JPH06308764A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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Publication number
JPH06308764A
JPH06308764A JP5101477A JP10147793A JPH06308764A JP H06308764 A JPH06308764 A JP H06308764A JP 5101477 A JP5101477 A JP 5101477A JP 10147793 A JP10147793 A JP 10147793A JP H06308764 A JPH06308764 A JP H06308764A
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JP
Japan
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toner
weight
vinyl acetate
ethylene
thermoplastic polyester
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Application number
JP5101477A
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English (en)
Inventor
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
Tsunehiro Masaoka
恒博 正岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着性に優れ、しかも高温高湿の環境下でも
安定した画像が得られるトナー用樹脂組成物及びトナー
を得る。 【構成】 熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とするバ
インダー樹脂に、エチレン−酢酸ビニル共重合体5〜5
0重量%を含有させる。このエチレン−酢酸ビニル共重
合体は、メルトフローレートが400g/10分以上で
且つ酢酸ビニル含有量が3〜30重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真等に使用す
るトナー用樹脂組成物及びトナーに関し、さらに詳しく
いえば、静電荷像を現像する方法において、乾式現像方
式に使用するトナー用樹脂組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等において、静電荷像を現像す
る方法として、乾式現像方式が多用されている。この乾
式現像方式では、バインダーとなるトナー用樹脂にカー
ボンブラック等の着色剤を分散させた微粉末に、鉄粉や
ガラスビーズ等のキャリアーを混合した摩擦帯電性のト
ナー(現像剤)、或いはトナー用樹脂にカーボンブラッ
ク等の着色剤とマグネタイト等の磁性粉とを含有させた
磁性トナーが用いられる。
【0003】複写物を得るには、通常、感光体上に静電
潜像を形成し、この静電潜像に摩擦帯電性のトナーや磁
性トナーを電気的に付着させて現像し、ここで得られる
トナー像を用紙等のシート上に転写し、その後トナーに
対して離型性を有する熱圧ローラーで定着させて永久可
視像とする。
【0004】この熱圧ローラー定着法においては、消費
電力等の経済性の向上、複写速度の上昇、用紙等のカー
ル防止等のため、より低温で定着可能な定着性の良好な
トナーが要求されている。
【0005】この種のトナーにおいて、バインダーとな
るトナー用樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体のようなスチレン系樹脂及び熱可塑
性ポリエステル樹脂が広く使用されている。特に、熱可
塑性ポリエステル樹脂は、定着性(低温定着性及び画像
強度)の点で優れている(例えば、特開平1−1567
59号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱可塑性ポリ
エステル樹脂を用いたトナーは、高温高湿の環境下では
トナーが吸湿して帯電量が変化し、画像濃度が変化しや
すいという欠点がある(特開昭57−54947号公報
参照)。しかも、年々複写機等の高速化が進んでおり、
熱可塑性ポリエステル樹脂を用いたトナーであっても、
十分な定着性が得られなくなってきている。
【0007】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、定着性に優れ、しかも高
温高湿の環境下でも安定した画像が得られるトナー用樹
脂組成物及びトナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明のトナー用樹脂組成物は、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂に、メルトフ
ローレートが400g/10分以上で且つ酢酸ビニル含
有量が3〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
5〜50重量%が含有されている。また、この発明のト
ナーは、上記のトナー用樹脂組成物を用いて得られる。
【0009】この発明において、熱可塑性ポリエステル
樹脂としては、この種のトナーに使用されている公知の
熱可塑性ポリエステル樹脂、例えば、ジカルボン酸と二
価アルコールとを縮重合して得られる熱可塑性ポリエス
テル樹脂、或いはこのような熱可塑性ポリエステル樹脂
にビニル系モノマーをグラフト重合して得られる熱可塑
性ポリエステル樹脂が用いられる。
【0010】ここで、ジカルボン酸としては、マレイン
酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、マロン酸、ドデカン二酸又はこれ等
の無水物又は低級アルコールとのエステル等が挙げられ
る。
【0011】また、二価アルコールとしては、エチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェ
ノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポ
リオキシプロピレン化ビスフェノールA等が挙げられ
る。
【0012】なお、低温定着性が損なわれない範囲で、
ジカルボン酸には、トリメリット酸、ピロメリット酸な
どの三価以上のカルボン酸を若干併用することができ
る。また、二価アルコールには、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三価以上
のアルコールを若干併用することができる。
【0013】また、グラフト重合に用いるビニル系モノ
マーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、その他メタクリル酸メチル、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げ
られる。
【0014】このような熱可塑性ポリエステル樹脂の分
子量は、この種のトナーに使用されている公知の熱可塑
性ポリエステル樹脂の範囲のものであればよい。特に、
分子量分布曲線において、分子量1×103 〜8×10
4 の領域に極大を有し、且つ分子量1×105 〜8×1
6 の領域に極大又は肩を有するか、或いはゲル分(溶
剤不溶分)が5〜50重量%であるものが好ましい。
【0015】低分子量側の極大での分子量が上記の範囲
より小さいとトナー粒子が凝集することがあり、また上
記の範囲より大きいと定着性が低下することがある。ま
た、高分子量側の極大又は肩での分子量が上記の範囲よ
り小さいと耐オフセット性が悪化することがあり、また
上記の範囲より大きいと定着性が低下することがある。
なお、白黒画像を得るためのトナーではなく、カラー画
像を得るためのカラートナーにおいては、耐オフセット
性を殆ど考慮しなくてよい場合がある。
【0016】また、分子量分布曲線が低分子量部分と高
分子量部分との二山に形成されている場合には、高分子
量重合体成分の含有量が15重量%よりも少ないと、耐
オフセット性の低下を生じることがある。
【0017】また、この発明に用いる熱可塑性ポリエス
テル樹脂は、トナー粒子の凝集性の点から、この樹脂が
結晶性の場合は融点が50℃以上であることが好まし
く、この樹脂が非結晶性の場合はガラス転移点が50℃
以上であることが好ましい。
【0018】なお、熱可塑性ポリエステル樹脂には、こ
の発明の目的及び効果を達成し得る範囲内で、スチレン
系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン
樹脂、エポキシ樹脂等のバインダー樹脂が配合されてい
てもよい。
【0019】この発明においては、上記の熱可塑性ポリ
エステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂に、メルト
フローレートが400g/10分以上で且つ酢酸ビニル
含有量が3〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体5〜50重量%が含有される。
【0020】ここで、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
メルトフローレートは、JIS K6730(エチレン
・酢酸ビニル樹脂試験方法)或いはASTM D 12
38に基づいて測定され、試験温度190℃、試験荷重
2.16 kgf の条件に換算された値で示される。この
メルトフローレートが400g/10分を下回ると、溶
融粘度が高すぎるため低温で十分に流動することができ
ず、より低温で定着させることができなくなる。特に、
このメルトフローレートは800g/10分以上が好ま
しい。
【0021】なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体の重
量平均分子量(Mw ) は1000以上が好ましく、20
00以上がさらに好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重
合体の分子量があまりにも低分子量であると、熱可塑性
ポリエステル樹脂を可塑化し保存性を悪化させたり、樹
脂強度が低下して白地汚れを発生させたり、定着したト
ナーが被定着物の界面で凝集破壊を起こす可能性があ
る。一方、樹脂の粉砕性及び樹脂への分散性とから数量
平均分子量(Mn ) は4万以下が好ましく、2万以下が
さらに好ましい。
【0022】また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢
酸ビニル含有量が3重量%を未満では、この共重合体の
流動性が悪いため、トナーが凝集し易くなる。しかも、
共重合体の結晶性が増して樹脂への分散性が悪くなり、
現像時にかぶりが発生することがある。特に、酢酸ビニ
ル含有量が6重量%以上が好ましい。
【0023】逆に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢
酸ビニル含有量が30重量%を越えると、この共重合体
のガラス転移点が低くなってトナーが凝集し易くなった
り、吸湿性が高くなって高温高湿で画像濃度が変化し易
くなる。特に、酢酸ビニル含有量が20重量%以下が好
ましい。
【0024】なお、エチレンが高度にブロック化してい
ると結晶性が増して分散性が悪くなることがあるので、
エチレン−酢酸ビニル共重合体はランダム共重合に近い
ことが望ましい。
【0025】さらに、トナー用樹脂組成物中のエチレン
−酢酸ビニル共重合体の含有量が、5重量%未満ではそ
の効果がほとんど得られず、逆に含有量が50重量%を
超えると樹脂組成物が強靱となり微粉砕してトナーとす
ることができなくなる。このエチレン−酢酸ビニル共重
合体の好ましい含有量は10〜40重量%である。
【0026】この熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分と
するバインダー樹脂に、エチレン−酢酸ビニル共重合体
を含有させてトナー用樹脂組成物及びトナーを製造する
には、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂に、エチレン
−酢酸ビニル共重合体を配合し、その他着色剤等の従来
公知のトナー用添加剤を配合し、リボンブレンダー、ヘ
ンセルミキサー等で混合し、これをロールミル、ニーダ
ー、押出機等を用いて混練した後、冷却して微粉砕する
方法が採用される。
【0027】熱可塑性ポリエステル樹脂にエチレン−酢
酸ビニル共重合体をより均一に含有させるために、両者
を適当な溶剤に溶解分散した上で脱溶剤したり、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体の存在下で熱可塑性ポリエステ
ル樹脂を重合するのが好ましい。
【0028】着色剤としては、白黒画像を得るためトナ
ーには、カーボンブラック等が使用されるが、白黒画像
を得るためトナーのみならず、カラー画像を得るための
カラートナーを得ることもできる。
【0029】カラートナー用の着色剤としては、例えば
C.I.ソルベントレッド、C.I.ピグメントレッ
ド、C.I.ディスパーレッド、C.I.ピグメントバ
イオレッド、C.I.ソルベントイエロー、C.I.ピ
グメントイエロー、C.I.ディスパーイエロー、C.
I.ソルベントブルー、C.I.ピグメントブルー等が
配合される。
【0030】また、磁性粉を配合して磁性トナーを得る
こともできる。磁性粉としては、マグネタイト、フェラ
イト、ヘマタイト等の鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、
マンガンなどの強磁性を示す合金又は化合物の粉末が配
合される。
【0031】また、帯電制御剤としてニグロシン、スピ
ロンブラック(保土ケ谷化学社製)等の染料や、その他
フタロシアニン系の顔料、ジ−t−ブチルサリチル酸の
クロム錯体、4級アンモニウム塩等を配合することがで
きる。
【0032】さらに、離型作用のあるポリプロピレンワ
ックス、低分子ポリエチレン、その他脂肪族アミド、ビ
ス脂肪族アミド、金属石鹸、パラフィン等が配合されて
もよい。また、トナー粒子の流動性を上げるために疎水
性シリカ等を後添加してもよい。
【0033】
【作用】熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とするバイ
ンダー樹脂に、メルトフローレートが400g/10分
以上で且つ酢酸ビニル含有量が3〜30重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体5〜50重量%を含有させる
と、このエチレン−酢酸ビニル共重合体は溶融時に低粘
度となり、しかも高温高湿下でも吸湿しにくいので、ト
ナーの溶融粘度が下がりより低温で定着可能となり、し
かも帯電量の変化が小さくなり高温高湿下でも安定した
画像を形成するトナー用樹脂組成物及びトナーを得るこ
とができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 フマル酸36重量部とビスフェノールA64重量部とを
縮重合して得られた熱可塑性ポリエステル樹脂(重量平
均分子量1万、数平均分子量5千)70重量部と、これ
と同じ組成の熱可塑性ポリエステル樹脂(重量平均分子
量60万、数平均分子量20万)30重量部とを、トル
エン溶剤に溶解して均一にした後、加熱減圧下でトルエ
ンを除去して両者を均一に混合して、分子量8千及び4
0万に極大を有し、ガラス転移点62℃の熱可塑性ポリ
エステル樹脂組成物を得た。
【0035】この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物80
重量部と、メルトフローレート2500g/10分で且
つ酢酸ビニル含有量10重量%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体(平均分子量約1万、軟化点91℃)(エルバ
ックス500W:三井デュポンケミカル社製)20重量
部とを、トルエン溶剤に溶解して均一にした後、加熱減
圧下でトルエンを除去して両者を均一に混合して、トナ
ー用樹脂組成物を得た。
【0036】このトナー用樹脂組成物100重量部と、
カーボンブラック(MA−100:三菱化成社製)5重
量部と、スピロンブラックTHR(保土ケ谷化学社製)
1重量部と、ポリプロピレンワック(550P:三洋化
成社製)2重量部とを、ロールミルで溶融混練し、冷却
後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕して平均粒度
約12〜15μm のトナー粉末を得た。
【0037】このトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(R
−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添加し
てトナーを作製した。このトナー10gを100mlの
サンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した
後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集
度を測定したところ、凝集は認められなかった。
【0038】また、このトナー4重量部と平均粒径が約
50〜80μm の鉄粉キャリアー96重量部とを均一に
混して現像剤を作り、この現像剤を用いて複写物を得
た。使用した電子写真複写機はコニカ社製のU−Bix
−2500を熱圧ローラーの温度が変えられるように改
造したものである。定着温度は、電子写真複写機の加熱
ローラーの設定温度を種々変えて複写物をタイプライタ
ー用砂消しゴムで摩擦したとき、複写画の濃度が変化す
る時の設定温度とした。このトナーの定着温度は140
℃で十分に低かった。
【0039】オフセット発生温度は、電子写真複写機の
熱ローラーの設定温度を種々変えてオフセットの発生す
る時の設定温度とした。なお、この試験はロールの耐熱
性を考慮して200℃で打ち切った。このトナーのオフ
セット発生温度は200℃以上で十分に高かった。
【0040】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れは認めら
れず画像強度は良好であった。さらに、前記の現像剤を
40℃、湿度70%RHの雰囲気に1日放置した後、こ
の現像剤を用いて複写物を得が、画像濃度の低下は見ら
れず均一な画像であった。
【0041】実施例2 フマル酸35重量部とビスフェノールA65重量部とを
縮重合して得られた熱可塑性ポリエステル樹脂(重量平
均分子量2万、数平均分子量6千)65重量部と、これ
と同じ組成の熱可塑性ポリエステル樹脂(重量平均分子
量50万、数平均分子量15万)35重量部とを、トル
エン溶剤に溶解して均一にした後、加熱減圧下でトルエ
ンを除去して両者を均一に混合して、分子量1万及び3
0万に極大を有し、ガラス転移点65℃の熱可塑性ポリ
エステル樹脂組成物を得た。
【0042】この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物86
重量部と、メルトフローレート(試験温度190℃、試
験荷重2.16 kgf )800g/10分で且つ酢酸ビ
ニル含有量19重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(平均分子量約1.5万、軟化点78℃)(エバフレッ
クスV577:三井デュポンケミカル社製)14重量部
とを、トルエン溶剤に溶解して均一にした後、加熱減圧
下でトルエンを除去して両者を均一に混合して、トナー
用樹脂組成物を得た。
【0043】このトナー用樹脂組成物100重量部と、
カーボンブラック(MA−100:三菱化成社製)5重
量部と、スピロンブラックTHR(保土ケ谷化学社製)
1重量部と、ポリプロピレンワック(660P:三洋化
成社製)3重量部とを、ロールミルで溶融混練し、冷却
後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕して平均粒度
約12〜15μm のトナー粉末を得た。
【0044】このトナー粉末に疎水性シリカ粉末(R−
972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添加して
トナーを作製した。このトナー粉末に、疎水性シリカ粉
末(R−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を
添加してトナーを作製した。このトナーを用いて実施例
1と同様にして性能を評価した。このトナーは、凝集は
認められず、定着温度は140℃で十分に低く、オフセ
ット発生温度は200℃以上で十分に高かった。
【0045】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れは認めら
れなかった。さらに、前記の現像剤を40℃、湿度70
%RHの雰囲気に1日放置した後、この現像剤を用いて
複写物を得たが、画像濃度の低下は見られず均一な画像
であった。
【0046】実施例3 イソフタル酸14重量部とトリメリット酸14重量部と
ポリオキシプロピレン−2,2−ビス−4−ヒドロキシ
フェニルプロパン72重量部とを縮重合して得られた熱
可塑性ポリエステル樹脂(重量平均分子量20万、数平
均分子量1万、ゲル分15重量%)35重量部と、メル
トフローレート800g/10分で且つ酢酸ビニル含有
量28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(平均分
子量約1.5万、軟化点75℃)(エルバックス205
W:三井デュポンケミカル社製)15重量部とを、ボー
ルミルで溶融混練し粉砕して、トナー用樹脂組成物を得
た。
【0047】このトナー用樹脂組成物50重量部と、マ
グネタイト(平均粒径0.3μm )50重量部と、カー
ボンブラック(MA−100:三菱化成社製)2重量部
と、ニグロシン1重量部と、ポリプロピレンワック(5
50P:三洋化成社製)2重量部とを、ボールミルで粉
砕混合しロールミルで溶融混練し、冷却後粗粉砕し、さ
らにジェットミルで微粉砕して平均粒径約12〜15μ
m の磁性トナー粉末を得た。
【0048】この磁性トナー粉末に疎水性シリカ粉末
(R−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添
加して磁性トナーを作製した。この磁性トナーを用いて
実施例1と同様にして性能を評価した。なお、使用した
電子写真複写機はシャープ社製のSF−700を熱圧ロ
ーラーの温度が変えられるように改造したものである。
この磁性トナーは、凝集は認められず、定着温度は14
0℃で十分に低く、オフセット発生温度は200℃以上
で十分に高かった。
【0049】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れは認めら
れなかった。さらに、前記の現像剤を40℃、湿度70
%RHの雰囲気に1日放置した後、この現像剤を用いて
複写物を得たが、画像濃度の低下は見られず均一な画像
であった。
【0050】比較例1 実施例1において、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エ
ルバックス500W:三井デュポンケミカル社製)を全
く配合しなかった。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。このトナーは、凝集は認めらず、定着温度は150
℃で比較的低温で、オフセット発生温度は200℃以上
で十分に高かった。
【0051】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れは認めら
れなかった。しかし、前記の現像剤を40℃、湿度70
%RHの雰囲気に1日放置した後、この現像剤を用いて
複写物を得たが、この場合、画像濃度の低下が見られ、
画像は不均一であった。
【0052】比較例2 実施例1において、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エ
ルバックス500W:三井デュポンケミカル社製)20
重量部に替えて、メルトフローレート(試験温度190
℃、試験荷重2.16 kgf )2500g/10分で且
つ酢酸ビニル含有量33重量%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体(平均分子量約1万、軟化点69℃)20重量
部を用いた。それ以外は実施例1と同様に行った。この
トナーは、凝集が認められた。定着温度は140℃で十
分に低く、オフセット発生温度は200℃以上で十分に
高かった。
【0053】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れは認めら
れなかった。しかし、前記の現像剤を40℃、湿度70
%RHの雰囲気に1日放置した後、この現像剤を用いて
複写物を得たが、この場合、画像濃度の低下が若干見ら
れた。
【0054】比較例3 実施例1において、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物8
0重量部に替えて、スチレン80重量部とアクリル酸n
−ブチル20重量部とを共重合して得られたスチレン系
共重合体(重量平均分子量1万、数平均分子量5千)7
0重量部と、これと同じ組成のスチレン系共重合体(重
量平均分子量60万、数平均分子量20万)30重量部
とを、トルエン溶剤に溶解して均一にした後、加熱減圧
下でトルエンを除去して両者を均一に混合して得られた
スチレン系共重合体組成物80重量部を用いた。また、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(エルバックス500
W:三井デュポンケミカル社製)20重量部を全く配合
しなかった。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0055】このトナーは、凝集は認められず、オフセ
ット発生温度は200℃以上であったが、定着温度は1
60℃で高かった。
【0056】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れが若干認
められた。なお、前記の現像剤を40℃、湿度70%R
Hの雰囲気に1日放置した後、この現像剤を用いて複写
物を得たが、画像濃度は低下が見られず、画像は均一で
あった。
【0057】比較例4 実施例2において、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エ
バフレックスV577:三井デュポンケミカル社製)1
4重量部を、100重量部に変更した。それ以外は実施
例2と同様に行った。この場合、粉砕性が悪く良好なト
ナー粉末を得ることができなかった。
【0058】比較例5 実施例2において、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エ
バフレックスV577:三井デュポンケミカル社製)1
4重量部に替えて、メルトフローレート150g/10
分で且つ酢酸ビニル含有量19重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体(平均分子量約2.5万、軟化点85
℃)(エバフレックスV420:三井デュポンケミカル
社製)14重量部を用いた。それ以外は、実施例2と同
様に行った。
【0059】このトナーは、凝集は認められず、オフセ
ット発生温度は200℃以上で十分に高かったが、定着
温度は160℃で高かった。
【0060】また、170℃で定着した画像をガーゼで
擦ってもトナーがのっていない白地部分の汚れが若干認
められた。なお、前記の現像剤を40℃、湿度70%R
Hの雰囲気に1日放置した後、この現像剤を用いて複写
物を得たが、画像濃度は低下が見られず、画像は均一で
あった。
【0061】
【発明の効果】上述の通り、この発明のトナー用樹脂組
成物及びトナーは、熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分
とするバインダー樹脂に、メルトフローレートが400
g/10分以上で且つ酢酸ビニル含有量が3〜30重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体5〜50重量%が含
有されており、それにより、定着性(低温定着性及び画
像強度)に優れ、しかも高温高湿の環境下でも安定した
画像を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とす
    るバインダー樹脂に、メルトフローレートが400g/
    10分以上で且つ酢酸ビニル含有量が3〜30重量%の
    エチレン−酢酸ビニル共重合体5〜50重量%が含有さ
    れていることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトナー用樹脂組成物を用
    いたトナー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016189851A1 (en) * 2015-05-27 2016-12-01 Canon Kabushiki Kaisha Method for producing toner
US9658550B2 (en) 2015-05-27 2017-05-23 Canon Kabushiki Kaisha Toner for use in electrophotographic systems
JP2018092154A (ja) * 2016-11-25 2018-06-14 キヤノン株式会社 トナー
US10216106B2 (en) 2015-05-27 2019-02-26 Canon Kabushiki Kaisha Method for producing toner

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