JP5697949B2 - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
Ta:樹脂(b)の溶剤(S)溶液(L)のDSC測定降温時における発熱ピーク温度[℃]
本発明の製造方法に用いる微粒子(A)としては、結晶性樹脂(a1)、非結晶性樹脂(a2)、及び無機化合物(a3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる微粒子が挙げられる。非結晶性樹脂(a2)としては、架橋性の非結晶性樹脂が好ましい。
これらの中では、結晶性樹脂(a1)および非結晶性樹脂(a2)が好ましく、結晶性樹脂(a1)がさらに好ましい。
本発明における融点は、JIS K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して、示差走査熱量測定装置(DSC)で測定した、初回昇温時の溶融による吸熱ピークの温度(℃)を意味する。
結晶化度=(ΔHm/a)×100
上式中、aは結晶化度が100%となるように外挿した場合の融解熱量である。
保存安定性の観点から、上記ジオールのアルキレン鎖の炭素数と上記ジカルボン酸のアルキレン鎖の炭素数の合計数が、10以上が好ましく、更に好ましくは12以上であり、特に好ましくは14以上である。また、定着性の観点から、52以下が好ましく、更に好ましくは45以下であり、特に好ましくは40以下、最も好ましくは30以下である。
炭素数2〜50のアルキレン鎖を有する直鎖脂肪族ジカルボン酸のアルキレン鎖の炭素数は、結晶性の観点から、2以上が好ましく、更に好ましくは3以上であり、特に好ましくは4以上である。また、定着性の観点から50以下が好ましく、更に好ましくは45以下であり、特に好ましくは40以下、最も好ましくは30以下である。直鎖脂肪族ジカルボン酸として好ましいものは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及びオクタデカンジカルボン酸である。
また、芳香族ポリエステルの保存安定性の観点から、芳香族ジカルボン酸の炭素数は6〜30が好ましく、更に好ましくは8〜24あり、特に好ましくは8〜20である。炭素数6〜30の芳香族ジカルボン酸として好ましいものは、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸である。
なお、炭素数2〜50のアルキレン鎖を有する直鎖脂肪族ジオールと後述のジカルボン酸(13)とを反応させて得られるポリエステルジオールと炭素数2〜50のアルキレン鎖を有する直鎖脂肪族ジイソシアネートから得られるポリウレタンも(a12)に含まれる。
脂肪族ポリウレタン及び/又はポリウレアは、保存安定性の観点から、ジオール及び/又はジアミンのアルキレン鎖の炭素数(ジオールとジアミンの混合物を使用する場合は、その重量比で平均されたアルキレン鎖の炭素数)とジイソシアネートのアルキレン鎖の炭素数の合計数が、10以上が好ましく、更に好ましくは12以上であり、特に好ましくは14以上である。また、定着性の観点から、52以下が好ましく、更に好ましくは45以下であり、特に好ましくは40以下、最も好ましくは30以下である。
上記炭素数2〜50のアルキレン鎖を有する直鎖脂肪族ジアミンのアルキレン鎖の炭素数は、結晶性の観点から、2以上が好ましく、更に好ましくは3以上であり、特に好ましくは4以上である。また、定着性の観点から50以下が好ましく、更に好ましくは45以下であり、特に好ましくは40以下、最も好ましくは30以下である。直鎖脂肪族ジアミンとして好ましいものは、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンである。
また、上記炭素数2〜50のアルキレン鎖を有する直鎖脂肪族ジイソシアネートのアルキレン鎖の炭素数は、結晶性の観点から、2以上が好ましく、更に好ましくは3以上であり、特に好ましくは4以上である。また、定着性の観点から50以下が好ましく、更に好ましくは45以下であり、特に好ましくは40以下、最も好ましくは30以下である。直鎖脂肪族ジイソシアネートとして好ましいものは、テトラメチレンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネートである。
アルキル(メタ)アクリレートを必須構成単位とする結晶性ビニル樹脂は、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体でも、他の単量体との共重合体でもよい。他の単量体としては、後述のビニルモノマーを適宜選択することができる。
結晶性ビニル樹脂(a13)中のアルキル基の炭素数が12〜50であるアルキル(メタ)アクリレートの構成単位の含有量は、好ましくは40重量%以上、更に好ましくは45重量%以上、とくに好ましくは60重量%以上である。
なお、本発明において、アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタアクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
併用する結晶性ビニルモノマーとしては、結晶性のビニル樹脂が形成され得るものであれば特に限定されないが、上記のアルキル基の炭素数が12〜50であるアルキル(メタ)アクリレート、及びエチレン等が挙げられる。
(a2)の組成は得に限定されず、通常用いられている樹脂でよい。
例えば、架橋性ビニル樹脂としては、2個以上のビニル重合性官能基を有するビニルモノマー(ジビニルベンゼン等)を含むビニルモノマーの共重合体等が挙げられる。
架橋性ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物であって、ポリオール及び/又はポリカルボン酸の少なくとも一部として、後述の3価以上のポリオール(12)及び/又は3価以上のポリカルボン酸(14)を用いて得られるポリエステル樹脂等が挙げられる。
同様に、他の樹脂の場合も架橋性のモノマーを少なくとも一部用いて得られる樹脂がより好ましい。
微粒子分散液(P)に用いる溶剤(S)としては、標準状態(23℃、0.1MPa)における樹脂(a1)または(a2)の溶剤(S)不溶分が、50重量%以上である溶剤が好ましい。溶剤(S)不溶分が50重量%以上であると、樹脂粒子(C)の粒度分布が狭くなる。この点と微粒子(A)の分散性から、溶剤(S)の好ましい具体例としては、脂肪族炭化水素溶剤(デカン、ヘキサン、ヘプタンなど)、エステル溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)及びケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトンなど)である。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、これら以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えば(ジ)シクロペンタジエン等;テルペン類、例えばピネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等;およびビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩:炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、および硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有ビニルモノマー;ならびそれらの塩等。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート等、
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等、
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等、
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等、
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(Mn300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドをEOと記載する。)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等、
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル等、
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン等。
(10)その他のビニルモノマー:イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
・脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):
〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミンなど〕}
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミンなど〕
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
・脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、
〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物
〔2〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリンなど〕
〔3〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はメチル、エチルなどの低級アルキル基で置換したもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、
・複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、
・ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、
・ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など。
結晶性樹脂(b12)の場合、耐熱保存性の観点から、融点が20〜100℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは40〜80℃、特に好ましくは50〜70℃である。
なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、重縮合ポリエステル樹脂以外に、ラクトン開環重合物およびポリヒドロキシカルボン酸も同様に好ましい。
また、結晶性ポリウレタン樹脂としては、アルコール(ジオール)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール成分やイソシアネート成分を用いてもよい。
結晶性ポリアミド樹脂としては、アミン(ジアミン)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン成分や酸成分を用いてもよい。
結晶性ポリウレア樹脂としては、アミン(ジアミン)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン成分やイソシアネート成分を用いてもよい。
以降の説明において、まず、これら結晶性重縮合ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリウレア樹脂に用いられるジオール成分、ジカルボン酸成分、ジイソシアネート成分、およびジアミン成分(それぞれ3官能以上のものを含む)についてそれぞれ示す。
脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、保存安定性及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が36を超えると、実用上の材料の入手が困難な場合がある。
さらに、他の官能基を有するジオールを用いてもよい。官能基を有するジオールとしては、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール、およびこれらの塩等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[C6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸など]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、例えば炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミンなど)および/またはアルカリ金属(ナトリウム塩など)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、およびこれらの併用である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
必要により用いられる3価以上のポリカルボン酸としては、前記の3価以上のポリカルボン酸(14)と同様のものが挙げられる。
これらジカルボン酸の中では、脂肪族ジカルボン酸(特に直鎖型のカルボン酸)を単独で用いるのが特に好ましいが、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、および、これらの低級アルキルエステル類が好ましい。)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20モル%以下が好ましい。
ジカルボン酸成分としては、主には上記のカルボン酸が挙げられるが、この限りではない。これらのうち、結晶性や入手容易性を考慮すると、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、およびイソフタル酸が好ましい。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物が得られる。例えば、上記ラクトン類とエチレングリコール、ジエチレングリコール等の前記ジオール成分を触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が一般的であり、0.1〜5000ppm程度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に重合させることによって、ラクトン開環重合物を得ることができる。ラクトン開環重合物は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。ラクトン開環重合物は、結晶性の高い熱可塑性脂肪族ポリエステル樹脂である。ラクトン開環重合物は、市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7など(いずれも、融点=約60℃、ガラス転移温度(Tg)=約−60℃の高結晶性ポリカプロラクトン)が挙げられる。
開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するポリヒドロキシカルボン酸骨格が得られる。例えば、上記環状エステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール等の前記ジオール成分を触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が一般的であり、0.1〜5000ppm程度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に重合させることによって、ポリヒドロキシカルボン酸を得ることができる。ポリヒドロキシカルボン酸は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に限定されず、従来より公知のいずれの方法でもよい。
例えば、キラル体のAOを、通常AOの重合で使用される触媒で開環重合させる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、1956年、第78巻、第18号、p.4787−4792 に記載)や、安価なラセミ体のAOを立体的に嵩高い特殊な化学構造の錯体を触媒として用いて、開環重合させる方法が知られている。
特殊な錯体を用いる方法としては、ランタノイド錯体と有機アルミニウムを接触させた化合物を触媒として用いる方法(例えば、特開平11−12353号公報に記載)やバイメタルμ−オキソアルコキサイドとヒドロキシル化合物をあらかじめ反応させる方法(例えば、特表2001−521957号公報に記載)等が知られている。
また、非常にアイソタクティシティーの高いポリオキシアルキレンポリオールを得る方法として、サレン錯体を触媒として用いる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、第33号、p.11566−11567 に記載)が知られている。
上記グリコールとしては、前記ジオール成分等が挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸成分等が挙げられる
炭素数3のAO[PO、1−クロロオキセタン、2−クロロオキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン];炭素数4のAO[1,2−BO、メチルグリシジルエーテル];炭素数5のAO[1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ペンチレンオキサイド、3−メチル−1,2−ブチレンオキサイド];炭素数6のAO[シクロヘキセンオキサイド、1,2−へキシレンオキサイド、3−メチル−1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ヘキシレンオキサイド、4−メチル−2,3−ペンチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル];炭素数7のAO[1,2−へプチレンオキサイド];炭素数8のAO[スチレンオキサイド];炭素数9のAO[フェニルグリシジルエーテル]等である。
これらのAOは、単独で、または、2種類以上を使用することができる。
測定試料約30mgを直径5mmの13C−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶剤を加えて溶解させ、分析用試料とする。ここで重水素化溶剤は、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶剤を適宜選択する。
アイソタクティシティー(%)=[I/(I+S+H)]×100 (1)
但し、式中、Iはアイソタクチック信号の積分値;Sはシンジオタクチック信号の積分値;Hはヘテロタクチック信号の積分値である。
結晶性ビニル樹脂としては、ビニルモノマー(m)として、アルキル基の炭素数が12〜50(好ましくは16〜30)の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)を含有するものがさらに好ましい。
(m1)としては、各アルキル基がいずれも直鎖状の、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、およびベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
結合剤の具体例、および結合剤を用いたビニルモノマー(m2)の作製法としては、後述のブロック樹脂の製法と同様の方法が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル、例えば、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル〕などが挙げられる。
脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしてはオレフィン〔炭素数2〜10、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、オクテン〕、ジエン(炭素数4〜10、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエン〕などが挙げられる。
これら(n1)の中で好ましくは、(メタ)アクリルモノマー、およびカルボキシル基含有ビニルモノマーである。
これらのビニルモノマーを公知の方法で重合させることにより、結晶性ビニル樹脂が得られる。
結合剤を使わない場合、必要により加熱減圧しつつ、(p)を形成する樹脂の末端官能基と(q)を形成する樹脂の末端官能基の反応を進める。特に酸とアルコールとの反応や酸とアミンとの反応の場合、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合、反応がスムーズに進行する。反応温度は180℃〜230℃で行うのが好ましい。
結合剤を使う場合は、種々の結合剤が使用できる。多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、多官能エポキシ、酸無水物等を用いて、脱水反応や、付加反応を行うことで得られる。
多価カルボン酸および酸無水物としては、前記ジカルボン酸成分と同様のものが挙げられる。多価アルコールとしては、前記ジオール成分と同様のものが挙げられる。多価イソシアネートとしては、前記ジイソシアネート成分と同様のものが挙げられる。多官能エポキシとしては、ビスフェノールA型および−F型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールAまたは−FのAO付加体のジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのAO付加体のジグリシジルエーテル、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等)の各ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジおよび/またはトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリおよび/またはテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタおよび/またはヘキサグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン・フェノール付加型グリシジルエーテル、メチレンビス(2,7−ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
付加反応の例としては、結晶性部(p)、非結晶性部(q)とも末端に水酸基を有する樹脂であり、これらを結合剤(例えば多価イソシアネート)で結合する反応や、また結晶性部(p)、非結晶性部(q)の片方が末端に水酸基を有する樹脂で、もう一方が末端にイソシアネート基を有する樹脂の場合、結合剤を用いずにこれらを結合する反応が挙げられる。この場合、例えば、結晶性部(p)、非結晶性部(q)ともに溶解可能な溶剤に溶解させ、これに必要であるなら結合剤を投入し、反応温度80℃〜150℃で反応し、ブロック樹脂が得られる。
上記SP値とは、下記に示した様に、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
本発明において、樹脂(b)は、樹脂(b)の前駆体(b0)も包含する意味で用いる。
(1):反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組み合わせ。
(2):反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組み合わせ。
上記組合せ(1)において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)および酸ハライド基(α1e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α1a)、(α1b)および(α1c)であり、特に好ましいものは、(α1a)および(α1b)である。ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
それらのうち、粒子形成のし易さの観点から、単一溶剤として、環状エーテル、ピルビン酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル、およびフッ素含有アルコール、並びに混合溶剤が好ましい。
さらに好ましくは、溶剤除去の観点から、混合溶剤(特に、アセトンとメタノールと水の混合溶剤、アセトンとメタノールの混合溶剤、アセトンとエタノールの混合溶剤、およびアセトンと水の混合溶剤)である。
なお、樹脂(b)の溶剤(S)全体に対する不溶分の好ましい範囲も、上記(S1)不溶分と同様である。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、樹脂(b)の試料約0.5gを精秤し、溶剤(S)50mlを加え、3時間攪拌還流させて冷却後、目開き1μmのフィルターにて不溶分をろ別する。溶剤(S)に対する不溶分の重量は、フィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量とする。
樹脂(b)の前駆体(b0)が液体である場合については、溶剤(S)に対する不溶分の重量は下記の方法により算出する。
フラスコに50mlの溶剤(S)を入れ、マグネティックスターラーで攪拌する。そこに樹脂(b)の前駆体(b0)を滴下し、透過率が50%以下になった時点の添加量をWとすると、溶剤(S)に対する不溶分の重量は(0.5−W)の計算値とする。
樹脂(b)がポリエステル樹脂、あるいは変性ポリエステル樹脂の場合、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、芳香族炭化水素系溶剤(トルエン、キシレン等)が挙げられる。
樹脂(b)がウレタン樹脂、あるいは変性ウレタン樹脂の場合、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。
樹脂(b)がエポキシ樹脂、あるいは変性エポキシ樹脂の場合、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)が挙げられる。
樹脂(b)がビニル樹脂、あるいは変性ビニル樹脂の場合、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、芳香族炭化水素系溶剤(トルエン、キシレン等)が挙げられる。
溶剤(S2)の含有量は、溶剤(S1)の重量に対する(S2)の重量が1〜50重量%であることが好ましく、3〜40重量%であることがさらに好ましい。
溶剤(S2)は、具体的には、水、アルコール(メタノール、エタノール)、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。樹脂粒子製造後、除去の容易さの観点から、水、メタノール及びエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤が好ましい。
また、樹脂(b)と溶剤(S)の溶解度パラメータの差は7以下が好ましく、さらに好ましくは6以下、とくに好ましくは5以下である。
溶剤(S)が良溶剤(S1)と貧溶剤(S2)から構成される場合、良溶剤(S1)は一般的に貧溶剤(S2)に比べて二酸化炭素(X)とのSP値差が小さいため、(S2)と比べて(S1)が樹脂粒子(C1)から抽出されやすい。したがって(C1)中に残存する溶剤(S)中の(S2)濃度が高くなるため、樹脂粒子(C)同士が合一し難くなる。また樹脂(b)の溶剤(S)溶液(L)を二酸化炭素(X)中に分散する際、溶剤(S1)の二酸化炭素(X)中への抽出が遅延されるため、分散されやすくなり、粒度分布がシャープな樹脂粒子(C)を得やすくなる。
(1) (S1)はケトン(アセトン、又はメチルエチルケトン)、(S2)は水、又はメタノール、重量比(S1):(S2)は、95:5〜70:30。
(2) (S1)はケトン(アセトン、又はメチルエチルケトン)、(S2)は水:メタノール(重量比 1:2〜1:10)、重量比(S1):(S2)は、95:5〜50:50。
溶液(L)の粘度が上記範囲より高い場合は、樹脂(b)が変性しない範囲、又は樹脂(b)の前駆体(b0)が反応しない範囲内で加熱することが好ましい。
着色剤の使用量は、染料又は顔料を使用する場合は、樹脂(b)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜15重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは20〜150重量%である。
上記の圧力下では、多くの場合、二酸化炭素(X)は、液体状態または超臨界状態となる。
本発明において、液体の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力=0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(本発明の圧力とは、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を示す)。
例えば、容器内に溶液(L)と、微粒子(A)または微粒子分散液(P)を仕込み、攪拌のもと、さらに容器内に二酸化炭素(X)を導入する方法;並びに、あらかじめ微粒子(A)または微粒子分散液(P)と二酸化炭素(X)とを混合して得られる、二酸化炭素(X)および必要により溶剤(S)中に微粒子(A)が分散している分散体(Y0)中に、溶液(L)を分散させる方法;等が挙げられる。これらの中では、後者の方法が好ましい。
分散体(Y)は単一相であることが好ましい。すなわち(C1)が分散している二酸化炭素(X)を含む分散媒体(X0)の相の他に、溶剤相が分離する状態は好ましくない。したがって、溶剤相が分離しないように、二酸化炭素(X)に対する(b)の溶剤(S)溶液(L)の量を設定することが好ましい。例えば(X)に対して(L)が90重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜70重量%である。
また、樹脂(b)と二酸化炭素(X)の重量比は、好ましくは(b):(X)が、1:(0.1〜100)、さらに好ましくは1:(0.5〜50)、特に好ましくは1:(1〜20)である。
(Y0)、および(Y)の温度及び圧力は、樹脂(b)が(X0)中に溶解せず、且つ(b)が凝集・合一可能な範囲内で設定することが好ましい。通常、低温・低圧ほど目的分散物が(X)中に溶解しない傾向となり、高温・高圧ほど(b)が凝集・合一し易い傾向となる。
本発明における二酸化炭素(X)と他の物質(e)の合計中の(X)の量は、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは重量80%以上、とくに好ましくは90重量%以上である。
分散安定剤(D)としては、ジメチルシロキサン基やフッ素を含有する官能基を有する化合物が挙げられる。分散安定剤(D)は、二酸化炭素に親和性を有するジメチルシロキサン基、含フッ素基と共に、樹脂(b)に親和性を有する化学構造を有することが好ましい。
より具体的には、後述のジメチルシロキサン基を有するモノマー(あるいは反応性オリゴマー)(M1−1)、及び/又はフッ素を含有するモノマー(M1−2)と、前述の樹脂(b)を構成するモノマー(M2)との共重合体が好ましい。共重合の形態はランダム、ブロック、グラフトのいずれでもよいが、ブロックあるいはグラフトが好ましい。
ジメチルシロキサン基を有するモノマー(あるいは反応性オリゴマー)(M1−1)としては、メタクリル変性シリコーンが好ましく、次式に示す構造を持つ。
(CH3)3SiO((CH3)2SiO)aSi(CH3)2R
但しaは、平均値で15〜45であり、Rはメタクリル基を含む有機変性基である。Rの例としては、−C3H6OCOC(CH3)=CH2が挙げられる。
樹脂(b)を構成するモノマー(M2)としては、前述のビニル系モノマー(1)〜(10)を使用することが好ましい。
(M1−1)としてはアミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等の活性水素を含む官能基を有するポリシロキサンが好ましい。(M1−2)としては、2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,6−ヘキサンジオール等の含フッ素基ポリオール、含フッ素基(ポリ)アミン、含フッ素基(ポリ)チオール等の活性水素を含む官能基を有するフッ素化合物、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロブタン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロペンタン及びビス(イソシアナトメチル)パーフルオロヘキサン等の含フッ素基(ポリ)イソシアネートが好ましい。
(M2)としては、上述のポリイソシアネート(15)、水、ジオール(11)、3価以上のポリオール(12)ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等が好ましい。
分散安定剤(D)の添加量は、分散安定性の観点から、樹脂(b)の重量に対し50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜40重量%、特に好ましくは0.03〜30重量%である。
分散安定剤(D)の好ましいMwの範囲は100〜10万であり、さらに好ましくは200〜5万、特に好ましくは500〜3万である。この範囲内にすると、(D)の分散安定効果が向上する。
本発明における樹脂粒子(C1)または(C)中の、溶剤(S)含有量の測定方法は、下記のとおりである。
〔樹脂粒子中の溶剤含有量の測定方法〕
測定対象の樹脂粒子1重量部にN,N−ジメチルホルムアミド5重量部を加え、超音波で30分、分散、溶解させた後、樹脂粒子中の溶剤を抽出した。上澄み液をガスクロマトグラフィで分析し、樹脂粒子中の溶剤および残留モノマーを定量することにより、溶剤濃度を測定した。分析時の測定条件は、以下の通りである。
装置:島津GC−14A
カラム:CBP20−M 50−0.25
検出器:FID
注入量:2μml
キャリアガス:He 2.5kg/cm2
水素流量:0.6kg/cm2
空気流量:0.5kg/cm2
チャートスピード:10mm/min
感度:Range101×Atten6
カラム温度:70℃
試料注入温度:150℃
好ましいTa[℃]の範囲は、−30〜60℃であり、さらに好ましくは−25〜55℃、特に好ましくは−20〜50℃である。
冷却のために加える液状の二酸化炭素(X1)の量は、分散体(Y)の重量に対して、好ましくは1倍以上、さらに好ましくは1〜10倍である。(X1)の重量が1倍以上であると、(Y)の温度が容易にTa〔℃〕以下になる。
樹脂粒子(C)の捕集方法は特に限定されず、Ta〔℃〕以下に冷却した後の分散体(Y)をフィルターでろ別する方法や、サイクロン等により遠心分離する方法が例として挙げられる。樹脂粒子(C)は減圧後に捕集してもよく、また減圧前に一旦高圧中で捕集した後、減圧してもよい。高圧下で捕集した後に減圧する場合の、高圧下からの樹脂粒子(C)の取り出し方としては、バッチ操作で捕集容器を減圧してもよく、またロータリーバルブを使用して連続的取り出し操作を行ってもよい。
上記方法中、好ましい捕集方法は、Ta〔℃〕以下に冷却された分散体(Y)をフィルターでろ別した後、減圧して捕集する方法である。減圧後、さらに樹脂粒子(C)の固形分重量〔(S)および(X)を除いた重量〕に対して、液状の二酸化炭素(X1)を、好ましくは2.5〜5倍の重量投入して、樹脂粒子(C)中からさらに溶剤(S)を抽出する操作を、1回または複数回繰り返すことによって、樹脂粒子(C)の合着をより抑えることができる。
樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(B)の表面に、微粒子(A)が付着されたもの、(A)由来の皮膜が形成されたもの、(A)の一部が皮膜化されたもののいずれであってもよい。
なお、樹脂粒子(C)の表面状態及び形状は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)を用い、樹脂粒子の表面を1万倍または3万倍拡大した写真にて観察できる。
(C)の体積平均粒子径DVcと(C)の個数平均粒子径DNcの比DVc/DNcは、好ましくは1.0〜1.5、さらに好ましくは1.0〜1.4、とくに好ましくは1.0〜1.3である。1.5以下であると粉体特性(流動性、帯電均一性等)が著しく向上する。
表面被覆率(%)=100×[(A)もしくは(A)由来の皮膜に覆われている部分の(B)の表面積]/[(A)もしくは(A)由来の皮膜に覆われている部分の(B)の表面積+(B)の表面が露出している部分の面積]
樹脂粒子(C)中の(a)が結晶性樹脂(a1)である場合、公知の方法、例えばDSCにより(a1)に固有な吸熱ピークの吸熱量から結晶性樹脂(a1)の重量比率を算出する方法により測定することがでる。
粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであるのが好ましい。本発明におけるBET比表面積は、比表面積計、例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
<結晶化度の測定方法>
試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いて、室温から昇温速度20℃/minにて温度を変化させながら、吸熱ピークの面積より求めた融解熱量(ΔHm(J/g))を求めた。測定されたΔHmに基づき以下の式により結晶化度(%)を算出した。
結晶化度=(融解熱量/a)×100
上式中、aは以下のようにして測定する。
測定しようとする樹脂と同組成の標品となる樹脂の融解熱量をDSCで測定し、JISK0131(1996年)(X線回折分析通則 13結晶化度測定 (2)絶対法)に準じた測定方法で結晶化度を測定した。縦軸に融解熱量、横軸に結晶化度を座標にとり、標品のデータをプロットし、その点と原点の2点から直線を引き、結晶化度が100%となるように外挿した場合の融解熱量を求めた値がaである。
試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、昇温速度毎分10℃で、結晶溶融による吸熱ピークの温度(℃)を求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
試料をそれぞれ5mg秤り取り、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、昇温速度毎分10℃でガラス転移温度を測定した。
<数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定方法>
試料をそれぞれ濃度2.5g/Lでテトラヒドロフランに溶解させ、GPCにより測定した。
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL)2本+TSKgel Multipore
HXL−M(東ソー(株)製)
測定温度 :40℃
溶液注入量:100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
<体積平均粒径の測定方法>
試料5mgをイオン交換水10gに分散させた後、マルチサイザーIII(コールター社製)により測定した。
<(Ta)の測定方法>
固形分量40%に調整した樹脂(b)の溶剤(S)溶液(L)をそれぞれ5mg秤り取り、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、30℃から開始し−50℃まで降温速度毎分1℃で降温させて、発熱ピーク温度を測定した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1.2−プロピレングリコール(以下、プロピレングリコールと記載)831部、テレフタル酸703部、アジピン酸47部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が87℃になった時点で180℃まで冷却し、さらに無水トリメリット酸24部、テトラブトキシチタネート0.5部を投入し90分反応させた後、取り出した。回収されたプロピレングリコールは442部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、非結晶性ポリエステル樹脂(b−1)を得た。この樹脂のMnは1900、Tgは45℃であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール729部、テレフタル酸683部、アジピン酸67部、無水トリメリット酸38部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させた。回収されたプロピレングリコールは172部であった。軟化点が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、非結晶性ポリエステル樹脂(b−2)を得た。この樹脂のMnは5700、Tgは63℃であった。
撹拌棒および温度計をセットしたオートクレーブに、キシレン24部を投入し、アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル(25%/33%/40%/2%)の混合モノマー2,000部と重合触媒アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル1部を、170℃で3時間かけて滴下重合をおこなった。180℃まで昇温しながら常圧で脱揮し、180℃になったところで減圧に切り替え、2時間かけて減圧で脱揮をおこない、非結晶性ビニル樹脂(b−3)を得た。この樹脂のMnは10500、Tgは62℃であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、セバシン酸159部、アジピン酸11部と1,4−ブタンジオール108部および縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水および1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、Mwがおよそ10000になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部(p−1)]を得た。[結晶性部(p−1)]の融点は57℃、Mnは5000、Mwは11000、水酸基価は30であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、セバシン酸121部、ジメチルテレフタル酸118部と1,6−ヘキサンジオール124部および縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水および1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、Mwが8000になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部(p−2)]を得た。[結晶性部(p−2)]の融点は53℃、Mwは8000、水酸基価は46であった。
攪拌装置および脱水装置のついた反応容器に、1,4−ブタンジオール2部、ε−カプロラクトン650部、ジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧、窒素雰囲気下、150℃で10時間反応を行った。さらに得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、ラクトン開環重合物である結晶性ポリエステル樹脂[結晶性部(p−3)]を得た。[結晶性部(p−3)]の融点は60℃、Mwは9800、水酸基価は14であった。
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、トリレンジイソシアネート44部およびMEK100部を仕込んだ。この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を仕込み80℃で2時間反応させた。次にこの非結晶性ポリウレタン樹脂(q−1)の溶液を[結晶性部(p−1)]140部をMEK140部に溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して結晶性ブロック樹脂(b−4)のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の結晶性ブロック樹脂(b−4)の融点は56℃、Mnは14000、Mwは28000であった。
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、トリレンジイソシアネート42部およびMEK100部を仕込んだ。この溶液にシクロヘキサンジメタノール31部を仕込み80℃で2時間反応させた。次にこの非結晶性ポリウレタン樹脂(q−2)の溶液を[結晶性部(p−2)]126部をMEK140部に溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して結晶性ブロック樹脂(b−5)のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の結晶性ブロック樹脂(b−5)の融点は53℃、Mnは10000、Mwは22000であった。
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、トリレンジイソシアネート44部およびMEK100部を仕込んだ。この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を仕込み80℃で2時間反応させた。次にこの非結晶性ポリウレタン樹脂(q−1)の溶液を[結晶性部(p−3)]250部をMEK250部に溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して結晶性ブロック樹脂(b−6)のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の結晶性ブロック樹脂(b−6)の融点は60℃、Mnは10000、Mwは22000であった。
攪拌装置のついた容器に、アセトン450部、イオン交換水50部からなる混合溶剤である溶剤(S−1)に、製造例1で得られた樹脂(b−1)228部、製造例2で得られた樹脂(b−2)57部及びカーボンブラック15部を仕込み、樹脂(b−1)、(b−2)が完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(L−1)を得た。標準状態における樹脂(b−1)および樹脂(b−2)の溶剤(S−1)不溶分は0.1%以下、溶剤(S−1)のSP値は10.5であった。また樹脂溶液(L−1)のDSC測定降温時における発熱ピーク温度(Ta)は−10℃であった。
攪拌装置のついた容器に、アセトン490部、メタノール210部からなる混合溶剤である溶剤(S−2)に、製造例3で得られた樹脂(b−3)280部、及びカーボンブラック15部を仕込み、樹脂(b−3)が完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(L−2)を得た。標準状態における樹脂(b−3)の溶剤(S−2)不溶分は0.1%以下、溶剤(S−2)のSP値は10.9であった。また樹脂溶液(L−2)のTaは−12℃であった。
攪拌装置のついた容器に、アセトン450部、イオン交換水50部からなる混合溶剤である溶剤(S−1)に、製造例7で得られた樹脂(b−4)285部、及びカーボンブラック15部を仕込み、樹脂(b−4)が完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(L−3)を得た。標準状態における樹脂(b−4)の溶剤(S−1)不溶分は0.1%以下であった。また樹脂溶液(L−3)のTaは10℃であった。
攪拌装置のついた容器に、アセトン450部、イオン交換水50部からなる混合溶剤である溶剤(S−1)に、製造例8で得られた樹脂(b−5)285部、及びカーボンブラック15部を仕込み、樹脂(b−5)が完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(L−4)を得た。標準状態における樹脂(b−5)の溶剤(S−1)不溶分は0.1%以下であった。また樹脂溶液(L−4)のTaは11℃であった。
攪拌装置のついた容器に、アセトン450部、イオン交換水50部からなる混合溶剤である溶剤(S−1)に、製造例9で得られた樹脂(b−6)285部、及びカーボンブラック15部を仕込み、樹脂(b−6)が完全に溶解するまで攪拌し、樹脂溶液(L−5)を得た。標準状態における樹脂(b−6)の溶剤(S−1)不溶分は0.1%以下であった。また樹脂溶液(L−5)のTaは6℃であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、トルエン500部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート(炭素数22個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート;ブレンマーVA〔日油(株)製〕)150部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に、密閉下80℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、結晶性ビニル樹脂(a1−1)を得た。この樹脂の結晶化度は42%、融点は65℃、Mnは50000であった。
ノルマルヘキサン700部、結晶性ビニル樹脂(a1−1)300部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、乳白色の微粒子(A−1)分散液を得た。この分散液中の微粒子(A−1)の体積平均粒径は0.3μmであった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ドデカン2酸230部、1,6−ヘキサンジオール195部、縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、融点が60℃となった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し結晶性ポリエステル樹脂(a1−2)を得た。この樹脂の結晶化度は60%、融点は60℃、Mnは8000であった。
製造例16において、結晶性ビニル樹脂(a1−1)の代わりに、結晶性ポリエステル樹脂(a1−2)を用いた以外は製造例16と同様にして、乳白色の微粒子(A−2)分散液を得た。この分散液中の微粒子(A−2)の体積平均粒径は0.4μmであった。
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン137部、メタクリル酸137部、ジビニルベンゼン3部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−ジビニルベンゼン−メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)(a2−1)の水性分散液を得た。さらに凍結粉砕機を用い、水性分散液より水分を除去した後、シリコーンオイル2部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。さらにノルマルへキサン1108部と混合し、ホモミキサーを用いて分散し、架橋性非結晶性樹脂微粒子(A−3)分散液を得た。この分散液の体積平均粒径は0.5μmであった。
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、シリカ(a3−1)の酢酸エチル分散液(EAC−ST、日産化学工業製)900部、およびヘキサメチルジシラザン100部を添加し、60℃で1時間反応させ、シリカ微粒子(A−4)分散液を得た。この分散液の体積平均粒径は0.05μmであった。
図1の実験装置において、まずバルブV1、V2、V3を閉じ、V4を開けボンベB1、ポンプP3より粒子回収槽T4に二酸化炭素(0℃、純度99.99%)を導入し、13.5MPa、40℃に調整した。(調整後、V4は閉)。また樹脂溶液タンクT1に樹脂溶液(L−1)、微粒子分散液タンクT2に微粒子(A−1)分散液を仕込んだ。次にV3を開けボンベB1、ポンプP3より二酸化炭素を分散槽T3に導入し、9MPa、40℃に調整し、さらにタンクT2、ポンプP2より微粒子(A−1)分散液を導入した。次に分散槽T3の内部を2000rpmで攪拌しながら、タンクT1、ポンプP1より樹脂溶液(L−1)を分散槽T3内に導入した。導入後T3の内部の圧力は14MPaとなった。
樹脂溶液(L−1) 270部
微粒子(A−1)分散液 45部
二酸化炭素 550部
なお導入した二酸化炭素の重量は、二酸化炭素の温度(40℃)、及び圧力(15MPa)から二酸化炭素の密度を下記文献2に記載の状態式より算出し、これに分散槽T3の体積を乗じることにより算出した。
文献2:Journal of Physical and Chemical Refarence data、vol.25、P.1509〜1596
実施例1において、樹脂溶液(L−1)の代わりに樹脂溶液(L−2)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)由来の皮膜が形成された樹脂粒子(C−2)を得た。実施例2における分散槽T3への仕込み組成の重量比および脱溶剤時の冷却温度は次の通りである。
樹脂溶液(L−2) 270部
微粒子(A−1)分散液 45部
二酸化炭素 550部
冷却温度 −15℃
実施例1において、樹脂溶液(L−1)の代わりに樹脂溶液(L−3)を使用したこと、および冷却のために導入する二酸化炭素量を分散体(Y−1)の重量の1倍とした以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)由来の皮膜が形成された樹脂粒子(C−3)を得た。実施例3における分散槽T3への仕込み組成の重量比および脱溶剤時の冷却温度は次の通りである。
樹脂溶液(L−3) 270部
微粒子(A−1)分散液 45部
二酸化炭素 550部
冷却温度 5℃
実施例1において、樹脂溶液(L−1)の代わりに樹脂溶液(L−4)を使用したこと、および冷却のために導入する二酸化炭素量を分散体(Y−1)の重量の1倍とした以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)由来の皮膜が形成された樹脂粒子(C−4)を得た。実施例4における分散槽T3への仕込み組成の重量比および脱溶剤時の冷却温度は次の通りである。
樹脂溶液(L−4) 270部
微粒子(A−1)分散液 45部
二酸化炭素 550部
冷却温度 5℃
実施例1において、樹脂溶液(L−1)の代わりに樹脂溶液(L−5)を使用したこと、および冷却のために導入する二酸化炭素量を分散体(Y−1)の重量の2倍とした以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)由来の皮膜が形成された樹脂粒子(C−5)を得た。実施例5における分散槽T3への仕込み組成の重量比および脱溶剤時の冷却温度は次の通りである。
樹脂溶液(L−5) 270部
微粒子(A−1)分散液 45部
二酸化炭素 550部
冷却温度 0℃
実施例3において、微粒子(A−1)分散液の代わりに、微粒子(A−2)分散液を使用したこと以外は実施例3と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)由来の皮膜が形成された樹脂粒子(C−6)を得た。実施例6における分散槽T3への仕込み組成の重量比は次の通りである。
樹脂溶液(L−3) 270部
微粒子(A−2)分散液 45部
二酸化炭素 550部
冷却温度 5℃
実施例3において、微粒子(A−1)分散液の代わりに、微粒子(A−3)分散液を使用したこと以外は実施例3と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)由来の皮膜が形成された樹脂粒子(C−7)を得た。実施例7における分散槽T3への仕込み組成の重量比は次の通りである。
樹脂溶液(L−3) 270部
微粒子(A−3)分散液 68部
二酸化炭素 550部
冷却温度 5℃
実施例3において、微粒子(A−1)分散液の代わりに、微粒子(A−4)分散液を使用したこと以外は実施例3と同様にして、樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)が付着した樹脂粒子(C−8)を得た。実施例8における分散槽T3への仕込み組成の重量比は次の通りである。
樹脂溶液(L−3) 270部
微粒子(A−4)分散液 25部
二酸化炭素 550部
冷却温度 5℃
実施例1において脱溶剤時冷却しない以外は実施例1と同様にして、比較樹脂粒子(C’−1)を得た。
実施例3において脱溶剤時冷却しない以外は実施例3と同様にして、比較樹脂粒子(C’−2)を得た。
実施例6において脱溶剤時冷却しない以外は実施例6と同様にして、比較樹脂粒子(C’−3)を得た。
実施例3において脱溶剤時冷却せず、脱溶剤操作を10回繰り返し、樹脂粒子(C’−4)の固形重量分に対し30倍の二酸化炭素(0℃、純度99.99%)を使用した以外は実施例3と同様にして、比較樹脂粒子(C’−4)を得た。
実施例1〜8、比較例1〜4で得られた樹脂粒子について、前記の方法で、形状、溶剤(S)含有量を測定し、以下に記載した評価方法で体積平均粒径、粒度分布、耐熱保存性、低温定着性(定着温度)を評価し、結果を表1に記載した。
<体積平均粒径、粒度分布の評価>
樹脂粒子をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度0.1%)に分散して樹脂粒子〔表中では(C)と表記〕の体積平均粒径および体積平均粒径/個数平均粒径をコールターカウンター[マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)]で測定した。体積平均粒径/個数平均粒径が小さいほど、粒度分布がシャープであることを示す。
樹脂粒子の耐熱保存性を下記の方法で評価した。即ち、50℃に温調された乾燥機に樹脂粒子を15時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○:ブロッキングが発生しない。
△:ブロッキングが発生するが、簡単に指などで力を加えると容易に分散する。
×:ブロッキングが発生し、簡単に指などで力を加えても分散しない。
実施例1〜8、比較例1〜4で得られた樹脂粒子を用い、各々の樹脂粒子にアエロジルR972(日本アエロジル社製)を1.0%添加し、ミキサーを用いてよく混ぜて、アエロジルR972が樹脂粒子表面に均一に付着した低温定着性評価用樹脂粒子を作成した。
得られた樹脂粒子を紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき樹脂粒子を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた(上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度を測定し、定着温度とした。なお、60℃〜200℃の測定温度領域で全てオフセットする場合、評価不可とした。
T2:微粒子分散液タンク
T3:分散槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度100℃、攪拌機つき)
T4:粒子回収槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度100℃)
F1:セラミックフィルター(メッシュ:0.5μm)
T5:溶剤トラップ
B1、B2:二酸化炭素ボンベ
P1、P2:溶液ポンプ
P3、P4:二酸化炭素ポンプ
V1、V3、V4:バルブ
V2:圧力調整バルブ
Claims (4)
- 樹脂(b)の溶剤(S)溶液(L)、微粒子(A)または微粒子(A)が溶剤(S)中に分散された微粒子分散液(P)、および圧力が1.5MPa以上の二酸化炭素(X)を混合して、樹脂(b)と溶剤(S)を含有する樹脂粒子(B1)の表面に微粒子(A)が付着された樹脂粒子(C1)が二酸化炭素(X)および溶剤(S)を含有する分散媒体(X0)中に分散された分散体(Y)を製造し、ついで樹脂粒子(C1)と分散媒体(X0)から二酸化炭素(X)および溶剤(S)を除去する工程を含む、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に微粒子(A)が付着され、または皮膜化されてなる樹脂粒子(C)の製造方法において、(C1)と(X0)から(S)を除去する際、(Ta−10)℃以下の液状の二酸化炭素(X1)を分散体(Y)に加えて、分散体(Y)の温度を下記Ta[℃]以下に冷却する工程を含む樹脂粒子(C)の製造方法。
Ta:樹脂(b)の溶剤(S)溶液(L)のDSC測定降温時における発熱ピーク温度[℃] - 分散体(Y)の温度をTa[℃]以下に冷却した後、液状の二酸化炭素(X1)および溶剤(S)の混合液と樹脂粒子(C)とを固液分離する工程を含む請求項1に記載の製造方法。
- 樹脂(b)が、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1または2に記載の製造方法。
- 樹脂(b)が、20〜100℃の範囲に融点を有する結晶性樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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