JP6632229B2 - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法に関する。
樹脂粒子は、高い機能を有する粉体として幅広い分野で利用され、その機能を制御するために粒子径分布が狭い、単分散な樹脂粒子が広く求められている。近年、樹脂粒子の製造方法として、二酸化炭素を疎水性の分散媒として用いて樹脂粒子を製造する方法が提案されている。この方法では、高圧状態下で、液体状態または超臨界状態の二酸化炭素を分散媒として用いて樹脂粒子を作製した後、脱圧することで容易に樹脂粒子と分散媒を分離することができる。例えば、上記製造方法を溶解懸濁法に適応する場合では、以下のようにして樹脂粒子が得られる。すなわち、液体状態または超臨界状態の二酸化炭素中にて樹脂溶液による分散質滴の分散体を形成する液滴形成工程の後、さらに二酸化炭素を導入し、分散質滴中の有機溶媒を抽出して除去する脱溶剤工程を行うことで、樹脂粒子が得られる。この方法によれば、脱溶剤工程後に脱圧することで、得られた樹脂粒子を分散媒である二酸化炭素から容易に分離することが可能であり、洗浄工程、乾燥工程を必要とせず、省エネルギーかつ低コストでの製造が可能である。
また、溶解懸濁法において、安定的に樹脂粒子を製造するためには分散剤の使用が必須である。分散剤は、樹脂粒子及び、分散質滴と分散媒の界面に吸着することで、樹脂粒子及び、分散質滴の分散媒への分散を安定化する機能を有するものであり、脱溶剤工程を経るまで樹脂粒子及び液滴の分散状態を維持させる役割を担う。
特許文献1および2には、液体状態または超臨界状態の二酸化炭素を分散媒として用いる樹脂粒子の製造方法において、二酸化炭素に親和性を有するシリコーン含有ビニルモノマーを用いた微粒子分散剤を用いることが記載されている。
特開2010−132851号公報 特開2011−094135号公報
本発明者らは、特許文献1及び2の樹脂粒子の製造方法を検討したところ、樹脂粒子同士が二次凝集するなど、必ずしも良好な粒度分布の樹脂粒子が得られない場合があり、樹脂粒子同士の二次凝集の抑制と単分散性の向上に改善の余地があることが分かった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、樹脂粒子同士の二次凝集を抑制し、単分散性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することである。
本発明は、樹脂粒子を製造する方法であって、
該製造方法が、樹脂Rと溶剤Sと分散剤D1と分散剤D2を含む混合物Mに、疎水性溶剤Xを添加して該樹脂粒子を形成する工程を有し、
該樹脂Rは、該溶剤Sに可溶であり、且つ、該疎水性溶剤Xに不溶であり、該溶剤Sは、該疎水性溶剤Xよりも親水性が高く、
該分散剤D1は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
該分散剤D2は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
該分散剤D1及び該分散剤D2は、ケイ素原子を含み、
該分散剤D1に含まれるケイ素原子の質量分率をW1とし、該分散剤D2に含まれるケイ素原子の質量分率をW2としたとき、該W1及び該W2が、下記式(1)で示される関係を満たす
W1<W2 (1)
ことを特徴とする樹脂粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、樹脂粒子を製造する方法であって、
該製造方法が、
樹脂Rと溶剤Sと分散剤D1を含む混合物Mに、疎水性溶剤Xを添加する第一の工程、
分散剤D2を添加する第二の工程、及び
疎水性溶剤Xをさらに添加して該樹脂粒子を形成する第三の工程
を有し、
該樹脂Rは、該溶剤Sに可溶であり、且つ、該疎水性溶剤Xに不溶であり、
該溶剤Sは、該疎水性溶剤Xよりも親水性が高く、
該分散剤D1は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
該分散剤D2は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
該分散剤D1及び該分散剤D2は、ケイ素原子を含み、
該分散剤D1に含まれるケイ素原子の質量分率をW1とし、該分散剤D2に含まれるケイ素原子の質量分率をW2としたとき、該W1及び該W2が、下記式(1)で示される関係を満たす
W1<W2 (1)
ことを特徴とする樹脂粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、疎水性溶剤を分散媒に用いた樹脂粒子の製造方法において、樹脂粒子同士の二次凝集を抑制でき、単分散性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の分散剤を用いることによる分散相(分散質滴)の接触阻害効果を説明する模式図 排除体積効果による分散安定化メカニズムを説明する模式図 実施例で用いた高圧造粒容器を説明する模式図
本発明では、樹脂粒子を形成する工程には、大きく2つの方法が挙げられる。
1つ目の方法は、以下のようにして樹脂粒子が形成される。すなわち、樹脂Rと溶剤Sと分散剤D1と分散剤D2を含む混合物Mに、疎水性溶剤Xを添加して樹脂粒子を形成する工程である。任意の形状の樹脂Rを粒子状に制御する観点から、樹脂Rは混合物M中で溶解していることが好ましい。樹脂粒子を形成する工程は、溶解再析出法や溶解懸濁法を用いて樹脂粒子を形成することができる。溶解再析出法は、少量の混合物Mに多量の疎水性溶剤Xを添加し、瞬間的に樹脂粒子を析出させる方法である。溶解懸濁法は、混合物Mに所定量の疎水性溶剤Xを添加し、二相分離させ、せん断をかけることで、樹脂粒子Rと溶剤Sと疎水性溶剤Xを含む分散相Aと、溶剤Sと疎水性溶剤Xを含む連続相Bからなる懸濁液Cを形成し、さらに疎水性溶剤Xを添加して、分散相Aから溶剤Sを除去する方法である。また、溶解再析出法及び溶解懸濁法により樹脂粒子を作製するためには、溶剤Sと疎水性溶剤Xが互いに相溶することが好ましい。溶剤Sと疎水性溶剤Xが相溶する場合、溶解再析出法においては、溶解した樹脂Rが効率よく再析出する。溶剤Sと疎水性溶剤Xが相溶する場合、溶解懸濁法においては、疎水性溶剤Xの添加によって分散相Aから溶剤Sを効率よく除去することが可能である。
2つ目の方法は、以下のようにして樹脂粒子が形成される。すなわち、樹脂Rと溶剤Sと分散剤D1を含む混合物Mに疎水性溶剤Xを添加する第一の工程、分散剤D2を添加する第二の工程、及び疎水性溶剤Xをさらに添加して樹脂粒子を形成する第三の工程を有する。任意の形状の樹脂Rを粒子状に制御する観点から、樹脂Rは混合物M中で溶解していることが好ましい。樹脂粒子を形成する工程は、溶解再析出法や溶解懸濁法を用いて樹脂粒子を形成することができる。溶解再析出法は、第一の工程において、混合物M中の樹脂Rが溶解状態を保てる量の疎水性溶剤Xを添加し、第三の工程において、多量の疎水性溶剤Xを添加し、瞬間的に樹脂粒子を析出させる方法である。溶解懸濁法は、第一の工程において、混合物Mに所定量の疎水性溶剤Xを添加し、二相分離させ、せん断をかけることで、樹脂R、溶剤S及び疎水性溶剤Xを含む分散相Aと、溶剤Sと疎水性溶剤Xを含む連続相Bからなる懸濁液Cを形成する。続いて、第三の工程において疎水性溶剤Xをさらに添加して、分散相Aから溶剤Sを除去して樹脂粒子を析出させる方法である。また、溶解再析出法及び溶解懸濁法により樹脂粒子を作製するためには、上記1つの方法と同様に、溶剤Sと疎水性溶剤Xが互いに相溶することが好ましい。
本発明においては、上記2つのいずれの方法においても、次の特徴を有する。まず、樹脂Rは溶剤Sに可溶であり、且つ、疎水性溶剤Xに不溶であり、溶剤Sは疎水性溶剤Xよりも親水性が高い。そして、分散剤D1及び分散剤D2は、ケイ素原子を含み、該分散剤D1に含まれるケイ素原子の質量分率をW1とし、該分散剤D2に含まれるケイ素原子の質量分率をW2としたとき、該W1及び該W2が、下記式(1)で示される関係を満たす。
W1<W2 (1
上記特徴を有することにより、樹脂粒子同士の二次凝集を抑制でき、単分散性に優れる理由について本発明者らは以下のように推測している。
本発明者らが上記特許文献1及び2について検討したところ、脱溶剤過程において、分散媒の組成が変化することで樹脂粒子同士が二次凝集していると考えている。上記文献の方法においては、懸濁液に二酸化炭素を導入することで、分散質滴(分散相)から溶剤を抽出し、樹脂粒子を形成する。この場合、二酸化炭素と有機溶剤は相溶性があり、懸濁液の分散媒は二酸化炭素と溶剤の混合液から成る。懸濁液に二酸化炭素を導入すると、分散媒の二酸化炭素と有機溶剤の比率が連続的に変化する。つまり、分散剤の分散媒への親和性も変化するので、単独の分散安定性が保てなくなり、二次凝集に至ったのではないかと考えている。
本発明の樹脂粒子の製造方法においても、樹脂R及び溶剤Sを含む混合物Mに疎水性溶剤Xを添加することで、溶剤Sと疎水性溶剤Xの組成比は疎水性溶剤Xの添加量に伴って連続的に変化する。具体的には、疎水性溶剤Xの添加量が少ない時は溶剤Sの比率が比較的高く、疎水性溶剤X添加量が増えると溶剤Sの比率が低くなる。本発明では、溶剤Sは疎水性溶剤Xよりも親水性度が高いことから、この組成変化は連続相が比較的親水性度の高い状態から疎水性度の高い状態へと変化することを意味する。例えば、疎水性溶剤Xの添加量が少ない状態で分散安定性を発現するためには、分散剤中のケイ素原子量は比較的少ないことが好ましいが、疎水性溶剤Xの添加量が多い状態で分散安定性を発現するためには、分散剤中のケイ素原子量が多いことが好ましい。そこで、本発明では、上記特徴を有する2種類の分散剤(分散剤D1及び分散剤D2)用いることで、次のように分散安定性を発揮させている。疎水性溶剤Xの添加量が少ない状態ではケイ素原子量が少ない分散剤D1による分散性を発揮し、疎水性溶剤Xの添加量が多い状態ではケイ素原子量が多い分散剤D2による分散性を発揮している。これにより、樹脂粒子同士の二次凝集を抑制でき、単分散性が良好になると推測している。
〈樹脂R〉
本発明において、樹脂粒子の形成は、樹脂Rを溶剤Sに溶解した後、析出させることで粒子化する方法を用いているので、樹脂Rは溶剤Sに可溶である。また、疎水性溶剤Xの添加により樹脂Rを析出させる観点から、樹脂Rは疎水性溶剤Xに不溶である。
本発明では、樹脂Rが溶剤Sに可溶であるとは、溶剤Sに対し、樹脂Rの溶解しない樹脂R成分の割合(以下、不溶分率)が5質量%以下であることを意味している。溶剤Sに対する樹脂Rの不溶分率が5質量%より大きいと、樹脂粒子の造粒性が損なわれる場合がある。また、溶剤Sに対する樹脂Rの不溶分率が1質量%より小さいと、樹脂粒子の造粒性がより良くなる。
溶剤Sに対する樹脂Rの不溶分率の評価方法を説明する。まず、凍結乾燥した0.1gの樹脂Rを10gの溶剤Sに混合した混合液を35℃で4.5時間保持する。その後、遠心分離によって、溶剤Sが樹脂Rを溶解した成分と、溶剤Sが樹脂Rを溶解しなかった成分とに分離する。溶剤Sが樹脂Rを溶解しなかった成分の質量を算出し、これをSとする。そして、下記式によって不溶分率を算出する。
溶剤Sに対する樹脂Rの不溶分率(質量%)=(S/0.1)×100
本発明において、樹脂Rが疎水性溶剤Xに不溶であるとは、疎水性溶剤Xに対して樹脂Rの不溶分率が95質量%以上であることを意味している。上述した樹脂粒子の形成機構において、樹脂Rが疎水性溶剤Xに不溶である性質を利用して樹脂粒子を形成させるものであり、樹脂Rの疎水性溶剤Xに対する不溶分率が95質量%以上であることが必要である。発明者等の検討によれば、不溶分率が95質量%より小さいと、樹脂粒子を得られにくい場合があることが確認されている。より好ましくは、樹脂Rの疎水性溶剤Xに対する不溶分率が99質量%以上である。
疎水性溶剤Xに対する樹脂Rの不溶分率の評価方法を説明する。疎水性溶剤Xとしてヘキサン、またはヘキサデカンを用いる場合は次のように測定する。凍結乾燥した0.1gの樹脂Rを10gの疎水性溶剤X(ヘキサン、またはヘキサデカン)に混合した混合液を35℃で4.5時間保持する。その後、遠心分離によって、疎水性溶剤Xが樹脂Rを溶解した成分と、疎水性溶剤Xが樹脂Rを溶解しなかった成分を分離する。疎水性溶剤Xが樹脂Rを溶解しなかった成分の質量を算出し、この算出値をX1とする。そして、下記式によって不溶分率を算出する。
疎水性溶剤Xに対する樹脂Rの不溶分率(質量%)=(X1/0.1)×100
疎水性溶剤Xとして超臨界状態または液体状態の二酸化炭素を用いる場合、凍結乾燥した0.1gの樹脂Rを4MPaでペレット状に成形し、これをφ150マイクロメートルのメッシュを有するステンレス容器に封入する。このステンレス容器を耐圧容器内に入れた後、この耐圧容器を35℃の恒温漕に浸け、耐圧容器内に二酸化炭素を10MPaになるまで注入する。この状態で6時間放置することにより、二酸化炭素が樹脂Rを溶解した成分を耐圧容器内のステンレス容器のメッシュを通してステンレス容器の外に抽出する。最後に、耐圧容器内からステンレス容器を取り出し、ステンレス容器内に残った二酸化炭素が樹脂Rを溶解しなかった成分を回収する。このようにして回収した二酸化炭素が樹脂Rの溶解しなかった成分の質量をX2とする。そして、下記式によって不溶分率を算出する。
疎水性溶剤Xに対する樹脂Rの不溶分率(質量%)=(X2/0.1)×100
さらに、樹脂Rは、溶解懸濁法を用いて樹脂粒子を形成する場合、二相分離を促進する効果が高いという観点から、ポリエステル部位を有することが好ましい。ポリエステル部位の重量平均分子量は10000以上であることがより好ましい。ポリエステルであれば、上記手法により測定した溶剤Sに対する樹脂Rの不溶分率が5質量%以下、上記手法により測定した疎水性溶剤Xに対する樹脂Rの不溶分率が95質量%以上を満たすことが可能である。また、重量平均分子量が10000以上であると、樹脂Rの疎水性溶剤Xへの相溶性が低くなりより好ましい。
本発明で用いられるポリエステルとしては、脂肪族または芳香族のジカルボン酸と脂肪族のジオールを反応させて得られるものが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオールが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸及び1,18−オクタデカンジカルボン酸、あるいはそれらの低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸が挙げられる。
上記材料のうち、直鎖脂肪族のジカルボン酸と直鎖脂肪族のジオールとを反応させることで結晶性ポリエステルが得られる。結晶性ポリエステルとは、ポリマーの分子鎖が規則的に配列した構造を有する樹脂を意味する。そして、このような構造を有することにより、結晶性ポリエステルは融点より低い温度領域ではほとんど軟化せず、融点を越えると融解が生じ急激に軟化するという性質を有する。
さらに、本発明においては、樹脂Rとして、結晶性ポリエステル部位とポリウレタン部位とを化学的に結合したブロックポリマーを使用することも好ましい形態のひとつである。ポリウレタン部位は、ジオールとジイソシアネート基を含有する化合物とを反応物させることによって得られる。
ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及び1,3−プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物。
ジイソシアネート基を含有する化合物としては、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、ジイソシアネートに加えて、3官能以上のイソシアネート化合物を用いることもできる。
〈溶剤S及び、疎水性溶剤X〉
本発明において、溶剤Sは疎水性溶剤Xよりも親水性が高いものを用いる。これにより、樹脂粒子の表面の疎水性を高く制御することが可能となる。また、溶解懸濁法で樹脂粒子を形成する場合、連続相B及び分散相Aの両方に、溶剤Sと疎水性溶剤Xが含まれている。そして、分散相Aの方が連続相Bよりも親水性度が高くする観点から、分散相Aに含まれる疎水性溶剤Xの体積分率V1と、連続相Bに含まれる疎水性溶剤Xの体積分率V2が、下記式
V1<V2
の関係を満たすことが好ましい。
このような特徴を有する疎水性溶剤Xとしては特に限定されるものではないが、例えば、超臨界状態または液体状態の二酸化炭素、ヘキサン、ヘキサデカンが挙げられる。
溶剤Sとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、フェニルエタノールなどの比較的親水性度の高い有機溶剤が挙げられる。
〈分散剤D1及び分散剤D2〉
分散剤は析出した樹脂粒子及び、分散相への親和性と、連続相への親和性を両立することで分散安定性を発現する。表面が分散剤D1及び分散剤D2で覆われた樹脂R及び溶剤Sを含む液滴(分散質滴)を形成することで、上記の分散相が得られている。分散相には樹脂Rが含まれていることから、分散剤には樹脂R親和性成分が含まれていることが好ましい。樹脂Rがポリエステルである場合は、分散剤D1及び分散剤D2にポリエステル部位を有すると、析出した樹脂粒子及び分散相への親和性が高くなるので、より好ましい。また、連続相には疎水性溶剤Xが含有されていることから、分散剤には疎水性溶剤親和性分が含有させる。疎水性溶剤親和材料として、分散剤D1及び分散剤D2はケイ素原子を含む。
また、分散剤D1及び分散剤D2に含まれるケイ素原子は、シロキサン構造に由来するものであることが好ましい。さらに、分散剤D1及び分散剤D2は、下記式(4)で示されるシロキサン構造を有するモノマーに由来する部位を有することが好ましい。
式(4)中、R、Rはアルキル基であり、Rはアルキレン基である。Rは水素原子またはメチル基である。nは重合度を示し、2以上の整数である。
本発明の樹脂粒子の製造方法では、連続相は溶剤Sと疎水性溶剤Xを含有しているが、その組成比は疎水性溶剤Xの添加量に伴って連続的に変化する。そこで、比較的連続相の親水性度の高い、疎水性溶剤X添加量が少ない状態で分散安定性を発現するためには、分散剤中のケイ素原子量は比較的少ないことが好ましい。一方で、比較的連続相の疎水性度が高い、疎水性溶剤X添加量が多い状態で分散安定性を発現するためには、分散剤中のケイ素原子量が多いことが好ましい。そこで、本発明では、上述の通り、上記式(1)を満たす分散剤D1及び分散剤D2を用いる。
分散安定性領域を十分に広げる観点から、分散剤D1のW1と分散剤D2のW2は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
1.1≦W2/W1 (2)
具体的には、W1は7質量%以下であることが好ましい。7質量%以下であれば、連続相の親水性が比較的高い状態で、分散剤D1の分散安定性が十分に機能させることができる。また、W2は7.5質量%以上であることが好ましい。7.5質量%以上であれば、連続相の疎水性が比較的高い状態で、分散剤D2の分散安定性が十分に機能させることができる。また、分散剤D1及び分散剤D2に加えて、さらにケイ素原子の質量分率の異なる分散剤を用い、3種類以上の分散剤を用いてもよい。
分散剤D1及び分散剤D2は、上述した式(4)で示されるシロキサン構造を有するモノマーの添加量を調製することにより、分散剤D1及び分散剤D2に含まれるケイ素原子量を制御することができる。
また、分散剤D2は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子である。分散剤D2が粒子であることにより、樹脂粒子の二次凝集が抑制される。その理由について図1を用いて説明する。疎水性溶剤Xの添加量が増えると、分散相中の樹脂Rの濃度が高くなる。例えば、溶解懸濁法を用いた場合、疎水性溶剤Xの添加量が少ない段階では、分散相Aから抽出される溶剤Sの量が少ないので、分散相Aの粘度は十分に低く維持されている。この場合、分散相(分散質滴)A同士が接触、合一しても、せん断により容易に再分裂が可能である。これに対し、疎水性溶剤Xの添加量が多くなると、分散相Aから抽出される溶剤Sの量が多いので、分散相Aの粘度が高くなる。この場合、分散相A同士が接触、合一するとせん断による再分裂が困難になる。そこで、上記特定の個数平均粒径を有する分散剤D2を用いることで、分散相Aの接触を物理的に抑制できる。分散剤D2が粒子である理由は、疎水性溶剤Xの添加量が多い状態で好適に機能する分散剤だからである。分散剤D2は、懸濁液Cを形成する際に、溶剤Sや疎水性溶剤Xに溶解しないことが接触抑制性の観点から好ましい。
分散剤D1の形態は特に限定されるものではないが、分散相A同士の接触をさらに抑制する観点から、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であることが、より好ましい。
また、分散剤D1は粒子でない場合は、高分子であることが好ましい。分散剤D1が高分子であることにより、樹脂粒子の二次凝集が抑制される。その理由について図2を用いて説明する。分散剤D1が高分子である場合は、懸濁液Cを形成時に分散剤D1は溶解、もしくは膨潤状態であると考えられる。この状態で分散剤D1が分散安定性を発現するメカニズムとしては、排除体積効果が知られている。排除体積効果とは、分散相Aの分散質滴同士が近づいた際、分散剤D1の親分散媒基濃度上昇による分散系内の濃度不均一を抑制すべく、連続相Bが分散質滴界面に流れ込み、これにより分散質間に斥力が発生して分散安定性を保持するものである。この時、分散剤の運動性が高くかつ、嵩高い方が連続相Bの流れ込みが多くなるので、分散剤は高分子であることが好ましい。排除体積効果を発現する観点から、分散剤D1が高分子である場合、重量平均分子量は10000以上であることが好ましい。
分散剤D1および分散剤D2が粒子である場合、個数平均粒径は10nm以上500nm以下である。10nm未満であると粒子の粒径は小さすぎると接触抑制効果が十分に発揮されない。より好ましくは、40nm以上である。また、500nmより大きいと、吸着できる分散質の液滴も大きくなって、分散質液滴が沈降してしまう。より好ましくは300nm以下である。
また、接触抑制効果を確保する観点から、分散剤D1及び分散剤D2の合計添加量は、樹脂Rの5質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、30質量%以下である。
本発明の分散剤D1及びD2を得る好適な方法として、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、イオン重合など、従来公知の重合法を用いることができる。分散剤D1及びD2として、特定の個数平均粒径を有する粒子状の分散剤を得る好適な方法として、例えば、ミニエマルション重合や乳化重合、分散重合等や、バルク重合で重合した粗粒子を機械的粉砕により微粒子化する粉砕法などが挙げられる。
分散剤D1及びD2は、上記式(4)で示されるシロキサン構造を有するモノマーとポリエステルに由来する部位を有することが好ましく、これらが共重合体を形成していることがより好ましい。共重合を形成するには、重合性官能基を有するポリエステルを用いる。好ましくは、重合性官能基を有する結晶性ポリエステルである。重合性官能基としては特に限定されるものではないが、ビニル基などを選択することができる。重合性官能基を導入したポリエステルと、式(4)で示されるシロキサン構造を有するモノマーは共にマクロモノマーであり、一般にマクロモノマー同士は反応性が悪いことが知られている。ここでマクロモノマーとは、重合可能な官能基を持つ高分子量モノマーのことである。マクロモノマー同士の重合を進行させるために、両者との反応性の高いモノマーをつなぎとして入れてもよく、例えば、スチレンなどを用いることができる。
重合性官能基を有するポリエステルの製造方法として、以下の方法が挙げられる。
(1)ジカルボン酸とジオールとの重縮合反応時に重合性官能基を導入する方法。重合性官能基を導入する方法としては、以下の手法が挙げられる。
(1−1)ジカルボン酸の一部に重合性官能基を有するジカルボン酸を使用する方法。
(1−2)ジオールの一部に重合性官能基を有するジオールを使用する方法。
(1−3)ジカルボン酸の一部とジオールの一部にそれぞれ重合性官能基を有するジカルボン酸と重合性官能基を有するジオールを使用する方法。
重合性官能基を有するジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸及び3−オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル及び酸無水物も挙げられる。これらの中でも、フマル酸及びマレイン酸がより好ましい。また、重合性官能基を有するジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオール。
重合性官能基を持たないジカルボン酸やジオールとしては、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールを使用することができる。また、結晶性ポリエステルを形成するために、上記樹脂Rで例示した直鎖脂肪族のジカルボン酸と直鎖脂肪族のジオールを用いてもよい。
これら単量体の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸の如き二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸の如き脂肪族不飽和ジカルボン酸。
また、3価以上のカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及び1,3−プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物。アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。本発明においては分岐構造のアルキレングリコールも好ましく用いることができる。
また、3価以上のアルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、分散質滴同士の接触を阻害する観点から、粒子状の分散剤D1及びD2は溶剤S及び疎水性溶剤Xに不溶であることが好ましい。その手段としては、例えば、架橋構造の形成が挙げられ、その方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記のミニエマルション重合や乳化重合、分散重合の際に、架橋剤を共存してラジカル重合を行うことで架橋する方法や、電子線やγ線を照射する方法などが挙げられる。また、その他の手段としては、分散剤D1及びD2中に親水性成分を導入することもでき、例えば、メタクリル酸、アクリル酸などを導入することもできる。
<分散剤中ケイ素原子の質量分率>
分散剤D1及びD2のケイ素原子は蛍光X線分析(XRF)により測定する。分散剤D1及びD2をペレット状に固化する。次いで、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いてHe雰囲気下、FP法にて発生する特性X線をエネルギーで分光することで分散剤D1及びD2に含まれる元素の原子比を測定する。この測定結果を、重量比に換算することでケイ素原子の質量分率を算出する。
<分散剤の個数平均粒径>
分散剤D1及びD2の個数平均粒径は透過型電子顕微鏡(TEM)観察により1000個の粒子の粒径を測定し、個数平均粒径を算出する。
<樹脂R、分散剤D1及びD2の分子量測定>
樹脂R、分散剤D1及びD2の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。試料をクロロホルムに濃度が約0.5質量%となるように溶解し、溶解液をポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を作製し、以下の条件で測定を行う。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:クロロホルム
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作製した分子量校正曲線を使用し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)を測定する。
以下、本発明における樹脂粒子の製造方法の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例中及び比較例中の部及び%は特に断りがない場合、全て質量基準である。なお、実施例5、11、16、25、31及び36は参考例である。
<樹脂Rの作成>
以下のようにして、樹脂Rとして結晶性ポリエステルCPを合成した。加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を混合した。
・セバシン酸 123.9部
・1,6−ヘキサンジオール 76.1部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、更に2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性ポリエステルCPを合成した。結晶性ポリエステルの数平均分子量(Mn)は5500、重量平均分子量(Mw)は12300であった。
続いて、加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を混合した。
・キシリレンジイソシアネート(XDI) 56.0部
・シクロヘキサンジメタノール(CHDM) 34.0部
・テトラヒドロフラン(THF) 80.0部
これを、50.0℃まで加熱し、10時間かけてウレタン化反応を施した。その後、上記結晶性ポリエステルCP210.0部をTHF220.0部に溶解させた溶液を徐々に添加し、更に50.0℃にて5時間攪拌を行った。その後、室温まで冷却し、有機溶媒であるTHFを留去することで、樹脂Rを合成した。樹脂Rの数平均分子量(Mn)は16800、重量平均分子量(Mw)は35500であった。
<分散剤の作製>
以下の方法により、分散剤を作製した。まず、以下のようにして、重合性官能基を有する結晶性ポリエステル(UCP)を合成した。
攪拌装置および温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら下記材料を投入し40℃で溶解させた。
・結晶性ポリエステルCP 100.0部
・THF 100.0部
2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製 カレンズMOI)を6.2部滴下し、40.0℃で2時間反応させ、結晶性ポリエステルCPに重合性官能基としてビニル基を導入した重合性官能基を有する結晶性ポリエステル(UCP)溶液を得た。続いて、ロータリーエバポレーターによりテトラヒドロフランを40.0℃で5時間減圧除去を行い、重合性官能基を有する結晶性ポリエステル(UCP)を得た。
〈分散剤の作製方法1〉
粒子状分散剤の作製方法として、粉砕法を用いた例を示す。下記に示すシリコーン変性メタクリレートと重合性官能基を有する結晶性ポリエステルの添加量を表1に示すように調製し、分散剤(a)〜(e)を作成した。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料とトルエン80.0部を混合し、70℃に加熱して完全に溶解して単量体組成物1を調製した。
・シリコーン変性メタクリレート(信越化学製 X−22−2475) X部
・重合性官能基を有する結晶性ポリエステル Y部
・スチレン 2.5部
・メタクリル酸 1.0部
・架橋剤(新中村化学工業製 APG400) 0.2部
シロキサン構造を有するビニル系モノマーであるX−22−2475は、下記式(4)において、Rがメチル基、Rがメチル基、Rがプロピレン基、Rがメチル基、nが3である。
上記単量体組成物1を250rpmで撹拌しながら25℃まで降温し、30分間窒素バブリングした後、重合開始剤としてアゾビスメトキシジメチルバレロニトリルを0.6部混合した。その後、75℃で加熱し、6時間反応させ、さらに80℃に加熱し、1時間反応を行った。その後、空冷し、粗粒子状の分散剤の分散体を得た。
得られた粗粒子状の分散剤の分散体を、温度調節可能な撹拌タンクに投入し、ポンプを用いてクレアSS5(エム・テクニック社製)に35g/minの流量で移送して処理することにより、微粒子化された粒子状分散剤の分散体を得た。クレアSS5による分散体の処理条件は、クレアSS5の回転するリング状ディスクの最外周部の周速を15.7m/sとし、回転するリング状ディスクと固定されたリング状ディスクの間隙を1.6μmとした。また、撹拌タンクの温度は、クレアSS5で処理後の液温が40℃以下となるように調節した。分散体中の粒子状とトルエンを遠心分離機により分離した。以下に遠心分離の条件を示す。
・遠心分離機:H−9R(KOKUSAN社製)
・ローター:BN1ロ―タ(KOKUSAN社製)
・装置内設定温度:4℃
・回転数:16500rpm
・時間:2.5時間
その後、上澄みを除去することで、濃縮された粒子状分散剤(a)〜(e)を得た。
〈粒子状分散剤の作製方法2〉
粒子状分散剤の作製方法として、ミニエマルション法を用いた例を示す。下記に示すシリコーン変性メタクリレートと重合性官能基を有する結晶性ポリエステルの添加量を表1に示すように調製し、分散剤(f)、(g)を作成した。
攪拌子を入れた200mlのガラスビーカーにアニオン活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)0.1部を25.0℃のイオン交換水100部に溶解させることで、水相溶液1を得た。
次に、110mlのガラス瓶に下記の材料を混合し、80℃の恒温槽中で溶解させた。
・シリコーン変性メタクリレート(信越化学製 X−22−2475) X部
・重合性官能基を有する結晶性ポリエステル Y部
・スチレン 2.5部
・メタクリル酸 1.0部
・架橋剤(新中村化学工業製 APG400) 0.2部
・トルエン 10部
上記溶解液を40℃になるまで放置後、重合開始剤として、ルペロックス11(アルケマ吉富(株)製)を0.36部添加し溶解させることで、油相溶液1を作製した。油相溶液1を速やかに水相溶液1に混合し超音波ホモジナイザーにより微分散することで、エマルションを得た。このエマルションを撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を備えた200mlの三口フラスコに投入した。
上記三口フラスコに入っているエマルションを25℃の条件下で200rpmの攪拌を行いながら窒素バブリングを30分行った後、75℃に昇温することで重合反応を進行させた。次にエバポレーション及び、限外濾過により、残留溶媒であるトルエン及び、未反応モノマーを除去した。さらに、上記重合液を40ml用の遠心チューブに入れ、遠心分離器により、15000rpm,3h遠心分離を行い、上澄みを除去することで、濃縮された粒子状分散剤(f)、(g)の水分散体を得た。
〈分散剤の作製方法3〉
粒子状をとらない高分子分散剤の作製方法として、溶液重合法を用いた例を示す。下記に示すシリコーン変性メタクリレートと重合性官能基を有する結晶性ポリエステルの添加量を表1に示すように調製し、分散剤(h)、(i)を作成した。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料とトルエン80.0部を混合し、70℃に加熱して完全に溶解して単量体組成物2を調製した。
・シリコーン変性メタクリレート(信越化学製 X−22−2475) X部
・重合性官能基を有する結晶性ポリエステル Y部
・スチレン 2.5部
・メタクリル酸 1.0部
上記単量体組成物2を250rpmで撹拌しながら25℃まで降温し、30分間窒素バブリングした後、重合開始剤としてアゾビスメトキシジメチルバレロニトリルを0.6部混合した。その後、75℃で加熱し、6時間反応させ、さらに80℃に加熱し、1時間反応を行った。その後、空冷し、トルエンを除去することで高分子の分散剤(h)、(i)を得た。
以上の作製方法により、表1に示す、分散剤(a)〜(i)を得た。
(樹脂粒子の製造)
分散剤(a)〜(i)を用いた樹脂粒子を製造した例を以下に示す。
樹脂粒子はパターンA及びパターンBで製造している。ここでパターンAとは、樹脂R、溶剤S、分散剤D1、分散剤D2を含有する混合液Mに多量の疎水性溶剤Xを瞬間的に添加することで樹脂粒子を得る製造方法である。パターンBとは、混合液Mに少量の疎水性溶剤Xを添加することで二相分離を形成し、撹拌によるせん断を加えて懸濁液を形成した後、さらに疎水性溶剤Xを添加することで樹脂粒子を得る製造方法である。
〈樹脂粒子製造例12〉
疎水性溶剤Xに常温、常圧下で液体状態である溶剤(ヘキサン)を用いた、パターンAにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 1部
・溶剤S 5部
・水 0.3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 0.1部
・分散剤D2(分散剤(e)) 0.1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mをマグネティックスターラーを用いて100rpmで撹拌しながら、疎水性溶剤X200部を瞬間的に添加することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例13〉
疎水性溶剤Xに常温、常圧下で液体状態である溶剤(ヘキサン、ヘキサデカン)を用いた、パターンBにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
・分散剤D2(分散剤(e)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mに疎水性溶剤Xを5部添加し二相分離液を作製し、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を1000rpmで撹拌することで懸濁液Cを形成した。その後、さらに疎水性溶剤X1000部を毎分10ccの速度で添加することで、樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例14〜19〉
樹脂粒子製造例13において、疎水性溶剤X、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表2に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例13と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例1〉
疎水性溶剤Xに超臨界状態または液体状態の二酸化炭素(CO)を用いた、パターンAにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
・分散剤D2(分散剤(e)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mを撹拌機構を備えた耐圧容器内に導入して容器を密閉後、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を100rpmで撹拌しながらCOボンベから昇圧ポンプを用い、毎分3MPaの速度で10MPaまでCOを導入することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例1〉
疎水性溶剤Xに超臨界状態または液体状態の二酸化炭素(CO)を用いた、パターンAにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
・分散剤D2(分散剤(e)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mを撹拌機構を備えた耐圧容器内に導入して容器を密閉後、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を100rpmで撹拌しながらCOボンベから昇圧ポンプを用い、毎分3MPaの速度で10MPaまでCOを導入することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例2〉
疎水性溶剤Xに超臨界状態または液体状態の二酸化炭素(CO)を用いた、パターンBにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
・分散剤D2(分散剤(e)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mを撹拌機構を備えた耐圧容器内に導入して容器を密閉後、COを導入し、2MPaまで昇圧することで2相分離液を作製した。次いで、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を1000rpmで撹拌することで懸濁液Cを形成した。その後、さらにCOを導入し、毎分0.5MPaの速度で10MPaまで昇圧することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例3〜11〉
樹脂粒子製造例2において、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表2に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例2と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C1〉
樹脂粒子製造例1において、表3に示すように分散剤D2を用いなかった以外は、樹脂粒子製造例1と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C2〜C8〉
樹脂粒子製造例2において、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表3に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例2と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C9〉
樹脂粒子製造例12において、表3に示すように分散剤D2を用いなかった以外は、樹脂粒子製造例12と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C10〜C16〉
樹脂粒子製造例13において、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表3に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例13と同様に樹脂粒子を作成した。
以上の方法により樹脂粒子を作製した実施例及び比較例を表2及び3に示す。
<製造した樹脂粒子の評価>
上記樹脂粒子製造例1〜19、C1〜C16で製造された樹脂粒子の評価は走査型電子顕微鏡(SEM)観察により行い、樹脂粒子同士の二次凝集を基準として評価を行った。評価は以下の基準でランク分けした。本発明では、ランクA、Bであれば、本発明の効果が得られているレベルであるとした。
A:製造直後においても樹脂粒子同士が二次凝集していない
B:製造直後は二次凝集しているが、樹脂粒子をヘキサン中に再分散して超音波ホモジナイザーを5分照射することで二次凝集が解消する
C:上記超音波ホモジナイザーを照射しても、樹脂粒子同士の二次凝集が解消しない
D:樹脂粒子が形成されなかった
次に、樹脂粒子製造例1〜19、C1〜C16に対して別の工程により樹脂粒子を製造する例について説明する。
〈樹脂粒子製造例21〉
疎水性溶剤Xに超臨界状態または液体状態のCOを用い、上記と同様にパターンAにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。造粒容器には図3に示す、粒子を製造する造粒タンク(T1)と、造粒タンク(T1)を撹拌できる撹拌装置と、造粒タンク(1)と結合している予備タンク(T2)と、造粒タンク(T1)と予備タンク(T2)間の開閉を制御できるバルブ(V)を備えた造粒容器を用いた。混合液Mを造粒タンク(T1)に導入し、バルブ(V)を閉じた状態で造粒タンク(T1)を密閉し、COボンベから昇圧ポンプを用い、0.5MPaになるまで造粒タンク(T1)にCOを導入した。その後、分散剤D2(分散剤(e))1部を、溶剤S2部に分散した分散体を予備タンク(T2)に導入し、予備タンク(T2)を密閉後、COボンベから昇圧ポンプを用いて1.0MPaになるまでCOを予備タンク(T2)に導入した。その後、バルブ(V)を開き、予備タンク(T2)から造粒タンク(T1)に分散剤D2を導入した。さらにバルブ(V)を閉じ、予備タンクを開放し、再度予備タンク(T2)にアセトン2部を導入した後、予備タンク(T2)を密閉し、COボンベから昇圧ポンプを用いて1.0MPaになるまで予備タンク(T2)にCOを導入した。その後、再度バルブ(V)を開き、予備タンク(T2)に残留していた分散剤D2を造粒タンク(T1)に全て導入した。この時、混合物Mは相分離のない状態であった。その後、バルブ(V)を閉じ、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を100rpmで撹拌しながら、造粒タンク(T1)にCOボンベから昇圧ポンプを用い、毎分3MPaの速度で10MPaまで昇圧することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例22〉
疎水性溶剤Xに超臨界状態または液体状態のCOを用い、上記と同様にパターンBにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。造粒容器には図3に示す造粒容器を用いた。混合液Mを造粒タンク(T1)に導入し、バルブ(V)を閉じた状態で造粒タンク(T1)を密閉した。次にCOボンベから昇圧ポンプを用い、2MPaになるまで造粒タンク(T1)にCOを導入することで2相分離液を作製し、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を1000rpmで撹拌することで懸濁液Cを形成した。その後、分散剤D2(分散剤(e))1部を、溶剤S2部に分散した分散体を予備タンク(T2)に導入し、予備タンク(T2)を密閉後、COボンベから昇圧ポンプを用いて4.0MPaになるまでCOを予備タンク(T2)に導入した。その後、バルブ(V)を開き、予備タンク(T2)から造粒タンク(T2)に分散剤D2を導入した。さらにバルブ(V)を閉じ、予備タンクを開放し、再度予備タンク(T2)にアセトン2部を導入した後、予備タンク(T2)を密閉し、COボンベから昇圧ポンプを用いて4.0MPaになるまで予備タンク(T2)にCOを導入した。その後、再度バルブ(V)を開き、予備タンク(T2)に残留していた分散剤D2を造粒タンク(T1)に全て導入した。その後、バルブ(V)を閉じ、造粒タンク(T2)にCOを導入し、毎分0.5MPaの速度で10MPaまで昇圧することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例23〜31〉
樹脂粒子製造例22において、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表4に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例22と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例32〉
疎水性溶剤Xに常温、常圧下で液体状態である溶剤(ヘキサン)を用い、上記と同様にパターンAにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 1部
・溶剤S 5部
・水 0.3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 0.1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mをマグネティックスターラーを用いて100rpmで撹拌しながら、疎水性溶剤Xを1部添加した後、分散剤D2(分散剤(e))0.1部を、溶剤S0.5部、疎水性溶剤X0.1部から成る混合液に分散した分散体を添加した。この時、混合液Mは相分離のない状態であった。さらに疎水性溶剤X200部を瞬間的に添加することで樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例33〉
疎水性溶剤Xに常温、常圧下で液体状態である溶剤(ヘキサン、ヘキサデカン)を用い、上記と同様にパターンBにより樹脂粒子を形成した例を示す。
・樹脂R 10部
・溶剤S 50部
・水 3部
・分散剤D1(分散剤(b)) 1部
から成る混合液Mを40℃で加熱することで、樹脂Rを溶解した。混合液Mに疎水性溶剤Xを5部添加し二相分離液を作製し、撹拌モーターを用いて撹拌羽根を1000rpmで撹拌することで懸濁液Cを形成した。その後、分散剤D2(分散剤(e))1部を、溶剤S2部、疎水性溶剤X3部から成る混合液に分散した分散体を添加し、さらに疎水性溶剤X1000部を毎分10ccの速度で添加することで、樹脂粒子を得た。
〈樹脂粒子製造例34〜39〉
樹脂粒子製造例33において、疎水性溶剤X、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表4に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例33と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C21〉
樹脂粒子製造例21において、表5に示すように分散剤D2を用いなかった以外は、樹脂粒子製造例21と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C22〜C28〉
樹脂粒子製造例22において、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表5に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例22と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C29〉
樹脂粒子製造例32において、表5に示すように分散剤D2を用いなかった以外は、樹脂粒子製造例32と同様に樹脂粒子を作成した。
〈樹脂粒子製造例C30〜C36〉
樹脂粒子製造例33において、溶剤S、分散剤D1及び分散剤D2の種類を表5に示すように変更した以外は、樹脂粒子製造例33と同様に樹脂粒子を作成した。
以上の方法により樹脂粒子を作製した実施例及び比較例を表4及び5に示す。
<製造した樹脂粒子の評価>
上記樹脂粒子製造例21〜39、C21〜C36で製造された樹脂粒子の評価は走査型電子顕微鏡(SEM)観察により行い、樹脂粒子同士の二次凝集を基準として評価を行った。評価は以下の基準でランク分けした。本発明では、ランクA、Bであれば、本発明の効果が得られているレベルであるとした。
A:製造直後においても樹脂粒子同士が二次凝集していない
B:製造直後は二次凝集しているが、樹脂粒子をヘキサン中に再分散して超音波ホモジナイザーを5分照射することで二次凝集が解消する
C:上記超音波ホモジナイザーを照射しても、樹脂粒子同士の二次凝集が解消しない
D:樹脂粒子の形成されなかった

本発明の樹脂粒子製造方法によれば、樹脂粒子表面を超疎水性に制御するのに好適な、疎水性溶剤を分散媒とした樹脂粒子製造方法において、樹脂粒子同士の二次凝集を抑制することができるため、例えば、高分子粒子の製造に利用可能である。例えば、ケミカルトナーや、油性塗料の顔料、インクジェットインクに含まれる機能性バインダーの製造に利用することができる。

Claims (14)

  1. 樹脂粒子を製造する方法であって、
    該製造方法が、樹脂Rと溶剤Sと分散剤D1と分散剤D2を含む混合物Mに、疎水性溶剤Xを添加して、該樹脂粒子を形成する工程を有し、
    該樹脂Rは、該溶剤Sに可溶であり、且つ、該疎水性溶剤Xに不溶であり、該溶剤Sは、該疎水性溶剤Xよりも親水性が高く、
    該分散剤D1は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
    該分散剤D2は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
    該分散剤D1及び該分散剤D2は、ケイ素原子を含み、
    該分散剤D1に含まれるケイ素原子の質量分率をW1とし、該分散剤D2に含まれるケイ素原子の質量分率をW2としたとき、該W1及び該W2が、下記式(1)で示される関係を満たす
    W1<W2 (1)
    ことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記樹脂粒子を形成する工程は、
    前記混合物Mに前記疎水性溶剤Xを添加して、前記樹脂R、前記溶剤S及び前記疎水性溶剤Xを含む分散相Aと前記溶剤S及び前記疎水性溶剤Xを含む連続相Bからなる懸濁液Cを形成する工程、及び
    該懸濁液Cにさらに疎水性溶剤Xを添加して、該分散相Aから前記溶剤Sを除去する工程からなる請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記分散相Aに含まれる前記疎水性溶剤Xの体積分率V1と、前記連続相Bに含まれる前記疎水性溶剤Xの体積分率V2が、下記式
    V1<V2
    の関係を満たす請求項2に記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 樹脂粒子を製造する方法であって、
    該製造方法が、
    樹脂Rと溶剤Sと分散剤D1を含む混合物Mに、疎水性溶剤Xを添加する第一の工程、
    分散剤D2を添加する第二の工程、及び
    疎水性溶剤Xをさらに添加して該樹脂粒子を形成する第三の工程
    を有し、
    該樹脂Rは、該溶剤Sに可溶であり、且つ、該疎水性溶剤Xに不溶であり、
    該溶剤Sは、該疎水性溶剤Xよりも親水性が高く、
    該分散剤D1は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
    該分散剤D2は、個数平均粒径が10nm以上500nm以下の粒子であり、
    該分散剤D1及び該分散剤D2は、ケイ素原子を含み、
    該分散剤D1に含まれるケイ素原子の質量分率をW1とし、該分散剤D2に含まれるケイ素原子の質量分率をW2としたとき、該W1及び該W2が、下記式(1)で示される関係を満たす
    W1<W2 (1)
    ことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記第一の工程は、前記樹脂R、前記溶剤S及び前記疎水性溶剤Xを含む分散相Aと、前記溶剤S及び前記疎水性溶剤Xを含む連続相Bからなる懸濁液Cを形成する工程である請求項4に記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 前記分散相Aに含まれる前記疎水性溶剤Xの体積分率V1と、前記連続相Bに含まれる前記疎水性溶剤Xの体積分率V2が、下記式
    V1<V2
    の関係を満たす請求項5に記載の樹脂粒子の製造方法。
  7. 前記W1及び前記W2が、下記式(2)の関係を満たす請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
    1.1≦W2/W1 (2)
  8. 前記W1が7質量%以下であり、前記W2が7.5質量%以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  9. 前記分散剤D1及び前記分散剤D2に含まれるケイ素原子は、シロキサン構造に由来するものである請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  10. 前記分散剤D1及び前記分散剤D2は、下記式(4)で示されるシロキサン構造を有するモノマーに由来する部位を有する請求項に記載の樹脂粒子の製造方法。

    (式(4)中、R、Rはアルキル基であり、Rはアルキレン基である。Rは水素原子またはメチル基である。nは重合度を示し、2以上の整数である。)
  11. 前記分散剤D1及び前記分散剤D2は、ポリエステル部位を有する請求項1〜1のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  12. 前記樹脂Rは、ポリエステル部位を有する請求項1〜1のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  13. 前記分散剤D1及び前記分散剤D2の合計添加量は、前記樹脂Rに対して5質量%以上である請求項1〜1のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  14. 前記疎水性溶剤Xは、超臨界状態若しくは液体状態の二酸化炭素、ヘキサン及びヘキサデカンの少なくとも1つである請求項1〜1のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
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