重
量部を用いた他は実施例1と同様にして共重合体11を得
た。 この共重合体11の100重量部、カーボンブラック「モ
ーガルL」10重量部、荷電制御剤3重量部を用いた他は
実施例1と同様にして比較トナー1を得た。得られた比
較トナー1の物性値及び性能を実施例1と同様に測定し
た。 比較トナー1を用いて実施例1と同様にして実写テス
トを行い各性能を測定評価した。 比較例2〜5 第3表に示した所定重量部比の結晶性重合体及び無定
形重合体を用いた他は比較例1と同様にして共重合体12
〜15を得、更に比較トナー2〜5を得た。得られた比較
トナー2〜5の物性値及び性能を実施例1と同様に測定
した。 比較トナー2〜5を用いて比較例1と同様にして実写
テストを行い各性能を測定評価した。 実施例2〜10及び比較例1〜5において得られた測定
結果をそれぞれ第4表及び第5表に示した。 第4表及び第5表から明らかなように本発明に係るト
ナーはいずれも各性能について良好な結果を示した。そ
れに対して比較トナー1,2,5においては、動的弾性率が
低過ぎるために耐オフセット性が不良であり定着可能範
囲が狭いものであり、また耐ブロッキング性が悪く、耐
久テストにおいてフィルミングを発生しクリーニング性
不良を引きおこしている。 またこのトナーを用いて調製した現像剤の流動性およ
び帯電性が不良でそれを用いて形成した画像もカブリの
多い現像濃度の低い不鮮明なものしか得られなかった。
耐久テストにおいては帯電量が大きく低下しカブリの多
い画像濃度の低い不鮮明な画像しか得られず、耐久性が
劣るものであった。また比較例3,4においては、動的粘
性率η′が大き過ぎるために、定着性が不良あり、また
耐久テストにおいては帯電量の上昇及び、カブリの発生
が認められ不鮮明な画像となった。 [産業上の利用可能性] 本発明のトナーは結晶性重合体ブロックと無定形重合
体ブロックとが化学的に結合してなる共重合体を主構成
成分とする樹脂を用いるものであり、結晶性重合体ブロ
ックが特定の融点を有し、無定形重合体ブロックが特定
のガラス転移点を有し、トナーの動的弾性率が特定の範
囲の値を有するものであるので、本発明のトナーによれ
ば、低温においても充分定着することができてしかもそ
のような温度範囲において耐オフセット性が良好で、更
に優れた耐ブロッキング性、流動性、帯電性、耐フィル
ミング性、クリーニング性を有し、もって良好な可視画
像を安定して形成することができる耐久性に優れたトナ
ーを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 喜夫 東京都八王子市石川町2970番地 小西六 写真工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−3446(JP,A) 特開 昭59−119362(JP,A) 特開 昭56−47049(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも樹脂と着色剤により構成される静電像現
    像用トナーにおいて、 前記樹脂が、結晶性重合体ブロックと無定形重合体ブロ
    ックとが化学的に結合してなる共重合体を主構成成分と
    し、 前記結晶性重合体ブロックは、結晶性ポリアルキレンポ
    リエステルであり、その融点が50〜120℃、数平均分子
    量が1,000〜20,000、重量平均分子量が2,000〜100,00
    0、前記共重合体中に含有される割合が、共重合体100重
    量部中5〜50重量部であり; 前記無定形重合体ブロックは、無定形芳香族ポリエステ
    ルであり、そのガラス転移点が50〜100℃、数平均分子
    量が1,000〜50,000、重量平均分子量が5,000〜150,000
    であり; 前記共重合体の数平均分子量が1,000〜30,000、重量平
    均分子量が5,000〜300,000であり; 70〜140℃の少なくとも1点において、前記トナーの動
    的弾性率は2×103〜1×105dyn/cm2であり、動的粘性
    率は1.6×104〜1×106ポイズであることを特徴とする
    静電像現像用トナー。 2.前記樹脂を構成する結晶性重合体ブロックと無定形
    重合体ブロックの溶解性パラメータ(S.P.値)の差が0.
    5より大きいものである、特許請求の範囲第1項記載の
    静電像現像用トナー。 3.感光体上の静電像を現像するための、少なくとも樹
    脂と着色剤により構成される静電像現像用トナーにおい
    て、前記樹脂が、結晶性重合体ブロックと無定形重合体
    ブロックとが化学的に結合してなる共重合体を主構成成
    分とし、前記結晶性重合体ブロックは、結晶性ポリアル
    キレンポリエステルであり、その融点が50〜120℃、数
    平均分子量が1,000〜20,000、重量平均分子量が2,000〜
    100,000、前記共重合体中に含有される割合が、共重合
    体100重量部中5〜50重量部であり;前記無定形重合体
    ブロックは、無定形芳香族ポリエステルであり、そのガ
    ラス転移点が50〜100℃、数平均分子量が1,000〜50,00
    0、重量平均分子量が5,000〜150,000であり;前記共重
    合体の数平均分子量が1,000〜30,000、重量平均分子量
    が5,000〜300,000であり;70〜140℃の少なくとも1点に
    おいて、前記トナーの動的弾性率は2×103〜1×105dy
    n/cm2であり、動的粘性率は1.6×104〜1×106ポイズで
    ある静電像現像用トナーにより現像した後、紙等の転写
    体上に静電転写し、熱ローラー定着を行ない定着画像を
    得ることを特徴とする画像形成方法。
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