JP5275157B2 - トナー用分散剤、トナー用樹脂組成物、及びトナー用樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

トナー用分散剤、トナー用樹脂組成物、及びトナー用樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー用分散剤、トナー用樹脂組成物、及びトナー用樹脂組成物の製造方法に関する。
従来、オフセット現象やフィルミングを防止する方法として、トナー中にワックスを含有しトナー自体に離型性を持たせる方法がある。この場合、トナー内部におけるワックスの分散状態は、トナーの性質に重大な影響を及ぼすため微細かつ均一であることが望まれる。例えば、特許文献1には、ワックスを微細かつ均一に分散させることによってトナーの低温定着性と耐高温オフセット性を良好にする技術が開示されている。
特開2005−157343号公報
しかしながら、かかる特許文献記載の技術によっても、トナー内部に分散されたワックスの微粒子化、均一分散性において改善の余地があった。
本発明の目的は、媒体中にトナー用ワックスを分散させるために用いられる分散剤であって、下記一般式(1)で表される数平均分子量が2.5×10以下の末端分岐型共重合体よりなるトナー用分散剤を用いることにより、トナー内部においてワックスを均一かつ微細に分散させるトナー用分散剤、それを用いたトナー用樹脂組成物及びトナー用樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]媒体中にトナー用ワックスを分散させるために用いられる分散剤であって、下記一般式(1)で表される数平均分子量が2.5×10以下の末端分岐型共重合体よりなるトナー用分散剤。
(式中、Aはポリオレフィン鎖を表す。RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。XおよびXは、同一または相異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表す。)
[2]一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、XおよびXが、同一または相異なり、一般式(2)
(式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表す。Xはポリアルキレングリコール基、または下記一般式(3)
(式中、Rはm+1価の炭化水素基を表す。Gは同一または相異なり、−OX、−NX(X〜Xはポリアルキレングリコール基を表す。)で表される基を表す。mは、RとGとの結合数であり1〜10の整数を表す。)で表される基を表す。)
または、一般式(4)
(式中、X,Xは同一または相異なり、ポリアルキレングリコール基または上記一般式(3)で表される基を表す。)である[1]に記載のトナー用分散剤。
[3]一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、XまたはXのどちらか一方が下記一般式(5)
(式中、X、X10は同一または相異なり、それぞれポリアルキレングリコール基を表す。Q、Qは同一または相異なり、それぞれ2価のアルキレン基を表す。)である[1]または[2]に記載のトナー用分散剤。
[4]一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、X、Xの少なくともいずれか一方が、一般式(6)
(式中、X11はポリアルキレングリコール基を表す。)である[1]乃至[3]のいずれかに記載のトナー用分散剤。
[5]末端分岐型共重合体が下記一般式(1a)で表される[1]乃至[4]のいずれかに記載のトナー用分散剤;
(式中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子であり、RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。l+mは2以上450以下の整数を表す。nは、20以上300以下の整数を表す。)。
[6]末端分岐型共重合体が下記一般式(1b)で表される[1]乃至[4]のいずれかに記載のトナー用分散剤;
(式中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子であり、RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子であり、R10およびR11は、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。l+m+oは3以上450以下の整数を表す。nは、20以上300以下の整数を表す。)。
[7][1]乃至[6]のいずれかに記載のトナー用分散剤と、ワックスと、バインダー樹脂と、を含有するトナー用樹脂組成物。
[8]前記ワックスの平均粒径が0.01μm以上3μm以下である[7]に記載のトナー用樹脂組成物。
[9][1]乃至[6]のいずれかに記載のトナー用分散剤を用いて、媒体中にワックスを分散させる工程を有するトナー用樹脂組成物の製造方法。
[10]前記媒体が、前記バインダー樹脂、または前記バインダー樹脂を溶解する有機溶剤である[9]に記載のトナー用樹脂組成物の製造方法。
実施例1で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 比較例1で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 実施例2で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 比較例2で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 実施例3で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 比較例3で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 実施例4で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。 比較例4で作製した樹脂組成物のTEM像を示す。
本発明のトナー用分散剤は、一般式(1)で表される構造を有する末端分岐型共重合体のAで表されるポリオレフィン鎖部分が内方向に配向し、この重合体粒子中にワックスが内包された状態で、トナー中に分散させるものである。
以下、本発明における末端分岐型共重合体について説明する。
[末端分岐型共重合体]
本発明で用いる末端分岐型共重合体は、下記の一般式(1)で表される構造を有する。
(式中、Aはポリオレフィン鎖を表す。RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子であり、XおよびXは、同一または相異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表す。)
一般式(1)で表される末端分岐型共重合体の数平均分子量は2.5×10以下、好ましくは5.5×10〜1.5×10、より好ましくは8×10〜4.0×10である。その数平均分子量は、Aで表されるポリオレフィン鎖の数平均分子量と、XおよびXで表されるポリアルキレングリコール基の数平均分子量と、R,RおよびCH分の分子量の和で表される。
末端分岐型共重合体の数平均分子量が上記範囲にあると、ワックスの分散性が良好となる傾向があり好ましい。
一般式(1)のAで表されるポリオレフィン鎖は、炭素数2〜20のオレフィンを重合したものである。炭素数2〜20のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンが挙げられる。本発明においては、これらのオレフィンの単独重合体又は共重合体であってもよく、特性を損なわない範囲で他の重合性の不飽和化合物と共重合したものであってもよい。これらのオレフィンの中でも特にエチレン、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
一般式(1)中、Aで表されるポリオレフィン鎖の、GPCにより測定された数平均分子量は、400〜8000であり、好ましくは500〜4000、さらに好ましくは500〜2000である。ここで数平均分子量はポリスチレン換算の値である。
Aで表されるポリオレフィン鎖の数平均分子量が上記範囲にあると、ポリオレフィン部分の疎水度が適切となり、ワックスとの親和性が高まるため、ワックスの分散性が良好となる。
一般式(1)においてAで表されるポリオレフィン鎖の、GPCにより測定された重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、すなわち分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限はなく、通常1.0〜数十であるが、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.0以下である。
一般式(1)においてAで表される基の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲にあると、分散されたワックスの粒子の形状や粒子径の均一性などの点で好ましい。
GPCによる、Aで表される基の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、ミリポア社製GPC−150を用い以下の条件の下で測定できる。
分離カラム:TSK GNH HT(カラムサイズ:直径7.5mm,長さ:300mm)
カラム温度:140℃
移動相:オルトジクロルベンゼン(和光純薬社製)
酸化防止剤:ブチルヒドロキシトルエン(武田薬品工業社製)0.025質量%
移動速度:1.0ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:500マイクロリットル
検出器:示差屈折計
なお、Aで表されるポリオレフィン鎖の分子量は、後述の、一方の末端に不飽和基を有するポリオレフィンの分子量を測定し、末端の分子量相当を差し引くことで測定できる。
,Rとしては、Aを構成するオレフィンの2重結合に結合した置換基である水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
一般式(1)において、X,Xは同一または相異なり、直鎖または分岐の数平均分子量がそれぞれ50〜10000のポリアルキレングリコール基を表す。分岐アルキレングリコール基の分岐態様は、多価の炭価水素基あるいは窒素原子を介した分岐等である。例えば、主骨格の他に2つ以上の窒素原子または酸素原子または硫黄原子に結合した炭化水素基による分岐や、主骨格の他に2つのアルキレン基と結合した窒素原子による分岐等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール基の数平均分子量が上記範囲にあると、バインダー樹脂との親和性が高まり、ワックスの分散性が良好となる。
一般式(1)のX,Xが上記の構造を有することにより、バインダー樹脂中でのワックスの分散性を向上させる末端分岐型共重合体が得られる。
一般式(1)において、XおよびXの好ましい例としては、それぞれ同一または相異なり、一般式(2)、
(式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表し、Xはポリアルキレングリコール基、または下記一般式(3)
(式中、Rはm+1価の炭化水素基を表し、Gは同一または相異なり、−OX、−NX(X〜Xはポリアルキレングリコール基を表す。)で表される基を表し、mはRとGとの結合数であり1〜10の整数を表す。)で表される基を表す。)
または、一般式(4)
(式中、X,Xは同一または相異なり、ポリアルキレングリコール基または上記一般式(3)で表される基を表す。)で表される基である。
一般式(3)において、Rで表される基としては、炭素数1〜20のm+1価の炭化水素基である。mは1〜10であり、1〜6が好ましく、1〜2が特に好ましい。
一般式(1)の好ましい例としては、一般式(1)中、X、Xのどちらか一方が、一般式(4)で表される基である末端分岐型共重合体が挙げられる。さらに好ましい例としては、X、Xのどちらか一方が一般式(4)で表され、他方が、一般式(2)で表される基である末端分岐型共重合体が挙げられる。
一般式(1)の別の好ましい例としては、一般式(1)中、XおよびXの一方が、一般式(2)で表される基であり、さらに好ましくはXおよびXの両方が一般式(2)で表される基である末端分岐型共重合体が挙げられる。
一般式(4)で表されるXおよびXのさらに好ましい構造としては、一般式(5)
(式中、X、X10は同一または相異なり、それぞれポリアルキレングリコール基を表し、Q、Qは同一または相異なり、それぞれ2価の炭化水素基を表す。)で表される基である。
一般式(5)においてQ、Qで表される2価の炭化水素基は、2価のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜20のアルキレン基であることがより好ましい。炭素数2〜20のアルキレン基は、置換基を有していてもいなくてもよく、例えば、エチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、フェニルエチレン基、クロロメチルエチレン基、ブロモメチルエチレン基、メトキシメチルエチレン基、アリールオキシメチルエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。好ましいアルキレン基としては、炭化水素系のアルキレン基であり、特に好ましくは、エチレン基、メチルエチレン基であり、さらに好ましくは、エチレン基である。Q,Qは1種類のアルキレン基でもよく2種以上のアルキレン基が混在していてもよい。
一般式(2)で表されるXおよびXのさらに好ましい構造としては、一般式(6)
(式中、X11はポリアルキレングリコール基を表す。)で表される基である。
〜X11で表されるポリアルキレングリコール基とは、アルキレンオキシドを付加重合することによって得られる基である。X〜X11で表されるポリアルキレングリコール基を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中で、好ましくは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドである。より好ましくはプロピレンオキシド、およびエチレンオキシドであり、特に好ましくは、エチレンオキシドである。X〜X11で表されるポリアルキレングリコール基としては、これらのアルキレンオキシドの単独重合により得られる基でもよいし、もしくは2種以上の共重合により得られる基でもよい。好ましいポリアルキレングリコール基の例としては、ポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基、またはポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合により得られる基であり、特に好ましい基としては、ポリエチレングリコール基である。
一般式(1)においてX、Xが上記構造を有すると、バインダー樹脂へのワックスの分散性が良好となるため好ましい。
本発明で用いることができる末端分岐型共重合体としては、下記一般式(1a)または(1b)で表される重合体を用いることが好ましい。
(式中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。アルキル基としては、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。)
およびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。
l+mは2以上450以下、好ましくは5以上200以下の整数を表す。
nは、20以上300以下、好ましくは25以上200以下の整数を表す。
(式中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。アルキル基としては、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。)
およびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。R10およびR11は、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。
l+m+oは3以上450以下、好ましくは5以上200以下の整数を表す。
nは、20以上300以下、好ましくは25以上200以下の整数を表す。
一般式(1b)で表される重合体としては、下記一般式(1c)で表される重合体を用いることがさらに好ましい。
(式中、l+m+o、nは一般式(1b)と同様である。)
ポリエチレン鎖のエチレンユニット数(n)は、一般式(1)におけるポリオレフィン基Aの数平均分子量(Mn)をエチレンユニットの分子量で割ることにより算出した。また、ポリエチレングリコール鎖のエチレングリコールユニット総数(l+mもしくはl+m+o)は、ポリエチレングリコール基付加反応時の重合体原料と使用したエチレンオキシドとの重量比が、重合体原料とポリエチレングリコール基の数平均分子量(Mn)との比に同じであると仮定して算出した。
例えば、本実施例の合成例1で得られる末端分岐型共重合体(T−1)においては、重合体原料(I−1)と使用したエチレンオキシドの重量比が1:1であるため、重合体原料(I−1)のMn1223に対し、伸長したエチレングリコールユニットのMnも1223となる。これをエチレングリコールユニットの分子量で割ることにより、PEG鎖のエチレングリコールユニット総数(l+m+o)を算出することができる。
また、n、l+mもしくはl+m+oはH−NMRによっても測定することができる。例えば合成例1で得られる末端分岐型共重合体(T−1)においては、一般式(1)におけるポリオレフィン基Aの末端メチル基(シフト値:0.87ppm)の積分値を3プロトン分とした際の、ポリオレフィン基Aのメチレン基(シフト値:1.04−1.71ppm)の積分値およびPEGのアルキレン基(シフト値:3.10−4.16ppm)の積分値から算出することできる。
具体的には、メチル基の分子量は15、メチレン基の分子量は14、アルキレン基の分子量は44であることから、各積分値の値よりポリオレフィン基Aおよびアルキレン基の数平均分子量が計算できる。ここで得られたポリオレフィン基Aの数平均分子量をエチレンユニットの分子量で割ることによりnを、アルキレン基の数平均分子量をエチレングリコールユニットの分子量で割ることで、PEG鎖のエチレングリコールユニット総数(l+mもしくはl+m+o)を算出することができる。
ポリオレフィン基Aがエチレン―プロピレン共重合体よりなる場合は、IR、13C−NMRなどで測定できるプロピレンの含有率と、H−NMRにおける積分値の両者を用いることでnおよびl+mもしくはl+m+oを算出することができる。H−NMRにおいて、内部標準を用いる方法も有効である。
[末端分岐型共重合体の製造方法]
末端分岐型共重合体は、次の方法によって製造することができる。
最初に、目的とする末端分岐型共重合体中、一般式(1)で示されるAの構造に対応するポリマーとして、一般式(7)
(式中、Aは、炭素数2〜20のオレフィンの重合した数平均分子量が400〜8000の基、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子を表す。)で示される、片末端に二重結合を有するポリオレフィンを製造する。
このポリオレフィンは、以下の方法によって製造することができる。
(1)特開2000−239312号公報、特開2001−2731号公報、特開2003−73412号公報などに示されているようなサリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物を重合触媒として用いる重合方法。
(2)チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒を用いる重合方法。
(3)バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いる重合方法。
(4)ジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるチーグラー型触媒を用いる重合方法。
上記(1)〜(4)の方法の中でも、特に上記(1)の方法によれば、上記ポリオレフィンを収率よく製造することができる。上記(1)の方法では、上記サリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物の存在下で、前述したオレフィンを重合または共重合することで上記片方の末端に二重結合を有するポリオレフィンを製造することができる。
上記(1)の方法によるオレフィンの重合は、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれによっても実施できる。詳細な条件などは既に公知であり上記特許文献を参照することができる。
上記(1)の方法によって得られるポリオレフィンの分子量は、重合系に水素を存在させるか、重合温度を変化させるか、または使用する触媒の種類を変えることによって調節することができる。
次に、上記ポリオレフィンをエポキシ化して、すなわち上記ポリオレフィンの末端の二重結合を酸化して、一般式(8)で示される末端にエポキシ基を含有する重合体を得る。
(式中、A、RおよびRは前述の通り。)
かかるエポキシ化方法は特に限定されるものではないが、以下の方法を例示することができる。
(1)過ギ酸、過酢酸、過安息香酸などの過酸による酸化
(2)チタノシリケートおよび過酸化水素による酸化
(3)メチルトリオキソレニウム等のレニウム酸化物触媒と過酸化水素による酸化
(4)マンガンポルフィリンまたは鉄ポルフィリン等のポルフィリン錯体触媒と過酸化水素または次亜塩素酸塩による酸化
(5)マンガンSalen等のSalen錯体と過酸化水素または次亜塩素酸塩による酸化
(6)マンガン−トリアザシクロノナン(TACN)錯体等のTACN錯体と過酸化水素による酸化
(7)タングステン化合物などのVI族遷移金属触媒と相間移動触媒存在下、過酸化水素による酸化
上記(1)〜(7)の方法の中でも、活性面で特に(1)および(7)の方法が好ましい。
また、例えばMw400〜600程度の低分子量の末端エポキシ基含有重合体はVIKOLOXTM(登録商標、Arkema社製)を用いることができる。
上記方法で得られた一般式(8)で表される末端エポキシ基含有重合体に種々の反応試剤を反応させることにより、一般式(9)で表されるようなポリマー末端のα、β位に様々な置換基Y、Yが導入された重合体(重合体(I))を得ることが出来る。
(式中、A、RおよびRは前述の通り。Y、Yは同一または相異なり水酸基、アミノ基、または下記一般式(10a)〜(10c)を表す。)
(一般式(10a)〜(10c)中、Eは酸素原子または硫黄原子を表し、Rはm+1価の炭化水素基を表し、Tは同一または相異なり水酸基、アミノ基を表し、mは1〜10の整数を表す。)
例えば、一般式(8)で表される末端エポキシ基含有重合体を加水分解することにより、一般式(9)においてY、Yが両方とも水酸基である重合体が得られ、アンモニアを反応させることによりY、Yの一方がアミノ基、他方が水酸基の重合体が得られる。
また、一般式(8)で表される末端エポキシ基含有重合体と一般式(11a)で示される反応試剤Aとを反応させることにより、一般式(9)においてY、Yの一方が一般式(10a)に示される基で他方が水酸基の重合体が得られる。
(式中、E、R、T、mは前述の通りである。)
また、末端エポキシ基含有重合体と一般式(11b)、(11c)で示される反応試剤Bを反応させることにより、一般式(9)においてY、Yの一方が一般式(10b)または(10c)に示される基で他方が水酸基の重合体が得られる。
(式中、R、T、mは前述の通りである。)
一般式(11a)で示される反応試剤Aとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ブタントリオール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン等を挙げることができる。
一般式(11b)、(11c)で示される反応試剤Bとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノフェノール、ヘキサメチレンイミン、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジエチレントリアミン、N−(アミノエチル)プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、スペルミジン、スペルミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン等を挙げることができる。
エポキシ体とアルコール類、アミン類との付加反応は周知であり、通常の方法により容易に反応が可能である。
一般式(1)は一般式(9)で示される重合体(I)を原料として、アルキレンオキシドを付加重合することにより製造することができる。アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。これらの中で、好ましくは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドである。より好ましくはプロピレンオキシド、およびエチレンオキシドである。
触媒、重合条件などについては、公知のアルキレンオキシドの開環重合方法を利用することができ、例えば、大津隆行著,「改訂高分子合成の化学」,株式会社化学同人,1971年1月,p.172−180には、種々の単量体を重合してポリオールを得る例が開示されている。開環重合に用いられる触媒としては、上記文献に開示されたように、カチオン重合向けにAlCl、SbCl、BF、FeClのようなルイス酸、アニオン重合向けにアルカリ金属の水酸化物またはアルコキシド、アミン類、ホスファゼン触媒、配位アニオン重合向けにアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩、アルコキシドあるいは、Al、Zn、Feなどのアルコキシドを用いることができる。ここで、ホスファゼン触媒としては、例えば、特開平10−77289号公報に開示された化合物、具体的には市販のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)フォスフォラニリデンアミノ]フォスフォニウムクロリドのアニオンをアルカリ金属のアルコキシドを用いてアルコキシアニオンとしたものなどが利用できる。
反応溶媒を使用する場合は、重合体(I)、アルキレンオキシドに対して不活性なものが使用でき、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
触媒の使用量はホスファゼン触媒以外については原料の重合体(I)の1モルに対して、0.05〜5モルが好ましく、より好ましくは0.1〜3モルの範囲である。ホスファゼン触媒の使用量は、重合速度、経済性等の点から、重合体(I)の1モルに対して1×10−4〜5×10−1モルが好ましく、より好ましくは5×10−4〜1×10−1モルである。
反応温度は通常25〜180℃、好ましくは50〜150℃とし、反応時間は使用する触媒の量、反応温度、オレフィン類の反応性等の反応条件により変わるが、通常数分〜50時間である。
一般式(1)の数平均分子量は、前述の通り一般式(8)で示される重合体(I)の数平均分子量と、重合させるアルキレンオキシドの重量から計算する方法や、NMRを用いる方法により算出することができる。
[トナー用樹脂組成物]
本発明のトナー用分散剤を用いたトナー用樹脂組成物について以下に説明する。
本発明におけるトナー用樹脂組成物は、本発明におけるトナー用分散剤と、ワックスと、バインダー樹脂と、を含有する。
本発明に使用されるバインダー樹脂としては、下記のものが挙げられる。
例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂、上記樹脂以外のポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、架橋されたスチレン系共重合体などの樹脂が挙げられる。好ましい結着物質としては、ポリエステル樹脂もしくはスチレン系共重合体がある。上記のバインダー樹脂の低分子量体もしくは単量体を用い、トナー粒子を形成する過程で伸長反応もしくは重合反応を行ってもよい。
本発明におけるワックスとしては、通常トナーに添加されるものを用いることができ、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックスやパラフィン系ワックス;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪族エステル系ワックス;脱酸カルナバワックス;バルチミン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和脂肪族酸系ワックス;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪族酸系ワックス;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール系ワックスや脂肪族アルコール系ワックス;ソルビトール等の多価アルコール系ワックス;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド系ワックス;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド系ワックス;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和酸アミド系ワックス;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族ビスアミド系ワックス;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;スチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーをポリオレフィンにグラフト重合させたグラフト変性ワックス;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールとを反応させた部分エステルワックス;植物性油脂を水素添加して得られるヒドロキシル基を有するメチルエステルワックス;エチレン成分の含有割合が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体ワックス;アクリル酸等の飽和ステアリルアクリレートワックス等の長鎖アルキルアクリレートワックス;ベンジルアクリレートワックス等の芳香族アクリレートワックス、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。これらのワックスは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナー用樹脂組成物に含まれる上記ワックスの平均粒径は、良好なトナー特性を得る観点から、0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、均一分散性向上の観点から、3μm以下、より好ましくは2μm以下である。また、上記ワックスの最大粒径は、良好なトナー特性を得る観点から、5μm以下が好ましい。ワックスのトナー中における大きさは、例えば分散剤含有量を変更するなどの公知の方法により適宜調整できる。
なお、本発明においてワックスの平均粒径及び最大粒径は、次のようにして測定した値をいう。
本発明のトナー用樹脂組成物またはそれを用いたトナーの、40μm×60μmのTEM写真上でワックス粒子100個を任意に選出し、各ワックス粒子の粒径を算出した。そして、その平均値を算出し、ワックスの平均粒径とした。また、本発明のトナー用樹脂組成物またはそれを用いたトナーの、TEM写真上で40μm×60μmの領域を3箇所選定し、各領域におけるワックス粒子の最大の長さを算出した。そして、その平均値を算出し、ワックスの最大粒径とした。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いたトナーは、電荷調整剤、顔料などの着色剤、必要に応じて他の添加剤を内添あるいは外添で加えてもよい。電荷調整剤としては、公知の電荷調整剤を単独でまたは併用して用いることができる。電荷調整剤は、トナーを所望する荷電量とするに必要な量であればよく、例えばトナー用樹脂組成物100重量部に対して0.05〜10重量部程度とするのが好ましい。より詳細には、正荷電調整剤としては、例えばニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などが挙げられる。また、負荷電調整剤としては、Cr、Co、Al、Feなどの金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物などが挙げられる。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いたトナーにおいて用いることができる着色剤としては、従来のトナーの製造において用いられることが知られた着色剤がいずれも使用可能である。これら着色剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、種々のカーボンブラック、フタロシアニン系、ローダミン系、キナクリドン系、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾ系、ジアゾ系などの染顔料があげられる。着色剤は、単独で或いは2種以上を同時に使用することができる。これら着色剤の配合量は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いたトナーは、さらに必要に応じて滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等のトナーの製造に当たり使用されている公知の添加剤を内添、あるいは外添することができる。これら添加剤の例としては、滑剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などが、流動性改良剤としては、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが、研磨剤としては酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステンカーバイド、炭酸カルシウムなどが、導電性付与剤としてはカーボンブラック、酸化スズなどが挙げられる。また、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素含有重合体の微粉末は、流動性、研磨性、帯電安定性などの点から好ましいものである。
[トナー用樹脂組成物の製造方法]
以下、前記に説明した末端分岐型共重合体からなるトナー用分散剤を用いたトナー用樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明のトナー用樹脂組成物の製造方法は、本発明のトナー用分散剤を用いて、媒体中にワックスを分散させる工程を有する。媒体中にワックスを分散させる工程としては、バインダー樹脂を媒体とした場合、またはバインダー樹脂を溶解する有機溶剤を媒体とした場合などがある。
より具体的には、バインダー樹脂を媒体とした場合、まず本発明の末端分岐型共重合体からなるトナー用分散剤、バインダー樹脂、ワックス等の材料を、マイクロコンパウンダーや2軸混練機などの混練機を用いて溶解混練して、バインダー樹脂中にワックスを分散させる。混練温度は、バインダー樹脂が溶融する温度以上であればよく、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100℃〜160℃である。また、溶融混練に際しての材料の配合順序や溶融混練順序は任意であり、例えば、全材料を一括して配合し溶融混練してもよく、また各材料をそれぞれ別々に配合し溶融混練した後、得られた複数の混練物を一括して更に溶融混練してもよい。つづけて得られた溶融混練物を、そのまま押し出し、ストランド状、ペレット状、粉体状などの所望形状に押出成形する。その後、適宜粗粉砕した後さらにジェットミル等を用いて微粉砕し、エルボジェット等の分級機により分級して、所定の大きさのトナー粒子を得る。さらに、トナー特性の観点から、一般に用いられているシリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粉末を外添剤として外添して、トナーを製造する。
また、バインダー樹脂を溶解する有機溶剤を媒体とした場合は、まず本発明の末端分岐型共重合体からなるトナー用分散剤、バインダー樹脂、ワックス等の材料を、有機溶媒に溶解して樹脂溶液を作製する。つづけて、得られた樹脂溶液に水等を加え、水性媒体中に樹脂溶液を分散させる。加える順序は特に制限はなく、水相に樹脂溶液を加えて分散させてもよい。これにより、有機溶媒とバインダー樹脂は油滴として溶液中に分散する。さらに、加熱または減圧などによって有機溶媒を除去し、樹脂粒子を得る。その後乾燥し、上記と同様にして、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粉末を外添剤として外添して、トナーを製造する。
バインダー樹脂を溶解する有機溶媒としては、各材料が溶解するものであればよく、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
なお、上記の手法でトナーを製造する際、有機溶媒に溶解する際には比較的低分子量のバインダー樹脂を用い、水溶液中で油滴として分散させた後に伸長反応等によりバインダー樹脂の高分子量化を行ってもよい。また、重合性の単量体、重合開始剤、本発明の末端分岐型共重合体からなるトナー用分散剤、ワックス等の材料を均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物とした後、分散安定剤を含有する水性媒体中に適切な撹拌機を用いて分散し、重合反応を行うことにより、所望の粒径を持つトナー粒子懸濁液を得ることもできる。この懸濁液を乾燥し、外添剤を添加することによりトナーを製造できる。
本発明における分散化は、末端分岐型共重合体、バインダー樹脂、ワックス等の材料を有機溶媒に溶解した樹脂溶液を機械的せん断力により水に物理的に分散化する方法で行なうことができる。
分散化方法としては一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
分散化に要する時間は、分散化温度やその他の分散化条件によっても異なるが、1〜300分程度である。
上記の撹拌時間では分散化を十分に行うことができ、かつ前記のトナー用樹脂組成物が劣化しにくいため好ましい。得られた水性分散液から有機溶媒を除去する方法は特に限定されないが、ロータリーエバポレーター、フィルムエバポレーターなどを使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
<末端分岐型共重合体の合成例>
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用い、本文中に記載した方法で測定した。また、融点(Tm)はDSCを用い、測定して得られたピークトップ温度を採用した。なお、測定条件によりポリアルキレングリコール部分の融点も確認されるが、ここでは特に断りのない場合ポリオレフィン部分の融点のことを指す。H−NMRについては、測定サンプル管中で重合体を、例えばロック溶媒と溶媒を兼ねた重水素化−1,1,2,2−テトラクロロエタンに完全に溶解させた後、120℃において測定した。ケミカルシフトは、重水素化−1,1,2,2−テトラクロロエタンのピークを5.92ppmとして、他のピークのケミカルシフト値を決定した。電子顕微鏡(TEM)による樹脂の形状観察は以下の方法で行った。まず、試料を適切な大きさにトリミングし、四酸化ルテニウム染色ののち超薄切片を作成した。この試料をTEM(日立製作所社製H−7650)で100kVの条件にて観察した。樹脂の形状観察は光学顕微鏡(キーエンス社製;VH−Z450およびVH−7000)を用いて行った。樹脂の混練にはマイクロコンパウンダー(DSM社製;DSM−Xplore)を使用した。
[合成例1]
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T−1)の合成)
以下の手順(例えば、特開2006−131870号公報の合成例2参照)に従って、末端エポキシ基含有エチレン重合体(E−1)を合成した。
充分に窒素置換した内容積2000mlのステンレス製オートクレーブに、室温でヘプタン1000mlを装入し、150℃に昇温した。続いてオートクレーブ内をエチレンで30kg/cmG加圧し、温度を維持した。MMAO(東ソーファインケム社製)のヘキサン溶液(アルミニウム原子換算1.00mmol/ml)0.5ml(0.5mmol)を圧入し、次いで下記式の化合物のトルエン溶液(0.0002mmol/ml)0.5ml(0.0001mmol)を圧入し、重合を開始した。エチレンガス雰囲気下、150℃で30分間重合を行った後、少量のメタノールを圧入することにより重合を停止した。得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含む3リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、片末端二重結合含有エチレン系重合体(P−1)を得た。
500mlセパラブルフラスコに上記片末端二重結合含有エチレン系重合体(P−1)100g(Mn850として,ビニル基108mmol)、トルエン300g、NaWO0.85g(2.6mmol)、CH(nC17NHSO0.60g(1.3mmol)、およびリン酸0.11g(1.3mmol)を仕込み、撹拌しながら30分間加熱還流し、重合物を完全に溶融させた。内温を90℃にした後、30%過酸化水素水37g(326mmol)を3時間かけて滴下した後、内温90〜92℃で3時間撹拌した。その後、90℃に保ったまま25%チオ硫酸ナトリウム水溶液34.4g(54.4mmol)を添加して30分撹拌し、過酸化物試験紙で反応系内の過酸化物が完全に分解されたことを確認した。次いで、内温90℃でジオキサン200gを加え、生成物を晶析させ、固体をろ取しジオキサンで洗浄した。得られた固体を室温下、50%メタノール水溶液中で撹拌して、固体をろ取しメタノールで洗浄した。更に当該固体をメタノール400g中で撹拌して、ろ取しメタノールで洗浄した。室温、1〜2hPaの減圧下乾燥させることにより、末端エポキシ基含有エチレン重合体(E−1)の白色固体96.3gを得た(収率99%,オレフィン転化率100%)。
得られた末端エポキシ基含有エチレン重合体(E−1)は、Mw=2058、Mn=1118、Mw/Mn=1.84(GPC)であった。(末端エポキシ基含有率:90mol%)
H−NMR : δ(CCl) 0.88(t, 3H, J = 6.92 Hz), 1.18 − 1.66 (m), 2.38 (dd,1H, J = 2.64, 5.28 Hz), 2.66 (dd, 1H, J = 4.29, 5.28 Hz) 2.80−2.87 (m, 1H)
融点(Tm): 121℃
Mw=2058、Mn=1118、Mw/Mn=1.84(GPC)
1000mLフラスコに、末端エポキシ基含有エチレン重合体(E−1)84重量部、ジエタノールアミン39.4重量部、トルエン150重量部を仕込み、150℃にて4時間撹拌した。その後、冷却しながらアセトンを加え、反応生成物を析出させ、固体をろ取した。得られた固体をアセトン水溶液で1回、さらにアセトンで3回撹拌洗浄した後、固体をろ取した。その後、室温にて減圧下乾燥させることにより、重合体(I−1)(Mn=1223、一般式(9)においてA:エチレンの重合により形成される基(Mn=1075)、R=R=水素原子、Y、Yの一方が水酸基、他方がビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ基))を得た。
H−NMR : δ(CCl) 0.88 (t, 3H, J = 6.6 Hz), 0.95−1.92 (m), 2.38−2.85 (m, 6H), 3.54−3.71 (m, 5H)
融点 (Tm): 121℃
窒素導入管、温度計、冷却管、撹拌装置を備えた500mLフラスコに、重合体(I−1)20.0重量部、トルエン100重量部を仕込み、撹拌しながら125℃のオイルバスで加熱し、固体を完全に溶解した。90℃まで冷却後、予め5.0重量部の水に溶解した0.323重量部の85%KOHをフラスコに加え、還流条件で2時間混合した。その後、フラスコ内温度を120℃まで徐々に上げながら、水およびトルエンを留去した。さらに、フラスコ内にわずかな窒素を供給しながらフラスコ内を減圧とし、さらに内温を150℃まで昇温後、4時間保ち、フラスコ内の水およびトルエンをさらに留去した。室温まで冷却後、フラスコ内で凝固した固体を砕き、取り出した。
加熱装置、撹拌装置、温度計、圧力計、安全弁を備えたステンレス製1.5L加圧反応器に、得られた固体のうち18.0重量部および脱水トルエン200重量部を仕込み、気相を窒素に置換した後、撹拌しながら130℃まで昇温した。30分後、エチレンオキシド18.0重量部を加え、さらに5時間、130℃で保った後、室温まで冷却し、反応物を得た。得られた反応物より溶媒を乾燥して除き、末端分岐型共重合体(T−1)(Mn=2446、一般式(1)においてA:エチレンの重合により形成される基(Mn=1075)、R=R=水素原子、X、Xの一方がポリエチレングリコール、他方が一般式(5)で示される基(Q=Q=エチレン基、X=X10=ポリエチレングリコール))を得た。
H−NMR: δ(CCl) 0.87(3H, t, J= 6.8 Hz), 1.04 − 1.71 (m), 3.10 − 3.40 (m), 3.54 − 4.16 (m)
融点(Tm):27℃(ポリエチレングリコール)、118℃
[合成例2]
(ポリオレフィン系末端分岐型共重合体(T−2)の合成)
末端分岐型共重合体(T−1)100重量部と酢酸0.74重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度140℃、回転数100rpmで2分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、末端分岐型共重合体(T−2)を得た。
(ワックスの平均粒径及び最大粒径の測定方法)
40μm×60μmのTEM写真上でワックス粒子100個を任意に選出し、各ワックス粒子の粒径を算出した。そして、その平均値を算出し、ワックスの平均粒径とした。また、TEM写真上で40μm×60μmの領域を3箇所選定し、各領域におけるTEM写真上でワックス粒子の最大の長さを算出した。そして、その平均値を算出し、ワックスの最大粒径とした。
(トナー用樹脂組成物の調製A)
[実施例1]
ポリエステルレジン(三井化学社製XPE2587)100重量部に対しパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部、末端分岐型共重合体(T−2)1重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度120℃、回転数100rpmで5分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図1に示した。ワックスの平均粒径は0.6μm、最大粒径は2.5μmであった。
[実施例2]
スチレン−アクリルレジン(三井化学社製CPR300)100重量部に対しパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部、末端分岐型共重合体(T−2)1重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度120℃、回転数100rpmで5分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図3に示した。ワックスの平均粒径は0.2μm、最大粒径は0.8μmであった。
[実施例3]
ポリエステルレジン(三井化学社製XPE2587)100重量部に対しパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、カーボンブラック(キャボット社製Regal 330R)6重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部、末端分岐型共重合体(T−2)1重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度120℃、回転数100rpmで5分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図5に示した。ワックスの平均粒径は0.5μm、最大粒径は2.4μmであった。得られた樹脂組成物からトナーを作製した。
[比較例1]
ポリエステルレジン(三井化学社製XPE2587)100重量部に対しパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部、末端分岐型共重合体(T−2)1重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度120℃、回転数100rpmで5分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図2に示した。ワックスの平均粒径は1.5μm、最大粒径は13μmであった。
[比較例2]
スチレン−アクリルレジン(三井化学社製CPR300)100重量部に対しパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度120℃、回転数100rpmで5分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図4に示した。ワックスの平均粒径は0.3μm、最大粒径は5.5μmであった。
[比較例3]
ポリエステルレジン(三井化学社製XPE2587)100重量部に対しパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、カーボンブラック(キャボット社製Regal 330R)6重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部をマイクロコンパウンダーに加え、混練温度120℃、回転数100rpmで5分混練の後、回転数を保ったままストランド状に押し出し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図6に示した。ワックスの平均粒径は1.0μm、最大粒径は6.0μmであった。得られた樹脂組成物からトナーを作製した。
(トナー用樹脂組成物の調製B)
[実施例4]
窒素導入管、温度計、冷却管、撹拌装置を備えた200mLフラスコに、ポリエステルレジン(三井化学社製XPE2587)100重量部、パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部、末端分岐型共重合体(T−2)1重量部、酢酸エチル800重量部を加え、窒素雰囲気下還流条件で30分混合して酢酸エチル溶液(樹脂溶液1)を得た。1Lビーカーに蒸留水240重量部と界面活性剤(花王社製ペレックスSS−L)10重量部を加え、高速剪断撹拌装置(プライミクス社製T.K.ロボミックス)を用いて6000rpmで撹拌し、この水溶液中に撹拌を継続しながら上記で調製した樹脂溶液1を100重量部加えて1分間分散操作を行った。さらにロータリーエバポレーターを用いて脱溶剤し、得られた水性樹脂分散体をろ過、水洗、乾燥の後に樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒子径は光学顕微鏡による観察の結果、5μmから30μmであった。さらに、樹脂溶液1を減圧下にて乾燥し、得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図7に示した。ワックスの平均粒径は1.0μm、最大粒径は2.0μmであった。
[比較例4]
窒素導入管、温度計、冷却管、撹拌装置を備えた100mLフラスコに、ポリエステルレジン(三井化学社製XPE2587)100重量部、パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)5重量部、電荷調整剤(保土谷化学社製TN−105)0.5重量部、酢酸エチル800重量部を加え、窒素雰囲気下還流条件で30分混合して酢酸エチル溶液(樹脂溶液2)を得た。1Lビーカーに蒸留水240重量部と界面活性剤(花王社製ペレックスSS−L)10重量部を加え、高速剪断撹拌装置(プライミクス社製T.K.ロボミックス)を用いて6000rpmで撹拌し、この水溶液中に撹拌を継続しながら上記で調製した樹脂溶液2を100重量部加えて1分間分散操作を行った。しかし、乳化せずに水相と樹脂溶液が分離し、樹脂粒子は得られなかった。さらに、樹脂溶液2を減圧下にて乾燥し、得られた樹脂組成物についてTEM観察を行ったものを図8に示した。ワックスの平均粒径は1.8μm、最大粒径は5.2μmであった。
(評価)
図1(実施例1)と図2(比較例1)、図3(実施例2)と図4(比較例2)、図5(実施例3)と図6(比較例3)、図7(実施例4)と図8(比較例4)とをそれぞれ比較すると、いずれも末端分岐型共重合体(T−2)を含んだ樹脂組成物(図1,3,7)及びトナー(図5)の方が、ワックスの粒径が小さくまたワックス粒子が均一に分散していることが分かった。そのため、かかる樹脂組成物をバインダー樹脂として用いたトナーは、トナー中でのワックスの凝集やトナー表面への露出が低減されるため、トナーの保存性が向上できる。また、オフセット現象やフィルミングを抑制できるため、連続印刷に対応した耐久性を改善し、生産性を向上できる。特にカラー用のトナーでは、ワックス等のトナー材料を均一かつ微細に分散できるため、良好な透明性が得られる。

Claims (10)

  1. 媒体中にトナー用ワックスを分散させるために用いられる分散剤であって、下記一般式(1)で表される数平均分子量が2.5×10以下の末端分岐型共重合体よりなるトナー用分散剤。
    (式中、Aはポリオレフィン鎖を表す。RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。XおよびXは、同一または相異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表す。)
  2. 一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、XおよびXが、同一または相異なり、一般式(2)
    (式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表す。Xはポリアルキレングリコール基、または下記一般式(3)
    (式中、Rはm+1価の炭化水素基を表す。Gは同一または相異なり、−OX、−NX(X〜Xはポリアルキレングリコール基を表す。)で表される基を表す。mは、RとGとの結合数であり1〜10の整数を表す。)で表される基を表す。)
    または、一般式(4)
    (式中、X,Xは同一または相異なり、ポリアルキレングリコール基または上記一般式(3)で表される基を表す。)である請求項1に記載のトナー用分散剤。
  3. 一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、XまたはXのどちらか一方が下記一般式(5)
    (式中、X、X10は同一または相異なり、それぞれポリアルキレングリコール基を表す。Q、Qは同一または相異なり、それぞれ2価のアルキレン基を表す。)である請求項1または2に記載のトナー用分散剤。
  4. 一般式(1)で表される末端分岐型共重合体において、X、Xの少なくともいずれか一方が、一般式(6)
    (式中、X11はポリアルキレングリコール基を表す。)である請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー用分散剤。
  5. 末端分岐型共重合体が下記一般式(1a)で表される請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー用分散剤;
    (式中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子であり、RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。l+mは2以上450以下の整数を表す。nは、20以上300以下の整数を表す。)。
  6. 末端分岐型共重合体が下記一般式(1b)で表される請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー用分散剤;
    (式中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子であり、RおよびRは、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子であり、R10およびR11は、水素原子あるいはメチル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。l+m+oは3以上450以下の整数を表す。nは、20以上300以下の整数を表す。)。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー用分散剤と、ワックスと、バインダー樹脂と、を含有するトナー用樹脂組成物。
  8. 前記ワックスの平均粒径が0.01μm以上3μm以下である請求項7に記載のトナー用樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー用分散剤を用いて、媒体中にワックスを分散させる工程を有するトナー用樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記媒体が、前記バインダー樹脂、または前記バインダー樹脂を溶解する有機溶剤である請求項9に記載のトナー用樹脂組成物の製造方法。
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