JP2011094135A - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒度分布が狭く、耐熱保存性と溶融特性(低温溶融性)を両立し、着色剤が均一分散された樹脂粒子の製造方法の提供。
【解決手段】 有機微粒子(A)が分散された液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)中に、樹脂(B)の溶剤(S)溶液(L)および着色剤分散液(C)を分散させることにより、(B)、着色剤(k)および(S)を含有する樹脂粒子(Y1)の表面に(A)が固着された樹脂粒子(Z1)を形成させ、(Z1)を(X)で処理し、得られた(Z1)が(X)と(S)中に分散された分散体(Q)から(X)と(S)を除去する樹脂粒子(Z)の製造方法であり、(B)が、芳香環を含有しない重縮合ポリエステル(p)を必須とする結晶性部(a)と非結晶性部(b)で構成される樹脂であり、(C)が、(k)、特定の分散剤(l)、(S)、および(X)を混合し、減圧膨張して(X)を気化させ除去して得られた(k)の(S)分散液である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法および樹脂粒子に関する。
従来より結晶性の高い樹脂粒子の形成法として、有機溶媒中から結晶性の樹脂を析出させる方法(例えば、特許文献1参照)、相分離溶媒を使用する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開2005−15589号公報 特開平8−176310号公報
しかし、上記の方法では、粒度分布の狭い粒子を得ることが困難であり、得られた樹脂粒子は、耐熱保存性と溶融特性(低温溶融性)の両立の点で不十分であった。また、着色剤を用いて着色した場合、着色が不均一となる場合があった。
本発明の課題は、粒度分布が十分狭く、耐熱保存性と溶融特性を従来になく両立でき、着色剤が均一分散された樹脂粒子を得る製造方法を提供することである。
発明者らは鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、有機微粒子(A)が分散された、液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)中に、樹脂(B)の溶剤(S)溶液(L)、着色剤分散液(C)、および必要によりワックス分散液(D)を分散させることにより、樹脂(B)、着色剤(k)、溶剤(S)、および必要によりワックス(w)を含有する樹脂粒子(Y1)の表面に有機微粒子(A)が固着された樹脂粒子(Z1)を形成させ、(Z1)を(X)で処理し、次いで得られた(Z1)が(X)と(S)を含有する分散媒体中に分散された分散体(Q)から(X)と(S)を除去する工程を含む樹脂粒子(Z)の製造方法であって、
樹脂(B)がポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、芳香環を含有しないポリエステル(p)を必須構成成分とする結晶性部(a)と非結晶性部(b)から構成される樹脂であり、
着色剤分散液(C)が、着色剤(k)、酸価とアミン価の合計(mgKOH/g)が20以上250以下である分散剤(l)、溶剤(S)、および圧力が2MPa以上である液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)を混合し、その後減圧膨張して(X)を気化させ除去することで得られた、メジアン径が1μm以下の(k)が(S)中に分散された分散液である
樹脂粒子の製造方法;
並びに、上記の製造方法により得られる樹脂粒子(Z)である。
本発明の製造方法で得られる樹脂粒子は、粒度分布が十分狭く、耐熱保存性と溶融特性(低温溶融性)を従来になく両立でき、着色剤が均一分散されている。
本発明における樹脂粒子の作成に用いる実験装置のフローチャートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の製造方法に用いる有機微粒子(A)は、そのガラス転移温度(以下、Tgと記載する場合がある。)又は融点未満の温度において、液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)〔以下、二酸化炭素(X)と記載する場合がある。〕による膨潤度(以下、膨潤度と記載する。)が、16%以下の有機微粒子が好ましく、さらに好ましくは10%以下、とくに好ましくは5%以下である。膨潤度が16%以下の有機微粒子(A)を使用した場合は、樹脂粒子の凝集を抑制でき、樹脂粒子の粒度分布が狭くなる。
膨潤度の測定方法は、磁気浮遊天秤を用いて測定することができる。なお、膨潤度の測定方法の詳細はJ.Supercritical Fluids.19、187−198(2001)に記載されている。
有機微粒子(A)としては、結晶性樹脂であっても、非結晶性樹脂であってもよい。
有機微粒子(A)を構成する結晶性樹脂の組成としては、ビニル樹脂、芳香環含有ポリエステル樹脂並びに、樹脂(B)を構成する結晶性樹脂として後述する、芳香環を含有しないポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリウレア樹脂等が挙げられる。
非結晶性樹脂としては、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート、セルロース及びこれらの混合物等が挙げられる。非結晶性樹脂の組成は得に限定されず、通常用いられている樹脂でよい。
これらの中では、結晶性樹脂、ポリエステル鎖を有する非結晶性ビニル樹脂、シリコーンを含有する非結晶性ビニル樹脂、および架橋性の非結晶性樹脂が好ましく、結晶性もしくは非結晶性のビニル樹脂(N)がさらに好ましい。
上記結晶性樹脂の融点は、40〜110℃が好ましく、さらに好ましくは45〜100℃、とくに好ましくは50〜90℃である。結晶性樹脂の融点が40℃以上であれば、本発明の製造方法により得られる樹脂粒子(Z)が長期間の保管でもブロッキングしにくい。110℃以下であれば低温溶融性が良好である。
本発明における融点は、JIS K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して、示差走査熱量測定装置(DSC)で測定した、初回昇温時の溶融による吸熱ピークの温度(℃)を意味する。
結晶性樹脂の結晶化度は、二酸化炭素(X)による膨潤抑制、及び樹脂粒子(Y)への吸着性の観点より、好ましくは20〜95%であり、より好ましくは30〜80%である。結晶化度は、DSCを用いて吸熱ピークの面積から融解熱量(ΔHm(J/g))を求め、測定されたΔHmに基づき以下の式により結晶化度(%)を算出する。
結晶化度=(ΔHm/a)×100
上式中、aは結晶化度が100%となるように外挿した場合の融解熱量である。
結晶性樹脂の数平均分子量(以下、Mnと略記する。)は、樹脂弾性の観点より、好ましくは1000以上であり、更に好ましくは1500以上、特に好ましくは2000以上である。また、溶融粘度の観点より、好ましくは1000000以下であり、更に好ましくは500000以下、特に好ましくは300000以下である。
非結晶性樹脂のMnについても、同様の範囲が好ましい。
有機微粒子(A)を構成する樹脂として好ましい樹脂である結晶性もしくは非結晶性のビニル樹脂(N)、および架橋性の非結晶性樹脂について詳述する。
(N)の好ましい具体例としては、下記(N1)〜(N4)が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
(N1) アルキル基の炭素数が8〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)を必須構成単位とし、必要により、パーフルオロアルキル(アルキル)(メタ)アクリレート(m2)、並びに不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(m3)から選ばれる1種以上を構成単位とするビニル樹脂
(N2) (メタ)アクリロニトリル(m4)と結晶性ビニルモノマーを必須構成単位とするビニル樹脂。
(N3) ポリエステル鎖を有し数平均分子量(Mn)が500〜100000であるビニルモノマー(m5)を必須構成単位とするビニル樹脂。
(N4) シリコーン含有ビニルモノマー(m6)を構成単位として0.1〜50%含有するビニル樹脂。
なお、上記および以下において、%は、特に断りのない限り重量%を意味する。
ビニル樹脂(N1)の必須構成単位であるアルキル基の炭素数が8〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基を有するものであり、具体例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、および2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中で好ましくは、アルキル基の炭素数が18〜30の直鎖アルキル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくはベヘニル(メタ)アクリレートである。
なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタアクリレートを意味し、以下同様の記載方法を用いる。
パーフルオロアルキル(アルキル)(メタ)アクリレート(m2)としては、パーフルオロアルキル基の炭素数が2〜12の偶数であって、(アルキル)の部分の炭素数が0〜3のものが好ましい。具体例としては、(2−パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレートである。また、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレートも好ましい。(m2)は単独のモノマーでも複数のモノマーを併用してもよい。
これらのうちさらに好ましいものは、帯電性の観点から、(2−パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレートである。
不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(m3)としては、炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸およびその無水物が好ましく、具体例としては、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸、シトラコン酸無水物等が挙げられる。(m3)は2種以上を併用してもよい。これらのうちさらに好ましいものは、帯電性の観点から、無水マレイン酸である。
ビニル樹脂(N1)中の(m1)の含有量は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40〜90%、とくに好ましくは50〜80%である。(m1)の含有量が30%以上であると結晶性を持ちシャープメルトすることで保存安定性と低温溶融性に優れ、高温高湿下での帯電特性が良好となり、90%以下であると高温高湿下での帯電特性がより良好である。
また、ビニル樹脂(N1)中の(m2)および/または(m3)の含有量(合計)は、好ましくは30%以下、さらに好ましくは0.001〜25%、より好ましくは0.01〜20%、特に好ましくは0.1〜10%、最も好ましくは0.1〜5%である。(m2)および/または(m3)の含有量が30%以下であると、結晶化度が上がり、保存安定性が良好となり、0.001%以上であると、高温高湿下での帯電特性が良好である。
(N1)中の(m1)、(m2)、および(m3)以外の他のモノマーの合計含有量は、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。他のモノマーの含有量が50%以下であると結晶化度が上がり、保存安定性が良好となる。
他のモノマーとしては、後述のビニルモノマーを適宜選択することができる。
(メタ)アクリロニトリル(m4)と結晶性ビニルモノマーを必須構成単位とするビニル樹脂(N2)としては、樹脂粒子への付着性の観点から、(メタ)アクリロニトリル(m4)の構成単位の含有量が0.01〜40%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜35%であり、特に好ましくは0.1〜30%である。
併用する結晶性ビニルモノマーとしては、結晶性のビニル樹脂が形成され得るものであれば特に限定されないが、上記のアルキル基の炭素数が8〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)、及びエチレン等が挙げられる。
ビニル樹脂(N2)中の結晶性ビニルモノマーの含有量は、好ましくは30〜90%、さらに好ましくは40〜85%、とくに好ましくは50〜80%である。
(N2)中の(m4)および結晶性ビニルモノマー以外の他のモノマーの合計含有量は、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。他のモノマーの含有量が50%以下であると結晶化度が上がり、保存安定性が良好となる。
ビニル樹脂(N3)におけるポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)中のポリエステル鎖の部分としては、ジオールとジカルボン酸との重縮合物、およびラクトン開環重合物等が挙げられる。
ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)のMnは500〜100000である。ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)を必須構成単位とすることで、有機微粒子(A)が樹脂粒子(Y1)の表面に固着され易くなり、樹脂粒子を安定化できる。Mnが500より小さいと、融点又はガラス転移温度が低下し、安定性が悪化してしまう。Mnが100000より大きいと、有機微粒子(A)の分散性が悪化し粒度分布が悪化してしまう。Mnは、好ましくは600〜70000であり、さらに好ましくは700〜50000である。
本発明において、樹脂の分子量〔Mnおよび重量平均分子量(Mw)〕は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
または、TSKgel GMHXL)2本+TSKgel Mult ipore HXL−M〔東ソー(株)製〕
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μL
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLY
STYRENE)12点(分子量 500 1050 2800
5970 9100 18100 37900 96400
190000 355000 1090000 2890000)
ジオールおよびジカルボン酸としては、後述のものが使用できる。
ジオールとジカルボン酸を反応させてポリエステル鎖を得る方法は、通常のポリエステル樹脂の製造法でよい
ラクトン開環重合物としては、後述のジオ−ルを含有するポリオールを開始剤として、必要により触媒の存在下で、炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)モノマーを開環重合させて得られ、末端に水酸基を有するものが挙げられる。なお、ラクトン開環重合物は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。
モノラクトンモノマーとしては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。これらのうち、好ましくはε−カプロラクトンである。
触媒としては、例えば無機酸や有機酸等の酸類、金属の塩化物、酸化物および水酸化物、脂肪酸金属塩、有機金属化合物等の通常使用される触媒を使用することができる。
これらのうち、有機スズ化合物(ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド等)、有機チタン化合物(テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート等)、有機ハロゲン化スズ化合物(モノブチルスズトリクロライド等)が好ましい。
触媒の添加量は、反応系全体に対し、0.1〜5000ppmが好ましい。好ましくは不活性雰囲気下に、100〜230℃の反応温度で重合させることによって、ラクトン開環重合物を得ることができる。
開環重合反応は無溶媒で行ってもよく、反応溶媒を使用してもよい。反応溶媒としては、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ヘキサン、ペンタンなどの公知の1種以上の有機溶媒を使用できる。
ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)の製造方法としては、
(1)上記ポリエステルと、後述するヒドロキシル基含有ビニルモノマーあるいは後述するカルボキシル基含有ビニルモノマー〔前記(m3)も含む〕をエステル化反応させることにより、ポリエステル鎖にラジカル重合可能な不飽和基を導入する方法、
(2)上記ポリエステルとヒドロキシル基含有ビニルモノマーを、後述するポリイソシアネート成分とウレタン化反応させることにより、ポリエステル鎖にラジカル重合可能な不飽和基を導入しウレタン結合を有するモノマーを製造する方法、
(3)ヒドロキシル基含有ビニルモノマーを開始剤として、前記炭素数3〜12のモノラクトンの開環重合することにより、ポリエステル鎖にラジカル重合可能な不飽和基を導入する方法、
等が挙げられる。
これらのどの方法を利用してもよいが、好ましい方法としては、多くの原料から選択できる(1)および(2)の方法であり、さらに好ましくは、反応条件が温和で、ウレタン結合を有するモノマーが得られる(2)の方法である。ビニルモノマー(m5)がウレタン結合を有すると、結晶化度が高くなり保存安定性が良好となる。
なお、(m5)として、相当する組成の市販品を用いることもできる。
ビニル樹脂(N3)における樹脂中の(m5)の含有量は、好ましくは20〜100%、さらに好ましくは25〜90%、とくに好ましくは30〜80%である。(m5)の含有量が20%以上であると樹脂粒子の安定性が良好となる。
ビニル樹脂(N4)において、樹脂は、シリコーン含有ビニルモノマー(m6)を必須構成単位として有する。樹脂中の(m6)の含有量は、二酸化炭素(X)中での分散性の観点から0.1重量%以上であり、好ましくは0.5重量%以上であり、さらに好ましくは5重量%以上である。樹脂強度と耐熱保存性の観点から50重量%以下であり、好ましくは45重量%以下であり、さらに好ましくは40重量%以下である。
(m6)の具体例として、次式に示す構造を持つメタクリル変性シリコーンが挙げられる。
(CH3)3SiO((CH3)2SiO)aSi(CH3)2
但しaは、平均値で3〜300であり、Rはメタクリル基を含む有機変性基である。Rの例としては、−C36OCOC(CH3)=CH2等が挙げられる。
ビニル樹脂(N)を構成する他のビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル系炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
(1−3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;およびビニルナフタレン。
(2)(m3)以外のカルボキシル基含有ビニルモノマーおよびその金属塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。なお、上記(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタアクリル酸を意味し、以下同様の記載法を用いる。モノアルキル(炭素数1〜24)エステルを構成するアルキル鎖は、耐加水分解性を向上させるという観点から、分岐構造を持つものが好ましい。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル系硫酸モノエステル化物およびこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、および下記一般式(1−1)〜(1−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
O−(AO)nSO3

CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (1−1)

CH=CH−CH3

R−Ar−O−(AO)nSO3H (1−2)

CH2COOR’

HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (1−3)

(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(4)燐酸基含有ビニルモノマーおよびその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。
なお、上記(2)〜(4)の塩としては、金属塩、アンモニウム塩、およびアミン塩(4級アンモニウム塩を含む)が挙げられる。金属塩を形成する金属としては、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Zn、Ba、Zr、Ca、Mg、Na、およびK等が挙げられる。好ましくはアルカリ金属塩、およびアミン塩であり、さらに好ましくは、ナトリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、炭素数3〜20の3級モノアミンおよびジアミンの塩である。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
(6−3)(m4)以外のニトリル基含有ビニルモノマー:シアノスチレン、シアノアクリレート等
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等
(9)(m1)および(m2)以外のビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えばビニルブチレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、アルキル基の炭素数が1〜7のアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール〔Mn300〕モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn500)モノ(メタ)アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;
ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等
(10)その他のビニルモノマー:
イソシアネート基含有モノマー;
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等
ビニル樹脂(N)の具体例としては、ベヘニル(メタ)アクリレート単独重合体、ステアリル(メタ)アクリレート単独重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−アクリロニトリル共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−(無水)マレイン酸共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−アクリロニトリル−(無水)マレイン酸−メチル(メタ)アクリレート−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−(無水)マレイン酸共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸メチル−(無水)マレイン酸共重合体、(2−パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート−ベヘニル(メタ)アクリレート−スチレン−フマル酸共重合体、ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)単独重合体、ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)−(無水)マレイン酸共重合体、ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)−(無水)マレイン酸−(2−パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)−(無水)マレイン酸−2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル鎖を有するビニルモノマー(m5)−ベヘニル(メタ)アクリレート共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル変性シリコーン共重合体、シクロヘキシル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル変性シリコーン共重合体等が挙げられる。
ビニル樹脂(N)の製造方法としては、溶液重合、塊状重合、懸濁重合などの公知のビニルモノマーの重合法が挙げられる。
また、前記の架橋性の非結晶性樹脂のうち、架橋性ビニル樹脂としては、2個以上のビニル重合性官能基を有するビニルモノマー(ジビニルベンゼン等)を含むビニルモノマーの共重合体等が挙げられる。
架橋性ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物であって、ポリオール及び/又はポリカルボン酸の少なくとも一部として、後述の3官能以上のポリオール(d)及び/又は3官能以上のポリカルボン酸(f)を用いて得られるポリエステル樹脂等が挙げられる。
同様に、他の樹脂の場合も架橋性のモノマーを少なくとも一部用いて得られる樹脂がより好ましい。
有機微粒子(A)として、結晶性樹脂と非結晶性樹脂を併用してもよい。結晶性樹脂と非結晶性樹脂の混合物の融点は、50〜150℃であることが好ましい。非結晶性樹脂の含有量は、結晶性樹脂と非結晶性樹脂の合計重量に対して、0〜50%であることが好ましい。また非結晶性樹脂を結晶性樹脂で被覆した微粒子であってもよい。
結晶性樹脂および/または非結晶性樹脂を含有する有機微粒子(A)の製法はいかなる製法であってもよいが、具体例としては、乾式で製造する方法〔有機微粒子(A)を構成する材料(t)をジェットミル等の公知の乾式粉砕機により乾式粉砕する方法〕、湿式で製造する方法〔(t)の粉末を有機溶剤中に分散し、ビーズミルやロールミル等の公知の湿式分散機により湿式粉砕する方法、(t)の溶剤溶液をスプレードライヤー等により噴霧乾燥する方法、(t)の溶剤溶液を貧溶媒添加や冷却によって過飽和させ析出させる方法、(t)の溶剤溶液を水あるいは有機溶剤中に分散する方法、(t)の前駆体を水中で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード重合法、懸濁重合法等により重合させる方法、(t)の前駆体を有機溶剤中で分散重合等により重合させる方法〕が挙げられる。また上記方法により非結晶性樹脂の微粒子(A’)を合成した後、公知のコーティング法、シード重合法、メカノケミカル法等により、結晶性樹脂を(A’)表面に形成してもよい。これらのうち、有機微粒子(A)の製造しやすさの観点から、湿式で製造する方法が好ましく、さらに好ましくは、析出させる方法、乳化重合法、分散重合である。
有機微粒子(A)はそのまま用いてもよく、また樹脂粒子(Y)への吸着性を持たせたり、本発明の樹脂粒子(Z)の粉体特性や電気特性を改質するために、例えばシラン系、チタネート系、アルミネート系等のカップリング剤による表面処理、各種界面活性剤による表面処理、ポリマーによるコーティング処理等により表面改質されていてもよい。有機微粒子(A)及び樹脂粒子(Y)のいずれか一方が、少なくともその表面に酸性官能基を有し、他の一方が少なくともその表面に塩基性官能基を有することが好ましい。
有機微粒子(A)及び樹脂粒子(Y)はその内部に酸性官能基又は塩基性官能基を有していてもよい。酸性官能基としてはカルボン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。塩基性官能基としては第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基等が挙げられる。
有機微粒子(A)及び樹脂粒子(Y)は少なくともその表面に酸性官能基又は塩基性官能基を付与するために、(A)を構成する結晶性樹脂もしくは非結晶性樹脂、樹脂(B)として酸性官能基又は塩基性官能基を有する樹脂を使用してもよいし、有機微粒子(A)及び樹脂粒子(Y)にこれら官能基を付与するために表面処理してもよい。
酸性官能基を有する結晶性樹脂もしくは非結晶性樹脂としては、酸価を有する脂肪族ポリエステル、酸性官能基を有する単量体(例えば、後述のカルボキシル基含有ビニルモノマー、スルホン基含有ビニルモノマーなど)を共重合したビニル樹脂等が挙げられる。
塩基性官能基を有する結晶性樹脂もしくは非結晶性樹脂としては、塩基性官能基を有する単量体(例えば、後述のアミノ基含有ビニルモノマーなど)を共重合したビニル樹脂等が挙げられる。
有機微粒子(A)の粒径は、樹脂粒子(Y)の粒径よりも小さい。粒径比[有機微粒子(A)の体積平均粒径/[本発明の製造方法により得られる樹脂粒子(Z)の体積平均粒径]の値は、好ましくは0.001〜0.3、より好ましくは0.002〜0.2、さらに好ましくは0.003〜0.1、特に好ましくは0.01〜0.08である。上記範囲内であると(A)が(Y)の表面に効率よく吸着するため、得られる樹脂粒子(Z)の粒度分布が狭くなる。
有機微粒子(A)の体積平均粒子径は、樹脂粒子(Z)を分散できれば、特に制限はないが、好ましくは30〜1000nmであり、さらに好ましくは50〜500nmである。この範囲であれば、(X)中での樹脂粒子(Z)の分散性が向上する。
なお、本発明において、体積平均粒子径及び個数平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば LB−550:堀場製作所製)、レーザー式粒度分布測定装置(例えば、LA−920:堀場製作所製、マルチサイザーIII:コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。
本発明の製造方法において用いる二酸化炭素(X)としては、液体状態のものと超臨界状態のものが使用できるが、超臨界状態が好ましい。
ここで、液体状態状の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力=0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す。一方、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す。なお、本発明における圧力とは、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を示す。
二酸化炭素(X)中には、分散媒としての物性値(粘度、拡散係数、誘電率、溶解度、界面張力等)を調整するために、他の物質(u)を適宜含んでよく、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の不活性気体等が挙げられる。
(X)と他の物質(u)の合計中の(X)の重量分率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、とくに好ましくは90%以上である。
本発明の製造方法に用いる樹脂(B)は、芳香環を含有しないポリエステル(p)を必須構成成分とする結晶性部(a)と非結晶性部(b)から構成される樹脂であり、具体的には結晶性部(a)を構成する樹脂と非結晶性部(b)を構成する樹脂を結合することにより得られる。
以下に、結晶性部(a)を構成する樹脂について説明する。
結晶性部(a)を構成する樹脂は、芳香環を含有しないポリエステル(p)を必須構成成分とし、結晶性を有していれば特に制限はない。耐熱保存性の観点から、融点(m)が30〜120℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは40〜100℃である。
芳香環を含有しないポリエステル(p)は、芳香環を含有しないポリオール成分と芳香環を含有しないポリカルボン酸成分とが重縮合されて得られる。
結晶性の点から、好ましくは芳香環を含有しないジオール(c1)と、芳香環を含有しないジカルボン酸(e1)とが重縮合されて得られるポリエステル樹脂であり、必要に応じて3官能以上の芳香環を含有しないポリオール(d1)や3官能以上の芳香環を含有しないポリカルボン酸(f1)を併用することができる。
芳香環を含有しないジオール(c1)としては、脂肪族ジオール(c11)、(c11)以外の芳香環を含有しないジオール(c12)、カルボキシル基を有するジオール(c13)、およびスルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール(c14)などが挙げられる。
脂肪族ジオール(c11)としては、直鎖型脂肪族ジオール(c111)、2級水酸基を有する脂肪族ジオール(c112)、および分岐型脂肪族ジオール(c113)が挙げられる。
直鎖型脂肪族ジオール(c111)は、分子末端に1級水酸基を有する直鎖型脂肪族ジオールを意味し、炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、および1,20−エイコサンジオール)などが挙げられる。
これらのうち、入手容易性を考慮すると、炭素数2〜10の直鎖型脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、および1,10−デカンジオール等)が好ましい。
2級水酸基を有する脂肪族ジオール(c112)としては、炭素数2〜36の2級水酸基を有する脂肪族ジオール(例えば、1,2−プロピレングリコール)などが挙げられる。
分岐型脂肪族ジオール(c113)としては、炭素数2〜36の分岐型脂肪族ジオール(例えば、ネオペンチルグリコール、および2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール)などが挙げられる。
脂肪族ジオール(c11)以外の芳香環を含有しないジオール(c12)としては、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、炭素数4〜36の脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA)、上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30)、およびポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するジオール(c13)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール(c14)としては、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、スルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物]、およびビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらのジオールの中和塩基としては、例えば炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミンなど)および/またはアルカリ金属(ナトリウム塩など)が挙げられる。
3官能以上(3〜8価またはそれ以上)の芳香環を含有しないポリオール(d1)としては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、およびポリグリセリンなど)、糖類およびその誘導体(例えば、ショ糖、およびメチルグルコシド)、およびアクリルポリオール[例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他の非芳香族ビニル系モノマーの共重合物]などが挙げられる。
(p)を構成するポリオール成分としては、直鎖型脂肪族ジオール(c111)の含有量が、ポリオール成分の80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上である (c111)の含有量が80モル%以上では、ポリエステル樹脂の結晶性が向上し、融点が上昇するため、耐熱保存性が良好となる。
芳香環を含有しないジカルボン酸(e1)としては、炭素数4〜36の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸など)、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸など)などが挙げられる。
3官能以上(3〜8価またはそれ以上)の芳香環を含有しないポリカルボン酸(f1)としては、炭素数6〜36の脂肪族または脂環式ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸など)などが挙げられる。
なお、(e1)および(f1)としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち、結晶性や入手容易性の観点から、好ましくは脂肪族ジカルボン酸であり、さらに好ましくは、直鎖型の脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸等)である。
芳香環を含有しないポリエステル(p)として好ましい具体例としては、1,4−ブタンジオールとセバシン酸の重縮合物、1,6−ヘキサンジオールとドデカンジカルボン酸の重縮合物、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸の重縮合物、1,10−デカンジオールとアジピン酸の重縮合物、1,4−ブタンジオールとドデカンジカルボン酸の重縮合物、およびエチレングリコールとドデカンジカルボン酸の重縮合物が挙げられる。
芳香環を含有しないポリエステル(p)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた重量平均分子量(Mw)が2000〜80000のものが好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−100〜40℃、さらに好ましくは−80〜0℃である。融点(m)は、好ましくは40〜100℃である。
結晶性部(a)を構成する樹脂は、芳香環を含有しないポリエステル(p)を必須構成成分とし、結晶性を有していれば特に制限はなく、芳香環を含有しないポリエステル(p)の単独樹脂であっても、結晶性を有する他の樹脂との複合樹脂であってもよい。
複合樹脂の場合の結晶性を有する他の樹脂としては、ブロックを導入しやすいことから、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリウレア樹脂が好ましい。
結晶性ポリウレタン樹脂は、ジオール(c)を含有するポリオール成分と、ジイソシアネート(g)を含有するポリイソシアネート成分とから合成されるポリウレタン樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリオール成分として3官能以上のポリオール(d)や、ポリイソシアネート成分として3官能以上のポリイソシアネート(h)を併用してもよい。
結晶性ポリアミド樹脂は、ジアミン(i)を含有するポリアミンと、ジカルボン酸(e)を含有するポリカルボン酸成分とから合成されるポリアミド樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリアミン成分として3官能以上のポリアミン(j)や、ポリカルボン酸成分として3官能以上のポリカルボン酸(f)を併用してもよい。
結晶性ポリウレア樹脂は、ジアミン(i)を含有するポリアミンと、ジイソシアネート(g)を含有するポリイソシアネート成分とから合成されるポリウレア樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリアミン成分として3官能以上のポリアミン(j)や、ポリイソシアネート成分として3官能以上のポリイソシアネート(h)を併用してもよい。
結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリウレア樹脂に用いられるポリオール成分、ポリカルボン酸成分、ポリイソシアネート成分、およびポリアミン成分(それぞれ3官能以上のものを含む)について以降説明する。
ポリオール成分のうち、ジオール(c)としては、前記の芳香環を含有しないポリエステル(p)を構成するポリオール成分のうちの芳香環を含有しないジオール(c1)として例示したもの、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
3官能以上(3〜8価またはそれ以上)のポリオール(d)としては、前記の3官能以上の芳香環を含有しないポリオール(d1)として例示したもの、並びにトリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2〜30)、ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2〜30)、およびアクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物など]などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、前記の(p)を構成するポリオール成分と同様である。
ポリカルボン酸成分のうち、ジカルボン酸(e)としては、前記の芳香環を含有しないジカルボン酸(e1)として例示したもの、および炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸など)などが挙げられる。
3官能以上(3〜6価またはそれ以上)のポリカルボン酸(f)としては、前記の3官能以上の芳香環を含有しないポリカルボン酸(f1)として例示したもの、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分として好ましくは、脂肪族ジカルボン酸(特に直鎖型のカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸であり、さらに好ましくは、結晶性や入手容易性の点から、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、およびイソフタル酸である。
ポリイソシアネート成分のうち、ジイソシアネート(g)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く。以下同様。)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、必要により3官能以上(3〜8価またはそれ以上)のポリイソシアネート(h)を併用してもよい。
芳香族ジイソシアネートおよび3価以上の芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートおよび3価以上の脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートなどが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートおよび3価以上の脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネートおよび3価以上の芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
これらのポリイソシアネート成分のうちで好ましいものは、炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
ポリアミン成分〔ジアミン(i)および3官能以上のポリアミン(j)〕の例として、脂肪族ジアミン類(C2〜C18)としては、
〔1〕脂肪族ジアミン{C2〜C6 アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕};
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど〕;
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ジアミン{脂環式ジアミン(C4〜C15)〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など〕、複素環式ジアミン(C4〜C15)〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど);等が挙げられる。
芳香族ジアミン類(C6〜C20)としては、
〔1〕非置換芳香族ジアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど;
〔2〕核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基〕を有する芳香族ジアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;
〔3〕核置換電子吸引基(Cl,Br,I,Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリンなど〕;
〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ジアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基たとえばメチル,エチルなどの低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕が挙げられる。
ポリアミン成分としては、これらの他、ポリアミドポリアミン〔ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど〕、ポリエーテルポリアミン〔ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など〕等が挙げられる。
結晶性部(a)を構成する樹脂中の芳香環を含有しないポリエステル(p)の割合は、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、とくに好ましくは40〜95%である。
芳香環を含有しないポリエステル(p)と、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、および結晶性ポリアミド樹脂を結合する方法は、それぞれが含有する官能基の反応性を考慮して、結合剤(カップリング剤)を使用するかしないかを選択し、また使用する場合は、含有する官能基にあった結合剤を選択し、結合させ複合樹脂とすることができる。
複合樹脂を作製する時に結合剤を使わない場合、必要により加熱減圧しつつ、芳香環を含有しないポリエステル(p)が含有する官能基とそれ以外のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、およびポリアミド樹脂が含有する官能基との反応を進める。特に末端の官能基がカルボキシル基と水酸基との反応や、カルボキシル基とアミノ基との反応の場合、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合、反応がスムーズに進行する。反応温度は180℃〜230℃で行うのが好ましい。
結合剤を使う場合は、末端の官能基の種類に合わせて、種々の結合剤が使用できる。
多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、酸無水物、多官能エポキシ等を結合剤として用いて、脱水反応や、付加反応を行うことで、複合樹脂である結晶性部(a)が得られる。
多価カルボン酸および酸無水物としては、前記ポリカルボン酸成分と同様のものが挙げられる。多価アルコールとしては、前記ポリオール成分と同様のものが挙げられる。多価イソシアネートとしては、前記ポリイソシアネート成分と同様のものが挙げられる。
多官能エポキシとしては、ビスフェノールA型および−F型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールAまたは−FのAO付加体のジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのAO付加体のジグリシジルエーテル、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等)のジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジおよび/またはトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリおよび/またはテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタおよび/またはヘキサグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン・フェノール付加型グリシジルエーテル、メチレンビス(2,7−ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
複合樹脂を作製する方法のうち、脱水反応の例としては、芳香環を含有しないポリエステル(p)、複合樹脂を形成するその他の結晶性樹脂が共に水酸基を有する場合には、これらの水酸基を結合剤(例えば多価カルボン酸)で結合する反応が挙げられる。この場合、例えば、無溶剤下、反応温度180℃〜230℃で反応し、複合樹脂である結晶性部(a)が得られる。
付加反応の例としては、芳香環を含有しないポリエステル(p)、複合樹脂を形成するその他の結晶性樹脂が共に末端に水酸基を有する場合であり、これらを結合剤(例えば多価イソシアネート)で結合する反応や、また芳香環を含有しないポリエステル(p)、複合樹脂を形成するその他の結晶性樹脂の片方が末端に水酸基を有する場合で、もう一方が末端にイソシアネート基を有する樹脂の場合、結合剤を用いずにこれらを結合する反応が挙げられる。この場合、例えば、芳香環を含有しないポリエステル(p)、複合樹脂を形成するその他の結晶性樹脂ともに溶解可能な溶剤に溶解させ、これに必要であるなら結合剤を投入し、反応温度80℃〜150℃で反応し、複合樹脂である結晶性部(a)が得られる。
非結晶性部(b)を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂(ラクトン開環重合物を含む)、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂等が挙げられる。
これらのうち、ポリエステル樹脂(ラクトン開環重合物を含む)、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、およびそれらの複合樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂がさらに好ましい。
前記結晶性部(a)と同様に、ポリエステル樹脂は、ジオール(c)を含有するポリオール成分とジカルボン酸(e)を含有するポリカルボン酸成分とから合成されるポリエステル樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリオール成分として3官能以上のポリオール(d)や、ポリカルボン酸成分として3官能以上のポリカルボン酸(f)を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂は、ジオール(c)を含有するポリオール成分と、ジイソシアネート(g)を含有するポリイソシアネート成分とから合成されるポリウレタン樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリオール成分として3官能以上のポリオール(d)や、ポリイソシアネート成分として3官能以上のポリイソシアネート(h)を併用してもよい。
ポリウレア樹脂は、ジアミン(i)を含有するポリアミンと、ジイソシアネート(g)を含有するポリイソシアネート成分とから合成されるポリウレア樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリアミン成分として3官能以上のポリアミン(j)や、ポリイソシアネート成分として3官能以上のポリイソシアネート(h)併用してもよい。
ポリアミド樹脂は、ジアミン(i)を含有するポリアミンと、ジカルボン酸(e)を含有するポリカルボン酸成分とから合成されるポリアミド樹脂であることが好ましい。ただし、必要に応じて、ポリアミン成分として3官能以上のポリアミン(j)や、ポリカルボン酸成分として3官能以上のポリカルボン酸(f)を併用してもよい。
非結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリウレタン樹脂、非結晶性ポリアミド樹脂、非結晶性ポリウレア樹脂を構成するモノマーとしては、前記ポリオール成分、前記ポリカルボン酸成分、前記ポリイソシアネート成分、および前記ポリアミン成分の具体例として示したものと同様のものが挙げられ、非結晶性樹脂となるものであればいかなる組合せでも構わない。
また、非結晶性部(b)を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)は耐熱保存性の観点から、好ましくは40〜250℃、さらに好ましくは50〜240℃、とくに好ましくは60〜230℃である。
ここで、ガラス転移温度は、JIS K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して、示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業(株)製 DSC20、エスアイアイナノテクノロジー(株)製 RDC220等)を用いて測定される。
結晶性部(a)を構成する樹脂と非結晶性部(b)を構成する樹脂との結合は、(a)および(b)を構成する樹脂のそれぞれの末端官能基の反応性を考慮して、結合剤(カップリング剤)を使用するかしないかを選択し、また使用する場合は、末端官能基にあった結合剤を選択し、(a)と(b)を結合させ、ブロックポリマーである樹脂(B)とすることができる。
なお、上記方法で、樹脂(B)と未反応の(a)および/または(b)の混合物〔好ましくは(B)と(a)の混合物〕が得られる場合、混合物をそのまま本発明の樹脂粒子の製造方法に使用してもよい。
結合剤を使わない場合、必要により加熱減圧しつつ、(a)を形成する樹脂の末端官能基と(b)を形成する樹脂の末端官能基の反応を進める。特に末端の官能基がカルボキシル基と水酸基との反応や、カルボキシル基とアミノ基との反応の場合、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合、反応がスムーズに進行する。反応温度は180℃〜230℃で行うのが好ましい。
結合剤を使う場合は、末端の官能基の種類に合わせて、種々の結合剤が使用できる。
多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、酸無水物、多官能エポキシ等を結合剤として用いて、脱水反応や、付加反応を行うことで、結晶性部(a)と非結晶性部(b)を結合させて、樹脂(B)が得られる。
これらの結合剤および結合方法の具体例としては、前記のものが挙げられる。
結晶性部(a)と非結晶性部(b)から構成される樹脂(B)は、結晶性樹脂であることが好ましく、耐熱保存性の観点から、融点(m)は、好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上、特に好ましくは55℃以上である。また、溶融特性の観点から、110℃以下が好ましく、さらに好ましくは100℃以下、特に好ましくは90℃以下である。
樹脂(B)の軟化点(s)[℃]と融点(m)[℃]との比(s/m)は、好ましくは0.8〜1.55であり、より好ましくは0.8〜1.2、特に好ましくは0.85〜1.15である。この範囲内であると、トナー粒子として用いた場合に、画像劣化しにくくなる。なお、軟化点(s)は、次のように測定される値である。
<軟化点>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
樹脂(B)の粘弾性特性において、下記〔条件1〕を満たすのが好ましく、下記〔条件1−2〕を満たすのがさらに好ましい
〔条件1〕 G’(m+20)=50〜1×106[Pa]
〔条件1−2〕 G’(m+20)=100〜5×105[Pa]
[G’:貯蔵弾性率[Pa]]
(m+20)℃におけるG’が50Pa以上であると、トナー粒子に用いたとき、低温定着時でもホットオフセットが起きにくく、定着温度領域が広くなる。また、1×106[Pa]以下であると低温側で定着可能な粘性になりやすく、低温での定着性が向上する。
動的粘弾性測定値(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”)は、Rheometric Scientific社製 動的粘弾性測定装置 RDS−2を用い周波数1Hz条件下で測定される。測定温度範囲は30℃〜200℃で、この温度間の溶融粘弾性を測定することによって、温度−G’、温度−G”の曲線として得ることができる。
〔条件1〕を満たす樹脂(B)は、(B)を構成する組成中の結晶性成分の比率を調整することや樹脂分子量を調整すること等により得ることができる。例えば、結晶性部(a)の比率や結晶性成分の比率を増加させると、G’(m+20)の値は小さくなる。結晶性成分としては、直鎖構造を有するポリオール、ポリイソシアネート等が挙げられる。また樹脂分子量を低下させることでもG’(m+20)の値は小さくなる。
樹脂(B)の溶融開始温度(x)は、好ましくは(m±20)℃(mは融点)の温度範囲内であり、さらに好ましくは(m±15)℃の温度範囲内、特に好ましくは(m±10)℃の温度範囲内である。(x)は、具体的には30〜100℃が好ましく、さらに好ましくは40〜80℃である。なお、溶融開始温度(x)は、次のように測定される値である。
<溶融開始温度>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、試料の熱膨張によるピストンのわずかな上昇が行われた後、再びピストンが明らかに下降し始める点の温度をグラフから読み取り、この値を溶融開始温度とする。
また、樹脂(B)は、損失弾性率G”と溶融開始温度(x)に関して、以下の〔条件2〕を満たすことが好ましく、〔条件2−2〕を満たすことがさらに好ましく、〔条件2−3〕を満たすことが特に好ましく、〔条件2−4〕を満たすことが最も好ましい。
〔条件2〕 |LogG”(x+20)−LogG”(x)|>2.0
[G”:損失弾性率[Pa]]
〔条件2−2〕 |LogG”(x+20)−LogG”(x)|>2.5
〔条件2−3〕 |LogG”(x+15)−LogG”(x)|>2.5
〔条件2−4〕 |LogG”(x+10)−LogG”(x)|>2.5
樹脂(B)の溶融開始温度(x)が上記範囲内であり、かつ〔条件2〕を満たすと、樹脂の低粘性化速度が速く、トナー粒子としたとき、定着温度領域の低温側、高温側で同等の画質を得ることができる。また、溶融開始から定着可能粘性に至るまでが速く、優れた低温定着性を得るのに有利である。〔条件2〕は、どれだけ早く、少ない熱で定着できるかという、樹脂のシャープメルト性の指標であり、実験的に求めたものである。
溶融開始温度(x)の好ましい範囲、および〔条件2〕を満たす樹脂(B)は、(B)の構成成分中の結晶性成分の比率を調整すること等により得ることができる。例えば、結晶性成分の比率を大きくすると、(m)と(x)の温度差が小さくなる。
また、樹脂(B)の粘弾性特性において、(m+30)℃の損失弾性率G”と(m+70)℃の損失弾性率G”の比〔G”(m+30)/G”(m+70)〕が0.05〜50であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10である〔m:(B)の融点〕。
損失弾性率の比が上記の範囲で維持されることによって、トナー粒子としたとき、定着温度領域でより安定した画質を得ることができる。
上記のG”の比の条件を満たす樹脂(B)は、(B)を構成する組成中の結晶性成分の比率や結晶性部(a)の分子量を調整すること等により得ることができる。例えば、結晶性部(a)の比率や結晶性成分の比率を増加させると、〔G”(m+30)/G”(m+70)〕の値は小さくなる。また結晶性部(a)の分子量を増加させると〔G”(m+30)/G”(m+70)〕の値は小さくなる。結晶性成分としては、直鎖構造を有するポリオール、ポリイソシアネート等が挙げられる。
樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、溶融特性の観点から5000〜100000が好ましく、さらに好ましくは6000〜80000、特に好ましくは8000〜50000である。
(B)を構成する結晶性部(a)のMwは、2000〜80000が好ましく、さらに好ましくは3000〜60000、特に好ましくは4000〜50000である。
また、(B)を構成する非結晶性部(b)のMwは、500〜50000が好ましく、さらに好ましくは750〜20000であり、特に好ましくは1000〜10000である。
結晶性部(a)及び非結晶性部(b)のMwは、結合させる前にそれぞれ(a)を構成する樹脂及び(b)を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)を測定することで得られる。なお、(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)を用いて前記の条件で測定される。
結晶性部(a)が樹脂(B)中に占める割合は、30〜95%が好ましく、さらに好ましくは40〜90%であり、特に好ましくは50〜85%である。この範囲であると樹脂(B)の結晶性が損なわれず、耐熱保存性が良好である。
樹脂(B)は、結晶性部(a)と非結晶性部(b)から構成されるブロック樹脂であるが、(a)と(b)とが、下記の形式で線状に結合された両末端が(a)の樹脂であり、{−(b)−(a)}の単位の繰り返し数の平均値nが0.5〜3.5であることが好ましく、さらに好ましくはn=0.7〜2.0、とくに好ましくはn=0.9〜1.5である。
(a){−(b)−(a)}n
上記式は、具体的には、結晶性部(a)と非結晶性部(b)とが、
(a)〔n=0〕、
(a)−(b)−(a)〔n=1〕、
(a)−(b)−(a)−(b)−(a)〔n=2〕、
(a)−(b)−(a)−(b)−(a)−(b)−(a)〔n=3〕
等の形式で線状に結合された樹脂、およびこれらの混合物〔n=0のみからなるものを除く〕を意味する。なお、nが0のものを含有するということは、樹脂(B)と共に結晶性部(a)を構成する樹脂を含有することを意味する。
nが3.5以下であると、樹脂(B)の結晶性が損なわれない。またnが0.5以上であると(B)の溶融後の弾性が良好であり、トナー用に用いたとき、定着時にホットオフセットが発生しにくく定着温度領域がより広くなる。なお、nは原料の使用量〔(a)と(b)のモル比〕から求めた計算値である。また、樹脂(B)の結晶化度の観点から(B)の両末端は結晶性部(a)であることが好ましい。
なお、両末端が非結晶性部(b)である場合は、結晶化度が落ちるため、樹脂(B)に結晶性を持たせるために、(B)中の結晶性部(a)の比率を75%以上にするのが好ましい。
樹脂(B)を溶解させた溶液(L)に用いる溶剤(S)としては、例えば、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、および脂肪族炭化水素溶剤(オクタン、デカン等)などが挙げられる。これらの溶剤の2種以上の混合溶剤、または、これらの有機溶剤と水との混合溶剤を用いることもできる。
粒子形成のし易さの観点から、単一溶剤として、環状エーテル、ピルビン酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル、およびフッ素含有アルコール、並びに混合溶剤が好ましい。
さらに好ましくは、溶剤除去の観点から、混合溶剤(特に、アセトンとメタノールと水の混合溶剤、アセトンとメタノールの混合溶剤、アセトンとエタノールの混合溶剤、およびアセトンと水の混合溶剤)である。
上記樹脂(B)の溶解性パラメーター(SP値)は8〜16が好ましく、さらに好ましくは9〜14である。また、溶剤(S)のSP値は9〜16が好ましく、さらに好ましくは10〜15である。
SP値とは、下記に示した様に、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
子容の比の平方根で表されるものである。
樹脂(B)の溶液(L)は、樹脂(B)を溶剤(S)に溶解させて製造する。
溶液(L)の40℃における粘度は、好ましくは10〜100万mPa・sであり、更に好ましくは、50〜50万mPa・sであり、特に好ましくは、100〜20万mPa・sである。この範囲であれば、樹脂粒子(Z)の分散性が向上する。
また、溶液(L)中の樹脂(B)の重量比率は、好ましくは5〜95%であり、更に好ましくは、10〜90%であり、特に好ましくは、15〜85%である。この範囲であれば、効率よく樹脂粒子(Y)を形成することができる。
また、樹脂(B)の溶液(L)は、二酸化炭素(X)中に分散するため、(X)と混合する際の温度において適度な粘度であることが好ましく、粒度分布の観点から、好ましくは10万mPa・s以下、さらに好ましくは5万mPa・s以下である。樹脂(B)の(X)への溶解度は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
本発明の製造方法に用いる着色剤分散液(C)は、着色剤(k)、酸価とアミン価の合計(mgKOH/g)が20以上250以下である分散剤(l)、溶剤(S)、および圧力が2MPa以上である液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)を混合し、その後減圧膨張して(X)を気化させ除去することで得られた、メジアン径が1μm以下の着色剤(k)が溶剤(S)中に分散された分散液である。
着色剤(k)としては、公知の染料及び顔料を広く用いることができ、染料としては、モノアゾ、ジスアゾ、金属錯塩アゾ、アントラキノン、インジゴ系、フタロシアニン、ピラゾロン、スチルベン、チアゾール、キノリン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、アクリジン、キサンテン、アジン、チアジン、オキサジン、ポリメチン、インドフェノール、ペリレン等、顔料としては、アゾレーキ系、不溶アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、ペリレン系、ジオキサジン系、インジゴ系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ベンズイミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、金属錯体などの有機系顔料、さらに黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンや金属粉顔料、着色マイカ等、およびこれらの混合物が挙げられる。
具体例としては、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、ピグメントレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、およびオイルピンクOP等が挙げられる。
分散剤(l)は、その酸価とアミン価の合計(単位:mgKOH/g、以下同様。)が20以上250以下であり、好ましくは30以上250以下、より好ましくは35以上220以下、とくに好ましくは40以上210以下である。20未満であったり、250を超えると、着色剤(k)と相互作用しにくくなり、分散性が悪くなる。
本発明において、分散剤(l)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。また、アミン価は、JIS K7237(1996年版)規定の方法で測定される。
また、分散剤(l)は、分子量分布において、少なくとも1,000以上1,000,000以下の範囲にピークを有するものがよく、ピーク分子量は、好ましくは1,050以上100,000以下、さらに好ましくは1,100以上30,000以下、とくに好ましくは1,200以上10,000以下である。この範囲にピークを有することで、分散剤(l)がより溶剤(S)中に溶解しやすくなり、着色剤(k)表面に効率的に吸着することができる。また(l)は、上記ピークに加えて1,000未満(好ましくは200〜990)の範囲にピークを有していてもよい。
本発明において、分散剤(l)の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて前記の条件で測定される。
分散剤(l)の組成は、前記の酸価とアミン価の合計値を有するものでれば特に限定されないが、酸性や塩基性の官能基を持った重合高分子や、高分子化合物の塩が好ましい。例えば、酸性基および/または塩基性基を有するビニル共重合体、ポリエステル、およびポリオレフィン、並びに酸性基を有する高分子化合物のアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。官能基を有することで、着色剤(k)の表面により吸着しやすくなり、溶剤(S)中での着色剤(k)の分散安定化を促進することができる。
分散剤(l)のうち、例えば、酸性基および/または塩基性基を有するビニル共重合体としては、酸性基を有するビニルモノマーおよび/または塩基性基を有するビニルモノマー、ならびに必要により他のビニルモノマーの共重合体が挙げられる。
酸性基を有するビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル〕などのカルボキシル基含有ビニルモノマー;およびスルホン基含有ビニルモノマー等が挙げられる。
塩基性基を有するビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他のビニルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、およびスチレン等が挙げられる。
他の樹脂についても、例えば、酸性基を有するモノマーおよび/または塩基性基を有するモノマーを含有するモノマーから得られる樹脂を用いる。
分散剤(l)は、前記の酸価とアミン価の合計値を有する市販品を用いてもよい。具体例としては、ビックケミー・ジャパン社製の、DISPERBYK106、108,145、BYK9076,9077、およびANTI−TERRA−U100、ならびに日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE21000,24000,28000,32000,33000,36000,41000,54000,56000,および71000等が挙げられる。
溶剤(S)は、使用条件で分散剤(l)を溶かすものが好ましく、例えば前記のものが挙げられる。これらの中では、ケトン溶剤、エーテル溶剤およびエステル溶剤が好ましく、酢酸エチル、およびアセトンがさらに好ましい。
二酸化炭素(X)の圧力は2MPa以上であり、好ましくは3MPa以上20MPa以下、より好ましくは4MPa以上15MPa以下である。この圧力の範囲において、二酸化炭素(X)が着色剤(k)により浸透して着色剤(k)が粉砕されやすくなり、さらに分散剤(l)が二酸化炭素(X)と溶剤(S)の混合液により良く溶解し、着色剤(k)の表面に吸着しやすくなる。
分散剤(l)は分散液の製造時、二酸化炭素(X)と溶剤(S)の混合液に溶解するものであるのが好ましい。溶解することで、分散剤(l)が着色剤(k)表面に均一に接触して吸着しやすくなり、分散安定化効果を高める。
着色剤(k)、分散剤(l)、溶剤(S)および圧力が2MPa以上である二酸化炭素(X)を混合し、その後で減圧膨張して、(X)を気化させて除去することで、メジアン径が1μm以下の着色剤(k)が、溶剤(S)中に分散された着色剤分散液(C)が得られる。
着色剤(k)、分散剤(l)、溶剤(S)、および圧力が2MPa以上である二酸化炭素(X)を混合する順序、方法は特に限定されないが、まず、溶剤(S)に分散剤(l)を溶解させた後、着色剤(k)と混合し、次いで混合物に二酸化炭素(X)を導入するのが好ましい。
分散剤(l)は、着色剤(k)に対して1〜80%使用するのが好ましく、さらに好ましくは5〜70%、特に好ましくは10〜50%である。この範囲において、分散剤(l)は着色剤(k)の表面全体に効果的に吸着する。
溶剤(S)の量は、着色剤(k)1重量部に対して1〜100重量部使用するのが好ましく、さらに好ましくは2〜80重量部、特に好ましくは3〜50重量部である。この範囲内において、着色剤分散液(C)を取り扱いしやすい粘度で得ることができる。
着色剤(k)、分散剤(l)、および溶剤(S)の混合物(以下、スラリーと呼ぶ)を耐圧式の容器に仕込み、耐圧容器に備え付けたポンプ等の加圧手段により、所望の圧力に達するまで二酸化炭素(X)を容器内に導入し、スラリーと混合するのが好ましい。二酸化炭素(X)を導入することでスラリー体積が膨張するため、スラリーの初期仕込み量は、容器の容積に対して10〜60体積%が好ましい。
着色剤分散液(C)の製造に用いる耐圧容器は、2MPa以上の最大圧力に耐え得るものであり、容器内でスラリーと二酸化炭素(X)を攪拌混合できる設備を備え付けたもので、さらに容器下部にスラリー取り出し用のノズルを備えているものが好ましい。ノズルの口径は、0.5〜5.0mm程度で、ニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、二酸化炭素(X)混合後のスラリーを高圧状態から大気中に一気に噴出させることができるものが好ましい。
二酸化炭素(X)の導入後、しばらく攪拌することで着色剤(k)に分散剤(l)を吸着させる。攪拌時間は、分散剤(l)が着色剤(k)に吸着できる最低限度の時間でよく、10〜30分程度攪拌するのが好ましい。
また、スラリーと二酸化炭素(X)の攪拌混合時の温度は、過昇温による着色剤の凝集防止や、吐出時のスラリーの温度調整などの点から、好ましくは15〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃である。
攪拌後、容器下部ノズルよりバルブを開けて(好ましくは全開状態で)スラリーを一気に大気圧まで減圧膨張させ、二酸化炭素(X)を気化させて除くことで、メジアン径が1μm以下の着色剤(k)が溶剤(S)中に分散された着色剤分散液(C)が得られる。この減圧膨張の操作により、スラリー温度が下がるため、減圧膨張前のスラリーをある程度(好ましくは50〜100℃)加熱温調しておいてもよい。温調することで、取り出し時の着色剤分散液(C)の液温低下による、水分の混入を防ぐことができる。
上記スラリーと二酸化炭素(X)の混合は、上記の耐圧容器内で行う方法以外に、ラインブレンド(インライン混合)方法により連続的に行うことができ、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面から好ましい。
ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機などが挙げられる。装置のミキサー部分の長さおよび配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の最大圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、スラリー取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
スラリーと二酸化炭素(X)の混合方法としては、まず、二酸化炭素(X)をラインブレンドを行う装置内に導入して圧力が2MPa以上となるよう調整し、次いでスラリーを(X)に導入するのが好ましい。上記(X)の圧力は、耐圧容器内で行う方法と同様の圧力が好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が十分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の混合物を大気圧まで減圧膨張させ、二酸化炭素(X)を気化させて除くことで、メジアン径が1μm以下の着色剤(k)が溶剤(S)中に分散された着色剤分散液(C)が得られる。
着色剤分散液(C)中の着色剤(k)は、メジアン径が、0.8μm以下で微細化しているのが好ましく、さらに好ましくは0.6μm以下、とくに好ましくは0.01μm以上0.5μm以下で、1μm以上の粒子が存在しないことである。本発明において、メジアン径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば LB−550:堀場製作所製)、レーザー式粒度分布測定装置(例えば LA−920:堀場製作所製)、およびマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)等で測定できる。
本発明の製造方法に必要により用いるワックス分散液(D)は、ワックス(w)と溶剤(S)を含有する(w)の融点以上の温度の混合物と、液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)を混合し、その後減圧膨張して、(w)の融点以下として(w)を析出させると共に(X)を気化させ除去することで得られた、メジアン径が1μm以下のワックス(w)が溶剤(S)中に分散された分散液である。
ワックス(w)としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸、炭素数30〜50の脂肪酸エステルおよびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸ステアリルが挙げられる。
ワックス(w)の融点は、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは50〜110℃である。
溶剤(S)は、常温でワックス(w)が溶解しにくいものであれば特に制限は無く、前記と同様のものが挙げられる。これらの中では、ケトン溶剤、エーテル溶剤およびエステル溶剤が好ましく、酢酸エチル、およびアセトンがさらに好ましい。
溶剤(S)に対するワックス(w)の溶解度は、25℃において5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。
ワックス(w)と共に、必要に応じて分散剤等の添加剤を用いてもよい。
分散剤としては、特に限定はなく、公知のものを使用することができ、ワックス(w)との相溶性の高いユニットと、前記樹脂(B)との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー等が挙げられる。ワックス(w)との相溶性の高いユニットと樹脂(B)との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー〔例えば、ワックス(w)の存在下、ビニルモノマーを重合させて得られるもの〕、不飽和炭化水素(エチレン、プロピレン、ブテン、スチレン、およびα−メチルスチレンなど)と、α,β−不飽和カルボン酸またはそのエステルもしくはその無水物(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、および無水イタコン酸など)との共重合体、ビニル樹脂とポリエステル樹脂とのブロックもしくはグラフト共重合体などが挙げられる。
二酸化炭素(X)の圧力は2MPa以上であり、好ましくは3MPa以上20MPa以下、より好ましくは4MPa以上15MPa以下である。この圧力の範囲において、二酸化炭素(X)がワックス(w)により浸透してワックス(w)が粉砕されやすくなる。
ワックス(w)と溶剤(S)を含有する(w)の融点以上の温度の混合物に、圧力が2MPa以上である二酸化炭素(X)を混合し、その後減圧膨張して、(w)の融点以下として(w)を析出させると共に(X)を気化させて除去することで、メジアン径が1μm以下のワックス(w)が、溶剤(S)中に分散されたワックス分散液(D)が得られる。
ワックス分散液(D)を製造する際、まず、ワックス(w)と溶剤(S)を混合する。溶剤(S)の量は、ワックス(w)に対して1〜100%使用するのが好ましく、さらに好ましくは5〜80%、特に好ましくは10〜60%である。この範囲内においてワックス分散液(D)を、取り扱いしやすい粘度で得ることができる。
(w)と(S)を混合し、(w)の融点以上の温度の混合物〔好ましくはワックス(w)の溶剤(S)溶液〕とする手順としては特に制限はなく、常温の(w)と(S)を混合した後に加熱しても、加熱した(w)あるいは(S)にもう一方を導入しても、どちらでもよい。
なお、前記の分散剤等の添加剤を用いる場合、この混合物中に添加するのが好ましい。
ワックス(w)と溶剤(S)の混合物〔以下(w)含有混合物と呼ぶ〕と、圧力が2MPa以上である二酸化炭素(X)を混合する方法は特に限定されないが、混合物に二酸化炭素(X)を導入するのが好ましい。
好ましい具体的な方法としては、(w)含有混合物を耐圧式の容器に仕込み、(w)含有混合物の温度がワックス(w)の融点よりも低い場合は、融点以上の温度まで加熱し(w)を溶解させる。(w)が完全に融解した後、耐圧容器に備え付けたポンプ等の加圧手段により、所望の圧力に達するまで二酸化炭素(X)を容器内に導入し、(w)含有混合物と混合する。二酸化炭素(X)を導入することで混合物の体積が膨張するため、(w)含有混合物の初期仕込み量は、容器の容積に対して10〜60体積%が好ましい。
ワックス分散液(D)の製造に用いる耐圧容器は、2MPa以上の最大圧力に耐え得るものであり、容器内で(w)含有混合物と二酸化炭素(X)を攪拌混合できる設備を備え付けたもので、さらに容器下部に取り出し用のノズルを備えているものが好ましい。ノズルの口径は、0.5〜5.0mm程度で、ニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、二酸化炭素(X)混合後の(w)含有混合物を高圧状態から大気中に一気に噴出させることができるものが好ましい。
二酸化炭素(X)の導入後、しばらく攪拌することで(X)を十分(w)含有混合物に浸透させる。攪拌時間は、二酸化炭素(X)が全体に十分混合される、最低限度の時間でよく、10〜30分程度攪拌するのが好ましい。(X)を十分混合することにより(w)含有混合物の粘度を下げ、次工程の減圧膨張によるワックス(w)の微粒子化を効果的に行うことができる。
また、(w)含有混合物と二酸化炭素(X)の攪拌混合時の温度は、過昇温による(w)の凝集防止や、吐出時の(w)含有混合物の温度調整などの点から、好ましくは15〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃である。
攪拌後、容器下部ノズルよりバルブを開けて(w)含有混合物を一気に大気圧まで減圧膨張させる。これにより(w)含有混合物の温度が急激に下がり、ワックス(w)の融点以下の温度となり溶解したワックス(w)が析出する。さらに二酸化炭素(X)を気化させて除くことで、メジアン径が1μm以下のワックス(w)が溶剤(S)中に分散されたワックス分散液(D)が得られる。この減圧膨張による晶析工程で(w)含有混合物の温度を十分に下げ、ワックス(w)を十分に析出させるため、減圧膨張前の(w)含有混合物の温度は、ワックス(w)の融点または融点より少し高い温度〔好ましくは(融点)〜(融点+5)℃〕に保つのが好ましい。また、(w)含有混合物を一気に減圧膨張させる方法としては、ノズルに取り付けたニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、高圧下から吐出させるのが好ましい。ノズル口径としては、直径0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.5〜4mm、特に好ましくは1〜3mmである。
(w)含有混合物と二酸化炭素(X)の混合は、上記の耐圧容器内で行う方法以外に、ラインブレンド(インライン混合)方法により連続的に行うことが、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面から好ましい。
ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機などが挙げられる。装置のミキサー部分の長さおよび配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の最大圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、混合物取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
(w)含有混合物と二酸化炭素(X)の混合方法としては、まず、二酸化炭素(X)をラインブレンドを行う装置内に導入して圧力が2MPa以上となるよう調整し、次いで(w)含有混合物を(X)に導入するのが好ましい。上記(X)の圧力は、耐圧容器内で行う方法と同様の圧力が好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が十分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の混合物を大気圧まで減圧膨張させ、二酸化炭素(X)を気化させて除くことで、メジアン径が1μm以下のワックス(w)が溶剤(S)中に分散されたワックス分散液(D)が得られる。
ワックス分散液(D)中のワックス(w)は、メジアン径が、0.8μm以下で微細化しているのが好ましく、さらに好ましくは0.6μm以下、とくに好ましくは0.01μm以上0.5μm以下で、1μm以上の粒子が存在しないことである。
本発明の樹脂粒子の製造方法において、樹脂(B)の溶液(L)を、有機微粒子(A)が分散された二酸化炭素(X)中に分散する分散工程では、下記の分散安定剤(v)を使用することが出来る。分散安定剤(v)は、ジメチルシロキサン基及びフッ素を含有する官能基の少なくとも一方の基を有する化合物である。さらには、二酸化炭素に親和性を有するジメチルシロキサン基、含フッ素基と共に、樹脂(B)に親和性を有する化学構造を有することが好ましい。
例えば樹脂(B)がビニル樹脂である場合、分散安定剤(v)は、ジメチルシロキサン基及びフッ素を含有する官能基の少なくとも一方の基を有するモノマーを構成単位とするビニル樹脂であることが好ましい。
ジメチルシロキサン基を有するモノマー(あるいは反応性オリゴマー)(M1−1)としては、前記のメタクリル変性シリコーンが挙げられる。
また、フッ素を含有するモノマー(M1−2)の具体例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)等のパーフルオロオレフィン;パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PFAVE)、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PFDD)、パーフルオロ−(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)(MMD)、パーフルオロブテニルビニルエーテル(PFBVE)等のパーフルオロビニルエーテル;ビニリデンフルオライド(VdF)、トリフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、パーフルオロ(ブチル)エチレン(PFBE)等の水素原子含有フルオロオレフィン;1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルアクリレート(DPFOA)、1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルメタクリレート(DPFOMA)、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(PFOEA)、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(PFOEMA)、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(PFHEMA)、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート(PFBEMA)等のポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート;α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、α−トリフルオロメチルスチレン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−β−メチルスチレン等のフルオロスチレン等が挙げられる。
また樹脂(B)がウレタン樹脂である場合、分散安定剤(v)は、ジメチルシロキサン基及びフッ素を含有する官能基の少なくとも一方の基を有するモノマーを構成単位とするウレタン樹脂であることが好ましい。
(M1−1)としてはアミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等の活性水素を含む官能基を有するポリシロキサンが好ましい。(M1−2)としては、2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,6−ヘキサンジオール等の含フッ素基ポリオール、含フッ素基(ポリ)アミン、含フッ素基(ポリ)チオール等の活性水素を含む官能基を有するフッ素化合物、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロブタン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロペンタン及びビス(イソシアナトメチル)パーフルオロヘキサン等の含フッ素基(ポリ)イソシアネートが好ましい。
また樹脂(B)が酸価を有する場合、分散性の観点より分散安定剤(v)はアミノ基を有することが好ましい。樹脂(B)の酸価は1〜50が好ましく、さらに好ましくは3〜40、最も好ましくは5〜30である。アミノ基は1級、2級、3級のいずれでもよく、また含フッ素基、ジメチルシロキサン基を含む化合物の側鎖、片末端、両末端、側鎖両末端いずれの位置に導入されたものを使用してもよい。
分散安定剤(v)としては、例えばジメチルシロキサン基を有するモノマー(あるいは反応性オリゴマー)(M1−1)、及び/又はフッ素を含有するモノマー(M1−2)と、前述の樹脂(B)を構成するモノマーとの共重合体(例えば、メタクリル変性シリコーンとメタクリル酸メチルとの共重合体、メタクリル酸ヘプタフルオロブチルとメタクリル酸メチルとの共重合体等)が好ましい。共重合の形態はランダム、ブロック、グラフトのいずれでもよいが、ブロックあるいはグラフトが好ましい。
また樹脂(B)が酸価を有する場合、分散安定性の観点より、有機微粒子(A)は粒子表面にアミノ基を有することが好ましい。アミノ基は1級、2級、3級のいずれでもよく、またアミノ基を含有させる形態は特に限定されず、例えばアミノ基を有する化合物を有機微粒子(A)中に分散、含浸等の方法により含有させる方法、有機微粒子(A)を構成する成分にアミノ基を有する化合物を使用する方法、有機微粒子(A)表面にアミノ基含有カップリング剤等を反応させる方法、有機微粒子(A)表面にアミノ基含有化合物を吸着させる方法等が挙げられる。
分散安定剤(v)の添加量は、分散安定性の観点から、樹脂(B)の重量に対し0.01〜50%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜40%、特に好ましくは0.03〜30%である。分散安定剤(v)の好ましい重量平均分子量の範囲は100〜10万であり、さらに好ましくは200〜5万、特に好ましくは500〜3万である。この範囲内にすると、(v)の分散安定効果が向上する。
本発明の製造方法において得られる、樹脂(B)を含有する樹脂粒子(Y)および樹脂粒子(Z)中に他の添加剤(充填剤、帯電防止剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤など)を含有しても差し支えない。樹脂粒子(Y)および(Z)中に他の添加剤を含有させる方法としては、あらかじめ樹脂(B)もしくは(B)の溶液(L)と添加剤を混合した後、(X)中にその混合物を加えて分散させるのが好ましい。
本発明の樹脂粒子の製造方法では、有機微粒子(A)が分散された、液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)中に、樹脂(B)を溶剤(S)に溶解させた溶液(L)、着色剤分散液(C)、および必要によりワックス分散液(D)を分散させることにより、樹脂(B)、着色剤(k)、溶剤(S)、および必要によりワックス(w)を含有する樹脂粒子(Y1)の表面に有機微粒子(A)が固着された樹脂粒子(Z1)を形成させ、(Z1)を(X)で処理し、次いで液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)と溶剤(S)を除去し樹脂粒子(Z)を製造する。
本発明の製造方法において、前記の結晶性樹脂および/または非結晶性樹脂を含有する有機微粒子(A)を二酸化炭素(X)中に分散する方法はいかなる方法でもよく、例えば、容器内に(A)及び(X)を仕込み、攪拌や超音波照射等により、(A)を直接(X)中に分散する方法や、有機微粒子(A)が溶剤(S)中に分散された分散液を(X)中に導入する方法等が挙げられる。
二酸化炭素(X)の重量に対する有機微粒子(A)の重量比率としては、50%以下が好ましく、更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%である。この範囲であれば、効率よく樹脂粒子(Z1)を製造できる。
有機微粒子(A)を分散させる溶剤(S)としては、前記のものが挙げられる。有機微粒子(A)の分散性から、好ましくは、脂肪族炭化水素溶剤(デカン、ヘキサン、ヘプタンなど)、及びエステル溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)である。
有機微粒子(A)と溶剤(S)の重量比率(%)は、特に制限はないが、溶剤(S)に対して、有機微粒子(A)が50%以下が好ましく、更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは20%以下である。この範囲であれば、効率よく有機微粒子(A)を(X)中に導入することができる。
有機微粒子(A)を溶剤(S)中に分散する方法としては特に制限はないが、有機微粒子(A)を溶剤(S)に仕込み、攪拌や超音波照射等により直接分散する方法や微粒子を高温下で溶剤(S)に溶解させて晶析する方法などが挙げられる。
このようにして二酸化炭素(X)中に(A)が分散している分散体(X0)が得られる。有機微粒子(A)としては、膨潤度が前記の範囲であって、(X)に溶解せず、(X)中に安定分散するものが好ましい。
樹脂(B)が溶剤(S)に溶解された溶液(L)、着色剤分散液(C)、および必要によりワックス分散液(D)を、二酸化炭素(X)中に有機微粒子(A)が分散された分散体(X0)中に分散させる際、予め着色剤分散液(C)、溶液(L)、および必要によりワックス分散液(D)とを混合した後、混合液を(X0)中に導入し分散させてもよいし、別々に(X0)中に導入して分散させてもよいが、予め(C)と(L)と必要により(D)を混合してから(X0)中に分散させるのが好ましい。そうすれば、樹脂(B)中に着色剤(k)やワックス(w)をより均一に分散させることができる。
着色剤分散液(C)の使用量は、樹脂(B)に対する着色剤(k)の量が、0.1〜50%の割合であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜10%である。
また、ワックス分散液(D)を使用する場合の使用量は、樹脂(B)に対するワックスの量が0.1〜70%の割合であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜60%、特に好ましくは1〜50%である。
本発明の製造方法おいて、樹脂(B)の溶剤(S)溶液(L)、着色剤分散液(C)、および必要によりワックス分散液(D)を、二酸化炭素(X)中に有機微粒子(A)が分散されている分散体(X0)中に分散する方法はいかなる方法を用いてもよい。具体例としては、着色剤分散液(C)と溶液(L)と必要によりワックス分散液(D)との混合液を分散体(X0)中に攪拌機や分散機等で分散する方法、(C)と(L)と必要により(D)との混合液を、(X)中に(A)が分散されている分散体(X0)中にスプレーノズルを介して噴霧して液滴を形成し、液滴中の樹脂を過飽和状態とし、樹脂粒子を析出させる方法(ASES:Aerosol Solvent Extraction Systemとして知られている)、同軸の多重管(2重管、3重管等)から、(C)と(L)と必要により(D)との混合液、分散体(X0)を高圧ガス、エントレーナ等とともにそれぞれ別の管から同時に噴出させて、液滴に外部応力を加え分裂を促進させて、粒子を得る方法(SEDS:Solution Enhanced Dispersion by Supercritical Fluidsとして知られている)、超音波を照射する方法等が挙げられる。
このようにして二酸化炭素(X)中に有機微粒子(A)が分散されている分散体(X0)中に、着色剤分散液(C)と樹脂(B)の溶液(L)と必要によりワックス分散液(D)とを分散し、有機微粒子(A)を表面に吸着させながら、分散された樹脂(B)を粒子成長させることにより、樹脂(B)、着色剤(k)、溶剤(S)、および必要によりワックス(w)を含有する樹脂粒子(Y1)の表面に有機微粒子(A)が固着した樹脂粒子(Z1)を形成する。(Z1)が(X)と(S)を含有する分散媒体中に分散されたものを分散体(Q)とする。
分散体(Q)は単一相であることが好ましい。すなわち、(Z1)が分散されている二酸化炭素(X)を含む相の他に、溶剤(S)相が分離する状態は好ましくない。したがって、溶剤相が分離しないように、分散体(X0)に対する(B)の溶液(L)の量を設定することが好ましい。例えば(X0)に対して90%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜80%、特に好ましくは10〜70%である。
なお、樹脂粒子(Y1)中に含有する溶剤(S)の量は、好ましくは10〜90%、さらに好ましくは20〜70%である。
また、樹脂(B)と二酸化炭素(X)の重量比は、好ましくは(B):(X)が、1:(0.1〜100)、さらに好ましくは1:(0.5〜50)、特に好ましくは1:(1〜20)である。
有機微粒子(A)を構成する結晶性樹脂および/または非結晶性樹脂と樹脂粒子(Y)を構成する樹脂(B)の重量比は、好ましくは(0.1:99.9)〜(30:70)であり、さらに好ましくは(0.2:99.8)〜(20:80)である。重量比がこの範囲内であると、低温溶融性と長期の保存安定性が両立し好ましい。
また、有機微粒子(A)と樹脂粒子(Y)の重量比は、特に制限はないが、樹脂粒子(Y)に対して、(A)が0.1〜20%が好ましく、更に好ましくは、0.5〜15%である。この範囲であれば、樹脂粒子(Z)の分散性が向上する。
本発明の製造方法においては、形成される樹脂粒子(Z1)が分散中に二酸化炭素(X)中で処理され、その後に、二酸化炭素(X)を除去することにより、目的の樹脂粒子(Z)を得ることができる。ここで、処理とは樹脂粒子(Z1)を(X)中に分散し、一定時間(X)と接触させ、(Z1)を膨潤させることをいう。
上記一定時間〔樹脂粒子(Z1)が形成されるに要する時間も含む。〕は、通常10秒〜180分、好ましくは30秒〜60分である。
膨潤は、一定時間、樹脂粒子(Z1)を二酸化炭素(X)と接触させることにより、二酸化炭素(X)が樹脂粒子(Z1)中に浸透することで起こる。従って、膨潤の度合いは(X)との接触時間、(X)の圧力、温度によって調節できる。
本発明の製造方法において、二酸化炭素(X)で処理する際、以下に述べる温度で行うことが好ましい。すなわち、減圧時に配管内で二酸化炭素が固体に相転移し、流路を閉塞させないようにするために、30℃以上が好ましく、また、有機微粒子(A)、樹脂粒子(Y1)、樹脂粒子(Z1)の熱劣化を防止するために、200℃以下が好ましい。さらに30〜150℃が好ましく、より好ましくは34〜130℃、特に好ましくは35〜100℃、最も好ましくは40℃〜80℃である。分散体(X0)、分散体(Q)の温度も同様である。二酸化炭素(X)での処理は、有機微粒子(A)のTg又は融点以上の温度でも未満の温度でも行うことができるが、Tg又は融点未満の温度において行うことが好ましい。
二酸化炭素(X)で処理する際、以下に述べる圧力で行うことが好ましい。すなわち、樹脂粒子(Z1)を(X)中に良好に分散させるために、好ましくは3MPa以上であり、設備コスト、運転コストの観点から、好ましくは40MPa以下である。さらに好ましくは3.5〜35MPa、より好ましくは4〜30MPa、特に好ましくは4.5〜25MPa、最も好ましくは5〜20MPaである。分散体(X0)及び分散体(Q)を形成する容器内の圧力も同様である。
二酸化炭素(X)中で処理する際の温度及び圧力は、樹脂粒子(Z1)が(X)中に溶解せず、且つ二酸化炭素(X)が(Z1)に浸透可能な範囲内で設定することが好ましい。通常、低温・低圧ほど(Z1)が(X)中に溶解しない傾向となり、高温・高圧ほど(X)が(Z1)に浸透しやすい傾向となる。
本発明の製造方法において、樹脂(B)、着色剤(k)、溶剤(S)、および必要によりワックス(w)を含有する樹脂粒子(Y1)の表面に有機微粒子(A)が固着した樹脂粒子(Z1)が(X)と(S)を含有する分散媒体中に分散された分散体(Q)を形成させ処理した後、溶剤(S)を除去又は減少させる必要がある。
溶剤(S)を除去又は減少させる方法として、そのまま容器を減圧にする方法があるが、(Y1)中に溶解した溶剤が凝縮し、樹脂粒子(Y1)を再溶解してしまったり、樹脂粒子(Z)を捕集する際に樹脂粒子(Z)同士が合一してしまう等の問題が生じる場合がある。
好ましい方法としては、例えば、樹脂粒子(Z1)が(X)と(S)を含有する分散媒体中に分散した分散体(Q)に、さらに二酸化炭素(X)を混合して樹脂粒子(Z1)から溶剤(S)を二酸化炭素(X)の相に抽出し、つぎに、溶剤(S)を含む二酸化炭素(X)を溶剤(S)を含まない二酸化炭素(X)で置換し、その後に減圧する方法が挙げられる。
二酸化炭素(X)の混合方法は、分散体(Q)より高い圧力の二酸化炭素(X)を加えてもよく、また分散体(Q)を分散体より低い圧力の二酸化炭素(X)中に加えてもよいが、連続操作の容易性の観点からより好ましくは後者である。分散体(Q)と混合する二酸化炭素(X)の量は、樹脂粒子(Z1)の合一防止の観点から、分散体(Q)の体積の1〜50倍が好ましく、さらに好ましくは1〜40倍、最も好ましくは1〜30倍である。上記のように樹脂粒子(Z1)中に含有される溶剤を除去ないし減少させ、その後、二酸化炭素(X)を除去することにより、樹脂粒子(Z1)同士が合一することを防ぐことができる。
溶剤(S)を含む二酸化炭素(X)を溶剤(S)を含まない二酸化炭素(X)で置換する方法としては、樹脂粒子(Z1)を一旦フィルターやサイクロンで補足した後、圧力を保ちながら、溶剤(S)が完全に除去されるまで二酸化炭素(X)を流通させる方法が挙げられる。流通させる二酸化炭素(X)の量は、分散体(Q)からの溶剤除去の観点から、分散体(Q)の体積に対して1〜100倍が好ましく、さらに好ましくは1〜70倍、最も好ましくは1〜50倍である。
樹脂粒子(Z1)が分散した分散体(Q)から、通常、減圧により二酸化炭素(X)および溶剤(S)を除去して、本発明の樹脂粒子(Z)を得る。その際、独立に圧力制御された容器を多段に設けることにより段階的に減圧してもよく、また一気に常温常圧まで減圧してもよい。
樹脂粒子(Z)の捕集方法は特に限定されず、フィルターでろ別する方法や、サイクロン等により遠心分離する方法が例として挙げられる。
樹脂粒子(Z)は減圧後に捕集してもよく、また減圧前に一旦高圧中で捕集した後、減圧してもよい。高圧下で捕集した後に減圧する場合の、高圧下からの樹脂粒子(Z)の取り出し方としては、バッチ操作で捕集容器を減圧してもよく、またロータリーバルブを使用して連続的取り出し操作を行ってもよい。
樹脂粒子(Z1)が二酸化炭素(X)と溶剤(S)を含有する分散媒体中に分散された分散体(Q)中の溶剤(S)の脱溶剤方法としては、脱溶剤効率の観点から樹脂粒子(Z1)の分散した分散体(Q)を冷却する工程を含むことがより好ましい。
分散体(Q)を冷却することによって樹脂(B)の溶剤(S)への溶解度が低下し、樹脂粒子(Z1)中の溶剤(S)が粒子内部から二酸化炭素(X)と溶剤(S)を含む分散媒体相へ吐き出されることによって、樹脂粒子(Z1)中の溶剤(S)含有量を、粒子同士の合一が起こらない10重量%以下まで効率よく低下させることが出来る。この冷却する工程を含む方法であれば、他の脱溶剤方法と併用しても構わない。
冷却する温度は、使用したものと同一組成の、(B)の溶剤(S)溶液(L)のDSC測定降温時における発熱ピーク温度Ta[℃]で決められ、Ta[℃]以下に冷却する必要がある。冷却温度がTa[℃]より高い場合、樹脂(B)の析出が起こらず、樹脂粒子(Z1)中の溶剤(S)含有量が10重量%以下まで低下しない。
冷却方法はTa[℃]以下にすることができればどのような方法であっても構わないが、すでに(Ta−10)[℃]以下〔好ましくは(Ta−20)〜(Ta−60)[℃]〕に冷却された、液状の二酸化炭素(X1)を分散体(Q)中に加える方法が好ましい。(Ta−10)[℃]以下に冷却された液状の二酸化炭素(X1)を加えることで、工程時間が大幅に短縮できる。
冷却のために加える液状の二酸化炭素(X1)の量は、分散体(Q)の重量に対して、好ましくは0.5倍以上、さらに好ましくは1〜10倍である。(X1)の重量が0.5倍以上であると、(Q)の温度が容易にTa〔℃〕以下になる。
分散体(Q)の温度をTa[℃]以下に冷却し樹脂粒子(Z1)から溶剤(S)を脱溶剤した後、液状の二酸化炭素(X1)および溶剤(S)を含有する分散媒体と樹脂粒子(Z)とを固液分離して、樹脂粒子(Z)を捕集するのが好ましい。
この場合の樹脂粒子(Z)の捕集方法は特に限定されず、Ta〔℃〕以下に冷却した後の分散体(Q)をフィルターでろ別する方法や、サイクロン等により遠心分離する方法が例として挙げられる。樹脂粒子(Z)は減圧後に捕集してもよく、また減圧前に一旦高圧中で捕集した後、減圧してもよい。高圧下で捕集した後に減圧する場合の、高圧下からの樹脂粒子(Z)の取り出し方としては、バッチ操作で捕集容器を減圧してもよく、またロータリーバルブを使用して連続的取り出し操作を行ってもよい。
上記方法中、好ましい捕集方法は、Ta〔℃〕以下に冷却された分散体(Q)をフィルターでろ別した後、減圧して捕集する方法である。減圧後、さらに樹脂粒子(Z)の固形分重量〔(S)および(X)を除いた重量〕に対して、液状の二酸化炭素(X1)を、好ましくは2.5〜5倍の重量投入して、樹脂粒子(Z)中からさらに溶剤(S)を抽出する操作を行うことによって、樹脂粒子(Z)の合着をより抑えることができる。
有機微粒子(A)が結晶性樹脂を含有する場合、樹脂粒子(Z)を形成させた後、必要に応じて、さらなる工程として、結晶性樹脂の、好ましくは、融点マイナス50℃以上、より好ましくは融点マイナス10℃以上、さらに好ましくは融点以上、に加熱することにより、樹脂粒子(Y)の表面に付着した有機微粒子(A)を溶融させて、有機微粒子(A)を樹脂粒子(Y)の表面に固着、又は有機微粒子(A)由来の皮膜を形成して樹脂粒子(Z’)を形成する工程を行うこともできる。(Z’)の凝集を抑制するという観点から、加熱する時間は0.01〜1時間が好ましく、さらに好ましくは、0.05〜0.7時間である。
本発明の樹脂粒子の製造方法により得られる樹脂粒子(Z)は、樹脂粒子(Y1)の表面に一旦有機微粒子(A)が固着されるが、例えば(A)が結晶性樹脂を含有する場合、結晶性樹脂と樹脂(B)の組成、溶剤(S)の種類によっては、製造工程中に、有機微粒子(A)が皮膜化されて、(Y)の表面に(A)が皮膜化された皮膜が形成される場合がある。
本発明の製造方法により最終的に得られる樹脂粒子(Z)は、樹脂粒子(Y)の表面に、有機微粒子(A)が固着されたもの、(A)由来の皮膜が形成されたもの、(A)の一部が皮膜化されたもののいずれであってもよい。有機微粒子(A)が樹脂粒子(Y)の表面に固着されているとは、(A)が単に(Y)の表面に付着し容易に脱離するような場合は含まないものとする。
なお、樹脂粒子(Z)の表面状態及び形状は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)を用い、樹脂粒子の表面を1万倍または3万倍拡大した写真にて観察できる。
上記の製造方法で得られた本発明の樹脂粒子(Z)は、液状又は超臨界状態の二酸化炭素(X)での処理により結晶化度が向上し、融点の融解熱が増加する。
本発明の製造方法により得られた樹脂粒子(Z)の体積平均粒子径は、好ましくは1〜12μmであり、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは3〜8μmである。1μm以上であると粉体としてのハンドリング性が向上する。12μm以下であると溶融特性が向上する。
樹脂粒子(Z)の体積平均粒子径Dvと、(Z)の個数平均粒子径Dnの比:Dv/Dnは、好ましくは1.0〜1.5、より好ましくは1.0〜1.4、さらに好ましくは1.0〜1.3である。1.5以下であると粉体としてのハンドリング性、溶融特性が著しく向上する。
樹脂粒子(Z)の体積平均粒子径、および体積平均粒子径Dvと個数平均粒子径Dnの比(Dv/Dn)は、溶剤(S)に溶解させた樹脂(B)及び有機微粒子(A)を(X)中に分散する際の、攪拌速度、および樹脂(B)に対する有機微粒子(A)の比率により調整することができる。攪拌速度を上げれば体積平均粒子径が小さくなり、また樹脂(B)に対する有機微粒子(A)の比率を多くすれば体積平均粒子径が小さくなる。
樹脂粒子(Z)のDv/Dnについても同様であり、攪拌速度を上げればDv/Dnが小さくなり、また樹脂(B)に対する有機微粒子(A)の比率を多くすればDv/Dnが小さくなる。
このようにして得られた樹脂粒子(Z)は、必要に応じて、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、体積平均粒子径、体積平均粒子径と個数平均粒子径の比をさらに調整することができる。
樹脂粒子(Z)は、の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子(Y)の表面の5%以上が、有機微粒子(A)もしくは(A)由来の皮膜で覆われているのが好ましく、更に好ましくは30%以上である。なお、表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=100×[(A)もしくは(A)由来の皮膜に覆われている部分の(Y)の表面積]/[(A)もしくは(A)由来の皮膜に覆われている部分の(Y)の表面積+(Y)の表面が露出している部分の面積]
また、得られる樹脂粒子(Z)の示差走査熱量(DSC)測定による融解熱が下記関係式を満足するのが好ましい。
0≦H2/H1≦0.9 (1)
H1はDSC測定による初回昇温時の融解熱(J/g)を表し、H2はDSC測定による2回目昇温時の融解熱(J/g)の測定値を表す。
ここで、融解熱の測定はJIS K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して測定される。
具体的には、試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、示差走査熱量測定装置(DSC)(例えば、「エスアイアイナノテクノロジー(株)製 RDC220」、「セイコー電子工業(株)製 DSC20」など)により、昇温速度毎分10℃で、溶融による吸熱ピークの温度〔融点(m)〕(℃)を求めることができる。また、吸熱ピークの面積より融解熱を求めることができる。なお、初回昇温後、2回目昇温前の冷却は、冷却速度90℃/分で、0℃まで冷却する。
関係式(1)に示したように、H2/H1は好ましくは0以上であり、さらに好ましくは0.01以上、とくに好ましくは0.1以上である。
また、H2/H1は好ましくは0.9以下であり、さらに好ましくは0.85以下、とくに好ましくは0.8以下である。0.9以下であると耐熱保存性が良好である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部を示す。
下記の膨潤度、結晶化度、数平均分子量(Mn)、融点、ガラス転移温度、体積平均粒径は以下の方法で測定した。
<膨潤度の測定方法>
試料(5mg)を採取して磁気浮遊天秤(MSB−SCC・SCW 日本ベル社製)を用いて40℃、10MPaにおける超臨界状態の二酸化炭素が試料に浸透する重量を測定し、試料の重量で除することで、膨潤度(%)を求めた。
<結晶化度の測定方法>
試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いて室温から昇温速度20℃/minにて温度を変化させながら、吸熱ピークの面積より求めた融解熱量(ΔHm(J/g))を求めた。測定されたΔHmに基づき以下の式により結晶化度(%)を算出した。
結晶化度=(融解熱量/a)×100
上式中、aは以下のようにして測定する。
測定しようとする樹脂と同組成の標品となる樹脂の融解熱量をDSCで測定し、JISK0131(1996年)(X線回折分析通則 13結晶化度測定 (2)絶対法)に準じた測定方法で結晶化度を測定する。縦軸に融解熱量、横軸に結晶化度を座標にとり、標品のデータをプロットし、その点と原点の2点から直線を引き、結晶化度が100%となるように外挿した場合の融解熱量を求めた値がaである。
<数平均分子量(Mn)の測定方法>
試料をそれぞれ濃度2.5g/Lでテトラヒドロフランに溶解させ、ポリスチレンを標準物質として、GPCにより測定した。
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL)2本+TSKgel Multipore HXL−M(東ソー(株)製)
<融点の測定方法>
試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、昇温速度毎分10℃で、結晶溶融による吸熱ピークの温度(℃)を求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
試料をそれぞれ5mg秤り取り、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、昇温速度毎分10℃でガラス転移温度を測定した。
<体積平均粒径の測定方法>
樹脂粒子をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度0.1%)に分散して体積平均粒径をコールターカウンター[マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)]で測定した。
[樹脂(B)および溶液(L)の製造]
製造例1
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、ドデカンジカルボン酸475部、1,6−ヘキサンジオール230部、ジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧、230℃で5時間脱水反応を行った後、0.5kPaの減圧下で5時間脱水反応を行った。さらに180℃に冷却し、芳香環を含有しないポリエステル樹脂[結晶性部(a−1)]を得た。[結晶性部(a−1)]は、Mw10000、融点(m)70℃、水酸基価27であった。
製造例2
1,4−ブタンジオール220部、セバシン酸460部、および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド1部を使用する以外は、製造例1と同様に行い、芳香環を含有しないポリエステル樹脂[結晶性部(a−2)]を得た。[結晶性部(a−2)]は、Mw9900、融点(m)60℃、水酸基価31であった。
製造例3
1,6−ヘキサンジオール200部、ジエチレングリコール40部、ドデカンジカルボン酸420部、および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド1部を使用する以外は、製造例1と同様に行い、芳香環を含有しないポリエステル樹脂[結晶性部(a−3)]を得た。[結晶性部(a−3)]は、Mw6500、融点(m)49℃、水酸基価29であった。
製造例4
1,6−ヘキサンジオール250部、1,4−シクロヘキサンジメタノール70部、アジピン酸350部、および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド1部を使用する以外は、製造例1と同様に行い、芳香環を含有しないポリエステル樹脂[結晶性部(a−4)]を得た。[結晶性部(a−4)]は、Mw8800、融点(m)53℃、水酸基価28であった。
製造例5
攪拌装置および脱溶剤装置のついた反応容器に、メチルエチルケトン1000部、1,4−ブタンジオール19部、ヘキサメチレンジイソシアネート54部を投入し、80℃で7時間反応を行い、ポリウレタン樹脂を得た後、水酸基価56の1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸からなるポリエステルジオール(豊国製油(株)製、商品名「HS 2H−200S」)427部を投入し、80℃で7時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、芳香環を含有しないポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂との複合樹脂[結晶性部(a−5)]を得た。[結晶性部(a−5)]は、Mw10500、融点(m)72℃、水酸基価23であった。
製造例6
ビスフェノールAのPO3モル付加物200部、イソフタル酸46部、ジブチルチンオキサイド2部を使用する以外は、製造例1と同様に行い、ポリエステル樹脂[非結晶性部(b−1)]を得た。[非結晶性部(b−1)]は、Mw5000であった。
製造例7
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、1,2−プロピレングリコール360部、トルエンジイソシアネート640部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、ポリウレタン樹脂[非結晶性部(b−2)]を得た。[非結晶性部(b−2)]は、Mw3000であった。
製造例8
メチルエチルケトン500部、1,4−シクロヘキサンジメタノール210部、トルエンジイソシアネート290部を使用する以外は、製造例7と同様に行い、ポリウレタン樹脂[非結晶性部(b−3)]を得た。[非結晶性部(b−3)]は、Mw5000であった。
製造例9
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、前記の[非結晶性部(b−1)]200部、トルエンジイソシアネート35部を投入し、80℃で5時間反応させた後、前記の[結晶性部(a−1)]800部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−1)を得た。(B−1)は、Mw26000、軟化点(s)65℃、融点(m)60℃、軟化点(s)と融点(m)の比(s/m)1.08であった。
また、G’(m+20)は6×102Paであり、溶融開始温度(x)は50℃、|LogG”(x+20)−LogG”(x)|の値は3.4であった。
(m+30)℃における損失弾性率G”(m+30)と(m+70)℃における損失弾性率G”(m+70)の比〔G”(m+30)/G”(m+70)〕は1.4であった。
(b)と(a)の結合形式の式におけるn=1.25であった。上記物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−1)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−1)得た。
製造例10
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、前記の[非結晶性部(b−2)]200部、トルエンジイソシアネート74部を投入し、80℃で5時間反応させた後、前記の[結晶性部(a−1)]1000部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−2)を得た。樹脂(B−2)の物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−2)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−2)得た。
製造例11
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、前記の[非結晶性部(b−1)]200部、トルエンジイソシアネート35部を投入し、80℃で5時間反応させた後、前記の[結晶性部(a−2)]800部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−3)を得た樹脂(B−3)の物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−3)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−3)得た。
製造例12
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、メチルエチルケトン500部、前記の[非結晶性部(b−1)]200部、ヘキサメチレンジイソシアネート33部を投入し、80℃で5時間反応させた後、前記の[結晶性部(a−3)]650部を投入し、80℃で5時間反応を行い、90℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−4)を得た。樹脂(B−4)の物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−4)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−4)得た。
製造例13
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、前記の[非結晶性部(b−3)]180部、前記の[結晶性部(a−1)]1000部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−5)を得た。樹脂(B−5)の物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−5)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−5)得た。
製造例14
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、前記の[非結晶性部(b−3)]180部、前記の[結晶性部(a−4)]700部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−6)を得た。樹脂(B−6)の物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−6)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−6)得た。
製造例15
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、テトラヒドロフラン500部、前記の[非結晶性部(b−3)]180部、前記の[結晶性部(a−5)]570部を投入し、80℃で5時間反応を行い、80℃、20kPaで脱溶剤し、樹脂(B−7)を得た。樹脂(B−7)の物性値は表1に記載した。
攪拌装置のついた反応容器に、この樹脂(B−7)300部、アセトン630部、イオン交換水70部を加えて、溶解させ、樹脂溶液(L−7)得た。
Figure 2011094135
[ビニル樹脂(N)および有機微粒子(A)の製造]
製造例16
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器(以下のビニル樹脂の製造用いる反応容器も同様。)に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート(炭素数22個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート;ブレンマーVA〔日油(株)製〕、以下同様。)150部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−1)を得た。この樹脂の結晶化度は42%、融点は65℃、Mnは50000であった。
製造例17
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート120部、2−デシルテトラデシルメタクリレート30部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−2)を得た。この樹脂の結晶化度は36%、融点は62℃、Mnは50000であった。
製造例18
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート150部、ブチルアクリレート50部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−3)を得た。この樹脂の結晶化度は20%、融点は50℃、Mnは40000であった。
製造例19
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート135部、アクリロニトリル 15部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N2−4)を得た。この樹脂の結晶化度は41%、融点は62℃、Mnは50000であった。
製造例20
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ステアリルアクリレート(炭素数18個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート;ブレンマーSA〔日油(株)製〕、以下同様。)150部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−5)を得た。この樹脂の結晶化度は32%、融点は54℃、Mnは50000であった。
製造例21
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート120部、メタクリル酸メチル22.5部、(2−パーフルオロデシル)エチルアクリレート(和光純薬製)7.5部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)10部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−6)を得た。この樹脂の結晶化度は60%、融点は60℃、Mnは8000であった。
製造例22
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ステアリルアクリレート75部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、メタクリル酸メチル29.85部、アクリロニトリル15部、メタクリル酸15部、(2−パーフルオロブチル)エチルアクリレート(和光純薬製)0.15部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)2.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N2−7)を得た。この樹脂の結晶化度は50%、融点は50℃、Mnは300000であった。
製造例23
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート112.5部、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(和光純薬製)37.5部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−8)を得た。この樹脂の結晶化度は20%、融点は55℃、Mnは50000であった。
製造例24
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート120部、メタクリル酸メチル28.5部、(2−パーフルオロデシル)エチルアクリレート(和光純薬製)1.5部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)2.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−9)を得た。この樹脂の結晶化度は70%、融点は70℃、Mnは300000であった。
製造例25
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート120部、メタクリル酸メチル27部、無水マレイン酸3部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)8部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−10)を得た。この樹脂の結晶化度は65%、融点は65℃、Mnは30000であった。
製造例26
反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート125部、スチレン18部、(2−パーフルオロデシル)エチルアクリレート(和光純薬製)2部、フマル酸5部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)6部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N1−11)を得た。この樹脂の結晶化度は60%、融点は60℃、Mnは70000であった。
製造例27<ビニルモノマー中間体(m’5)の調整>
TDI572部中に2−ヒドロキシエチルメタクリレート428部を滴下し、55℃で4時間反応させ、ビニルモノマー中間体(m’5)を得た。
製造例28<ビニルモノマー(m5−1)溶液の調整>
HS2H−500S(1,6−ヘキサンジオール/セバシン酸系結晶性ポリエステル樹脂、豊国製油社製)480部をTHF500部に70℃で溶解させ、ビニルモノマー中間体(m’5)を20部滴下し、70℃で4時間反応させ、ビニルモノマー(m5−1)溶液を得た。
製造例29<ビニルモノマー(m5−2)溶液の調整>
ニッポラン4073(1,6−ヘキサンジオール/アジピン酸系結晶性ポリエステル樹脂、日本ポリウレタン社製)450部をTHF500部に70℃で溶解させ、ビニルモノマー中間体(m’5)を50部滴下し、70℃で4時間反応させ、ビニルモノマー(m5−2)溶液を得た。
製造例30<ビニルモノマー(m5−3)溶液の調整>
プラクセルFM5(ポリカプロラクトン鎖を有するビニルモノマー、ダイセル社製)500部をTHF500部に70℃で溶解させ、ビニルモノマー(m5−3)溶液を得た。
製造例31
反応容器に、ビニルモノマー(m5−1)溶液400部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、THF196部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−12)を得た。この樹脂の、結晶化度は90%、融点は70℃、Mnは7500であった。
製造例32
反応容器に、ビニルモノマー(m5−1)溶液560部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、THF316部、マレイン酸120部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−13)を得た。この樹脂の結晶化度は70%、融点は65℃、Mnは7500であった。
製造例33
反応容器に、ビニルモノマー(m5−1)溶液560部、THF316部、マレイン酸60部、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(和光純薬製)60部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−14)を得た。この樹脂の、結晶化度は70%、融点は65℃、Mnは7500であった。
製造例34
反応容器に、ビニルモノマー(m5−2)溶液560部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、THF316部、マレイン酸60部、(2−パーフルオロブチル)エチルアクリレート(和光純薬製)60部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−15)を得た。この樹脂の結晶化度は50%、融点は54℃、Mnは3000であった。
製造例35
反応容器に、ビニルモノマー(m5−3)溶液560部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、THF316部、無水マレイン酸60部、(2−パーフルオロブチル)エチルアクリレート(和光純薬製)60部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−16)を得た。この樹脂の結晶化度は20%、融点は不明、Mnは1000であった。
製造例36
反応容器に、ビニルモノマー(m5−1)溶液560部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、THF316部、(2−パーフルオロブチル)エチルアクリレート(和光純薬製)120部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−17)を得た。この樹脂の結晶化度は70%、融点は65℃、Mnは7500であった。
製造例37
反応容器に、ビニルモノマー(m5−1)溶液560部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、THF316部、ベヘニルアクリレート(炭素数22個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート:ブレンマーVA〔日油(株)製〕)120部、ベンゾイルパーオキサイト4部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N3−18)を得た。この樹脂の結晶化度は90%、融点は68℃、Mnは7500であった。
製造例38
反応容器に、THF316部、ベヘニルアクリレート(炭素数22個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート:ブレンマーVA〔日油(株)製〕)213部、メタクリル酸80部、メタクリル変性シリコーン(官能基等量:12,000g/mol、Mn12,000:X22−2426〔信越化学工業(株)製〕)106部、アゾビスイソブチロニトリル1.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N4−19)を得た。この樹脂の結晶化度は40%、融点は55℃、Mnは52000であった。
製造例39
反応容器に、THF321部、シクロヘキシルメタクリレート(ブレンマーCHMA〔日油(株)製〕)272部、メタクリル酸50部、メタクリル変性シリコーン(官能基等量:12,000g/mol、Mn12,000:X22−2426〔信越化学工業(株)製〕)135部、アゾビスイソブチロニトリル1.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成した後、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(N4−20)を得た。この樹脂の結晶化度は0%、融点は不明、Mnは78000であった。
製造例40
ノルマルヘキサン700部、ビニル樹脂〔N(1〜4)−(1〜20)〕の各々300部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、乳白色の有機微粒子(A−1)〜有機微粒子(A−20)ヘキサン分散液を得た。分散液の体積平均粒径は表2〜表4に記載のように0.05〜0.4μmであった。また、有機微粒子(A−1)〜(A−20)の膨潤度は、表2〜表4に記載のとおりであった。
製造例41
イオン交換水700部、ビニル樹脂(N1−1)300部を混合した後、上記ビーズミルで粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、比較例用の有機微粒子(A’−1)水分散液を得た。この分散液の体積平均粒径は0.3μmであった。
[着色剤分散液(C)の製造]
製造例42
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、分散剤(DISPERBYK106:酸価132、アミン価74である高分子化合物の塩。分子量1,200および460にピークを有する。ビックケミー・ジャパン社製)1.2部のアセトン溶液40部、フタロシアニン系顔料〔シアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)〕8.85部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤分散液(C−1)を得た。分散質のLA−920(以下の分散質についても同様)によるメジアン径は0.36μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
製造例43
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に分散剤(SOLSPERSE71000:酸価0、アミン価78である櫛型重合体。分子量3,800にピークを有する。日本ルーブリゾール社製)1.0部のアセトン溶液45部、アゾレーキ系顔料〔ピグメントレッド(C.I.ピグメントレッド57:1)〕4.0部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤分散液(C−2)を得た。分散質のメジアン径は0.23μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
製造例44
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に分散剤(BYK9076:酸価38、アミン価44である高分子共重合体の塩、分子量3,000にピークを有する、ビックケミー・ジャパン製)2.0部のメチルエチルケトン溶液55部、カーボンブラック顔料4.0部を、反応容器の容積の30%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度90℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し3MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(C−3)を得た。分散質のメジアン径は0.43μmで、1μm以上の割合が0.9体積%であった。
製造例45
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に分散剤(SOLSPERSE54000:酸価35、アミン価0である鎖状重合体、分子量2,900にピークを有する、日本ルーブリゾール製)1.0部のテトラヒドロフラン溶液45部、ベンズイミダゾロン系顔料〔ピグメントイエロー(C.I.ピグメントイエロー180)〕7.0部を、反応容器の容積の60%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度50℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し7MPaにして15分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(C−4)を得た。分散質のメジアン径は0.31μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
製造例46
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に分散剤(DISPERBYK145:酸価76、アミン価71である高分子化合物の塩。分子量1,700にピークを有する、ビックケミー・ジャパン製)1.0部の酢酸エチル溶液45部、キナクリドン系顔料〔ピグメントレッド(C.I.ピグメントレッド122)〕4.0部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度80℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し9MPaにして20分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、着色剤の分散液(C−5)を得た。分散質のメジアン径は0.46μmで、1μm以上の割合が2.3体積%であった。
比較製造例1
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、前記分散剤(DISPERBYK106)1.2部のアセトン溶液40部、フタロシアニン系顔料〔シアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)〕8.85部を仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、比較の着色剤分散液(C’−1)を得た。分散質のメジアン径は0.50μmで、1μm以上の割合が34.2体積%であった。
[ワックス分散剤の製造]
製造例47
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、キシレン454部、低分子量ポリエチレン〔三洋化成工業(株)製 サンワックス LEL−400:軟化点128℃〕150部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、スチレン716部、アクリル酸ブチル46部、アクリロニトリル88部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34部、およびキシレン119部の混合溶液を170℃で3時間で滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、[ワックス分散剤1]を得た。[ワックス分散剤1]のMwは5200であった。
[ワックス分散液(D)の製造]
製造例48
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、製造例47で得られた[ワックス分散剤1]12.0部のアセトン溶液240部、パラフィンワックス(HNP−9、融点:76℃、日本精蝋社製)24.0部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度80℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、パラフィンワックスを析出させ、二酸化炭素を気化させ除去して、ワックス分散液(D−1)を得た。分散質のメジアン径は0.33μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
製造例49
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、製造例47で得られた[ワックス分散剤1]12.0部のアセトン溶液240部、カルナバワックス(融点:83℃)24.0部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、カルナバワックスを析出させ、二酸化炭素を気化させ除去して、ワックス分散液(D−2)を得た。分散質のメジアン径は0.44μmで、1μm以上の割合が0体積%であった。
実施例1
図1の実験装置において、まずバルブV1、V2を閉じ、ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素(0℃、純度99.99%)を導入し、14MPa、40℃に調整した。また樹脂溶液タンクT1に樹脂溶液(L−1)と着色剤分散液(C−1)とワックス分散液(D−1)を混合したものを、微粒子分散液タンクT2には有機微粒子(A−1)ヘキサン分散液を仕込んだ。
次に、液状の二酸化炭素のボンベB1から、ポンプP3を用いて液状の二酸化炭素を分散槽T3に仕込み、超臨界状態(9MPa、40℃)に調整し、さらにタンクT2から、ポンプP2を用いて有機微粒子(A−1)ヘキサン分散液を導入した。
次に分散槽T3の内部を2000rpmで攪拌しながら、タンクT1から、ポンプP1を用いて(L−1)、(C−1)、および(D−1)の混合液を分散槽T3内に導入した。導入後T3の内部の圧力は14MPaとなった。
なお、分散槽T3への仕込み組成の重量比は次の通りである。
樹脂溶液(L−1) 270部
着色剤分散液(C−1) 60部
ワックス分散液(D−1) 160部
有機微粒子(A−1)ヘキサン分散液 45部
二酸化炭素 550部
なお、上記の導入した二酸化炭素の重量は、二酸化炭素の温度(40℃)、及び圧力(15MPa)から二酸化炭素の密度を下記文献に記載の状態式より算出し、これに分散槽T3の体積を乗じることにより算出した(以下同様。)。
文献:Journal of Physical and Chemical Refarence data、vol.25、P.1509〜1596
(L−1)、(C−1)、および(D−1)の混合液を導入後、1分間攪拌し、超臨界状態の二酸化炭素に樹脂粒子(Z−1)が分散した分散体(Q−1)を得た。
次に、バルブV1を開き、B1からP3を用いてT3及びT4内に超臨界状態の二酸化炭素を導入することで、分散体(Q−1)をT3からT4内に移送した。分散体(Q−1)をT3からT4に移送する間、圧力が一定に保たれるように、V2の開度を調節した。この操作を30秒間行い、V1を閉めた。この操作によりT4内に移送された樹脂分散体(Q)からの溶剤の抽出を行った。さらにT4を60℃に加熱し、15分間保持した。この操作により、有機微粒子(A−1)を樹脂溶液(L−1)から形成された樹脂粒子(Y−1)の表面に固着させ、樹脂粒子(Z−1)を生成した。
次に、圧力ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入しつつ圧力調整バルブV2の開度を調整することで、圧力を14MPaに保持した。
この操作により、溶剤を含む二酸化炭素を溶剤トラップ槽T5に排出すると共に、樹脂粒子(Z−1)をフィルターF1に捕捉した。圧力ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入する操作は、上記の分散槽T3に導入した二酸化炭素重量の5倍量を粒子回収槽T4に導入した時点で停止した。この停止の時点で、溶剤を含む二酸化炭素を、溶剤を含まない二酸化炭素で置換すると共に樹脂粒子(Z−1)をフィルターF1に捕捉する操作は完了した。さらに、圧力調整バルブV2を少しずつ開き、粒子回収槽内を大気圧まで減圧することで、フィルターF1に補足されている、樹脂粒子(Y−1)の表面に有機微粒子(A−1)由来の皮膜が形成され、(Y−1)中に着色剤とワックスが微細に均一分散された本発明の樹脂粒子(Z−1)を得た。
実施例2〜7
樹脂溶液(L−1)を樹脂溶液(L−2)〜(L−7)に変更する以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(Y−2)〜(Y−7)各々の表面に、有機微粒子(A−1)由来の皮膜が形成され、(Y−2)〜(Y−7)中に着色剤とワックスが微細に均一分散された本発明の樹脂粒子(Z−2)〜(Z−7)を得た。
実施例8〜26
有機微粒子(A−1)ヘキサン分散液を有機微粒子(A−2)〜(A−20)ヘキサン分散液に、着色剤分散液(C−1)を着色剤分散液(C−2)に、ワックス分散液(D−1)をワックス分散液(D−2)に変更する以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(Y−8)〜(Y−26)の表面に、各々有機微粒子(A−2)〜(A−20)由来の皮膜が形成され、(Y−8)〜(Y−26)中に着色剤とワックスが微細に均一分散された本発明の樹脂粒子(Z−8)〜(Z−26)を得た。
実施例27〜29
着色剤分散液(C−1)を着色剤分散液(C−3)〜(C−5)に変更する以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(Y−27)〜(Y−29)各々の表面に、有機微粒子(A−1)由来の皮膜が形成され、(Y−27)〜(Y−29)中に着色剤とワックスが微細に均一分散された本発明の樹脂粒子(Z−27)〜(Z−29)を得た。
実施例30
実施例1と同様に、(L−1)、(C−1)、および(D−1)の混合液を導入後、1分間攪拌し、超臨界状態の二酸化炭素に樹脂粒子(Z−30)が分散した分散体(Q−30)を得た。バルブV1を開き、分散体(Q−30)をT4内に導入し、この間圧力が一定に保たれるように、V2の開度を調節した。この操作を60秒間行い、V1を閉めた。T4内に導入後の(Q−30)の温度は30℃であった。次に圧力ボンベB2、ポンプP4より粒子回収槽T4に(Q−30)の重量の1倍の二酸化炭素(−40℃、純度99.99%)を導入し、分散体(Q−30)の温度を−15℃まで冷却した後、圧力調整バルブV2を開いて圧力を4MPaまで減圧した。その後またV4を開いて圧力ボンベB1、ポンプP3より樹脂粒子(Z−30)の固形重量分に対し3倍の二酸化炭素(0℃、純度99.99%)を導入して圧力を14MPaにした後、ただちに圧力調整バルブV2を開いて圧力を大気圧まで減圧した。この間、抽出された溶剤を含む二酸化炭素を溶剤トラップ槽T5に排出すると共に、樹脂粒子をフィルターF1に捕捉し、樹脂粒子(Y−30)の表面に微粒子(A−1)由来の皮膜が形成され、(Y−30)中に着色剤とワックスが微細に均一分散された本発明の樹脂粒子(Z−30)を得た。
実施例31〜35
使用する材料を、実施例3、6、10、18、または25と同一に変更する以外は実施例30と同様にして、樹脂粒子(Y−31)〜(Y−35)各々の表面に、有機微粒子(A)由来の皮膜が形成され、(Y−31)〜(Y−35)中に着色剤とワックスが微細に均一分散された本発明の樹脂粒子(Z−31)〜(Z−35)を得た。
比較例1
ビーカー内にイオン交換水97部、有機微粒子(A’−1)水分散液15.4部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、樹脂溶液(L−1)75部、着色剤分散液(C−1)15部、およびワックス分散液(D−1)30部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまでアセトンを留去し、樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た。
次いで濾別し40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(Y’−1)の表面に有機微粒子(A’−1)由来の皮膜が形成され、(Y’−1)中に着色剤とワックスを含有する比較の樹脂粒子(R−1)を得た。この後、超臨界の二酸化炭素による処理は行わず、物性評価した。
比較例2
ビーカー内にイオン交換水97部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)15部を入れ均一に溶解した。
ついで25℃で、TK式ホモミキサーを12,000rpmに撹拌しながら、樹脂溶液(L−1)75部、着色剤分散液(C−1)15部、およびワックス分散液(D−1)30部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまでアセトンを留去し、樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た。
次いで濾別し40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、着色剤とワックスを含有する比較の樹脂粒子(R−2)を得た。この後、超臨界の二酸化炭素による処理は行わず、物性評価した。
比較例3
実施例1において有機微粒子(A−1)ヘキサン分散液を仕込まない以外は実施例1と同様にして、着色剤とワックスを含有する比較の樹脂粒子(R−3)を得た。
比較例4
実施例1において、着色剤分散液(C−1)の代わりに、比較の着色剤分散液(C’−1)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(Y’−4)の表面に有機微粒子(A−1)由来の皮膜が形成され、(Y’−4)中に着色剤とワックスを含有する比較の樹脂粒子(R−4)を得た。
比較の樹脂粒子(R−4)は着色剤の分散性が悪く、光学顕微鏡で確認すると着色剤の凝集が確認され、また着色剤が樹脂粒子中に含まれない粒子も見られた。
評価結果
実施例1〜30、比較例1〜4で得られた樹脂粒子について、以下に記載した評価方法で融点、融解熱、粒度分布、耐熱保存性、耐湿耐熱保存性、低温溶融性を評価し、結果を表6〜表8に記載した。なお、実施例31〜35に関しては、評価結果が対応する同じ材料を用いた実施例と同一であったため、記載を省略した。
<融点、融解熱の測定>
試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、DSC(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、昇温速度毎分10℃で、溶融による吸熱ピークの温度(℃)を求め、これを融点とした。
また、吸熱ピークの面積より融解熱を求めた。求めた融解熱を用いて、下記計算式より、融解熱の比を求めた。
融解熱の比=H2/H1
<粒度分布の評価>
樹脂粒子をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度0.1%)に分散して樹脂粒子の体積平均粒径/個数平均粒径をコールターカウンター[マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)]で測定した。体積平均粒径/個数平均粒径が小さいほど、粒度分布がシャープであることを示す。
<耐熱保存性の評価>
樹脂粒子の耐熱保存性を下記の方法で評価した。
直径が約3cmの30mlのガラス製スクリュー管に樹脂粒子を10g採取した。この樹脂粒子が入ったガラス製スクリュー管を50℃に温調された恒温器に15時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○: ブロッキングが発生しない。
△: ブロッキングが発生するが、簡単に指などで力を加えると容易に分散する。
×: ブロッキングが発生し、簡単に指などで力を加えても分散しない。
<耐湿耐熱保存性の評価>
樹脂粒子の耐湿耐熱保存性を下記の方法で評価した。即ち、50℃、湿度80%に温調された恒温恒湿機に樹脂粒子を15時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○:ブロッキングが発生しない。
△:ブロッキングが発生するが、簡単に指などで力を加えると容易に分散する。
×:ブロッキングが発生し、簡単に指などで力を加えても分散しない。
<低温溶融性の評価>
溶融温度は、以下の方法により評価した。
日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が20〜40μmになるように樹脂粒子を静電塗装し、焼き付け温度を変化させて評価を行ったとき、5分間焼き付けた後の目視確認による表面平滑性が良好となる最低温度を測定した。
評価結果、及び本発明の樹脂粒子の物性値を表6〜8に示した。
Figure 2011094135
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実施例1〜35の樹脂粒子は、耐熱保存性及び低温溶融性に優れていたのに対し、比較例1の樹脂粒子は、低温溶融性が著しく悪化し、耐熱保存性および耐湿耐熱保存性も悪化した。また、比較例2の樹脂粒子は、低温溶融性は良好であるが、耐熱保存性および耐湿耐熱保存性が著しく悪化した。比較例3の樹脂粒子は、粒子が凝集し、粒度分布が著しく悪化した。なお、比較例4の樹脂粒子は、前述のように着色剤の分散性が不良であった。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子は、耐熱保存性と低温溶融性に優れ、着色剤が均一分散されているため、電子写真トナーの母体粒子、塗料用添加剤、化粧品用添加剤、紙塗工用添加剤、スラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子部品製造用スペーサー、電子測定機器の標準粒子、電子ペーパー用粒子、医療診断用担体、電気粘性用粒子、その他成型用樹脂粒子として有用である。
T1:樹脂溶液タンク
T2:溶液タンク
T3:分散槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度200℃、攪拌機つき)
T4:粒子回収槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度100℃)
T5:溶剤トラップ
F1:セラミックフィルター(メッシュ:0.5μm)
B1、B2:二酸化炭素ボンベ
P1、P2:溶液ポンプ
P3、P4:二酸化炭素ポンプ
V1:バルブ
V2:圧力調整バルブ

Claims (9)

  1. 有機微粒子(A)が分散された、液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)中に、樹脂(B)の溶剤(S)溶液(L)、着色剤分散液(C)、および必要によりワックス分散液(D)を分散させることにより、樹脂(B)、着色剤(k)、溶剤(S)、および必要によりワックス(w)を含有する樹脂粒子(Y1)の表面に有機微粒子(A)が固着された樹脂粒子(Z1)を形成させ、(Z1)を(X)で処理し、次いで得られた(Z1)が(X)と(S)を含有する分散媒体中に分散された分散体(Q)から(X)と(S)を除去する工程を含む樹脂粒子(Z)の製造方法であって、
    樹脂(B)がポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、芳香環を含有しないポリエステル(p)を必須構成成分とする結晶性部(a)と非結晶性部(b)から構成される樹脂であり、
    着色剤分散液(C)が、着色剤(k)、酸価とアミン価の合計(mgKOH/g)が20以上250以下である分散剤(l)、溶剤(S)、および圧力が2MPa以上である液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)を混合し、その後減圧膨張して(X)を気化させ除去することで得られた、メジアン径1μm以下の(k)が(S)中に分散された分散液である
    樹脂粒子の製造方法。
  2. 芳香環を含有しないポリエステル(p)が、脂肪族ジオール(c11)と脂肪族ジカルボン酸(e11)が重縮合されてなる脂肪族ポリエステルである請求項1記載の製造方法。
  3. 樹脂(B)が、結晶性部(a)と非結晶性部(b)とが下記の形式で線状に結合された樹脂であり、nが0.5〜3.5である請求項1または2記載の製造方法。
    (a){−(b)−(a)}n
  4. 有機微粒子(A)が、下記(N1)〜(N4)から選ばれる少なくとも1種のビニル樹脂(N)である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
    (N1) アルキル基の炭素数が8〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)を必須構成単位とし、必要により、パーフルオロアルキル(アルキル)(メタ)アクリレート(m2)、並びに不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(m3)から選ばれる1種以上を構成単位とするビニル樹脂
    (N2) (メタ)アクリロニトリル(m4)と結晶性ビニルモノマーを必須構成単位とするビニル樹脂。
    (N3) ポリエステル鎖を有し数平均分子量が500〜100000であるビニルモノマー(m5)を必須構成単位とするビニル樹脂。
    (N4) シリコーン含有ビニルモノマー(m6)を構成単位として0.1〜50重量%含有するビニル樹脂。
  5. ワックス分散液(D)が、ワックス(w)と溶剤(S)を含有する(w)の融点以上の温度の混合物と、圧力が2MPa以上である液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)を混合し、その後減圧膨張して、(w)の融点以下として(w)を析出させると共に(X)を気化させ除去することで得られた、メジアン径1μm以下のワックス(w)が溶剤(S)中に分散された分散液である請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 樹脂粒子(Z1)が液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)と溶剤(S)を含有する分散媒体中に分散された分散体(Q)から(X)と(S)を除去する際、分散体(Q)の温度を、下記Ta[℃]以下に冷却する工程を含む請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
    Ta:樹脂(B)の溶剤(S)溶液(L)のDSC測定降温時における発熱ピーク温度[℃]
  7. 分散体(Q)の温度をTa[℃]以下に冷却する際、(Ta−10)[℃]以下の液状の二酸化炭素(X1)を分散体(Q)に加えて冷却する工程を含む請求項6に記載の製造方法。
  8. 分散体(Q)の温度をTa[℃]以下に冷却した後、液状の二酸化炭素(X1)および溶剤(S)の混合液と樹脂粒子(Z)とを固液分離する工程を含む請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の製造方法により得られる樹脂粒子(Z)。
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