JP5340996B2 - ポリエステル樹脂水性分散体 - Google Patents

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Description

本発明はポリエステル樹脂粒子を含有する水性分散体、およびポリエステル樹脂粒子に関する。
近年、様々な産業分野において環境に配慮した研究開発が盛んに行われてきている。その中でも樹脂微粒子の水性分散体は塗料や電子写真の分野で注目されてきており、特にポリマー微粒子の小粒経化には潜在的なニーズがある。
ポリマー微粒子の水性分散体を得る方法としては、溶剤法、転相乳化法、高温乳化法等の従来技術が知られているが、水性分散体の保存(貯蔵)安定性が不十分な場合があった。
また、小粒経のポリマー微粒子の水性分散体を得る方法として、非イオン性界面活性剤の存在下、該非イオン性界面活性剤の曇点から上下にそれぞれ10℃の温度範囲内で、水系媒体中で該ポリマーを微粒子化する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、ポリマー微粒子の小粒経化が十分とは言えず、さらなる小粒経化が要望されている。
特開2006−106679号公報
本発明は、小粒経のポリエステル樹脂粒子を含有し、保存(貯蔵)安定性に優れる水性分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った
すなわち、本発明は、アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、必要により有機溶剤(S)を含有する水性媒体(W)中に分散されてなる水性分散体であって、(a)中の遊離のカルボン酸含有量が2000ppm以下であり、かつ(a)のSP値が10.5〜12.5(cal/cm31/2であるポリエステル樹脂水性分散体(X);並びに上記のポリエステル樹脂水性分散体(X)から水性媒体(W)が除去されてなるポリエステル樹脂粒子(A);である。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、小粒径のポリエステル樹脂粒子を含有し、乳化性が極めて良好であり、保存(貯蔵)安定性にも優れている。
以下、本発明を詳述する。
本発明におけるポリエステル樹脂(a)は、アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されて得られる。
アルコール成分(x)としては、モノオール(X1)、ジオール(X2)、および3価〜8価もしくはそれ以上のポリオール(X3)が挙げられ、カルボン酸成分(y)としては、モノカルボン酸(y1)、ジカルボン酸(y2)、および3価〜8価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y3)が挙げられる。
モノオール(x1)としては、炭素数1〜30のアルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール等)、炭素数3〜24のアルケノール(アリルアルコール、プロペニルアルコール、オレイルアルコール等)、および炭素数7〜36の芳香族アルコール(ベンジルアルコール等)等が挙げられる。
これらのうち、耐ブロッキング性の観点から、好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族アルコール(ベンジルアルコール等)である。
ジオール(X2)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、および1,12−ドデカンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン、オキシプロピレン等)以下のポリオキシアルキレン基も同じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;および2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、とくに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)である。
3価〜8価もしくはそれ以上のポリオール(X3)としては、炭素数3〜36の3価〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えばショ糖およびメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、とくに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
アルコール成分(x)中には、1種以上のジオール(X2)を80モル%以上含有するのが好ましく、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%である。80モル以上であると、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)が上がり、ポリエステル樹脂(a)の耐熱保存性が良好となる。
モノカルボン酸(y1)としては、炭素数1〜30のアルカンモノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モニタン酸、メリシン酸等)、炭素数3〜24のアルケンモノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸等)、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、P−t−ブチル安息香酸、フェニルプロピオン酸、およびナフトエ酸等)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸であり、さらに好ましくは、安息香酸、メチル安息香酸、およびP−t−ブチル安息香酸である。
ジカルボン酸(y2)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカン二酸および1,18−オクタデカンジカルボン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えばドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、およびメサコン酸);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル、イソフタル、テレフタル、およびナフタレンジカルボン酸等);およびこれらのエステル形成性誘導体;等が挙げられる。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる
3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y3)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット、およびピロメリット酸等)、およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらのうち好ましいものはトリメリット酸およびピロメリット酸並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
カルボン酸成分(y)中には、1種以上のジカルボン酸(y2)を80モル%以上含有するのが好ましく、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%である。80モル以上であると、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)が上がり、ポリエステル樹脂(a)の耐熱保存性が良好となる。
本発明におけるポリエステル樹脂(a)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは170〜260℃、とくに好ましくは190〜240℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中では、環境問題への対応と触媒活性の観点から、チタン含有触媒が好ましい。
上記チタン含有触媒としては、特に限定されず、例えば、チタンアルコキシド(テトラブトキシチタネート等)、カルボン酸チタン酸塩(シュウ酸チタン酸カリウム等)、カルボン酸チタン(テレフタル酸チタン等)、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等を用いることもできるが、下記一般式(I)、および(II)で表されるチタン含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒(e)を用いるのが、さらに好ましい。
Ti(−X)m(−OR1)n (I)
O=Ti(−X)p(−OR1)q (II)
[式(I)および(II)中、R1はH、1〜5個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアシル基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の場合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。]
前記一般式(I)または(II)で表される触媒(a1)において、R1は、H(OH基となる)、1〜5個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアシル基である。
炭素数1〜18のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ラウリル基、n−ステアリル基、β−メトキシエチル基、およびβ−エトキシエチル基などが挙げられる。
炭素数1〜18のアシル基の具体例としては、炭素数1〜18の脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸から、1個のCOOH基中のOHを除いた残基である。脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。脂肪族ポリカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。芳香族モノカルボン酸の具体例としては、安息香酸、サリチル酸、ナフチル酸などが挙げられる。芳香族ポリカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
これらR1のうち好ましくは、Hおよび炭素数1〜18のアシル基であり、さらに好ましくは、Hおよび脂肪族モノカルボン酸および芳香族ポリカルボン酸から1個のCOOH基中のOHを除いた残基であり、特に好ましくは、Hおよびアセチル基であり、最も好ましくはHである。
Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のH原子を除いた残基であり、窒素原子の数、すなわち、1級、2級、および3級アミノ基の合計数は、通常1〜2個、好ましくは1個である。
上記モノアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、およびプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアルカノールアミンとしては、ジアルカノールアミン(ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、およびN−ブチルジエタノールアミンなど)、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、およびトリプロパノールアミンなど)、およびテトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が挙げられる。
ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi−O−C結合を形成するのに用いられるHを除いた残基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、それが同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。重合度が6以上の場合、触媒活性が低下するためオリゴマー成分が増え、保存安定性悪化の原因になる。
Xとして好ましいものは、モノアルカノールアミン(とくにエタノールアミン)の残基、ジアルカノールアミン(とくにジエタノールアミン)の残基、およびトリアルカノールアミン(とくにトリエタノールアミン)の残基であり、特に好ましいものはトリエタノールアミンの残基である。
式(I)中、mは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。nは0〜3の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。mとnの和は4である。
式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。 mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
nが2以上の場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
上記チタン含有触媒(e)の具体例を以下に挙げる。以下の例では、置換基Xの例示においては、例示した化合物から1個のOH基のH原子を除いた残基を意味し、置換基OR1の例示においては、例示した化合物から1個のOH基もしくは1個のCOOH基のH原子を除いた残基を意味する。
一般式(I)で表されるものの具体例としては、チタン・トリエタノールアミン(4)〔チタンにトリエタノールアミンが4個配位した化合物を意味する。以下同様の記載法で表記する。〕、チタン・ジエタノールアミン(4)、チタン・モノエタノールアミン(4)、チタン・トリエタノールアミン(3)・ジエタノールアミン(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(3)、チタン・トリエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・ジエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(2)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・モノエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・モノプロパノールアミン(2)・OH(2)、チタン・N−メチルジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・N−ブチルジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・プロピオン酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・N−メチルジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノプロパノールアミン(1)・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(3)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(2)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノプロパノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・N−ブチルジエタノールアミン(1)・OH(1)・マレイン酸(1)・アジピン酸(1)、チタン・N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン(1)・OH(1)・トリメリット酸(2)、テトラヒドロキシチタンとN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンとの反応生成物、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の具体例としては、下記一般式(I−1)、(I−2)、または(I−3)で表される少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
Figure 0005340996
Figure 0005340996
Figure 0005340996
[式中、Q1およびQ6はH、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。Q2〜Q5およびQ7〜Q9は炭素数1〜6のアルキレン基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基である。]
一般式(II)で表されるものの具体例としては、チタニル・トリエタノールアミン(2)〔チタニル基にトリエタノールアミンが2個配位した化合物を意味する。以下同様の記載法で表記する。〕、チタニル・ジエタノールアミン(2)、チタニル・モノエタノールアミン(2)、チタニル・エタノール(1)・トリエタノールアミン(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・OH(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・イソプロパノール(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・酢酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・ステアリン酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・マレイン酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・フマル酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・メタクリル酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・テレフタル酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・イソフタル酸(1)、チタニル・トリエタノールアミン(1)・ナフチル酸(1)、チタニル・ジエタノールアミン(1)・OH(1)、チタニル・ジエタノールアミン(1)・酢酸(1)、チタニル・ジエタノールアミン(1)・プロピオン酸(1)、チタニル・ジエタノールアミン(1)・フマル酸(1)、チタニル・ジエタノールアミン(1)・テレフタル酸(1)、チタニル・ジエタノールアミン(1)・イソフタル酸(1)、チタニル・モノエタノールアミン(1)・OH(1)、チタニル・モノエタノールアミン(1)・酢酸(1)、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の具体例としては、下記一般式(II−1)または(II−2)で表される少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
Figure 0005340996
Figure 0005340996
[式中、Q1およびQ6はH、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。Q2〜Q5は炭素数1〜6のアルキレン基である。]
これらのうちで好ましいものは、一般式(I)で表される化合物であり、更に好ましくは、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・ジエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(2)・OH(1)、およびこれらの分子内もしくは分子間縮合物である。
特に好ましくは、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、およびこれらの分子内もしくは分子間縮合物であり、最も好ましくは、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(2)、およびこれらの分子内もしくは分子間縮合物である。
これらのチタン含有触媒(e)は、例えば市販されているチタニウムジアルコキシビス(アルコールアミネート)(Dupont製など)を、水存在下で70〜90℃にて反応させることで安定的に得ることができる。また、重縮合物は、更に100℃にて縮合水を減圧留去することで得ることができる。
本発明におけるポリエステル樹脂(a)中の遊離のカルボン酸とは、ポリエステル樹脂(a)を重縮合する際に原料として使用したカルボン酸成分(y)の未反応物のことである。
本発明においては、ポリエステル樹脂(a)中の遊離のカルボン酸含有量は、2000ppm以下、好ましくは1800ppm以下、さらに好ましくは1500ppm以下、特に好ましくは100〜1300ppmである。
上記遊離のカルボン酸量が2000ppmより高いと、乳化性が悪化して樹脂粒子(A)の体積平均粒経が粗大化するとともに、粒度分布が広がる。
ポリエステル樹脂(a)中の遊離のカルボン酸含有量を低減する手段としては、反応温度を上げる、反応時間を延ばす、チタン含有触媒等の高活性触媒を用いる、および触媒量を増やす等のエステル化反応を促進する手段が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂(a)中の遊離のカルボン酸含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : SIL20AHT/20ACHT
Prominence UFLC 〔島津(株)製〕
カラム(一例): Capcellpack C18 〔資生堂(株)製〕
移動相 : 0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル=1/4(体積比)
流速 : 0.6ml/min
カラム温度 : 40℃
溶液注入量 : 10μm
検出装置 : UV検出器
なお、上記および以下において、%は特に断りの無い場合、重量%を意味する。
<標準サンプル溶液の調整法>
1.ポリエステル樹脂(a)を重縮合する際に原料として使用したカルボン酸成分(y)を0.02gを100mlメスフラスコへ入れ、体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液で正確に100mlに調製する。
これを0.5μmのフィルターで濾過し、[標準サンプル溶液1]とする。
2.[標準サンプル溶液1]をピペット等で50ml正確に秤取し、100mlメスフラスコに移す。これを体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液で正確に100mlとして[標準サンプル溶液1]を2倍希釈する。
これを0.5μmのフィルターで濾過し、[標準サンプル溶液2]とする。
3.[標準サンプル溶液2]をピペット等で20ml正確に秤取し、100mlメスフラスコに移す。これを体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液で正確に100mlとして[標準サンプル溶液2]を4倍希釈する。
これを0.5μmのフィルターで濾過し、[標準サンプル溶液3]とする。
上記[標準サンプル溶液1〜3]を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定し、濃度とピーク面積の関係から各カルボン酸成分(y)の検量線を作成する。
<試料溶液の調製法>
1.ポリエステル樹脂2gをクロロホルム20gに完全に溶解させる。
2.そこへ、体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液を加えて、1分間よく振とうさせた後、12時間静置する。
3.その後、上相(水相)を抽出し、0.5μmのフィルターで濾過し、高速液体クロマトグラフィー用試料溶液を調製した。
上記試料溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定し、各カルボン酸成分(y)の検量線を用いて、樹脂中の遊離のカルボン酸含有量を決定する。
ポリエステル樹脂(a)のSP値(ソルビリティー パラメーター)は、10.5〜12.5〔(cal/cm31/2、以下同じ〕であり、好ましくは、10.6〜12.4、さらに好ましくは、10.8〜12.0である。
SP値が10.5未満では、水性媒体(W)への分散性が不十分となり、12.5を越えると環境条件の影響を受けやすくなり、Tgが低下し、ポリエステル樹脂水性分散体(X)の保存(貯蔵)安定性が悪化する。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
ポリエステル樹脂(a)の酸価は、好ましくは5〜50(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは5〜45、とくに好ましくは9〜40である。酸価が5〜50の範囲であると(a)を水性媒体(W)中に分散させるとき、分散安定性が良好となる。
また、(a)の水酸基価は、好ましくは0〜100(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜70、とくに好ましくは0〜50である。水酸基価が100以下であるとポリエステル樹脂粒子(A)の耐熱保存性がより良好となる。
本発明において、ポリエステル樹脂の酸価および水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
ポリエステル樹脂(a)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、2,000〜15,000が好ましく、さらに好ましくは2,500〜13,000、とくに好ましくは3,000〜11,000である。Mpが2,000〜15,000の範囲であると、ポリエステル樹脂(a)の流動性が良くなり、乳化性がより良好となる。
本発明において、ポリエステル樹脂のMpは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは45℃以上、さらに好ましくは48〜80℃、特に好ましくは50〜70℃である。
(a)のTgが45℃以上であると、ポリエステル樹脂水性分散体(X)中での樹脂粒子(A)の再凝集を防止でき、保存(貯蔵)安定性が向上する。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
(a)のフロー軟化点〔Tm〕は、90〜150℃が好ましく、さらに好ましくは95〜145℃、とくに好ましくは100〜140℃である。この範囲であると、(a)の水性媒体(W)中への分散性および分散後のポリエステル樹脂水性分散体(X)の保存(貯蔵)安定性の両立が良好となる。本発明において、Tmは以下の方法で測定される。
<フロー軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点〔Tm〕とする。
ポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を水性媒体(W)中に分散し、ポリエステル樹脂水性分散体(X)とする方法としては、
(i)ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子(A)を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子(A)を得た後、それを適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(ii)ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体(W)中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法、
(iii)ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な分散剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
等が挙げられる。
上記(ii)、(iii)の方法では、ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液に中和剤を加えて、(a)のカルボキシル基をイオン化して、水性媒体(W)中に分散してもよい。中和剤としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液、アリルアミン、イソプロピルアミン、エチルアミン、トリエチルアミンなどの炭素数2〜18のアミン等のアミン類を使用することができる。
ポリエステル樹脂(a)もしくはその有機溶剤溶液を水性媒体(W)に分散させる場合には、分散装置を用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体(X)を製造するのに用いる分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製) 、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体(X)の製造に用いる分散剤としては、高分子型分散剤(F1)、アニオン性界面活性剤(F2)、カチオン性界面活性剤(F3)、両性界面活性剤(F4)、非イオン性界面活性剤およびこれらの混合物などが挙げられる。具体例としては次のものが挙げられる。
高分子型分散剤(F1)としては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤(F2)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩が挙げられる。
カルボン酸またはその塩としては、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸またはその塩が挙げられ、具体的にはカプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,アラキジン酸,ベヘン酸,オレイン酸,リノール酸,リシノール酸およびヤシ油,パーム核油,米ぬか油,牛脂などをケン化して得られる高級脂肪酸の混合物があげられる。塩としてはそれらのナトリウム,カリウム,アンモニウム,アルカノールアミンなどの塩があげられる。
硫酸エステル塩としては、高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド1〜10モル付加物の硫酸エステル塩)、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)及び硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩,アルカノールアミン塩が挙げられる。高級アルコール硫酸エステル塩の具体例としては、オクチルアルコール硫酸エステル塩,デシルアルコール硫酸エステル塩,ラウリルアルコール硫酸エステル塩,ステアリルアルコール硫酸エステル塩,チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、ALFOL 1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩,オキソ法で合成されたアルコール(たとえばドバノール23,25,45:三菱油化製,トリデカノール:協和発酵製,オキソコール1213,1215,1415:日産化学製,ダイヤドール115−L,115H,135:三菱化成製)の硫酸エステル塩;高級アルキルエーテル硫酸エステル塩の具体例としては、ラウリルアルコールエチレンオキサイド2モル付加物硫酸エステル塩,オクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物硫酸エステル塩;硫酸化油の具体例としては、ヒマシ油,落花生油,オリーブ油,ナタネ油,牛脂,羊脂などの硫酸化物のナトリウム,カリウム,アンモニウム,アルカノールアミン塩硫酸化脂肪酸エステルの具体例としては、オレイン酸ブチル,リシノレイン酸ブチルなどの硫酸化物のナトリウム,カリウム,アンモニウム,アルカノールアミン塩;硫酸化オレフィンの具体例としては、ティーポール(シェル社製)が挙げられる。
カルボキシメチル化物の塩としては、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩および炭素数8〜16の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩が挙げられる。脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩の具体例としては、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩,デシルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩,ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩,ドバノール23カルボキシメチル化ナトリウム塩,トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩,;脂肪族アルコールのエチレンオキサイド1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩の具体例としては、オクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩,ラウリルアルコールエチレンオキサイド4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩,ドバノール23エチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩,トリデカノールエチレンオキサイド5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩などが挙げられる。
スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,スルホコハク酸ジエステル型,α−オレフィンスルホン酸塩,イゲポンT型、その他芳香環含有化合物のスルホン酸塩が挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩の具体例としては、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩;スルホコハク酸ジエステル型の具体例としては、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノまたはジスルホン酸塩、スチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
リン酸エステル塩としては、高級アルコールリン酸エステル塩及び高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩が挙げられる。
高級アルコールリン酸エステル塩の具体例としては、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩,ラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩;高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩の具体例としては、オレイルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩が挙げられる。
カチオン界面活性剤(F3)としては、第4級アンモニウム塩型、アミン塩型などが挙げられる。
第4級アンモニウム塩型としては、3級アミン類と4級化剤(メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸などのアルキル化剤;エチレンオキサイドなど)との反応で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド、ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
アミン塩型としては、1〜3級アミン類を無機酸(塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸など)または有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アルキル燐酸など)で中和することにより得られる。例えば、第1級アミン塩型のものとしては、脂肪族高級アミン(ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩または有機酸塩;低級アミン類の高級脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。第2級アミン塩型のものとしては、例えば脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物などの無機酸塩または有機酸塩が挙げられる。また、第3級アミン塩型のものとしては、例えば、脂肪族アミン(トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミンのエチレンオキサイド(2モル以上)付加物、脂環式アミン(N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、含窒素ヘテロ環芳香族アミン(4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩または有機酸塩;トリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミン類の無機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
両性界面活性剤(F4)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤、リン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられ、カルボン酸塩型両性界面活性剤は、さらにアミノ酸型両性界面活性剤とベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
カルボン酸塩型両性界面活性剤は、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられ、これらのうち、アミノ酸型両性界面活性剤は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を持っている両性界面活性剤で、例えば、下記一般式で示される化合物が挙げられる。
[R−NH−(CH2)n−COO]mM
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは通常1または2;mは1または2;Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
具体的には、例えば、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど);アルキルアミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤で、例えば、下記一般式で示されるアルキルジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなど)、アミドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど)、アルキルジヒドロキシアルキルベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)などが挙げられる。
さらに、イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
その他の両性界面活性剤としては、例えば、ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン塩酸塩、ジオクチルジアミノエチルグリシン塩酸塩などのグリシン型両性界面活性剤;ペンタデシルスルフォタウリンなどのスルフォベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
非イオン界面活性剤(F5)としては、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤などが挙げられる。
アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤は、高級アルコ−ル、高級脂肪酸またはアルキルアミン等に直接アルキレンオキシドを付加させるか、グリコ−ル類にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリアルキレングリコ−ル類に高級脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコ−ルに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させるか、高級脂肪酸アミドにアルキレンオキシドを付加させることにより得られる。
アルキレンオキシドとしては、たとえばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、およびブチレンオキサイドが挙げられる。これらのうち好ましいものは、エチレンオキサイドおよびエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダムまたはブロック付加物である。アルキレンオキサイドの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該アルキレンオキサイドのうち50〜100%がエチレンオキサイドであるものが好ましい。
アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤の具体例としては、オキシアルキレンアルキルエ−テル(例えば、オクチルアルコールエチレンオキサイド付加物、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物、ステアリルアルコールエチレンオキサイド付加物、オレイルアルコールエチレンオキサイド付加物、ラウリルアルコールエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック付加物など);ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル(例えば、ステアリル酸エチレンオキサイド付加物、ラウリル酸エチレンオキサイド付加物など);ポリオキシアルキレン多価アルコ−ル高級脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールのラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコールのオレイン酸ジエステル、ポリエチレングリコールのステアリン酸ジエステルなど);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエ−テル(例えば、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ノニルフェノールエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック付加物、オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ジノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエ−テルおよび(例えば、ラウリルアミンエチレンオキサイド付加物,ステアリルアミンエチレンオキサイド付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアルカノ−ルアミド(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのエチレンオキサイド付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのエチレンオキサイド付加物、ジヒドロキシエチルラウリン酸アミドのエチレンオキサイド付加物など)が挙げられる。
多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールアルキルエーテル、多価アルコールアルキルエーテルアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレート、ショ糖モノステアレートなどが挙げられる。多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、エチレングリコールモノオレートエチレンオキサイド付加物、エチレングリコールモノステアレートエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートエチレンオキサイドプロピレンオキサイドランダム付加物、ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンジステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンジラウレートエチレンオキサイドプロピレンオキサイドランダム付加物などが挙げられる。多価アルコールアルキルエーテルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシド、ラウリルグリコシドなどが挙げられる。多価アルコールアルキルエーテルアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、ソルビタンモノステアリルエーテルエチレンオキサイド付加物、メチルグリコシドエチレンオキサイドプロピレンオキサイドランダム付加物、ラウリルグリコシドエチレンオキサイド付加物、ステアリルグリコシドエチレンオキサイドプロピレンオキサイドランダム付加物などが挙げられる。
水性媒体(W)中に必要により含有される有機溶剤(S)は、乳化分散の際に必要に応じて用いられる。有機溶剤(S)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等のの脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
ポリエステル樹脂(a)との親和性の観点から、好ましくはテトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが用いられる。
ポリエステル樹脂(a)の分散の際に有機溶剤(S)を用いた場合は、さらに(S)を除去することにより樹脂粒子(A)を形成する。
上記の方法において有機溶剤(S)を除去する方法は特に限定されず、公知の方法が適用でき、例えば以下の〔1〕〜〔2〕及びこれらを組合せた方法等が適用できる。
〔1〕一般的な攪拌脱溶剤槽やフィルムエバポレータ等において、加熱及び/又は減圧により脱溶剤する方法。
〔2〕液面、あるいは液中においてエアーブローして脱溶剤する方法。
上記〔1〕の方法で、加熱する際の温度は、樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、通常Tgの5℃以下が好ましく、より好ましくは10℃以下、特に好ましくは20℃以下である。減圧する際の減圧度(ゲージ圧)は、−0.03MPa以下が好ましく、より好ましくは−0.05MPa以下である。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体(X)中の有機溶剤(S)の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて測定される。(X)の再凝集防止、および保存(貯蔵)安定性向上のため、好ましくは0.02〜2%、さらに好ましくは0.03〜1%である。
また、ポリエステル樹脂水性分散体(X)中の樹脂粒子(A)の含量としては、(X)中での(A)の再凝集を防止するため、50%以下であることが好ましい。さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは5〜40%である。
樹脂粒子(A)の体積平均粒径は、ポリエステル樹脂水性分散体(X)の保存(貯蔵)安定性の観点から、0.01〜0.2μm、さらに好ましくは0.01〜0.15μm、特に好ましくは0.01〜0.1μmである。
なお、本発明において、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
本発明のポリエステル樹脂粒子(A)は、ポリエステル樹脂水性分散体(X)から水性媒体(W)を除去することにより得られる。
水性媒体を除去する方法としては、
〔1〕ポリエステル樹脂粒子(A)を減圧下または常圧下で乾燥する方法
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離し、得られた粉末を乾燥する方法
〔3〕ポリエステル樹脂粒子(A)を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
ポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)中には、その特性を損なわない範囲で、他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、数平均分子量が1000〜100万の(a)以外のポリエステル樹脂、スチレン系重合体、スチレンーアクリル系共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。
(a)とブレンドしてもよいし、一部反応させてもよい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明のポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)中に、添加剤(顔料、充填剤、帯電防止剤、着色剤、離型剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤など)を含有しても差し支えない。(A)中の添加剤の合計含有量は、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。(A)中に添加剤を添加する方法としては、
(1)あらかじめポリエステル樹脂(a)と添加剤を混合した後、分散させる方法
(2)添加剤を含まない、ポリエステル樹脂水性分散体(X)を形成させた後、公知の染着の方法で添加剤を添加したり、有機溶剤(S)とともに含浸させる方法。
が挙げられる。
以下実施例、比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下部は、特に断りの無い場合、重量部を意味する。
製造例1
[ポリエステル樹脂(a−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物98%、3モル付加物2%)512部(0.90モル部)、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−3P(三洋化成工業製:PO2モル付加物30%、3モル付加物41%、4モル付加物23%、5モル以上付加物6%)238部(0.36モル部)、テレフタル酸271部(1.00モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸17部(0.05モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−1)とする。
(a−1)のTgは55℃、Tmは105℃、Mpは6000、酸価は9、SP値は10.8、遊離のカルボン酸含有量は800ppmであった。
なお、( )内のモル部は相対的なモル比を意味する(以下同様)。
製造例2
[ポリエステル樹脂(a−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール714部(2.00モル部)、テレフタル酸679部(0.87モル部)、アジピン酸89部(0.13モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは338部(0.95モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸29部(0.03モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−2)とする。
(a−2)のTgは64℃、Tmは115℃、Mpは9500、酸価は14、SP値は11.7、遊離のカルボン酸含有量は900ppmであった。
製造例3
[ポリエステル樹脂(a−3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸419部(0.50モル部)、イソフタル酸419部(0.50モル部)、エチレングリコール626部(2.00モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸25部を加え、常圧下で3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で10時間反応後、取り出した。回収されたモノエチレングリコールは303部(0.97モル部)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−3)とする。
(a−3)のTgは62℃、Tmは125℃、Mpは11000、酸価は10、SP値は12.4、遊離のカルボン酸含有量は1200ppmであった。
製造例4
[ポリエステル樹脂(a−4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール155部(0.53モル部)、ネオペンチルグリコール339部(0.85モル部)、テレフタル酸643部(0.95モル部)、アジピン酸30部(0.05モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは74部(0.25モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸22部(0.03モル部)を加え、常圧下で3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で10時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−4)とする。
(a−4)のTgは56℃、Tmは107℃、Mpは10500、酸価は15、SP値は11.5、遊離のカルボン酸含有量は1100ppmであった。
製造例5
[ポリエステル樹脂(a−5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール413部(1.50モル部)、ネオペンチルグリコール231部(0.50モル部)、テレフタル酸442部(0.60モル部)、イソフタル酸295部(0.40モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収されたモノエチレングリコールは260部(0.94モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸34部(0.04モル部)を加え、常圧下で3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で10時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−5)とする。
(a−5)のTgは56℃、Tmは107℃、Mpは10500、酸価は20、SP値は11.8、遊離のカルボン酸含有量は1500ppmであった。
製造例6
[ポリエステル樹脂(a−6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール340部(1.00モル部)、ネオペンチルグリコール232部(0.50モル部)、テレフタル酸708部(0.96モル部)、アジピン酸29部(0.05モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が110℃になった時点で取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは150部(0.44モル部)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−6)とする。
(a−6)のTgは50℃、Tmは110℃、Mpは9100、酸価は1、SP値は11.3、遊離のカルボン酸含有量は800ppmであった。
製造例7
[ポリエステル樹脂(a−7)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール309部(1.00モル部)、ネオペンチルグリコール212部(0.50モル部)、テレフタル酸645部(0.96モル部)、アジピン酸27部(0.05モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、軟化点が100℃になった時点で冷却した。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸89部(0.11モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で1時間反応後、取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは136部(0.44モル部)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−7)とする。
(a−7)のTgは59℃、Tmは120℃、Mpは9400、酸価は52、SP値は11.7、遊離のカルボン酸含有量は950ppmであった。
比較製造例1
[ポリエステル樹脂(Ra−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール330部(1.00モル部)、ネオペンチルグリコール226部(0.50モル部)、テレフタル酸688部(0.96モル部)、アジピン酸29部(0.05モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは145部(0.44モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部(0.03モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(Ra−1)とする。
(Ra−1)のTgは64℃、Tmは112℃、Mpは9800、酸価は14、SP値は11.5、遊離のカルボン酸含有量は3000ppmであった。
比較製造例2
[ポリエステル樹脂(Ra−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、水素添加ビスフェノールA674部(1.05モル部)、テレフタル酸39部(0.10モル部)、アジピン酸351部(0.90モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部(0.05モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(Ra−2)とする。
(Ra−2)のTgは62℃、Tmは111℃、Mpは9900、酸価は17、SP値は10.3、遊離のカルボン酸含有量は1000ppmであった。
以下の表1に、製造例1〜7で得られたポリエステル樹脂(a−1)〜(a−7)、および比較製造例1、2で得られたポリエステル樹脂(Ra−1)、(Ra−2)の分析値をまとめた。
Figure 0005340996
実施例1
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−1)の調整]
製造例1で得られたポリエステル樹脂(a−1)10部をテトラヒドロフラン(THF)30部に溶解し、トリエチルアミン2部を加えた。よく撹拌されているこの溶液に水23部を徐々に加えた後、40℃、−0.03MPaでガスクロマトグラフィーで測定したTHF含有量が0.1重量%となるまで脱溶剤して、ポリエステル樹脂(a−1)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−1)を得た。(X−1)をエバポレータで40℃,0.01MPaで脱溶剤し、次いで濾別、乾燥して、ポリエステル樹脂粒子(A−1)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.03μmであった。
実施例2
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−2)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−2)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−2)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−2)、およびポリエステル樹脂粒子(A−2)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.03μmであった。
実施例3
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−3)の調整]
製造例3で得られたポリエステル樹脂(a−3)10部をテトラヒドロフラン(THF)30部に溶解し、トリエチルアミン2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)1部を加えた。よく撹拌されているこの溶液に水23部を徐々に加えた後、40℃、−0.03MPaでガスクロマトグラフィーで測定したTHF含有量が0.1重量%となるまで脱溶剤して、ポリエステル樹脂(a−3)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−3)を得た。(X−3)をエバポレータで40℃,0.01MPaで脱溶剤し、次いで濾別、乾燥して、ポリエステル樹脂粒子(A−3)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.05μmであった。
実施例4
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−4)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−4)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−4)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−4)、およびポリエステル樹脂粒子(A−4)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.04μmであった。
実施例5
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−5)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−5)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−5)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−5)、およびポリエステル樹脂粒子(A−5)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.06μmであった。
実施例6
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−6)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−6)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−6)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−6)、およびポリエステル樹脂粒子(A−6)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.15μmであった。
実施例7
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−7)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−7)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−7)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−7)、およびポリエステル樹脂粒子(A−7)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.20μmであった。
比較例1
[ポリエステル樹脂水性分散体(RX−1)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(Ra−1)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(Ra−1)を含有する樹脂粒子の水性分散体(RX−1)、およびポリエステル樹脂粒子(RA−1)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.50μmであった。
比較例2
[ポリエステル樹脂水性分散体(RX−2)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(Ra−2)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(Ra−2)を含有する樹脂粒子の水性分散体(RX−2)、およびポリエステル樹脂粒子(RA−2)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.40μmであった。
〔試験例〕
ポリエステル樹脂水性分散体(X−1)〜(X−7)、および(RX−1)、(RX−2)を下記の方法で評価した保存(貯蔵)安定性の評価結果を表2に示す。
〔保存(貯蔵)安定性〕
50℃に温調された乾燥機にポリエステル樹脂水性分散体を24時間静置し、沈殿物の状態により下記の基準で評価した。
○ : 沈殿物なし。
△ : 沈殿物が発生するが、軽くゆすると容易に分散する。
× : 沈殿物が発生し、軽くゆすっても分散しない。
Figure 0005340996
以上の通り、本発明のポリエステル樹脂水性分散体(X−1)〜(X−7)は高い保存(貯蔵)安定性を示し、小粒経の樹脂粒子を得ることができる。一方、比較のポリエステル樹脂水性分散体(RX−1)、(RX−2)では、十分な保存(貯蔵)安定性が得られず、また粒経も粗大化する傾向がある。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体、およびポリエステル樹脂粒子は、小粒経で、高い保存(貯蔵)安定性を有するポリエステル樹脂水性分散体であり、塗料用添加剤、化粧品用添加剤、紙塗工用添加剤、スラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー用母体粒子、電子部品製造用スペーサー、電子測定機器の標準粒子、電子ペーパー用粒子、医療診断用担体、電気粘性用粒子、その他成型用樹脂粒子等として有用である。

Claims (7)

  1. アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、必要により有機溶剤(S)を含有する水性媒体(W)中に分散されてなる水性分散体であって、(a)中の遊離のカルボン酸含有量が2000ppm以下であり、かつ(a)のSP値が10.5〜12.5(cal/cm31/2であるポリエステル樹脂水性分散体(X)。
  2. ポリエステル樹脂(a)の酸価が5〜50(mgKOH/g)である請求項1記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
  3. ポリエステル樹脂(a)のピークトップ分子量が2000〜15000であり、軟化点が90〜150℃である請求項1または2記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
  4. ポリエステル樹脂(a)がチタン含有触媒の存在下でアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなる請求項1〜3のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
  5. ポリエステル樹脂水性分散体(X)中の有機溶剤(S)の含有量が0.02〜2重量%である請求項1〜4のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
  6. 樹脂粒子(A)の体積平均粒経が0.01〜0.2μmである請求項1〜5のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)から水性媒体(W)が除去されてなるポリエステル樹脂粒子(A)。
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