JP4070374B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用トナーに関する。さらに詳しくは加熱定着型の複写機、プリンター等に用いられる静電潜像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子写真法、静電印刷法、静電記録法などとして知られている画像形成法においては、いずれも形成された静電荷像をトナーと呼ばれる着色微粉末を用いて可視化する工程を含んでいる。例えば電子写真法としては、米国特許第2297691号明細書、特公昭42−23910号公報および特公昭43−24748号公報に記載されている如く、多種の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用した感光体表面に種々の方法によって静電荷像を形成し、次いで該静電荷像をトナーにより現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧等により定着せしめて複写物を得るものである。
【0003】
このうち、転写工程を有する装置の場合には、転写シートに転写されなかった感光体上の残余のトナーを除去し、感光体を繰り返し使用するのが通常である。感光体上の残余のトナーを除去する方法としては、ブレードクリーニング方式、ファーブラシクリーニング方式、磁気ブラシクリーニング方式等、感光体にクリーニング部材を接触させておこなうのが一般的である。この場合、クリーニング部材は、適当な圧力で感光体に圧接しているので、繰り返し使用している間に感光体に傷がついたり、トナーが固着する現象が発生する。このトナーが感光体に固着する現象を回避するために、特開昭48−47345号公報においてトナー中に摩擦減少物質と研摩物質の双方を添加することが提案されている。この方法は、確かにトナー固着現象を回避するには有効であるが、次の欠点を持っている。すなわち、トナー固着現象を回避しうる程度に摩擦現象物質を添加すると、繰り返しの使用によって感光体表面に生成もしくは付着する紙粉、オゾン付加物などの低電気抵抗物質の除去が行われにくくなり、特に高温高湿の環境下において感光体上の潜像が低電気抵抗物によって著しく損なわれるという欠点がある。また、摩擦減少物質と研摩物質それぞれの添加量が微妙であり、安定した特性を有するトナーを得るのが難しいという問題点がある。
【0004】
一方、最終工程であるトナー像を紙などのシートに定着する工程に関しては、種々の方法や装置が開発されている。現在、最も一般的な方法は、熱ローラーによる圧着加熱方式である。この熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は、熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下に接触するため、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定着シートにこれが再転移して所謂オフセット現象が生じ、被定着シートを汚すことがある。従って、熱定着ローラー表面に対してトナーが付着しないようにすることが熱ローラ定着方式の必須条件のひとつとされている。
【0005】
こうしたことから、特開昭49−65231号公報、同50−27546号公報および同55−153944号公報等において、トナー中にワックスを含有せしめることにより、オフセットを防止した熱ローラー定着用トナーが提案されている。しかし、熱ローラー定着におけるオフセットの防止に有効とされるワックスを含有した種々のトナーについて検討したところ、前述したクリーニングにかかわるいくつかの問題点、即ち、感光体を傷つけやすい点、感光体上にトナーが固着しやすい点、感光板上の潜像が乱れ易い点等は、トナー中にある種のワックスが含有されてるときに顕著になることが見いだされた。特に高温、高湿下では顕著に感光体上にワックスが固着し、画像流れが発生する(これらの感光体への固着をフィルミングという)。特に、ワックスの分散粒子径がトナーの平均粒子径よりも大きい場合は、ワックスは結着樹脂と相溶しにくいため、粉砕時の粉砕界面はワックスと粉砕樹脂の間となり、ワックス単体の遊離やトナー表面での露出が多くなる。これらはクリーニング工程で感光体へのフィルミングを誘発することになる。
【0006】
従来の電子写真用トナーは以下のような構成をとっている。まず、加熱により軟化する結着樹脂と、色彩を付与する着色剤と帯電性を付与する帯電制御剤とオフセットを防止する離型剤(ワックス)等を、それぞれ所定量計量し、計量した材料を同時に混合機に投入して混合した後、溶融して混練し、得られた混練物を粉砕して分級することにより、所定粒径のトナーを得ている。以上の構成では、離型剤の分散は混練工程に大きく依存している。一般的に、トナー中に含有せしめるワックスは、普通ではトナー結着樹脂と相溶しないため、結着樹脂中に粒状ないし球形の形態で相分離した状態で存在していること、そして、ワックス自体の有する溶融粘度、融点、および結着樹脂と混合して溶融混練する際の混練条件等により、相分離したワックスの分散状態が変化し、この分散状態の変化がトナーの表面性や荷電性に大きな影響を及ぼすことが知られている(特公平6−82226号公報)。
【0007】
前述のトナー製造工程では、20μm以上のワックスパウダーを乾式混合し、それを溶融混練している。一般的に電子写真用トナーを粉砕する時には、ジェットミルが使用されているが、ジェットミルにより粉砕された場合、混練により目標とするトナー粒子径以下にワックスが分散されていなければ、粉砕時にワックスの結着樹脂からの遊離が生じ、トナーの表面性、荷電性に大きな影響を及ぼす結果となる。つまり、ワックスが分散不良状態となったとき、電子写真装置においてワックスのフィルミングおよび画像不良等を引き起こす。従来、これらのワックスの分散向上は、混練の諸条件(温度、回転数等)により解決が図られていたが、ワックスの分散性向上にのみ着眼した混練条件であると、他の性能を解決するための条件設定に制約が生じ、また、小粒径化に伴い、混練条件のみでワックスを高分散させることは困難となっている。上記制約とは、カーボンブラック等の非溶融材料の分散に関するものであり、溶融材料は、一般的に溶融粘度の低い状態で高分散が可能となるが、非溶融材料(カーボンブラック、磁性粉、顔料等)は、溶融粘度が高い状態で混練することが望ましい。
【0008】
また、定着工程に要求される機能として低温定着性が挙げられる。近年、省エネルギー化の実現のため、定着部に要する消費電力の低減が求められ、ヒートロール温度が低く抑えられている。さらに、最近の両面複写機では、定着済みのコピーを再度カセット内に取り込み、裏表を反転させて、裏面にコピーすることになるが、その際、定着像とコピーフィーダー部材との擦れにより、像の一部を摺り伸ばす現象が生じ、また、フィーダー部材の汚れにより、更に次のコピーを汚すことになる。よって、低温定着性の向上の為、結着樹脂の改良がおこなわれているが、低温定着性を追求する為、樹脂の軟化点や架橋密度を下げると、耐オフセット性や、耐ブロッキング性等に支障を来すことになる。
【0009】
従って、トナーとしての重要な要求特性である低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性等のすべてを満足するものはこれまで得られていなかった。特に結着樹脂としてポリエステルを使用したときに、ワックスの分散が困難であり、トナーとしての重要な要求特性の全てを満足するものは得られていないのが実情である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の電子写真用トナーは、各種問題点を解決出来ないものであった。従って、本発明の主たる目的は、感光体上へのワックスの固着や、フィルミングに伴う画像流れ等が発生せず、あるいは荷電不良に伴う画像不良を生じない、ワックスが高分散されたトナーを提供することにあり、また、結着樹脂としてポリエステルを使用した場合においても上記の諸問題が生じないトナーを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、高温高湿環境下においてもワックスの固着や、フィルミングが生じず、あるいは荷電不良に伴う画像不良を生じない、トナーを提供することにあり、また、結着樹脂としてポリエステルを使用した場合においても上記の諸問題が生じないトナーを提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、特に熱ローラー定着方式に適用した場合良好な定着性と良好な耐オフセット性を発揮するトナーを提供することにあり、また、結着樹脂としてポリエステルを使用した場合においても上記の諸問題が生じないトナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子写真用トナー構成する各材料と、これらを一体化する結着樹脂と、オフセット等を防止し、あるいは低温定着性を向上させるために配合されるワックスと、ワックスの分散を補助するための補助樹脂組成物として、特定の成分を用いることにより得られるトナーは、上記問題点を解決できるとの知見に基づき完成されたものである。
【0014】
即ち、本発明は、少なくとも、着色剤と結着樹脂と低分子量ポリエチレン及び/又は低分子量ポリプロピレンのワックスとワックス分散効果を有する補助樹脂組成物を含有するトナーにおいて、該補助樹脂組成物は、低分子量ポリエチレン及び/又は低分子量ポリプロピレンのワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体からなり、前記結着樹脂に対して、前記ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレン及び/又は低分子量ポリプロピレンの量A、補助樹脂組成物の量B、また、補助樹脂組成物中のワックス成分量Cとを所定の割合で含有していることを特徴とする電子写真用トナーに関する。
【0015】
また、本発明は上記トナーを用いる画像形成装置に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーに用いる着色剤としては、任意の適当な顔料や染料が使用できる。例えば、カーボンブラック、鉄黒、フタロシアニンブルー、群青、キナクリドン、ペンジジンイエローなどの公知の顔料及び染料が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられる結着樹脂としては公知のポリエステル樹脂が使用可能である。
【0018】
これらの樹脂の製造法としては、従来公知の重合法において製造が可能である。
【0019】
また、上記樹脂の中でポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分の縮重合反応で得られるものであり、公知のものが使用可能である。この場合の多塩基酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セベシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等に代表される、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、脂環族ポリカルボン酸およびそれらの無水物等が例示される。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等に代表される、脂肪族ポリアルコール、芳香族ポリアルコール、脂環族ポリアルコール等が例示される。これらのポリエステル樹脂は1種類だけを用いてもよいが、必要に応じて、2種類以上混合して用いることも出来る。
【0020】
本発明に用いられるワックスとしては公知のものが使用可能であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリエキセン、エチレンープロピレン共重合体、エチレンーブテン共重合体等のポリオレフインワックス、フイッシヤー・トロプシュワックスなどの合成炭化水素系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、水ろう、ホホバ油などの植物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、ペトリラクタムなどの石油系ワックス;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタンワックス誘導体などの変性ワックス;ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;その他各種の脂肪酸類、酸アミド、酸イミド類、エステル類、ケトン類などの合成ワックスならびにこれらの各種のワックスのブレンド物等が挙げられる。
【0021】
上記ワックスの中でも、滑剤効果の高いポリアルキレンを使用することが好ましい。特に、より滑剤効果を高め、低温定着を実現するためには、低分子量ポリエチレンが、また、より耐オフセット効果を高めるためには低分子量ポリプロピレンが好ましい。ここで、「低分子量」とは、ポリマーの数平均分子量が20,000以下の範囲にあることを意味する。
【0022】
本発明に用いられる、ワックス分散効果を有する補助樹脂組成物(本発明において、単に「補助樹脂組成物」いうことがある)は、(a)ワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体と、(b)スチレン(メタ)アクリル系樹脂との組み合わせで含有する組成物である。ここで「ワックス成分」としては、ワックスとして上記に例示したものを好適に利用することができ、その中でも、特にポリエチレンまたはポリプロピレン(より好ましくは低分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリプロピレン)が好ましい。
【0023】
補助樹脂組成物の製造方法は、例えば、ワックス成分としてポリプロピレン系樹脂(1)を使用し、これにスチレン系ポリマー鎖またはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体及びスチレン(メタ)アクリル系樹脂からなる補助樹脂組成物を得る場合について述べると、以下のとおりである。
【0024】
まず、ポリプロピレン系樹脂(1)をトルエン、キシレン等の溶剤中に分散させ、100℃〜200℃に加熱する。次に、スチレン系モノマー(A)単独、または、スチレン系モノマー(A)および(メタ)アクリル系モノマー(B)並びに必要により他のビニルモノマー(C)をパーオキサイド系開始剤(例えば、ペンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシヤリーブチルパーオキシベンゾエート等)とともに滴下重合することにより、(1)にスチレン系ポリマー鎖またはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体(2)とスチレン(メタ)アクリル系樹脂とからなる重合体混合物の溶液を得ることができる。ここで、上記重合体混合物の溶液を合成するために用いるパーオキサイド系開始剤の量は、生成した重合体混合物の重量に基づいて通常0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。また、生成した重合体混合物のTHF可溶分の分子量は、重量平均分子量で5,000〜20万である。
【0025】
次いで、上記重合体混合物を重合体混合物に対し重量で5倍量のトルエンに溶解し、可溶分をトルエンに対し10倍量のアセトン中に滴下し、得られた沈澱を乾燥することにより、グラフト重合体を分別することができる。通常、重合体混合物の重量に基づき2〜60重量%のグラフト重合体が得られる。また重合体混合物のDSCによる融解熱測定で125〜150℃に吸熱ピークが現れる。
【0026】
本発明における補助樹脂組成物のガラス転移点(Tg)は、通常40℃≦Tg≦70℃であり、好ましくは50℃≦Tg≦65℃である。Tgが40℃未満では保存性が低下することがあり、Tgが70℃以上では定着下限温度が高くなることがある。Tgは、グラフト重合する際に用いるスチレン系モノマー(A)、アクリル系モノマー(B)および必要により加えられる他のビニルモノマー(C)の種類や比率により調整することができる。
【0027】
また、補助樹脂組成物のGPCで測定される数平均分子量(Mn)は、2,000〜2万、重量平均分子量(Mw)は5万〜50万、分子量分布{重量平均分子量と数平均分子量の比率(Mw/Mn)で表示される}は高温オフセットと定着下限温度のバランスからみて、20以上、特に30以上であることが好ましい。分子量、分子量分布は上記(2)の重合体混合物を得る際の重合温度、開始剤の量等の重合条件により調整できる。
【0028】
本発明のトナーにおける各成分の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、着色剤は2〜10重量部の範囲とすることが好ましく、ワックスは、0.5〜4重量部の範囲とすることが好ましい。また、補助樹脂組成物の配合量は結着樹脂100重量部に対して10重量部以下とすることができるが、後記する式(I)ないし(VI)の範囲とすることが好ましい。
【0029】
本発明のトナーは、上記成分の他に、通常トナーに使用される成分、例えば、滑剤、研磨剤、流動性付与剤、導電性付与剤、現像性向上剤等を含有することができる。また、本発明のトナーには、従来公知の正あるいは負の荷電制御剤の全てを利用することができる。さらに、本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合には、磁性体微粒子を含有せしめることもできる。該磁性体微粒子としては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、γ−Fe、フェライトなどの合金や化合物が使用できる。これらの磁性体微粒子は、着色剤としての機能を兼ねそなえるものであってもよい。
【0030】
本発明トナーを製造は、常法に従い、上記必須成分および任意成分を混合、溶融混練後、得られた混練物を粒子状に粉砕し、この粒子を分級することにより行われる。
【0031】
本発明の実施態様の一例としては、滑剤効果を高め、低温定着を実現するために、ワックス成分として、低分子量ポリエチレンを使用することが好ましい。また、ワックス分散効果を高め、ワックスの使用量を低減するために、ワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中のワックス成分がポリエチレンであることが好ましい。さらに、ワックスとしての低分子量ポリエチレンとワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中のポリエチレンが同一のものであることが好ましい。またさらに、低分子量ポリエチレンの添加量とワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中の低分子量ポリエチレンの添加量およびワックス分散効果を有する補助樹脂組成物の添加量は、下記式(I)より求められるものであることが好ましい。
【0032】
【数4】
A=ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量B=補助樹脂組成物の添加量C=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量(ただし、ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量および補助樹脂組成物の添加量は結着樹脂100重量部としたときの重量部である。また、補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレン添加量は、ワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部である。)
【0033】
特に結着樹脂としてポリエステルを使用した場合は、低分子量ポリエチレンの添加量とワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中の低分子量ポリエチレンの添加量およびワックス分散効果を有する補助樹脂組成物の添加量は、下記式(II)より求められるものである。
【0034】
【数5】
A=ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量B=補助樹脂組成物の添加量C=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量(ただし、ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量および補助樹脂組成物の添加量は、ポリエステル樹脂100重量部としたときの重量部である。また、補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量は、ワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部である。)
【0035】
本発明の別の実施態様においては、ワックスとして、耐オフセット効果の高い低分子量ポリプロピレンを使用することが好ましい。また、ワックス分散効果を高め、ワックスの使用量を低減するために、ワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中のワックス成分がプロピレンであることが好ましい。さらには、ワックスとしての低分子量ポリプロピレンとワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中のポリプロピレンが同一のものであることが好ましい。またさらに、ワックスとしての低分子量ポリプロピレンの添加量とワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中の低分子量ポリプロピレンの添加量およびワックス分散効果を有する補助樹脂組成物の添加量は下記式(III)より求められるものであることが好ましい。
【0036】
【数6】
D=ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量B=補助樹脂組成物の添加量E=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量(ただし、ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量および補助樹脂組成物の添加量は結着樹脂100重量部としたときの重量部である。また、補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量はワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部である。)
【0037】
特に結着樹脂としてポリエステルを使用した場合は、ワックスとしての低分子量ポリプロピレンの添加量とワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中の低分子量ポリプロピレンの添加量およびワックス分散効果を有する補助樹脂組成物の添加量は下記式(IV)より求められるものである。
【0038】
【数7】
D=ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量B=補助樹脂組成物の添加量E=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量(ただし、ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量および補助樹脂組成物の添加量はポリエステル樹脂100重量部としたときの重量部である。また、補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリプロピレン添加量はワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部である。)
【0039】
本発明のさらに別の実施態様においては、ワックスとして低分子量ポリエチレンと低分子量ポリプロピレンを使用するとともに、ワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中のワックス成分として、ポリエチレンおよびポリプロピレン(より好ましくは、ワックスと同じ低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレン)を用いることが好ましい。また、ワックスとしての低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量と、ワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中の低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量並びにワックス分散効果を有する補助樹脂組成物の添加量は、下記式(V)より求められるものであることが好ましい。
【0040】
【数8】
A=ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量B=補助樹脂組成物の添加量C=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量D=ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量E=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量(ただし、ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量並びに補助樹脂組成物の添加量は、結着樹脂を100重量部としたときの重量部である。また、補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量は、ワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部である。)
【0041】
特に結着樹脂としてポリエステルを使用した場合は、ワックスとしての低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量と、ワックス分散効果を有する補助樹脂組成物中の低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量並びにワックス分散効果を有する補助樹脂組成物の添加量は、下記式(VI)より求められるものである。
【0042】
【数9】
A=ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量B=補助樹脂組成物の添加量C=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンの添加量D=ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量E=補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリプロピレンの添加量(ただし、ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量並びに補助樹脂組成物の添加量は、ポリエステル樹脂を100重量部としたときの重量部である。また、補助樹脂組成物中に含まれる低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの添加量は、ワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部である。)
【0043】
【作用】
トナー中に含有せしめるワックスは、普通ではトナー結着樹脂と相溶しないために結着樹脂中に粒状乃至球形の形態で相分離した状態で存在している。そして、ワックス自体の有する溶融粘度、融点、および結着樹脂と混合して溶融混練する際の混練条件等により、相分離したワックスの分散状態が変化し、この分散状態の変化が、トナーの表面性や荷電性に大きな影響を及ぼすと考えられる。本発明においては、ワックスの分散を補助する補助樹脂組成物を用いてトナー粒子中のワックスの分散平均粒子径を制御することにより、従来のトナーにかかわる前述のOPC感光体へのフィルミングや帯電性能などの各種問題点が一挙に解決できた。
【0044】
従って、本発明の電子写真用トナーは、感光体上にワックスの固着、フィルミングに伴う画像流れ等が発生せず、荷電不良に伴う画像不良を生じない、ワックスが高分散されたトナーであり、さらに高温高湿環境下においてもワックスの固着、フィルミングが生せず、あるいは荷電不良に伴う画像不良を生じないトナーであり、特に熱ローラー定着方式に適用した場合でも良好な定着性と良好な耐オフセット性を発揮するトナーである。また、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合であっても、上記の諸特性は維持される。
【0045】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらにより制約されるものではない。
【0046】
<補助樹脂組成物Aの合成>
ステンレス製加圧反応器にトルエン50重量部と軟化点120℃のポリエチレン系樹脂{クラリアントジャパン(株)製、PE−130(数平均分子量:2500〜3000)}25重量部を投入し、常圧下で110℃まで昇温し、トルエンを還流させる。スチレン83重量部、2−エチルヘキシルアクリレート17重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部とベンゾイルパーオキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下し、さらに同温度で1時間保持し、グラフト重合体、スチレン・アクリル系樹脂混合物のトルエン溶液を得たのち、トルエンを留去して本発明の補助樹脂組成物Aを得た。この補助樹脂組成物中のポリエチレン含有量は、25重量部(ワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部)である。
【0047】
<補助樹脂組成物Bの合成>
ステンレス製加圧反応器にキシレン40重量部と軟化点152℃のポリプロピレン系樹脂{三洋化成(株)製、ビスコール550P(数平均分子量:4000)}20重量部を投入し、容器内を十分窒素置換した後、密閉下で170℃まで昇温する。この温度でスチレン80重量部、n−ブチルアクリレート12重量部、メチルメタアクリレート8重量部、ジt−ブチルパーオキサイド1重量部の混合液を4時間かけて滴下し、さらに170℃で1時間保持し、グラフト重合体、スチレン(メタ)アクリル系樹脂混合物のキシレン溶液を得たのち、キシレンを留去して本発明の補助樹脂組成物Bを得た。この補助樹脂組成物中のポリプロピレン含有量は、20重量部(ワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部)である。
【0048】
<補助樹脂組成物Cの合成>
ステンレス製加圧反応器にキシレン40重量部と軟化点120℃のポリエチレン系樹脂{クラリアントジャパン(株)製、PE−130}12重量部と、軟化点152℃のポリプロピレン系樹脂{三洋化成(株)製、ビスコール550P}8重量部を投入し、容器内を十分窒素置換した後、密閉下で170℃まで昇温する。この温度でスチレン80重量部、n−ブチルアクリレート12重量部、メチルメタアクリレート8重量部、ジt−ブチルパーオキサイド1重量部の混合液を4時間かけて滴下し、さらに170℃で1時間保持し、グラフト重合体、スチレン(メタ)アクリル系樹脂混合物のキシレン溶液を得たのち、キシレンを留去して本発明の補助樹脂組成物Cを得た。この補助樹脂組成物中のポリエチレン含有量は12重量部、ポリプロピレン含有量は8重量部(いずれもワックス成分以外の補助樹脂組成物を100重量部としたときの重量部)である。
【0049】
実施例1
(1)トナーの原料 ビスフェノールAタイプポリエステル樹脂 100重量部 ポリエチレンワックス{クラリアントジャパン(株)製、PE−130}2重量部 補助樹脂組成物A l.2重量部 カーボンブラック{三菱化学(株)製、MA−100S}6重量部 帯電制御剤{保土ヶ谷化学(株)製、Spilon Black TRH} 1.5重量部
【0050】
(2)トナーの製造上記のトナー原料をヘンシェルタイプのミキサーで乾式混合し、2軸押出混練機を用いて溶融混練し、圧延冷却装置にて混練溶融物を冷却固化した。続いて、冷却固化物をフェザーミルにて粗粉砕し、ジェット気流式微粉砕機にて粉砕し、風力分級機にて体積平均粒子径約9μmの未表面処理トナーとした。ここで得られたトナーと0.5wt%の疎水性コロイダルシリカ微粉末(R−972、日本アエロジル製)をブレンダーにて表面処理した物をシャープ製電子写真装置(AR−335)を用いて10,000枚のランニングテストを常温常湿(20℃/50%)及び高温高湿(35℃/85%)の各環境にて行い、擦れによる画像汚れ(低温定着性)、高温高湿下での画質不良(クレスト)、感光体へのフィルミングについて評価し、後記表1の結果を得た。なお、表中に記載した記号は以下の評価内容を示す(後記表2〜3において同じ)。
◎:極めて良好○:良好△:やや不良(ただし、連続コピー枚数が少ない段階では良好)×:不良また、表1〜3において、「補助樹脂組成物の添加量」は、結着樹脂を100重量部としたときの重量部である。
【0051】
実施例2
補助樹脂組成物Aの添加量を2.7重量部とする以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
【0052】
比較例1
補助樹脂組成物Aの添加量を0.6重量部とする以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
【0053】
比較例2
補助樹脂組成物Aの添加量を3.0重量部とする以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
【0054】
比較例3
補助樹脂組成物Aを添加しない以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例3
(1)トナーの原料 ビスフェノールAタイプポリエステル樹脂 100重量部 ポリプロピレン系樹脂{三洋化成(株)製、ビスコール550P}1.5重量部 補助樹脂組成物B 0.6重量部 カーボンブラック{三菱化学(株)製、MA−77} 5重量部 帯電制御剤{保土ヶ谷化学(株)製、Spilon Black TRH}1.5重量部
【0057】
(2)トナーの製造上記のトナー原料をヘンシェルタイプのミキサーで乾式混合し、2軸押出混練機を用いて溶融混練し、圧延冷却装置にて混練溶融物を冷却固化した。続いて、冷却固化物をフェザーミルにて粗粉砕し、ジェット気流式微粉砕機にて粉砕し、風力分級機にて体積平均粒子径約9μmの未表面処理トナーとした。ここで得られたトナーと0.5wt%の疎水性コロイダルシリカ微粉末(R−972、日本アエロジル製)をブレンダーにて表面処理した物をシャープ製電子写真装置(AR−335)を用いて10,000枚のランニングテストを常温常湿(20℃/50%)及び高温高湿(35℃/85%)の各環境にて行い、ホットオフセット、高温高湿下での画質不良(クレスト)、感光体へのフィルミングについて評価し、後記表2の結果を得た。
【0058】
実施例4
補助樹脂組成物Bの添加量を0.4重量部とする以外は、実施例3と同様に行い、表2の結果を得た。
【0059】
実施例5
補助樹脂組成物Bの添加量を2.4重量部とする以外は実施例3と同様に行い、表2の結果を得た。
【0060】
比較例4
補助樹脂組成物Bの添加量を0.3重量部とする以外は実施例3と同様に行い、表2の結果を得た。
【0061】
比較例5
補助樹脂組成物Bの添加量を2.6重量部とする以外は実施例11と同様に行い、表5の結果を得た。
【0062】
比較例6
補助樹脂組成物Bを添加しない以外は実施例3と同様に行い、表2の結果を得た。
【0063】
【表2】
【0064】
実施例6
(1)トナーの原料 ビスフェノールAタイプポリエステル樹脂 100重量部 ポリエチレンワックス{クラリアントジャパン(株)製、PE−130}1重量部 ポリプロピレン系樹脂{三洋化成(株)製、ビスコール550P}1.5重量部 補助樹脂組成物C l.5重量部 カーボンブラック{三菱化学(株)製、MA−77} 5重量部 帯電制御剤{保土ヶ谷化学(株)製、Spilon Black TRH} 1.5重量部
【0065】
(2)トナーの製造上記のトナー原料をへンシェルタイプのミキサーで乾式混合し、2軸押出混練機を用いて溶融混練し、圧延冷却装置にて混練溶融物を冷却固化した。続いて、冷却固化物をフェザーミルにて粗粉砕し、ジェット気流式微粉砕機にて粉砕し、風力分級機にて体積平均粒子径約9μmの未表面処理トナーとした。ここで得られたトナーと0.5wt%の疎水性コロイダルシリカ微粉末(R−972、日本アエロジル製)をブレンダーにて表面処理した物をシャープ製電子写真装置(AR−335)を用いて10,000枚のランニングテストを常温常湿(20℃/50%)及び高温高湿(35℃/85%)の各環境にて行い、擦れによる画像汚れ(低温定着性)、ホットオフセット、高温高湿下での画質不良(クレスト)、感光体へのフィルミングについて評価し、後記表3の結果を得た。
【0066】
実施例7
補助樹脂組成物Cの添加量を1.3重量部とする以外は実施例6と同様に行い、表3の結果を得た。
【0067】
実施例8
補助樹脂組成物Cの添加量を4.4重量部とする以外は実施例6と同様に行い、表3の結果を得た。
【0068】
比較例7
補助樹脂組成物Cの添加量を0.9重量部とする以外は実施例6と同様に行い、表3の結果を得た。
【0069】
比較例8
補助樹脂組成物Cの添加量を4.6重量部とする以外は実施例6と同様に行い、表3の結果を得た。
【0070】
比較例9
補助樹脂組成物Cを添加しない以外は実施例6と同様に行い、表3の結果を得た。
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】
<請求項1記載の発明の効果>
本発明では、補助樹脂組成物により、ワックスの分散が制御可能となるため、粉砕時のワックスの遊離などを軽減し、電子写真装置におけるフィルミングや画像不良を誘発しないトナーを提供できる。
【0073】
<請求項1記載の発明の効果>
本発明では、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用しながら、ポリエチレンを構成要素とする補助樹脂組成物と低分子量ポリエチレンを含有するワックスとの組み合わせにより、さらに滑剤効果の高い低分子量ポリエチレンの分散が制御可能となるため、粉砕時のワックスの遊離などを軽減し、電子写真装置におけるフィルミングや画像不良を誘発しないトナーを提供できる。
【0074】
<請求項2記載の発明の効果>
本発明では、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用しながら、ポリプロピレンを構成要素とする補助樹脂組成物と低分子量ポリプロピレンを含有するワックスとの組み合わせにより、さらに耐オフセット性の高い低分子量ポリプロピレンの分散が制御可能となるため、粉砕時のワックスの遊離などを軽減し、電子写真装置におけるフィルミングや画像不良を誘発しないトナーを提供できる。
【0075】
<請求項3記載の発明の効果>
本発明では、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用しながら、ポリエチレンおよびポリプロピレンを構成要素とする補助樹脂組成物と、低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンを含有するワックスとの組み合わせにより、さらに滑剤効果の高い低分子量ポリエチレンおよび耐オフセット性の高い低分子量ポリプロピレンの分散が制御可能となるため、粉砕時のワックスの遊離などを軽減し、電子写真装置におけるフィルミングや画像不良を誘発しないトナーを提供できる。
Claims (4)
- 少なくとも、着色剤と結着樹脂と数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリエチレンのワックスとワックス分散効果を有する補助樹脂組成物を含有するトナーにおいて、該補助樹脂組成物は、数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリエチレンのワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体、及びスチレン・アクリル系樹脂との混合物であり、前記結着樹脂100重量部としたときに、前記着色剤は2〜10重量部の範囲で含まれ、また前記ワックス中に含まれる低分子量ポリエチレン重量部をAとし、且つ前記補助樹脂組成物の添加重量部をBとし、また、前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、前記補助樹脂組成物中のワックス成分以外の成分を100重量部としたときの前記補助樹脂組成物中に含まれる前記ワックス成分の重量部をCとすると、下記式(II)を満たすと共に、前記結着樹脂100重量部に対して、前記Aが0.5〜4重量部の範囲にあり且つ前記Bが10重量部以下である電子写真用トナー。
- 少なくとも、着色剤と結着樹脂と数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリプロピレンのワックスとワックス分散効果を有する補助樹脂組成物を含有するトナーにおいて、該補助樹脂組成物は、数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリプロピレンのワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体、及びスチレン・アクリル系樹脂との混合物であり、前記結着樹脂100重量部としたときに、前記着色剤は2〜10重量部の範囲で含まれ、前記ワックス中に含まれる低分子量ポリプロピレン重量部をDとし、且つ前記補助樹脂組成物の添加重量部をBとし、また、前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、前記補助樹脂組成物中のワックス成分以外の成分を100重量部としたときの前記補助樹脂組成物中に含まれる前記ワックス成分の重量部をEとすると、下記式(IV)を満たすと共に、前記結着樹脂100重量部に対して、前記Dが0.5〜4重量部の範囲にあり且つ前記Bが10重量部以下である電子写真用トナー。
- 少なくとも、着色剤と結着樹脂と数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリエチレン及び数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリプロピレンのワックスとワックス分散効果を有する補助樹脂組成物を含有するトナーにおいて、該補助樹脂組成物は、数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリエチレン及び数平均分子量が20000以下にある低分子量ポリプロピレンのワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体、及びスチレン・アクリル系樹脂との混合物であり、前記結着樹脂100重量部としたときに、前記着色剤は2〜10重量部の範囲で含まれ、前記ワックス中に含まれる、低分子量ポリエチレン重量部をA、及び低分子量ポリプロピレン重量部をDとし、且つ前記補助樹脂組成物の添加重量部をBとし、また、前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、前記補助樹脂組成物中のワックス成分以外の成分を100重量部としたときの前記補助樹脂組成物中に含まれる前記ワックス成分の低分子量ポリエチレンの重量部をCとし、且つ低分子量ポリプロピレンの重量部をEとすると、下記式(VI)を満たすと共に、前記結着樹脂100重量部に対して、前記A及びDの合計量が0.5〜4重量部の範囲にあり且つ前記Bが10重量部以下である電子写真用トナー。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のトナーを用いた画像形成装置。
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